馬淵川上流流域の国有林
平成29年度 管内概要
<沿革> 明治 21年 3月 岩手大林区署 福岡派出所 〃 22年 4月 岩手大林区署 田山小林区署 〃 36年 12月 青森大林区署 田山小林区署 〃 43年 10月 青森大林区署 新町小林区署 大正 3年 9月 青森大林区署 沼宮内小林区署 〃 13年 12月 青森営林局 沼宮内営林署 秋田営林局 花輪営林署 昭和 13年 8月 〃 23年 1月 青森営林局 田山営林署 〃 54年 3月 青森営林局 安代営林署(営林署統廃合) 平成 11年 3月 東北森林管理局 岩手北部森林管理署(改称) 〃 23年 3月 東北森林管理局 岩手北部森林管理署 (松尾・西根担当区を管轄区域の整序により編入) <当署の組織図> 八幡平市松尾・西根担当区の国有林 一戸町・葛巻町の小鳥谷担当区の国有林 二戸市浄法寺担当区の国有林 八幡平市新町担当区の国有林 松 尾 森 林 事 務 所 小鳥谷森林事務所 浄法寺森林事務所 新 町 森 林 事 務 所 総括森林整備官 新町営林署 総務グループ 森林技術指導官 地域技術官 治山技術官 主任森林整備官(土木・森林育成) 総括事務管理官 主任森林整備官(資源活用) 業務グループ 主任事務管理官(総務・経理) 平成 29 年度 八幡平市田山・日泥担当区の国有林 八幡平市兄畑担当区の国有林 年 月 日 秋田大林区署 花輪小林区署 署 長 次 長 田 山 森 林 事 務 所 青森営林局 兄 畑 森 林 事 務 所 事務管理官(管理) 事務管理官(経理) 安 比 川 水 系 米 代 川 水 系
管内の国有林野
管内の概況
岩手北部森林管理署は、馬淵川上流流域 2 市 3 町 1 村のうち、八幡平市、二戸市、一戸 町及び葛巻町の 2 市 2 町にまたがる 53,006ha の国有林を管理経営しています。 当流域の西部を奥羽山脈が南北に連なり、岩手、青森、秋田の県境付近の中岳(1,024m) から、稲庭岳(1,078m)、安比岳(1,458m)などが南下し八幡平と連結しています。この山地の西 側は米代川の源流部となっています。 また、八幡平から北東に向かって七時雨山(1,060m)、西岳(1,018m)が連なり、南に岩手山 (2,038m)があり、その間に平舘盆地が開けています。この北側に馬淵川の支流である、安 比川の谷が開け、河川沿いに八幡平市、二戸市の市街地があります。 流域の東部には、平庭岳(1,060m)、遠別岳(1,241m)、三巣子岳(1,182m)など北上山地の 山々が平坦な山頂を連ねています。これらの山々を源流として馬淵川、瀬月内川が北に向か って流れています。管内図
森林の概況
当署管内の国有林は、奥羽山脈を中心に秋田県・青森県と隣接する岩手県北西部に大半 があるが、馬淵川の源流域の北上山地においても約 4,000ha の森林を管轄している。人工林 は約 44%で、スギ、カラマツ等の針葉樹が丘陵部に多く植栽されています。山岳地帯はブナ を主とする広葉樹林が大半を占め、その上部の八幡平一帯は、アオモリトドマツ、コメツガ、 ダケカンバ等の天然林となっています。森林の現況等
(単位:ha) 市町村名 総面積 森林面積 森林率 市町村の木 市町村の鳥 市町村の花 国有林 民有林 二戸市 42,031 4,319 26,880 74 ウルシ キジ ヤマザクラ 八幡平市 86,225 45,494 23,242 78 アカマツ ヤマドリ リンドウ 葛巻町 43,499 757 36,053 85 シラカバ ヤマドリ ハギ 軽米町 24,574 0 18,721 76 イチイ ヤマドリ コブシ 九戸村 13,405 0 10,081 75 アカマツ ヤマドリ ツツジ 一戸町 30,011 2,436 19,644 73 ナラ ヤマドリ サクラ 合 計 239,745 53,006 134,621 78 ― ― ― 民有林は「馬淵川上流国有林の地域別の森林計画書(H26.4.1~H36.3.31)」より作成 国有林は第四次国有林野施業実施計画書(H26.4.1~H31.3.31)より作成 *端数処理のため総数が一致しない場合がある。 国有林 民有林 カラマツ人工林(上外川国有林) 樹種別材積 樹種別材積 区 分 面積 (ha) 材積 (千㎥) 林地 人工林 21,051 4,291 天然林 26,396 3,981 竹 林 - - 無立木地 3,770 0 計 51,217 8,272 区 分 面積 (ha) 材積 (千㎥) 林地 人工林 58,787 15,746 天然林 71,453 11,334 竹 林 - - 無立木地 4,381 0 計 134,621 27,080 ウルシ分収造林(御山第一国有林) 41% 52% 7% 人工林・天然林面積比率(ha) 人工林 天然林 無立木地 44% 53% 3% 人工林・天然林面積比率(ha) 人工林 天然林 無立木地機能類型にふさわしい森林の取扱い
私たちは、国土の保全や水資源の涵養、自然環境の保全などの公益的機能の維持増進 を重視した管理経営を推進しています。新たに森林の機能に応じて 5 つのタイプに区分し 個々の森林に応じた施業を推進していきます。 ※快適環境形成タイプに区分されている森林はありません。 山地災害防止タイプ原生的な森林生態系や希少な野生生物
の生息に適した森林
(12,000 ha)自 然 維 持 タイプ
下層植生と樹木の根系が発達し、土壌
保持能力の優れた森林
(5,000 ha)山 地 災 害 防 止 タイプ
保健、文化、教育的利用の形態に応じた
多様な森林
森 林 空 間 利 用 タイプ
(7,000 ha)人工林の間伐や長伐期化、広葉樹林の
導入による育成複層林化による水源涵
養機能を第一とする森林
(29,000 ha)水 源 涵 養 タイプ
快 適 環 境 形 成 タイプ
汚染物質の高い吸着性や抵抗性のある
樹種から構成される森林
(該当なし) 自然維持タイプ 水源涵養タイプ 森林空間タイプ①松川自然休養林 ⑧東八幡平野外スポーツ地域 ③焼走自然観察教育林 ④安比森林スポーツ林 ②安比自然観察教育林 ⑥安比・前森山野外スポーツ地域 ⑦大黒森野外野外スポーツ地域 ⑤藤七野外スポーツ地域
公益的機能を高めるための様々な取組
保安林の整備
森林には、水源の涵養、災害の防備、保健、風致の維持など、私たちが安全で快適な生活 をするためにはなくてはならない大事な働きがあります。こうした機能の発揮が特に求められ る森林については、森林法に基づき「保安林」として指定し、適切に保全しています。管内国 有林の 71%にあたる 37,511ha の森林が保安林に指定されています。レクリエーションの森の整備
森林と人とのふれあいの場を提供するため、四季折々の自然の美しさを楽しむことができ るレクリエーションの森(自然休養林、自然観察教育林、森林スポーツ林、野外スポーツ地域) を設定し、森林と人とのふれあい環境を整備しています。保護林の指定
国有林では、貴重な野生動植物が生息・生育する森林などを保護林に指定し、その保護・保 全に努めています。当署管内では、八幡平の高層湿原などの亜高山帯の植物群落、夏氷山 (単位:ha) 水源かん養保安林 土砂流出防備保安林 土砂崩壊防備保安林 なだれ防止保安林 保健保安林(重複保安林) 34,815 2,271 149 34 242 (7,848) 合 計 37,511 名 称 特 徴 面積(ha) 自然休養林 ①松川自然休養林 特に風景が美しく、保健 休養に適した地域 1,431 自然観察 教育林 ②安比自然観察 教育林 自然の変化に富み小中 学生の森林環境教育な どに適した森林 958 ③焼走自然観察 教育林 241 森林 スポーツ林 ④安比森林 スポーツ林 自然資源が豊富で自然観 察・キャンプ等に適した森林 712 野外スポーツ 地域 ⑤藤七野外 スポーツ地域 スキー場等のスポーツ 施設を設置する地域 72 ⑥安比・前森山 野外スポーツ地域 1,163 ⑦大黒森野外 スポーツ地域 279 ⑧東八幡平野外 スポーツ地域 250 ⑨西岳野外スポーツ 地域 125 保健保安林(安比岳国有林) 安比自然観察教育林 焼走自然観察教育林 奥中山高原スキー場の風穴植物、平糠の北限のイヌブナ群落、南部アカマツの系統をくむ松森山御堂松などの希 少な植物群落を保護管理するため、4 箇所 6,435ha の保護林を設置しています。
緑の回廊の設定
多様な動植物が継続的に安定して生息・生育するためには、まとまりのある森林が連続し て存在する必要があります。東北局では、青森県八甲田山から宮城県・山形県の蔵王に至る 延長 400 ㎞を幅約 2 ㎞で保護林のネットワークである「奥羽山脈緑の回廊」を設定していま す。 当署管内には延長 34km、4,518ha が設定され抜き伐り等の施業を実施しながら野生生物 との共生の森づくりに取り組んでいます。また、平成 23 年度から施業の効果を把握するため のモニタリング調査試験区を設定しています。その他関連法令の指定状況
管内の国有林には、各種法令に基づき自然公園、鳥獣保護区などに指定されている区域 があり、景観の保全、鳥獣保護等を図っています。 保護林名 特 徴 面積(ha) ① 氷山風穴 希少個体群保護林 我が国を代表する貴重 な植物群落を保護する ための森林 6.30 ②平糠イヌブナ 希少個体群保護林 55.06 ③八幡平 生物群集保護林 6,366.43 ④松森山御堂松 希少個体群保護林 7.32 合計 6,435.11 名 称 内 容 面積(㏊) 延長(km) 奥羽山脈 緑の回廊 奥羽山脈沿いに約 2 ㎞の幅で、北は青森県 の八甲田山から、南は宮城県・山形県の蔵王 周辺に至る 400 ㎞の森林の連続性を確保し、 動植物の保護や遺伝資源の保全を図り、生 物多様性の維持に資する森林です。 73,000 400 (単位:ha) 法 令 砂防法 自然公園法 鳥獣保護法 文化財保護法 地すべり防止法 名 称 砂防指定地 十和田八幡平国立公園 鳥獣保護地区 史跡名勝天然記念 地すべり防止区域 面 積 294 6,437 6,906 147 25 ● 奥 羽 山 脈 緑 の 回 廊 ●八 幡 平 植 物 群 落 保 護 林 ● ● ● ● ①夏氷山風穴 希少個体群保護林 ②平糠イヌブナ 希少個体群保護林 ③八幡平 生物群集保護林 ④前森山御堂松 希少個体群保護林国民の森林としての管理経営
国有林の管理経営にあたっては、「国民の森林」にふさわしい、国民の皆さんに開かれた 管理経営を目指します。このため、森林計画の案の公表、意見の聴取や管理経営状況の公 表をはじめ、森林・林業に関する情報・サービスの提供に努めます。管理経営の計画
国有林の管理経営は、地域管理経営計画などの計画に基づき行います。計画策定の際に は、住民の意見聴取を行う住民懇談会を実施したのち、署長意見書において国民の皆さん や市町村など関係行政機関の意見をあらかじめお伺いし、反映するように努めています。そ の後、公告縦覧を行いさらに、公衆意見の聴取及び有識者の意見をふまえ計画の策定を行 っています。ふれあいの森
国有林では、「緑づくりに参加したい」「地球環境の保全に 貢献したい」という声にお応えして、ボランティア活動のフィー ルドを提供しています。遊々の森
児童、生徒などが実際の緑に触れ遊び学ぶ等、自然体験 の森として協定を締結し、フィールドを提供しています。普及啓発活動
当森林管理署では、地域や小中学校の皆さんが参加でき る体験林業・森林教室の開催など、森林・林業の普及啓発活 動を進めています。 名 称 面 積 協定団体 知恵の森 6.97ha ・安比ゆうゆう会 安比高原 スキー場の森 21.50ha ・(株)岩手ホテルアンドリゾート 名 称 面 積 協定団体等 あっぴ高原 遊々の森 182.29ha ・八幡平市 松尾鉱山跡地 再生の森 120.07ha ・岩手県 ・森びとプロジェクト委員会 ・松尾再生の森研究会 ・環境生態工学研究会 ・東北地域環境計画研究会 *国有林野施業実地計画も同じ ◆多様な地域住民、関係者の意見を収集・反映 ◆住民懇談会の位置付け 地域管理経営計画等の計画策定手続き前に 多様な関係者が一堂に会する場を設定 フィールドの整備 森林教室(安代小学校) 松尾鉱山跡地植樹活動平成29年度の管理経営の概要
森林育成・資源活用事業
地球温暖化を防止するため、森林吸収源対策を促進しており、育成途上の森林では、保 育・間伐を積極的に実施するとともに、主伐及びその後の計画的かつ効率的な更新を進めま す。また、公益林に区分された育成単層林については、樹種の多様化や下層植生の発達を 促すための密度管理を適切に行います。収穫事業
一定の年齢になった森林の中から計画的に選定し、収穫した後は適切かつ確実に更新し ていきます。 水源涵養タイプについては、皆伐の場合でも1箇所あたりの面積を極力小面積にするとと もに、積極的に伐区を分散させ、モザイク状の伐区の設定などによる収穫を行います。治山事業
保安林では、災害を防止するための谷止等の施設の整備、崩壊地の植生回復、水源涵養 機能を高めるための森林の整備等の治山事業を行っています。 また、治山ダムの型枠などに積極的に間伐材を利用しています。 列状間伐 コンテナ苗植付作業 更 新 保 育 製品生産 地 拵 新 植 計 下刈・除伐外 素材生産 (18.61) (18.61) (37.22) 132.70 ha 132.70 ha 265.40 ha 169.01 ha 46,000 m3 ( ) は平成 28 年度補正予算で外書(以下の表も同じ) <立木販売量> (単位:m3) 材 積 主 伐 66,481 間 伐 792 計 67,273 <収穫調査量> (単位:m3) 材 積 主 伐 63,880 間 伐 117,652 計 181,532 金沢(Ⅱ)治山ダム (松川国有林) 床固工 (1)基 本数調整伐 51.64 ha林道事業
適切な森林の保全管理等を効率的に行うため、路網を整備します。なお、工事の施工 にあたっては、木材の活用や景観への配慮に努めます。林業の低コスト化・施業の省力化に向けた取組
我が国の森林は、戦後、積極的に造成され、多くの人工林が利用期を迎えつつあります。 また、森林吸収源対策においては地球温暖化対策に貢献していくために、将来の吸収量 の確保に向けて、「資源の若返り」に取り組む必要があります。 しかしながら、木材価格の上昇が期待できない現状では林業の低コスト化・施業の省力化 を実施することが将来の資材を確保する上でも必要であり、国有林は率先して行わなければ なりません。 こうした中、当署では、東北森林管理局の指導の下、再造林を推進する上で欠かすことの 出来ない林業の低コスト化・森林施業の省力化に向けた取組を強化しています。 具体的には、1点目として、平成 28 年度から取り組んでいる一貫作業システムを今年度は 更に拡大して行うこととしています。(平成 28 年度 3.08ha、平成 29 年度 13.38ha) その際、作業適期を定める必要がほとんどなく、作業の省力化にも有効なコンテナ苗を使 用します。 2 点目として、下刈については、苗木の樹冠高と雑草木の高さの状況を目安に下刈終了時 点を判断する下刈の省力化も引き続き行います。 また、平成 28 年度には局森林技術・支援センターに協力しカラマツコンテナ大苗の試験地 を設定しました。これにより下刈回数を減らす施業方法の開発、コンテナ苗の成長量、雪害の 影響の程度、植栽功程を検証することとしています。 植穴作り(ディブル) コンテナ苗植付作業 集造伐作業 林道新設 (m) 改良工事 (箇所) 維持修繕 (Km) 災害復旧 (箇所) 管内路線数 (本) 管内総延長 (Km) (1,550) 1,400 (2) 1 230 (1) 99 328 小網沢林道新設工事 貝梨林道新設工事管内市町村の概要
八幡平市
岩手県の北西部に位置し、JR 花輪線が南北に延び、東北自動車 道と八戸自動車道が分岐する交通の要所でもある。岩手山から八 幡平一帯は「十和田・八幡平国立公園」に指定されておりシーズンを 通したレクリエーションの場として広く利用されています。 また、安代地区は中心部の山系が分水嶺になっており、安比川が 太平洋、米代川が日本海へと注いでいます。 品質、生産量とも日本一を誇るリンドウの花等の栽培、レタス、ホ ウレンソウ等の高冷地野菜や葉タバコ、水稲の栽培が盛んです。安 比高原はスキーを始め森林浴など一年を通じて、森とのふれいあいができます。二戸市浄法寺町
浄法寺という名前の起こりは、鎌倉 時代の武将、畠山重忠の三男重慶が 山伏となって奥州に逃れ、現在の市街 地の背後にある大館に居城し、その長 子を浄法寺太郎と名付けたことに由来 すると言われています。 葉タバコ栽培は岩手県内一の実績 を誇っています。また古くから日本生 漆の産地として知られ、現在でも漆液 生産量では全国一を誇っており、漆器工芸も盛んに行われています。一 戸 町
町の中央を国道 4 号、IGRいわて銀河鉄道が南北に並 行して走り、平成 14 年の 12 月には東北新幹線が八戸ま で開通、八戸自動車動の一戸ICも町の北部にあり、交通 の便に恵まれています。 町の南西部の奥中山高原周辺に、温泉、スキー場、子 どもの森、天文台などの観光施設があり、四季を通して楽 しむことができます。葛 巻 町
町の西側にあるくずまき高原牧場を代表とする酪農や 林業を基幹産業とし、北東部には白樺美林で知られる平 庭高原がありワインエリアとなっています。また東部にあ る袖山高原の 3 基の風車に加え、上外川地区に 12 基の 風力発電機が建設されるなど、○
ミ ルク・○
ワ イン・○
ク リー ンエネルギーの頭文字から『魅惑の町』として産業振興に 取り組んでいます。 高森高原 くずまき高原牧場 天台寺 奈良時代中期(728 年) 行基が開山したといわれ ており、最北の仏教文化 の中心として厚い信仰を 集めていました。大聖寺