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専門店会運動の発展とその反省

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(1)

専門店会運動の発展とその反省

著者 山崎 紀男

雑誌名 關西大學經済論集

巻 3

号 特

ページ 59‑76

発行年 1953‑12‑20

URL http://hdl.handle.net/10112/15820

(2)

専門店含運動の登展とその反省

戦争の放化に伴い︑都市の有志老舗により推進されてきた専門店会迎勁も︑

戦後は無軌道な素人商人の横行に商取引の常道は攪乱され︑渾沌として正常商業の活動は阻害されていたため︑

自然信用を誇る老舗の姿は影が蒋い吠態であった°然るに漸次社会が再び乎静を取り戻し︑素人商人︑闇商人の活 勤が鈍化するに伴い︑老舗の信用と取引技術上の経験は改めて高く評価されるに至った︒老舗の実力恢復は各地に

専門店会の復興となり︑再びその全国的団結が廿八都市の会.百四十八店により︑昭和廿五年五月︑専門店会の発祥

地岡山市に於て譲せられ日本専門店会連盟が結成されるに及んで︑専門店会運動はその活動を再開した︒その勢は

正に燎原の火の如く︑全国の都市に波及し︑現在既に日本専門店会連盟0略稲日導連︶に入会せる専門店会は百八十

七の主要都市︑(喜四•三·-――の李にて三ヶ月分割彿)を模倣せる商店会、有名店会、模範店会、優良店会等類似専門店会というが如 組合店総数九千店に及ばんとし︑

更にそれらの各会が事業の一っとしている賦割払式信用販売制

は論を侯たない︒ 専門店會運動の再燃

専 門 店 會 運 動 の 獲 展 と そ の 反 省

その活動の衰徴を余儀なくされたの

(3)

き商店団体に至つては︑全国にその数五百にも達していると言われている程である︒

専門店会の起源は古く︑明治四十二年大阪に於て︑

この種の計画がなされ︑呉服店高島屋を中心とせる相生会と それに刺戟されて︑三越には結婚用品陳列会︑ナ合にはその関係業者を以て高私会が生れ︑主として結婚用品を

中心にそれらの専門店が組織化されたわけである︒尚相生会は婚礼の研究︑.得意先の紹介などの事業も行い︑その

組織も事業活動の必要上から︑後の専門店会組織同様︑会員は一業種一店主義を原則としていた︒

その後︑詞島屋︑三越︑十合が欧米式の百貨店に移行したため︑相生会は解散の止むなきに至ったが︑

会員が中心となり︑大正十一年三月一業種一店の廿三店による小売専門店会が誕生するに至った︒同会は後︑大阪 朝日ビル内の大阪専門大店となり︑現在大阪駅構内にある専門大店の前身をなした︒他方大正十一年十二月名古屋

市に名英会という一業一店会が生まれ︑続いて同十二年岡山市に名実会︵後商談會に改む︶が結成され︑其他門司市

には商店会︑鹿児島市には日新会と地方都市に小売商団結の機巡が崩しつつあった︒ その一部

時位かも生産規模の拡大と配絵機構の近代化は従来安泰であった小売店経営に直接間接大なる影轡を及ぼし始め︑

有識小売商人に反省と研究を促し︑その結果︑団綜による強化の外なしという自党連動が展開されるに至ったのは

当然のことであらう︒

かかる親境の中に昭和五年一月商談会より岡山尊門店会が誕生し︑続いて同六年東京四谷に︑同七年徳島に︑同

なつて実り︑その事業として綜合婚俄調度展覧会を開くに至った︒ 専門店會の滸革

(4)

専門店會運動の登展とその反省

八年小樽︑同十年仙台及び金沢に専門店会が︑岡山専門店会︑大阪専門大店︑又は名古屋名実会の様式にならつて 生れ︑昭和十一年十月には岡山専門店会の提唱の下︑小拇︑東京四谷︑仙台︑金沢︑静岡︑徳島︑小倉の八専門店

会で全国的組織を作り︑全日本専門店会聯盟︵略稲日専連︶と称した︒

その後︑それらの会の推進により︑熊本︑名古屋︑札幌︑旭川︑千葉︑市川︑高崎︑水戸︑小松︑下関︑門司︑

福岡︑大牟田︑鹿児島︑宮崎︑延岡︑別府︑久留米の各地に次々と専門店会が結成され︑大阪専門大店の加盟を得

て一段と組織の強化を見て︑聯盟の恭礎は愈々確立されるに至った︒更に帯廣︑釧路︑岩見沢︑室蘭︑青森︑助川︑

横須賀︑高岡︑福井︑富山・︑新渇︑松坂︑四日市︑桑名︑宇治山田︑京都︑篠山︑姫路︑津山︑尾道︑福山︑廣島︑

宇部︑山口︑防府︑小野田︑米子︑鳥取︑一凸松︑郡山の各地会の結成加盟を加え︵その間二︑三會の退會はあったが︶︑

昭和十三年に於て全国主要都市の五十六会︑加盟店数千三百余店に逹し︑名実共に全国的而も唯一の自発的組織の

小売団体として漸く枇間の注目を浴びることになった︒

全国大会も昭和十二年岡山市に於て第一回︑同十一︳一年仙台市に於て第二回︑同十四年徳島市に於て第三回︑昭和

十五年呉市に於て第四回と︑大いに気勢をあげつつ︑躍進の道を辿りつつあったが︑時恰かも日本の国際的環境は 漸次悪化し︑満洲事変は支那に飛火し︑更に大東亜戦に拡大しつつあった際とて︑専門店会運勤が有識商人の職能

自党迎勤を出発点として起ったもの丈けに、遂に商業報国迎動の先駆として商士隊運動の展開に転じたのも~ける

ところであらう︒

戦争の激化は自然︑専門店会迎動をも休眠朕態に陥れたが︑各地会員の多くは︑営業の自由余地が失われると共 に︑専門店会が土地の有力業者を以て線織されていた丈けに︑各組合に於ては理事長又は其他主要役員となって戦

(5)

専門店会組織は商人の集臣である丈けに︑ に答えたものが︑専門店会組織であらう︒ 時組合活動の中核となり︑叉は自ら挺身して企業盤備により廃業し︑叉は他の産業に拡向せる者も少くなかった︒

然るに終戦と共に︑各地有志間に文通及び往来が始まり︑各会に於ては月例の懇親会程度の集会が復活するに従 い︑専門店会の再建が漸次活液化し︑遂に昭和廿五年に至り︑再び全国的組織の結成を見るに至った︒

今日の商業は競争を基翌にして成立している︒従つて商業の団体化︑商人の組織化は︑

その内部に於ける利害関 係が複雑となり︑容易に一致し難いため︑その円滑な活動が多くの場合阻害される憾みがあると一般に信ぜられて 然し資本︑主義経済の発展による生産様式の拡大と消費の集中化は︑経済社会の質的変化を促し︑旧来の独立商店

を以てしては充分にその機能を発揮し難い場合を多く生じてきたため︑小売商店も或は専門化︑或は綜合化の傾向

を辿りつつも︑

一方商業資本の要小性は︑漸次強力たる産業査本︑金融資本の圧力を強く受ける欣態になつてきた︒

此処に於て︑この生産消費の変化に対処する機能上と資本上の自已防衛策として小売商人の団結を当然必要とた すに至つてきたが︑専門店会迎動の関係者が商人の自覚迎動と称している裏付はこの点にあるのである︒

然らぼ団綜化の要諮に対し︑困難な商人の有機的結合を可能ならしめる方法ありや︑

展してきたもののようであるから︑今後共その本質は変らずとも︑

一定の理論の下に成立したものでなく︑実践の間より自然発生的に進

その形態は経済社会の変化に伴い漸次変転ずる

専門店會組織の構想

という問に︑具体的に明確

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専門店會運動の登展とその反省

という商売繁昌の倫理化連動そのものたのである﹂ 門店会は日常茶飯の現実生活の成功失敗の累放したものを基礎として︑ きの新しい販売形態の創造である°薮に専門店会は︑衷実にしつかりと足を降ろし︑ 国や国内の優秀な方法を摂取しつつ︑大きな目様︵理想︶を凝視し乍ら精進して行く﹂ 生れたか﹂二四頁︶.と述べているのを見ても明らかである︒

現に︑競争関係を絶対に排除せる従来の一業種一店︑主義が中小都市には適合するも︑大都市に於ては地域の廣大 さと人口多数のため生ずる消喪者即ち顧客への不便さより︑不遮当な点を︑戦後静岡の第二回大会

Q

尊 第

六 回

大 曾

に於て︑専門店会の社会性班進のため︑

制を害言せることを見ても︑その傾向はうかがえると思う︒

︵岡山市︑菓子店きの説くところを見ても︑

百貨店組織の稟儲をキャッチし︑ 日本人向

その困難性を克服して︑当初の一業種一店主義の根本精神に某く業種複数 然しその理想が﹁専門店会連動の真の目的は︑買物をする人々に勤労の報酬が生活を豊かにし︑文化を向上させ

るという喜びを満喫してもらうことを︑

お買物の楽しさの形で顕現し︑傍ら︑より多く大衆に利用されることによ つて︑それに参加する小売店の報酬の増大︑経営の合理化︑経営の強化拡大︑信用の向上︑それによる奉仕の逓増

盆中尾氏登前掲書二六頁>限り︑只一業種一店︑主義のみにて︑

のまま目的逹成のための団結化が可能というわけに行かず︑

その組合員たるぺき人についての贅柊も亦吟味の必要 があって︑有力店主必ずしも専門店会の組合員たる適格者といえぬわけである︒

それに就て中尾氏は更に専門店会の組合店は︑同じ目的を持ち︑自分の信用が直ちに同志の信用にも影孵すると

いう自覚を有し︑互に長短相補い︑進んで経裳の改菩向上の努力を払い︑同志全体のため社会大衆の利益のために ものと思われる︒その点︑

日専連本部の常任委員︑中尾鹿太郎氏

︵ 同

氏 著

﹁ 専

門 店

含 組

織 は

何 故

一歩一歩前進し乍ら︑常に外

﹁ 専

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る ︒

は多少の自己の不利益をも顧みないという精神の持︑主でなくてはたらない﹂

今組合員の資格の一例を岡山会に見れば︑

﹁同一の顧客屈をもつ専門小売店であること︑信用あり衣任を韮んず

る店であること︑すべての点において代表的商店であって︑意見は言うが協調心ある店主の経営する店であること﹂

となつて居

b

︑九州の若松会は﹁一︑専業店であること︑二︑正札を厳守する店︑三︑ と説明を加え

一流の顧客を有する店︑四︑

店主が第一線に活躍している店︑五︑商道徳精神を守り︑互譲協調性の強い人︑六︑衰任観念の強い人︑七︑時間 励行の出来る人︑八︑政党政派を超越したる人︑九︑税密を守りうる人へ十︑親戚のような親しみのもてる人﹂を 組合員の資格として固く守つているのみでたく︑組合員の組合員意識喪失を防ぐため︑集会毎に組合員資格を反復

朗読しているといわれている︒

従つて業種を可能な限り多数揃えて顧客に充分な便宜を与えるという要請と︑目的達成のための円滑な事業遂行 を断行するに必要な組織とを双方満足せしめるには︑組合員として加盟を求むべき人に自ら限界があるわけで︑そ

の限界を守る限り開放的でない︵他に同種園体の結成を阻止するわけでないから排他的という言葉は嘗らない︶との一部の批

評はあるが︑その限界を越すことは専門店会そのものの破壊ということになる︒その線を守る限り︑結束は固く︑

その事業活動は活表で︑その為めにこそ︑専門店会のように親密な小売商人の組織は他に類を見たいと言われてい

専門店會の魅力 ︵中尾氏著前掲書二六頁︶

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専門店會運動の登展とその反省

戦後専門店会巡動が異常の進展をなしたに就ては種々の理由があるようである︒

H

人間は絶えずその個性の特色を生かし︑差別を求めて止まないと共に︑他方協調を求めつつあることは一般に 知られていることであるが︑小売商店主も亦その経営上︑絶えざる社会の変化に適応を求めて︑叙極的行動を日々 強いられ︑その間の無理に対する調整を弱小な査本と一個人の知能を以て︑僅かに打解の道を見出しているわけで あって︑全く暗中模索といった状態が多い︒その綽果小売商人は絶えず力強き協力者と︑その苦労に対する解放の

機会を求めて止まない︒

日本専門店会連盟の本部長たる角南九八氏︵岡山市︑洋品店主︶は︑その点についてその著﹁専門店会読本上巻﹂

﹁お互が総てを打ち明けて語り合い︑ 心と心でしつかり結び合﹂う喜びと述べているが︑

的に考え勝ちな商人が︑適当な環境の下では同業者と共に︑他人の為めに相協力し︑社会に奉仕することに喜びを 感じても一向に不自然でなく︑むしろ人間本来の姿であるといつてよいが︑それが小売商人の場合には︑更にその

喜びが大きい点を注意しなければならない︒

各会がその本来の活動を円滑に行い得る如く巧みに粗織化され迎営された場合︑その組合員より︑よく専門店会 の集会程楽しい会合は商人の会合としては他にないという述蹂が聞かれるのは︑専門店会が前述の大きな楽しみ即 ち解放の機会を与えつつあるが為めである︒その根源は全くその楽しみを生み出す如き巧みな組織にあるのである︒

⇔一流店が集 b

その信用を相互に利用し︑各店の顧客を共有することが出来れば︑その効果は必ずや営業成績に

現れるであらうが︑更に専門店会の名の下に共同宜伝や︑

力を感ずる一般小売商人の羨湿の的たらざるを得たい︒ に ︑

一方専門店会外の商人は︑その土地に於ける有力店に非ず

日頃営利本位に利己

サービスを加えて行くに至つては︑売上増進に非常な魅

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との印象を一般にも亦同業間にも与える結果となるに至つては︑羨望は越えて反感となり︑更に類似団体結成の熱

惰に転ずるのも止むを得たい︒

その場合︑徒に感情に走る余り︑専門店会の本質に注視せず︑

その事業活動のみ模倣して︑その表面的成績上に て専門店会に打勝たんとの急りから︑餌合員の質についての考慮も払わず︑只徒らに多数会員を擁して︑売上増進 のみに専念するものを見るが︑その結果は組合が組合員と遊離したり︑組合員間に不和を生じたりして短命に終る

如き商業団体の通弊に陥ることが多い︒

団体の成否はよき組織と人にあるに拘らず︑専門店会が一応その土地に於ける適格者を抜き集めたる結果が︑類 似会の失敗の原因ともたる事もあり得べく︑その意味に於て専門店会は消極的な傍観叉は対立感を捨て︑類似団体

日専連の中尾氏も︑ に対し積極的な指恋と協力を与える事が︑専門店会の使命逹成に必要なこととなる︒

こ.の点につき専門店会は他の団結を妨害するものでなく︑自ら同一商業団体のモデルとなっ

て同種団体の誕生をむしろ希望するとなして次の通り述べている︒

即ち﹁専門店会は自分逹会員丈けの利益のために作られているのではなく︑全商業者の為めに立ち上つているの

である0

故に会員は少数精鋭の前衛として先恋的役割を果すという自魚心を持つことになる︒会員外の方は我々を

見本として︑どしどし沢山の会を作られ︵この問省略︶協同一致降盛に向う可きである﹂︒

国然し近年に於ける専門店会の全国的普及は何を措いても︑専門店会の多くが今日その主要事業として採用して

いる三ヶ月並長期賦割払信用販売制度︵チケット又はクーボン切取式涌帳或は他栗綴込式通帳其他︶に帰するところが多

い︒右は最も安定せる俸給牧入を対象に最も安全た集金方法として職場単位の団体支払契約の下︑後払による潜在

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専門店含運動の登展とその反省

共同売出し︑顧客招待︑顧客のための野球︑卓球︑廂在大会︑婦人会︑店員訓錬施敗等が挙げられる︒ テーションの設置︑

商品小切手︑共同貯金︑納税粗令︑火災保除代理業︑玖金客サービ^︑ それらの事業は会により異るが︑列挙すれば︑

影嗚は忘れられないであらう︒ して従業員の生活指郡上︑当惑を感ずる者すら生じ︑ 購買力の釘付を行うのであるから︑顧客に一方便宜を与える結果︑組合全体としてもその組合員としても多くの場合予想外の売上成紐を見︑団緒による金融力の裏付と共に一般商業者の注目を浴びたわけである︒

一会の賦割払採用は他会の綜成を促し︑

合結成をうながし︑

共同借入︑宜伝カーの利用︑

一都市に於ける組合の賦割契約は近隣都市の商業者に防衛策としての紐 その乱立欣態は︑多きは同一都市に九団体の多きを数え︑従つて消費者も同一人にして多数の

通膜を所持し︑その制眼金額の総額は茄かに︑その月々の支払力の限界を越え︑過度の買物の危除のため事業︑王を

︱つの社会問四を提供する迄に至つている︒一方対立競争関

係にある同業団体はその契約先の猿保と売上邸の競争に血みどろのサービス戦を展開し︑同業者間にも一般にもそ の将来を褪慮せしめている︒更にチケット叉はクーボン券販売の眺力は一︑組合店の売上を促進しつつ手数料牧入 を得て会の平業安金をひとりでに獲得しうること︑二︑相互協力の効果を体得させ︑会の活勤を容品にするなど商

それがよい意味にて小売商人と消費者に与えた

人の弱点を巧みに補いつつ協同の力を発揮し得ることにもあって︑

同其他団結によらずして各店自体によっては殆ど不可能と思われる事業が︑専門店会によって行われ︑それらが

組合員店の成頼向上に寄与し︑従つて一般小売商店の魅力ともたつている︒

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日専門店会の急激な全国的増加は︑自然専門店会の本質的なものの充分たる検討たしに︑只その全国的な風評に

b一面的事業の外貌のみを見て︑専門店会たb

と信じて結成を見る場合が必ずしも少くなく︑虎を描いて猫の姿 然たるものも見られる欣態にある︒即ち名称は等しく専門店会乍ら︑専門店会ならざる専門店会が続出したわけで ある︒特に専門店の集りであるべき専門店会が︑ただ賦割払制の便宜上︑業種を揃えんとする余

b︑専門店である

なしの吟味を充分行わず︑或は専門店の多く成立し難い如き地方小都市に至る迄の無理なる拡大が行われたるため︑

数に於ては異欣な膨脹を見たに拘らず︑その実は専門店会運動の進展上︑非常に憂慮すべき欣態と考えられている︒

ここに言う専門店に就ては︑欧米の先進姿本主義国同様の文化性高い生活程度には未だ一般的に逹していない吾 国のことであるから︑その定義をそのまま遮用するには無理があり︑ヌ用語としての最寄品店︑買廻品店︑専門店 間に︑具体的にはつきりとした一絲を以て区別することも謡説の未だ確定レ得ない炊態であるので︑吾国は吾国な

りの定義は定むべきものであると考えるが︑さればと言つて単業店は総て専門店とは称し難いであろう︒

此処に於て業種を揃えるという要諸に答える結果は自然︑専門店に非ざる多くの商店の参加となり︑ひいては経 営上︑取扱商品の品格︑価格にも殆ど自信なき如き程炭の組合員をかかえ︑そのため専門店会としての活勤は賦割 払制が或る限界に逹するや不活瑕となり︑次第細りの危険を学みつつ賦割払制の成絞に僅かにその認命を委すこと

ともなる危険を生じている︒

一方大都市︑中都市の経済閥拡大傾向は過剌生産と小売商人の過多をも加え︑漸次地方小都市に影響し︑それら 小都市は大︑中都市の百貨店並に専門店に専門品の顧客陪を晦われる事多き上に︑自らも専門店化を強いられる欣

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専門店含運動の登展とその反省

店会の永続性が危ぶまれる︒ 態である°然るに買廻品についてのその購買雇はその都市居住者より漸次周辺地域の居住者に変

b 質的な低下を

見る傾向にあるので︑立地条件悪しき地方都市に於ては︑業種によりその矛盾が経営の面に大きく影轡しつつある︒

更に地方小都市に於ては多くの業種に就てはその市場の大きさと質とから見て多数業種についての専門店の成立は 困雑と言わねぱたらぬが︑よし専門店が集り︑専門店会を栂成し得たとしても︑その規模は比較的小さいものとな る°何故ならば︑小都市の小売商は大︑中都市に比し取扱商品の範囲を廣<而も浅くせざるを得ぬため小数の商店 にて業稗を揃え得るし︑その点を無視せぱ同一都市内の地域が狭いため同一業種の重複参加は一業一種の根本方針 を逸脱し︑会の活疲な活動を阻害するため許し難いからである︒ただ僅かに地方の顧客が因襲的で特定商店との関 係が密であるため同業間の競争が大︑中都市並ではないが︑この現状も漸次修正されるものと思われるので︑小都

市の専門店会はその基盤に於て弱さを持つていると言える︒

⇔一業一店主義を複数制に発展させた事は夭︑中の都市に於ては︑さすがに顧客に便宜を与え︑専門店会に充実

感を盛った点で一躍進であるに違いないが︑その運用を誤れば︑徒らな数の増加が会の運営を匝害することになる︒

大都市に於ては商店の専門化が甚だしく︑同一業種と雖もその商品なり顧客層を異にすること多く︑購買力も商店 経営の側より見れば無誤に近いほどであるため︑活動の余地も多く競合する点が少ぃ°従つて選定さえ誤らねぱ多 数の専門店を集めたる専門店会も出来ぬわけではないが︑運営上の協力体制と統卒の妙を発揮して活液に専門店会 運動を推進するには︑余り多数に組合員を擁することは不利となり︑従つて大都市と雖もその限界を越しては専門 中︑小の地方都市の場合は︑その事情が異り︑専門化の程度が低いため︑業種によれば同一業体に非ずとも取扱

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商品が重複する場合を生じ易く︑同業種とならば攻扱商品の面より相鏡合する事甚しい

0従つて︑・会に充実感を持

たす為めや︑同業者間の擦庫を避ける意味にて有力業者を必要以上に加入させている専門店会は︑一業一店の方針

と複数性が採られるに至った理由とを理解せず︑多くは賦割払制の事業遂行の便宜のみから︑かかる結果を生じた

ものとしか考えられない︒かかる団体はチケット3或はグーポン︶事業を主たる目的として成立しているとも言える

から専門店会とは本質的に異る場合多く︑従つて専門店会と称するよりむしろヂケット︵或は

9

ーポン︶事業協同組

合と称した方が適当であると思われる︒

国専門店会が本質的に綜合組合であるがために︑顧客への便宜も考慮して︑なるべく多くの業種を揃えんとする

余り︑組合としての強固な団結が犠牲にされる場合が見られる︒

専門店会活動の基礎は強固な団結にある︒その団結は相互の信頼感︑協力と究任による︒その度が高ければ高い

ほど団結力を強めるのであるから︑加盟店の販売力のみでなく協力性に於ても︑専門店としての経営能力に於ても︑

全員余り懸隔なき事が箋ましぃ°然るに大都市の中心商業地区は買廻品については専門店多きも有力な便宜品店を

欠くこと多く︑一方都市は地方に行くに従い︑叉大都市は郊外に近ずくに従つて業種間に於ける専門化の傾斜度が

甚しく︑同程度の専門店を揃えることが困難となる︒それをただ顧客の便宜のみを考慮して︑業種の取合せを無理

に実現しようとせば︑団緒力︑従つて活勁力を弱めることになる︒

同賦割払式信用販売︵月末掠︑三ヶ月分割彿︑五ヶ月︑六ヶ月︑+ヶ月掠等合により異る︶は俗にチケット叉はクーポン

制︵北海逍は僻栗式涌帳が多い︶と呼ばれ︑その成綾と発展は目党しく︑有力事業団体よb支給される俸給の多額がそ

の制度により専門店会並に類似商業団体に釘付にされつつある状態である︒

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に逃ぐるを防ぎ︑又は新な客を吸牧するのであれば︑専門店会が金利と事謗費とレて微牧している手数料の三分乃 至五分

3

荘七分位の會や期間により差を設けたものもある︶を支払つても尚売上増進による利益が大きい事になる︵金

然しチケット利用を避けようとの努力は商店と顧客の双方より起

b

得る︒即ち酒砂糖或いは書籍等の如く利巾

少き商品の場合同店に於けるチケットの利用率は大︑中都市の商店については平均全賣上の三割︑地方都市一割程度︑又利用

多き業種には賣上綽額の七割に達するものもある︶︑親金の必要に迫らるる商店︑現金客がチケット利用客に振り替るの

みの欣態にある商店︵その楊合問屋信用を限度迄使い得ない商店の楊合は︑時に専門店よりの支排と問屋︵・の支排の時間的ズレ

を巧みに利用出末れば反つてチケットの賣上を款迎する事になる︶等は必ずしもチケットの使用を喜ばない︒

一方顧客側は値引要求として︑商店側の弱点を節くことにもたる︒即ち現金を有利とする点と専門店会で差引か るる手数料につき︑誘惑をたし叉は現金払と掛払との同一取扱の不合理性をついて︑現金による値引要求となる︒

そこで硯金売にも何等かのサービスを考慮している会も多い︒日く︑謝恩券︑サービス券︑

シール等として一定

現金売上額に対し︑商品券となるのもあれば︑映画館︑ベス浴場等に通用する如きものを発行し︑或は抽蔽券を 発行して各種催しに招待している場合もある︒

然し現金売サーピスは顧客に徹底せしめないと商店側に於て特に高価な商品を売った場合経費を喰うサー*ヒスを 出し渋る嫌いがないと言えないので︑この制度は地方都市や住宅地は別として一般に永続し難い︒

何れにしても顧客の経済知識が上進するにつれ︑チケット売と現金売の不合理性は是正の必要が起るが︑環在の 日本の実欣では︑現金売に対するサービスの実行は土地の実情を吟味しての上でないと結果は予想と反することに

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専門店會運動の登展とその反省

を心掛けられたい﹂︒ 肉専門店会が行いつつあるチケット叉はクーポソ等の賦割販売制度のみを主として取り入れて︑その売上成綾を目標に︑なるべく多くの商店を参加さして活動している商店団体を類似団体と便宜上呼んでいるが︑この類似団体にも専門店会に近いものから︑あまり好ましくない如きものまで種々ある︒

専門店会もこれら類似団体との対立に悩んでいる場合が多い0即ち類似団体が数をたのんでの売上額競争を行う

ことが︑まだ充分専門店会運動の意競を解しないつまりチケット売上に多分に興味をひかれて入会せる専門店会の

組合員に勤揺を与えることと︑他は採算無視の条件によるチケット利用団体獲得競争の激化である︒

これに就ては専門店会はチケット事業協同組合でないとの自党を紐合員に充分に植え付けて︑専門店会の目的逹

成に遊進すればょいわけで︑他の団体の活動に眩惑されぬことが必要であるが︑日専連の中尾氏は賢明にも次の如

<述べている︵前褐書一五頁︶︒

﹁優良店会︑サーピス店会︑其他の会︵有名店會︑模範店會︑商店會︶が対立団体として出来ることは非常によい事

である︒こうした会や︑団体が沢山出来る程サービ︳^競争が旺盛になり︑指全体に活気が充ち顧客には喜ばれるの

である︒そうして切瑳琢麿に依る商店経営の向上と創造がたされてゆく︒こうした類似団体に望みたい事は︑単た

る対抗や意地で作るのでたく︑

囮専門店会の組合店の大部分が商店掏にあるのは︑専門店そのものが都市の商店街に育ち易いことからして当然

である︒従つて専門店会は商店掏の有力業者で構成されていることが多ぃ°然るにその商店誓自体が専門店会と類

一定の指導精神なb指導方針を立てて︑理想に向つて一歩一歩向上発展して行く事

(17)

産品陳列即売店︑遠隔地えの綜合出店︑等々である︒ 一定の限界をもっ°専門

似事業活動をする場合がある︒普通の場合には双方の役員を兼ね或は双方の有力構成員であるため︑類似事業は当

然事前に調盤が図られる0然し時には対立感情から同種事業を強行してそのため摩擦が避けられぬこともあり得る︒

その場合双方に事業の振

b

分けを行うか︑時を待っ外ない︒ただチケット制販売如き事業は利害関係が複雑で多数 鏡争関係にある商店掏に於ては永続性少く︑経済事情の変化による弾力性も商店背の場合薄い︒一度売手市場に戟

換せば忽ち事業の中止とならざるを得ぬ0

専門店会もチケット制の事業をやらねば専門店会が成立せぬ程度の会員 の集りであれば風前の灯というぺく︑自然売手市場になった場合︑或は金敵事情が一変した時には解散の外ないこ

とにもなるから︑無理をして組合運営に骨を折る必要もないといえよう︒

専門店会と商店街とは夫々性格が異り︑事業活動の分野は異る

0

猿真似は良結果は得られない︒従つてその分を

守り︑その限度を忘れてはならたい︒

四チケット︑通帳等による信用貸売制度の成綬はその立地条件に左右されるとはいえ︑

店会も一定時日を経てばその限界に逹する︒その次に来る主たる慕業として共同店舗が取り上げられる事が多い︒

戦前にも既に岡山に﹁をかせん﹂を始め各地に共同店舗が設けられていたが︑今日も寄合百貨店式の鳥取﹁とりせ ん﹂︑名古屋﹁めいせん﹂を始めとして倉敷の百貨店︑花巻温泉の売店︑岡山の事粒所兼用の売店︑米子の

•西神戸の不足業種店経営其他目下計画中のものも多数ある模様で、その目的形式も多様である。その動機もデ。^

ートの態力にかられてやるもの︑デ︒^

1

1

トの進出を防ぐため︑専門店会の不足業種の直営︑名 その形式も組合直営のもの︑別に有志で組合を結成して経営せるもの︑株式会社でゆくもの︑他の資本参加を認

(18)

専門店會運動の登展とその反省

合する如きものや︑

専門店会の票業は結局組合員店の筵営に直接間接貢献する如きものでなくてはならない︒従つて組合員店と相競

当と考えられない︒

一部の組合員のみに関係あるが如きもの︑利害関係が組合員間に非常な差異ある如き事業は妥 叉専門店は個性の強い商店であるがために会とレて集合しても必ずしも同程度の経営でなく︑たとえ共同店舗を

設けたとしてもその内容が雑然として統一と活動力を欠ぐことが多い︒

共同店舗の計画も従つて槙軍を期せないと専門店会の結束を乱すこととなる︒立地の選定︑迎歯方式の決定︑業 種商品の組合せ上の考應など︑多数組合員との関係を充分吟味することが必要であると共に︑共同店舗経営に対す る組合員の適格性を検討し︑直接の業務についてはこの種の経営に無経験な小売商人で而も自店の経営に専念を要

する組合員に当らせるよりも︑なるべく夫々の専門家︑経験者の採用︑利用が考慮されねばならないであらう︒

以上の外専門店会の普及に伴い反省是正すべき点も少くないが︑要は経済社会の発展は商店の綜合化と専門化を

促進するのであるから︑

必要である︒

一方優良商品の大婿生産︑大掻配給化に伴う商店のチェーン化にも備えて︑綜合と専門化 を同時に解決し得る専門店会の意義を組合員に充分に理解せしめ︑環境の変化に商店の経営を即応せしめることが 専門店会運動が手日の如く旺盛であるのも︑その時代的要請を反映してのことであらうが︑その展開が活澄にた

めて専門店会に協力せレむるものなどがある︒

(19)

り規模が大となればなるほど人間の弱点︑小商人の特質が専門店会の活動を妨げ︑・専門店会運勤の発展を阻止せん

と限らない︒従つて庫門店会今後の発展には人間︑商人︑専門店︑協同餌織︑環境等の充分な吟味が緊要である︒

なかんずく各組合店に科学的能率的経営を行うに足る能力を養わしめる事の急謗と共に︑協同組織としての有効

なる専門店会組織の意義を認識せしめ叉相互に協力する理解力の必要し性を自鴬せしめねばならぬ点を強調すべきこ

とであらう︒

1

参照

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