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(1)

建築とっとり 2013.3 第88号

発 行/社団法人  鳥取県建築士事務所協会

〒680-0022 鳥取市西町2丁目102 西町フロインドビル2F TEL.0857-23-1728 FAX.0857-21-6112 URL. http://31kjk.com E-mai: [email protected]

編集:広報編集委員会

T O T T O R I A R C H I T E C T O F F I C E A S S O C I A T I O N T O T T O R I A R C H I T E C T O F F I C E A S S O C I A T I O N

No. 88

2013.3

社団法人 鳥取県建築士事務所協会

後醍醐天皇の漂着港

1.333年、後醍醐天皇は謀反人として幕府軍に閉じ込 められていた隠岐の島から脱出しました。

そして辿り着いたのが「名和の湊(御来屋港)」。この時 に腰掛けたという大岩を「お腰掛けの岩」と呼んで今 も漁港に祀られています。

(2)

No. 2013.3 88

CONTENTS

巻頭言

大北  誠 

鳥取県農林水産部全国植樹祭課長 3           第64回全国植樹祭鳥取県実行委員会事務局長

「第64回全国植樹祭の成功に向けて」

メッセージ ■

山下 卓治 

会 長 4

日事連創立50周年記念  第36回建築士事務所全国大会

12

藤井 泰徳 

㈲フジイ総合設計事務所

島根・鳥取合同研修会に参加して

13

荒井 芳民 

㈲荒井設計事務所

講習会開催報告

19

日事連年次功労者表彰 受章

20

川中 節男 

㈲ケーアイ建築設計 トピックス ■

市営うわなだ中央住宅

  8・9

10・11

有隣荘  白根 恭吾

        日ノ丸産業㈱創エネリフォーム部 部長

[先輩通信] ■

谷口  亮 

老後の趣味 14

津田  茂 

私の経歴 15

支部の動き 5

6 7

霜村 將博 

副会長(東部担当) 

清水 幸憲 

副会長(西部担当)

尾﨑 浩秀 

一水会幹事(中部) 

達人登場 16

17 自然に寄り添う達人  

塩 恵

 大因州製紙協業組合

祭のかなめ 

金山 博眞

 米子がいなまつり実行委員長

クローズアップ ■

嶋田  稔 

独楽建築設計室 18

事務局だより ■ 会議報告、会員の異動、行事予定 22・23

〜 御来屋漁港 〜

大山を背に、真直ぐ海へと進むと、漁船が停泊するこじん まりと風情ある港(漁村)が見えてきます。それが県西部 で境港に次ぐ漁獲量を誇る御来屋漁港です。

漁港付近には、隠岐の島から脱出した後醍醐天皇が腰掛 けたという「お腰掛けの岩」など見所もあり、昭和の良き 時代を思い出す様な漁村民家が軒を並べている。

          (表紙・裏表紙/写真・文:近岡一幸)

表紙のことば

み  くり   や

 鳥取県建築士事務所協会の皆さまには、日頃より、第 64回全国植樹祭の開催に向けご理解ご協力をいただき、

厚くお礼申し上げます。

 今年5月26日に開催される全国植樹祭まで、いよいよ 3ヶ月をきりました。

 一昨年9月に、全国植樹祭の式典会場で天皇皇后両陛 下に御臨席いただく「お野立所」の企画提案の募集をさせ ていただきました。条件的に困難な業務内容にも関わら ず、県内7社の設計事務所の皆様からご応募をいただき ました。いずれも甲乙つけがたいものでしたが、その中で も特に優れていた杵村建築設計事務所様の提案を採用 し、現在、建築工事を進めております。  

 式典会場のシンボル的な施設であるお野立所は、大空 への飛翔をイメージした木製アーチ型架構が取り入れら れ、県産材の特性を生かした構造・配置となっており、鳥 取県の木造建築のすばらしさを会場に訪れる皆様にアピ ールできると考えております。

 鳥取県は県土の約74%が森林であり、昔から林業が主 要な産業の一つであります。しかし、木材価格の低迷をは じめマツクイムシの被害や竹林の繁茂、カシノナガキク イムシによるナラ枯れなど林業を取り巻く環境は厳し く、森林としての機能が急速に失われつつあります。豊富 な木材資源を育み、循環を維持させていくことは、日本の 未来のためにも非常に重要な課題となっております。

 そんな中、鳥取県では木材資源の循環利用を図りながら 森林づくりを推し進めるため、「感じよう 森のめぐみと  緑の豊かさ」をテーマに第64回全国植樹祭を開催します。

 県内外から5,000人を招待し、日本最大級のフラワーパ ーク「とっとり花回廊」を式典会場として、鳥取県の豊かな 自然や文化、森林・林業・木材産業の紹介や県民が参加す る創作劇「大山森話(だいせんしんわ)」の上演にはじまり、

鳥取県の自然条件にあった在来種のうち、県民に親しみの あるアカマツなど6種の苗木を両陛下がお手植えされ、ヤ マザクラなど4種類の種をお手播きされる予定です。

 植樹会場の「とっとり花回廊いやしの森」と「国立公園 奥大山鏡ヶ成高原めぐみの森」では、招待者による記念植

樹を行います。記念植樹では、植樹会場の自然条件や周辺 環境に配慮しつつ、「学習」「生活」「体験」「交流」の4つの テーマを持った鳥取県の新しい森を形成し、県民に親し んでもらえる未来の森づくりをすすめます。

 また、全国植樹祭の開催を契機とし、多くの県民の皆さ まに自ら環境保全活動に取り組んでいただく県民運動

「とっとりグリーンウェイブ」を展開しています。この運 動の中心となる方を「美鳥(みどり)の大使」に認定し、平 成24年12月末までに延べ4万6千人の方にご参加いた だいております。今後も、この運動を継続していくため に、美鳥の大使の活動を今年秋に開催される「第30回全 国都市緑化とっとりフェア」や「エコツーリズム国際大会 2013in鳥取」に引き継ぎ、緑を育み自然を大切にする緑 化の心を広げていきます。

 さらに、東日本大震災復興支援として「とうほくとっと り・森の里親プロジェクト」にも取り組んでいます。これ は、被災した岩手県、宮城県、福島県の3県から預かった 種子を本県で育成し、今年の秋以降、各県に苗木を里帰り させ、被害を受けた海岸防災林の再生に役立ててもらう 活動です。

 第64回全国植樹祭を通じて、自然環境や森林保全への 意識を高め、緑豊かなふるさと鳥取県から「とっとりグリ ーンウェイブ」の大いなる風を起こせるよう開催まで鋭 意準備を進めて参ります。

 今後とも貴協会の皆さまのご支援をよろしくお願いい たします。

第64回全国植樹祭の成功に 向けて 第64回全国植樹祭の成功に向けて

大北  誠

鳥取県農林水産部全国植樹祭課長

第64回全国植樹祭鳥取県実行委員会事務局長

第64回全国植樹祭式典イメージ図

(3)

会 長 メ ッ セ ー ジ

メッセージ

東部支部の動き

副会長(東部担当)  霜 村 將 博

 日事連では、昨年創立50周年という節目を迎えられ ましたが、私達も4月には一般社団法人鳥取県建築士 事務所協会として新たにスタートの年を迎えます。

 これを契機として、今まで以上に、私達が行っている 建築設計、監理の仕事が地域社会より評価されるとと もに、個々の建築士事務所が建築やまちづくりを主体 として業を行っていることを認知して頂くことが必要 であると考えています。そして、更なる信頼の確保と社 会的地位向上という新たな目標に向かって、一層の活 動を展開していかなければなりません。

 平成7年1月に発生した阪神淡路大震災の教訓を踏 まえて耐震改修促進法が制定され、既存不適格建築物の 所有者に対し耐震診断、改修の努力義務が課せられまし たが、その後東日本大震災の発生を契機として、更に安 全、安心の確保された建物を構築することが国民的な重 要課題として求められる状況になってきています。

 この様な状況を受けて、既存建物の耐震改修促進策 の強化、拡充の必要性の議論が国交省:社会資本整備 審議会で始まり、既存ストックの再整備と活用への取 り組みが本格化してまいりました。そして、建物の耐震 診断や耐震補強改修、維持管理、更新などへの対応が求 められてきています。

 鳥取県内の市、町においても、木造住宅の耐震診断、

改修等が進められていますが、今後さらに既存ストッ

クへの対応が増加してくるものと思われます。この様 な状況の中で、建築士事務所に対しては、安全で安心な 生活を送るために必要な生産活動の継続性の確保はも とより、更に機能向上、景観、省資源といった多面的な 視点も含めて、付加価値を高める総合的な改修設計が 求められることになると思われます。こうした業務に 取り組む上でも、受け手としての建築士事務所協会が さらなる目標に向かって、会員増強、建築士事務所の管 理研修会等を通じて、新事業、新分野の開拓も視野に入 れて活動を強化していく必要があると考えます。

 鳥取県建築士事務所協会は、日事連とともに建築設 計、監理業の確立と、新たな枠組みとしての(仮称)建築 士事務所法の制定に向けた取り組みを会員、県内建築 関係団体の皆様と議論を深めながら、内容を正しく理 解するとともに、必要性への認識を持ち、制定に向けた 活動に繋げていくことが大切であると考えます。

 今後も、建築士事務所協会による建築士事務所の自 律的監督体制を確立するために、積極的な活動に努め るとともに、行政、地域社会との連携を図りながら、会員 増強に努め、社会的地位向上を目指して、建築設計、監理 業の確立に向けて努力をしていく所存であります。

 会員皆様の活動へのご理解とご協力をよろしくお願 い致します。

会 長  山 下 卓 治

一木会 平成24年度後半の活動報告

■第3回一木会

    平成24年10月4日(木)

    白兎会館     16:00〜

    一木会例会

    臨時総会            ・今後の会費の取扱について     16:30〜

    賛助会員企業PR      ・山陰エレベータ㈱

     ・土江建材T.Kボルト

     ・サンイン技術コンサルタント㈱

     ・YKKAP㈱

     ・㈱サンゲツ岡山店      ・TOTO㈱鳥取営業所

     ・タカラスタンダード㈱

     ・㈱LIXIL      ・田島ルーフィング㈱

     ・文化シャッター㈱ 

    36名

■住まいの無料相談会

    平成24年10月13日(土)、14日(日)両日     鳥取県立鳥取産業体育館

      延べ8人出席

■第4回一木会

    平成24年12月6日(木)

    白兎会館     忘年会開催     45名

開催日 場 所 内 容

開催日 場 所 会員相談員

出席者 出席者

場 所 開催日

内 容

「みえないものをみる」を御体感ください。

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配線 鉄筋

配管

(4)

西部支部の動き

副会長(西部担当)  清 水 幸 憲

 今年度後半(10月〜3月まで)の西部支部の活動報告を致します。

 山水会の定例会として、10月・12月・2月の3回開催しまし た。報告は下記の 活動報告 の通りです。

 事業として11月に「島根・鳥取両会合同研修会」を、西部支部 の会員・賛助会で企画運営しました。平成18年以来6年振りの 西部地区での担当という事で、事前調査や当日の手配段取り等、

皆様にご協力戴き無事に終える事が出来ました。12月25日に は、「業務委託契約にかかる公共工事の前金払制度の採用を求め る要望書」を米子市長へ提出しました。内容としては、長期的な 公共事業の業務の状況や、建築設計業界を取り巻く環境は今後大 変厳しい状況となる事が予想され、公共事業において、受注者の 資金繰りの改善を目的とした公共工事の前金払制度は不可欠で

あるとし、制度の採用を要望する としたもので、結果として平成 25年度からの採用が決定されました。今後会員事務所の一助に なればと思います。

 又、木造耐震診断(西部市町村より受注分)も、引き続き米子市、

境港市、伯耆町より20件の依頼があり、西部会員で業務を行いま した。申込件数が昨年度と同数程度で、もう少しこれらの事業の 普及に、協会としても努力していかなければと感じた次第です。

 最後になりましたが、今年度一年間山水会の定例会や様々な事 業に対しまして、ご協力戴きました講師の方々をはじめ、正会員・

賛助会員の皆様に心より感謝申し上げ、一年のご報告とさせて戴 きます。有難うございました。

中部支部の動き

■10月例会

「エネルギー 創るくらしで未来がかわる

     〜スマートライフ はじめませんか〜」

鳥取ガス産業様によるこれからの省エネルギーについて講習 会を開催いたしました。

東日本大震災以降、再生エネルギー、省エネ、節電の促進な ど様々な見直しが行なわれています。その中で家庭で発電 し、効率よく電気を使用できるシステムの紹介をしていただ きました。

    平成24年10月3日(水)

    ホテルセントパレス倉吉       35名

■12月忘年例会

一年の締めくくりとなる12月、忘年例会を開催いたしまし た。今回は寒い中、三朝温泉に集まり一年の情勢、これから の動向等、会員同士話しを膨らませておりました。また地元 アイドルユニットのパフォーマンスもあり、会員皆、少し若 返ったのではないでしょうか。

    平成24年12月5日(水)

    明治荘      38名

■2月例会

「土江建材T.Kボルト 木造住宅の耐震補強について」

土江建材様による現在の木造住宅における耐震補強のニーズ、

またこれからの工法について講習会を開催いたしました。

    平成25年2月6日(水)

    倉吉シティホテル       39名 一水会 平成24年度後半の活動報告

開催日

場 所 参加人数

開催日

場 所 参加人数

開催日

場 所 参加人数

一水会幹事(中部)  尾 﨑 浩 秀

[定例会]

■10月例会

建築計画・地域計画が専門の細田先生をお招きし、講演を戴 きました。又県内のエコスクールを調査された住友美香氏よ り調査研究の報告がありました。

    平成24年10月24日(水)

    米子食品会館 別館2F プラザホール

    講演「地域づくり、まちづくりの活動と教育施設の        調査研究計画提案

    講師 国立米子工業高等専門学校 建築学科        准教授    細田智久 氏

       建築学専攻  住友美香 氏     43人

 

■12月例会「定例会と年忘れ懇親会」

毎年恒例となりました 12月山水会の例会と年忘れ懇親 会 を山下会長にご出席戴き、盛会に開催しました。

    平成24年12月12日(水)

    国際ファミリープラザ 9F   シュシュ     49人

■2月例会

島根原子力発電所の現況と安全性や今後の対応(対策)等に ついて講演を戴き、活発な意見交換が行われました。

    平成25年2月20日(水)  

    米子食品会館 別館2F プラザホール     講演「島根原子力発電所の現況について」

    講師 島根原子力本部 専任部長 村井忠史 氏     42人

[親 睦]

■秋の山水会ゴルフコンペ開催

恒例となりました山水会ゴルフコンペを開催し、親睦を深め ました。

    平成24年11月18日(日)

    大山アークカントリークラブ     16人(4組)

        優勝 藤井裕史 氏         BG 山本一夫 氏         ※競技方法:Wぺリア 山水会 平成24年度後半の活動報告

場 所 参加人数

内 容 提出先

内 容 開催日 場 所

参加人数

開催日 場 所 参加人数

懇親会 山下会長

講演:村井忠史 氏 2月例会の様子

内 容 開催日

開催日 場 所

参加人数

講演:細田智久 氏 報告:住友美香 氏

参加者

開催日 場 所

[事 業]

■島根・鳥取両会合同研修会の企画運営

    平成24年11月8日(木)〜9日(金)

    (1日目)江府町旧江尾発電所・出雲街道・

         根雨宿散策 他 (皆生温泉泊)

    (2日目)国際マンガサミット、鬼太郎ロード 他          

■要望書提出

「業務委託契約にかかる公共工事の前金払制度の採用を求め る要望書」の提出

    平成24年12月25日(火)

    米子市長 野坂康夫

■木造耐震診断(西部市町村より受注分)

本年度も米子市・境港市・伯耆町より協会に委託を受け、西 部の会員で20件の木造住宅耐震診断調査と報告を行いまし た。

   米子市 2件  境港市 11件  伯耆町 7件

■役員会

*10月役員会 平成24年10月30日(水)

* 1 月役員会 平成25年 1 月23日(水)

* 3 月役員会 平成25年 3 月15日(金)

(5)

倉吉市子育て総合支援センター(おひさま)

1F

南面全景

南面全景

T opics

トピックス

市営うわなだ中央住宅

所 在 地 :倉吉市上灘町 敷地面積:3,293.29㎡

延床面積:3,701.09㎡

  (共同住宅棟:3,640.87㎡・自転車置場棟:51.42㎡・ごみ置場棟:8.80㎡)

構  造:鉄筋コンクリート造一部鉄骨造  6階建 発 注 者:倉吉市

基本設計:有限会社 ミュー設計工房

実施設計:フジイ・A&S・オオマエ・設計共同企業体 工事監理:有限会社 フジイ総合設計事務所

建築施工:酒井・寿・紙谷・フクタニ特定建設工事共同企業体 電気施工:山崎・北村特定建設工事共同企業体

機械施工:クラエー・中海工業特定建設工事共同企業体

■ 敷地配置図

▲子育て交流室(プレイコート)

▲芝広場(藤棚・砂場)

市営うわなだ中央住宅は、上灘中央公園周辺地域を整備した「上 灘中央交流促進事業」のうち、市営米田団地の建替え事業であり、

2階から6階までが市営住宅です。

1階には、子育て総合支援センター、防災倉庫を配置し、県内で初 めての公営住宅と福祉施設とが連携した複合施設となります。

冬季・夏季の太陽高度と日射面・日射量とを考慮し、建物形状を東 西方向に長く、南北方向に短く配置しています。また東西方向開 口部に熱線反射ガラス及び小庇を使用する事で更に冷房負荷軽 減を促進する等の配慮をしています。

外観は、隣接の上灘公民館および倉吉未来中心とも調和のとれる 落ついた色合いとし、周辺景観との調和も図っています。

建物概要

市営うわなだ中央住宅 2〜6F

■ 1F平面図

▲子どもトイレ

▲セミナールーム

▲外構As舗装工事

(プレボーリング拡大根固工法)▲杭工事 ▲基礎配筋工事 ▲上部躯体CON打設

(3〜RF床ボイドスラブ) ▲RF屋根鉄骨工事

▲子育て交流室(畳コーナー)

工事中の様子

▲ベランダ(車椅子対応室) ▲WC(車椅子対応室) ▲DK(車椅子対応室) ▲和 室

▲洋 室

(6)

日ノ丸産業㈱ 創エネリフォーム部 部長   白根 恭吾 T opics

トピックス

有隣荘 国の登録有形文化財の指定に至るまで

鳥取いなば有隣荘

鳥取市国安895   TEL0857-53-2686

 広大な国安田圃を背に長屋門の前に立つと、自然に居

ずまいを正す自分に気が付きます。この屋敷は旧邑美村 の大庄屋、鳥取県東部屈指の資産家西尾家の旧宅として 大正7年から5年の歳月をかけて建築されたもので、その 後昭和36年には鳥取市の名誉市民で貴族院議員を勤め た米原章三の所有となり「有隣荘」と名付けられました。

敷地は2,000坪、総欅造りの主屋と鳥取藩池田家より拝 領した茶室付の離れからなる建物、京都から庭師を呼び 3年をかけて造られた750坪の八坂山を借景とした池泉 回遊式庭園で構成され、昭和60年のわかとり国体の折に 行啓された高松の宮にお食事をお出ししたことを契機 に、現在は料亭として運営されております。

 この鳥取の宝を文化財にと動き出したのが平成23年、

市文化財課に相談したところ非常に乗り気になって頂 き、当時担当となったばかりの私も愁眉を開きました。そ の後文化庁鑑査官が来鳥され、県教育委員会文化財課と 共に検分の上申し分のない物件とのお墨付きを頂き、文 化財申請を進めることとなりました。申請物件は9つ。

「主屋」 「離れ」 「長屋門」 「二番蔵」 「三番蔵」 「四番蔵」 「仕切 り門及び塀」 「土塀」 「石垣」です。それぞれに文化財として の価値を見出す作業には鳥取市文化財団理事長の木谷清 人氏の力を借り、所見を書いていただくこととなりまし た。過去にも他の文化財物件の所見作成に携わっておら

れた木谷氏ですが、一度に9つもの物件調査お願いし恐 縮する我々を尻目に氏の動きは精力的で、西尾家縁の方 から米原家縁の方、地元国安の古老から改築に関わった 建設会社の方と広範を極め、新しい発見がある度に嬉々 として私たちに話して下さる姿に大変感銘を受けまし た。その甲斐あって平成24年9月には文化審議会から答 申が出まして晴れて「登録有形文化財」となることが決定 いたしました。

 長屋門に足を踏み出すと、 「章三」手書きの表札と樹齢 二百数十年の椎の古木が訪なう人を沈深の空間にいざな います。先日、日本料理界気鋭の料理人であるで東京麻布

「分とく山」の総料理長 野崎洋光氏にお出で頂く機会が

ありお見せしたところそのすばらしさに、 「鳥取の文化財

だが日本の宝である」とおっしゃいました。こういうもの

が、この鳥取に残っていたことの幸せと、残していくこと

の大切さを、今回の登録に関わって頂いた色々な人たち

から教わったように思います。皆様も是非一度お出で頂

き、料理長渾身の料理と共に有隣荘を味わって頂ければ

幸いです。

(7)

 11月8日(木)。「出雲街道・根雨宿散策」です。

 根雨宿は私の生れ育った特別の町です。9月に永く空き家になっていた生家 解体、通学路拡張のためにと、敷地は町へ寄進。家も土地もすでに残っていま せん。しかしながら心の中には忘れることのできない町です。

 根雨宿の散策です。

 金持神社へ来ました。子供の頃は見向きもされなかった場所です。道路、駐 車場は整備され、メジャーな神社へと変身です。たいしたものです。さっそく 100円を投入。いつもの旅行のくせです。おいしいお酒、いい女性に会えますよ うに、パチンコに勝てますように、拝みました。まさか研修会のレポートを書く とは思いませんでしたので、こんな願いしかしませんでした。ごめんなさい。

 福田(旧姓)さん!声がかかりました。ガイドの杉本さんです。私の高校の後 輩だそうです。「剣道稽古の時はパンツは脱いでするものです。」と、私が言っ たそうです。覚えていてもらってありがとう。

 これからが本命の根雨宿散策です。2台のバス、2チームに別れての散策で す。ガイドさんは当然杉本さんです。良く研究され勉強されていました。とに かく、ガイドの声がいい。歯切れ良く、わかりやすさバツグンです。これも剣 道の成果かな?

 根雨神社横にてバス降車。神社境内では、祭り、屋台、そして相撲大会を思 い出します。子供は勝者10円、負者5円、3人抜きは50円でした。盛り上っ ている最中大声がします。殴り合いの喧嘩が始まりました。酒の入る場所で は、よくよく起きたことでした。

 大地主近藤家です。道添の黒塀越に見える樹木、どんな庭であろう?といつ も思っていました。今回は家の中に入れるのです。玄関土間の三和土、素戸の 奥が炊事場、ヘッツイが残っており、天井の松梁組に感激。中庭に通じる建具 に貼り紙あり「ここから奥へは行けません」、あこがれの中庭を見るために突っ かい棒をはずしのぞきました。正面に蔵、間に有る中庭は観たいと思っていた 中庭ではありませんでした。残念、残念。

 根雨本陣の門。根雨神社宮司の梅林先生が住んでおられた家です。厳格な人 で子供は近づけません。門の中に入ったおぼえはありません。

 民俗資料館。石造り外階段にて記念写真。

 集合場所、根雨駅近くの延暦寺です。西部地震の時、大工4〜5人にて実家 屋根修理にかけつけました。実兄の指示により転倒している墓石直おしに回り ました。見渡す限り墓石は全部転倒していました。ここまで破壊が進と悲しさ より爽快だったことを思いだします。震災後財政準破綻町と聞いていました が、皆様の努力のたまものでしょう財政も持ち直しているとのことです。うれ しいことです。

 根雨駅を出発。懇親会場 皆生温泉へ向います。

 2日目です。「国際マンガ博」を見学。境港市にて水木ロード散策。そして 解散。計画して下さった協会の方々、ありがとうございました。

 島根県会員の皆様、ありがとうございました。

島根・鳥取合同研修会に参加して

 2012年10月5日、「日事連創 立50周年記念・第36回建築士 事務所全国大会」が東京・帝国 ホテルで開催されました。鳥取 会からは、三役と事務局及び年 次功労者表彰の川中氏の5名で 参加しました。山下会長は全国

区の副会長ですので、大会式典では雛壇からの登場で、「建築士 事務所憲章」を見事に朗読され大会の開始となりました。

 記念式典と全国大会についての詳細報告は、2012年12月の会 報誌「日事連」に記載されていますので、是非一読して下さい。尚、

表紙を飾っていますのは50周年記念を祝して、これまでの日事 連建築賞の国土交通大臣賞を受賞した作品群です。

 ここでは、エピソード的に振り返って見たいと思います。今回 は皆さんの都合上、現地集合・現地解散となりました。夫々の時 間に合わせて、東京駅からと羽田空港からの集合・解散でした。

記念式典は午後からの開始でしたので、会場には昼頃までに 入ってゆっくりしようと思い、11:30分頃には着いたと思いま す。東京・帝国ホテルは、JR新橋駅と有楽町駅のほぼ中間点に位 置しますので、環状線沿いにゆっくり歩いても15分程度です。

私は、有楽町駅から歩きました。着いて早々昼飯と思い、ホテル 内を分らないままにウロウロしましたが、和風的な店も洋風的 な店もランチサービス2000円以上のメニューばかりで、ギブ アップ。外へ出て見ると、帝国ホテル周辺と言えども環状線沿い には庶民的な店がたくさん並んでいますので、その一店の蕎麦 やさんで950円の蕎麦定食を食べました。

 再び会場に戻りロビーの椅子に座って仮眠状態でいると、前 島局長と合流する事ができ、しばらく二人でロビー内をキョロ キョロしながら雑談をしていました。すると広いロビーの向こ うの方で、左胸に花飾りを付けた白い鼻髭の小父さんを見つけ てホッと一安心しました。

 この後は、会場入口のホールに展示してある「建築賞の受賞作 品」を見ながら時間の調整をし、式典の開始を待ちました。席は ブロック毎に指定してあり、中・四国ブロックの鳥取会はステー ジ正面に向って左側、年次功労者は中央の席で大会終了まで川 中さんとは別々でした。

 先ず記念式典から始まり、・記念講演→・大会式典---開会の

辞---建築士事務所憲章(山下 鳥取会々長)---三栖会長挨拶 ---羽田大臣他の祝辞---表彰式

(建築賞・永年勤続・年次功労 者)---大会宣言(上野京都会々 長)---日事連50年の歩み---第 37回の開催地:三重会々長挨

拶---閉会の辞→〈会場の移動〉→・記念パーティーへと進んでい きました。

 移動の途中に、「建築賞受賞作品」の前で、川中さんの記念撮影 を行いました。

 記念パーティーは鏡割りから始まり、「とにかく皆腹が減って いたもんで」、しばらく飲んで・食って --- 落ち着いてからは、

アトラクションをしっかりと堪能しました。パーティー会場に は、「2020年オリンピック・パラリンピック」の東京誘致をPR する長野・トリノ-パラリンピックのアルペンスキー金メダリ ス ト・大 日 方 邦 子 さ ん、シ ド

ニーオリンピック-シンクロナ イズドスイミングチーム銀メ ダリスト・江上綾乃さんのお 二方も参加しておられ、鳥取会 全員でチャッカリと記念写真 に納まりました。

 以上私からの式典・大会の報告ですが、この後川中さんのお 祝いも兼ねて二次会へと突入しました。山下会長は日事連の重 鎮ですので、直ぐには解放されませんのでとりあえず、会長を除 いた4名で新橋ガード下の超庶民的な居酒屋で乾杯。それから、

かなり盛り上がって「終りにしよう」と思っている所で駆けつけ た山下会長と合流し再度乾杯。宿は皆さん夫々別で、新橋ガード 下でさようならをしました。

 次の日は新しくなった東京駅を観て、その後八重洲ブックセ ンターで単行本を仕入れ、リムジンバスで羽田へと向いました。

 前回の全国大会の報告にも書きましたが、「日事連建築賞」は 大きい建物ばかりが対象ではありません。100㎡程度の「小規模 建築部門」もありますので、奮ってチャレンジしましょう。最後 になりましたが、川中氏の年次功労者表彰に敬意を顕して終わ りにします。

中部支部  ㈲荒井設計事務所  

荒井 芳民

日事連創立50周年記念

第36回建築士事務所全国大会

H24

金持神社

近藤家

根雨本陣

民俗資料館 国際マンガ博

(文/藤井泰徳)

(8)

 50年間、設計の仕事 を続けることが出来 た要因のひとつに趣 味の園芸がある。

昭和30年代、設計のお 礼にといって、サツキ の鉢植えを頂いたこ と が あ っ た。そ の 時、

サツキの株の増やし 方 を 教 え て く れ た。

「そ れ は 簡 単 で す よ、

花が終ったあとすぐ 剪定し、余分な新芽は とる、その不要になっ

た新芽を土に挿す、上手に管理すれば根が生えて新し い苗が出来る、2、3年すれば花が咲きますよ。」と。

今、思うとサツキの新芽ざしのことである。

 早速、実行してみると簡単にできてしまった。当時、

NHKテレビの趣味の園芸でもサツキの人気は高く、

ブームになっていたのですっかりはまってしまった。

それ以来、レパートリーをひろげ、サボテンや洋ラン にいたるまで幅広くなんでも試みた。温室なしで鳥取 の寒さに耐えられるかどうか、何度も失敗を繰り返し ながらいまでも続いている。

 50才の時、松の盆栽をはじめた。種を蒔いて苗を作 る実生(みしょう)という方法である。

 その他の方法では、さし木、とり木、接(つ)ぎ木等が ある。技術を要するので失敗も多いが、成功した時は 楽しいものだ。

 手掛けた松は色々あ るが、黒松、五葉松が多 い。赤松、錦松、白松(は くしょう)もある。

 白松は中国原産で、

日本には自生していな いので特に珍しい。私 の手許にある白松は、

鳥取市湯所町にお住い の山根乙彦さん(故人)

に頂いたものである。

昭和61年に実生3年 の鉢植えを頂いたもの で、約30年経過してい

る。頂いた時の面白い話があるのでご紹介しよう。

 山根さんのご尊父様が、戦前、中国に赴任された際、

白松の種を持ち帰り、鳥取市湯所町の庭に蒔いたのだ という。さきの大戦終戦後、中国では内戦が起り、毛沢 東と蒋介石が争った。蒋介石は敗れて台湾に逃れた。

その際、戦艦3隻に宝物を積んで持ち出したと云われ ている。しかし、白松だけは持ち出すことが出来な かった。中国では、白松は高貴な植物とされているら しい。世界遺産になっている紫禁城の建物群の植栽に 使われているのが白松だそうである。

 また、中国では白は王の上にのって皇となる。従っ て、白は高貴なもの、白松は松の仲間の皇帝であると いうのだが、これは本当かな?蒋介石が白松を好んで いるところをみると、あながちウソでもなさそうだ。

蒋介石は、中国本土か ら手に入れるのは無理 と考え、日本の外務省 の 役 人 に 頼 ん だ ら し い。外務省から農林省 の役人に伝わり、農林 省の役人が日本全国を 廻って白松を探したそ うだ。鳥取の山根さん の白松からも枝を一本 持ち帰り、試験場の温 室で苗木をつくり蒋介 石 に 献 上 し た と い う 話。いかがでしたか。

 黒松、赤松、錦松は1ヶ所から2枚の葉が出る。五葉 松は5枚出る。白松は3枚出るので変わっている。黒 松は幹が黒っぽくなる。赤松は赤っぽくなる。錦松は 表面が荒れてごつごつになるのが特徴である。白松は 老木になると幹が白っぽくなるので白松という説が あるが確認したことはない。鳥取県の燕趙園の中庭に 白松が1本植えてあるのを確認した。立ち寄った際、

確かめてみてはいかがですか?

 鉢植えで育てると年中、管理が必要だ。動物のペッ トを可愛がる気持ちと全く同じではなかろうか。春は 新芽が伸び過ぎると摘み、夏は水やりを忘れると枯ら してしまう。秋は、伸び過ぎた枝を選定したり針金を 掛けて曲げたり、冬は雪の重みで枝が折れないように 注意する。一年中、手が掛かるのが盆栽なのである。世 話をすることに違和感を感じなくなれば、老後の趣味 としては決して悪いものではない。

 盆栽は、今や「BONSAI」で世界共通語になって いる。

老後の趣味

谷口  亮

[先輩通信]

白松(ハクショウ)実生29年

五葉松(ゴヨウマツ)実生30年

黒松(クロマツ)実生30年

 私は、昭和4年3月父の勤務先の大阪市西区新町の 西六小学校近くの地で出生し、西六小学校・関西工学 校建築科を卒業。学徒動員で二年間大阪西淀川の日本 農薬の工場で製品出荷の箱詰・荷造作業に従事しまし た。20年3月に卒業と同時に㈱間組大阪支店入社。

高槻市成合の地下工場の従事員宿舎の新築工事の現場 に配属され、8月の敗戦まで朝6時〜夕9時まで5ヶ 月間忙しい現場にいました。労働者は鳶職人・大工以 外は朝鮮の人で、体格は良いしよく働く人でした。

 10月に広島支店に転勤になり、国鉄用品庫復旧工 事、呉、江田島の米軍工事(当時は進駐軍工事以外は 仕事がなかった。)昭和24年に美保出張所に転勤。飛 行場の米軍の施設の維持工事に従事しました。昭和30 年大阪に転勤となり住友電工の維持工事や、大阪火 力、尼崎の第3火力発電所の建築工事。昭和35年退職 し鳥取県建築課技師、建築主事。一級建築士に合格し 鳥取県職員を勤めたあと、倉吉市で津田建築設計事務 所を開設し、鳥取県中部の建築物を手掛けました。

(倉吉スポーツセンター、東郷町スポーツセンター、

水耕施設)

 平成17年、高齢になったので設計事務所を閉鎖。従 業員はそれぞれ独立して、東部・中部で事務所を開設 しています。私は以後民生委員をしたりしていました が、現在は無職で図書館通いで過しています。

 一番の思い出は、高城地区20町歩に硝子温室の設計 を依頼され、その先進国オランダに一ヶ月行って調査 し、設計をし、新築された温室で出来た真赤なトマト を食べたことです。

 現在はすべて卒業し、妻の経営するお茶屋を手伝っ たり、老人施設に行く日を送っています。昔賑やか だった商店街やアーケードも撤去され町も静かになり ました。

 県庁勤務の頃の石尾さん、岸田さん、大西さん、安 藤さん、藪田さんには大変お世話に成り又、楽しい事 も多かったです。

 設計事務所開設中は忙しい日ばかりで約10年間働き 働きの多忙な日を送りました。

 健康に恵まれ病気もせずに、本を読んだり好きなこ とをして過ごしています。

 84歳となり、皆様のお陰で長生きさせてもらったこ とを感謝しております。

 皆様のご多幸を祈っております。

私の経歴

津田  茂

[先輩通信]

第18回 建築士事務所全国大会 (長野県松本市)

平成5年9月20〜22日

思い出の写真

(9)

自 然に 寄 り添 う達 人

大因州製紙協業組合     

塩   恵 氏

 昨年9月、北欧フィンランドで「ワールドデザインキャピタ ル・ヘルシンキ2012」が開催された。世界中から1都市が選ば れ、その街を中心にそれぞれの国のデザインを紹介する展示 会で、今回、日本代表に選ばれたのが鳥取民藝。展示タイトルは

"Next 80 Years ‒ Shoya YOSHIDA 。吉田璋也の歴史展と、吉 田璋也を継承する鳥取のプロダクツ展である。

 参加された方より会場写真を見せて頂いたが、一際目を惹い たのが、会場をS字に2分する折り紙のようなパーティション であった。素材は因州和紙。このパーティションを開発された、

大因州製紙協業組合の塩恵(しお めぐみ)さんを紹介したい。

 鳥取市湖山町にある、大因州製紙鳥取工場。原料から加工ま で、一貫した生産を行う和紙工場であり、これは全国でも珍し いそうだ。この2階がショールームとなっている。ここで、恵さ んと、父親で理事長の塩奨さんにお話しを伺った。

 前身となる大因州製紙有限会社は、恵さんの祖父である塩義 郎氏により1956年に創立。その後、山根因州和紙協同組合と合 併し、大因州製紙協業組合が設立された。1985年には日本初と なる和紙壁紙を開発。鳥取県知事公舎にも採用されている。

 恵さんは1982年生まれ。幼い頃より和紙は身近な存在であ り、小学生の頃、家にあった和紙壁紙見本帳を見て、染色、織物 などの世界に興味を持つ。その後、東京家政大学に進み、美術を 専攻。卒業後に、襖紙の開発企画の手伝いで実家に戻られた。大 学が講座制であったため、テキスタイルだけでなく、陶芸、油絵 なども学んだことが、新しい試みも抵抗なく挑戦できる素地

となっているようだ。

 そして、父親奨さんらが中心となったヘルシンキの吉田璋 也展企画検討の中、因州和紙でも展示物をと、鳥取在住のデザ イナー白岡崇氏(ヒョウデザイン)とのコラボレーションで和 紙パーティションを開発される。その後、このデザイン展開で、

同じ白岡氏のデザインによる和紙ランプシェードを製作。今 年1月にパリで行なわれたインテリア総合見本市に出展され た。海外でも注目される存在になりつつある。ちなみに、世界的 に有名なテキスタイル・デザイナー、ジャック・レノー・ラー セン氏も因州和紙に興味を持ち、壁紙に使用したいと塩家を 訪れたそうだ。

 元々、創業者義郎氏は、青谷町山根の願正寺に滞在されてい た柳宗悦により和紙の美しさを享受され、吉田璋也の指導を 受けたことから新しい商品作りを始められた。伝統を大切に しながらの革新。代々受け継がれていくその精神。創業者の言 葉、「真似をされるような会社になれ。」

 その義郎氏により紙漉きは機械化されたが、それは全工程 の一部。陶芸に例えるとロクロ回しのようなもので、それまで の手作業が重要だと。自然、植物を相手にしているので、予期せ ぬ結果も生まれる。そこが面白いと、柔らかな笑顔で話された。

インタビュー後に伺った青谷町の山根和紙資料館で、館の方 からもこう言われた。「和紙作りは自然に寄り添うこと。」鳥取 の自然に寄り添いながら作られた、鳥取から世界へ向けての デザイン発信にこれからも注目していきたい。

(文・写真(特記を除く)/赤山 渉)

塩恵さん(左)と塩奨さん(右)

 鳥取工場のショールームには様々な 和紙壁紙が展示してある。また、山根和 紙資料館は、昭和26年建設の青谷町日置 谷小学校の一棟を移築改修したもので ある。ぜひご覧頂きたい。(共に予約制。

0857-28-0655担当:松岡氏まで)

ヘルシンキ展会場

(写真提供:白岡崇氏)

鳥取工場ショールーム

山根和紙資料館 和紙ランプシェード

(写真提供:白岡崇氏)

(10)

クローズア ップ

CLOSEUP Vol.61 CLOSEUP Vol.61

嶋 田   稔

独楽建築設計室

【設計事務所を始められた経緯と独楽の由来】

 今、思い出してみると小学校の頃に、何気なく小枝を集 め住宅をまねて骨組みを組み立てていたような。小学校 の卒業文集にも建築をやりたいと書いていましたから、

その頃から住宅を創ることに興味があったのでしょう。

ですから、大学も建築学科に進み、卒業後店舗関連会社に 入って、そこで6年間設計施工に携わりました。その後、

住宅建築会社で10年、年間5〜8物件の設計施工してい ました。その様な中で「自分のめざす仕事はこれでいいの かと?」自問自答しながら会社の歯車として仕事に追わ れる毎日でした。建築主と共に建てる1物件の満足を求 め、平成7年に独立を決意し現在に至っています。

 事務所の名前「独楽」って、何って読むのと良く聞かれ ますが、「独楽」は「コマ」で、「独自な楽しみ方」の出来ると 言う由来のある玩具です。自分は心棒となっていますが、

周りが回っていないと立っていられない。つまり、周り あっての自分なのだと言う意味から独楽建築設計室と名 付けました。周りが自分に独自な楽しみ方を教えてくれ る。そんな事務所でありたいと言うことですね。

 2年前から日建学院の設計製図の講師もされています。

【今まで手がけられた仕事で思い出に残るものは】

 ある医院の完成竣工式 当日に台風がやってきて横な ぐりの暴風雨、雨は屋根を逆に昇り、葺き止め水切りをす り抜け式典会場に雨漏り。悪戦苦闘しましたが施工者の 迅速な対応で助かったのです。

 大失敗とその苦労はだれもが強く印象が残るもので、

失敗の教訓が設計の基(種)なり得ると思うところです。

【設計で心懸けていること、

      今後の仕事の取り組みなど】

  独立した時から、「建て主と共に1物件にこだわり建 築する」思いで住宅設計をメインとしてやって来ました。

今後もその方向は変えないでしょう。

 さらに住宅設計を究めていくには、建築的には何もな い美しさ、その中に豊かさを感じ、建て主の個性が窺える

(気づかれないようにひそかに見える)空間造りを目指し て行きたいと思っています。

 また、建物があることによって街並みが良くなる建築、

時と共に街になじむ建築、控えめでありながらも存在感 のある建築、人を優しく迎える建築、その様な建築を心懸 けたいと考えています。

 言葉では簡単に言えますが、なかなか現実は難しく思 うようには往きません。

 思うようには往きませんが、理想を高くしそこに向 かって悩みながら一歩々近づいていくことが楽しいよう に思います。

【趣味等がありましたら】

 沖合5海里(約9.2km)まで船を出すことができる小 型船舶2級を持ち、由良のマリンパークを基点に4km〜

5km先の日本海での魚釣をします。釣った魚を料理して 食することを楽しんでいますが、最近は料理を家内に手 伝ってもらうこともたびたびあります。

 釣りの最適な時期はと尋ねると、2月は天候が変わり 易く西風が大敵なので毎日天気予報が気になりますが、

底釣りのできる今の時期(2月)が一番楽しいとのことで した。春に87cmのマダイを釣り上げたこともありました。

 鳥取からの帰りなどに釣具店に足が向き、最近釣り道 具も増えて来ました。

 趣味が同じで息子さんも船舶2級を取得されたそうで すし、一緒に仕事もされています。

      (写真・文/中野充千俊)

■ 住所 東伯郡北栄町弓原403-1

■ TEL 0858-36-5060

講習会開催報告

日 時/平成24年9月28日(金)14:00 〜 場 所/鳥取県立倉吉未来中心

講 師/㈱堀江建築工学研究所 取締役所長 太田  勤         〃      取締役部長 田子  茂 受講者/ 30名

「既存壁式(プレキャスト)鉄筋コンクリート造   建築物の耐震診断指針」講習会

日 時/平成24年12月13日(木)9:50 〜 場 所/鳥取県立倉吉未来中心

講 師/国土交通省

     国土技術政策総合評価システム研究室長 槌本 敬大     (公社)日本建築士会連合会

     (㈲設計工房佐久間 代表取締役 佐久間 順三)

受講者/ 80名

2012年改訂版

「木造住宅の耐震診断と補強方法」講習会

日 時/平成25年2月27日(水)9:00 〜 場 所/鳥取県立倉吉未来中心

受講者/ 13名

 建築士法第22条の2の規定により、建築士事務所に所 属するすべての建築士は、登録講習機関が行う定期講習を 3年以内ごとに受講しなければなりません。

※平成25年度に(公財)建築技術教育普及センターが鳥取県内において実施する講習会は4回の開催 を予定しています。詳しくは(公財)建築技術教育普及センターのホームページをご覧ください。

平成24年度第4期「建築士定期講習」

(DVDによる小規模講習)

参照

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