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アステラスのAccess to Healthへの取り組み

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(1)

アステラスの

(2)

アステラスのAccess to Healthへの 取り組み

 アステラスは、

「先端・信頼の医薬

で、世界の人々の健康に貢献する」こ

とを経営理念に掲げています。これ

に基づき、自社の強みや資産、そして

パートナーシップを活用し、治療満

足度の低い疾患領域で革新的な新

薬を開発する本業を通じた活動に

加え、医療水準の向上が必要とされ

る国々でさまざまな支援活動を行う

ことを通じて、Access to Healthに貢

献することを「Access to Health ミッ

ションステートメント」として明記し

ています。

 開発途上国の医療水準の向上を

支援するため、2012年より「顧みら

れない熱帯病(NTDs)」を対象とし

た創薬に取り組んでいるほか、住血

吸虫症治療薬の小児製剤開発に参

画しています。

 NTDsとは、熱帯地域、貧困層を中

心に蔓延している寄生虫や細菌・ウ

イルスによる感染症です。世界保健

機構(WHO)が焦点を当てている

NTDsの17の疾患群だけで10億人以

上が感染していると言われますが、

市場性の面などから企業の創薬研

究の対象になっていませんでした。

  また、アステラスは、2012年11月

に設立された一般社団法人グロー

バ ル ヘ ルス 技 術 振 興 基 金(GHIT

Fund)に参画しました。GHIT Fund

は、日本政府、民間企業、ビル&メリ

ンダ・ゲイツ財団による官民パート

ナーシップとして、共同設立されまし

た。この組織の設立は、開発途上国

に蔓延する感染症に対する新しい

医薬品やワクチンの研究開発および

製品化の促進を目的としています。

製薬企業や学術・研究機関が有する

高い科学技術に基づく新薬開発に

よって、グローバルヘルスに対する国

際貢献を強化することを目指してい

ます。

アステラスの強みやパートナーシップを活用し、オープンイノベーション型の

創薬アプローチにより世界の保健医療(グローバルヘルス)の課題を解決していきます。

Access to Health

(保健医療へのアクセス問題)

に対する考え方

 当社の代表取締役会長の野木森雅郁は、研究開発型の製薬企業および製薬協会が 加盟する国際製薬団体連合会(IFPMA)において、2010年11月から副会長を務めていま す。野木森は国際機関や各国政府、関係NGOを訪問し、グローバルヘルスをはじめとす る製薬産業が貢献できる課題について、意見交換を重ねています。こうした野木森の活 動は、アステラスのAccess to Healthの取り組みにも生かされています。

当社会長の野木森は、IFPMA副会長としてグローバルヘルスに関わる対話を

積極的に行っています。

Column

(3)

 アステラスは2012年6月から11月の 間に、NTDsのうちリーシュマニア症、 シャーガス病、アフリカ睡眠病の3つの 寄生虫症について、日本の5つの研究 機関および国際NPOとの創薬共同研 究契約を締結しました。  この研究では、情報系および医学系 研究者のオープンイノベーションによ り、いくつもの最先端のアプローチを用 いて創薬に挑んでいます。  また、この取り組みを通じてiNTRODB※ と呼ぶ創業研究向け統合型データ ベースが開発され、公開されました。  iNTRODBは、寄生原虫に関する生命 科学情報を網羅的に統合し、治療薬の 標的となる分子や、薬剤候補化合物の 情報などを効率的に抽出できるデータ ベースです。世界中の研究者が自由に アクセスできることから、世界のNTDs 研究の加速が期待されます。  2013年3月には、デングウイルス感染 症についても、東京工業大学、長崎大 学と創薬共同研究を開始しました。  住血吸虫症は、開発途上国を中心 に毎年2億4,300万人以上の人々が感 染しています。適切な治療を受けない 場合、貧血や成長阻害などを引き起こ し、命にかかわることもあります。  この疾患には就学前児童も多く感 染していますが、現在、薬物治療に用 いられているプラジカンテルは、成人 および6歳以上の児童を対象とした 錠剤のみであり、6歳未満の最も脆弱 な子供たちが、錠剤の大きさや有効成 分の苦味のため、服用できないことが 問題となっています。  2012年7月、アステラスはプラジカン テルの小児用製剤開発のための国際 的な官民パートナーシップに参画しまし た。自社の世界最高水準の製剤技術を 駆使し、薬の大きさ、苦みの低減、高温 多湿環境下での安定性等が考慮され るとともに、効率的な生産が可能とな る製剤の開発にチャレンジしています。

「顧みられない熱帯病(NTDs)」に対する創薬共同研究の取り組み

アステラスのAccess to Healthへの 取り組み

※iNTRODB: Integrated Neglected TROpical disease Data Base

取り組み事例

抗寄生虫薬探索のための創薬推進体制

※1 D N D i : 熱帯病の治療薬の研究開発を行うスイスの 非営利組織 ※2  IT創薬: 東京工業大学のスーパーコンピューターを活 用したインフォメーションテクノロジー創薬 ※3  FE創薬: アステラス独自のリード化合物設計手法 Fragment Evolution創薬 東京大学 産業技術 総合研究所 高エネルギー加速器 研究機構 長崎大学 アステラス製薬 東京工業大学 IT創薬※2 FE創薬※3 自社化合物 ライブラリー NTDs 化合物の 可能性を評価 ※ 1

住血吸虫症治療薬の小児用製剤開発

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 開発途上国の貧困層・遠隔地を中 心に蔓延する寄生虫、細菌、ウイルスな どによる感染症は、健康を脅かし、地 域社会を含めた貧困の蔓延と長期化 の原因となっている。これらの感染症 の多くは世界からあまり関心を向けら れず、十分な対策がとられてこなかっ たため、「顧みられない熱帯病」(NTDs: neglected tropical diseases)と い わ れる。世界保健機関(WHO)が焦点を 当てている17のNTDsは、現在149の国・ 地域で流行しており、少なくとも100の 地域で2つ以上、30カ国で6つ以上の疾 患が蔓延している。  近年、社会・経済活動のグローバル 化に伴いNTDsの感染地域の拡大に注 意が向けられる一方、貧困や医療シス テムの不備のため患者の多くが必要な 医療を受けられない、あるいは治療薬 が入手できない状況に置かれている。 同時に、NTDsの中には効果的で安全 に使用できる治療薬が存在しない疾 患があるという問題がある。  開発途上国における経済発展の足 かせともなっているNTDsは、グローバ ルヘルスにおける重要課題となってい る。NTDsには国際機関・政府・専門家・ 製薬会社・NGOなどの連携した対応が 求められる。 社会・経済活動が地球規模で展開する今日、世界の保健医療、いわゆるグローバルヘルスの直面する課題への取り組みが日 本でも積極的に進められている。2012年に発足した、国内5つの研究機関、国際NPO法人とアステラス製薬がパートナーシッ プを結んで展開する「顧みられない熱帯病(NTDs)創薬研究コンソーシアム」もその1つである。 今号から6回にわたり、現在、有効で安全な治療薬の存在しないNTDsの創薬に意欲的に取り組む本コンソーシアムの活動を 紹介する。第1回となる今号では、その目的や意義などについて、本コンソーシアムに参加するアステラス製薬のメンバーに聞 いた。また、日本における寄生虫感染症研究の第一人者の1人であり、本コンソーシアムの研究全体のとりまとめにあたられる 東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻生物医化学教室教授 北 潔氏にもお話しいただいた。

オールジャパンでNTDs創薬に挑む

NTDs(顧みられない熱帯病)に挑む産・学・官・NPOのグローバル連携

NTDsに対する創薬研究について、Astellas Squareに掲載された紹介内容を一部抜粋してご紹介します。

れまで十分な対応が

なされてこなかった

「顧みられない熱帯病」

NTDs創薬コンソーシアムで創薬の対象とする4つの疾患

原因寄生虫はトリパノソーマ科原虫で、サシ チョウバエ(写真)が媒介。感染する原虫の 種類により皮膚リーシュマニア症、内臓リー シュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症の 3つの病型を示す。アジア、アフリカ、中南米 を中心に98カ国で発症が認められる。現在 の治療法は、薬剤投与の困難さ、毒性、コス ト面などで問題があり、薬剤耐性も深刻化 している。

リーシュマニア症

合い言葉は

Open Innovat

ion

ⒸProf. Frank Hadley Collins, Dir., Cntr. for Global Health and Infectious Diseases, Univ. of Notre Dame

原因寄生虫はトリパノソーマ科原虫。サシガメ科の昆虫(写真)の糞により 感染する。主にラテンアメリカに常在し、近年では北米、欧州、西太平洋にも 輸血などにより患者がみられる。原虫 は初期には血中に存在し、発熱、リン パ節の腫脹などを認める。慢性期に は心臓や消化器の筋肉内に障害を与 え、心疾患などが進行、突然死をきた すことがある。現在の治療法は安全 性、有効性に問題がある。

シャーガス病

ⒸCDC

1

(5)

 こうした中、いまだ満たされない 医療ニーズ(アンメットメディカルニー ズ)の充足に積極的に挑戦し、世界の 患者さんに新薬を提供することでグ ローバルヘルスの向上に貢献するべ く、「顧みられない熱帯病(NTDs)創 薬研究コンソーシアム」が発足した。 本コンソーシアムは、東京大学、東京 工業大学、長崎大学、高エネルギー 加速器研究機構、産業技術総合研究 所と、スイスに本部を置くNPO法人 DNDi、そしてアステラス製薬で構成 され、NTDs治療薬の発見をめざした 共同研究を進めている。  NTDsの中からリーシュマニア症、 シャーガス病、アフリカ睡眠病、デン グ熱/デング出血熱の4つの疾患を 創薬の対象としていることと、オープ ンイノベーション型の共同創薬アプ ローチを採用していることの2点が本 コンソーシアムの特徴である。  創薬共同研究の対象とする4疾患 の選定にあたり大きな決め手となっ たのは、アンメットメディカルニーズの 大きさと、パートナーシップを結ぶこ とのできる専門家の存在であった。  アステラス製薬研究本部熱帯感染 症研究チーム(以下、研究チーム)の リーダー 鈴木 弘は、対象疾患選定の 経緯について、「私どものアステラス製 薬研究本部は医薬品に成長すると期 待される化合物、すなわち “薬の種” を見つけ出すことを使命としていま す。そこで新しい薬剤が求められてい る疾患という観点から検討を進めま した。具体的には、患者さんの多さと、 効果と安全性の確保された治療薬が 既にあるかどうかという点です。さら に、NTDs創薬共同研究にパートナー として連携し、“薬の種”を臨床開発に つなげ、患者さんのもとに届けるとい う最終目標に向け協働してもらえる 専門家が存在するか否かも、疾患選 定の重要な基準でした」と語る。  こうして、現在、有効な治療薬の存 在しないリーシュマニア症、シャーガ ス病、アフリカ睡眠病と、NTDsの中で 唯一患者が増大し続け、治療薬も存在 しないデング熱/デング出血熱の4 疾患が、創薬共同研究のターゲットと なった。  本コンソーシアムに参画する各研 究機関は、IT技術を活用したNTDs創 薬のためのデータベースの設計・開発・ 運用、創薬標的分子の評価、立体構造 や低分子量のフラグメントを活用した

ンメット

メディカルニーズに

応えるために

薬のニーズが高い

4つの疾患が

創薬のターゲット

“オ

ープンイノベーション”

が、研究者らの意欲と

情熱をいっそうかきたてる

原因寄生虫はトリパノソーマ科原虫(写真)で、ツェツェバエが媒介。原虫は 初期には皮下組織、血液、リンパ内で増殖し、全身症状を発現。さらに中枢 神経系に侵入し、神経障害、睡眠障害 が発症し、高い頻度で死に至る。ツェ ツェバエの生息するサハラ砂漠以南 36カ国でのみみられる。現在ある治 療法には毒性や薬剤投与の困難さ、 安全性、有効性に問題がある。

アフリカ睡眠病

ⒸCDC/ Dr. Mae Melvin デングウイルスの感染症で、主にネッタイシマカ(写真)によって媒介される。 非致死性の熱性疾患であるデング熱 と、重症型のデング出血熱の2つの病 態がある。媒介する蚊の生息する熱 帯・亜熱帯地域、特に東南アジア、南ア ジア、中南米、カリブ海諸国で認めら れるが、アフリカ、オーストラリア、中国、 台湾でも発生している。有効な治療 薬は存在しない。

デング熱/デング出血熱

ⒸProf. Frank Hadley Collins, Dir., Cntr. for Global Health and Infectious Diseases, Univ. of Notre Dame

(6)

薬物設計、薬効評価、病原体に対する 効果の確認など、それぞれが専門の役 割を担いながら、情報を共有する。  「通常、製薬会社で創薬研究に取り 組むときは対象疾患ですらオープンに しません。しかし、このコンソーシアム では、対象疾患はもちろん、共同研究 の中で得られた情報は全て共有しディ スカッションします。情報をオープンに することで、より円滑な連携が促され、 研究のステップアップにつながるとい うメリットを感じています」(鈴木)。本 コンソーシアムが採用するオープンイ ノベーション型の共同創薬アプローチ は、NTDs治療薬の開発という新たな挑 戦に適合した研究手法と考えられる。  研究チームで情報科学と立体構造 解析の領域を担当する折田正弥は、 「今や “創薬は情報との闘い”といえ ます。ですから、ITは創薬に欠かせな い技術です。医学薬学分野とは異なる 分野の専門家の方々との交流に若干 の戸惑いを感じつつも、それ以上に新 しいことを知る喜びのほうが大きい と感じています」と語る。  この発言に現れているように、研究 チームの各メンバーの言葉に、組織の 枠組みを超えた取り組みがよい刺激 となり、夢と希望をもって日々の研究 に邁進している様子が伝わってくる。  本コンソーシアムは、アステラス製 薬にとってグローバルヘルスに貢献す る新たな第一歩と位置づけられてい る。「NTDs治療薬の開発は、世界が抱 える保健医療の大きな課題の解決に つながります。また、製薬会社としての 社 会 的 責 任(CSR:corporate social responsibility)を果たすという意味で も、長期的な視野をもって本コンソー シアムに取り組んでいきたいと考えて います」と、同社経営企画部CSRグルー プリーダー 知原修は本コンソーシア ムへ期待を寄せた。  本コンソーシアムで研究全体のとり まとめにあたられているのが、東京大 学大学院の北 潔氏である。  北氏は、「創薬に実績をもつ製薬企 業がグローバルヘルスに目を向け、 全く異なる分野の先端技術と共同し て、日本にはない疾患の治療薬を開 発しようと取り組む姿勢は非常にう れしく、大きな期待をもっています」と 毎月定例で開催される本コンソーシアム分科会に参集した東京大学大学院(北 潔氏、稲岡 健 ダニエル氏)・東京工業大学 (秋山 泰氏、関嶋政和氏、石田貴士氏)とアステラス製薬研究本部熱帯感染症研究チームのメンバー

期的な視野に立って

グローバルヘルスの

課題に取り組む

研究機関が専門技術を

提供し合い、一丸となって

創薬という共通の

目標に向かう

(7)

述べ、専門技術を提供し合い、一丸と なって創薬という共通の目標に向か うことができる枠組みの意義を高く 評価した。さらに、この取り組みのコン セプトそのものが、新しい創薬のモデ ルとして非常に大事な試みであること を指摘し、今回、創薬の対象として選 ばれたNTDs 4疾患の治療薬にとどま らず、がん治療薬をはじめ様々な分野 の創薬に波及する可能性も示唆した。  北氏は、今回の取り組みが創薬の 実用化に向けて、大きな弾みとなる であろうと強調する。「どんなによい “seeds” があっても、それを世の中で 役立つものにするためには、実用化の ための道筋を作っていくことが不可 欠です。つまり、アカデミア創薬を臨 床につなげる体制が重要なのです。本 コンソーシアムにはその役割を果たせ るメンバーが揃っています」。  薬剤開発の豊富な実績をもち、グ ローバルな活動を展開するアステラ ス製薬と共に本コンソーシアムを進 めることで、実用化への道がより現実 味を帯びたものとなる。  「この地球に生まれてきた子どもが みな天寿を全うできる世界になること を願いつつ、本コンソーシアムの取り 組みを国際的な評価に値する水準に まで高めていきたい」と、北氏は将来 への抱負を語り、締めくくった。 北 潔氏(東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻生物医化学教室教授)

カデミアから

実用・臨床へ――

橋渡しをする

体制の整備が重要

NTDs創薬研究コンソーシアムの全体像

国内5つの研究機関、国際NPO法人とアステラス製薬が連携し、創薬の標的候補を絞り込み、先端的アプローチでNTDs治療薬の 早期創出をめざす

DNDi

産業技術 総合研究所 高エネルギー 加速器研究機構 長崎大学 アステラス製薬 熱帯感染症研究チーム 東京大学 標的候補の探索 FE創薬 IT創薬 アステラス 化合物ライブラリー NTDs化合物の可能性を 評価するスイスのNPO法人 東京工業大学

・I T創薬とは…スーパーコンピューターと最先端のIT技術を活用したインフォメーションテクノロジー創薬 ・FE創薬とは…Fragment Evolutionというアステラス独自のリード化合物設計手法を活用した創薬

■ 共同研究の体制    抗寄生原虫の創薬:東京大学、東京工業大学、長崎大学、高エネルギー加速器研究機構、産業技術総合研究所、アステラス製薬    抗デングウイルスの創薬:東京工業大学、長崎大学、アステラス製薬 2013年8月、内閣府による第11 回産学官連携功労者表彰におい て、東京工業大学と東京大学、ア ステラス製薬の3機関が共同開発 した世界初の顧みられない熱帯感 染症創薬研究向け統合型データ ベース『iNTRODB :Integrated Neglected TROpical disease DataBase』が、厚生労働大臣賞 を受賞しました。

(8)

2

 NTDs創薬研究コンソーシアムでは、専 門分野を異にする領域の研究者・専門家 が結集し、それぞれの専門性を駆使して4 つの疾患の創薬研究に挑んでいる。早期 の創薬の実現をめざし、「標的候補の探 索」と「化合物の探索」の2つの柱でアプ ローチしている(図1)。  「標的候補の探索」では、生物学のデー タ・知見を情報科学の手法で解析するバ イオインフォマティクス(bioinformatics)に 基づき、治療薬の標的分子候補を探索し て複数の創薬標的タンパク質を選定する。  一方、「化合物の探索」には、①IT創薬、 ②FE創薬、③アステラス製薬が保有する 化合物ライブラリー、の3つの先端的アプ ローチで取り組む。IT創薬では、創薬標的 タンパク質の三次元構造をスーパーコン ピューターで解析し、活性のある化合物 を選び出すインシリコ(in silico)スクリー ニングと、ロボットを用いて自動的に高速 で化合物を評価するハイスループットアッ セイを用いる。in silicoとは、in vivo(生体 内)やin vitro(試験管内)などに対応し て作られた用語で、“計算機(シリコンチッ プ)内” を意味する。FE創薬は、アステラ ス製薬が開発した独自の薬物設計法で、 Fragment Evolutionの略である。アステ ラス製薬が保有する化合物ライブラリー を活用して、フラグメントと呼ばれる低分 子化合物の中から創薬標的タンパク質と 結合し得るフラグメントヒットを探し出す。  続いて、X線結晶解析によりフラグメン トヒットと創薬標的タンパク質の結合様 式の解明を進め、新薬候補として複数の リード化合物を選び出し、新たな治療薬 の開発を進める。  こうした一連の創薬研究を、デング熱/ デング出血熱の治療薬については長崎大 学・東京工業大学・アステラス製薬、トリパ ノソーマ科原虫による感染症(リーシュマ ニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病)の 治療薬は東京大学・東京工業大学・高エ ネルギー加速器研究機構・産業技術総合 研究所・アステラス製薬の研究体制で、そ れぞれ取り組んでいる。  本コンソーシアムにおいて東京大学は、 抗寄生原虫薬に関する豊富な知識・知見に 基づき、トリパノソーマ科原虫による感染症 の治療薬の開発研究のための標的候補・ 開発途上国の熱帯地域を中心に蔓延する寄生虫、細菌、ウイルスなどによる感染症の多くは、これまで関心を向けられる ことがほとんどなく、予防・治療にも十分な対策がとられてこなかった。そのためこれら感染症は、「顧みられない熱帯病」 (NTDs:neglected tropical diseases)と呼ばれる。その中の4疾患(リーシュマニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病、デン

グ熱/デング出血熱)に着目し、治療薬の開発に取り組むNTDs創薬研究コンソーシアムは、オープンイノベーション型の共 同研究を展開している。2013年8月、日本で、シャーガス病感染者が献血した血液が製剤に用いられたというニュースが報じ られた。社会経済活動がグローバルに展開する中、NTDsにも国境はないことを改めて実感する事件である。今号では、本コ ンソーシアムにおいて研究全体をとりまとめつつ、主に創薬標的の評価・検証を担う東京大学大学院医学系研究科国際保健 学専攻生物医化学教室教授 北 潔氏に、共同研究における同大学の役割や研究の到達点などについてお話しいただいた。

地球レベルで用いられる

感染症の治療薬を日本から発信する

NTDs(顧みられない熱帯病)に挑む産・学・官・NPOのグローバル連携

“縁

の下の力持ち”として、

優れた技術と豊富な経験で

創薬の一連の過程を支える

り高い専門性と

幅広い視野で取り組む

ことをコンセプトに

東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻生物医化学教室教授 

北 潔

●公開情報を対象としたスー パーコンピューターを用いた データマイニング ●ゲノム情報、タンパク質の立 体構造、抗寄生原虫化合物 の情報などをデータベース化 ●寄生原虫タンパク質の三 次元構造解析 ●遺伝子工学的手法、生化 学的手法を用いた標的候 補分子の妥当性の検証 ●市販化合物を対象とした スーパーコンピューターを 利用した スクリー ニングで新規の抗寄生原 虫化合物・抗デングウイ ルス化合物を探索 ●ロボットを用いた高速化 合物評価系ハイスルー プットで化合物を評価 ●アステラス製薬の化合物 ライブラリーを活用し、フラ グメントヒットを探索 ●フラグメントヒットの標的 分子の結合様式の解明 ●フラグメントの活性向上 ●抗寄生原虫活性をもつ 化合物の探索 ●抗デングウイルス活性を もつ化合物の探索 標的候補の探索 化合物の探索 複数の創薬標的タンパク質の選定 複数の化合物の選定 複数のリード化合物(新薬候補化合物)の選定 NTDs治療薬の創出 アプローチ の種類 主な方法 IT創薬 FE創薬 化合物ライブラリーアステラス製薬の 図1  NTDs創薬研究コンソーシアムにおける創薬研究の2つのアプローチ (資料提供:北 潔氏)

合い言葉は

Open Innovat

ion

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化合物の探索・検証・評価にかかわり、“縁の 下の力持ち”として研究全体を支えている。  トリパノソーマ科原虫による感染症の うち、アフリカ睡眠病を例にトリパノソー マ科原虫の生活環をみると、予防のため のワクチンや治療薬の開発が困難を極め ることが実感できる。  アフリカ睡眠病の原因寄生虫アフリ カ・トリパノソーマ(Trypanosoma brucei gambiense)の 生 活 環 は 複 雑 で、宿 主 (ツェツェバエ、ヒトなどの哺乳類)内で変 態を繰り返し(図2)、これに伴いミトコンド リアの構造と機能も大きく変化させる。ま た、原虫体表面を覆う糖タンパク質の組成 を少しずつ変え、宿主の免疫系からの攻 撃を巧妙に回避する。これは、それぞれの 疾患に対する有効なワクチンはいまだ得 られていない理由の1つでもある。リーシュ マニア症、シャーガス病の原因となるトリパ ノソーマ科原虫も、類似の生活環をもつ。  北氏らの研究により、寄生原虫のミトコ ンドリア呼吸鎖(細胞呼吸に関係する一 連の酵素が電子を順次伝達する系)は宿 主哺乳類のミトコンドリアと異なる性質を もち、同時に寄生原虫の増殖に不可欠な ことから、創薬の重要な標的となりうるこ とが明らかになってきている。副作用の少 ない創薬を実現する上で、寄生虫に特異 的な標的の探索は重要である。  「私たちは創薬標的タンパク質として、 トリパノソーマ科原虫のミトコンドリア呼 吸鎖のうち電子伝達系に関与するシアン 耐性酸化酵素、コハク酸・ユビキノン還元 酵素などに着目しています。  本コンソーシアムで、より高い専門性を結 集させ、創薬標的タンパク質が絞り込まれ、 実用化に向けてリード化合物の選定が進む ことを大いに期待しています」(北氏)。  リード化合物の選定は、まさにステッ プバイステップの道のりである。まず、in silicoスクリーニングで見いだされた化合 物については、酵素系でその有効性を確 認する。次に、生きている寄生虫に対する 増殖阻害活性をin vitro培養系で確認す る。北氏によれば、このin silicoとin vitro のギャップは非常に大きく、酵素系で効果 がみられても培養系で効かないケースが 少なくないという。

 「in silicoとin vitroのギャップを埋める には、in vitroでうまくいかない原因を明ら かにし、適切な対処を行う必要がありま す。例えば細胞内へ侵入しにくいことが原 因であれば膜透過性の上昇を試み、細胞 内で分解されやすいことが原因であれば 分解酵素の影響を受けにくい構造に改変 します」(北氏)。

 ただし、in silicoからin vitroへのステッ プをクリアするには極めて高い専門知識 のほか、多大な時間とコストが必要とな る。このようなことから近年、欧米ではin silico分子設計からランダムスクリーニン グへと回帰する傾向もみられるという。  「日本には、大型放射光によるX線結晶 構造用解析ビームラインをはじめ、優れた 科学技術ソースが豊富にあります。“ネバー ギブアップ”の精神をもち、高レベルの技術 と知識を駆使してあくまでもロジカルな展 開で、同時に効率的に創薬までの橋渡しに 努めていきたいと思います。  これは、オープンイノベーションをコンセ プトに創薬研究を進める本コンソーシア ムだからこそできることです」(北氏)。  優れた治療薬が創薬できたとしても、そ れが患者さんの手に渡らなければ何もな らない。NTDsが、先進国との経済的格差 の大きい開発途上国の熱帯地域で蔓延 する疾患であることを考えると、NTDsの治 療薬は安全性と有効性はもちろんのこと、 安価で投与しやすく、熱帯地域の高温の環 境でも安定した薬剤である必要がある。 さらに、感染地域に確実に届け、実際に治 療を進めるための体制づくりも不可欠だ。  「本コンソーシアムでは、強力な地域 ネットワークをもつ国際NPO法人のサ ポートがあり、研究成果を患者さんに直 接還元できるシステムを採用している点 で大きな意義があります。  今後の課題として、NTDsの蔓延する地 域で治療薬を必要としている患者さん に届けるために、創薬にかかわる研究者 たちに加え、文化人類学者、歴史学者、計 量経済学者、政策担当者などと共にプロ ジェクトを作り、対応を進めていく必要が あるでしょう」(北氏)。  「日本の技術力の高さは、諸外国から高 い評価を得ていることは間違いのない事 実です。多様な分野の研究者の緊密な連 携と先端的な科学技術の融合を図り、地 球レベルで用いられる薬剤を、科学先進 国の日本から発信していくことが、創薬に かかわる私たちの心意気と考えています。 後進の育成にも力を注ぎ、地球規模の創 薬に継続的に取り組んでいきたいと思い ます」と、北氏は締めくくった。

レベルの技術と知識を

駆使してロジカルに

創薬に取り組む

療を必要とする

患者さんにお薬を届ける

ために望まれる体制

学先進国 日本から

地球レベルで用いられる

薬剤を発信していきたい

ハエがヒトを刺咬。 発育終末型トリポマスティゴートが ヒトの体内に侵入 ハ 発育終末型トリポマスティゴート は血流型トリポマスティゴートに 変態し、血流に乗って体内を移動 血流型トリポマスティ ゴートは、体内(皮下組 織、血液、リンパ内)で 分裂・増殖を繰り返す 体内を移動し、中枢神経系に侵入 ハエが感染したヒトを刺咬。 血流型トリポマスティゴートがハエの体内に取り込まれる 6 血流型トリポマスティゴートは、 ハエの中腸でプロサイクリック・ トリポマスティゴートに変態し、 分裂・増殖を繰り返す 7 8 エピマスティゴートは ハエの唾液腺で分裂・ 増殖。発育終末型 トリポマスティ ゴートに変態 ハエがヒトを刺咬。 発育終末型トリポマスティゴートが ヒトの体内に侵入 ハ 発 発育終末型トリポマ は血流型トリポマス 変態し、血流に乗っ 血流型ト ゴートは 織、血液、 分裂・増殖 体内を移動し、中枢神経系に 体 ハエが感染したヒトを刺咬。 ハ トリポマスティゴートは、 中腸でプロサイクリック・ マスティゴートに変態し、 増殖を繰り返す マスティゴートは の唾液腺で分裂・ 発育終末型 ポマスティ トに変態 ツェツェバエ ヒト トリパノソーマ科原虫は、宿主や寄生部位によりトリポマスティゴート(錐鞭毛)、エピマスティゴート(上鞭毛)などに 形態を変え(変態)、それぞれ異なる環境に適応している。 プロサイクリック・ トリポマスティゴート は中腸を離れ、エピマス ティゴートに変態 図2  アフリカ睡眠病の原因寄生虫アフリカ・トリパノソーマの生活環 きた・きよし 1974年東京大学薬学部博士課程修了、同理学部助 手。83年順天堂大学医学部助手、87年同講師。91年 東京大学医科学研究所助教授。98年より現職。 (資料提供:北 潔氏)

(10)

 開発途上国の熱帯地域、貧困層を中 心に蔓延しているウイルス、細菌、寄生虫 による感染症の多くは、効果的な対策が 講じられていない。これら感染症は、世界 から十分な関心が向けられていないとい う意味でNTDsと呼ばれる。世界保健機関 (WHO)でNTDsとしている17疾患に限っ ても、感染者数は世界で10億人以上に上 るといわれている。NTDsは流行地域の経 済活動の足かせにもなっており、世界の 保健医療、いわゆるグローバルヘルスに おける重要課題の1つとなっている。  その課題解決に向けた取り組みの一 環として我が国で発足したNTDs創薬研 究コンソーシアムは、NTDsの中の4疾患 (リーシュマニア症、シャーガス病、アフリ カ睡眠病、デング熱/デング出血熱)を 対象に創薬研究を進めている。  中南米を流行地域とするシャーガス病 は、流行地域からの移民の増加を反映し、 米国やカナダ、欧州でも感染が広がって いるが、2013年8月、日本で初めてシャーガ ス病感染者による献血例が確認されたと いうニュースが報じられた。グローバルヘ ルスの直面する課題が、決して他国の問題 にとどまらないことが再認識させられる。  NTDs創薬研究コンソーシアムの大き な特長の1つは、オープンイノベーション型 の共同研究である。高度な専門知識をも つ各研究機関がそれぞれの役割を果た し、かつ共同研究の過程で得られた情報 は全てメンバーにオープンにして共有し、 創薬という最終目標につなげていく。  東京工業大学大学院情報理工学研究 科教授の秋山 泰氏は、「従来の共同研究 では、機密性保持の観点から、どうしても 途中段階までの参加で終わることが多い のが実情でした。オープンイノベーション型 の研究体制をとる本コンソーシアムでは、 共同研究者の皆さんと一緒にゴールを見 届けられることに大きな魅力を感じまし た」と、コンソーシアム参加の動機を話す。  オープンイノベーション型の共同研究 に魅力と期待を感じているのは、同大学 の関嶋政和氏、石田貴士氏らも同様であ る。「私たちの技術に対する真の意味での ニーズが明確に示されるため、目標達成 に必要な技術を提供できます。提案した 技術が有効に活用され、目標への道筋が 作れたときはとても満ち足りた気持ちに なります」と石田氏。また、以前からアステ ラス製薬との共同研究の機会をもつ関嶋 氏は、相互の信頼関係が醸成されていた ことも、コンソーシアム内での円滑な意思 疎通につながっているとみている。  創薬共同研究は大きく2段階に分けて 進められる。第1段階では、文献などの公 開情報に対するデータマイニングを実施 し、抗寄生原虫薬や抗デングウイルス薬 の標的分子探索に関する有用な知識を 取り出す。第2段階では、コンピューター上 の解析に基づくin silicoスクリーニングを 用いて、活性をもつ化合物を探索する。 世界には、未だ治療満足度が低く、さらなる医薬品の貢献が求められるアンメットメディカルニーズの高い疾患が多く存在す る。こうした中、顧みられない熱帯病(NTDs:neglected tropical diseases)に対する創薬をめざし、NTDs創薬研究コンソー シアムが2012年に発足した。本コンソーシアムは、日本を代表する産・学・官の6つの研究機関(東京大学・東京工業大学・長 崎大学・高エネルギー加速器研究機構・産業技術総合研究所・アステラス製薬)と国際NPO法人で構成され、オープンイノベー ション型の研究体制でNTDsの創薬を進めている。今号では、最先端のIT技術により創薬研究の加速化に大きな貢献を果た している東京工業大学の秋山 泰、関嶋 政和、石田 貴士の各氏にお話を伺った。

最先端のIT技術を駆使して

スパコン創薬の実現をめざす

ローバルヘルスが

直面する課題解決の

一環としてNTDs創薬研究

コンソーシアムが発足

緒にゴールを見届ける

ことができるオープン

イノベーション型の

共同研究に大きな魅力

内トップレベルの

計算科学技術を駆使して

膨大なデータから

有用な知識を発見

合い言葉は

Open Innovat

ion

東京工業大学大学院 情報理工学研究科教授

秋山 泰

同学術国際情報 センター准教授

関嶋 政和

同大学院 情報理工学研究科助教

石田 貴士

3

NTDs(顧みられない熱帯病)に挑む産・学・官・NPOのグローバル連携

(11)

 東京工業大学チームのメンバーは、日 本トップレベルのスーパーコンピューター “TSUBAME”(ツバメ)を活用した大規模 計算などを強みとし、研究の各段階にお いて、データの整理と解析、そして物理化 学的な分子シミュレーションの2つの役割 を担っている。  TSUBAMEは、東 京 工 業 大 学 学 術 国 際情報センターが運用するスーパーコン ピューターシステムで(図1)、データマイ ニングの基礎となるグラフ処理の性能、 in silicoスクリー ニングの基礎と なる分子動力学 シミュレーション の性能が極めて 高く、国内ではも ちろん、世界的に もトップクラスの計算能力を備えている。  「TSUBAMEは、演算装置とグラフィッ クスなどに使われていた計算プロセッ サーを理想的な形で組み合わせたスー パーコンピューターです。現在運用してい るTSUBAME 2.5は、1秒 間に5,700兆 回の 演算性能を有しており、1つ前の世代の TSUBAME 2.0に比べると性能は約2.4倍 に上がっています」(関嶋氏)。  今回の共同研究では、スーパーコン ピューターを活用して創薬標的タンパク質 の同定とリード化合物の同定という2つのプ ロセスの効率化をめざしており、まさに言葉 どおりのスパコン創薬が実践されている。  同大学の2つ目の役割である物理化学 的な分子シミュレーションは、標的となる タンパク質に強く結合する化合物の候補 をコンピューター上で検索していく作業で ある。つまり、疾患の原因となるタンパク 質に結合し、疾患に対して治療効果のあ る化合物を見つけ出すことが目的となる。 このタンパク質と化合物は「鍵と鍵穴」の 関係に例えられ(図2)、立体構造や結合 時のエネルギーなど物理化学的相互作 用の観点から、ぴったり合う化合物を探 る。関嶋氏によれば、タンパク質の種類に もよるが、一定のレベルで「鍵と鍵穴」の 関係を満たす化合物は、約10万化合物の うち1,000個以下にすぎないという。しか も、その後のアッセイで実際に活性を有す るの は、10分 の 1、100分の1程度 である。  「創薬を現実 のものとするた めには、計算精 度 の 向 上と共 に、膨大な数の 化合物を計算対象とする必要がありま す。これらは、スーパーコンピューターでな ければ成し遂げられない技といっても過 言ではありません」(関嶋氏)。   本 コンソー シアムで は、世 界 初 の NTDs創薬研究向け統合型データベー ス “iNTRODB”(イントロディービー)も 研究活動の加速に貢献している(図3)。 iNTRODBは、創薬に役立つ情報を検索す るためのいわゆる2次データベースで、現 時点ではトリパノソーマ科原虫に関する 全遺伝子情報(約27,000件)、タンパク質 構造情報(約7,000件)、関連化合物情報 (約100万件)が統合されている。「遺伝子、 タンパク質、化合物など多様な情報を付 加することにより、創薬標的候補として優 れているか否かの判定に必要な情報が 得やすくなっていることが大きなポイント です」と石田氏は説明する。創薬の目線か ら設計されているという点で、付加価値 の高い有意義なデータベースといえる。  iNTRODBは、日本 の 研 究 機 関、国 際 NPO法人の緊密な連携による地球規模の 課題解決に貢献した事例として高く評価 され、2013年8月に第11回産学官連携功労 者表彰の厚生労働大臣賞を受賞した。  現在も、アステラス製薬と抗寄生原虫 薬に関する豊富な知識をもつ東京大学大 学院医学系研究科国際保健学専攻生物 医化学教室教授の北 潔氏のアドバイス のもとで改良が重ねられている。  今後の抱負について石田氏は、「バイオ インフォマティクス技術や計算科学は、プ ロセスの効率化、高速化、コスト低減に 大きな力を発揮します。これらを活用し、 さらに低コストでの創薬実現に貢献して いきたいですね」と語る。関嶋氏も「スー パーコンピューターを活用して、できるだ け早く患者さんの元へ薬を届けたいと思 います。そして、スパコン創薬の貢献を実 証していきたい」と抱負を述べた。  最後に秋山氏は、「創薬の過程で計算科 学が貢献できる機会は明らかです。創薬に 新しい才能・技術が貢献できる時代にな ればうれしく思います」と締めくくった。

めて高速な演算性能を

もつ “TSUBAME”が

スーパーコンピューター

創薬の主役を演じている

大な化合物の中から

“鍵と鍵穴の関係”を

見つける上で

スパコンが不可欠

薬の目線から設計された

NTDs創薬研究向け統合型

データベース “iNTRODB”

薬の過程における

計算科学の貢献に

大きな期待

あきやま・ゆたか 1990年慶應義塾大学大学 院理工学研究科電気工学 専攻博士課程修了。工業技 術院電子技術総合研究所、 京都大学化学研究所、産業 技術総合研究所などを経 て、2007年より現職。 せきじま・まさかず 2002年東京大学大学院農 学生命科学研究科博士課 程修了。産業技術総合研究 所を経て、09年より現職。 いしだ・たかし 2006年東京大学大学院農 学生命科学研究科博士課 程修了。東京大学医科学研 究所を経て、12年より現職。 iNTRODBのメインビュー 世界中の NTDs創薬研究 の加速 世界中の NTDs創薬研究 の加速 NTDs治療薬NTDs治療薬創出創出 化合物データベース タンパク質立体構造 データベース ゲノム、タンパク質配列 データベース 図3  iNTRODBを活用したNTDs治療薬の創出 図1 TSUBAME 2.5の外観 (資料提供:東京工業大学) 図2 タンパク質と化合物と の複合体:鍵と鍵穴の関係 (資料提供:関嶋政和氏) (資料提供:石田貴士氏)

(12)

 NTDs創薬研究コンソーシアムの特徴 は、オープンイノベーション型の共同研究 を行っている点である。参画するそれぞ れの機関が情報を共有し、また役割を全 うすることにより、NTDs治療薬の早期創 出をめざす。  本シリーズの連載第2回、第3回では、 NTDsの原因寄生虫・ウイルスに対する生 物学的な知見と情報科学の手法を融合 させて創薬のターゲットとするタンパク質 を探索するプロセスを紹介した。  今回は、標的タンパク質や標的タンパク 質に対して活性をもつフラグメントヒット の探索・評価・構造解析などを高度な工 学分野の技術を用いて進め、創薬研究の ベース(基盤)を作る産業技術総合研究 所(以下、産総研)と高エネルギー加速器 研究機構(以下、高エネ研)の研究を紹介 する。  近年進展の著しい創薬の手法として、 structure-based drug design(SBDD) が ある。従来は、標的タンパク質に対して活性 をもつフラグメントヒットなどの探索は文字 通り「手作業」で行われていたが、SBDDに より標的タンパク質と低分子化合物の複 合体の立体構造の解析や比較が可能とな り、タンパク質の活性を阻害(または促進) する仕組みを総括的に理解し、薬物設計 が進められるようになってきている。アステ ラス製薬ではこれを 発 展 さ せ、Fragment Evolution(FE)創薬と 呼ばれる薬物設計法 を独自に開発した。本 コンソーシアムでも、 FE創薬が活用されて いる。  FE創薬は、表1に示 す3つのステップから 成る。これらは、新たな薬剤につながるリー ド化合物を取得するためのプロセスと位置 づけられる。従来よりも格段に高度であり ながら効率的な創薬を導く方法でもある。  しかしながら、このプロセスはステップ 1→ステップ2→ステップ3と順を追って進む ことは少なく、ほとんどの場合、同じステッ プを何度も繰り返したり、ステップ2からス テップ1に戻り2つのステップの間を何度も 循環したり、さらには標的タンパク質の探 索にさかのぼって評価を行うなど、ステッ プ3の次にみえてくるリード化合物の取得 に向けて地道な作業が重ねられていく。  そしてこのプロセスには、タンパク質の 主に開発途上国の熱帯地域において蔓延している寄生虫やウイルスによる感染症には、治療と予防の両面でさらなる医薬 品の貢献が求められる。これら感染症の多くは、積極的な関心を向けられることが少なかったため、「顧みられない熱帯病」 (NTDs:neglected tropical diseases)と呼ばれる。2012年に発足したNTDs創薬研究コンソーシアムは、日本を代表する産・学・

官の6つの研究機関(東京大学・東京工業大学・長崎大学・産業技術総合研究所・高エネルギー加速器研究機構・アステラス 製薬)と国際NPO法人で構成され、リーシュマニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病、デング熱/デング出血熱の4疾患を対 象に創薬研究を進めている。今号では、本コンソーシアムが取り組む工学分野の技術との協働で推進するNTDs創薬について、 産業技術総合研究所の近江谷 克裕氏、古川 功治氏と、高エネルギー加速器研究機構の千田 俊哉氏にお話を伺った。

NTDs創薬に工学分野の最先端技術を集め、

基礎研究の進展と社会貢献をめざす

N

TDs創薬の基盤を

提供する高度な

工学分野の技術の結集

度であると共に地道な

作業の積み重ねでもある

Fragment Evolution創薬の

プロセス

合い言葉は

Open Innovat

ion

産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 研究部門長

近江谷 克裕

同 分子複合医薬 研究グループ 主任研究員

古川 功治

高エネルギー加速器研 究機構物質構造科学研 究所構造生物学研究セ ンター センター長

千田 俊哉

フラグメントヒットの探索 アステラス製薬が保有するフラグメントと呼ばれる低分子化合物(分子 量150∼300)を集めた化合物ライブラリーを活用し、大量かつ高純度 に取得した標的タンパク質を用いたバイオアッセイと核磁気共鳴装置 (NMR)などの物理化学的手法を利用し、フラグメントヒットを探索する。 標的タンパク質とフラグメントヒットの結合様式の解明 ハイスループット化されたX線結晶解析により、フラグメントヒットと標的 タンパク質の結合様式を解明する。 ステップ

1

ステップ

2

ステップ

3

フラグメントヒットの進化(Fragment Evolution) X線結晶解析から得られた三次元構造情報を活用し、活性ポケットを埋 め尽くすコンビナトリアル合成(自動合成機を用いたハイスループット誘 導体合成)を行い、活性値と結合様式を確認しながらフラグメントの活性 を向上させる。 表1 FE創薬による化合物探索の3つのステップ

4

NTDs(顧みられない熱帯病)に挑む産・学・官・NPOのグローバル連携

(13)

結晶化技術、アッセイ系の構築、タンパク 質の立体構造の画像解析技術など高度 な工学分野の技術が必要となり、ここに産 総研と高エネ研のもつ最先端の技術が集 められる。FE創薬のプロセスと関連する技 術要素を図1に示す。  産総研の近江谷克裕氏は、「私たちの最 大のミッションは、創薬研究の基盤を作 ることです。薬を作るためには何が必要 で、どのような技術を駆使して進めていく か。そうした基盤作りを行い、社会に還元 していくことをめざしています。その意味 で、またとない機会と課題を与えてもらっ たと考えています」と本コンソーシアムに 参加する意義を語る。  産総研は、ライフサイエンス、ナノテクノ ロジー、エレクトロニクスといった産業技 術にかかわる6つの研究分野にかかわる 研究開発に取り組み、2,300名もの研究 者が在籍する国内最大級の研究機関で ある。本コンソーシアムに参加するにあた り、複数の研究部門にわたるチームが編 成された。この中で中心的な役割を担っ ているのが古川功治氏である。  高度な工学的手法を用いてもなお創 薬研究のプロセスは容易ではない。結晶 化しにくいタンパク質があったり、結合親 和性が予測できなかったりすることも少 なくない。「手法は正しくても、実際の研究 の過程では試行錯誤の連続です。エラー が生じた場合もすぐに諦めず、チームで議 論をしながら試行錯誤を繰り返し、研究 を “深掘り” できるのが産総研の長所だ と考えています」と古川氏は説明する。  さらに、産総研の分野横断的な多様な 力も効果を示す。「例えば従来、NTDsの原 因寄生原虫は顕微鏡下で目視して数えて いたのですが、画像解析を専門とする研 究者が加わることで、画像処理技術を用 いてカウントできるようになるなど、我々 のもつ多彩な知識と経験が活かせる利点 もあります。“行き詰まった”と思える課題 でも、他の分野の研究者のサジェスチョ ンでブレークスルーが生まれることがあ ります」(近江谷氏)。  高エネ研は、「光の工場(photon factory)」 とも呼ばれる日本でも有数の放射光科学 研究施設である。高エネ研の放射光は高 強度・高エネルギーという特性をもつため、 通常のX線構造解析では困難な微小結晶 の解析や、かつては考えられなかった量とス ピードでの質の高い構造解析が可能となっ ている。  高エネ研は本コンソーシアムにおけるFE 創薬の中で、主に標的タンパク質及び標的 タンパク質とフラグメントヒットが結合した 複合体の三次元構造解析を担う。「私たち の役割は、高度な結晶構造解析を行うた めに最新設備を提供することです。これに より、創薬の基盤となる基礎データが取得 できるのです」と千田俊哉氏は説明する。  アステラス製薬との共同研究で開発 されたタンパク質の結晶構造解析用の実 験ステーション(ビームライン)や、迅速な データ収集を可能にする自動結晶交換シ ステム(PAM)が導入されている(図2)。  最後に、本コンソーシアムの研究の意義 について、千田氏と近江谷氏に伺った。  「研究のとりまとめをしていただいている 東京大学の北潔先生のお話を伺って、治療 薬がないNTDsは社会的・経済的な問題の 原因にもなっており、必死になってNTDsの 問題に取り組み、努力している人たちがたく さんいることも知りました。その中で、基礎 研究の意義を改めて実感しています。この プロジェクトが円滑に進むよう、精一杯貢献 していきたいと考えています」(千田氏)。  「本コンソーシアムに参加するチーム のアクティビティーは高く、わくわくしなが ら研究に取り組む姿に、オープンイノベー ション型のプロジェクトの生む効果を改 めて感じています。創薬というのは実は総 合力の勝負です。日本のもつ技術をいか に融合させていくかが研究を進展させる 鍵となるでしょう。我々のもつ技術力を、 ぜひNTDs創薬につなげていきたいと思 います」(近江谷氏)。

新設備で

創薬の基盤作りを支える

高エネ研

おおみや・よしひろ 1990年群馬大学大学院医学研究科修了。ポスドク などを経て、96年静岡大学教育学部助教授、2001 年産業技術総合研究所研究グループ長。12年より 現職。 ふるかわ・こうじ 1993年大阪大学大学院理学研究科修了。蛋白工 学研究所、東京理科大学、産業技術総合研究所年 齢軸生命工学研究センターなどを経て、2010年よ り現職。 せんだ・としや 1995年長岡技術科学大学大学院博士後期課程 修了。長岡技術科学大学、産業技術総合研究所バ イオメディシナル情報研究センターなどを経て、 2013年より現職。 三次元構造をみながら フラグメントの初期選択を行う 標的タンパク質の エンジニアリング 測定・解析技術の開発 リード化合物の 創出 リード化合物の 創出 フラグメント伸長 複合体の 結晶化 複合体の 構造解析 複合体の 構造解析 フラグメント 初期選択 フラグメント 初期選択 アッセイ系 構築 アッセイ系 構築 標的タンパク質の 取得・作製・精製 標的タンパク質の 取得・作製・精製 Fragment Evolution 標的タンパク質の探索 合体の体 合体の 造解析 造解析

Fragment Evolution

系 系 ント ン ント 標的タンパク質の 立体構造決定 標的タンパク質の 立体構造決定 ステップ 3 ステップ 1 ステップ 2 リ リ の 化 ● 結晶構造解析の回折像の測定には、強力な放射光(X線)を用います(放射光は写真の左奥から右手前に向かって 出ています)。 ● 自動結晶交換ロボットは、タンパク質の結晶を回折計(タンパク質結晶構造解析装置)の光軸に置きます。 ● 回折計は、結晶を少しずつ回転させながら、1つの結晶から90∼180枚程度の回折像を撮影します。 ● 得られた回折像は、X線ニ次元検出器が高速で記録していきます。 X線ニ次元検出器 おおよそ1秒間に1枚のペー スで回折像を記録する。 一度に最大 576個の測 定試料の設 置が可能。 自動結晶交換ロボットがマウントした測定試料回折計 の回折像をX線二次元検出器で撮影する。 自動結晶交換ロボット 回折計へのタンパク質の結晶(測定試 料)のマウントと測定後の回収を行う。

総研の総力を結集:

研究の深掘りと

多様なアプローチ

ンソーシアムの

根底にある

社会貢献という考え

図1 FE創薬のプロセスと構成要素 図2 自動結晶交換システム(PAM) (資料提供:古川功治氏) (資料提供:千田俊哉氏)

(14)

国連ミレニアム開発目標(MDGs)

*

1 極度の貧困と飢餓の撲滅 2 普遍的初等教育の達成 3 ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上 4 乳幼児死亡率の削減 5 妊産婦の健康の改善 6 HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止 7 環境の持続可能性の確保 8 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進 * 国連ミレニアム開発目標(MDGs): 2015年までに国際社会が達成すべき8つの目標 で、2000年9月に採択された国連ミレニアム宣言と1990年代に開催された主要な国際 会議やサミットで採択された国際開発目標を統合し、共通した枠組みとしてまとめら れたものです。

医療をささえる

 アステラスは、開発途上国における保健医療へのアクセス問題(Access to Health)への貢献の一環として、顧みられない 熱帯病に対する創薬共同研究や小児用製剤の開発を開始しました。さらに、人々のくらしや環境について国際社会が共有す る課題をまとめた国連ミレニアム開発目標(MDGs)のうち、製薬企業として最も貢献できる医療問題の解決に取り組んでいま す。また、生命科学・医療基盤の発展に貢献するため、日米欧におけるアステラスの財団を通して、将来の生命科学、創薬、医学 を担う研究者の支援・育成を目的とした助成活動を行っています。 インドネシア NPO法人「ピープルズ・ホープ・ジャ パン」を通して、恵まれない村に 助産診療センターを寄贈し、乳幼 児死亡率と妊産婦の死亡率を改 善するプロジェクトを支援してい ます。 インド セーブ・ザ・チルドレンと連携し、 バスでスラム街を巡回して無料の 診療を提供するなど、母子を対象 とした健康改善支援プロジェクト を進めています。 ガーナ 長時間分娩や外傷を起因に失禁 症となる病気「産科フィスチュラ」 に対し、Ananse財団*やオランダ 泌尿器学会と協働して、医師派遣 や現地医師への専門研修支援を 行っています。 タンザニア 5歳以下の乳幼児の死亡率低下 のためにセーブ・ザ・チルドレンが 行っている殺虫剤処理済みの蚊 帳配布によるマラリアの予防プロ ジェクトを支援しています。  国連ミレニアム開発目標(MDGs)では、極度の貧困 や飢餓の撲滅など、2015年までに国際社会が解決す べき世界共通の8つの目標が掲げられています。アス テラスは、そのうち、製薬企業としての知見が生かせ る保健医療分野に絞った支援を行っています。特に、 MDG4「乳幼児死亡率の削減」、MDG5「妊産婦の健 康の改善」、MDG6「HIV /エイズ、マラリア、その他の 疾病の蔓延防止」に向けて取り組んでいます。

国連ミレニアム開発目標(MDGs)

MDGsに関連したグローバルな支援

* Ananse財団: アフリカにおける泌 尿器疾患の治療の向上を目的として 1988年に設立された財団

(15)

アステラスは、CSR経営を推進するうえでステークホルダーとのコミュニケーションを大切にしています。 ホームページや各種冊子を通じて、さまざまな活動内容の詳細な報告を行っていますので、ぜひご覧ください。

CSRコミュニケーション

アステラスのホームページから、以下報告書をPDFファイルでご覧いただけます。 統合レポート/ CSR報告書 2012年からの 統合レポートと 2011年までの CSR報告書を ご覧いただけます。 http://www.astellas.com/jp/csr/ management/report.html 環境報告書2013 環境活動の詳細を 開示します。 http://www.astellas.com/jp/csr/ pdf/EnvionmentalReport.pdf コーポレート・ ガバナンス報告書 (日本語のみ) コーポレート・ ガバナンスの状況 について、詳しく ご説明します。 http://www.astellas.com/jp/ corporate/pdf/gvnnce.pdf http://www.astellas.com/jp/csr 社長によるトップ コミットメントを掲載して います。 CSRに関連した最新の トピックスをご紹介して います。 Access to Healthに 関する具体的な取り組み を紹介しています。 ISO26000との関連づけ を含め、アステラスのCSR 経営を説明しています。 GRIガイドラインとの 対照表を掲載しています。

(16)

〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2-5-1 TEL. 03-3244-3000(代表) アステラス製 薬 株式会社(http://www. astellas.com/jp/)は、東京に本社を置く、 連結従業員数約17,000人の製薬会社です。 「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康 に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究 開発型のグローバル製薬企業として積極 的に事業展開を図っています。 私たちは、研究開発へのあくなき挑戦を通 じて、未だ治療満足度が低い疾患領域に おいて、革新的で有用性の高い新薬を継続 的に生み出し世界中に届けることで、病気 と闘う患者さん一人ひとりの力になりたい と願っています。 こうした想いから生まれたコミュニケー ションスローガン「明日は変えられる。」に は、本当に求められるくすりづくりに挑戦 し続けていく全世界のアステラスグループ 社員の決意のことばであり、同時に、病気 と闘う患者さんと勇気と希望を共有してい きたいという想いが込められています。 アステラスのホームページでは、この冊子 でご紹介したAccess to Healthの取り組 みの他、明日を変える勇気に出会えるエピ ソード・サイト「勇気、つながれ.com」、さま ざまな病気の原因や治療法、Q&Aなどを わかりやすくご紹介している「なるほど病 気ガイド」などのコンテンツもご覧いただ くことができます。 http://www.astellas.com/jp/

参照

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