上越教育大学障害児教育実践センター紀要,第 9 巻,3 3 ‑ 4 1 ,平成1 5 年 3 月
重度 ・重複障害児の訪問教育 における授業事例 と生理学的評価 の試み
大 庭 重 治*・恵 羅 惨 苦**
重度 ・重複障害児を対象 とした訪問教育 においては,授業 の展開 とそ こで実施 された指導 内容が理 解で きる実践事例 の蓄積が乏 しく,訪問教育の経験年数 の少 ない教師に とっては参考 にできる資料が 極めて不足 した状況 となっている。 また訪問教育の対象 となる重度 ・重複障害児では表 出行動が微弱 であることが多 いため,刺激 の受容状態 を評価す るためには生理学的指標 の活用が必要 とされている。
そ こで,本研究では, まず 1年間にわた る養護学校 との共 同研究 を通 して訪問教育 における授業記録 を収集 し,授業実践事例 として提示 した。 また,授業記録時に対象児童の心拍 を測定 し,その結果を
" 根拠 に基づ く実践"の実現 に向けて有効に活用 してい くことの可能性 について検討 した。
キーワー ド :訪問教育,授業事例,心拍変動,根拠 に基づ く実践,重度 ・重複障害児
Ⅰ. 訪問教育の課題 と本研究の 目的
訪問教育は ,1 97 9 年 に養護学校教育義務制が発足 し て以来,重度 ・重複障害児の教育 システムのひ とつ と して重要 な役割を果た して きた。 しか しなが ら,家庭 や施設 において実施 され る訪問教育 に関 しては,今な お検討すべ き問題が残 されている。
そのひとつに,重度 ・重複障害児 に対す る授業実践 例の報告が少 ない とい う問題がある 。5 年前の調査 ( 国 立特殊教育総合研究所,1 997)において,訪問教育を 担当している教師の約78%が訪問教育経験年数 4 年以 下であることが明 らかにされている。 この よ うな経験 年数が少ない教師に とって,具体的 な授業実践例 は自 らの授業 の設計 において大 きな拠 り所 にな る とい え る。た とえば,高木 ・岡本 ・森屋 ・阪田 ・小池 ( 1 9 9 8 ) 紘 ,1 5 歳 の重度 ・重複障害児に対す る授業構成例 を示 し , 「 舌を出す」ことによる応答的表 出を促す指導 を紹 介している。
また,山内 ( 1 999) は,1 1 歳の児童 を対象 とした訪 問教育における個別指導計画を提示 し,それに基づい て実施 した授業の展開例 を報告 している。特 に,重度 ・ 重複障害児におけるコ ミュニケーシ ョンの成立 を , 「目 覚め」を手掛 りとして評価す る試みについて紹介 して いる。 この よ うな具体的 な授業実践例の蓄積が現在求
* 上越教育大学障害児教育講座
=
上越教育大学障害児教育実践センター
め られている。 また,訪問教育 に関す るも うひとつの 問題 として,対象 となる児童 ・生徒 の発達的評価や, それに基づ く指導 内容の妥当性の検討が不十分である とい う問題がある。重度 ・重複障害児を対象 とした研 究報告 の うち,広 く知 られた基準 に よる発達状態の記 述がみ られ る論文 は69%に留 まってお り, さらに表 出 が微弱 な重度 ・重複障害児の指導 において,刺激の受 容状態 を把握す る際の有力な手段である生理学的指標 の活用状 況 につ いて は37% と低 い割合 で あった ( 大 庭 ・恵産,20 02) 。 この よ うに,重度 ・重複障害児の教 育 においては,必ず しも発達評価が適切 に実施 されて いるとはいえない状況 にあ り,子 どもの発達 を科学的 に評価 し,その評価結果 を正 しく読み取 った上で指導 計画を作成 してい く手続 き ( 恵羅,200 2)の充実が重 要 な検討課題 となっている。 また,前述の調査 ( 国立 特殊教育総合研究所,1 997 )の中では,訪問教育を担 当 している教師の 2 1 % にあた る教師が指導 内容に関 し て誰 とも相談 していない と回答 してお り,訪問教育に おいて実施 されている指導 内容の検討が十分 になされ ていない状況が少 なか らず存在す ることも明 らかにさ れている。す なわち,重度 ・重複障害児の教育におい ては発達評価が不十分 な場合があ り,そのよ うな状況 においては,指導が試行錯誤的に実施 され,板拠 柾基 づいた実践 ( Evi de nce‑ Bas edEducat i on)が実行 され ていない可能性がある。
以上の よ うな問題 か ら,筆者 らは平成 1 2 年度 よ り県
大 庭 重 治 ・恵 羅 惨 苦 内の養護学校 との共 同研究 を実施 し,訪問教育 におけ
る授業記録 を収集す る機会 を得た。 また, その過程 に おいて,対象児童 の発達評価 の一環 として,試行的 に 心拍 を測定 ・記録す る機会 も得 ることがで きた。心拍 につ いては,以前 よ り重度 ・重複障害児 の刺激受容特 性 を評価す る際の指標 としての有効性が指摘 されてお り,多 くの研究 においてその具体的 な成果が報告 され て きた ( Ta bl e l )。本研究では,以上 の よ うな共 同研 究 の成果 を整理す ることに よって,訪問教育 における 授業実践事例 を示す とともに,授業場面 における心拍 測定結果 の有効活用 の可能性 につ いて検討す ることを
目的 とした。
Ⅰ Ⅰ.訪 問教育の授業事例
本研究 において記録 した授業 の対象児童 は,養護学 校 小学部 4 年 に在籍 し,在宅訪問教育 を受 けていた男 千 ( T 児)である。低酸素性虚血性脳症 に よ り, 日常 生活全般 において介助 を必要 とした。授業 開始時 の健
康観察 において呼吸数,心拍数,体温 を測定 していた が, これ らは年 間を通 して非常 に安定 していた。担 当 教 師の記録 に よると,認知機能 の状態 に関 しては,片 限のみではあ るが強 い光 に対す る表情 の変化 が観察 さ れた り,声 かけや楽轟 の音 な どに対 して, まげた き, 顔 の動 き,口唇 の動 きに よる反応 が観察 された。また, 運動機能 に関 しては,寝返 りはで きないが,頭 を左右 に動 かす ことがで きた。 なお, T 児 に対 しては,年間 3 0 回以上 の登校指導 も行われていた。
月 1 回程度 の頻度 で,筆者 らが T 児の 自宅 に担 当教 師 とともに訪問 し,授業 の様子 を同一学年 内に 9 回記 録 した。また,授業終了後,担 当教 師 と母親 か ら T 児 の学習の様子 に関す る聞 き取 りも実施 した。 1回の授 業時間は約 2 時間であ り,毎 回同 じ教 師に よって実施 された。担 当教 師は訪 問教育 に関す る実績 を持 ち,保 護者 との信頼関係 も安定 していた。担 当教師 と母親が 直接 の指導 にあた り, その様子 を筆者 らが VTR に記 録 した。 9 回 目の授業 の際 には,心拍 も合わせ て記録 Ta b一 e l 心 拍を発達評価 ・指導の指標 として用いた論文の一覧 ( 大庭 ・意羅,2 0 0 2 を修正)
著者( 発行年
)1)年齢又は学年
2)論文内容
3)キーワー ド
4)杉谷他( 2 0 0 1 ) 雲井他( 2 0 0 1 ) 田中他( 2 0 0 0 ) 酒井他( 1 9 9 9 ) 大平他( 1 9 9 9 ) 宮崎他( 1 9 9 9 ) 雲井他( 1 9 9 8 ) 大平他( 1 9 9 8 ) 北島他( 1 9 9 8 ) 高木他( 1 9 9 8 ) 柳原他( 1 9 9 7 ) 小林他( 1 9 9 6 ) 水田他( 1 9 9 6 ) 松田他( 1 9 9 5 ) 北島他( 1 9 9 4 ) 乾他( 1 9 9 3 ) 田畑( 1 9 9 3 ) 北島( 1 9 9 3 ) 北島他( 1 9 9 3 ) 片桐他( 1 9 9 3 ) 新井他( 1 9 9 2 ) 新井他( 1 9 9 1 )
18 中 10 9 11 小 15 11 17 15 11 4 8 小 11 5 1 10 10 3 6 6 5 0 6 4 0 9 1 1 2 5 2 2 1 〜 〜 〜 6 〜 〜 〜 3 高 5 25 〜 23 24 40 21 21 9 41 41 〜 〜 2 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 価 評
価 導 導 価 価 導 価 価 価 導 価 価 価 導 価 価 価 価 価 価 価 価 評 指 指 評 評 指 評 評 評 指 評 評 評 指 評 評 評 評 評 評 評 評
心拍数, トランポ リン運動, 自律神経
期待心拍反応, コミュニケーション, 自発的選択 心拍反応,授業分析,カテゴリー分析
パルスオキシメ トリ,栴下,呼吸
心拍 , 「 ゆらし」刺激,持続時間,情動表出 脈拍,動作法
心拍反応,定位 ・探索反応 心拍,情動表出 , 「ゆらし」刺激 期待,介入
心拍反応,療育 脈拍変動,訪問教育
心拍数, トランポ リン運動,皮膚温 心拍変動,期待反応 , 「 ゆらし」刺激
パルスオキシメーター,教育的係わ り,呼吸状態 心拍変動,期待,情動表出, コミュニケーシ ョン HR 反応,定位 ・探索反応,行動反応
心拍,経年変化 心拍変動,期待反応 心拍変動,期待反応
聴性心拍反応,脳幹機能障害,生活経験要因 心拍数,積極的健康,感覚運動
心拍数,積極的健康,感覚運動 1)1 9 9 0 年以降の論文に限定 した。
2) 論文において研究の対象 となった者の年齢または学年を示す。
3)論文内容欄の 「 評価」は主 として対象者の状態を記述 した論文,「 指導」は主 として実践内容を 記述 した論文であることを示す。
4) 論文記載のキーワー ドを列挙 した。ただし,順序は入れ替えたものがある0
重度 ・重複障害児の訪問教育における授業事例 と生理学的評価の試み した。 なお,保護者 には事前 に研究 の趣 旨や 内容 につ
いて説明 し,研究 に対す る協力 の東諸 を得た。
本研究 において分析 の対象 とした授業 は,基本的 に
「 始 ま りの会」, 「 乾布摩擦 とス トレ ッチ」,「テーマ学 習」 ,「 終わ りの会」の 4ステ ップか ら構成 され ていた。
各ステ ップの活動項 目とその内容 の概要 を Tabl e2 に 示 した。相対的 に多 くの時間 を費や していた 「テーマ 学習」や 「 終わ りの会」 の際 には,椅子座位 の姿勢 で 活動 した。
また,「テーマ学習」の中の設定遊 びにおける活動 の テーマ と内容 は月毎 に計画が立 て られ ていた.記録 を とった 9 回の授業 にお け る活動 内容 と T 児 の様 子 を Ta bl e3 に示 した。 テーマ学 習 の中で実施 された遊 び 紘,音刺激,体性感覚刺激, ゆ らし刺激 に対す る反応 を促す遊 びが中心 であ った。 これ らの外部刺激 に対 し て,首や眼を刺激 の方 向に向ける,大 きなため息をつ くなどの明確 な反応 が観察 された。特 に,音刺激 に対 してほ刺激 内容 を聞 き分 けている様子がみ られ,た と えば本の読み聞かせ における擬声語 に対 しては, 目を 大きく見開いた り,顔 を しかめ るな どの反応 も観察 さ れた。
しか しなが ら,教師 は授業 中の刺激が T 児 に どの程 度受け入れ られ てい るのか, また どの よ うな刺激 が快 刺激であるのかの判断 に迷 っていた。 また,母演 も, 与 えた刺激 を T 児が どの程 度弁 別 で きてい るのかを 知 りたい とい う希望 を持 っていた。 この よ うな ことか
ら,教 師,母親,記録者 の話 し合 いにおいて,生理学 的指標 に よる発達評価 の可能性 につ いて検討す ること の必要性が話題 として提起 され るよ うになった。 そ こ で,観察 の最終 回に,試行的 に授業 中の心拍 を測定す ることに した。その結果 を次 に示す。
Ⅰ Ⅰ Ⅰ .授業 における心拍測定の試み
9回 目に実施 した授業記録時 の途 中4 4分間にわた っ て心拍 を測定 した。 その間の心拍 の変化 と活動 の流れ を Fi g. 1に示す。 この時間内の主 な活動 内容 は, カレ ンダー作 り,シーツプランコ, 絵本 の読み聞かせであっ た。
心拍測定 には ,Pol arVant ageNV HRM ( Pol ar El e c t r o Oy ,Fi nl and) を使用 した。 この装置 は, ワイ ヤ レスの心拍数 モニターであ り, トラソス ミックとレ シーバ ーか ら構成 され る 。T 児 の胸部 に トランス ミッ タを装着 し,椅子 または手首 に設置 した レシーバ ーに よ り瞬時心拍数 ( bpm)を受信 した。心拍測定時 にお ける T 児 の様子 は,すべ て VTR に記録 した。心拍数 データは,装置 に付属 している HR アナ リシス ・ソフ トウェア ( Ve r s i o n5. 0 0 ) に よ りオ フラインで処理 し
た 。
Fi g. 1に見 られ るよ うに ,T 児 の心拍 は,全般的 に変 動 が少 なか った。ノイズを除 く全 4 0 2 9 粕 の平均 bpm 値 は ,9 2. 3( S D‑4. 0 ) であった.心拍測定時 における 呼吸 に伴 う胸郭運動 を外部観察 した ところ, 1 分間の
Ta bl e2 本研究において分析の対象 とした授業の概要
活動の流れ 活動項 目 活動の内容 姿勢
始まりの会 健康観察 授業を開始する前に,体温 と心拍数を測定 した。 仰臥位 始まりの歌 授業の開始を伝えるために,教師が体を揺 らしながら毎 座位( 抱っこ)
回同じ歌を聞かせた。
始ま りの挨拶 で児,母親,観察者,教師の順に呼名 した。 座位( 抱っこ) T 児以外の者は T 児に向かって返事をした。
乾布摩擦 と 乾布摩擦 教師の歌に合わせて,教師と母親が両側から腕,辛,足 仰臥位 ス トレッチ の順に乾布摩擦を行い,さらに教師が腹,背中にも行っ
た。同時に筋,関節のス トレッチも行った。
体揺 らしと CD の音楽に合わせて,腹,背中などを揺 らした。また腕 仰臥位 ス トレッチ や足のス トレッチを行った。
テーマ学習 設定遊び 音遊び,感触遊び,揺れ遊びなど,月毎に設定 した活動 座位( 椅子) を行った。詳細は Ta bl e3 参照。
読み聞かせ 挿絵を顔の前に捷示 した状態で,本の読み聞かせを行っ 座位( 椅子) た。本は昔話や童話のようなス トーリー性のあるものを
選択 した。
終わ りの会 終わ りの挨拶 教師が手を持ちながら毎回同じ歌を歌った後,呼名 した。 座位( 椅子)
大 庭 重 治 ・高 尾 修 舌
Tabl e3 テーマ学習の設定遊びにおける活動内容 と対象児の様子
記毎回 活動テーマ 活動内容 と対象児の様子
1 太鼓遊び ( 音遊 び) 2 スライム遊び
( 感触遊 び) 3 バルーン遊び
( 揺れ遊 び) 4 豆遊 び
( 感触遊び) 5 豆遊び
( 感触速 び) 6 小 麦 粉 粘 土 遊 び
( 感触遊 び) 7 姿勢訓練 8 リズム遊び
( 音速 び) 9 シーツ プ ラ ン コ
( 揺れ遊 び)
CDにより太鼓や笛の音楽を流 し,その昔に合わせて教師が T児の手 を持 って一緒に太鼓を叩いた。笛の音に対 して,体を動かさずにじっ
と聞いている様子が観察 された。
スライムを作成す るために,教師がT児の手を持 ってボールの中のス ライムを混ぜた。遊びが終了 し教師が片付けを行っている際に,明確 な首の動 きによる追視が観察 された。
大型のバルーン上で仰臥位をとらせ,歌に合わせて前後,左右にゆっ くりと揺す った。傾斜に伴 う身体の緊張は特に見 られなかった。
大豆を紙筒,ペ ットボ トル, タソバ リンなどの上に落 とした り, タラ イの中に大量の大豆を入れ,足で触 らせた りした。音や感触に対 して, 教師の側への首の動 きが観察 された。
前回と同様の活動を設定 したが,覚醒水準が極度に低下 していたため, 反応はほとんど観察 されなかった。
小麦粉粘土を使用 して教師 とともに制作を行った。粘土の準備をして いる教師に眼を向けた り,粘土が手に触れると大 きなため息をつ くな ど,明確な反応が観察 された。
この時間は ,PT より新たに指導を受けた姿勢について教師 と母親が 確認をしたため,遊びの設定はなかった。
ギター,風鈴,太鼓, シソパルなどに触れさせることによって一緒に 音を出した。それに伴い,限を大 きく開 く,頭を動かす,ため息をつ
くなどの反応が観察 された。
教師 と観察者により,揺れに変化を持たせなが らシーツプランコを実 施 した。身体的な緊張が生 じることはな く,床に下ろされた際に,眼 を動かして探索す る様子が観察 された。
観察 を 1 0 回実施 した平均 が 1 1. 7 回 ( S D‑0. 6 7 ) で あ っ た。 この ことよ り,心拍数 にみ られ る 1 分 間 に 1 0 か ら 1 2 周 期 の規 則 正 しい変 動 は呼 吸性 変 動 で あ る とい え る。 呼吸性変動 は,全般的 に優勢 に出現 していた。測 定 中,座位 か ら仰 臥位 ‑,仰 臥位 か ら座位 ‑ と T 児 の 姿勢 を変 えた。座位 に比べ て,仰 臥位 で は,僅 かで は あ るが bpm 値 の低 下 がみ られた。
心拍測定 中 のエ ピソー ドとしては, T 児 に対 して 4 回の吸引が行わ れた 。Fi g. 1にみ られ るよ うに,吸引 に 伴 い呼吸性変動 が消失 し ,9 9 bpm か ら 1 0 2 bpm を頂点 とす る瞬時心拍数 の緩 や か な増 大 が 出現 した (図の y 軸範 囲 を越 えた ところは体動 に よる ノイズで あ る)。こ
の他,測定 開始 か ら 2 4 分経過 した時点 で,母親 が T 児 を抱 きか か えて話 しか け る こ とが あ ったO この エ ピ ソー ドに よ り,姿勢変化 の影響 か声 かけの影響 か は判 別 で きないが, T 児 の呼吸性変動 が一 時的 に消失 し, 1 0 0 bpm を越 える瞬時心拍数 の増大 が認 め られた。
碍動 内容 と心拍変動 の関連 につ いてみ る と,最初 の
カ レンダ ー作 りで は, 吸引 のエ ピ ソー ドを除 けば, T
児 の心拍 は呼吸性変動 が安定 して出現す る変化 に乏 し い もの で あ った。 この期 間 に お け る心 拍 の平 均 は, 9 3. 0( n‑1 7 3 0,S D‑3. 6 ) であ った.
シー ツブラン コで は,姿勢 の変化 を伴 った ことか ら, 明 らか な心拍変動 が認 め られ た 。Fi g.1 にみ られ るよ
うに,実際 に T 児 を揺 らしてい る状態 で は,呼吸性変 動 が消失す る傾 向が認 め られた。揺 らし刺激 を入れ て いた 4 つ の区間 の平均 bpm 値 は, それぞれ 8 7. 3( n=
3 0,SD‑3. 3 ) ,9 0. 3( p‑4 5,S D‑2. 2 ) ,9 2. 5( n=
5 5,SD ‑ 1. 7 ) ,8 8. 1( n‑8 9,SD‑3. 3 ) で あ った。
揺 らし刺激 の ない仰 臥位 の状態 で は, 2 回 目と 3 回 目 の揺 らし刺 激 の間隙 において平均 8 9. 2 bpm ( n‑1 2 7 , もS D‑3. 4 ) ,4 回 目の揺 らし刺激 の終 了後 において平均
9 1. 1 bpm( n‑91,SD ‑ 1. 7 ) で あ った。 以上 よ り,揺 らし刺激 は,瞬時心拍数 の レベルにはあま り影響 しな いが,呼吸性変動 に影響 してい る と考 え られ る。
絵 本 の読 み聞 かせ で は,呼吸性変動 が優位 に出現 し,
重度 ・重複 障害児 の訪 問教育 におけ る授業事例 と生理学的評価 の試み
(∈ d q) a te ∝ t t2O H 0 0 0 0 0lU2 1 0 9 8 7 r]l r]l rii 1 20 11 0 100 90 80 7 0 1 2 0 11 0 100 90 80 70 120 11 0 1 0 0 90 80 70 120 11 0 1 00 9 0 80 70
0・5 mi nut es
l l l ー リ
12 0 1 80 240 300
5 ̲ 1 0mi nu t es
l F 一 一
300 36 0 42 0 480 5 40 600
10 ̲15mi n u t e s
l l l l I l
600 660 720 780 840 900
15‑20 mi nu t es
90 0 960 1020 1 080 1140 1 200
20‑25 mi nu t es
J I J l
120 0 1260 1320 1 380 1 440 1 500
120
1 1 0 1 0 0
9 0
80
70
25 .3 0mi nut e s
l ' ; ' ' ' ; : : : I : = : T F : = : : : : : = I
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1 500 1560 1620 1 680 1 740 1 80 0
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70
30‑35 mi nut eS
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