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4. 省エネルギー性の評価

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Academic year: 2021

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分散蓄熱技術を応用した集合住宅用 コージェネレーションシステムの開発

1. はじめに

 民生部門の二酸化炭素排出低減に は,高効率な給湯システムの普及が欠 かせない.戸建て住宅には,すでにエ コキュートやエコジョーズ,エコウィ ルといった製品が市場に投入されてい る.いっぽう,集合住宅用コージェネ レーションシステムは,送りと戻りの 温水管からなるセントラル方式が実用 化されている.しかし,このシステム が普及するには,熱供給設備(配管,

補助熱源機,成層型温水タンク)のコ ストダウン,放熱ロスの低減,ならび にコージェネの高稼働率化が課題とな る.そこで,実験用集合住宅(NEXT21)

に設置したガスエンジンを用い,口径 20mm のワンループ配管とそれに接続 される今回開発した蓄熱式給湯ユニッ トでガスエンジンの高稼働率化を目指 した 7 戸規模の実入居試験を,2007 年 4 月より実施してきた(1)

2. システムの概要

 熱供給ユニットは,発電出力 5kW

(温水出力約 11kW)のガスエンジン

(GE),300L の成層型温水タンクと 24 号ガス給湯器(BB),温水供給ポンプ 等で構成される.ワンループ配管を流 れる温水が条件(たとえば 65℃以上)

を満たせば,蓄熱式給湯ユニット内の 蓄熱水ポンプにより,給湯需要に備え て約 65℃の温水(約 6kWh 相当)を 大気開放の樹脂製温水タンク(容量約 100L)に蓄熱できる.また熱供給ユ ニットへの戻り温水温度は供給温水流 量により 55~ 60℃の範囲に制御され る(図 1).蓄熱給湯ユニットの特徴は,

コンパクト(幅 430 ×奥行 430 ×高さ 1 800mm)で,給湯・暖房,風呂追い 焚き機能があり,さらに風呂湯張り等 により蓄熱がなくなっても,ワンルー プ配管から温水を直接給湯に利用でき る(2)

3. 運用実績

 2008 年 1 月の厳冬期の給湯・追い

焚きの熱負荷をみると,早朝および夕 方から 24 時過ぎにかけて顧客の熱の 同時使用が高まり,各戸の蓄熱温水が 熱供給に利用される(図 2).不足分は,

成層型温水タンクの温水が払い出さ れ,ガス給湯器が稼働する.いっぽう,

熱需要のほとんどない時間帯でも,各 戸の蓄熱によりガスエンジンの停止回 数が抑えられ,稼働率が高まる.各顧 客の熱負荷データを用いたダイナミッ クシミュレーションモデルを構築した 結果,ワンループ配管の温水温度や流 量を極めて正確に実測データと一致さ せることができた.これにより , 数十 戸から数百戸規模の住棟や多様な熱負 荷パターンの顧客に対する最適な設備 仕様の決定が可能となった.

4. 省エネルギー性の評価

 集合住宅に利用できるガスエンジン は,発電出力 10kW 未満と発電効率 33.5%(低位発熱量基準)の発電出力 25kW 機(温水出力 38kW)がある.

現在,発電効率 40%を目指した取り 組みが鋭意進められているが,高効率 化に伴い,温水出力が低下し,ガス給 湯器の稼働率が高まる.そこで,図 1 のシステムにエンジン排ガスを用いた 上水予熱に加え,発電効率 40%の発 電出力 40kW の GE では,余剰電力を 活用するヒートポンプ(EHP)を導 入して省エネルギー性の評価を行っ た.集合住宅の規模を 50 戸として各 種熱供給システム(エコジョーズ , エ コキュート,発電出力 25kW の GE と 上記の発電出力 40kWGE + EHP)の 年間ベースの省エネルギー性と二酸化 炭素排出量を従来方式を 100 として試 算した(図 3).試算条件は,火力平 均の原単位,二酸化炭素排出量をそれ ぞれ9.76MJ/kWh,0.69kg/kWhとした.

5. おわりに

 太陽光発電や風力発電とコージェネ レーションを組み合わせたマイクログ リッドシステムが,二酸化炭素の大幅

削減をもたらすと期待されている.し かし,コージェネレーションで発生し た温水を経済的に顧客に供給できるシ ステムがまだ実現できていない.今後,

50 戸規模での実証試験をふまえて本 システムの普及を図りたい.

(原稿受付 2008 年 8 月 21 日)

〔久角喜徳 大阪ガス(株)〕

●文 献

( 1 ) 大 阪 ガ ス ホ ー ム ペ ー ジ , http://www.

osakagas.co.jp/rd/next21/index.htm

( 2 )Yamaguchi,H., ほ か , A New Heat Supply System of Cogeneration for the Local Community, Journal of Power and Energy S y s t e m s ,2- 3 S p e c i a l I s s u e o n ICOPE-2007, (2007),1085-1095.

図 1 システム概要 口径20mmワンループ配管

GE BB

蓄熱式給湯ユニット

排ガス 成層型

タンク温水 タンク上水

図 3  各種熱供給システムの省エネル ギー性比較

120 100 80 60 40 20 0

100 100

95 109 98

78 86

68 78 94

CO2排出量 1次エネルギー使用量

従来方式 エコジョーズ,エコキュート 25kW40kW+EHP

図 2  熱負荷に対する熱源機の運転パ ターン

熱源機出力(kW給湯・追い焚き熱負荷kW

時刻(hr)

90 80 70 60 50 40 30 20 10 500 40 30 20 10 0

GE

BB

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

日本機械学会誌 2008. 11 Vol. 111 No.1080

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参照

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