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Title 幼稚園における情報機器を活用した手洗い指導の効果

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Academic year: 2022

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Hokkaido University of Education

Title 幼稚園における情報機器を活用した手洗い指導の効果

Author(s) 杉本, 任士; 佐々木, 由佳; 菊地, 友佳子; 松田, 夕紀; 小田, 将之

Citation 学校教育学会誌, 第24号: 07‑16

Issue Date 2021‑09

URL http://s‑ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/12134

Rights publisher

(2)

北海道教育大学函館学校教育学会

学校教育学会誌第 24 号 2021.9

1

幼稚 稚園 園に にお おけ ける る情 情報 報機 機器 器を を活 活用 用し した た手 手洗 洗い い指 指導 導の の効 効果 果 The Effect of Handwashing Instruction Using Information and

Communication Technology in a Kindergarten

杉本 任士* 佐々木 由佳**

菊地 友佳子*** 松田 夕紀**** 小田 将之*****

SUGIMOTO Tadashi

*

SASAKI Yuka

**

KIKUCHI Yukako

***

MATSUDA Yuki

****

ODA Masayuki

*****

*北海道教育大学大学院教育学研究科 高度教職実践専攻(函館) **函館市立東山小学校

***北斗市立茂辺地中学校 ****北海道七飯養護学校おしま学園分校 *****木古内町立木古内小学校

*

Department of Teacher Education of Graduate School, Hakodate Campus, Hokkaido University of Education

**

Higashiyama Elementary School, in Hakodate

***

Moheji Junior High School, in Hokuto

****

Hokkaido Nanae Special School, Oshima Gakuen Branch

*****

Kikonai Elementary School, in Kikonai

論 文文 概概 要要

本研究は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症拡大の予防対策の一つとして、幼稚園の 4 歳 児のクラスでの ICT 教材を用いた情報機器を活用した活動が、園児の手の洗い方の改善に効果があっ たかを検討することを目的とした。対象の園児は、国立大学附属幼稚園の 4 歳児のクラスに在籍する 園児 14 名であった。本研究では、新型コロナウイルスに関するデジタル絵本と正しい手洗いに関す る動画教材を制作し、それを用いて約 30 分の活動を行った。本研究の結果、クラス全体の手の洗い 方に改善が見られた。また、動画教材を制作する上での課題が明らかとなった。

キーワード:幼稚園 手洗い 情報機器の活用 ICT 教材 感染症対策

1 問問題題とと目目的的

2020 年初頭から全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を予防 するために、我が国では様々な取組が行われてきた。学校教育における感染症対策としては、文部科 学省が「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」(文部科学省, 2020a)や「教

The Effect of Handwashing Instruction Using Information and

Communication Technology in a Kindergarten

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1

幼稚 稚園 園に にお おけ ける る情 情報 報機 機器 器を を活 活用 用し した た手 手洗 洗い い指 指導 導の の効 効果 果 The Effect of Handwashing Instruction Using Information and

Communication Technology in a Kindergarten

杉本 任士* 佐々木 由佳**

菊地 友佳子*** 松田 夕紀**** 小田 将之*****

SUGIMOTO Tadashi

*

SASAKI Yuka

**

KIKUCHI Yukako

***

MATSUDA Yuki

****

ODA Masayuki

*****

*北海道教育大学大学院教育学研究科 高度教職実践専攻(函館) **函館市立東山小学校

***北斗市立茂辺地中学校 ****北海道七飯養護学校おしま学園分校 *****木古内町立木古内小学校

*

Department of Teacher Education of Graduate School, Hakodate Campus, Hokkaido University of Education

**

Higashiyama Elementary School, in Hakodate

***

Moheji Junior High School, in Hokuto

****

Hokkaido Nanae Special School, Oshima Gakuen Branch

*****

Kikonai Elementary School, in Kikonai

論 文文 概概 要要

本研究は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症拡大の予防対策の一つとして、幼稚園の 4 歳 児のクラスでの ICT 教材を用いた情報機器を活用した活動が、園児の手の洗い方の改善に効果があっ たかを検討することを目的とした。対象の園児は、国立大学附属幼稚園の 4 歳児のクラスに在籍する 園児 14 名であった。本研究では、新型コロナウイルスに関するデジタル絵本と正しい手洗いに関す る動画教材を制作し、それを用いて約 30 分の活動を行った。本研究の結果、クラス全体の手の洗い 方に改善が見られた。また、動画教材を制作する上での課題が明らかとなった。

キーワード:幼稚園 手洗い 情報機器の活用 ICT 教材 感染症対策

1 問問題題とと目目的的

2020 年初頭から全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を予防 するために、我が国では様々な取組が行われてきた。学校教育における感染症対策としては、文部科 学省が「新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」(文部科学省, 2020a)や「教

The Effect of Handwashing Instruction Using Information and Communication Technology in a Kindergarten

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育活動の再開等に関するQ&A」(文部科学省, 2020b)で留意事項を示している。また、「新型コ ロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について」(文部科学省, 2020c)においては、可能な限り感染拡大のリスクを低減させながら教育活動を行うために、分散登 校等の工夫を行うよう求めている。さらに、学校の衛生管理の観点から「学校における新型コロナウ イルス感染症に関する衛生管理マニュアル」が公開され、2021 年 4 月 28 日現在では ver.6 が公開さ れている(文部科学省, 2021)。その中で文部科学省(2021)は、学校での基本的な感染症対策とし て、3 つの密(密閉・密集・密接)の回避、人との間隔が十分にとれない場合のマスクの着用、手洗 いなどの手指衛生、咳エチケット、換気の徹底等の新しい生活様式を導入するよう求めている。特に 幼稚園では、正しいマスクの着用、適切な手洗い、物品の衛生的な取扱い等については、大人が適切 な援助や配慮をするとともに、幼児が自分でできるように十分な時間を確保する必要がある(文部科 学省, 2021)。また、幼児が感染症予防の必要性を理解できるよう説明を工夫することも重要である

(文部科学省, 2021)。

原田(2004)は、保育園に通園する 3 歳児(9 名)、4 歳児(25 名)、5 歳児(14 名)、6 歳児(8 名)を対象に、幼児期の手洗い技術の実態を調査した。その結果、指先、指間、拇指などを洗うこと が課題であり、保育者がそばで見守ったり適切な言葉かけをしたりしなければ、衛生的な効果を上げ ることができないことを示唆している。大久保(2013)は、年少児 39 名と年長児 44 名を対象に、手 洗いと消毒の話の講義と手洗い歌の遊戯を実施した。その結果、年長児の洗い残し部位数が有意に少 なく、年長児の洗い残し部位は成人での既報の成績と同様の傾向であることを明らかにしている。藤 田・中村(2015)は、足立区内 2 つの保育所の園児 115 名を対象とし、紙芝居「ばいきんバイバイ」

による手洗いの重要性についての指導と、花王ビオレ「あわあわ手あらいのうた」(1)を用いて、正し い手の洗い方を指導した。その結果、指導を重ねるごとに洗い残しが減ったことを明らかにしている。

神谷(2019)は、現段階では幼児教育において ICT を積極的に活用した事例は少ないが、将来的に校 務だけではなく、幼児への指導にも ICT の活用が求められる時代が到来することを予測している。そ して、保育者養成校の取組として、電子紙芝居などの ICT 教材の開発の実践を紹介している。

そこで本研究では、幼稚園の 4 歳児のクラスにおいて ICT 教材を用いた情報機器を活用した活動に よって、園児の手の洗い方が改善するか検討することを目的とした。

2 2 方 方法 法 2

2. .1 1 活 活動 動の の概 概要 要

国立大学附属幼稚園の 4 歳児のクラスに在籍する園児 14 名を対象に、正しい手の洗い方について 学び、実践しようという態度を育てることを目的に約 30 分間の活動を行った。実践者は T1 が第 1 著 者で、T2 が第 2 著者であった。クラス担任は園児と一緒に活動に参加した。

活動の概要を表 1 に示した。活動の導入では、本時は新型コロナウイルスの予防のための学習であ ることを説明した。次に、絵本「どうして しんがた コロナになるの?」(WILL こども知育研究所,

― 8 ―

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3

表 11 活活動動のの概概要要

学習内容と園児の活動 教師の支援と留意事項

①本時の学習内容の説明 新型コロナウイルス感染症の予防ための学習であるこ とを説明する

②新型コロナウイルス感染症について知る

(1)どのような病気なのか

(2)感染予防のための方法

③正しい手の洗い方を説明する

④替え歌で、正しい手の洗い方を練習する

⑤正しい手の洗い方を覚えたか、確かめる

デジタルテレビに絵本を映して読み聞かせを行う

スライドを用いて、正しい手の洗い方について説明する 動画教材を視聴しながら、練習する

実際に流し場で手を洗わせて確認する

⑥本時の学習をふり返る 本時の学習をふり返り、正しい手洗いを行うように意欲 づけを行う

2020)をデジタル化したものを 42 インチのデジタルテレビ(Panasonic: VIERA TH-P42X1EH)に映し ながら読み聞かせを行った。その際、新型コロナウイルス感染症はどのような病気かを説明し、感染 予防のためには手洗いが重要であることを確認した。その後、正しい手の洗い方について、厚生労働 省(2020)の啓発資料を参考に PowerPoint で作成したスライドをデジタルテレビに映し出しながら 教示を行った(2)。厚生労働省(2020)の啓発資料では、手洗いの手順が 6 段階で示されているが、活 動で使用したスライドでは、1)水で手をぬらす、2)石鹸をつけて泡立てる、3)手のひらを洗う、

4)手の甲を洗う、5)指先や爪を洗う、6)指の間を洗う、7)親指の付け根を洗う、8)手首を洗う、

9)水で流す、10)しっかりと拭くの 10 段階で示した。教示を行った際には、T1 はスライドで示され た手洗いの仕方を実演し、園児に真似をさせた。また、T2 はスライドと同じカード(A4 版の半分の 大きさでラミネート加工したもの)を黒板に掲示した。その後、正しい手の洗い方を習熟させるため、

動画教材を視聴しながら手洗いの仕方を練習した。動画教材には歌声が入っていなかったため、実際 の活動では実践者やクラス担任が歌を歌いながら指導を行った。最後に園児の手の洗い方に改善が見 られるかを確認するために、教室後方に設置されている流し場で、実際に手を洗わせてその様子をビ デオカメラで撮影した。

2

2..22 動動画画教教材材

園児に正しい手の洗い方を指導するために童謡「ともだち賛歌」(3)の替え歌による動画教材を制作 した。表 2 に動画教材の静止画と替え歌の歌詞を示した。動画教材は原曲の「ともだち賛歌」の 1 番 と 2 番の B メロをカットしたもので、動画教材の長さは約 1 分 30 秒であった。替え歌の歌詞の作詞 は第 1 著者が行い、タイトルを「てあらい賛歌」とした。作詞を行った際は、厚生労働省(2020)の 啓発資料を参考にし、正しい手の洗い方の手順が示されるようにした。動画の撮影は第 3 著者がモデ ルとなり、第 2 著者によって撮影された。伴奏は第 2 著者が担当した。撮影された動画と伴奏による 音声を第 1 著者が動画編集ソフト(CyberLink: PowerDirector 19)を用いて編集した。動画教材に は歌声を入れなかったが、画面の中に歌詞が表示されるように編集した。動画教材に使用したイラス トは、WEB 上に著作権フリーで公開されている画像を使用した(2)

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4

表 22 動動画画教教材材

画面① 画面② 画面③ 画面④

イントロ おみずで おててを

ぬらしましょう せっけん つけて あわたてて

画面⑤ 画面⑥ 画面⑦ 画面⑧

てのひら こすって

あらいましょう ごしごし あらおう てのこう こすって あらったら

ゆびの あいだも あらいます

画面⑨ 画面⑩ 画面⑪ 画面⑫

おやゆび ねじって

あらいましょう くるくる あらおう ゆびさき ごしごし あらったら

てくびも くるくる あらいます

画面⑬ 画面⑭ 画面⑮ 画面⑯

じゃあじゃあ おみずで

ながしたら しっかり ふこう ころなに まけるな てあらいを しましょう

画面⑰ 画面⑱ 画面⑲ 画面⑳

みんなみんな あらおう おててを あらおう しっかり ながそう しっかり ふこう

2

2..33 動動画画にによよるる観観察察とと評評価価

本研究の効果を明らかにするために、園児の手洗いの様子をビデオカメラで撮影し、評価を行 った。

(11))ビビデデオオのの撮撮影影

教室のレイアウトを図 1 に示した。教室後方に設置されている流し場で、園児の手洗いの様子を 2 台のビデオカメラで撮影した。動画の撮影は、第 2 著者と第 3 著者が流し場の左右から行った。1 度 に撮影した園児の人数は 2~4 名であった。事前の撮影は、活動の 2 日前に昼食前の手洗いの様子を

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5

撮影した。事後の撮影は、当日の活動の最後に行わ れた。フォローアップの撮影は、活動の 1 週間後に 昼食前の手洗いの様子を撮影した。

(2 2) )評 評価 価基 基準 準と と評 評定 定

動画による観察と評定が第 2 著者と第 4 著者に よって行われた。観察者は、表 3 に示した評価基準 に基づいて、各手順を 4 段階で評定した。手順 1・

13・14 の評価は時間の長さを基準とし、手順 3~12 の評価は回数を基準とした。対象園児の幼稚園では プッシュ式の泡石けんが備え付けられていたため、

手順 2 の評定は行わなかった。手順 13 については、

水で泡を流す時間が長かったとしても、明らかに手 に泡がついている場合は、評定を一段階下げること

にした。手順 3~13 に関しては、順番通りに行われていなくても評価の対象とした。手順の途中で他 の手順に移り、また元の手順に戻った場合は、前の動作との合計回数で評定した。例えば、左手の親 指のねじり洗いを 3 回行った後、右手の親指のねじり洗いを 5 回行い、再度左手の親指のねじり洗い を 2 回行った場合、左手の親指のねじり洗いは合計 5 回行われたことになるため、A 評定となる。

表 3 手洗いの評価基準

手順 手の洗い方 評価基準

1 水を流しながら手を洗う A:5 秒以上 B:3~4 秒 C:1~2 秒 D:行っていない

2 石けんをつけて泡立てる 評価しない

3 手のひらをこすり合わせて洗う A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 4 手の甲をこすり合わせて洗う(左) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 5 手の甲をこすり合わせて洗う(右) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 6 指の間を洗う A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 7 親指をねじり洗いする(左) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 8 親指をねじり洗いする(右) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 9 指先を手のひらにこするように洗う(左) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 10 指先を手のひらにこするように洗う(右) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 11 手首も忘れずに洗う(左) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 12 手首も忘れずに洗う(右) A:5 回以上 B:3・4 回 C:1・2 回 D:行っていない 13 水を流しながら、しっかりと泡を落とす A:5 秒以上 B:3~4 秒 C:1~2 秒 D:行っていない 14 清潔なタオル・ハンカチでよくふく A:5 秒以上 B:3~4 秒 C:1~2 秒 D:行っていない

2

2. .4 4 社 社会 会的 的妥 妥当 当性 性の のア アン ンケ ケー ート ト

本研究の社会的妥当性を評価するために、フォローアップのデータを収集後、クラス担任にアンケ ート調査を行った。

図 1 教室のレイアウト ト

― 11 ―

(8)

6 3 3 結 結果 果 3

3. .1 1 動 動画 画に によ よる る観 観察 察と と評 評定 定の の結 結果 果

2 名の観察者の評定の信頼性を確認するために、評定の一致率(一致数/(一致数+不一致 数))と Kappa 係数を求めた。一致率は 97.35%で、Kappa 係数は

K

= .957 で、評定の信頼性が 確認された。

(1 1) )手 手洗 洗い いの の手 手順 順別 別評 評定 定の の結 結果 果

クラス全体の手洗いの手順別評定の結果を表 4 に示した。事前と事後での A 評定と B 評定の割 合の合計を比較すると、全ての手順において事後が上回っていた。同様に事後とフォローアップ で比較すると、手順 9 と手順 10 と手順 12 でフォローアップが上回っていた。事前とフォローア ップを比較すると、手順 13 で事前よりもフォローアップで A 評定と B 評定の割合が下回ってお り、手順 5 は変化がなかった。それ以外の手順は事前よりもフォローアップの方が上回っていた が、手順 8 は 1.82%と微増であった。

表 4 4 手 手洗 洗い いの の手 手順 順別 別評 評定 定の の結 結果 果

手順 事前(Baseline) 事後(Post) フォロー(Follow-up)

A評定 B評定 C評定 D評定 A評定 B評定 C評定 D評定 A評定 B評定 C評定 D評定 1 0名 2名 6名 3名 4名 3名 1名 0名 1名 4名 4名 1

0.00% 18.18% 54.55% 27.27% 50.00% 37.50% 12.50% 0.00% 10.00% 40.00% 40.00% 10.00%

3 2名 5名 3名 0名 6名 1名 0名 0名 8名 1名 1名 0 20.00% 50.00% 30.00% 0.00% 85.71% 14.29% 0.00% 0.00% 80.00% 10.00% 10.00% 0.00%

4 3名 2名 4名 1名 6名 1名 1名 0名 4名 3名 2名 1 30.00% 20.00% 40.00% 10.00% 75.00% 12.50% 12.50% 0.00% 40.00% 30.00% 20.00% 10.00%

5 3名 2名 3名 2名 4名 2名 2名 0名 3名 2名 3名 2 30.00% 20.00% 30.00% 20.00% 50.00% 25.00% 25.00% 0.00% 30.00% 20.00% 30.00% 20.00%

6 3名 0名 5名 2名 3名 2名 2名 0名 5名 1名 2名 2 30.00% 0.00% 50.00% 20.00% 42.86% 28.57% 28.57% 0.00% 50.00% 10.00% 20.00% 20.00%

7 2名 0名 3名 6名 3名 1名 1名 2名 1名 2名 3名 4 18.18% 0.00% 27.27% 54.55% 42.86% 14.29% 14.29% 28.57% 10.00% 20.00% 30.00% 40.00%

8 2名 0名 3名 6名 1名 1名 2名 4名 2名 0名 5名 3 18.18% 0.00% 27.27% 54.55% 12.50% 12.50% 25.00% 50.00% 20.00% 0.00% 50.00% 30.00%

9 1名 1名 3名 6名 1名 3名 1名 3名 3名 4名 0名 3 9.09% 9.09% 27.27% 54.55% 12.50% 37.50% 12.50% 37.50% 30.00% 40.00% 0.00% 30.00%

10 1名 1名 3名 6名 3名 1名 1名 3名 2名 4名 1名 3 9.09% 9.09% 27.27% 54.55% 37.50% 12.50% 12.50% 37.50% 20.00% 40.00% 10.00% 30.00%

11 0名 2名 2名 7名 2名 2名 1名 3名 2名 1名 4名 2 0.00% 18.18% 18.18% 63.64% 25.00% 25.00% 12.50% 37.50% 22.22% 11.11% 44.44% 22.22%

12 0名 0名 4名 7名 1名 1名 3名 3名 2名 2名 3名 2 0.00% 0.00% 36.36% 63.64% 12.50% 12.50% 37.50% 37.50% 22.22% 22.22% 33.33% 22.22%

13 6名 3名 2名 0名 4名 3名 0名 0名 4名 3名 3名 0 54.55% 27.27% 18.18% 0.00% 57.14% 42.86% 0.00% 0.00% 40.00% 30.00% 30.00% 0.00%

14 7名 1名 3名 0名 8名 0名 0名 0名 8名 0名 2名 0 63.64% 9.09% 27.27% 0.00% 100.00% 0.00% 0.00% 0.00% 80.00% 0.00% 20.00% 0.00%

※手順は表 3 に示した手順と同じである

(2 2) )園 園児 児の の個 個別 別評 評定 定の の結 結果 果

各園児の A~D 評定の数を表 5 に示した。観察者の評価が一致しなかった手順については、評定と してカウントしなかった。活動当日、園児 D は欠席、園児 C と園児 K はビデオカメラのトラブルのた

― 12 ―

(9)

7

表 55 園園児児のの個個別別評評価価のの結結果果

事前(Baseline)事前調査 事後(Post) 活動直後 フォローアップ(Follow-up

p A評定 B評定 C評定 D評定 A評定 B評定 C評定 D評定 A評定 B評定 C評定 D評定

園児A 1 2 6 2 2 2 4 4 4 4 5 0 .004

9.09% 18.18% 54.55% 18.18% 16.67% 16.67% 33.33% 33.33% 30.77% 30.77% 38.46% 0.00% ※※

園児B 5 0 0 7 5 1 2 4 4 2 6 0

41.67% 0.00% 0.00% 58.33% 41.67% 8.33% 16.67% 33.33% 33.33% 16.67% 50.00% 0.00% ns

園児C 2 0 5 6

― ― ― ― 5 3 4 1

.032 15.38% 0.00% 38.46% 46.15% 41.67% 25.00% 33.33% 8.33%

園児D 0 3 3 7

― ― ― ― 6 2 5 0

.010 0.00% 23.08% 23.08% 53.85% 46.15% 16.67% 41.67% 0.00%

園児E 0 0 6 7 6 4 2 1 5 5 2 1 .000

0.00% 0.00% 46.15% 53.85% 46.15% 30.77% 15.38% 7.69% 38.46% 38.46% 15.38% 7.69% ※※※

園児F 6 6 1 0 10 1 0 2 6 2 0 4

46.15% 46.15% 7.69% 0.00% 76.92% 7.69% 0.00% 15.38% 50.00% 16.67% 0.00% 33.33% ns

園児G 7 4 1 1 5 2 1 4 9 3 1 0

53.85% 30.77% 7.69% 7.69% 41.67% 16.67% 8.33% 33.33% 69.23% 23.08% 7.69% 0.00% ns

園児H 2 4 7 0 6 6 1 0 2 5 5 1 .025

15.38% 30.77% 53.85% 0.00% 46.15% 46.15% 7.69% 0.00% 15.38% 38.46% 38.46% 7.69%

園児I 5 0 1 7 9 0 1 3 3 0 0 10 .004

38.46% 0.00% 7.69% 53.85% 69.23% 0.00% 7.69% 23.08% 23.08% 0.00% 0.00% 76.92% ※※

園児J 2 0 11 0 3 5 4 0 1 1 5 6 .000

※※

15.38% 0.00% 84.62% 0.00% 25.00% 41.67% 33.33% 0.00% 7.69% 7.69% 38.46% 46.15%

園児K 0 0 3 9

― ― ― ― ― ― ― ― ― 0.00% 0.00% 25.00% 75.00%

「―」は欠席等の理由で、観察できなかったことを示している。

p < .05,

※※

p < .01,

※※※

p < .001

め撮影ができなかった。また、園児 K はフォローアップの調査の日は欠席であった。

事前と事後とフォローアップの全ての評価を行うことができた園児に対して、各フェイズでの評価 に違いがあるかを検討するために Friedman 検定を行った。その結果、有意な差が認められたのは、

園児 A(

p

< .01)、園児 E(

p

< .001)、園児 H(

p

< .05)、園児 I(

p

< .01)、園児 J(

p

< .001)

の 5 名であった。園児 B と園児 F と園児 G の 3 名には、有意な差が認められなかった。有意な差が認 められた 5 名の園児に対して、更に Bonferroni 法による多重比較を行った。

園児 A は、事後に対してフォローアップの評価が有意に高かった(

p

< .05)。園児 E は、事前に 対して事後の評価が有意に高く(

p

< .01)、事前に対してフォローアップの評価も有意に高かった

p

< .01)。園児 H は、事前に対して事後の評価が有意に高かった(

p

< .05)。園児 I は、フォロ ーアップに対して事後の評価が有意に高かった(

p

< .05)。園児 J も、フォローアップに対して事 後の評価が有意に高かった(

p

< .01)。

事後のデータを測定できなかった園児 C と園児 D に対して、事前とフォローアップで評定に違いが あるかを検討するために Wilcoxon の符号付き順位検定を行った。その結果、事前に対してフォロー アップの評価が、園児 C(

p

< .05)も園児 D(

p

< .05)も有意に高かった。

― 13 ―

(10)

8 3

3. .2 2 社 社会 会的 的妥 妥当 当性 性に に関 関す する るア アン ンケ ケー ート トの の結 結果 果

本研究の社会的妥当性を評価するために、クラス担任にアンケート調査を行った結果を表 6 に示し た。アンケート調査の結果、全ての項目においてポジティブな回答が得られた。

表 6 6 ク クラ ラス ス担 担任 任へ への のア アン ンケ ケー ート トの の結 結果 果

質問項目 回答 理由

本実践は、園児にとって重要なものだと

思いますか? 4

年度当初、コロナの感染症に関連する休園後すぐに手洗い指導を行い ました。それからしばらくした中で、手洗いの重要性や洗い方を改め て思い出したり、大切さを思い出したりして、楽しく学ぶことができ たと感じたからです。

本実践は、園児にとって取組みやすい ものだと思いますか? 3

歌と映像によって耳からも目からも情報が入り、わかりやすかったと 思います。歌の歌詞がワンテンポ早く出ることで、もう少しフレーズ の最初から歌えるようになり、音の高さを少し下げて子ども達が歌い やすい高さに設定することで、より定着を図れると感じました。

活動の準備や打ち合わせは、担任にと

って負担だと思いましたか? ※ 2 準備や打ち合わせがあったことで、園児のより良い学びに繋がったと 感じたからです。

活動後の取組は、担任にとって負担だ

と思いましたか? ※ 2 無理のない範囲で、帰りの会の時間にみんなで楽しく行うことができ ました。

本実践は、園児の手洗いの習慣化に役

立ったと思いますか? 4 歌と映像を使って繰り返し取り組むことで習慣化されていくと思いま す。

4=とてもそう思う 3=少しそう思う 2=あまりそう思わない 1=全くそう思わない

※は逆転項目

4 4 考 考察 察

表 4 の結果から、全ての手順において事前よりも事後の方が A 評定と B 評定の割合の合計が上回っ ていたことから、クラス全体として手の洗い方に改善が見られたと考えられる。また、事前よりもフ ォローアップで A 評定と B 評定の割合が下回っていたのは手順 13 で、手順 5 は変化がなかったこと から、概ね正しい手の洗い方が維持されていたと考えられる。これは活動後に帰りの会で取り組んだ 成果が現れたものだと推察される。しかしながら、事後よりもフォローアップで A 評定と B 評定の割 合の合計が上回っていたのは手順 9 と手順 10 と手順 12 で、その他の手順は下回っていたことから、

更に正しい手の洗い方を定着させるためには、動画教材を用いて繰り返し練習することに加えて、定 期的に園児に手の洗い方を指導する必要があるだろう。

表 5 に示した結果から、園児 A は、事後に対してフォローアップの評価が有意に高かった(

p

< .05)

ことから、活動だけでは手の洗い方に改善が見られなかったが、その後のクラスでの取組によって手 の洗い方が改善されていったと考えられる。園児 E は、活動で手の洗い方が改善し、その後のクラス での取組によって事後のレベルを維持することができたと考えられる。

園児 H は、事後では手の洗い方が改善されたが、フォローアップではまた元のレベルに戻ってしま っている。園児 I は、フォローアップに対して事後の A 評定の割合が 69.23%と高く、D 評定の割合 は 23.08%と事前に比べて約 30%低くなっている。しかしながら、フォローアップでの D 評定が 76.92%と高い。各フェイズの評定の割合に着目すると、事前よりも事後で手洗いの評定が高かった ことが確認できる。園児 J も統計的な検定では事前と事後で有意差は認められなかったが、各フェイ ズの評定の割合に着目すると、事前に比べて事後の A 評定と B 評定の合計が約 50%高くなっている。

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9

したがって、この 3 名の園児に関しては活動で一時的に手の洗い方が改善されたが、その後維持でき なかったと判断できる。観察者の報告によると、園児 H は、活動後の手洗いの場面では、手洗いの動 作を一つ一つ丁寧に数を数えながら行っていたが、フォローアップでは動作が速くなっていた。また 園児 J と園児 I は、フォローアップの際、手洗いの順番が最後であったためか待ち飽きた様子が見ら れ、早く手洗いを終わらせようとしたようであった。時間にゆとりを持ち、園児を飽きさせない工夫 を行っていれば、この 3 名の園児のフォローアップの評価は違っていた可能性がある。

事後のデータを測定できなかった園児 C は、事前に対してフォローアップで有意に高い評価を得て いたことから(

p

< .05)、活動で正しい手の洗い方を身につけ、その後のクラスでの取組で習熟し ていったと予想される。園児 D は、活動当日は欠席であったが、事前に対してフォローアップで有意 に高い評価を得ていたことから(

p

< .05)、クラスでの取組によって正しい手洗いの仕方を身につ けていったと考えられる。

統計的に有意な差が認められなかった園児が 3 名いた。園児 B の評定の割合を見ると、事前と事後 とフォローアップでほぼ同じ割合を示しているが、フォローアップにおいて評定 D の割合が 0.00%

になっている。園児 F は、事後の A 評定の割合が 76.92%と高い割合を示しているが、各フェイズの A 評定と B 評定の合計を比較してみるとほぼ同じ水準を示している。また、事前の A 評定と B 評定の 割合の合計が 92.30%であったことから、既に正しい手洗いの仕方が身についていた可能性がある。

同様に園児 G も事前の A 評定と B 評定の割合の合計が 84.62%であったことから、既に正しい手の洗 い方が身についていた可能性がある。

表 6 に示したクラス担任への社会的妥当性のアンケートの結果から、本研究の妥当性が示された。

活動実践においては、園児に感染症予防の必要性を理解させるために絵本の読み聞かせを行った。園 児は絵本の読み聞かせの場面において真剣な様子で聞き入っており、感染症予防のためには手洗いが 重要であることをおおむね理解したようであった。また、クラス担任や養護教諭の話によると年度当 初に手洗いの指導を行ったが、年度末に手洗いの指導を行ったことで手洗いの重要性や手の洗い方を 改めて確認することができた。

動画教材を用いて手洗いの仕方を学習する場面では、歌を歌いながら楽しそうに学習に参加する様 子が見られ、クラス担任にもわかりやすいという評価を得た(表 6)。しかしながら、次のような改 善すべき点も明らかとなった。まず、動画教材の音程が高かったということである。今回作成した動 画教材は変ロ長調であった。活動で実際に歌ってみたところ、確かに園児にとっては音程が高かった。

今後実践する際は、音程を修正する必要がある。次に、今回作成した動画教材では歌を入れることが できなかった。動画編集を担当した第 1 著者の編集技術が未熟であったため、制作したカラオケに歌 を入れることができなかったことが原因である。もしも歌入りの動画教材を制作することができたら、

活動の後の取組が変わっていたかもしれない。最後に、手洗いの手順の多さである。どの手順も重要 であり取り上げないわけにはいかないが、やはり 30 分程度の活動の中で完璧にマスターさせること は難しい。そこで大切になるのが、事後の取組であろう。本研究においては、クラス担任の理解と協 力により、帰りの会で動画教材を使用しての取組を行ってもらった。そのことによる成果が、本研究

― 15 ―

(12)

10

の結果にも表れている。

以上、幼稚園の 4 歳児のクラスにおいて ICT 教材を用いた情報機器を活用した活動によって、園児 の手の洗い方が改善するか検討してきた。これまで考察してきたように、一定の効果があったことが 示唆された。本稿を執筆している時点において、新型コロナウイルスの収束の目処は立っていない。

そのような状況の中、本研究の成果が園児の感染症予防に資することを願うとともに、本研究で明ら かになった成果と課題を踏まえた新たな実践を開発していくことが望まれる。

謝 謝辞辞

本研究に参加していただいた園児の皆さん、そして快く研究に協力していただいたクラス担任の 先生をはじめ幼稚園関係者の皆様に、心より感謝を申し上げます。

注 注

(1)花王ビオレ「あわあわ手洗いのうた」は、学校・社会福祉施設・病院内での教育・衛生指導を目的とする場 合の使用が認められている。https://www.kao.co.jp/bioreu/family/hand/song/

(2)「かわいいフリー素材集いらすとや」を使用した。この素材集は、教育機関での無料での使用が認められて いる。https://www.irasutoya.com/p/terms.html を参照

(3)アメリカの民謡「リパブリック賛歌」が原曲で、日本語の歌詞は阪田寛夫(1925-2005)によるものである。

引 引用用文文献献

藤田藍津子・中村鈴子(2015). 足立区内保育所における手洗い指導における活動報告. 帝京科学大学紀要, 11, 195-199.

原田眞澄 (2004). 幼児の手洗い技術に関する研究. 中国学園紀要, 3, 97-102.

神谷勇毅 (2019). 幼児教育における ICT 活用の可能性. 鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編, 2, 1 97-205.

厚生労働省(2020). 手洗いについて(啓発資料) https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf (アクセス:2021.6.30)

文部科学省 (2020a). 新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン https://www.mext.go.jp/c ontent/20200406-mxt_kouhou01-000006156_1.pdf <アクセス:2021.6.30>

文部科学省 (2020b). 教育活動の実施等に関する Q&A https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_0003 2.html <アクセス:2021.6.30>

文部科学省 (2021). 学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル ~「新しい生活様式」

~ https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00029.html <アクセス:2021.6.30>

大久保耕嗣 (2013). 保育園における手洗い教室の実施と幼児の手洗い能力の評価. 日本環境感染学会誌, 28, 33-38.

WILL こども知育研究所 (2020). どうしてしんがたコロナになるの? 金の星社

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参照

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