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雑誌名 静岡地学

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現行高校理科地学Iと昭和57年度からの必修理科I

著者 野島 宏二

雑誌名 静岡地学

巻 36

ページ 42‑45

発行年 1977‑11‑20

出版者 静岡県地学会

URL http://doi.org/10.14945/00025636

(2)

問 地 学 第36号 (1977)42‑45 

現行高校理科地 l と昭和 5 7 年度からの必修理科 I

野 島 宏 * 

1 .  

現 行 高 投 理 科 地 学 Iに つ い て

現 主 の 高 校 理 科 は 物 理 , 化 学 , 生 物 , 地 学 が そ れ ぞ れI・1I(3単位づっ)に分かれ、このうちIの2 科 自 が 必 移 選 択 で あ るO

本 校 で は 、 理 科 選 択 の た め に そ れ ぞ れ の 教 科 の 学 習 内 容 を 印 崩 し て は 単 位 ) の 説 明 概 略 は 次 の よ う で あ るO

地 学

に 配 布 し て 説 明 す る 。 地 学 工

地学は百 の 身 近 な 告 然 か ら 全 地 球 的 な 自 然 ・ に お け る こ と が ら を 初 歩 的 な 数 学 や 物 理 の 原 理E 法 則 を 応 用 さ せ な が ら 探 究 し て い く 教 科 で あ るO

私 達 の 生 活 し て い る 陸 と 海 は 、 地 球 の ご く 表 面 に す ぎ な い 。 地 球 の 上 方 に は 大 気 の 層 が あ り 、 さ ら に 広 大 な 宇 宙 が 広 が っ て い るO 私 達 の 足 の 下 に は 6,400Kmvノ 深 さ を も っ 地 球 内 部 の 世 界 が あ るO それ ら は 向 か ら で き 、 ど ん な 状 態 で あ り 、 そ こ で は ど ん な こ と が お こ っ て い る の だ ろ う か 。 ま たE ζの 地 球 は い つ 誕 生 し 、 ど ん な 変 化 を 経 て 今 自 の 姿 に な っ た の だ ろ う か 。 気 候 の 変 化 や 生 物 の 進 化 は ど う だ ろ う か 。 環 境 汚 染 の 中 で 人 間 の 将 来 は ど う な る の だ ろ う か 。

人 間 に と っ て は 大 き す ぎ た り 、 叉 、 誼 接 手 に 触 れ る こ と の で き な い 問 題 に つ い て は そ デ ル 実 験 を し た り 、 観 察 し た デ ー タ ー を 手 が か り と し て 探 究 し た り し て い くO

く り 返 す こ と の で き な い 麓 史 性 を も っ た 現 象 に つ い て は 「 な ぜ そ う な っ た かjと い う 立 場 で 探 究 し て い く 。 探 究 の 視 点 は い ろ い ろ あ る がE 一 度 そ の 方 法 を 会 得 し て し ま う と と て も わ か り 易 い と 思 う 。 1年

に 「 地 学1

J

を 選 択 さ せ て い る 学 校 が 多 い の だ が 、 そ れ は こ の 探 究 の 立 場 か ら 、 わ か り 易 く 地 球 の

岳然、をとらえようとする教科であるためと考えられるO

「地学」の特徴について

自然、界の大きなドラマを総合的にダイナミックに取扱うO

大ぷ気と水は地球の上を舞台としてもお互いに関連してさまざまな地学現象を起こしている。例えば、

あ る 温 帯 湖 の 水 は 、 あ る 季 節 に な る と 対 流 を 起 こ す と い う 現 象 に 注 話 し て み るO い き な り 「 な ぜ か

J

と考えても答はでない。季節(時間)による太陽の放射L ネ ル ギ ー の 変 化 も こ れ に よ る 大 気 と 水 の 温 度

、 そ し て 両 者 間 に お け る 熱 エ ネ ル ギ ー の 移 動 等E 相 互 の 関 係 を 図 化 し た り し て 考 え て い く と 秋 や 春 に な っ て 湖 面 近 く の 水 の 密 度 が 大 き く な っ て 下 に 沈 ん で 対 流 を 起 こ す の だ と い う 自 然 の シ ス テ ム に 気 が つ い て く るO そ う す る と 、 さ ら に 大 き な 全 地 球 的 な 問 題 も 償jえばE 海流と大気の流れについては、

ど ん な 視 点 か ら ど ん な ふ う に 考 え を す す め て い け ば よ し 叶 、 が わ か っ て く る 。 こ こ で は 基 本 的 な こ と を 確 実 に 理 解 し て い く こ と が 大 切 で あ る 。

歴史科学であること。

こ の 地 球 が 現 在 の よ う な 姿 に な る ま で の 歴 史 を 扱 う 。 従 っ て 、 こ こ で は 社 会 の 歴 史 と 同 じ よ う に l つ 1つ の 知 識 を 確 実 に 覚 え て い く こ と と 共 に 「 な ぜ そ う な っ た かjと い う 晃 方 で 自 然 の 流 れ を と ら え

(3)

ていくことが大切だと思う。

探 究 的 な 過 程 が 重 視 さ れ るO

チェコプラニ吋~ 30年 間 に 観 測 し た 惑 星 の 資 料 の 中 か ら ケ プ ラ … は8つ の 簡 単 な 法 則 を 発 見 し たO こ の8つ の 法 制 の 中 か ら ニ コ ー ト ン は 万 有 引 力 の 法 則 を 考 え たO 万 有 引 力 の 法 則 に よ っ て 宇 宙 や 地 球 の

ζ と が さ ら に わ か る よ う に な っ た と い う 事 実 が あ るO ここで大切なζとはケプラーがし1治、にして 8つ の 法 則 を 見 つ け だ し た か 。 ど ん な 思 考 過 程 を 経 て ニ ュ ー ト ン は 万 有 引 力 の 法 期 を 見 つ け だ し た か を 考 え て み る こ と 、 つ ま り 、 科 学 の 発 展 の 歴 史 を き ち ん と 展 開 発 展 さ せ る こ と で あ る 。 あ と は 、 ζの ケ プ ラ ー の 法 則 と 万 有 引 力 の 法 則 を も と に し て 、 地 球 や 星 の 質 量 を 求 め て い く 等 々 、 lつ の パ タ ー ン と し て の 応 用 に 広 が っ て い くO

最 後 に 具 体 的 な 「 地 学 1

J

の内替を訴すと、

ネノレギー

J r

地 球 と 宇 宙 の 進 化

J

に お け る 地 球 の 「地球における変化とこ乙

さ て も 次 に 、 全 県 的 な 理 科 選 択 の 現 状 で す がE の 物 化 生 地 の 各 Iを す る の は ほ と ん ど な く 、 化 学 ・ 物 理 が 非 常 に 多 く な っ て き て い るO

これはE 大 学 入 試 科 目 、 そ れ に と も な う か ら と 考 え ら れ るO またも ζζとはE

も考えられるO

明の にある

の編成の関係、 の

に よ る 流 れ が と

ほ と ん ど の 生 徒 が す る 現 状 に お い て 高 校 理 科 が 結 果 的 に 物 質 探 究 の 物 ・ 化 が 多 く 、 自 然 (生命)科学につい ‑地が少なくなっていくのは問題であり E 物 ・ 化 ・ 生 ・ 地 全 部 必 修 の 昭 和38~47 のほうが良かったという意見が多いのも当然と思われる O

2.  昭和 57年 度 か bの 必 鯵 理 科 1

さて、 ζの 春 (53年 ) に は 、 文 部 省 よ り 高 等 学 校 の 新 し い 指 導 要 領 案 が 発 表 さ れ る こ と に な っ て い るO こ れ は 、 全 教 育 課 程 が 教 育 課 程 審 議 会 の 答 申 を 受 け て 高 校 は 昭 和 57年 度 よ り 改 正 さ れE 高 校 1

では、 「 中 学 校 と の 関 連 と と も に 基 礎 中 心 の 総 合 的 広 域 的 な 一 般 科 目 を 新 設 しE 共通履習する。 2・ 8年 で は 選 択 科 目 を 柱 と す る

o J

となったO ζれを受けて、

)が必修となり 2 ・3年 生 で は 物 ・ 化 ・ 生 ・ 地 ( 各 4 選 択 す る こ と に な るO

では、 l年 生 の 新 し い 教 科 理 科 1 ( 4  ) 、 理 科 互 (2単 泣 ) を

o

、..旬,..2.:3科呂

会 の 案 と し て の 新 し い 理 科Iの ね ら い と 内 容 は 次 の よ う に 訴 さ れ て い るo

r

ね ら い

J

理 科 に 関 す る 基 礎 的 な 内 容 を 各 領 域 の 特 徴 を 生 か し な が ら

自然、の探究を通して分析する能力や総合的な見方、考え方の育成を摺ることO

を得させることなど。

させることO

に つ い て の

このζとはも理科Iを 中 学 校 と の 一 貫 性 の も と に も 国 民 の 教 養 と し て 霞 き 、 次 の 2・8年 次 の 選 択 へ の足掛りを意、闘する ζとも含まれるであろう O

r

内 容

J

中 学 校 と の 関 連 を 考 癒 し 、 例 え ば

f

力とコニネノレギ‑

J  r

物 質 の 構 成

J r

進化」

「自然、の平衡」などで代表されるような性格のものから欝成する。

こ れ を 、 系 統 的 に い え ばE 時 間 の 流 れ の な か で 生 命 の 連 続 を 捉 え るO そこにはつねに自然、の

‑43‑

(4)

の釣合いがある。これを理解するには物質の構成、力とエネルギーという基本的知識が必要となるO

この理科Iの具体的な内容については、現在各方面で検討されているO例えばE ζの8月(52年)に 群馬県で全器理科教育大会に出席したのだが、そこでの理科Iの指導案は次のようであt)¥基盤に自

然環境についての理解ができているのを強く感じさせるO ここで辻、 2日間にわたり実に熱っぽく討 論がなされたO

r

理科 1

J  (  1 2 0

時開〉 昭和52年8月 日本理化学協会 I 力とL ネルギー (28時間)

1.  と力

2.  二心ネノレギー

(1)運動の表わし方

(2)力と

(3)重力と

(1)力学的コニネノレギー と

(3)各種のエネルギー 五 物 質 の 構 成 と 変 化 (27時間)

1.  物質の構成

2.  物質の変化

直 進 化 (28時間) 1.  生命の連続

(2)物質の構成単位 (担保子の

(1)身近かな物質の化学変化

(2)物質構成元素のきめ方

(3)化学変化の

(11生命の

(2)性と生殖

(3)受精と発生 2.  自然界の進化 (11遺伝と変異 (2)地層と化石 (3)生物の進化 N  自然、の平衡 (27時間)

1.  自然界の変化 (1)地表の変化

(2)自然界における物質循環 (羽生態系における構造と変化

‑加速度 の3法則

自由落下・重力の加速 二乙ネノレギーの変換と

と発熱量

・光・放射線のエネルギ

‑ そ ん

‑分子・イオン

・京子該・放射線

沈殿反応・ 反応・気体発生反応 溶液の濃度・化学反応式・気体反応、と 体積関係

細胞とその構造。細胞と物質の出入 細胞分裂・個体のふえ方

動物の初期発生

遺伝の法則と のしくみ 化石の進化

生物の系統・進化の証拠

地表の平坦化・増起伏

地穀の構成物禁・地表での物質循環 生態系の構造と機能の遷移

2. 自然界の平衡 {11地球の運動 地球自転公転の証拠・ケプラーの法則 (2)地球の形と層構造 地球の3欝・アイソスタシー

(3)地表の熱収支と大気や水の循環 太陽放射 V  自然環境の保全 (10時間)

(5)

(1)自然環境

問資源・ニ乙ネノレギー (3)地 球 環 境 の 保 全

3 .  

新しい教科理科1に期待する。

生物的環境・物理的環境 資源やニ乙ネノレギーの活用 環境汚染対策・環境保全

さて、私はこの新しい教科理科Iに期待しているのであるが、その理由を、 「なぜ理科 Iができた かj という考えも含めて説明してみよう。

まず第 1は、 「自然、を総合的にみることができる

J

ことO 人間をとりまく自然環境を総合的にみ る新しい教科である。いずれは、 ζの考えが理科教育の柱とならなければならない。 ζれは、理科教 育史でいずれ分かるζとであるo

第2にはも 「必修であること

J

乙と。どの生徒も理科Iにおいて系統だった自然を物質(物・化 の分野)、環境(生・地の分野)科学の両分野から学ぶことができるO

第8はも 「ζのねらいがE 中学校との関連をふまえた上で¥内容が基礎的・基本的である

J

ζと。 現在の高校理科のように 1 . IIと分割し百さらにそれのみを深く堀り下げる必要はないと考えるO

次に、この新しい理科Iをどうしたらよいかにつき、現在私が考えていることを4点あげる。

1には百 「新しい教科理科 Iをつくるのだj という意、識をもつことo

1 3

然環境の保全をふまえ た上での科学の進歩は必要であるO 人間と自然のシエテムについて学ぶζの科目を100年先にも理科 教脊の柱として定着させるような内容とすべき努力、国民的理解として定着への努力が盤史的にも社 会的にも必要ではないだろうか。科学教育の改善は、日本の援史的、社会的な現実の上に、教育制度 的改革と連絡して進めていかないかぎり実現しない。

第2には、新しい理科 Iのねらいである自然、の基礎と総合をどう させるかが問題であるO これ をいかに系統だてていくかはいろいろ意見に分れることだと思うがE 本質的には基礎理科と向じだろ うからその実践を踏まえていくことになろう。また、これは共通一次テストの出題(内容の歯止めを 含む)についても大きく関ってくるものと思われるO

第3には、高校理科では長く物化生地の専門教師が教えてきた関係上 理科 Iを教えるにあたり教材 研究が必要となってくるO 例えば、理科教育研究会の

うになろう O

第4にはE 高等学校理科教員免許状を与え

の内容についての検討・教材研究・教育をすべきであるO

以上、勝手な手前味噌なことを書きましたO

や部会でも必然的にこの検討がなされるよ

は唱はやい時期から、この新しい理科 I

理 科Iの地学分野の 1つである太陽のエネルギー測定実験をやり、このL ネノレギーが地球の自然、を どう変化させもどう物質循環させもどう自然、を平衡にしていったか。どう人間と関っていくかo

こうゅうことを全国の高校一年生が全員学習していくことになるのは、実にすばらしいことだと思うO

参照

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記)辻朗「不貞慰謝料請求事件をめぐる裁判例の軌跡」判夕一○四一号二九頁(二○○○年)において、この判決の評価として、「いまだ破棄差

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熊 EL-57m 本坑の6.8,,730mx1条 -0.3% 防波堤 -- ̄ --- -8.0% 80N 111. x2条 24m

 TABLE I~Iv, Fig.2,3に今回検討した試料についての

一丁  報一 生餌縦  鯉D 薬欲,  U 学即ト  ㎞8 雑Z(  a-  鵠99

 中国では漢方の流布とは別に,古くから各地域でそれぞれ固有の生薬を開発し利用してきた.なかでも現在の四川