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【博士学位論文 要旨】
「国際債権契約における回避条項について
-ドイツ国際私法上の議論を手掛かりとして-」
寺井 里沙
1. 問題の所在
個別具体的事案において規律される法律関係が、最密接関係地として原則的に規定され る国とは異なる国に対して、より密接な関係を示していると解されることがある。このよ うな場合により密接な関係を有する国の法の適用を命じる規定を、一般に、回避条項
(Ausweichklausel)、例外条項(escape clause)、あるいは、是正条項(Berichtigungsklausel)と 呼ぶ。
回避条項に関しては、伝統的抵触法のさらなる発展のための効果的な手段として積極的 に評価する立場がある一方で、何の規定も定めていないという立法者の説明以外の何物で もないとして消極的に評価する立場もある。もっとも、諸外国の法源中に回避条項が存在 すること、回避条項がない場合にも諸外国の裁判実務においては回避条項が存在する場合 と同様の処理が行われていること、これらを前提として、回避条項の要否それ自体を一般 的論点とする段階はすでに過ぎたとの評価もある。そうであるとすれば、むしろ現在求め られているのは、回避条項の存在意義に懐疑的な立場の主張する「法的安定性」を担保す べく、回避条項の適用の可否に関する判断基準を可能な限り明らかにすることであろう。
わが国の国際私法上、債権契約に関しては、「より密接な関係」の要件を直接明記する回 避条項は規定されていない。しかし、法適用通則法第
8
条2
項所定の地、すなわち特徴的 給付を履行すべき当事者の常居所地は、同条1
項所定の最密接関係地の「推定」に過ぎな いことから、原則的な最密接関係地とは異なる地がより密接な関係を有する地となりうる ことが明らかである。そうであるとすれば、法適用通則法第8
条2
項の「推定」の文言に 回避条項の機能を見出すことができる。それでは、いかなる場合に法適用通則法第
8
条2
項の「推定」が覆され、回避条項の効 力が生じるか。この点について検討するにあたってはドイツ国際私法上の議論が参考とな る。というのも、ドイツ国際私法上、特に債権契約に関する回避条項たるドイツ民法施行 法第28
条5
項が規定されて以来、債権契約および回避条項に関する積極的な議論が展開さ れ、裁判例も豊富に蓄積されているからである。また、日本の国際私法は、その立法化の 沿革からも明らかなように、ドイツ国際私法と共通する点が多く、特に債権契約に関する 抵触法的構成についても同じことがいえる。このことは、ドイツと日本との間で、債権契 約に関する抵触法的構成を比較することを容易にしよう。本論文は、以上の問題意識に基づき、債権契約の回避条項に関するドイツ国際私法上の
2
議論、裁判例を参考としつつ、法適用通則法第8
条2
項の「推定」の文言に内包される回 避条項の機能について検討している。2. 第 1
章 ドイツ民法施行法第28
条5
項に関する裁判例第
1
章では、回避条項たるドイツ民法施行法第28
条5
項の法的構成について整理した上 で、同規定に関する裁判例について検討している。なお、ドイツ国際私法上、2009 年12
月17
日以降に締結された契約に関してはローマⅠ規則第4
条が適用されることとなり、ド イツ民法施行法第28
条は廃止された。既に廃止されたドイツ民法施行法第28
条を本研究 の検討対象とするのは、同規定所定の債権契約に関する連結規則は、特徴的給付の債務者 の常居所地を原則的連結点とする点において、ローマⅠ規則第4
条、法適用通則法第8
条 所定の連結規則と共通しており、かつ、適用裁判例も豊富に蓄積されていることから検討 の価値を有すると考えるためである。ドイツ民法施行法第
28
条5
項に関する裁判例が提起する問題の一つとして、回避条項の 適用過程において政策的な弱者保護を図るべきかという問題がある。コプレンツ上級地方 裁判所2006
年3
月29
日判決、リューベック区裁判所2007
年9
月13
日判決、ゲルダーン 区裁判所2007
年11
月28
日判決、これら三件の裁判例は、回避条項たるドイツ民法施行法 第28
条第5
項の適用過程において、旅客の住所地、国籍という旅客の側に存する事情、お よび、出発地、目的地を考慮した。旅客の住所地、国籍を重視した点を踏まえれば、旅客 に対する抵触法上の保護が重視されたと推測される。ドイツ民法施行法第28
条5
項を適用 したこれら三件の裁判例における結論、および、旅客運送契約に関するローマⅠ規則第5
条2
項所定の原則的連結点、これらの類似性に注目すれば、ローマⅠ規則第5
条2
項にお いて旅客の保護を意図した原則的連結点が設けられた背景には、こうした裁判例の蓄積が あったと推測される。3. 第 2
章 ローマⅠ規則第4
条3
項の「明らかにより密接な関係」の意義第
2
章では、ローマⅠ規則第4
条3
項の法的構成について整理した上で、同規定所定の「明らかにより密接な関係」の要件に固有の意義が認められるかという点につき、その立 法趣旨、ローマ条約第
4
条5
項に関する学説、欧州司法裁判所2009
年10
月6
日先決裁定 を手掛かりとして検討している。ローマⅠ規則第
4
条3
項の立法過程において参考とされたローマⅡ規則第4
条3
項の立 法過程に手掛かりを求めると、ローマⅠ規則第4
条3
項に「明らかにより密接な関係」の 要件が規定されることとなった背景には、ローマ条約のもとで最密接関係地に関する推定 規定がしばしば無視されたことへの反省、および、原則的な最密接関係地について一切確 認することなく最密接関係地を決定してはならないことを強調する意図が見受けられる。それでは、ローマⅠ規則第
4
条3
項の「明らかにより密接な関係」の要件は、ローマ条 約第4
条5
項の「より密接な関係」の要件と具体的にどのように相違するか。ローマ条約3
第4
条5
項の適用基準をめぐっては、ヨーロッパ国際私法上、異なる二つの見解の対立が 指摘される。一つは、オランダ、スコットランドにおいて採用される見解である。それに よれば、原則的な最密接関係地が「連結するに値する真正の価値(genuine connecting value)」、「現実の重要性(real importance)」といったものを一切有さない場合にのみ、回避条項は適 用される。他方、イギリスにおいては異なる見解が採用されているとされる。それによれ ば、回避条項を適用するためには、原則的な最密接関係地とは「異なる連結可能な要素が 多数存在すること(preponderance of contrary connecting factors)」が要求される。
前者の基準は後者の基準に比べてより厳格であるとされるが、ヨーロッパ国際私法上、
「連結するに値する真正の価値」の有無に関する具体的な判断基準は明らかにされていな い。この点を踏まえれば、回避条項の適用において「連結するに値する真正の価値」を重 視するか否かという争点自体が実質的にはそれほど意義を有していないといえる。仮に、
不法行為に関する回避条項に関してわが国の国際私法上指摘される争点、すなわち、米国 抵触法における利益分析の手法を手掛かりとして回避条項の適用過程において実質法上の 価値判断を行うべきか否かという争点を、「連結するに値する真正の価値」の有無の議論に 持ち込むのであれば、ローマ条約第
4
条5
項の適用基準をめぐる上記の見解の対立に実質 的な意義を見出すことができる。しかしながら、上記の見解の対立はそうした争点を前提 とするものではない。それゆえ、ローマⅠ規則第4
条3
項の「明らかにより密接な関係」の要件が、「連結するに値する真正の価値」を重視するものか否かという争点自体重要な意 義を有しないといえる。
なお、欧州司法裁判所
2009
年10
月6
日先決裁定(Intercontainer Interfrigo SC (ICF) v Balkenende Oosthuizen BV and MIC Operations BV)は上記の見解の対立について言及した。そ の説明はローマ条約第4
条5
項の文言を反復しただけにすぎず、その趣旨は明確ではない が、「連結するに値する真正の価値」、「現実の重要性」といった概念を必ずしも重要視しな い趣旨であるように推測される。4.第 3
章 ローマⅠ規則第4
条3
項の適用基準第
3
章では、ローマⅠ規則第4
条3
項の適用上具体的にいかなる事情が考慮されるべき かという点に関する、Karsten Thorn
およびDieter Martiny
の見解について検討している。Thorn
によれば、①履行地、②当事者の常居所地、③給付交換そのものに関するような公的機関の関与(例えば、貿易、武器輸出に関する規制法にしたがって許可が下される場合)、④当事 者の文化的アイデンティティが重要な意味を持つ場合(例えば、婚約者間で男性側から女性側に 贈り物が供される場合)における国籍、⑤建築設計委任契約、不動産業者が関係する契約、建 設の管理監督に関する契約、これらの契約における不動産所在地、⑥海上船舶に関する債 務負担設定行為における旗国、⑦銀行取引における通貨、⑧再保険契約におけるリスクの 所在地、これらの事情は高い重要性を有する。ただし、上記の事情は、単体で「明らかに より密接な関係」の存在を肯定するわけではなく、他の事情と相まって「明らかにより密
4
接な関係」の存在を肯定する。さらに、Thorn は、当該契約がその他の契約との間に密接な関係を有するという事情に も高い重要性を認める。すなわち、準拠法が争われている当該契約がその他の契約との間 に密接な関係を有することを考慮し、当該契約をその他の契約の準拠法所属国に附従的に 連結するという理解である。ローマⅠ規則第
4
条3
項によりその他の契約の準拠法所属国 に附従的に連結されうる契約として挙げられるのは、①担保契約、②販売店契約の実施のた めに締結される個別的物品供給契約、③ 企業買収契約あるいは事業協力契約の実施のため に締結される複数の契約(例えばライセンス契約のような契約)、④ 仮契約、 ⑤下請契約、⑥ 仲立契約、代理商契約、これらの契約である。ただし、第3
項により附従的連結を行う際 の条件として、①、⑤、⑥については、当該契約がその他の契約の効力に服していること が求められている。さらに、①、②については、当該契約の詳細がその他の契約中に規定 されていなければならないという条件が付されている。他方、
Martiny
によれば、①当事者の共通義務履行地、②当事者の共通常居所地、③「委任、消費貸借、不動産売買、外国に所在する別荘の賃貸」および「雇用契約、代理商契約 のように、ある人的な結び付き、人的な要素が存在するような取引」における当事者の共 通国籍、④競売契約、株式市場で締結された契約における契約締結地、⑤不動産の所在地、
⑥旗国(ただし、船舶、航空機のチャーター契約および貨物運送契約においてはその限りではない)、⑦ 契約が公正証書形式の契約あるいは和解契約であること、⑧契約が見返り貿易を内容とし、
かつ、輸入契約が輸出契約の付随的取引として締結されているに過ぎないこと、これらの 事情は高い重要性を有するとされる。
さらに、Martinyは、Thornと同様に、ローマⅠ規則第
4
条3
項による複数の契約間の 附従的連結を肯定する。そうした附従的連結の対象となるのは、①委任契約、②企業年金 に関する付随的合意、③販売店契約の実施のために締結される個別的物品供給契約、④仮 契約、⑤担保契約、⑥混合契約、これらの契約である。もっとも、③については、販売店 契約においてあらかじめ個別的物品供給契約に関する規定が定められているという条件が 付されている。また、⑤については担保契約および主たる契約の当事者が同一であること が条件とされている。5. 第 4
章 回避条項による複数の契約間の附従的連結第
4
章では、ドイツ裁判例およびChristoph von der Seipen
の見解を手掛かりとして、回避条項による複数の契約間の附従的連結の適否について検討している。
ローマⅠ規則上、回避条項たる第
4
条3
項を適用する際に、「非常に密接な関係を有する」その他の契約の存在を考慮すべきことが、前文(20)において解釈上の指針として示されてい る。それではいかなる場合にその他の契約の存在を考慮すべきか。ある契約をその他の契 約の準拠法所属国に附従的に連結すべき理由として最も説得的なものは、そうした附従的 連結を行われなければ、両契約の準拠法の適用結果間に矛盾あるいは何らかの問題が生じ
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るというものであろう。もっとも、販売店契約の実施のために締結された売買契約の準拠 法決定過程において販売店契約に関する要素を考慮した連邦通常裁判所1971
年9
月22
日 判決、および、仲立の補助を内容とする契約を仲立契約の準拠法所属国に附従的に連結し たデュッセルドルフ上級地方裁判所1997
年6
月20
日判決、これらにおいては複数の契約 の準拠法間における具体的な問題は生じていない。この点、Seipen は、下請契約、元請契約の準拠法間において具体的な問題が生じた事例 として連邦通常裁判所
1982
年3
月11
日判決を挙げ、下請契約を原則として元請契約の準 拠法所属国に附従的に連結すべきであるとする。Seipenが同判決において生じた問題とし て指摘するのは、下請契約の準拠法上請負人が危険を負担し、元請契約の準拠法上注文者 が危険を負担する場合、元請人は注文者に対して報酬を請求できるにもかかわらず、一部 履行済みの債務に関して実際に費用を負担した下請人は元請人に報酬を請求できないとい う問題である。さらに、Seipen は、その他の問題として、下請契約の準拠法上、瑕疵修補 請求権を行使しなければ損害賠償請求権を行使できず、他方、元請契約の準拠法上、即座 の損害賠償請求権の行使が認められる場合において、例えば注文者が既に第三者に瑕疵修 補を依頼した上で元請人に損害賠償請求権を行使したような際には、元請人は下請人に瑕 疵修補請求権を行使することができず、それゆえ損害賠償請求権も行使できないという問 題を挙げる。瑕疵担保責任に関する上記の問題は、元請契約の準拠法の内容が下請契約の準拠法中の 規定の要件の成否に影響を与える事例として整理することができる。私見としては、自ら の行為を原因としてではなく、元請契約の準拠法の適用結果を原因として、下請契約上の 責任を負う元請人を救済すべきであると考える。そのためには、下請契約を元請契約の準 拠法所属国に附従的に連結することが必要となる。もっとも、原則的連結の下で認められ るはずの権利を附従的連結により奪われる下請人の不利益も考慮に入れなければならない。
そのため、附従的連結の否定により生じる元請人の不利益、および、附従的連結の肯定に より生じる下請人の不利益、これらを比較衡量した上で前者がより深刻であることが明ら かな場合にのみ、附従的連結を肯定すべきである。
なお、以上のように、①元請契約の準拠法の内容が下請契約の準拠法中の規定の要件の 成否に影響を与えること、②附従的連結の否定により生じる元請人の不利益が附従的連結 の肯定により生じる下請人の不利益より過酷であること、これらを附従的連結の可否に関 する判断基準の要件として設定する場合、その要件の成否の判断にあたっては元請契約の 準拠法の内容が明らかである必要がある。したがって、附従的連結を肯定することができ るのは、元請契約に適用される法が一定程度明らかである場合に限定されることとなる。
また、重層的請負契約関係についても、重層的な請負契約関係の全体をみることなく、そ の一部に過ぎない一組の下請契約、元請契約のみを対象に附従的連結を行えば、重層的請 負契約関係を織り成すその他の契約との間で準拠法の相違による同様の問題がさらに引き 起こされる可能性があるため、附従的連結は否定されるべきである。また、元請契約の準
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拠法との間で何ら問題を生じさせない下請契約のその他の効力に関しては、元請契約の準 拠法所属国への附従的連結は必要とならないため、元請契約の準拠法との間に問題を生じ させる事項に関してのみ元請契約の準拠法所属国との間のより密接な関連を認めるべきで ある。すなわち、契約の客観的分割が必要となる。6. 第 5
章 わが国への示唆第
5
章では、第1
章から第4
章までの検討を踏まえ、わが国への示唆を行っている。ドイツ国際私法上
2009
年12
月17
日以降施行されたローマⅠ規則第4
条3
項の回避条 項と比較すれば、法適用通則法第8
条2
項に見出される回避条項は「明らかにより密接な 関係」、「より密接な関係」のいずれを要件とするのか解釈の余地が残される。もっとも、ローマ条約第
4
条5
項所定の「より密接な関係」、および、ローマⅠ規則第4
条3
項所定の「明らかにより密接な関係」、これらの有無の判断において考慮される具体的事情の差異は ヨーロッパ国際私法上必ずしも明らかにされていない。この点を踏まえれば、法適用通則 法第
8
条2
項に見出される回避条項について検討する際に、ローマⅠ規則第4
条3
項の要 件に「明らかに」の文言が追加されたことをもって同規定に関する議論を参照する余地を 否定することはできないといえる。こうした理解に基づけば、法適用通則法第
8
条2
項に内包される回避条項に以下の機能 を見出すことができる。法適用通則法上、消費者契約に関する第11
条、および、労働契約 に関する第12
条、これらの規定において政策的な弱者保護が図られている。このように、現行法上、債権契約における典型的な弱者としては消費者、労働者が想定されるに過ぎな い。今後、その他の契約当事者を典型的な弱者として保護し、当該当事者を抵触法上保護 する必要性が生じた際には、法適用通則法第
8
条2
項に内包される回避条項によりその保 護を図ることができる。旅客運送契約につきドイツ民法施行法第28
条5
項を適用した三件 の裁判例の結論、および、ローマⅠ規則第5
条2
項において規定されることとなった旅客 運送契約に関する原則的連結点、これらに注目すれば、わが国においても旅客を典型的弱 者として抵触法上保護すべきかという争点が提起される。運送人の常居所地を出発地とし、旅客の常居所地を到着地とする旅客運送契約を、旅客が運送人の常居所地において締結し たような場合、わが国の国際私法上も、消費者契約に関する法適用通則法第
11
条の適用が 除外され、もっぱら運送人の常居所地法が適用される。こうした場合に旅客の抵触法上の 保護を図ろうとすれば、法適用通則法第8
条2
項の「推定」の文言に見出される回避条項 によることとなる。また、法適用通則法上、フランチャイズ契約、販売店契約については、特徴的給付の確 定が困難であるがゆえに、特徴的給付の理論に代わる原則として経済的弱者の抵触法的保 護を挙げ、フランチャイジー、販売店の常居所地を最密接関連地とすることが少なくとも 理論上考えられる。仮にこのような判断を行う場合には、フランチャイジー、販売店の保 護を理由として、フランチャイズ契約、販売店契約に付随する契約はフランチャイズ契約、
7
販売店契約の準拠法所属国に「より密接な関係」を示すことの適否が問われることとなる。ドイツ国際私法上の議論、裁判例を踏まえれば、法適用通則法上も、同一の当事者間で 締結される複数の契約については、弱者保護などの特別の政策的目的がない限り、附従的 連結を否定すべきであると思われる。同一の当事者間で複数の契約が締結される場合、通 常いずれかの契約の問題として性質決定すれば足り、複数の契約準拠法を同時に適用すべ き場面はほとんど想定されない。
他方、異なる当事者間で複数の契約が締結される場合には、法適用通則法上、附従的連 結を肯定する余地がある。第