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が欠かせない。そして“人間力,,を磨けば磨くほど,

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職場の管理者はそれに応じた“専門力”を身につ けていなければならない。そしてその‘‘専門性'’も 時間の経過とともに変わってくる。そうした変化に 気づき自ら進んで“専門性,,を高めていく努力もし 続けていかなければならない。しかしそれだけでは 職場の部下たちに影響を与えることはできない。リ ーダーシップを十分に発揮するためには“人間力',

が欠かせない。そして“人間力,,を磨けば磨くほど,

それが“専門力',に掛け合わされてリーダーシップ 力も強力になっていくのである。これが式の分子に あたる部分で,2つの力が掛け算になっていること に注意していただきたい。“人間力"が“0(ゼロ)”

だと“専門力'’がしっかりしていても,リーダーシ ップ力は"ゼロ”になってしまう。さらに‘‘人間力”

が“マイナス”にでもなれば,ことは深刻である。

その場合は“専門力”があればあるほどリーダーシ ップ力はマイナスの鹿合いを商めることになる。

このように,職場の管理者にとって“人間力”は リーダーシップ力を左右する大きな要因なのである。

ところで式の分母は“フオロワーの人数”になって いる。フォロワーはリーダーが指導する対象のこと で,管理者にとっては職場の部下であり,教師の場 合 は 児 童 生 徒 が フ オ ロ ワ ー に な る 。 こ の 式 か ら フ ォ

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口リーダーシップの公式

筆者はリーダーシップを次のような式で考えるこ とを提唱している。

リーダーシップカー専門力×人間カ

フオロワーの人数

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◇吉田道雄〈熊本大学教授〉 管理職のⅧソーダーシップと人間力アップ

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別冊教職研修2012.8口ZZ

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(2)

ロワーの人数が多くなればなるほどリーダーの影響力は低下せざるを得ない。

しかし,どのくらいが適正数であるのかは職場の状況や仕事の内容などによ って違ってくる。それに,管理者といえども自分の都合で部下の数を決める ことはできない。したがってここでは“フォロワーの人数”は与えられたも のとして,とくに議論しないことにする。また“専門力”についても管理者 自身の努力に任せることにして,“人間力”の部分について考えていくこと にしよう。

■人間力を磨く

“人間力',をもう少し限定して,ここでは“人と関わる力”や“コミュニ ケーション力”と定義してみよう。これを聞いて“そのことはわかっている けれど,自分はそうした力がもともとないから磨くにも磨きようがない”と 後ずさりする人がいる。つまりは“性格的にできない”というのである。こ うした“人間力”に対する見方はいわば“個人的な特性”を強調するもので,

この発想だと“人間力,’は努力しても身につかないことになる。しかし,筆 者はこうした見方はしないことにしている。それは“特性”ではなくて“行 動”だと考えるのである。“人間力”は“もともともっているかどうか”で はなく,“その時々に求められる行動をとっているかどうか”で決まるので ある。じつはリーダーシップそのものについて“特性論',と“行動論”とい う2つの立場があるのだが,“人間力”についても同じように考えることが できるわけだ。そして“行動論”を採用すれば,その“力”を鍛えることも できることになる。したがって“人間力”を改善することが可能なのである。

■“人間力',の改善とエクササイズ

人によっては“人間力は本当に改善できるのか”と疑問に思うかもしれな い。それに対する筆者の回答は"Yes"である。誰もが心身ともに健康な毎日 を送りたいと願っている。ところがけがや病気で入院して1週間でも寝たき

りでいると,アスリートでなくてもとくに足の筋肉が細るという。わざわざ 運動をしていなくても,生活のなかで筋肉を使っているのである。したがっ て健康を維持し,さらに増進したいのであれば意識して運動することが求め

ヨ ー ノ 畳 / 冒 〆 雪 / 雪 / 冒

Z2.別冊教職研修2012.8

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られる。たとえばウォーキングする,エレベータやエスカレータを使わずに 階段を上る,体力に自信があればジョギングもおすすめメニューに入れるこ とができる。このように体の健康には運動=エクササイズが必要なのである。

ところでちょっと考えただけで,人が生まれてから身につけた行動のほと んどが意識的な練習の結果であることがわかる。たとえば“自転車”にして も懸命に反復練習=エクササイズをしたから乗れるようになったのである。

もちろん,そこには“自転車に乗れるようになりたい”という強い意欲をも っていることが前提にある。何事においても‘‘意欲十エクササイズ”こそが 成功につながるということである。こうした健康の維持・増進や自転車乗り などについては,誰もが“それはそうだ”と賛同する。

ところが,リーダーシップやコミュニケーションあるいは対人関係,そし てここで話題にしている人間力などが話題になると様子が違ってくる。多く の人たちが“自分はどんなに努力してもそうした力は身につかない”とエク ササイズを放棄してしまうのである。しかし,“人と関わる力”も“改善し ようという意欲”と“エクササイズ”が欠かせないのだ。はじめから‘‘どう せやってもダメ”といった発想をしていては変わるものも変わらない。そこ で思考は停止してしまう。

ただし,ここで適切な目標を設定していないとせっかくのエクササイズも 続かない。たとえば,心臓や手足の筋肉など体の構成物だけなら私たちとイ チローに違いはない。しかし素人がどんなにバッティングの練習をしても彼 のようにはなれない。それは当然で,そもそも目標が間違っているのである。

それと同じように,身の回りにいる“カリスマのようなリーダー',を目標に する必要はない。目標は“昨日の自分,今日の自分”を基準にして,それよ

りも“前に進む”ことなのである。そして“やればできる”‘‘エクササイズ で改善できる”ことをしっかり頭に入れて“人間力..ひいては“リーダーシ

ップ力”を伸ばしていきたいものである。

■リーダーシップ・トレーニング

“リーダーシップや人間力の改善はやればできる”とはいわれても,具体 的にはどうすればいいのか。そんな疑問を抱く方も多いに違いない。それに

別冊教職研修2012.8●13

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対する1つの回答として,筆者は“リーダーシップや人間力”の改善をめざ す“トレーニング”をライフワークとして,その開発と実践を進めてきた。

このトレーニングは基本的に“基礎研修”とそれから3カ月程度の間隔を 圃いて実施する“フォロー研修”から構成されている。“基礎研修”では,

リーダーシップや対人関係,コミュニケーションにかかわる理儲的な情報を 提供し、グループワークを中心にした行動改善をめざす情報交換が行われる。

そして“基礎研修.,の終わりに参加者一人ひとりが“職場で実践する行動目 標”を設定する。それから“フォロー研修”が近づいたころ,自分の行動目 標が達成できたかどうかを確認するために“部下による評価”を実施する。

“フォロー研修,,ではそのデータを分析し,さらに行動目標を洗練していく ことになる。こうした一連の研修をとおして,リーダーシップの改善が実現 されることになる。

これを教育場面で導入した実例として熊本市の教育センターで行われてい る教職10年経験者研修をあげることができる。ここでは毎年5月から翌年の

2月まで,延べ4日間にわたって対人関係とコミュニケーションスキルを改 善するトレーニングを実施している。このトレーニングの目的は,参加者た ちの児童生徒に対するリーダーシップを改善することにある。これを含めて,

リーダーシップ・トレーニングが一定の効果を生み出すことは参加者の声だ けでなく実証的にも明らかにされている。

ともあれ,管理者たちは“やればできる”ことを信じて自分自身の行動改 善にチャレンジし続けていただきたい。

*筆者はホームページで。リーダーシップ画や。対人関係。,さらに“組織の安全・

などに関する鯖文や読み物を120本ほど公開している(2012年5月現在)。本稿 で話題にしたテーマに興味をおもちの方はホームページの。Repositorypにアクセ

スしていただきたい。“リーダーシップ・トレーニング”についての騰文も読む ことができる。なおホームページはYahooやGoogleなどの検索エンジンを使

って“吉田道雄”で探せば現在のところトップに出る。

14⑳別冊教職研修2012.8

参照

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