焦点領域の界の高周波近似計算法の開発
著者 吉 宇
雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告
巻 13
ページ 145‑146
発行年 1992‑03‑30
出版者 静岡大学大学院電子科学研究科
URL http://hdl.handle.net/10297/1756
氏名。(本籍
)
吉宇 (中国
)
学 位 の種 類 工 学 博 士 学 位 記 番 号
工博甲第
55
号学位授与の日付
平 成 2年 11月 27日 学位鵬 の要件
学位規則第5条第1項該当
、響 プЪ ど 蒜
電子科学研究科
電子応用工学専攻
学位論文題目 A High Frequency AppFOXimation Method foF Evaluation
of the Field in the Focal Region
(焦点領域の界の高周波近似計算法の開発
)
論文審査 委 員 (委 員長
)
教 授
大 月 卓 郎
教 授 山 口
豪
教 授 市 り
│1
朗 助教授 塩 川 祥 子教 授 本 郷 廣 平
論 文 内 容 の 要 旨
集中された電磁波は色々なところで応用されている。例えば
,反射鏡アンテナの受信
,光ファイバ
の結合などである。最近幾何光学法で計算 した焦点の位置と波動的な方法で求めた界の最大値の位置 の違いが多 く研究された。実際の問題に対 して
,焦点領域の界の分布の計算および最大値の位置の確 定は
,受信器の結合する装置の位置を決定するために
,大変重要な問題である。
この種の問題に対 して
,従来
,代表的方法として
,波動の概念に基づいた物理光学法がある。この 方法は反射鏡アンテナを解析するとき
,反射鏡の面上に流れる電流また開口面上の界を二次波源 とし て
,焦点領域の界を計算するものであり
,広く使われている。高周波近似 はあくまで近似であり
,いづれの方が精度がよいか容易に断定することは危険であるが
, 1つの問題に対 して ,・
2種類以上の方 法が確立 されていることが望ましく
,且つ重要である。
本論文では
,物理光学法と違 う
Maslovの方法を使って
,種種な集東 システムの焦点領域の界 の高 周波近似計算法について検討 した。
Maslovの方法は空間座標による幾何光学の表示式を
,Hamilton方程式の解を基にして
,形式的に位置ベクトルと波数ベクトルの
6次元混合座標空間に一般化 し
,幾何光学界が利用できなくなる点で
,有限値を与える積分形の波動関数に変換するものである。界の積 分形の表示式は焦点か ら離れる領域で停留点法で計算すると
,再び幾何光学界を与える。
Maslovの方法の基礎概念の解釈については
,従来いくつか議論されているが
,この方法は比較的新 しく提案さ
一
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れたもので
,具体的な問題への適用法はまた確立 されていない。
本論文は
Maslovの方法の反射
,透過の個別の問題の適用法および計算のアルゴリズムを与えた。
主な結果をまとめると次のようになる
:1.こ
の研究の基礎になる
Hamiltonの幾何光学理論を くわ しく検討 した
(2章)。 その理論 の応用 として
,カセグレン反射系の合成法を提案 した
(4章)。 これは反射鏡の形を適当に変えることよ り
,開口面分布が一様になるような反射鏡のパ ラメニタを選び
,アンテナ系を設計するものである。
この方法は従来の
Galindoによる方法に比べれば
,直感的であり
,実際に反射系を設計す るとき
,指定される形までの微小修正 もできる。
2.円
筒と放物筒に平面波が斜めに入射 したときの解析法を与えた
(5章)。 得た界の表示式 は物理 光学法によるものと完全に一致することより
,Maslov法の反射鏡問題への応用の有効性を証明 し た。また反射界が最大になる位置 ピークポイントは入射角によってどのように変化するかについて も検討 した。 ピークポイントは
,反射鏡の寸法にようて
,複雑な振舞いを示 し
,場合によっては
,2つ に分岐することがわかった。これは従来の計算では
,指摘されなかったことである。
3.球
面反射鏡に対する適用法を示 し
,その過程で
,従来 とは同等で種類の異なる焦点領域の界の新 しい表示式が得 られた。数値計算の結果は他の色々な方法によるものと比較 して
,よく一致するこ とが分かった
(6章)。 また焦点領域の界の振舞いを描 くため
,界の等位線分布 も与えた。
4。
Maslov法の二つ反射鏡を持つカセグレンマンテナ系の受信波の解析法を検討 した
(7章)。 誘 起電流法を 2つ の反射鏡による界に適用 しなければならない従来の方法に比べて
,主反射鏡による 界の積分を実行するだけでよいこの方法は有効である。
5.球
面誘電体の透過界の計算より
,Maslov法の透過問題への応用 の適用法を示 した
(8章)。 幾 何光学法による
cusp pointと波動的な方法で求めた界のピークポイントの位置の違いが focal shift
と言 う。入射波が平面波
,球面波に対する
focal shiftを詳 しく検討 した。誘電体内部の誘電率が 高 くなると
,focal shiftが小さくなることが分かった。
6.Gaussian beamが
集積回路で結合器 として使われている誘電体球 レンズに入射 したときの透過 界の表示式を
,Maslov法により誘導 した。焦点領域の波の集束の様子を数値的に詳細 に検討 した。
球 レンズの誘電率 と光源の位置の変化による焦点近傍の界分布を示 し
,これにより球 レンンズを設 計するアルゴリズムを与えた
(9章)。
7.す
べての
Maslov法による誘導 した界の表示式を
causticから離れたところで停留点法で計算す ると
,幾何光学解 と一致することを確認 した。
8.従
来の物理光学法に比べ
,Maslovの方法が直感的であり
,焦点領域の界を計算する際の新 しい 有力な方法のひとつとして考えてよいようである。特に境界面が複数個の場合には
,常に単一放射 積分に帰着できるので
,物理光学に対 しては非常に有効になる。これについては一部具体的な問題 について言及 した。
9.解
析に当たっては同一の問題に対 して
, 2種類以上の方法が用意されていることが望ま しい し
,重要である。
Maslovの方法は従来の物理光学法に対 しては
,もっと有効なもう一つの手法 とな り 得 ることを実際の問題に対 して示 した。
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