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フランスにおける保険マーケティングの 動向

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(1)

フランスにおける保険マーケティングの 動向

亀 井 克 之

■アブストラクト

フランス保険市場では,これまでMSI(直販相互保険会社)やバンカシ ュランスの台頭によって,マーケティング戦略上のイノヴェーション導入を 契機とした激しい競争を通じて,商品とサービスが洗練されてきた。イノヴ ェーションは,既存の商品やサービスに欠けている点を補い,顧客満足を実 現するが,それを支えるのがブランド戦略・コミュニケーション戦略であっ た。近年,フランス保険市場では,インターネット技術の進展に支えられて,

クルティエ・グロシスト(卸売ブローカー),保険比較サイト,さらには Pay as you drive型保険のインターネット専売事業などが存在感を増した。

独自性を発揮するフランス保険企業のマーケティング戦略の動向を分析した 結果,①顧客のさまざまな購買パターンに対応するために複数のチャネルを 充実し併存させる マルチチャネル マルチアクセス 化の流れの中での インターネットの重要性,②ブランド戦略・コミュニケーション戦略の展開 によって,依然としてフランスの保険企業は,強固なブランド・アイデンテ ィティを構築していること,③顧客に対する利便性向上を主眼としたマーケ ティング戦略の有用性が再確認できた。

■キーワード

保険マーケティング,クルティエ・グロシスト(卸売ブローカー),ブラ ンド戦略

/平成23年9月20日原稿受領。

(2)

1.序 言

本論では,英米独企業とは異なる独自性を発揮しているフランス保険企業 について,近年のマーケティング戦略の動きを考察する。

フランス保険市場には,①1960年代に直販相互保険会社(MSI)による リスク細分型自動車保険,②1980年代に生命保険のバンカシュランス(銀行 窓口販売),③1990年代に損害保険のバンカシュランス,④2000年代に保険 会社によるアシュルバンク(ネット銀行によるチャネル活性化)など,さま ざまなマーケティング上のイノヴェーションが導入されてきた。既存事業と の差異化に基づくイノヴェーションはやがて業界標準となり,結果として市 場における顧客の利便性を大きく向上してきたことを指摘した。筆者はこれ を マーケティング・イノベーションの市場貢献モデル と呼んだ。この枠 組みに基づいて2006年から2007年のフランス市場の保険マーケティングの動 きを分析したのが 保険学雑誌 に2008年に発表した論考であった。

本稿では,2008年以降の動向,具体的には,⒜クルティエ・グロシスト

(卸売ブローカー)⒝保険比較サービス,⒞Pay as you drive型保険サー ビスについて,⒟ブランド刷新,⒠CMの具体例などと共に考察する。

2.フランス保険市場におけるマーケティング戦略

2.1.フランス保険市場におけるマーケティング戦略の展開の背景

フランスにおける保険マーケティングの特徴は,①対面販売の重要性,② 消費者が営業所を巡って自動車保険を探す伝統,③チャネルの多様化と棲み 分け,④既存チャネルを補完する形でのダイレクト・チャネルの活用,⑤コ ミュニケーション戦略とブランド戦略などにあった。

2.2.フランス個人保険市場におけるマーケティング・イノベーション フランス個人保険市場においては,1960年に直販相互保険会社 (MSI) 業 態の草分けであるMACIFがリスク細分化型商品を開発して市場に参入し

(3)

て以来,さまざまなイノヴェーションが導入されてきた。

具体例として①MSIによる自動車保険改革,②1980年代後半に銀行100%

出資生保子会社によるバンカシュランス(銀行窓口販売)が大成長してシェ ア60%以上獲得,③1990年代に銀行が損害保険子会社を設立して損保市場に も進出し,10%近いシェアを得て市場定着,④2000年以降,保険会社が銀行 子会社を設立してアシュルバンク(預金口座を含む総合的銀行サービス提 供)を展開,⑤ブランドを刷新した。この結果,激しい競争と販売チャネル 多様化を経て,市場全体として大きく顧客に対する利便性を向上した。

10 Group ACM クレディ・ミュチュエル銀行の保険子会社

(窓口販売) 9.3 6.7 2.0

(FFSA,

Lʼ Assurance Franç aise 2010

に基づく。企業の分類は筆者が作成。)

0.2 10.6 ソシエテ・ジェネラル銀行の生保子会社 11.5

(窓口販売) Societe Generale

Insurance  9

8.7 4.5 相互会社合併による グ ル ー プ (GMF 13.6

MAAFは営業所直販,MMAは代理店)

Covea(MAAF, MMA, 8 GMF)

4.5 11.4 15.9 伊ゼネラリのフランス子会社(代理店)

GENERALI France 7

3.3 8.0 総合保険会社,独アリアンツのフランス子 16.1

会社(代理店)

Allianz France 6

8.8 8.6 農業系相互保険会社を母体とする総合保険 17.4

会社(営業所での直販)

GROUPAMA 5

0.8 12.3 25.3 BNPパリバ銀行生保事業(窓口販売)

BNP Paribas CARDIF 4

2.4 21.2 29.7 クレディ・アグリコル銀行の生保子会社プ レディカと損保子会社パシフィカ

(窓口販売)

Predica/Pacifica 3

0.0 26.1 公的金融機関(郵便局,貯蓄金庫等)をチ 32.3

ャネルとする会社(窓口販売)

CNP 2

6.9 15.3 91 総合保険会社(代理店)

1 AXA

損保 生保 フランス国内 連結

企業の分類(販売形態) グループ名

表1 2010年 フランス保険企業グループ(保険料収入:単位10億ユーロ)

(4)

2.3.フランス保険市場の概況①:フランス保険企業グループ

フランス保険市場には,表1と表2に示すように,少数の業態に偏らず,

非常に幅広いタイプの企業が市場に存在する。代理店を主要チャネルとする 伝統的な総合保険会社や外国資本の保険会社,窓口販売を展開する金融機関 の保険子会社,営業所において自動車保険を直販するMSI(Mutuelle Sans Intermediaire)(仲介者を利用しない直販相互保険会社)である。 

1,253,797 クレディ・アグリコル銀行の損保子会社 378

(窓口販売)

Pacifica 12

表2 2006年 フランス自動車保険市場ランキング(法人契約と二輪を 除く)

(データは

Lʼ Argus de lʼ Assurance誌 Le Top

20

des assureurs auto en

2006 に基づく。 企業の分類 については筆者作成。)

11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1

Generali   ACM   MMA

  Matmut

  GMF

  AGF

  MAIF

  MAAF

 

Groupama‑GAN   MACIF

  AXA

伊ゼネラリの仏子会社(代理店)

クレディ・ミュチュエル銀行の損保子会社

(窓口販売)

総合保険会社(代理店)

MSI(営業所で直販)

公務員を対象とするMSI(営業所で直販) 総合保険会社(代理店),独アリアンツ傘

教員を対象とするMSI  

MSI(営業所で直販)

農業系相互保険会社を母体とする総合保険 会社Groupama(営業所直販)と傘下の 総合保険会社GAN(代理店)

MSI(営業所で直販)

総合保険会社(代理店)

455 533 643 768 841 データなし

1137 1238 1350 1656 2000

1,091,000 1,550,100 1,712,500 2,238,000 2,520,000 2,529,121 3,000,000 2,811,487 3,774,235 4,794,438 4,300,000 保有契約数 保険料収入

(百万C‑ ) 企業の分類(販売形態)

企業名

(5)

2.4.マーケット概況②:販売チャネルの多様性とマルチチャネル

販売チャネルの多様性と棲み分けが,フランス保険市場の一大特徴である。

これは特に損害保険市場において顕著である。フランス市場には,マーケテ ィング上のさまざまなイノヴェーションが導入されてきた。イノベーターに 対する模倣や競争激化の末に,チャネルの棲み分けが定着した。(表3参照)

フランスにおける保険マーケティング上の一大トレンドは マルチチャネ ル である。消費者の視点からは, マルチアクセス である。これは,あ るチャネルから別のチャネルへの移行という意味合いではない。いろいろな 顧客の購買パターンを充足するために複数のチャネルをそれぞれ充実・併存 させて,全体として収益ならびに顧客満足の向上を図るものである。

フランス保険市場では,初期のインターネット専売事業はうまくいかず,

その後,インターネットは,マルチチャネル化の流れの中で,既存の販売チ ャネルを支援・補完するものという位置付けがなされるようになった。近年,

インターネット技術のさらなる発展やスマートフォンなどの定着により,イ ンターネット専売事業の動きが活発化している。

表3 2010年フランス保険市場 保険料収入に占める各販売チャネルの シェア(%)

生保・カピタリザシオン 損保 11 34 18 2 33 2 61

7 13 16

− 3 バンカシュランス

代理店 ブローカー 営業職員

直販相互保険会社(MSI) ダイレクト販売

(出所)

FFSA, Rapport Annuel 2010, p.

26.

(6)

3.フランスにおける保険マーケティングの新たな動き

では,以上概観したフランス保険市場におけるマーケティング戦略の新た な動きについて考察してみよう。

3.1.クルティエ・グロシスト(卸売ブローカー)

3.1.1.クルティエ・グロシストの概況

近年,フランス保険市場では,個人向け商品販売において,クルティエ・

グロシスト (Courtier grossisite)(卸売ブローカー) が存在感を増してき ている。フランス語でクルティエはブローカーを意味し,グロシストは卸売 を意味する。2010年におけるクルティエ・グロシストの概況を表4に示して おこう。(Levy et al.)

表4 主要なクルティエ・グロシストの業績

グループ名

(出所)

La Tribune de lʼ assurance, septembre

2011,

161,

p.12.

April

Alptis assurances  Solly Azar  Assor 

Smam  Assurances  Groupe Zephir  Cipes vie  Protegys courtage  Novelia 

Cegema assurances  Groupe François Bernard  MaXance  

Eurodommages  Autofirst 

Sacdrop assurances  FMA  

ACS 

Squadra assurances  AssurTravel 

Marketing distribution vie  2.80 3.20 ‑13%

2.99 2.34 28%

3.10 1.80 72%

3.40 3.20 6%

6.00 6.00 0%

7.95 7.75 3%

8.50 7.60 12%

12.30 12.60 ‑ 2%

12.80 11.70 9%

13.47 12.80 5%

13.70 10.51 30%

14.90 13.40 11%

18.63 10.85 72%

20.67 15.30 35%

28.83 26.15 10%

30.17 28.81 5%

50.80 25.00 103%(M&Aによる) 62.20 63.70 ‑ 2%

62.90 59.80 5%

468.37 459.35 2%

2010年売上 (100万C‑ )

2009年売上 (100万C‑ )

成長率 (2010/2009)

(7)

La Tribune de lʼAssurance誌2011年9月号によれば,500万人のフラン ス人が卸売ブローカーが提案した保険を利用している。200億ユーロの保険 料が,卸売ブローカー経由で,保険会社に支払われている。15000の仲介業 者が卸売ブローカーの支援を受けている。

2009年1月1日にクルティエ・グロシストの業界団体であるサンディカ・

ディス (Syndicat10)が発足し,ACAM (Autorite de Controle des Assu- rances et des Mutuelles:保険・相互扶助組織検査庁)を構成する10番目の 団体となった。サンディカ・ディスに加盟する15社は,クルティエ・グロシ スト(卸売ブローカー)のビジネス・モデルを促進し,かつ擁護している。

表4に見たように,クルティエ・グロシスト上位10社で,2010年に7710億 ユーロの売上を挙げた。前年比8%の成長率である。表5には,一般的なブ ローカーの上位10社の業績を示した。これを見るとクルティエ・グロシスト の業界リーダーであるアプリル (April)社は,ブローカー第1位のグラス・

サボワ社と第2位のマーシュ&マクレナン社の中間に相当する業績をあげて いることがわかる。

表5 ブローカー上位10社 グループ名 2010年売上

(100万C‑‑ )

成長率 (2010/2009)

1

Gras Savoye

563.0 2.9%

2

Marsh & McLennan Compagnies

356.1 1.0%

3

Aon France

281.0 ‑ 3.1%

4

Verspieren

251.2 ‑ 1.6%

5

Siaci-Saint-Honore

192.8 8.9%

6

Diot

117.4 57.2%

7

Filhet‑ Allard

88.07 12.9%

8

Cabinet Besse

78.5 6.1%

9

Verlingue

78.0 4.1%

10

Assu

2000 77.07 3.4%

(出所)

Lʼ Argus de lʼ Assurance,

10

juin

2011.

(8)

3.1.2.クルティエ・グロシスト台頭の経緯

保険ブローカーは,①特定の保険企業の専属ではなく,②顧客に対して⒜

提携する限定された数の保険企業の商品を提示,あるいは⒝公正分析助言義 務に基づいて多数の商品から分析して提示する。(損保総研,2010,p.161)

マルタン(1991;山野訳1996,p.10) によれば,フランス南部プロヴァン スの言葉で,corratierはブローカー(courtier)を意味し,駆けつける

(courir)を意味する動詞correrに由来する。よって,クルティエ(ブロー カー)とは売り手から買い手,買い手から売り手へ駆けつける者となる。

保険ブローカーは,企業契約を中心とし,保険料規模の小さい個人契約の 取り扱いはわずかであると位置付けられていた。(損保総研,2010,p.150)

近年,インターネット技術を活用して,個人向けの市場において業績を伸ば してきたのがクルティエ・グロシスト(卸売ブローカー)である。

既に,1970年代から,保険会社を補完するプレーヤーが出現していた。そ れは,企業向けの損害保険を扱う,アンダーライティングを行う代理店と呼 びうる存在のSaltiel,Barthelemy,Royal,Sprinks社などであった。そ の役割は,ブローカーと共に,商品を開発し,自らのブランドで,すべての 業務を管理することにあった。それまでになかったような保障のアンダーラ イティングを行う際に重要な役割を担い,技術的援助を受けずに伝統的な保 険企業の取り扱い領域以外の部分をカバーした。

欧州共同体における役務提供の自由の原則や,保険会社がM & Aによっ て規模を拡大し保障能力を高めたことによって,アンダーライティングを行 う代理店的なプレーヤーは,保険会社に買収されて姿を消していった。皮肉 なことに,合従連衡によって規模を拡大すればするほど,株主の意向が最優 先され,収益性やコスト削減等,短期的な事柄が重視された。その結果,グ ループ全体として眺めた場合,提供していた特殊なサービスのいくつかは不 適合となり,顧客や地域の小規模ブローカーの管理が不十分となっていった。

大グループでは,収益性,コスト削減,さらに合従連衡に伴って情報シス テム・商品ライン・従業員管理システムを統一することに全精力が注がれた。

(9)

その結果,ブローカーの育成の予算は削減され,採算性に乏しいブローカー は廃業に追い込まれた。こうしたブローカーの大半が,地域密着型の小規模 ブローカーであった。結果として,保障の多様性は失われ,複雑な商品開発 も行われないようになり,サービス開発やイノヴェーションの意欲がそがれ てしまった。こうした大型グループに欠けた部分を充足することに存在意義 を見出し,ニッチ商品や 開放型団体 のような特殊な分野で消費者のニー ズを充たすことが可能な新たなプレーヤーが登場した。顧客の特殊なニーズ を充足すべく,ブローカーの中には,同じニーズを持つ契約者をグループ化 して,保険会社に対して 開放型団体 契約を承認するよう求めるところが 出てきたわけである。ブローカーは,保険会社から支払われる手数料を分け 合って, 開放型団体 契約を管理することもあった。

近年,上記のようなサービスが標準化され,さらに情報通信技術の発達,

とりわけインターネットの普及により,管理コストとデータのやりとりのコ ストが大幅に減少した結果, クルティエ・グロシスト (卸売ブローカー)

というモデルが誕生した。このモデルは3つの需要を充たしている。

消費者に対して:従来の保険会社によって取り扱われてこなかった高リス クの自動車などに対する保険手段を可能とする社会的・公共的な役割。同時 に,価格に比して品質に優れた革新的な商品を効果的なサービスと共に提供。

一般ブローカーに対して:保険業界の合従連衡の動きによって見放され,

消費者の新しいニーズに応えるための商品の供給先も解決策も持たなくなっ てしまった地域のブローカーの存続を可能とする経済的な役割。保険の仲介 者(保険代理店,ブローカー)に,オーダーメード,ブランド,ノーブラン ドなどさまざまなタイプの商品へのアクセスを可能とする。

保険会社に対して:複雑なリスクについても,まとまった数の被保険者を 集めることによって,保険化を可能にする技術的役割。商品開発と契約管理 を担い,商品開発と保険契約の獲得や管理に関わるコスト請求をケース毎に 変化させながら,保険販売の新たなプロセスへのアクセスを可能とする。

保険会社によって,危険性が高すぎて保険化不可能と判断されてきたリス

(10)

クにはさまざまなものがあった。これらに対処すべく,クルティエ・グロシ ストのモデルは,新しい技術によって,既存の保険流通のさまざまなプレー ヤーの間の協力関係や役割の分担を改善して,徐々に保険市場に浸透した。

3.1.3.クルティエ・グロシストのモデルと成功要因

クルティエ・グロシスト(卸売ブローカー)は,次に示すように,保険会 社と(地域密着型の小規模)ブローカーとの間のインターフェースを担う。

①特殊な顧客や市場に的を絞った独創的な保険商品を設計する。狩猟関連 のリスクについての保険,高リスクの自動車の保険,高リスクの健康保 険,建築関連の保険,家賃不払いに関わる保険,犬・猫保険など。

②こうした商品を保険会社に取り扱ってもらう。

③消費者との関係について基準を充たした地域密着型ブローカー(街角の ブローカー)で構成される販売ネットワークを形成・組織・指導する。

④上記の販売ネットワークに,保有契約情報に関わるエクストラネットや,

オンライン保険料見積りなどの,簡潔かつ有効な技術・マーケティン グ・販売上のシステムを提供する。

⑤保険会社から権限を委譲され,契約や事故の管理の一部又は全体を担う。

⑥リスクを保険化するのに必要な規模の契約の数を保証する。

⑦保険会社と共に,保有契約に関わる収支のバランス確保に努める。

クルティエ・グロシストの成功要因は,以下のようなものが考えられる。

⒜既存の保険会社における弱み,例えば複雑すぎて販売できない商品,需要 がないもののマーケティングに注力,時間と手間がかかりすぎる事故対応,

販売網の活性化策のまずさなどについて,それらを補い,改善する術を有し ていたこと,⒝大規模保険会社からは契約を打ち切られかねないような売上 高の少ない小規模ブローカーで構成されるネットワークを構築したこと,⒞

頻繁にトラブルが発生する販売網を直接管理する必要なく,通常取り扱えな かった新たなマーケットを開拓できることから,保険会社にとっても,クル ティエ・グロシストとの提携が利益につながること,⒟一般的に,1年間に

(11)

基準以下の年間保険料収入しかもたらさない仲介者に保険会社は興味を示さ ない。こうして保険会社から見放された小規模ブローカーは基準の緩やかな クルティエ・グロシストと連携するようになったこと。(Levy et al.)

クルティエ・グロシストの成長は,保険会社の弱みを補ったことだけが,

その要因ではない。 中継点 的な役割や,商品開発上のイノヴェーション,

先端的な技術開発なども寄与した。(図1参照)

3.1.4.アプリ

クルティエ・グロシスト(卸売ブローカー)業界第一位のアプリ(April) は,1988年1月1日に,顧客に対する 保険のイメージを変革する をモッ

図1:価値連鎖におけるクルティエ・グロシストの位置付け

(出所)

Grossistes les raisons du success, La Tribune de lʼ Assurance, sep- tembre

2011,

p.13.

アクチュアリー技術 報告の管理と統計分析 財務・リスク保有

規制と料率の遵守

商品開発 アンダーライティング

販売網の活性化 管理プラットフォーム

分析・助言・販売

契約者とのリレーション管理 保険会社

クルティエ・グ ロシスト

仲介者

統計と会計上の報告

エクストラネット

(12)

トーに,ブルーノ・ルセ(Bruno Rousset)によってリヨンに設立された。

アプリは,独自のビジネス・モデルで,ブローカーや代理店という独立仲介 者のネットワーク向けに健康保険を中心に保険サービスを提案した。1990年 代後半からM & Aにより成長を遂げ,1997年にはパリ証券取引所第二市場 に上場した。疾病・健康保険を中核事業としていたが,2000年に損害保険市 場に参入した。2007年には,従来のブローカーや代理店という販売チャネル に加えて,アプリ直営の営業所による販売や,インターネット販売を開始し て, マルチチャネル 化した。2008年からは外国市場にも展開するように なった。

2010年末現在のアプリ・グループの業容は,グループ企業数50,34カ国に 事業展開,従業員3750人(その内,外国勤務が44%),保険契約者数300万人,

取引保険会社125社,フランス国内営業所250か所,販売チャネル16000,

2010年保険料収入7億4330万C‑‑ (疾病・健康5億2440万C‑‑ ,損害保険2億 2300万C‑‑ ),純利益7970万C‑‑ ,保険料収入成長率17%(2000年〜2010年)。

3.2.保険比較サービス

近年,フランスでは,自動車保険などの保険商品を選択する際に,消費者 がインターネットの保険比較サイトを活用することが定着してきた。2000年 に設立され,保険比較サービスでシェア80%を占める業界首位のアシュルラ ンド(Assurland)を筆頭に,表6に示すようなサービスがある。各社の印 象的なテレビCMが数多くオンエアされて,急成長するこの市場に,2010年 もル・ランクス(Le Lynks)などの新規参入があった。(La Tribune de lʼAssurance, novembre2010)  

ダイレクトラインの大成功などから,自動車保険のダイレクト販売のシェ アが高い英国では,保険の比較サイトも現在高い影響力を持っている。英国 では,自動車保険購入の際に保険比較サイトを参照する消費者の割合が50%

を越える。一方,MSI(直販相互保険会社) が1960年代に既に価格破壊を自 動車保険市場にもたらしており,ダイレクト販売が成功を収める余地が少な

(13)

かったフランスでは,ダイレクト販売やインターネット販売がさほど定着し ておらず,その比率は3%程度にとどまっている。

客観的に複数の保険会社の商品を比較する ことに存在価値を見出して いるはずの保険比較サービスであるが,常にその独立性には疑念が寄せられ ている。業界首位のアシュルランドの株式の80%は,MAAF,MMA,GMF の3社が構成するCoveaグループによって保有されている。また,2007年 に設立された業界2位のイペラシュール(Hyperassur)は,生命保険会社 アリコ・フランスの資本参加を受けた。アシュルランドのWEBサイトで,

各商品毎に提携保険会社の一覧を示している部分を見ると,Coveaグルー プを構成する会社のロゴが目立っているように見える。

3.3.Pay as you drive型保険サービス―グルパマによるアマギーズ展開 アマギーズ (Amaguiz) 社は,走行距離1キロごとに保険料を支払うこと が可能なPay as you drive型の自動車保険商品を取り扱っているフランス で唯一の保険会社である。アマギズ(A  ma guise)とはフランス語で 私 の好きなように・思うように という意味である。英語のAs I wishに相当

表6 フランスにおける主な保険比較サービス

保険比較サイト 2009年 売上

月間サイ ト訪問者

価格付け件

数(月間) 提携企業数 取り扱い商品内容 Assurland

  Hyperassur

  Assurmieux

  Assurprox

  Comparative

 

Creditassurance.com

800万C

20万C

150万C

12万C

130万C 70万人

20万人

6万人

9万

15万

15万2000 販売契約 500 販売契約 400

44

35

15

15

15

自動車,2輪,疾病,

生保,ローン 自動車,2輪,住宅,

疾病

自動車,疾病,健保補 完,住宅

生保

クレジット

2100万C 300万人 40万 54 自動車,2輪,住宅,

疾病,生保,ローン

(出所)

La Tribune de lʼ Assurance, n°

152,

novembre

2010,

p.

7.

(14)

する。アマギーズは,農業従事者向けの相互保険会社を起源とするグルパマ 社の100%出資インターネット専売子会社として2008年7月1日に設立され た。アマギーズでは契約締結はネットで完結し,契約者は専用の走行距離計 測機を車に取り付ける。

2010年にアマギーズは,大々的なテレビCMによるキャンペーンを展開し た。これは,専門家の間で,親会社グルパマによる採算を度外視したキャン ペーンであると評されている。

映画監督のニコル・ガルシアが演出し,俳優のジャン・ロシュフォール

(Jean Rochefort)が主人公の男性を演ずるCMのさまざまなバージョンに 基づいて,表7にアマギーズの特徴をまとめる。

各バージョンの訴求ポイントは,①フランボワーズ・ケーキ編と②絵画編 が,Pay as you drive型の自動車保険(走行距離1キロごとに保険料支払 い可能)であること,③ダチョウ編と④カードゲーム編では保険料の面での 経済性,⑤海水浴場編が住宅保険も取り扱っていること,⑥少しだけ編が相 談窓口の柔軟性・献身性,⑦熱帯植物園編が解約の容易性にある。

いずれのバージョンも,最後にWEBサイト amaguiz.com の文字が フリーダイヤル番号と共に示される。この画面の下に, グルパマのグルー プ企業です と表示される。この最後の部分に 昔の保険はどんな風でした か? (Cʼetait comment lʼassurance avant?)(アマギーズの保険は昔の保 険とはまったく違います) というナレーションが入る 。

1) フランス保険マーケティングの過去3年の動きから本稿で取り上げた項目を 選 択 し た の は,保 険 コ ン サ ル テ ィ ン グ

Proconsulting

社 の

Jean-François

Estienne氏と,保険コンサルティング   Vigie社の Jean-Pierre Daniel氏の助

言による。

(15)

⑦熱帯植物園 (Ferme tropicale) 編:ペットの爬虫類を手にして男が店員に近づく。男は こ れを引き取ってくれ と頼む。店員は 動物は扱っていない と断る。男はさらに頼み, アマ ギーズ(私の望むように) と繰り返す。→ いつでも解約可能 → amaguiz.com

⑥少しだけ(2minutes)編:靴屋で男が靴を選んでいる。男性店員がすすめた靴を男は試着し,

この靴を買うよ と言う。男は, 向こうの店でレインコートのいいのがあるんだけれど,試着 するから意見を聴かせてくれないか と頼む。そして, 少しだけ付き合ってくれないか? と 言う。男性店員は怪訝な顔をする。困惑する男性店員に対して,男は アマギーズ(私の望むよ うに) と言って,店の外に連れ出す。→ 献身的な相談担当者 → amaguiz.com

⑤海水浴場(Paillote)編:海水浴場の砂浜で,男は砂の城を作る。男は立ち上がって,監視員 に, ちょっと買い物に行かなくちゃならないんだけれど,城を見張っていてくれないか と頼 む。監視員は ほかにすることがあるんです と断る。 城に何かあったら連絡してくれよ と 男が言うと、監視員は なんですって と聞き返す。男は こうするだけいいんだよ と言って,

監視員の拡声器を手にすると アマギーズ(私の望むように) と叫ぶ。→ 住宅保険 ―予防 パック 毎月の保険料9.9C‑ 〜 → amaguiz.com

④カードゲーム(Tournoi)編:高級レストランの厨房。調理人たちが忙しく動き回る中で,卓 を囲んでカードゲームをする4人。シェフらしき男が 100を賭ける と言ってコインを置く。

給仕長らしき男も 私も100を とコインを置く。すると主人公の男は, 65 を置く。一同 足 りないよ と言う。すると男は 足りてるよ。アマギーズ(私の望むように) と言う。→ 動車保険35%まで割引あり → amaguiz.com

③ダチョウ(Autruche)編:競売の会場。参加者の席には男の姿。司会者が 19世紀のダチョ ウです と言う。男は 50で と言う。すると,司会は,こちらは 100 ,さらには 150 と 言う。しかし,男は 50 を繰り返す。司会が もう50以上が出ています と言う。すると男は 侮辱するような表情をしながら, アマギーズ(私の望むように) と言う。→ アマギーズでは 自動車保険は3年間保険料据え置き → amaguiz.com

②絵画(Tableau)編:個展会場にて男が一枚の肖像画を見つめている。女性の係員が この絵 に関心がおありですか と尋ねる。男は これだ と叫んで,小さな額縁を取りだして,その 絵に近寄る。額縁を肖像画の足の部分にあてて, この絵がほしい(この部分だけほしい) と言 う。係員が驚くと,男は アマギーズ(私が望むように) と言う。→ 走行距離の分だけ保険 料を支払えば良い自動車保険を扱っているのはアマギーズのみ オールリスク自動車保険が 走行距離1キロ当たり0.01C‑ ,毎月9.9C‑ から → amaguiz.com

①フランボワーズ・ケーキ(Framboise)編:ケーキ屋で男は フランボワーズを下さい と言 う。女性の店員がフランボワーズ・ケーキに目をやり このケーキですか と聞く。すると,

男は,ケーキにのったフランボワーズだけを売るように頼む。店員が驚くと,男は一枚のコイン を取りだして, アマギーズ(私の望むように) と言う。→ 走行距離の分だけ保険料をお支払 い下さい オールリスク自動車保険が走行距離1キロ当たり0.01C‑ ,毎月9.9C‑ から

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表7 アマギーズが展開したジャン・ロシュホール主演の CM の内容

(16)

3.4.ブランド刷新― AGF の アリアンツ ブランドへの統合

フランス保険市場において,ブランド戦略が重視されるようになって久し い。アイデンティティ確立のためのコミュニケーション活動は,顧客に向け られているだけでなく,従業員さらには販売チャネルにも向けられている。

これは,自社ブランドへの帰属感・信頼感の醸成を促そうとするものである。

ブランド戦略には,アクサのように,統一ブランド名を軸にした単一ブラン ド戦略と,チャネル毎に異なるブランド名を使用する複数ブランド戦略とが ある。

1998年春にドイツのアリアンツが,AGFをめぐる買収案件に関わる競合 で,イタリアのゼネラリを下し,AGFを100%出資子会社化した。2000年の 3月に,アリアンツ傘下のフランス子会社3社,AGF,AGF傘下のアテナ

(Athena),アリアンツのフランス子会社であるアリアンツ・フランス社が 合併し,3ブランドはAGFブランドに統一されることになった。この際の ブランド刷新は,AGFのネット銀行子会社であるバンクAGF開業の一大 プロモーションに合わせて行われた。このようにアリアンツ傘下に入っても AGFのブランドは維持され,複数ブランド戦略が展開されていた。

ブランド刷新から10年が経過した2009年9月にアリアンツは,フランス子 会社であるAGFのブランドをアリアンツに統合した。この単一ブランド戦 略への転換は,ローカル・ブランドから,欧州最大の保険会社アリアンツに 社名を統合し,グローバル・ブランドとしての強みを発揮する狙いがある。

3.5.CM の事例

フランスの保険会社のテレビCMは,既に述べたアマギーズのように,

①訴求ポイントがはっきりしていてインパクトがあり,②一貫性があり,③ キャラクターを固定してシリーズ化しており,④短い時間でありながらスト ーリー性があるという特徴がある。MMAのように,消費者がCMの影響 を受けて保険会社のキャッチフレーズなどをメロディと共に口ずさめる場合 も少なくない。

(17)

3.5.1.アクサによる保険のイメージ向上のキャンペーン

フランス保険業界最大手のアクサが2008年5月に行った 我々の仕事に新 たな価値を (Reinventons notre metier)というキャンペーンで,最初に

表8 2008年5月のアクサの CM に用いられた 章

Voila ce que chacun doit se dire

dans lʼ assurance et les services financiere   nous ne tenons pas toujours nos promesses   personne ne doit penser que  

nous pouvons etre fiables  

,

disponibles et attentionnes les clients doivent se dire que  

nous sommes peu dignes de confiance  

,

peu impliques il serait faux de croire que  

nous pouvons faire evoluer les mentalites  

Mais chez AXA  nous avons decide de reinventer notre metier  

上→下の方向に読んだ場合の日本語訳:

みな次のように考えています。

保険や金融サービスにおいては

われわれは常に約束を守るとは限らないと。

誰も次のように考えてはなりません。

われわれが信頼でき,柔軟で,親切であるなどと。

顧客の人たちは次のように考えなければなりません。

私たちは信頼に足る存在ではなく,熱心ではないと。

次のように考えるのは間違いでしょう。

われわれが業界の意識を高めることができるなどと。

しかしアクサではわれわれの仕事を変革することを決意しました。

下→上の方向に読んだ場合の日本語訳:

アクサではわれわれの仕事を変革することを決意しました。

私たちは業界の意識を高めることができるのです。

次のように考えるのは間違いでしょう。

私たちは信頼に足る存在ではなく,熱心ではないなどと。

顧客の人たちは次のように考えなければなりません。

われわれが信頼でき,柔軟で,親切であると。

誰も次のように考えてはなりません。

われわれ保険業界の者は常に約束を守るとは限らないと。

保険や金融サービスにおいては

これらのことをみなが考えているのです。

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オンエアされたCMはインパクトが大きかった。このCMではフランス語 の文章が,まず最初の行から最後の行へと順に読まれる。次に同じ文章が最 後の行から最初の行へと上にさかのぼって読まれる。上から下へと読むと,

保険という事業がいかに顧客の要望に応えていないかを自己批判する内容と なる。ところが,下から上へと読むと,まったくその逆の意味になり,保険 事業を変革する意欲を示す内容となる。この手法は,フランスの作家ジュル ジュ・サンドがある恋文の中で創造した文学的手法だとされる。

3.5.2.グルパマ − スリーズ によるコミュニケーション戦略

グルパマ(Groupama)は,農業従事者向けの相互保険会社を起源とし,

現在,グルパマ,GAN,アマギーズの3ブランドを展開する。グルパマ自 体は,営業所を販売チャネルとし,生保・損保を直販する。かつての国有保 険会社GANは,経営危機に伴い,1997年民営化の方針が打ち出され,1998 年にグルパマの子会社となった。GANは,代理店とブローカーを販売チャ ネルとする。本稿で取り上げたアマギーズは,ネット専売子会社である。

グルパマは,3つのブランド毎のコミュニケーション戦略を展開している。

(Granado, 2010) アマギーズは既に述べたように,一連のCMにおいて,

以前の保険がどのようなものでしたか? をスローガンに,Pay as you drive型保険をフランスで唯一扱っていることなどをアピールしていた。 

GANは伝統的に起業家や中小企業に対する保険提供に強みがあり,代理 店やブローカーで販売している。したがって個人向け商品の営業所直販を主 とするグルパマと相互補完関係にある。近年のGANの個人向けCMでは,

今朝,私は死にました のナレーションで始め,残された周囲の者に対し ていかに保険が有用であるかを説いたものに訴求力がある。2009年から2010 年にかけては,GANブランドのてこ入れが実施され, 前進するための保 険 (assure dʼavancer)をスローガンに, 起業家・中小企業経営者 の職 業上と私生活双方のリスクの担い手としての存在をアピールした。

グルパマは,近年,エンドウ豆のような緑色の斑点が入った白のワンピー

(19)

スを着た女性 スリーズ (Cerise,サクランボの意)が登場するCMを定 着させてきた。タイヤ業界最大手のミシュラン (Michelin) 社のキャラクタ ーであるタイヤ男の ビベンダム (Bibendum)は世界的に知られている。

カロリヌ・フュリオリ(Caroline Furioli)が演じてきたグルパマのスリー ズは,フランス国内で言わば保険業界における ビベンダム のようなキャ ラクターとして定着している。グルパマは,伝統的に農業従事者に保険サー ビスを営業所で直販してきた地域密着型の保険会社である。したがって,グ ルパマを体現するスリーズは,身近な人たちのさまざまニーズに応える保険 サービスについて優しく説明する。CMの最後では, (グルパマは)いつも 私のそばにある (toujours la pour moi)のスローガンが示され,音楽に 合わせて グルパマ+○○(訴求ポイント) が音声でアピールされる。1 つのパターンとして, グルパマは銀行でもあります (Groupama, cʼest aussi la banque.)の音声で終わるバージョンは,保険会社が展開する銀行 

のコミュニケーションとしては効果的であった。2000年以降,バンクAGF, アクサ・バンク,そしてグルパマバンクなど,アシュルバンク(預金口座開 設を含む総合的サービスを提供するネット銀行子会社による既存チャネル活 性化とマーケティング戦略)を展開する保険会社が出てきたが,全体として 伸び悩む中,グルパマバンクは銀行事業の存在を認知させることに成功した。

4.結 語

フランス保険市場には,MSI登場やバンカシュランス台頭に見るように,

マーケティング戦略上のイノヴェーション導入を契機とした激しい競争を通 じて,商品とサービスを洗練してきた歴史がある。イノヴェーションは,既 存の商品やサービスに欠けている点を補い,顧客満足を実現する。

本稿では,①近年のインターネット技術の進展に支えられてクルティエ・

グロシスト(卸売ブローカー),保険比較サイト,さらにはPay as you

drive型保険を扱うインターネット専売事業アマギーズが台頭したこと,② 

顧客のさまざまな購買パターンに対応するために複数のチャネルを充実し併

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存させる マルチチャネル マルチアクセス 化の流れの中でのインター ネットの重要性,③ブランド戦略・コミュニケーション戦略の展開によって,

強固なブランド・アイデンティティを構築していること,④顧客に対する利 便性向上を主眼としたマーケティング戦略の有用性などを再確認できた。

独自性を発揮するフランス保険企業のマーケティング戦略の動向は,業界 再編成を機にブランドを刷新し,ブランドの活性化を基盤とするマーケティ ング戦略の展開を志向する我が国の保険企業への示唆に富んでいる。

(筆者は関西大学社会安全学部教授) 参考 献

亀井克之 損害保険市場におけるマーケティング・イノベーション−フランス保険 市場における

MSI

の戦略− 保険学雑誌 第570号,2000年9月。

亀井克之 欧州保険会社による銀行業参入・アシュルフィナンスの新展開 ―バン ク

AGF

のマーケテ ィング戦略を中心に― 保険学雑誌 第584号,2004年3 月。

亀井克之 フランスにおける保険マーケティングの新展開 損害保険研究 第68 巻第1号,2006年5月。

亀井克之 フランス保険企業の事業展開とリスクマネジメント 保険学雑誌 第 602号,2008年9月。

ローランス・マルタン著,山野嘉朗訳 フランスにおける保険ブローカーの現状と 展開 生命保険文化研究所,1996年。

損害保険事業総合研究所 欧米主要国における保険規制・監督・市場動向について 2010年3月。

Frederique Granado, Think golobal, act local, Groupama, la communica- tion dʼ un groupe singulier , Risques, n°

84

, decembre

2010.

Georges‑Henri Levy, Astrid Cambournac et Laurent Ouazana, Les court- iers grossistes souscripteurs : un modeles perenne grace a lʼ innovation et a lʼ utilisation des nouvelles technologies   Risques, n°

77.

mars

2009.

Les comparateurs, nouvelle plaque tournante , La Tribune de lʼ Assurance, novembre

2010.

Grossistes les raisons du success , La Tribune de lʼ Assurance, septembre

2011.

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