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土 地 税 制 の 基 本 構 想 に つ い て

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(1)

しかしながら︑土地税制を検討する際には︑ややもすれば︑ ︒ 政府税制調査会の﹁土地税制のあり方についての基本答申﹂

4  3  2 

的あり方が︑あるべき姿から︑大きく歪められたりするのも止

むを得ないことかもしれません︒

このような視点から︑土地税制のあるべき姿について︑政府 税調の答申と自民党の税制改革大綱に示された土地税制の基本 的あり方を踏まえながら︑述べたいと思います︒以下︑次に掲

げる項目に従って論じたいと思います︒

租税法基本原則との整合性 土地の含み益課税 土地保有課税 土地譲渡益課税

土 地 税 制 の 基 本 構 想 に つ い て

: ' : 卜

t

9 9 9 9   9 9   9 9  

J I   I 

四 弘

11‑2 ‑347 (香法'91)

(2)

新土地保有税をめぐり︑さまざまな見解が伝えられている事 実が示すように︑政府税制調在会の﹁土地税制のあり方につい ての基本答申﹂には︑いまだに︑数多くの検討すべき課題が積

み残されているように思われます︒

政府税調の土地税制基本答中は︑新土地保有税を国税として 導入するにあたって︑まずもって︑固定資産税と特別土地保有 税の見直しをする必要があるとした上で︑両税とも土地政策上

7  6  5 

租税法基本原則との整合性

土地取得課税 土地関連節税策への対処方針 田 法 人 税 課 税 所 得 の 算 定 方 式 切 合 併 差 益

・ 減 資 差 益 等 の 取 扱

③ 株 式 譲 渡 課 税 制 度 田 株 式 評 価 を 利 用 し た 相 続 税 節 税 策 固特定現物出資の課税の特例制度を利用した節税策

⑥ 同 族 会 社 行 為 叶 算 否 認 規 定 の 運 用

⑦ 株 式 の 相 続 税 評 価 方 式 の 一 本 化

⑧株式保有会社・土地保有特定会社の認定 法人所有上地に対する相続税並課税

す ︒ 義の原則﹂の観点からの検討が欠落していると思われます︒ 自主的にその財源を調達することができるという﹁自主財政ヽモ 体が憲法上の自治権の一環として課税権をもち︑それによって 税として創設する必要があるとしています︒すなわち︑地方団 の役割・機能を期待できないとの理由から︑新土地保有税を同

国税としての新土地保有税が導人されれば︑地方自治体の基 幹的な税である固定賓産税の評価水準をますます引き上げにく くなり︑税収がほそり︑地方自治が危機に瀕することになりま 政府税調の答申は︑また︑上地保在に対する負担の公平を確

保することが新上地保有税導人の趣旨の一っであるとしていま

す︒すなわち︑土地の資産価値に担税力を認め︑税負担を求め

るものであります︒

しかしながら︑資産の保有と市町村の行政サービスとの間に

存在する受益関係に着目し︑土地の使用収益しうる価値に応じ

た負担を求める固定資産税こそ︑最も租税公平主義に合致した

ものであります︒

さらに︑政府税調の答申は︑新土地保有の土地評価にあたっ

て︑相続税評価額を採用するとしているのは︑租税法律主義の

原則からみて︑問題だと思います︒相続税財産評価に関する基

本通達は︑相続税法上の取扱いについてのみ︑慣習法と位置づ

四四

11‑‑‑2~348 (香法'91)

(3)

と言わなければなりません︒

以上のとおり︑新土地保有税の導入は︑租税法基本原則との 整合性の観点からみて︑問題があります︒

土地の含み益課税

政府税調の答申は︑土地の含み益課税の導入には︑公平性・

中立性・支払い能カ・譲渡益との調幣等の観点から︑問題があ るとしています︒しかしながら︑そもそも︑所得課税において︑

わが国の税制では︑土地の含み益にたいして課税するという建 前にはなっていません︒したがって︑上地の含み益に対する課 税のあり方としては︑財産課税という観点から検討すべき問題

土地保有税

政府税調の答申は︑地価を抑制して上地神話を打破する為に は︑土地保有に対する適正・公平な課税によって︑土地の資産 としての有利性を減殺しなければならないとしています︒そし て︑土地保有課税こそ土地税制の柱であると述べています︒

しかしながら︑固定資産税も︑特別士地保有税も七地の資産

けられるに過ぎないからであります︒

四 五

としての有利性を減殺したり︑土地保有に対する負担の公平を 確保するという機能は︑期待できません︒

他方︑上地の含み益に対する利

f

税は上地にたいする保有課

税で代替できます︒

以上の様な理由から︑新上地保有税を導人することが必要で これらの点については︑むしろ︑法人所有地にたいする相続

並課税が効果的であります︒

土地譲渡益課税

政府税調の答申は土地の価値は公共投資等により増加するか ら︑その譲渡益に対しては︑通常の所得に比べて高い負担を求 めることが税負担の公平にかなうのであり︑課税を軽課するの は問題であるとしています︒むしろ勤労所得に対する税負担と の均衡を図るため︑相当程度引き上げるべきであるといていま す︒また︑法人の上地譲渡益については︑適切な重課制度を設 しかしながら︑土地譲渡益と考口えども︑他の所得に対する課

税と公平に行う事こそ租税公平主義の原則にかなうと言うべき

であります︒また︑法人の土地譲渡益についても︑法人税の課 けることが適当であると述べています︒

あるとしています︒

11‑‑2 ‑‑‑349  (香法'91)

(4)

政府税調の答申は︑相続税課税のあり方について︑地価高騰 により資産格差が拡大している状況の中で︑相続税の資産再配 分機能を重視して検討しなければならないとしています︒すな わち︑土地の相続税評価を地価公示価格の水準にちかづけるこ とによって︑金融資産等他の資産に比べて︑高められている土 地の有利性を減殺する必要があるとしています︒特に︑農地等 についての相続税納税猶予制度や︑二

0

年営農による相続税の 免除制度は︑相続税の回避と資産の保全を図る手段として利用 されているとしています︒これらの制度は農業者と農業以外の

事業者との間で大きな不公平を招いているとしています︒

しかしながら︑以上の見解には︑相続税課税を回避するため︑

土地の所有形態が個人所有から法人の所有へと移行している実

態に対する検討が欠落しています︒

税所得計算は︑従って行わなければならないとする法人税法に照らせば︑他の所得に比して高い負担を求めてよいという理由はないというべき

です

土地取得課税

一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に

(1) 

土地関連節税策への対処方針

政府税調の答申は株式評価を利用した相続税の節税策への対 処の必要性を指摘しています︒また︑自民党の土地税制改革大 綱は特定の現物出資をした場合の課税の特例制度について︑単 なる土地保有・管理会社を設立するものや︑出資比率要件を短 期間のうちに満たさなくなるもの等︑実質的に企業分割と認め 難い現物出資を適用対象から除外するとともに︑課税繰延べ割

合を八割とする特例措置を講ずるとしています︒

そこで︑これらの節税策が何故可能なのか︑また︑これらに

どのように対処すべきかについて論じたいと思います︒

法人税課税所得の算定方式 法人税の課税所得を計算する場合には︑資本取引に基づくも

のは課税所得として計算しないこととされています︒

また︑株式の譲渡所得に対する課税や株式配当にたいする課

税については︑大変有利な優遇措置が講じられています︒

これらの措置は︑企業会計原則における剰余金区分の原則や キャピタルゲイン課税に対する税制の基本的にみて消極的な姿

勢︑さらに法人税課税は所得課税の前取りであるとするシャウ

四 六

11‑2 ‑350 (香法'91)

(5)

一九

0

年代︑アメリカでも︑日本でも︑超大型の企業合併︑

買収が相次いで起こっています︒

ある会社が他の会社の純資産に対して支配持ち分を取得する

が多発して行くものと思われます︒ ために行われる企業合併は︑まさに︑企業の買収であります︒この場合︑合併によって取得した資産および承継した負債をすべて︑公正な価額で評価しなおし︑それらの差額である純資産の額が合併会社が交付する株式によって増加する資本金および合併交付金の合計額を超える額に相当する純資産が合併差益であります︒この合併差益は資本剰余金に属します︒

また︑減資額が株式の消却または払い戻しに要した金額や欠

損の補填に当てた額を超える部分が減資差益であります︒

最近における地価高騰を背景として︑わが国でも企業の買収

いずれにしても︑法人税の

課税を受けることなく会社買収が行われることになります︒

(2)  ま 従って︑これらの優遇措置が節税策に活用されることになり

す︒

合併差益・減資差益等の取扱

プ税制の考え方を反映したものです︒

てい

ます

す ︒

株式譲渡課税制度

上場株式等を証券会社に対して︑

四 七

または︑証券会社に委託し て行う譲渡による所得については︑納税者の選択により︑二

0

パーセントの税率による源泉分離課税とすることができます︒

さらに︑株式等の譲渡による所得は譲渡代金の五パーセント相 当額として算定されますので︑結局︑株式等の譲渡代金の一パ ーセント相当額の税金を源泉分離課税課税されるだけですみま このような株式の譲渡所得課税制度を利用することによっ

て︑株式の評価制度を利用した︑行き過ぎた相続税の節税策や︑

特定現物出資の課税の特例制度を利用した節税策が可能になっ

税制改革関連法案の附則には︑﹁株式等の譲渡益にたいする所

得税の課税のあり方については︑納税者番号制度の導入問題等︑

所得把握の環境整備の状況︑最高税率の水準を含む税率構造全 体のあり方及び適切な源泉徴収制度との関連に配慮しつつ︑総 合課税への移行問題を含め︑所得税法等の一部を改正する法律

︵昭和六二年法律第九六号︶附則第五一条の規定に基づく利子

所得にたいする所得税の課税のあり方の見直しと併せて見直し

を行うものとする︒﹂との規定が設けられています︒

(3) 

11‑‑‑2 ‑‑351 (香法'91)

(6)

する

︒ 値上がりしている株式を負担付き贈与して贈与税を節税

I

場合︶ことより︑

その評価額を大幅に圧縮する︒純資産価額方 の株式評価について︑類似業種比準方式を適用する

ロ ま 株式評価制度を利用した次のような相続税節税が行われてい

す︒

得し

に引き下げる︒ イ す ︒

行き過ぎた節税策をその人り口で防止するためにも︑株式等 の譲渡益にたいする源泉分離課税制度の再検討が必要でありま

会社がそのオーナーの相続開始直前に借入金で土地を取 その会社の株式評価額︵純資産価格方式による︶を大幅 個人所有の土地を現物出資して会社を設立し︑

式でも圧縮出来る︒

④ 株 式 評 価 制 度 を 利 用 し た 相 続 税 節 税 策

︵ その会社

大会

社の

大量に保有する上場株式を自己が支配する会社に移転さ せて保有し︑その株式の評価を︑持株会社が営む業種に類似す る類似業種比準方式を適用して︑その評価額を大幅に引き下げ 以上の様な相続税の節税策に対処するため︑平成二年八月三 る ︒

る子会社が現物出資された資産を親会社の帳簿価格以下の金額

⑤ 特 定 現 物 出 資 の 課 税 の 特 例 制 度 を 利 用 し た 節 税 策

日付で︑相続税財産評価に関する基本通達の一部改正が行われ︑

株式および出資の評価の適正化が図られました︒

しかしながら︑相続税財産評価に関する基本通達の一部改正 は︑地価の異常な高騰によって表面化した︑土地︑株式および 出資に関する相続税評価制度の問題点を抜本的に改正しないか ぎり︑相続税の節税策に十分対処しうるものとはなり得ないと

思います︒

すな

わち

︑ まず︑地価の異常な高騰によって法人が土地を所 有することが︑上地に対する相続税を免れる為にも︑その法人 の オ ー ナ ー が 所 有 す る 株 式 の 相 続 税 評 価 額 を 節 減 す る た め に も︑極めて有利な制度となっている点を是正する必要がありま そこで︑法人に対しては相続税並課税が︑法人のオーナーに す ︒

対しては︑その所有する株式の相続税評価方式の一本化を検討

することが必要となってきます︒

各種の事業を行っている法人が︑

品を製造している部門を分割して︑

その事業のうち︑特殊な製 子会社を設立することが多 くみられるようになりました︒この場合︑分割により設立され

四八

11‑2~-352 (香法'91)

(7)

これらの特例制度を利用して︑単なる土地保有・管理会社を 設立したり︑出資比率要件を短期間のうちに満たさなくしたり するなど︑実質的にみて企業分割と認められないものが多く見

られ

ます

同族会社行為計算否認規定の運用 ︒ 法人税法第一三二条︵同族会社等の行為又は計算の否認︶の 規定の適用が︑会社間の合併行為について︑なされた判決が注

H

されます︒すなわち︑広島地裁昭和六

0

年︵行ウ︶第一五号 法人税更正処分等取り消し並びに裁決取り消し請求事件︵平成

二年一月二五日判決︶についての判決がこれにあたります︒

この判決によれば︑﹁逆さ合併﹂は特段の事情のない限り︑経

(6) 

られることになります︒ に

つい

ても

︑ 一定要件に該判する限り︑圧縮記帳の適用が認め

で受け入れる場合に限り︑親会社はその子会社の株式の圧縮記 帳が認められます︒したがって︑親会社が株式を圧縮記帳した 場合には︑現物出資した資産の譲渡益と株式の圧縮損とが相殺

され︑課税されないことになります︒

また︑予め金銭出資により子会社を設立したのちに︑資産を 譲渡する形で現物出資するという﹁変態現物出資﹂の方法によ り︑子会社を設立することが非常に多く行われています︒これ

四 九

例を踏まえ︑土地関連節税策にたいする具体的な対処方針を検 ものではないとしています︒ 為計算の否認は課税手続き 三二条の規定を適用しています︒そうして︑この規定による行 済人の行為としては不合理︑不自然とした上で︑法人税法第一

L

のものにすぎないので︑この規定 は合併等の組織行為には適用されないと解さなければならない

所得税法第一五ヒ条︵同族会社等の行為又は叶算の否認︶

の 規定が適用されて︑同族会社とその同族会社の社長個人との間 で行われた土地取引の譲渡価格は︑自由市場において成立する 客観的な価格とは認められないとされた判決があります︒すな わち︑大阪地裁昭和六二年︵行ウ︶第四七号処分の取消請求並 びに裁決の取消請求事件︵昭和六三年︱一月二九日判決︶の判 決であります︒この判例では︑本件土地の時価を相続税評価額

の二倍とすべきであるとする主張は採用されませんでした︒

相続税法第六四条︵同族会社の行為又は計算の否認︶の規定 を適用した浦和地裁昭和五四年︵行ウ︶第

4号相続税更正処分 等取消請求事件︵昭和五六年二月二五日判決︶の判例がありま

す︒この判例によれば︑被相続人である同族会社の社長個人が︑

その同族会社に対する貸金等の債権を免除した行為は︑否認の

対象にならないとされました︒

以上のような同族会社の行為計算否認規定の運用にかかる判

11‑‑2 353 (香法'91)

(8)

小会社 中会社 大会社

ロ イ

す ︒

討すべきであります︒

平成二年八月三日付の相続税財産評価に関する基本通達の一 部改正によって︑株式保有特定会社や土地保有特定会社の株式 の 評 価 を 純 資 産 価 額 方 式 に 一 本 化 す る 方 向 が 打 ち 出 さ れ ま し

こ ︒

ここで︑株式の相続税評価方式について︑

を説明する必要があります︒

① 株 式 の 相 続 税 評 価 方 式 の 一 本 化

そのアウトライン その株式が上場されている証券取引所の公表する金額に 上場株式

よって評価します︒

気配相場のある株式 日刊新聞に掲載されている︑その株式の取引価格と類似 業種比準方式による価額との平均額によって評価します︒

取引相場のない株式 そ の 会 社 規 模 に 応 じ た 原 則 的 評 価 方 式 は 次 の と お り で 類似業種比準方式

類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式 純資産価額方式

以上のように︑株式の相続税評価方式が

5

通り以上にも及ん でいるため︑有利な方式を求めることによって︑土地関連の節 税策が行われることになります︒したがって︑株式の相続税評

株式保有特定会社・土地保有特定会社の認定 株式保有特定会社や上地保有特定会社については︑相続税財 産評価に関する基本通達の一部改正︵平成二年八月三日付︶に よって︑その株式および出資の評価の適正化が図られました︒

しかしながら︑これら﹁特定の評価会社﹂の認定を更に強化す る必要があります︒そうして︑純資産価額方式による株式の評

価を一層拡大しなければなりません︒

土地税制改革の柱である地価税法が成立しました︒地価税法

では︑税率は

O ・

三%︵平成四年

0

・ニ%︶と低率であり︑課 税価格から控除される基礎控除の金額は︑資本金一億円超の法

人の場合一

0

億円︑個人および資本金一億円未満の法人の場合 一五億円と高額となっています︒私は法人に対して相続税並課

税が行われていないことが︑租税公平主義と租税の中立性を大

7

法人所有土地に対する相続税並課税

(8) 

価制度の抜本的な検討が不可欠となります︒

五 〇

11‑‑2 ‑‑354 (香法'91)

(9)

法人税の課税所得を計算する場合︑資本取引に基づくものは

m

法律の施行日は法律の公布日から数年後とする︒

, '

︐ 

9 9

 

る︒

りで

す︒

租税公平主義と租税の中﹂1

性がすっきりした形で貫徹さ

ても

すむ

(8)  (7) 

土地関連節税策に対して︑最も効果的に対処できる︒

', J 

る︒ 株式の相続税評価方式の一本化の必要性も︑ , ̲

'  

法 人 の 土 地 譲 渡 益 に つ い て 重 課 制 度 を 設 け る の は 租 税 公

平主義の原則からみて問題である︒

固 土 地 の 相 続 税 評 価 額 と 時 価 の 金 額 と の 蕗 差 が 土 地 税 制 を 大きく歪める原因となっているが︑両者を一致させること

は事実上不可能であり︑

また

︑ すべきでもない︒相続税の 資産再配分機能をこれ以上強化するのは︑法人所有土地と

のアンバランスを高めるだけである︒

実務

t

困難な同族会社行為叶算否認規定の適用をしなく

れることを理由に︑上記のようなわが国の税制の基本的な性格

され

ます

法人所有上地に対する相続税並課税の構想の骨格は次のとお 映したものであります。要するに、資本主義経済のキー・ワ— 士地保有税は固定資産税で十分である︒ 99J

べきである︒  

土地の含み益に対する課税は財産課税の観点から検討す て問題がある︒ きく阻害していると考えます︒以下︑

~J

一挙に解消 その理由をのべます︒

地価税は自主財政主義の原則等︑租税法基本原則からみ

課税所得として計算しないこととされています︒また︑株式の 譲渡所得に対する課税や株式配当に対する課税については︑大 変有利な優遇措置が講じられています︒これらの措置は︑企業 会計原則における剰余金区分の原則やキャピタル・ゲイン課税 に対する税制の基本的にみて消極的な姿勢︑さらに︑法人税課 税は所得課税の前取りであるとするシャウプ税制の考え方を反

ドとも言うべき株式会社の活動を活発化することが︑資本︑玉義

経済すなわちわが国の税制の基本的性格の骨格を形成していま す︒したがって︑これらの優遇措附が卜地関連節税策に活用さ

を変えようとするのは︑本末転倒の議論と言うべきです︒

諸外国における土地税制についてみると︑イタリアの土地増 価税制度︑西独の財産税︵州税︶制度︑韓国の士地超過利得税 制度等が注目されます︒西独の財産税は︑国内及び国外に所在

するすべての財産価額︵金融資先を含む︒︶から債務を控除した

金額に対し、個人の場合0•五%、法人の場合0・バ%で課税

11‑ 2 ‑‑355 (香法'91)

(10)

厚生省 国税庁 O

EC

田中二郎 大蔵省経済企画庁 自治省

②当該法人の純資産価額の範囲内で課税する︒この場合︑

純資産価額の計算は︑相続税における取引相場のない株式

の評価方式である純資産価額方式による︒

③当該法人の所有土地に起因しない純資産価額は課税対象 とし ない

法律の施行日迄の間に行われる︑法人の宅地供給等の為

の土地の譲渡所得に対する課税を︑思い切って軽減する︒

市街地価格指数

﹁国 民経 済計 算︵ 六0 年基 準︶

﹁国 際比 較統 計﹂

B

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﹁固定資産の価格等の概要調書﹂

﹁法 人企 業統 計﹂

﹁国 民生 活白 書﹂

R

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UE

ST A 

TI

S  T

IC

S

﹁会社標本調査結果報告﹂

﹁人 口動 態統 計﹂

アメリカ 日本銀行飯野利夫

吉川弘人

奥村宏

閻日本不動産研究所

経済企画庁 吉川弘人

六頁

‑ 0

月 ︶

前川尚芙︑杉原正純 税制調査会土地税制のあり方についての基本答申︵平成︱︱年九頁

︵参

考文

献︶

吉川弘人 田中二郎

(4) 

金子宏 閣議決定

‑0│︱八頁 国税庁農林水産省統計情報部自由民主党﹁土地税制改革大綱︵平成二年︱二月︶

平成

︱︱ 一年 度税 制改 正の 要項

︵平 成三 年一 月︶

地価税法︵平成三年五月二日法律六九号︶

吉川弘人

﹁国 税庁 統計 年報 書﹂

﹁ 農 林 水 産 統 計 平 成 二 年 版 ー

﹃租税法︵第二版︶﹄八六頁︑七0頁

﹃租税法︵第三版︶﹄八一頁

﹁株式評価を利用した相続税の節税策に対する措置

とその背景﹂法令ニュース平成二年︱一月号︵此五一四︶三

﹃地方税︹各論

I I ︺

﹄三 頁

﹃税 法と 重要 判例

﹄︱ 10 四︑ ニニ

︱‑

︱︱ 六一

︑ 五

﹃財務会計論[改訂版二二│了凡

﹃税法と重要判例﹄八九10二10八頁

﹃企 業買 収│ ーー

M&A

の 時 代

﹁有価証券譲渡課税制度の改正と今後の検討課題﹂

法令ニュース平成三年三月号︵此五一八︶五四頁

﹃租税法︵第三版︶﹄四八二頁

吉川弘人﹃税法と重要判例︵新版︶﹄七三三頁﹁法人の最低資

本金制度の導入と法人税等をめぐる当面の諸問題とその対応

11  2~356 (香法'91)

(11)

MI CH AE L 

J. 

GR AE TZ  

TA

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﹄五七五頁

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N﹄六六四頁 AND 

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XA

TH

IR

九頁 吉川弘人伊藤厚広

﹃税法と重要判例﹄四

0

九頁︑三七五頁

﹃株式・公社債評価の実務︵平成二年改訂新版︶﹄三

日 ︶ ﹄

一三 三頁

ぐる諸問題﹂﹃香川法学第一巻第一号︵平成三年四月一〇 吉川弘人﹁逆さ合併と合併赤字会社の繰越欠損金の控除をめ ース平成三年五月号

( N o 五二

0 )

0

頁 吉川弘人

策 商 法 等 の 一 部 改 正 に ど う 対 応 す べ き か ー

︑ 七 三 八 頁

﹁土 地税 制の 基本 的あ り方

﹂︑

益及び相続税課税のあり方﹂

七六

0

頁﹁土地税制と土地譲渡

諸問題とその対策﹂法令ニュース平成三年四月号︵兄五一九︶

﹁土地税制の基本的あり方と地価税法案﹂法令ニュ 三八頁 吉川弘人﹁最低資本金制度の導入と法人税等をめぐる当面の

11‑2 ‑357 (香法'91)

参照

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