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租税条約について

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(1)

国際課税を巡る状況について

~租税条約、仲裁制度、新興国等の税環境~

平成22年4月22日

経済産業省 貿易経済協力局 貿易振興課

(2)

目次

2

租税条約について

○目的・効果、近年の締結・改定状況 ・・・・3 ○相互協議にかかる仲裁規定の導入 ・・・・9 ○新成長戦略における租税条約の 役割と今後の課題 ・・・・13

新興国等の税環境

○多国籍企業をとりまく環境 ・・・・14 ○産業界からの働きかけの重要性 ・・・・16

(3)

租税条約について

租税条約は、国際的な二重課税を排除することにより、日本企業の海外展開、対日投資という双方 向の投資を促進するもの。 ・ 投資所得(配当・利子・使用料)の源泉税率の引下げや課税範囲の明確化 → 日本という事業活動の場に、海外展開した日本企業の資金還流を促進。 また、外国企業の対日投資(日本への拠点設置、事業拡大等)を促す効果も。 ・ 二重課税の調整メカニズム導入による現地での課税リスクの回避 (両国税務当局間の相互協議、第三者による仲裁) → 進出国の事業環境整備により、我が国企業の海外展開を円滑化。

目的・効果

○ 我が国はこれまで47の条約を締結し、58ヶ国との間で適用。特に近年、資源国との新規締結や オランダ等先進国との改定が相次いでなされ、効果をあげている。【資料1、2】 ○ しかしながら、租税条約の締結・改定に関する産業界の要望※は依然強く、金融危機後のG20や グローバルフォーラムの議論を受けて情報交換協定の締結も同時に要請され、締結・改定がニー ズに追いついていない。 ※租税条約締結・改定の優先国(産業界要望)【資料3】 <締結>アルゼンチン、ベネズエラ、台湾、香港(済) (チリ、ペルー、ボリビア、ラオス、カンボジア、マダガスカル、パプアニューギニア、ソロモン諸島) <改定>ブラジル、中国、タイ、インドネシア、インド、フィリピン、ドイツ、オランダ(済)、ロシア (ベトナム、南アフリカ、カナダ) ○ 今後、OECDモデル条約改訂に合わせて租税条約ネットワークを一層拡充していくため、租税条 約の締結・改定の迅速化が必要。

近年の締結・改定状況

3

(4)

【資料1】最近の租税条約の新規締結・改定の状況

4

○包括的な租税条約

カザフスタン、ブルネイ: 昨年発効、今年1月から適用。 クウェート: 今年2月、署名。現在、国会審議中。 サウジアラビア、スイス: 昨年6月、基本合意。現在、署名に向けて両国で国内手続中。 オランダ: 昨年12月、基本合意。現在、署名に向けて両国で国内手続中。 (オランダ側は、今年年央までに署名、来年1月1日からの適用を目指す旨、プレスリリース。) 香港: 今年3月、基本合意。現在、署名に向けて両国で国内手続中。

○情報交換関連

バーミューダ、ルクセンブルグ、ベルギー、シンガポール、マレーシア: 今年1月及び2月、署名。現在、国会審議中。 また、国内法においても、外国税務当局との税に関する情報交換を効率的かつ円滑に実施する 観点から、租税条約や行政取極の相手国に対し情報提供ができる旨の規定を整備。

(5)

【資料2】租税条約・投資協定

・社会保障協定の締結国及び交渉国

《アジア》 モンゴル〔02〕 ラオス〔08〕 カンボジア〔08〕 《南米》 チリ〔07〕 ペルー〔09〕

《東欧・中央アジア》 キルギスタン〔93〕 グルジア〔94〕 タジキスタン〔94〕 トルクメニスタン〔95〕 ウクライナ〔95〕 アルメニア〔96〕 ベラルーシ〔97〕 モルドヴァ〔98〕 アゼルバイジャン〔05〕 ルーマニア〔78〕 ハンガリー〔80〕★[交渉中] ポーランド〔82〕 チェコ〔94〕★ スロバキア〔94〕 《アフリカ》 ザンビア〔71〕 (投資協定締結済) (租税条約締結済) (投資協定未締結) (租税条約未締結) 【5ヶ国】 【19ヶ国】 ★:社会保障協定の 締結国、署名及び交渉中の国 【43ヶ国】 《ヨーロッパ》 ルクセンブルク〔10改正署名〕 ★ [交渉準備中] ノルウェー〔92〕 スウェーデン〔99〕 ★ [交渉準備中] 《アフリカ》 南アフリカ 〔97〕 《東欧・中央アジア》 ブルガリア〔91〕 《中近東》 イスラエル〔93〕 《アジア》 台湾、PNG (投:交渉準備中) 《中近東》 UAE(租:交渉中) カタール(投:交渉準備中) オマーン、バーレーン 《中南米》 アルゼンチン コロンビア(投:交渉中) ベネズエラ ボリビア 《アフリカ》 アルジェリア、タンザニア、 ナイジェリア、 ガーナ、マダガスカル アンゴラ(投:交渉中) 等 《中南米》 ブラジル 〔77〕 ★ [交渉準備中] 《大洋州》 ニュージーランド〔67〕 フィジー〔70〕 《ヨーロッパ》 オーストリア 〔63〕 デンマーク 〔68〕 アイルランド〔74〕★[署名] スペイン〔74〕★[署名] イタリア〔82〕★[署名] ドイツ〔84〕★ ベルギー[10改正署名]★ フィンランド〔91〕 バーミューダ(*)〔10署名〕 《アジア》 韓国〔99/03〕★ マレーシア 〔10改正署名/06〕 フィリピン〔08/08〕★ [交渉準備中] パキスタン〔08/02〕 ブルネイ〔09/08〕 香港〔10基本合意/97〕 《ヨーロッパ》 スイス★[交渉中] 〔09改定基本合意/09〕 《アジア》 タイ〔90/07〕 バングラデシュ〔91/99〕 シンガポール 〔10改正署名/02〕 ベトナム〔95/04〕 《中南米》 メキシコ〔96/05〕 《中近東》 トルコ〔94/93〕 <対応的調整× 更正処分期間制限×> <移転価格関連規定○ または日米条約以降> 《アジア》 スリランカ〔68/82〕 インドネシア〔82/08〕 中国〔84/89〕 《中近東》 エジプト〔69/78〕 《東欧・中央アジア》 ロシア〔86/00〕 ウズベキスタン〔94/09〕 《アジア》 インド 〔06/交渉中〕 《北米》 カナダ〔00〕★ アメリカ〔04〕★ 《大洋州》 オーストラリア★ 〔 08/交渉中〕★ 《ヨーロッパ》 英国〔06〕★ フランス〔07〕★ オランダ 〔09改定基本合意〕★ 《東欧・中央アジア》 カザフスタン 〔09/交渉準備中〕 《中近東》 クウェート〔10署名〕 サウジアラビア 〔09基本合意/交渉中〕 直近の交渉国 <対応的調整○ 更正処分期間制限×>

租税条約

※投資章を有するEPAを含む *情報交換規定を主体とした協定 5

(6)

【資料3】締結・改定の候補国と国別関心事項①

地 域 国名 租 税 条 約 (ア) PEの認定期間、 投資所得との区 別の明確化 等 投資所得への源泉税率(%) (オ) 譲渡 所得 (カ) 対 応的 調整 (キ) 更正処 分期間 制限 (ク) 相互 協議 (ケ) 仲 裁 (イ)配当 (ウ)利子 (エ)使用料 中南米 ブラジル (銅・ニッケル・ レアアース) 有 42.3(12.5) 12.5 12.5/15/25 × × ○ × アルゼンチン (銅) 無 57.8(35) 35 28/12.25 × × × × ベネズエラ (石油・天然ガ ス) 無 56.4(34) 34 30.6 × × × × ア ジ ア 中国 有 建設PEの認定期 間の延長 コンサルタントPE の規定の削除 32.5(10) 10 10 ※ × × ○ × タイ 有 「技術上の役務提 供」に対する事業 所得と使用料所 得の明確化 注文取得代理人 の規定の削除 40.5(15) 10,25 15 役務提供に係 る使用料課税 ※ △ × ○ × インドネシア (石炭・銅・ コバルト・ ニッケル) 有 PEの範囲の明確 化 37.0(15) 10 10 × × ○ × 6

今年4月3日、第3回日中財務大臣対話において、日中租税条約改定に向けた共同作

業を継続することに合意。

(7)

【資料3】締結・改定の候補国と国別関心事項②

地 域 国名 租 税 条 約 (ア) PEの認定期間、 投資所得との 区別の明確化 等 投資所得への源泉税率(%) (オ) 譲渡 所得 (カ) 対 応的 調整 (キ) 更正処 分期間 制限 (ク) 相互 協議 (ケ) 仲 裁 (イ)配当 (ウ)利子 (エ)使用料 ア ジ ア 台湾 無 PEの定義によ る課税範囲の 明確化 43.8(25) 20 20 × × × × 香港 無 16.5(0) 0 4.95 × × × × (インド) 有 注文取得代理 人の規定の削 除 40.6(10) 10 10 (「技術上の役 務提供」削除) ※ ○ × ○ × (フィリピン) (ニッケル) 有 注文取得代理 人の規定の削 除 41.5(10) 10 10 ○ × ○ × 欧州・ ロ シ ア ドイツ 有 40.1(15) 10 10 × × ○ × (オランダ) 有 29.2(5) 10 10 × × ○ × ロシア (石炭) 有 35.4(15) 10 免税,10 ※ × × ○ × 7 ※不動産化体株式以外の株式譲渡益は、源泉地国では免税とし、居住地国のみの課税として欲しい。 (注1)税率は、KPMGレポート、租税条約及び進出国内の規定等から算出 配当は、( )内に条約上の限度税率または国内法に基づく配当の源泉税率を記載し、次の計算式により配当に係る税負担全体を算出。 ※海外所得(配当)を100と仮定 税負担=〔100×法人税率〕(A)+{〔100-(A)〕×限度税率(又は国内法に基づく源泉税率)} (注2)(カ)対応的調整や(キ)更正処分期間制限について、表では条約の中での規定の有無を○×で表示。 表中、×(条約の規定なし)となっている国には当該国の国内の定めにより対応的調整がなされている国を含んでおり、 必ずしも 対応的調整等が行われないという意味ではない。△は、規定はあるものの実効性を伴っていないと思われる事例があることを示す。 済 済

(8)

地 域 国名 租 税 条 約 (ア) PEの認定期間、 投資所得との区別の 明確化 等 投資所得への源泉税率(%) (オ) 譲渡 所得 (カ) 対 応的 調整 (キ) 更 正処分期 間制限 (ク) 相互 協議 (ケ) 仲 裁 (イ)配当 (ウ)利子 (エ)使用 料 中南米 (銅・モリブデン)チリ 無 46.05(35) 4/35 15/20/30 × × × × ペルー (銅・亜鉛・鉛・ インジウム) 無 32.9(4.1) 0/1/4.99/30 30 × × × × ア ジ ア ベトナム (レアアース・ ボーキサイト) 有 35.2(10) 10 10 ○ × ○ × ア フ リ カ 南アフリカ (プラチナ・ レアース) 有 37.8(5) 10 10 ○ × ○ × 北米 (銅・金・カナダ レアアース・ モリブデン・ リチウム) 有 36.8(5) 10 10 ※ ○ ○ ○ ×

【資料3】その他関心国

○その他、我が国企業の進出状況や課税環境に鑑み、租税条約締結・改定の具体的要望は未だあまり強くないが、将来 に向けて政策的観点から優先的に環境整備を進めるべきと考えられる国は以下のとおり。 8 上記の他、ボリビア(亜鉛・鉛・銀・リチウム・インジウム)、ラオス(銅・ボーキサイト)、カンボジア(ボーキサイト・銅)、 マダガスカル(ニッケル)、パプアニューギニア(LNG)、ソロモン諸島(ニッケル)との条約締結要望がある。

(9)

相互協議にかかる仲裁規定の導入

<経緯・現状> ○OECDは2008年のモデル租税条約改訂にあたり、相互協議(税務当局間の協議メカニズム) 開始から2年経過しても当該事案が解決しない場合に、納税者の申立てにより第三者の仲裁に よる紛争解決ができる仕組みを導入。【資料4~6】 ○我が国が締結する租税条約には、現状、仲裁規定が盛り込まれた条約はないが、今後の締 結・改定にあたっては、本規定の導入を検討すべき。 (経済産業省国際課税研究会「国際課税制度の主要論点について~中間的な議論の整理~」 (2009年8月)において指摘) <内容> ○両国当局間の相互協議が不調・難航・長期化した場合に、第三者による仲裁を通じた一定期間 での二重課税の解消を促進・確保し、納税者の税務リスクを軽減。 ○仲裁プロセス開始から2年以内の裁定の提示及び結果の履行が義務づけられており、納税者 にとっては確実な紛争解決の他、紛争解決時期の見込みができるといったメリットがある。 ○両当局間の相互協議プロセスと異なり、「この条約の規定に適合しない課税」を「受けた」と認め られる場合にのみ認められる。(従って、APAは対象外。) ○条約発効前の課税事案に対しては、条約は原則遡及適用されず、相互協議・仲裁の対象にな らない。(ただし、相手国との協議により、特別の規定を盛り込むことは可能。) <課題> ○仲裁規定を盛り込むためには、今後、すべての租税条約を改定する必要があることから、長期 にわたり、交渉リソースが必要となる。 ○仲裁の裁定や相互協議の合意が実施されるためには、相手国において、対応的調整の実施、 還付金支払いのための財源の手当など、合意内容を実行するための制度・体制整備が不可欠。 したがって、このような制度・体制の整備も相手国に要請する必要がある。 9

(10)

【資料4】各国の仲裁規定の導入状況

10 ○主要先進国等が二国間条約で導入 米国(10か国): アイルランド、イタリア、オランダ、カザフスタン、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、 カナダ、メキシコ 英国(5か国): アゼルバイジャン、オランダ、フランス、アメリカ、メキシコ ドイツ(5か国): オーストリア、スウェーデン、フランス、アメリカ、カナダ フランス(2か国): アメリカ、カナダ イタリア(12か国): アイスランド、アルメニア、ウズベキスタン、カザフスタン、クロアチア、スロベニア、モルドバ、 アメリカ、カナダ、レバノン、ウガンダ、ガーナ ○EU諸国は、対象を移転価格課税に絞った仲裁協定を締結 加盟国(12か国): ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、 オランダ、ポルトガル、スペイン、イギリス ○現在までに判明している仲裁事例はEU仲裁協定に基づく2件のみ(内容は非公表)。 ※このうちフランスvsイタリアケースについて、フランス当局者がインタビューで、仲裁人の選定に時間がか かったことなどをコメントしている。

(11)

【資料5】各条約における仲裁制度比較

11 制度例 OECDモデル条約 (簡易仲裁手続き) EU仲裁規定 米独条約 米仏条約 発効年等 2008年 - 1990年(発効済み) 2006年改定(発効済み) 2009改正議定書(未発効) 仲裁手続 きの開始 相互協議開始から2年後 -相互協議開始から2年後(裁判に提 訴されている場合はその判決から2 年後) 相互協議開始から2年後と両締約国 の権限ある当局が情報を公開しない ことに同意した日のいずれか遅い日 相互協議開始から2年後と両締約国 の権限ある当局が情報を公開しない ことに同意した日のいずれか遅い日 適用の 範囲 租税条約に適合しない課税 - 移転価格税制 4条(居住者)、5条(恒久的施設)、7 条(事業所得)、9条(特殊関連企業)、 12条(使用料)、両締約国の合意に よりその他の問題 租税条約に適合しない課税 仲裁人の 選定 • 各権限ある当局は1名の仲裁人を 指名 • 2人の仲裁人が議長役を勤める中立 の第三者仲裁人を指名 • 前述により選定が出来ない場合は、 OECDのCTPA事務局長が1名以 上の仲裁人を指名 • 両国の権限ある当局の合意により仲 裁人を1名任命 • 前述により選定ができない場合は、 OECDのCTPA事務局長が仲裁人 を任命 •両国の代表者2名 •偶数名の独立した立場の委員 •議長 • 各権限ある当局は1名の仲裁人を指 名 • 2人の仲裁人は議長を指名 • 仲裁パネルメンバーの指名に失敗し た場合、残りのメンバーはOECDの CTPA事務局長の指名による • 各権限ある当局は1名の仲裁人を指 名 • 2人の仲裁人は議長を指名 • 仲裁パネルメンバーの指名に失敗し た場合、本メンバーは解散したと見 なされ、両締約国は新たなメンバー を指名 納税者の 参加 書面でコメント提出可。 両国の合意があれば口頭陳述も可。 不可 諮問委員会(アドバイザリー・コミッ ション)に出席し、意見陳述可 書面でコメント提出可 書面でコメント提出可 裁定方法 • 議長が必要な情報を受領した旨、権 限ある当局・要請者に通知してから 6か月 • 多数決により裁定を決定 • 仲裁人任命から1か月以内に両国 がそれぞれ自身の回答を提出 • 回答を受領してから、1か月以内に 仲裁人は一つを採択し、その旨当局 に通知 問題付託から6か月以内 多数決により意見を採択 • 議長指名から9か月以内 • 両締約国提出のProposed Resolutionのうち一つを採択 • 議長指名から6か月以内 • 両締約国提出のProposed Resolutionのうち一つを採択 費用負担 • 両国の権限ある当局及び納税者の 参加費用:それぞれ負担 • 仲裁人に対する報酬等:均等に負担 • 会議等事務費用:当初に申立てをし た当局 - 関係締約国が均等に負担 • 両国の権限ある当局及び納税者の 参加費用:それぞれ負担 • 仲裁人に対する報酬等:均等に負担 • 会議等事務費用:当初に申立てをし た当局 • 両国の権限ある当局及び納税者の 参加費用:それぞれ負担 • 仲裁人に対する報酬等:均等に負担 • 会議等事務費用:当初に申立てをし た当局 決定の 拘束力 決定は両締約国を拘束 - 決定は両締約国を拘束 決定は両締約国を拘束 決定は両締約国を拘束 決定の 先例性 決定は当該ケースのみに限定 - 決定は当該ケースのみに限定 決定は当該ケースのみに限定 決定は当該ケースのみに限定 仲裁例 - - (1)フランス・ドイツ (2)フランス・イタリア - -

(12)

【資料6】各条約における仲裁手続きの流れ

12 未定稿 月数 O EC D モデル 条 約 ( 簡易仲裁手続き ) E U 仲 裁 規 定 米 独 条 約 米 仏 条 約 1       相互協議開始 相互協議開始o r裁判の 判決 相互協議開始 相互協議開始 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25       仲裁要請書提出・ 受領 A C への事例照会 仲裁要請 仲裁要請 26 27 両締約国が仲裁人指名 28       付託事項決定 両締約国が仲裁人指名 29 仲裁人1 名任命 2 名の仲裁人が議長を 指 名 30 2 名の仲裁人が議長を 指 名 31       仲裁人任命 当局が回答書提出 A C から 意見書提出 32 仲裁人は、 回答書の一つ に 従い 、 回答を 決定し 理 由を 説明し て 、 当局に 通 知 両締約国がP ro po se d R e so lu tio n と P o sit io n P ap e rを提 出 両締約国がP ro po se d R e so lu tio n と P o sit io n pa pe rを 提 出 33       議長任命 34 35       必要情報の接受 36 相手国への返事の提出 37 38 両締約国は裁定結果を 実施 他の方法に よ る 合意を 除 き 、 締約国は決定を 実施 相手国への返事の提出 委員会の決定通知書発 送 39 関係者が決定の諾否を 通知( 通知がな い 場合拒 否と 見な す ) 40 41       裁定の報告 委員会の決定通知書発 送 42       ( 裁定の期間延長合意         o r新し い 仲裁人任命) 関係者が決定の諾否を 通知( 通知がな い 場合拒 否と 見な す ) 43 44 ( 決定の実施時期の規定 無 し ) 45 46 47       裁定の実施       ( 相互協議の合意) 48       ( 規定の期間内に 裁定が       報告さ れな かっ た 場合) ( 決定の実施時期の規定 無 し ) 49   50 51 52 53 2年 2年 2年 2年 3か 月 3か 月 2か月 2か月 6か 月 6か 月 ( 1 か月) 6か 月 1か 月 2か月 6か 月 6か 月 60 日 60 日 90 日 180 日 9か 月 30 日 30 日 6か 月 120 日 60 日 60日 90 日 6か 月

(13)

新成長戦略における租税条約の役割と今後の課題

○「新成長戦略(基本方針)」には、海外市場の獲得と併せ、「ヒト・モノ・カネの流れ倍増、国内へ の呼び込み」という目標が掲げられている。 日本という事業活動の場に、海外展開した日本企業の資金還流を促進するためには、租税条約 の締結・改定により、投資所得の源泉税率を引き下げることが有効。 また、租税条約による日本側の源泉税率引き下げは、二重課税調整の仕組みの整備と併せ、 外国企業の日本進出(日本への拠点設置、事業拡大等)を促す効果もあり、ヒト・モノ・カネの呼 び込みにとって重要。 ○一方、条約交渉の進捗は相手国の対応次第であり、一般に新興国は税収確保のため投資所得 の限度税率の引下げ等に消極的。今後は新興国こそ条約改定ニーズが高いことから、新興国 政府に対し、租税条約交渉に応じるよう、官民それぞれが効果的に働きかける必要がある。 新成長戦略(基本方針)(2009年12月30日閣議決定)抜粋 2.6つの戦略分野の基本方針と目標とする成果 (3)アジア経済戦略(アジア市場一体化のための国内改革、日本と世界とのヒト・モノ・カネの流れ倍増) 同時に、日本国内においても、アジアを中心に世界とのヒト・モノ・カネの流れの障壁をできるだけ除去するこ とが必要である。ヒト・モノ・カネの日本への流れを倍増させることを目標とし、例えば、その流れの阻害要因とな っている規制を大胆に見直すなど、日本としても重点的な国内改革も積極的に進める。具体的には、羽田の24 時間国際拠点空港化やオープン・スカイ構想の推進、ポスト・パナマックス船対応の国際コンテナ・バルク戦略 港湾の整備等により、外国人観光客やビジネスマン等のヒトの流れやモノの流れを作り出す。また、外国人留 学生の受け入れ拡大、研究者や専門性を必要とする職種の海外人材が働きやすい国内体制の整備を行うほ か、貿易関連手続の一層の円滑化を図るとともに、海外進出した企業が現地であげた収益を国内に戻しやすく する。加えて、金融や運輸等のサービス分野の国際競争力を強化し、その流れの円滑化を図る。さらには、ア ジアや世界との大学・科学技術・文化・スポーツ・青少年等の交流・協力を促進しつつ、国際的に活躍できる人 材の育成を進める。 13

(14)

多国籍企業をとりまく環境

アジア・中南米地域を含む新興国・途上国への我が国企業の進出が加速し、経済交流が深化す るなかで、金融危機を境にこれら新興国等が税収確保のため我が国企業に対し移転価格課税等を 強化する傾向がみられる。 【資料7】 企業の海外展開による海外市場の獲得と、その果実の国内への還流が我が国の成長に不可欠 であるなか、新興国等による上述のような動きは日本企業の円滑な海外展開を阻害するものであ り、また、我が国課税権を侵害するものでもあることから、執行の適正化、二重課税調整等が喫緊 の課題となっている。 これまで、国際課税問題の解決に向けては、二国間の通商交渉(例:日中ハイレベル協議)や租 税条約に基づく協議のほか、OECDアウトリーチの取組、PATA(環太平洋税務長官会議)、国税庁 のJICAキャパシティビルディング支援などが行われてきたが、今後新興国等が独自の基準に基づ く国際課税の執行を本格的に強化する前に、貿易投資円滑化の観点からも先進国連携を含む国 際協調を進める必要がある。 今後のマルチの取組の場として、先進国と新興国等の両方が参加国となっているAPECの場を 活用して、我が国と問題意識を共有しうる米国、カナダなどOECD加盟国と協力しながら、新興国等 へ働きかけ、国際課税問題の解決への取り組みができないか。 14

(15)

【資料7】

Unintended Technology Transfer(意図せざる技術移転)問題について

相手国企業への 技術ライセンス供与 ライセンス規制 ロイヤリティ規制 送金規制 移転価格課税 (国際的二重課税) 税還付せず 結果的に、相手国企業 への無償技術供与に 国際的二重課税  適切な対価の回収ができない結果、我が国当局による移転価格課税に伴 う国際的二重課税が発生。 相互協議の不実施・不調・難航、結果の不履行  租税条約が不在の場合、当局間による相互協議が行われず。  相互協議の不調・難航、または相手国に税還付制度そのものが不在の場 合、既に納付した税が還付されず。 ライセンス料・ロイヤリティ額の上限規制等  相手国企業(子会社)に技術ライセンスを供与するも、ライセンス料・ロイ ヤリティ額の上限規制により適切な対価の回収ができず。  相手国当局による移転価格課税(利益率が低い場合のロイヤリティ支払 の否認等)が事実上のライセンス・ロイヤリティ規制となる場合も。 送金規制  投資協定が不在の場合、配当など他の方法での回収もできず。

外国子会社への国際的二重課税が排除されず、

技術供与の対価も回収できない

15

(16)

産業界からの働きかけの重要性

○新興国の移転価格課税問題の解決に向けては、産業界から新興国政府に問題意識を伝え、働きか けることが重要。

○既に、米国産業界からは、APECにおいて移転価格課税問題に取り組むべきとの意見が表明されて いる。

◆ACHIEVING THE NATIONAL EXPORT INITIATIVE : CREATING EXPORTS AND

JOBS THROUGH TRADE

RECOMMENDATIONS FROM AMERICANS WORKING IN ASIA

(The Asia-Pacific Council of American Chambers of Commerce)

Uneven and unpredictable application of transfer pricing rules is a disincentive for global companies to share technologies and solutions across borders, as it leads to unintended technology transfers, risks of double taxation, and other costs. Transfer pricing rules, including with reference to intellectual property, transfer of rights, and services, should be made clearer through an APEC initiatives to provide greater guidance based on Organisation for Economic Co-operation and Development (OECD) norms and, as a practical capacity-building measure, incentive to train local taxing authorities in their even application.

<仮訳> ・移転価格税制の不公平で予見しがたい適用は、意図せざる技術移転、二重課税やその他のコスト が生じうるとして、多国籍企業が国境を越えて技術を共有することの阻害要因となる。 ・APECにおいてOECD基準のガイダンス提供や国税当局へのキャパシティビルディングに取り組 むことにより、無形資産、権利移転、サービス取引などを含めた移転価格ルールを明確化すべき。 16

(17)

日本の租税条約の現状

17 1 スリランカ(68) 10 パキスタン(08) 2 インドネシア(82) 11 ブルネイ(09) 3 中国(84) 12 マレーシア(10改正署名) 4 タイ(90) 13 シンガポール(10改正署名) 5 バングラデシュ(91) 14 香港(10基本合意) 6 ベトナム(95) 15 ニュージーランド(67) 7 韓国(99) 16 フィジー(70) 8 インド(06) 17 オーストラリア(08) 9 フィリピン(08) アジア・大洋州 ヨーロッパ・アフリカ 1 ルーマニア(78) 10 グルジア(94) 2 ハンガリー(80) 11 タジキスタン(94) 3 ポーランド(82) 12 トルクメニスタン(95) 4 ロシア(86) 13 ウクライナ(95) 5 ブルガリア(91) 14 アルメニア(96) 6 キルギスタン(92) 15 ベラルーシ(97) 7 ウズベキスタン(94) 16 モルドヴァ(98) 8 チェコ(94) 17 アゼルバイジャン(05) 9 スロバキア(94) 18 カザフスタン(09) 東欧・中央アジア 1 カナダ(00) 2 アメリカ(04) 3 ブラジル(77) 4 メキシコ(96) 北米・中南米 中近東 1 オーストリア(63) 10 英国(06) 2 デンマーク(68) 11 フランス(07) 3 アイルランド(74) 12 スイス(09基本合意) 4 スペイン(74) 13 オランダ(09基本合意) 5 イタリア(82) 14 ベルギー(10署名) 6 ドイツ(84) 15 バーミューダ(10署名) 7 フィンランド(91) 16 ルクセンブルク(10署名) 8 ノルウェー(92) 17 ザンビア(71) 9 スウェーデン(99) 18 南アフリカ(97) 1 エジプト(69) 2 イスラエル(93) 3 トルコ(94) 4 サウジアラビア(09基本合意) 5 クウェート(10署名) 6 UAE(交渉中) ※租税条約締結要望国 アルゼンチン、ベネズエラ、台湾、 チリ、ペルー、ボリビア、ラオス、 カンボジア、マダガスカル、 パプアニューギニア、ソロモン諸島 ※緑字の国は、租税条約改定要望国 ※地図上、青塗りの国は、租税条約発効 済み国(表上の黒字国、緑字国)

(18)

日本の投資協定の現状

18 経済連携協定 投資章 1 エジプト 1978年 1月発効 2 スリランカ 1982年 8月発効 3 中国 1989年 5月発効 4 トルコ 1993年 3月発効 5 香港 1997年 6月発効 6 パキスタン 2002年 5月発効 7 バングラデシュ 1999年 8月発効 8 ロシア 2000年 5月発効 9 モンゴル 2002年 3月発効 10 韓国 2003年 1月発効 11 ヴェトナム 2004年12月発効 12 カンボジア 2008年 7月発効 13 ラオス 2008年 8月発効 14 ウズベキスタン 2009年 9月発効 15 ペルー 2009年12月発効 16 サウジアラビア 実質合意 17 日中韓 交渉中 18 コロンビア 交渉中 19 カザフスタン 交渉中 20 アンゴラ 交渉中 21 クウェート 交渉中 PNG 交渉準備中 カタール 交渉準備中 1 シンガポール 2002年11月発効 2 メキシコ 2005年 4月発効 3 マレーシア 2006年 7月発効 4 フィリピン 2008年12月発効 5 チリ 2007年 9月発効 6 タイ 2007年11月発効 7 ブルネイ 2008年 7月発効 8 インドネシア 2008年 7月発効 9 スイス 2009年 9月発効 10 オーストラリア 交渉中 11 インド 交渉中 12 GCC 交渉中* *GCCは、「投資設立章」 投資協定 交渉検討中の国(動きがあるもの) アルジェリア、ナイジェリア

(19)

日本の社会保障協定の現状

19 発行済み又は署名済みの協定 1 ドイツ 2000年2月発効 2 イギリス 2001年2月発効 3 韓国 2005年4月発効 4 アメリカ 2005年10月発効 5 ベルギー 2007年1月発効 6 フランス 2007年6月発効 7 カナダ 2008年3月発効 8 オーストラリア 2009年1月発効 9 オランダ 2009年3月発効 10 チェコ 2009年6月発効 11 スペイン 2008年11月署名 12 イタリア 2009年2月署名 13 アイルランド 2009年10月署名 交渉中又は予備協議中のもの 1 スイス 2009年7月から協議中 2 ハンガリー 2009年11月から協議中 3 スウェーデン 予備協議中 4 ルクセンブルク 予備協議中 5 ブラジル 予備協議中 6 フィリピン 予備協議中 (厚生労働省、社会保険庁HPより作成)

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