1.はじめに
国有林は、全国土面積の約
2
割、林野面積の約3
割を占めており、それを所管する林野庁が 一元的に管理・経営を行っている。「2010年世界農林業センサス」によると、全国の林野面積(現況森林面積+森林以外の草生地・野草地)は計
2, 485
万ha
であり、その中で林野庁所管の 国有林の面積は708
万ha
に達する1)。この国有林の管理・経営を担ってきた林野庁の役割は、木材の供給においても、森林環境保全においても、さらに地元山村経済への影響という点でも、
極めて大きい(あるいは、大きかった)といえる。
しかしながら、笠原ほか(2008)などが述べているように、低成長期以降、財政赤字を増加 させてきた国有林野事業については、数回にわたる法令の公布とそれに基づく経営合理化・改 革政策が進められてきた。その結果、国有林の林業事業そのものは大幅に縮小し、旧営林局、
営林署等の組織と人員も大きく縮小・削減された。1998年のいわゆる「抜本的改革」2)では、
組織体制の大きな改革と統合がなされた。そして最近では、2012年に「国有林野の有する公 益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法 律」が成立し、それに伴い、これまでの国有林野事業特別会計を廃止して、国有林野事業は一 般会計において実施されることとなった(林野庁編、2013)。
このような「縮小」段階における国有林野事業の変化とそこにみられる地域特性については、
すでに安食(2010)で論じたが、今回は、対象地域を東北日本に限定して、より細かな地域ス ケールで、国有林野事業に関するデータ整理と分析を試みる。東北日本を取り上げる理由は、
そもそも面積的に国有林の占める割合が大きいこと、そして歴史的にみて国有林野事業と地元
東北日本における国有林野事業の変容と地域特性
- 1980 年代以後を対象として - 安 食 和 宏
要旨:本稿では、東北日本を対象として、1980年代以後の国有林野事業の変化と地域的な特性 について検討した。対象地域は、旧・青森、秋田、前橋営林局の管内(東北
6
県と栃木・群馬・新潟県)である。その結果、以下のような点が明らかになった。対象地域では、全国的傾向と同 様に、伐採事業・造林事業ともに、1980年代以後、明確な減少傾向が継続し、事業量は大きく減 少した。ただし最近では、両者とも増加傾向に転じている。旧営林署単位に
1980
年度と2010
年 度の伐採量を比較すると、伐採量の大きな地域がより集中するようになった、すなわち木材生産 を指向する地域とそうでない地域との差が大きくなった、分化したと解釈できる。また造林事業 について細かくみると、かつて事業量が多かった地域と現在多い地域とは必ずしも一致せず、や や複雑な分布状況を示している。次に、職員数の変化についてみると、全国的な傾向と同様に、定員内職員・定員外職員ともに、1980年代以降、一貫して激しい減少が続いてきた。旧営林署単 位にまとめてみると、職員の削減は全国一律的に進められてきたものであり、2010年度では、地 域的な差異はほとんど見られない。
山村との関連が強いという特徴を有する(安食,1990,1992)からである。国有林野事業の変 貌は、地元山村の社会経済にも大きな影響を与えている。
本稿では、東北日本を対象として、特に
1980
年代以後から現在に至る「縮小」段階の国有 林野事業の変化と、そこに見られる地域性・地域的差異を明らかにすることを目的とする。対 象地域は、旧・青森、秋田、前橋営林局管内(現在の東北森林管理局の管轄地域、および関東 森林管理局の管轄地域の一部)とする。分析においては、特に、伐採・造林事業量、職員数な どの変化に着目する。なお、ここで用いる資料は、林野庁による各年次『国有林野事業統計書』と、各営林局(現・森林管理局)単位の各年次『事業統計書』である3)。
2.東北日本の国有林の特色
今回対象とするのは、青森県から新潟県までの
9
県である。表1
に示したように、旧・青森 営林局の管轄が青森県・岩手県・宮城県の3
県で、旧・秋田営林局の管轄が秋田県と山形県で ある。そして、旧・前橋営林局の管轄が、福島県・栃木県・群馬県・新潟県の4
県である。1998
年の「抜本的改革」を経て、かつての営林局は森林管理局(または分局)に変わり、2004 年度から、旧・青森と旧・秋田営林局は東北森林管理局として統合された。そして、旧・前橋 営林局は旧・東京営林局と統合し、関東森林管理局に変わっている。しかし今回は、こうした 組織再編以前からの事業の変化を把握したいため、旧来の名称と地域区分に従って見ていく。これら
9
県の国有林野面積をみると(表1
)、合計で266
万ha
に達する。これは、全国の国 有林野面積の約35
%を占めている。県単位でみると、福島県、青森県、岩手県、秋田県の国 有林野の面積が大きい。また人工林率でみると(2010年)、最も高いのが岩手県で(44.1
%)、次いで、秋田県、群馬県、宮城県という順になる。一方で、人工林率が特に低い、つまり天然 林が卓越しているのは、新潟県と山形県である。
国有林野事業では、1998年制定の「国有林野の管理経営に関する基本計画」以降、林野の機 能類型を、「水土保全林」、「森林と人との共生林」、「資源の循環利用林」の
3
区分に改め、事表 1 東北日本 9県の国有林野面積と機能類型別面積(2010年)
旧・営林局名 県 名 国有林野面積
(ha)
人工林率
(%)
機能類型別面積(ha)
水土保全林 森林と人との共生林 資源の循環利用林
青 森
青森県
394, 167 35. 7 267, 710
(67.9
)79, 160
(20.1
)47, 296
(12.0
) 岩手県388, 341 44. 1 255, 800
(65.9
)93, 409
(24.1
)39, 132
(10.1
) 宮城県125, 697 37. 3 71, 929
(57.2
)47, 140
(37.5
)6, 627
(5.3
) 秋 田 秋田県387, 037 40. 6 280, 980
(72.6
)98, 117
(25.4
)7, 939
(2.1
) 山形県353, 331 18. 6 212, 499
(60.1
)135, 161
(38.3
)5, 670
(1.6
)前 橋
福島県
404, 347 36. 3 262, 088
(64.8
)127, 167
(31.4
)15, 091
(3.7
) 栃木県126, 383 28. 2 83, 487
(66.1
)39, 041
(30.9
)3, 857
(3.0
) 群馬県194, 810 39. 4 126, 601
(65.0
)62, 357
(32.0
)5, 851
(3.0
) 新潟県286, 841 9. 2 107, 254
(37.4
)177, 926
(62.0
)1, 661
(0.6
) 全国計7, 584, 188 32. 6 5, 186, 427(68. 4
)2,115, 986
(27.9
)273, 370
(3.6
)( )は構成比(%)。『国有林野事業統計書』(Web版)より作成。
業が進められてきた。前
2
者が公益林で、3番目が木材生産のための森林(経済林)である(山田・大塚、2009)4)。表
1
によると、全国合計では、96.3
%が公益林で、経済林は3. 6
%に過 ぎない5)。これを東北日本9
県についてみると、大きくみて全国的な傾向と類似している。強 いて特徴を挙げれば、秋田県では「水土保全林」の割合が大きい。また群馬県では、「森林と 人との共生林」の割合が他よりもかなり大きい。そして「資源の循環利用林」(経済林)につ いては、青森県と岩手県でその比率が高く、これらの地域では木材生産を追求する姿勢が強い ようである。一方で、経済林の比率が特に低いのは、新潟県と山形県である。3.東北日本における 1980年代以後の国有林野事業の変化
(1)伐採事業の変化
安食(2010)で述べたように、全国的にみて、国有林野における伐採・造林事業が明確な減 少傾向に入るのは、1980年代初頭をすぎてからである。そして、基幹作業職員(定員外職員 の一種)についても、80年代前半から縮小が顕著になってくる。よって、ここでは、1980年 代以後を「縮小」期とみなし、1980年度から
2010
年度までを対象とする6)。表
2
には、旧営林局別に、1980年度から5
年ごとに、2010年度までの伐採量の推移をまと めて示した。かつての営林局は、森林管理局として再編されているが、ここでは時系列的な変 化を把握するために、最近の年次については、県単位のデータ、もしくは森林管理署単位のデー タを集計することにより、便宜的に旧営林局単位にまとめた。表3
と表4
も同様である。1980
年度を起点として、全国的にみると、その後の伐採量の減少は激しく、2003年度に最表 2 東北日本の国有林における伐採量の推移
旧・営林局
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
年度 青森伐採材積
1, 911, 898 1, 760, 854 1, 276, 049 807, 446 402, 571 412, 014 598, 614
(100) (92.
1
) (66.7
) (42.2
) (21.1
) (21.5
) (31.3
) 製品生産のシェア43. 5 47. 3 55. 9 51. 5 24. 4 47. 0 81. 3
立木販売のシェア56. 5 52. 7 44. 1 48. 5 75. 6 53. 0 18. 7
秋田伐採材積
1, 231, 093 1, 090, 013 830, 107 577, 561 301, 936 417, 459 577, 310
(100) (88.
5
) (67.4
) (46.9
) (24.5
) (33.9
) (46.9
) 製品生産のシェア67. 8 65. 0 59. 3 45. 9 24. 0 48. 1 90. 5
立木販売のシェア32. 2 35. 0 40. 7 54. 1 76. 0 51. 9 9. 5
前橋伐採材積
1, 355, 363 1, 068, 068 675, 005 462, 631 339, 380 382, 189 334, 006
(100) (78.
8
) (49.8
) (34.1
) (25.0
) (28.2
) (24.6
) 製品生産のシェア36. 4 40. 5 39. 9 38. 0 25. 4 48. 7 75. 4
立木販売のシェア63. 6 59. 5 60. 1 62. 0 74. 6 51. 3 24. 6
全国計伐採材積
13, 582, 10612, 311, 227 9, 164, 559 6, 241, 636 3, 437, 551 4, 153, 866 4, 522, 806
(100) (90.
6
) (67.5
) (46.0
) (25.3
) (30.6
) (33.4
) 製品生産のシェア45. 4 45. 4 45. 9 38. 5 20. 3 46. 9 82. 2
立木販売のシェア54. 6 54. 6 54. 1 61. 5 79. 7 53. 1 17. 8
材積の単位はm
3、( )は1980
年度を100
とした時の指数。シェアの単位は%。『国有林野事業統計書』(冊子体および
Web
版)より作成。低を記録し、その後最近は増加傾向にある。1980年度実績を
100
とすると、2010年度では33. 4
というレベルである。表2
によると、3つの旧営林局とも、1980年代から90
年代にかけ て、伐採量を大きく減少させたことがわかる。その後、旧・秋田営林局エリアでは、最近の回 復傾向が著しく、2010年度では、1980年度のほぼ半分のレベル(指数46. 9
)にまで回復した。一方で、旧・前橋営林局では伐採の回復は鈍く(指数
24. 6
)、旧・青森営林局はその中間に位 置する(指数31. 3
)。どの程度の伐採がなされているかというのは、当然その地域の森林資源の質等に左右される。
前稿(安食、2010)で指摘したように、最近の国有林野での伐採の主体は主伐ではなく、間伐 に移行している。この背景には、地球温暖化防止に向けて、森林吸収源対策を着実に進めるた めに、間伐等の森林整備を進めるという政策がある(林野庁編、2013)。2010年度でみると、
全国合計では、全伐採量の
88. 1
%は間伐によるものである7)。また樹種別にみると、針葉樹の 伐採が93. 9
%、 広葉樹の伐採が6. 1
%である。 伐採量の中で間伐が占めるシェアをみると(2010年度)、旧・青森、秋田、前橋営林局の順に、84.
1
%、90.4
%、71.2
%である。旧・前橋 営林局ではやや数値が低い。そして、同年度の伐採で針葉樹のシェアをみると、それぞれ89. 4
%、95.1
%、96.5
%となっている。このように、東北日本・国有林の伐採事業については、かつては豊富な広葉樹の伐採というイメージが強かったと思われるが、現状ではほとんどが針 葉樹(そのほとんどは人工林と思われる)の間伐となっている。
また表
2
には、伐採量を製品生産(いわゆる直営事業)と立木販売にわけて示した。全国的 な傾向と3
営林局の傾向は大体類似しており、1980~90年代の伐採量減少の中で製品生産の シェアは低下し、立木販売分が増加してきた。その後2000
年代に入ると、増伐傾向の中で、表 3 東北日本の国有林における造林事業量の推移
旧・営林局
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
年度 青森新植面積
8, 026 4, 503 862 604 82 156 438
(100) (56.
1
) (10.7
) (7.5
) (1.0
) (1.9
) (5.5
) 保育面積79, 807 63, 686 43, 654 14, 159 7, 945 5, 370 15, 188
(100) (79.
8
) (54.7
) (17.7
) (10.0
) (6.7
) (19.0
) 秋田新植面積
3, 281 2, 019 1, 323 684 755 367 179
(100) (61.
5
) (40.3
) (20.8
) (23.0
) (11.2
) (5.5
) 保育面積52, 348 44, 985 30, 033 14, 392 8, 739 5, 100 16, 580
(100) (85.
9
) (57.4
) (27.5
) (16.7
) (9.7
) (31.7
) 前橋新植面積
5, 616 2, 470 1, 397 373 376 534 420
(100) (44.
0
) (24.9
) (6.6
) (6.7
) (9.5
) (7.5
) 保育面積59, 114 40, 982 26, 203 13, 020 6, 841 7, 381 14, 570
(100) (69.
3
) (44.3
) (22.0
) (11.6
) (12.5
) (24.6
) 全国計新植面積
43, 952 24, 727 9, 691 4, 779 2, 933 2, 315 41, 554
(100) (56.
3
) (22.0
) (10.9
) (6.7
) (5.3
) (10.4
) 保育面積579, 635 463, 186 344, 564 204, 661 119, 188 112, 887 231, 881
(100) (79.
9
) (59.4
) (35.3
) (20.6
) (19.5
) (40.0
) 単位はha
、( )は1980
年度を100
とした時の指数。『国有林野事業統計書』(冊子体)と森林管理局ごとの『事業統計書』(冊子体および
Web
版)より作成。製品生産のシェアが再び増加してきたといえる。ただし、これも安食(2010)で指摘したよう に、製品生産の中でも、直接雇用する作業員による「直営直傭」はすでに完全に撤退しており、
現在では、全てが民間に委託されて生産がなされている。
(2)造林事業の変化
次に、対象地域における造林事業の推移について検討する。1980年度以後について、特に 新植面積と保育面積(下刈り・枝うち・つる切り・除伐等の合計値)の変化をまとめて表
3
に 示した。まず新植面積の推移をみると、全国的に、1980~90年代を通して、その減少は激しく、2002 年度に最低を記録し、その後は若干増加傾向にある。1980年度を
100
とすると、2010年度は10. 4
という状況である。東北日本では、旧営林局間の違いはあまり見られず、いずれも、2010 年度時点の植林事業の回復は全国に比べて低いレベルにある(指数では5. 5
から7. 5
)。次に保育面積についてみると、かつては、上記の新植面積ほどの激減ではないが、全体的な 減少傾向がみられた。そして近年では、新植と同様に増加傾向に転じている。最近の増加はか なり著しく、2010年度の全国の指数は
40. 0
にまで回復した。東北の3
つの旧営林局エリアで の回復率は、この全国数値に比べると低い。その中で強いて言えば、旧・秋田営林局の指数は 他よりも高くなっている(指数31. 7
)。このように、全国的な傾向と同様に、対象地域においても、最近の造林事業は増加傾向にあ ることが確認された。しかしながら、上記の伐採事業と同様に、実際にほとんどの植林・保育 作業を担っている(請け負っている)のは民間の事業体である(安食、2010)。
(3)職員規模の変化
次に、国有林野事業を支えてきた労働力について、特に直接雇用の部分について検討する。
表
4
は、定員内職員数と定員外職員数の推移をまとめたものである。前者は、庁舎等に勤務す る管理職・事務職等を指し、後者は現場での作業に従事する作業員である。まず、定員内職員についてみると、全国的にみて、継続的に激しい減少が続いてきたといえ る。そして、こうした人員削減は限界に達したようであり、最近の減少率は鈍くなっている。
2010
年度の段階では、1980年度と比べて、指数14. 3
にまで減少した。こうした「合理化」政 策は全国一律に進められたものであり、いずれの旧営林局でも、一貫して減少が続いてきた(表
4
)。旧・前橋営林局が他に比べて減少がやや鈍いのは(指数19. 3
)、統廃合による営林署 数の減少が割と小さかったこと(次章で述べる)、そして旧営林局本局の機能を維持してきた からと思われる(安食、2010)。つまり、旧・前橋営林局と旧・東京営林局が統合されて関東 森林管理局と変わった際、本局は前橋に置かれ、東京には事務所1
つのみという、組織上の大 きな対応の違いが生じたからである8)。次に定員外職員数の変化をみると、定員内職員よりもさらに激しい減少がみられた(表
4
)9)。 全国でみると、2010年度の指数はわずか2. 4
という現状である。過去30
年間にわたって、現場 作業員は、この程度にまで激減したといえる。東北日本の3
つの旧営林局については、もともと 営林署数が多く、多数の作業員を雇用していたという事情もあり、定員外職員(作業員)の減 少は、全国合計よりもさらに激しい(2010年度の指数では1. 1
から1. 6
)。また雇用形態に注目してみると、1980年度時点では、定員外職員の場合、基幹作業職員、常
用作業員、定期作業員、臨時作業員という
4
種類の雇用形態があった。これらを旧営林局別に みると(安食、2010)、当時、旧・秋田営林局では、基幹作業職員と定期作業員が中心となって おり(全体の42. 6
%と39. 2
%)、旧・前橋営林局では、基幹作業職員と臨時作業員が主体であっ た(34.6
%と56. 9
%)。そして旧・青森営林局では、基幹作業職員・定期作業員・臨時作業員の 三者が同じ程度(35.4
%、29.1
%、34,2
%)といった、地域ごとの違いも認められた。その後、こうした地域間の差異はほぼ解消され、2010年度では、旧営林局のいずれでも(絶対数は少な くなったが)基幹作業職員が主体となっている(定員外職員数の
89
%から96
%程度)10)。4.旧営林署別にみた国有林野事業の変化と地域性
(1)営林署組織の変化
前章では、旧営林局単位に、国有林野事業の変化の概要を確認した。次に、より小さな地域 スケールで検討するために、旧営林署単位でのデータ整理を行う。1970年代末からの国有林 野事業「合理化」路線に沿って、全国的に、営林署の統廃合は段階的に進められてきた。そし て、すでに述べた
1998
年の「抜本的改革」により、かつての営林署は、森林管理署または支 署と改められた。統廃合は一気に進み、1998年度に全国で229
あった営林署は、99年度には112
の森林管理署(内訳は、98森林管理署と14
の森林管理署支署)に半減した(安食、2010)。今回対象とする東北日本における旧営林署の配置と地域区分(1980年度)を示したのが、
図
1
であり、次の図2
には、現在の森林管理署(または支署)の配置と地域区分を示した。旧・青森営林局管内では、1980年時点で
47
の営林署があったが、98年時点では31
に減少した。表 4 対象地域における定員内職員数と定員外職員(作業員)数の推移
旧・営林局
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
年度青森
定員内職員
3, 896 3, 347 2, 340 1, 342 686 400 362
(100) (85.
9
) (60.1
) (34.4
) (17.6
) (10.3
) (9.3
) 定員外職員5, 954 3, 168 2, 132 1, 216 554 246 72
(100) (53.
2
) (35.8
) (20.4
) (9.3
) (4.1
) (1.2
)秋田
定員内職員
3, 921 3, 168 2, 183 1, 091 479 437 419
(100) (80.
8
) (55.7
) (27.8
) (12.2
) (11.1
) (10.7
) 定員外職員5, 788 3, 953 2, 730 1, 500 646 232 66
(100) (68.
3
) (47.2
) (25.9
) (11.2
) (4.0
) (1.1
)前橋
定員内職員
2, 700 2, 275 1, 599 1, 034 711 581 521
(100) (84.
3
) (59.2
) (38.3
) (26.3
) (21.5
) (19.3
) 定員外職員4, 522 2, 149 1, 387 641 349 171 71
(100) (47.
5
) (30.7
) (14.2
) (7.7
) (3.8
) (1.6
)全国計
定員内職員
33, 304 27, 983 19, 962 11, 865 6, 929 5, 108 4, 756
(100) (84.
0
) (59.9
) (35.6
) (20.8
) (15.3
) (14.3
) 定員外職員38, 540 23, 514 15, 649 8, 019 4, 028 2, 039 922
(100) (61.
0
) (40.6
) (20.8
) (10.5
) (5.3
) (2.4
) 単位は人、( )は1980
年度を100
とした時の指数。1995
年度以降の定員外職員数には、臨時作業員数を含まない。『国有林野事業統計書』(冊子体)と森林管理局ごとの『事業統計書』(冊子体および
Web版)より作成。
図 1 旧営林署の配置と管轄地域区分(1980年)
図中の数字は、表 5~表 7に対応する。
旧営林局の『事業統計書』内の管内図を基に作成。
6
‑ 営林署 営林署界 県境
。 50 100km
図 2 現在の森林管理署の配置と管轄地域区分(2010年)
図中の数字は、表 5~表 7に対応する。
東北森林管理局と関東森林管理局のホームページ内情報を基に作成。
6
。 S O
‑ 森林管理署 企森林管理署支署 一一森林管理署(支署)界 一 一 県 境
100km
そして、翌
99
年には、11の森林管理署と3
支署に統合された。同様に、旧・秋田営林局管内 では、1980年度の34
営林署が98
年度までに22
に統合され、99年度には7
森林管理署と3
支 署に統合された。旧・前橋営林局の場合は、1980年度の32
営林署が98
年度までに22
に統合 され、99年度には12
森林管理署と3
支署に統合された。このように、いずれの旧営林局エリ アでも、旧営林署組織の統合と減少は著しい。旧・前橋営林局で営林署の統合が他と比べて割 と少なかったのは、そもそも管理する国有林野面積が大きく、地域的に広範囲に分布している ことが影響していると思われる。(2)伐採事業の変化と地域特性
次に、旧営林署単位に、伐採量の変化とそこに見られる地域性について検討する。ここでは、
1980
年度と2010
年度の数値を比較する。かつての営林署単位でのデータは今の『事業統計書』では得られないため、現在の森林管理署(または支署)の地域区分をベースとして、それぞれ の範囲に該当する元の営林署のデータを合計して、2時点のデータを照合して比較検討すると いう手法をとった(表
5
)11)。表
5
旧営林署別にみた伐採事業量の変化 県 旧営林署名 伐採量(m3)2010
年度伐採量の内訳(%)現森林管理署名
1980
年度2010
年度 主伐 間伐 針葉樹 広葉樹青森
1青森 64, 920
計
163, 585
(100)
40, 076
(24.
5
)17. 3 82. 7 95. 1 4. 9 A1
青森森林管理署2蟹田 49, 963
3今別 26, 588 4増川 22, 114 5市浦 29, 506
計
90, 593
(100)
35, 521
(39.
2
)5. 8 94. 2 93. 4 6. 6 A2
津軽森林管理署6中里 26, 559
金木支署7金木 34, 528 8鰺ヶ沢 36, 869
計
193, 419
(100)
64, 831
(33.
5
)11. 1 88. 9 92. 0 8. 0 A3
津軽森林管理署9深浦 42, 242
10弘前 56, 225 11大鰐 20, 534 12碇ヶ関 17, 395 13黒石 19, 884 14川内 50, 835
計
232, 584
(100)
94, 531
(40.
6
)29. 3 70. 7 85. 5 14. 5 A4
下北森林管理署15脇野沢 31, 856
16佐井 14, 353 17大間 18, 456 18大畑 57, 790 19むつ 59, 294 20横浜 58, 359
計
238, 434
(100)
92, 599
(38.
8
)6. 0 94. 0 93. 1 6. 9 A5
三八上北森林管 理署21野辺地 61, 023 22乙供 41, 818 23三本木 41, 443 24三戸 35, 791
岩手
25安代 62, 460
(100)
43, 511
(69.
7
)13. 6 86. 4 85. 3 14. 7 B1
岩手北部森林管 理署26久慈 76, 266
(100)
14, 770
(19.
4
)14. 9 85. 1 87. 2 12. 8 B2
三陸北部森林管 理署久慈支署県 旧営林署名 伐採量(m3)
2010
年度伐採量の内訳(%)現森林管理署名
1980
年度2010
年度 主伐 間伐 針葉樹 広葉樹岩手
27岩手 68, 440
計
180, 841
(100)
27, 748
(15.
3
)34. 1 65. 9 83. 0 17. 0 B3
盛岡森林管理署28盛岡 62, 659
29雫石 49, 742 30花巻 50, 958
計
182, 443
(100)
39, 232
(21.
5
)5. 7 94. 3 91. 7 8. 3 B4
岩手南部森林管 理署31北上 35, 882 32川尻 48, 710 33水沢 32, 239 34一関 14, 654 35遠野 80, 998
(100)
23, 151
(28.
6
)14. 4 85. 6 93. 0 7. 0 B5
岩手南部森林管 理署遠野支署36岩泉 39, 013
計
140, 600
(100)
42, 896
(30.
5
)15. 1 84. 9 93. 0 7. 0 B6
三陸北部森林管37川井 55, 372
理署38宮古 46, 215
39大槌 35, 560
計56, 856
(100)
38, 256
(67.
3
)26. 4 73. 6 71. 6 28. 4 B7
三陸中部森林管40大船渡 21, 296
理署宮城
41気仙沼 27, 440
計
144, 628
(100)
33, 977
(23.
5
)23. 8 76. 2 95. 0 5. 0 C1
宮城北部森林管 理署42石巻 39, 611 43古川 49, 161 44中新田 28, 416
45仙台 36, 249
計68, 461
(100)
7, 517
(11.
0
)3. 8 96. 2 96. 2 3. 8 C2
仙台森林管理署46白石 32, 212
秋田
47十和田 51, 342
計
283, 906
(100)
116, 860
(41.
2
)10. 8 89. 2 94. 4 5. 6 D1
米代東部森林管 理署48花輪 28, 265 49扇田 47, 780 50大館 45, 020 51早口 56, 856 52鷹巣 54, 643 53米内沢 52, 483
計
214, 262
(100)
79, 774
(37.
2
)6. 2 93. 8 92. 8 7. 2 D2
米代東部森林管理 署上小阿仁支署54阿仁 56, 468
55上小阿仁 76, 389 56合川 28, 922 57藤里 20, 636
計
167, 328
(100)
93, 243
(55.
7
)4. 2 95. 8 95. 5 4. 5 D3
米代西部森林管 理署58二ツ井 23, 374 59能代 83, 298 60五城目 40, 020 61秋田 32, 972
計
225, 686
(100)
89, 406
(39.
6
)3. 7 96. 3 98. 4 1. 6 D4
秋田森林管理署62和田 37, 146
63角館 56, 811 64生保内 50, 161 65大曲 48, 596
66増田 20, 177
計44, 036
(100)
23, 123
(52.
5
)33. 7 66. 3 95. 8 4. 2 D5
秋田森林管理署67湯沢 23, 859
湯沢支署68本荘 27, 094
計50, 157
(100)
34, 213
(68.
2
)7. 5 92. 5 95. 8 4. 2 D6
由利森林管理署69矢島 23, 063
山形
70酒田 29, 036
計53, 767
(100)
22, 911
(42.
6
)25. 8 74. 2 95. 0 5. 0 E1
庄内森林管理署71鶴岡 24, 731
県 旧営林署名 伐採量(m3)
2010
年度伐採量の内訳(%)現森林管理署名
1980
年度2010
年度 主伐 間伐 針葉樹 広葉樹山形
72古口 22, 049
計
125, 437
(100)
85, 758
(68.
4
)14. 2 85. 8 93. 4 6. 6 E2
山形森林管理署73新庄 29, 569
最上支署74真室川 53, 793 75向町 20, 026 76村山 16, 888
計
39, 290
(100)
22, 722
(57.
8
)5. 3 94. 7 96. 1 3. 9 E3
山形森林管理署77寒河江 13, 154
78山形 9, 248
79米沢 4, 271
計27, 224
(100)
9, 301
(34.
2
)9. 2 90. 8 97. 0 3. 0 E4
置賜森林管理署80小国 22, 953
福島
81原町 72, 916
計
288, 255
(100)
73, 135
(25.
4
)55. 1 44. 9 96. 4 3. 6 F1
磐城森林管理署82浪江 57, 478
83富岡 54, 413 84平 50, 691 85勿来 52, 757
86福島 53, 666
計96, 001
(100)
38, 158
(39.
7
)17. 0 83. 0 94. 3 5. 7 F2
福島森林管理署87郡山 42, 335
88石川 40, 929
計99, 205
(100)
20, 983
(21.
2
)30. 6 69. 4 96. 0 4. 0 F3
福島森林管理署89白河 58, 276
白河支署90棚倉 73, 998
(100)
33, 435
(45.
2
)57. 6 42. 4 93. 4 6. 6 F4
棚倉森林管理署91猪苗代 16, 457
計
102, 154
(100)
10, 228
(10.
0
)18. 0 82. 0 98. 5 1. 5 F5
会津森林管理署92若松 22, 873
93喜多方 25, 247 94坂下 37, 577 95山口 75, 630
(100)
6, 112
(8.
1
)3. 7 96. 3 92. 5 7. 5 F6
会津森林管理署 南会津支署 栃木96大田原 40, 667
計78, 389
(100)
14, 510
(18.
5
)35. 4 64. 6 99. 8 0. 2 G1
塩那森林管理署97矢板 37, 722
98今市 95, 608
計106, 374
(100)
39, 206
(36.
9
)2. 3 97. 7 99. 4 0. 6 G2
日光森林管理署99宇都宮 10, 766
群馬
100
大間々38, 015
計
106, 059
(100)
36, 258
(34.
2
)12. 4 87. 6 99. 0 1. 0 H1
群馬森林管理署101高崎 36, 273
102前橋 31, 771
103沼田 114, 840
計134, 506
(100)
29, 555
(22.
0
)13. 0 87. 0 95. 5 4. 5 H2
利根沼田森林管104水上 19, 666
理署105中之条 44, 058
計87, 462
(100)
18, 036
(20.
6
)21. 6 78. 4 95. 6 4. 4 H3
吾妻森林管理署106草津 43, 404
新潟
107村上 33, 183
(100)
6, 852
(20.
6
)15. 7 84. 3 96. 8 3. 2 J1
下越森林管理署村 上支署108新発田 21, 509
計36, 464
(100)
3, 633
(10.
0
)13. 0 87. 0 98. 2 1. 8 J2
下越森林管理署109村松 14, 955
110長岡 4, 231
計32, 412
(100)
2, 535
(7.
8
)52. 0 48. 0 91. 9 8. 1 J3
中越森林管理署111六日町 28, 181
112高田 5, 771
(100)
1, 369
(23.
7
)38. 7 61. 3 99. 6 0. 4 J4
上越森林管理署( )は
1980
年度を100
とした時の指数。旧営林局ごとの『事業統計書』(冊子体)と森林管理局ごとの『事業統計書』(Web版)より作成。
旧営林署ごとの管轄面積にはもちろん差があるが、まず単純に伐採量の大小でみると(表
5
)、1980
年度時点では、伐採量の大きな旧営林署が、地域的に割と集中して分布していたといえ る。それらは、青森県東部から下北半島、岩手県北部の奥羽山脈地域、北上山地地域、秋田県 北部、福島県南部から浜通り地域である。それ以外には、福島・栃木・群馬県の中で、伐採量 の大きな地域が分散してみられる(旧・山口、今市、沼田営林署)。2010
年度になると、全体的に伐採量は減少し、伐採量の大きな地域がより集中するように なったと読み取れる。森林管理署名でいえば、伐採量の大きさが顕著なのは、下北、三八上北、米代東部、米代西部、秋田森林管理署と山形森林管理署最上支署である。一方で、旧・前橋営 林局管内では、全体的に伐採量があまり大きくない。換言すれば、以前よりも、木材生産を指 向する地域とそうでない地域との差が大きくなった、分化したといえよう。また、1980年度 実績を
100
とした場合の2010
年度の指数でみると、旧・秋田営林局管内では、全体的にレベ ルが高い、つまり最近の回復傾向が顕著だといえる。次に、2010年度伐採の内容を、主伐と間伐に分けて、そして針葉樹と広葉樹に分けて検討 する。現在の国有林野での伐採の中心は間伐であるとすでに述べたが、表
5
でみても、その点 は確認される。あえて特徴をあげれば、旧・前橋営林局管内では、主伐の比率が高い場合が多 い。そして、対象地域の中で、針葉樹と広葉樹の伐採量を比べた場合、全体的に針葉樹の比率 が極めて高い。強いていえば、青森県から岩手県にかけて、広葉樹の比率がやや高い(10%を 超えている)森林管理署が分布している。主伐が多いと指摘した旧・前橋営林局管内の森林管 理署における伐採対象は、ほとんどが針葉樹である。(3)造林事業の変化と地域特性
次に、造林事業について検討する。旧営林署単位で、新植面積と保育面積の変化をまとめた のが表
6
である。まず、1980年度の新植面積をみると、絶対的面積が大きな旧営林署が地域 的にかなり集中している。それは、岩手県全域、宮城県の一部、福島県浜通り・中通り地域、そして栃木県から群馬県にかけての地域である。これらの地域で、当時植林が盛んになされて いたということは、国有林での皆伐が盛んに進められていたことに対応するものであろう。
2010
年度時点では、新植面積は激減しており、面積そのものでみても、指数でみても、明 瞭な地域性は読み取りにくい。強いていえば、両者の数値が割と大きいのは、青森県東部地域、福島県南部地域、栃木県と群馬県の一部などである。
次に、保育面積については、1980年度時点でその面積が大きかった地域は、岩手県と宮城 県の全域、秋田県の一部、福島県浜通り・中通り地域、そして栃木県から群馬県にかけての地 域である。前述した新植事業量が多かった地域とほぼ一致している。
2010
年度になると、こうした地域的傾向はかなり変わってくる。保育事業の絶対面積また は指数でみて大きな値を示す地域は、秋田県全域、山形県全域、福島県浜通り・中通り地域な どである。これは新植事業が多い地域と一致しているとはいえない分布で、解釈が困難なやや 複雑な様相を呈している。表 6 旧営林署別にみた造林事業量の変化 県 旧営林署名 新植面積(ha) 保育面積(ha)
現森林管理署名
1980
年度2010
年度1980
年度2010
年度青森
1青森 206
計
480
(100)
2
(0.
4
)2, 672
計
5, 632
(100)
1, 466
(26.
0
)A1
青森森林管理署2蟹田 179 1, 619
3今別 64 882
4増川 31 459
5市浦 87
計
263
(100)
29
(11.
0
)1, 035
計
3, 137
(100)
507
(16.
2
)A2
津軽森林管理署6中里 96 1, 107
金木支署7金木 80 995
8鰺ヶ沢 164
計
868
(100)
15
(1.
7
)1, 675
計
9, 231
(100)
1, 496
(16.
2
)A3
津軽森林管理署9深浦 175 2, 076
10弘前 271 2, 403
11大鰐 74 1, 094
12碇ヶ関 48 660
13黒石 136 1, 323
14川内 183
計
623
(100)
81
(13.
0
)1, 701
計
6, 766
(100)
1, 540
(22.
8
)A4
下北森林管理署15脇野沢 105 1, 465
16佐井 45 674
17大間 29 518
18大畑 92 1, 145
19むつ 169 1, 263
20横浜 168
計
675
(100)
85
(12.
6
)1, 353
計
7, 667
(100)
1, 627
(21.
2
)A5
三八上北森林管 理署21野辺地 126 1, 110
22乙供 176 1, 756
23三本木 104 1, 913
24三戸 101 1, 535
岩手
25安代 291
(100)
50
(17.
2
)3, 025
(100)
517
(17.
1
)B1
岩手北部森林管 理署26久慈 363
(100)
11
(3.
0
)3, 025
(100)
772
(25.
5
)B2
三陸北部森林管 理署久慈支署27岩手 251
計
711
(100)
10
(1.
4
)2, 191
計
6, 286
(100)
871
(13.
6
)B3
盛岡森林管理署28盛岡 279 2, 318
29雫石 181 1, 777
30花巻 248
計
1, 052
(100)
6
(0.
6
)2, 534
計
10, 451
(100)
1, 188
(11.
4
)B4
岩手南部森林管 理署31北上 198 1, 915
32川尻 308 2, 841
33水沢 217 2, 343
34一関 81 818
35遠野 480
(100)
11
(2.
3
)3, 277
(100)
597
(18.
2
)B5
岩手南部森林管 理署遠野支署36岩泉 164
計
695
(100)
22
(3.
2
)1, 812
計
5, 976
(100)
1, 320
(22.
1
)B6
三陸北部森林管37川井 249 1, 769
理署38宮古 282 2, 395
39大槌 247
計409
(100)
42
(10.
3
)1, 950
計3, 291
(100)
1, 081
(32.
8
)B7
三陸中部森林管40大船渡 162 1, 341
理署宮城
41気仙沼 99
計
675
(100)
62
(9.
2
)740
計
7, 592
(100)
1, 248
(16.
4
)C1
宮城北部森林管 理署42石巻 193 1, 768
43古川 201 2, 605
44中新田 182 2, 479
県 旧営林署名 新植面積(ha) 保育面積(ha)
現森林管理署名
1980
年度2010
年度1980
年度2010
年度宮城
45仙台 194
計443
(100)
12
(2.
7
)1, 841
計4, 451
(100)
958
(21.
5
)C2
仙台森林管理署46白石 249 2, 610
秋田
47十和田 282
計
914
(100)
7
(0.
8
)3, 373
計
13, 647
(100)
1, 890
(13.
8
)D1
米代東部森林管 理署48花輪 103 1, 909
49扇田 120 1, 501
50大館 133 1, 976
51早口 175 3, 019
52鷹巣 101 1, 869
53米内沢 160
計
508
(100)
40
(7.
9
)1, 918
計
6, 741
(100)
2, 060
(30.
6
)D2
米代東部森林管理 署上小阿仁支署54阿仁 153 1, 670
55上小阿仁 143 2, 305
56合川 52 848
57藤里 54
計
288
(100)
5
(1.
7
)745
計
4, 749
(100)
1, 825
(38.
4
)D3
米代西部森林管 理署58二ツ井 53 780
59能代 108 2, 054
60五城目 73 1, 170
61秋田 89
計
535
(100)
34
(6.
4
)1, 040
計
8, 191
(100)
1, 620
(19.
8
)D4
秋田森林管理署62和田 98 1, 285
63角館 179 2, 619
64生保内 36 1, 793
65大曲 133 1, 454
66増田 53
計115
(100)
20
(17.
4
)873
計2, 221
(100)
385
(17.
3
)D5
秋田森林管理署67湯沢 62 1, 348
湯沢支署68本荘 64
計138
(100)
0
(0.
0
)820
計2, 020
(100)
798
(39.
5
)D6
由利森林管理署69矢島 74 1, 200
山形
70酒田 73
計128
(100)
12
(9.
4
)1, 361
計2, 736
(100)
1, 553
(56.
8
)E1
庄内森林管理署71鶴岡 55 1, 375
72古口 83
計
387
(100)
37
(9.
6
)1, 177
計
6, 079
(100)
2, 200
(36.
2
)E2
山形森林管理署 最上支署73新庄 86 1, 597
74真室川 146 1, 899
75向町 72 1, 406
76村山 75
計
182
(100)
18
(9.
9
)1, 545
計
3, 688
(100)
1, 134
(30.
7
)E3
山形森林管理署77寒河江 52 1, 326
78山形 55 817
79米沢 22
計93
(100)
6
(6.
5
)469
計2, 279
(100)
3, 115
(136.
7
)E4
置賜森林管理署80小国 71 1, 810
福島
81原町 277
計
1, 170
(100)
93
(7.
9
)2, 754
計
10, 640
(100)
2, 739
(25.
7
)F1
磐城森林管理署82浪江 193 1, 547
83富岡 256 2, 121
84平 261 2, 384
85勿来 183 1, 834
86福島 186
計484
(100)
37
(7.
6
)1, 835
計4, 812
(100)
1, 560
(32.
4
)F2
福島森林管理署87郡山 298 2, 977
88石川 159
計477
(100)
74
(15.
5
)1, 866
計4, 676
(100)
996
(21.
3
)F3
福島森林管理署89白河 318 2, 810
白河支署90棚倉 339
(100)
34
(10.
0
)3, 494
(100)
972
(27.
8
)F4
棚倉森林管理署(4)職員規模の変化と地域特性
次に、定員内職員数と定員外職員数の変化、その地域性について検討する(表
7
)。まず、1980
年度の定員内職員についてみる。地域が異なっても、そして管理する森林面積が異なっ ても、事務組織には大きな違いはないはずであり、定員内職員の数は大きく異なるものではな いと思われる。確かに、全体的に50
から80
名程度の旧営林署が多いが,例外的なのは秋田県 北部・中部、いわゆる「秋田杉」地帯であり、ほとんどの旧営林署が100
名を超える定員内職 員を雇用していた。これは、他に比べると例外的なものであり、かつての労働組合運動等が反 映された結果であろう。2010
年度になると、定員内職員数は激減し、1森林管理署あたり20
~40名の規模となる。ここでは、地域的な違いは認められない。1980年度を基準とした指数が他よりも高い事例が 散見されるが、これは、1営林署が
1
森林管理署(または分署)に移行した、あるいは2
つの 営林署が1
森林管理署に統合した場合であり、多くの営林署を統合した場合に比べて、職員数 の減少率が低かったということであろう。次に、定員外職員数の変化についてみる。表
7
によると12)、1980年度時点で定員外職員が 多かった旧営林署は、宮城県、秋田県、山形県、福島県に分散している。地域的な集中は認め られない。2010年度になると、その減少は著しく、全ての森林管理署で一ケタ~十数名とい県 旧営林署名 新植面積(ha) 保育面積(ha)
現森林管理署名
1980
年度2010
年度1980
年度2010
年度福島
91猪苗代 83
計
472
(100)
7
(1.
5
)944
計
5, 567
(100)
422
(7.
6
)F5
会津森林管理署92若松 109 1, 340
93喜多方 120 1, 638
94坂下 160 1, 645
95山口 167
(100)
0
(0.
0
)1, 490
(100)
784
(52.
6
)F6
会津森林管理署 南会津支署 栃木96大田原 108
計275
(100)
40
(14.
5
)1, 460
計3, 336
(100)
960
(28.
8
)G1
塩那森林管理署97矢板 167 1, 876
98今市 357
計384
(100)
18
(4.
7
)2, 713
計3, 184
(100)
1, 160
(36.
4
)G2
日光森林管理署99宇都宮 27 471
群馬
100大間々 150
計
458
(100)
52
(11.
4
)1, 687
計
5, 338
(100)
1, 491
(27.
9
)H1
群馬森林管理署101高崎 156 1, 823
102前橋 152 1, 828
103沼田 512
計558
(100)
38
(6.
8
)5, 090
計5, 720
(100)
1, 639
(28.
7
)H2
利根沼田森林管104水上 46 630
理署105中之条 266
計510
(100)
18
(3.
5
)2, 792
計4, 982
(100)
945
(19.
0
)H3
吾妻森林管理署106草津 244 2, 190
新潟
107村上 108
(100)
4
(3.
7
)1, 820
(100)
301
(16.
5
)J1
下越森林管理署村 上支署108新発田 72
計149
(100)
1
(0.
7
)1, 052
計2, 450
(100)
381
(15.
6
)J2
下越森林管理署109村松 77 1, 398
110長岡 4
計58
(100)
4
(6.
9
)704
計1, 443
(100)
89
(6.
2
)J3
中越森林管理署111六日町 54 739
112高田 7
(100)
0
(0.
0
)162
(100)
131
(80.
9
)J4
上越森林管理署( )は
1980
年度を100
とした時の指数。旧営林局ごとの『事業統計書』(冊子体)と森林管理局ごとの『事業統計書』(Web版)より作成。
う程度になった。これはもはや、地域的な差異を検討するという状況ではないだろう。岩手県 の一部(三陸北部森林管理署久慈支署と三陸中部森林管理署)と、旧・前橋営林局管内のかな りの地域(会津森林管理署南会津支署と、日光、吾妻、下越、上越森林管理署)では、作業員 数がすでに
0
になっている。表 7 旧営林署別にみた職員数の変化 県 旧営林署名 定員内職員 定員外職員(作業員)
現森林管理署名
1980
年度2010
年度1980
年度2010
年度青森
1青森 88
計
292
(100)
27
(9.
2
)157
計
471
(100)
7
(1.
5
)A1
青森森林管理署2蟹田 83 130
3今別 56 98
4増川 65 86
5市浦 59
計
212
(100)
21
(9.
9
)89
計324
(100)
2
(0.
6
)A2
津軽森林管理署6中里 63 86
金木支署7金木 90 149
8鰺ヶ沢 58
計
383
(100)
33
(8.
6
)148
計
613
(100)
14
(2.
3
)A3
津軽森林管理署9深浦 54 121
10弘前 74 115
11大鰐 84 80
12碇ヶ関 67 84
13黒石 46 65
14川内 95
計
416
(100)
30
(7.
2
)128
計
582
(100)
14
(2.
4
)A4
下北森林管理署15脇野沢 60 84
16佐井 50 63
17大間 51 57
18大畑 85 115
19むつ 75 135
20横浜 73
計
322
(100)
29
(9.
0
)105
計
552
(100)
4
(0.
7
)A5
三八上北森林管 理署21野辺地 67 127
22乙供 58 114
23三本木 66 99
24三戸 58 107
岩手
25安代 92
(100)
19
(20.
7
)145
(100)
7
(4.
8
)B1
岩手北部森林管 理署26久慈 75
(100)
14
(18.
6
)181
(100)
0
(0.
0
)B2
三陸北部森林管 理署久慈支署27岩手 84
計
245
(100)
26
(10.
6
)206
計471
(100)
9
(1.
9
)B3
盛岡森林管理署28盛岡 88 150
29雫石 73 115
30花巻 76
計
364
(100)
33
(9.
1
)192
計
756
(100)
3
(0.
4
)B4
岩手南部森林管 理署31北上 61 85
32川尻 67 175
33水沢 94 106
34一関 66 198
35遠野 86
(100)
19
(22.
1
)196
(100)
2
(1.
0
)B5
岩手南部森林管 理署遠野支署36岩泉 64
計
173
(100)
21
(12.
1
)148
計296
(100)
1
(0.
3
)B6
三陸北部森林管37川井 63 92
理署38宮古 46 56
県 旧営林署名 定員内職員 定員外職員(作業員)
現森林管理署名
1980
年度2010
年度1980
年度2010
年度岩手
39大槌 40
計82
(100)
17
(20.
7
)155
計232
(100)
0
(0.
0
)B7
三陸中部森林管40大船渡 42 77
理署宮城
41気仙沼 57
計
279
(100)
32
(11.
5
)104
計
620
(100)
8
(1.
3
)C1
宮城北部森林管 理署42石巻 71 128
43古川 78 188
44中新田 73 200
45仙台 90
計175
(100)
20
(11.
4
)405
計555
(100)
1
(0.
2
)C2
仙台森林管理署46白石 85 150
秋田
47十和田 87
計
713
(100)
40
(5.
6
)161
計
1, 232
(100)
1
(0.
1
)D1
米代東部森林管 理署48花輪 73 127
49扇田 104 154
50大館 140 224
51早口 163 332
52鷹巣 146 234
53米内沢 124
計
485
(100)
28
(5.
8
)195
計
805
(100)
1
(0.
1
)D2
米代東部森林管理 署上小阿仁支署54阿仁 98 150
55上小阿仁 152 299
56合川 111 161
57藤里 86
計
503
(100)
30
(6.
0
)96
計
683
(100)
2
(0.
3
)D3
米代西部森林管 理署58二ツ井 142 148
59能代 179 299
60五城目 96 140
61秋田 123
計
543
(100)
37
(6.
8
)146
計
948
(100)
2
(0.
2
)D4
秋田森林管理署62和田 104 186
63角館 98 221
64生保内 106 170
65大曲 112 225
66増田 73
計147
(100)
17
(11.
6
)139
計284
(100)
7
(2.
5
)D5
秋田森林管理署67湯沢 74 145
湯沢支署68本荘 89
計157
(100)
21
(13.
4
)112
計225
(100)
5
(2.
2
)D6
由利森林管理署69矢島 68 113
山形
70酒田 79
計171
(100)
23
(13.
5
)149
計307
(100)
13
(4.
2
)E1
庄内森林管理署71鶴岡 92 158
72古口 63
計
308
(100)
33
(10.
7
)136
計
624
(100)
18
(2.
9
)E2
山形森林管理署 最上支署73新庄 78 162
74真室川 96 203
75向町 71 123
76村山 72
計
218
(100)
27
(12.
4
)146
計502
(100)
4
(0.
8
)E3
山形森林管理署77寒河江 79 158
78山形 67 198
79米沢 55
計129
(100)
22
(17.
1
)51
計176
(100)
8
(4.
5
)E4
置賜森林管理署80小国 74 125
福島
81原町 84
計
357
(100)
44
(12.
3
)279
計
701
(100)
15
(2.
1
)F1
磐城森林管理署82浪江 65 83
83富岡 72 127
84平 71 108
85勿来 65 104
5.おわりに
本稿では、国有林野が卓越する東北日本
9
県を対象として、特に1980
年代以後の「縮小」段階における国有林野事業の変容、およびそこに見られる地域性・地域的差異を明らかにする ことを試みた。その結果、以下のような諸点が明らかとなった。
対象地域では、全国的傾向と同様に、伐採事業・造林事業ともに、1980年代以後、明確な 減少傾向が継続し、事業量は大きく減少した。ただし、最近では、両者とも増加傾向に転じて いる。そして、現在の伐採においては間伐が主体となっており、伐採対象はほとんどが針葉樹 である。
旧営林署単位に
1980
年度と2010
年度の伐採量を比較すると、伐採量の大きな地域がより集 中するようになったといえる。伐採量の大きさが顕著なのは、かつては、青森県東部から下北 半島、岩手県北部の奥羽山脈地域、北上山地地域、秋田県北部、福島県南部から浜通り地域等県 旧営林署名 定員内職員 定員外職員(作業員)
現森林管理署名
1980
年度2010
年度1980
年度2010
年度福島
86福島 100
計163
(100)
23
(14.
1
)178
計336
(100)
1
(0.
3
)F2
福島森林管理署87郡山 63 158
88石川 59
計136
(100)
23
(16.
9
)264
計427
(100)
11
(2.
6
)F3
福島森林管理署89白河 77 163
白河支署90棚倉 76
(100)
19
(25.
0
)412
(100)
8
(1.
9
)F4
棚倉森林管理署91猪苗代 42
計
223
(100)
29
(13.
0
)70
計
550
(100)
8
(1.
5
)F5
会津森林管理署92若松 55 89
93喜多方 65 148
94坂下 61 243
95山口 59
(100)
14
(23.
7
)93
(100)
0
(0.
0
)F6
会津森林管理署 南会津支署 栃木96大田原 80
計149
(100)
26
(17.
4
)158
計266
(100)
6
(2.
3
)G1
塩那森林管理署97矢板 69 108
98今市 95
計166
(100)
33
(19.
9
)162
計224
(100)
0
(0.
0
)G2
日光森林管理署99宇都宮 71 62
群馬
100大間々 88
計
243
(100)
25
(10.
3
)100
計300
(100)
8
(2.
7
)H1
群馬森林管理署101高崎 72 100
102前橋 83 100
103沼田 144
計200
(100)
26
(13.
0
)288
計338
(100)
11
(3.
3
)H2
利根沼田森林管104水上 56 50
理署105中之条 75
計136
(100)
26
(19.
1
)93
計205
(100)
0
(0.
0
)H3
吾妻森林管理署106草津 61 112
新潟
107村上 73
(100)
18
(24.
7
)174
(100)
2
(1.
1
)J1
下越森林管理署 村上支署108新発田 48
計97
(100)
24
(24.
7
)79
計195
(100)
0
(0.
0
)J2
下越森林管理署109村松 49 116
110長岡 46
計92
(100)
23
(25.
0
)51
計160
(100)
1
(0.
6
)J3
中越森林管理署111六日町 56 109
112高田 42
(100)
17
(40.
5
)116
(100)
0
(0.
0
)J4
上越森林管理署( )は
1980
年度を100
とした時の指数。旧営林局ごとの『事業統計書』(冊子体)と森林管理局ごとの『事業統計書』(Web版)より作成。
であった。2010年度では、伐採量が大きいのは、下北、三八上北、米代東部、米代西部、秋 田森林管理署と山形森林管理署最上支署等である。これは、以前よりも、木材生産を指向する 地域とそうでない地域との差が大きくなった、分化したものと解釈できる。
また造林事業について細かくみると、かつて新植事業量が多かったのは、岩手県全域、宮城 県の一部、福島県浜通り・中通り地域、そして栃木県から群馬県にかけての地域であったが、
2010
年度では地域的特性が不明瞭になった。保育については、1980年度時点でその面積が大 きかった地域は、岩手県と宮城県の全域、秋田県の一部、福島県浜通り・中通り地域、そして 栃木県から群馬県にかけての地域であった。これは、上記の新植事業量が多かった地域とほぼ 一致していた。しかし、2010年度になると、こうした地域的特色はかなり変わって、やや複 雑な分布状況を呈している次に、対象地域の職員数の変化についてみると、全国的な傾向と同様に、定員内職員・定員 外職員ともに、1980年代以降、一貫して減少が続いてきた。特に定員外職員数は激減してお り、1980年度を
100
とすると、2010年度では1
強というレベルにまで低下している。旧営林署単位に定員内職員数と定員外職員数の変化をまとめてみると、かつては(1980年 度)、秋田県の旧営林署では定員内職員数が多い等の地域性が認められた。しかし、定員内職 員と定員外職員の削減は全国的に進められてきたため、2010年度では、地域的な差異はほと んど見られない。
以上のような、国有林野事業の変容と地域性を踏まえた上で、今後は、それに影響された地 元山村の経済社会の変容について考察していきたい。その実証は、今後の課題である。
付記
本研究では、科研費補助金(2010~2013年度・基盤研究
C
:「日本山村の『地域存続力』に関する研究-新たな山村像の構築を目指して-」、 研究代表者:中川秀一、 課題番号
22520805
)の一部を使用しました。この小論を、筆者が大学院生時代からお世話になった感謝 の意を込めて、2012年に急逝された故・笠原義人先生(宇都宮大学名誉教授)に捧げます。注
1
) 林野庁所管以外の国有林とは、例えば、文部科学省が管理する国立大学法人の演習林などを指す。2
)1998年には、「国有林野事業改革のための特別措置法」と「国有林野事業改革のための関係法律の整 備に関する法律」の2
法案が成立した。その内容は、国有林野事業の多方面にわたり大胆な改革を目指 すものである。これを通称「抜本的改革」と称する。3
) これらの統計書は、2001年度版(2003年発行)ないし2002
年度版(2004年発行)を最後として、冊子体での発行を中止し、それ以後は、Web版として林野庁のホームページに掲載されている。本稿 でも、新しい資料に関しては、Web版のデータを用いた。