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< 条文構成及び各条の要旨 > 条項趣旨内容 第 1 章 総則 1 趣旨 この法律により課する地方法人税について その納税義務者 課税の対象 税額の計算の方法 申告及び納付の手続 さらにはその納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項をこの法律に定める旨を規定しています 2 定義 内国法人 外国法

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地方法人税の創設

一 創設の経緯等

 平成24年 8 月に成立した税制抜本改革法は、 「税制の抜本的な改革による地方消費税の充実と 併せて、地方法人課税の在り方を見直すことによ り税源の偏在性を是正する方策を講ずることとし、 その際には、国と地方の税制全体を通じて幅広く 検討する。」(第 7 条第 5 号ロ)と規定しています。  今回の改正においては、この規定を踏まえ、消 費税率 8 %への引上げによる地方消費税の充実に あわせて、地域間の税源の偏在性を是正し財政力 格差の縮小を図ることを目的として、法人住民税 法人税割の一部を地方交付税原資化することとさ れました。  具体的には、不交付団体における地方消費税の 実質増収額(地方消費税の増収額から社会保障充 実化等分を控除した額)を偏在是正額の目途とし て、道府県民税法人税割の税率を1.8%(標準税 率5.0%→3.2%)、市町村民税法人税割の税率を 2.6%(標準税率12.3%→9.7%)、合計4.4%引き 下げる一方で、基準法人税額を課税標準とする税 率4.4%の地方法人税(国税)を創設し、その税 収全額を交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入 とし(特別会計に関する法律23一イ)、地方交付 税原資とする(地方交付税法 6 )こととされまし た。  なお、この地方法人税について定める地方法人 税法は、去る 3 月20日に参議院本会議において可 決・成立し、 3 月31日に平成26年法律第11号とし て公布されています。また、次の関係政省令もそ れぞれ次のとおり公布されています。 ・ 地方法人税法施行令(平26. 3 .31政令第139 号) ・ 地方法人税法施行規則(平26. 3 .31財務省令 第22号) ・ 地方法人税法施行規則及び法人税法施行規則 の一部を改正する省令(平26. 4 .14財務省令第 43号)

二 地方法人税法の条文構成及び各条の要旨

 地方法人税法は、第 1 章総則から第 6 章罰則ま での全37条の法律です。その各条の要旨を簡単に 示せば、次のとおりです。 目    次 一 創設の経緯等 1030 二 地方法人税法の条文構成及び各条の要 旨  1030 三 地方法人税の内容 1034

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<条文構成及び各条の要旨> 条項 趣   旨 内   容 第 1 章 総則 1 趣旨 ➢  この法律により課する地方法人税について、その納税義務者、課税の 対象、税額の計算の方法、申告及び納付の手続、さらにはその納税義務 の適正な履行を確保するため必要な事項をこの法律に定める旨を規定し ています。 2 定義 ➢  内国法人、外国法人、人格のない社団等、被合併法人、合併法人、連 結親法人、連結子法人、連結法人、連結完全支配関係、適格合併、連結 所得、事業年度、連結事業年度、法人課税信託、地方法人税中間申告書、 地方法人税確定申告書、期限後申告書、修正申告書、中間納付額、更正、 附帯税、充当及び還付加算金につき定義しています。 3 人格のない社団等及び法 人課税信託の受託者への 適用 ➢  人格のない社団等及び法人課税信託の受託者である個人は、法人とみ なすこととしています。 ➢  法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに別の者とみなすこと 等としています。 4 納税義務者 ➢  法人税を納める義務がある法人は、地方法人税を納める義務があるこ ととしています。 5 課税の対象 ➢ 各課税事業年度の基準法人税額に課することとしています。 6 基準法人税額 ➢  法人税の確定申告書を提出すべき法人の各事業年度の所得に対する法 人税の額、法人税の連結確定申告書を提出すべき連結親法人の各連結事 業年度の連結所得に対する法人税の額及び退職年金等積立金確定申告書 を提出すべき法人の退職年金等積立金に対する法人税の額としています。 7 課税事業年度 ➢ 法人の各事業年度としています。 8 納税地 ➢ 法人税の納税地と同一としています。 第 2 章 課税標準 9 各課税事業年度の地方法 人税の課税標準 ➢ 課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額としています。 課税標準法人税額は、基準法人税額としています。 第 3 章 税額の計算 10 税率 ➢  地方法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額に4.4%の税 率を乗じて計算した金額としています。ただし、留保金課税の適用を受 ける場合には、課税標準法人税額から加算された留保税額を控除した金 額に4.4%の税率を乗じて計算することとしています。 11 特定同族会社等の特別税 率がある場合の地方法人 税の額 ➢  留保金課税の適用がある場合には、上記により計算した地方法人税の 額に、留保税額に4.4%を乗じて計算した金額を加算することとしてい ます。 12 外国税額の控除 ➢ 外国税額が法人税の控除枠を超える場合に控除するものとしています。 13 仮装経理に基づく過大申 告の場合の更正に伴う地 方法人税額の控除 ➢  所得基準法人税額に対する地方法人税につき税務署長が更正をした場 合に、仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う地方法人税額の還 付の特例の適用があったときは、その更正に係る仮装経理地方法人税額 を控除するものとしています。 14 税額控除の順序 ➢  まず外国税額の控除をした後に、仮装経理地方法人税額を控除するも のとしています。

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15 連結法人の地方法人税の 個別帰属額の計算 ➢  各連結法人に地方法人税の負担額として帰せられる金額は、個別所得 金額に適用法人税率を乗じて計算した金額の4.4%相当額と加算調整額 とを合計した金額から減算調整額を控除した金額又は加算調整額から個 別欠損金額に適用法人税率を乗じて計算した金額の4.4%相当額と減算 調整額とを合計した金額を控除した金額としています。 ➢  各連結法人に地方法人税の減少額として帰せられる金額は、減算調整 額から個別所得金額に適用法人税率を乗じて計算した金額の4.4%相当 額と加算調整額とを合計した金額を控除した金額又は個別欠損金額に適 用法人税率を乗じて計算した金額の4.4%相当額と減算調整額とを合計 した金額から加算調整額を控除した金額としています。 ➢  軽減税率等の適用がある連結法人の適用法人税率は、平均税率により 計算するものとしています。 第 4 章 申告、納付及び還付等 〔第 1 節 中間申告〕 16 中間申告 ➢  法人税の中間申告書又は連結中間申告書を提出すべき法人は、これら の申告書に係る課税事業年度開始の日以後 6 月を経過した日から 2 月以 内に前課税事業年度の確定地方法人税額を前課税事業年度の月数で除し、 これに 6 を乗じて計算した金額等を記載した中間申告書(地方法人税中 間申告書)を提出しなければならないこととしています。 ➢  地方法人税中間申告書を提出すべき法人の前課税事業年度の期間が最 終の連結事業年度に該当する場合、当該課税事業年度が最初連結親事業 年度に該当する場合、その法人が適格合併に係る合併法人である場合な どには、地方法人税中間申告書に記載すべき金額について、所要の調整 を行うこととしています。 ➢  法人税の退職年金等積立金中間申告書を提出すべき法人は、その申告 書に係る課税事業年度開始の日以後 6 月を経過した日から 2 月以内に、 当該課税事業年度開始の日以後 6 月の期間を一事業年度とみなして計算 した場合における当該期間に係る課税標準法人税額等を記載した中間申 告書を提出しなければならないこととしています。 17 仮決算をした場合の中間 申告書を提出する場合の 記載事項等 ➢  法人税の仮決算による中間申告書又は連結中間申告書を提出する法人 は、地方法人税についても、上記の地方法人税中間申告書に代えて、当 該課税事業年度開始の日以後 6 月の期間を一事業年度とみなして計算し た場合における当該期間に係る課税標準法人税額、その課税標準法人税 額につき計算した地方法人税の額等を記載した仮決算による地方法人税 中間申告書を提出しなければならないこととしています。 18 地方法人税中間申告書の 提出がない場合の特例 ➢  地方法人税中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、 その提出すべき地方法人税中間申告書の提出があったものとみなすこと としています。 〔第 2 節 確定申告〕 19 確定申告 ➢  法人税の確定申告書又は連結確定申告書を提出すべき法人は、当該課 税事業年度終了の日の翌日から 2 月以内に、課税標準法人税額、地方法 人税の額、中間納付額のうち控除しきれなかった金額等を記載した確定 申告書(地方法人税確定申告書)を提出しなければならないこととして います。 ➢  連結親法人の地方法人税確定申告書には、その連結親法人及び各連結 子法人の地方法人税の負担額として帰せられる金額及び地方法人税の減 少額として帰せられる金額を記載した書類を添付しなければならないこ ととしています。 ➢  法人税について申告期限の延長がある場合には、法人税と同じ申告期 限としています。

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 法人税の退職年金等積立金確定申告書を提出すべき法人は、各課税事 業年度終了の日の翌日から 2 月以内に、課税標準法人税額、地方法人税 の額等を記載した確定申告書を提出しなければならないこととしていま す。 〔第 3 節 納付〕 20 中間申告による納付 ➢ その申告期限内に納付する義務があることとしています。 21 確定申告による納付 ➢ 申告期限内に納付する義務があることとしています。 〔第 4 節 還付〕 22 中間納付額の還付 ➢  その地方法人税確定申告書に記載がある控除しきれなかった中間納付 額を還付することとしています。 23 欠損金の繰戻しによる法 人税の還付があった場合 の還付 ➢  税務署長は、欠損金の繰戻しによる法人税の還付請求書を提出した法 人に対して還付所得事業年度又は還付所得連結事業年度に該当する課税 事業年度に係る法人税を還付する場合において、当該課税事業年度の確 定地方法人税額があるときは、その法人に対し、確定地方法人税額のう ち、法人税の還付金の額に4.4%を乗じて計算した金額に相当する金額 を併せて還付することとしています。 〔第 5 節 更正の請求の特例その他〕 24 更正の請求の特例 ➢  法人税又は地方法人税の修正申告又は更正決定に伴うその後の課税事 業年度の地方法人税の更正の請求につき法人税法第80条の 2 を準用する ものとしています。 25 更正に関する特例 ➢  内国法人の提出した地方法人税確定申告書に記載された各課税事業年 度の課税標準法人税額が当該課税事業年度の課税標準とされるべき課税 標準法人税額を超えている場合において、その超える金額のうちに事実 を仮装して経理したところに基づくものがあるときは、法人税と同様に、 税務署長は、その仮装して経理した内国法人が当該課税事業年度後の各 課税事業年度においてその事実に係る修正の経理をし、かつ、その修正 の経理をした課税事業年度の地方法人税確定申告書を提出するまでの間 は、更正をしないことができることとしています。 26 更正等の期間制限の特例 等 ➢  国税通則法第70条第 3 項又は第71条第 1 項の規定により法人税又は地 方法人税の一方について更正の請求に係る更正が行われた場合には、他 方の税目についてもその更正の請求の日から 6 月を経過する日まで更正 又はこれに伴う加算税の賦課決定を行うことができることとしています。 ➢  国税通則法第71条第 1 項(国税の更正、決定等の期間制限の特例)等 を適用する場合おいて、法人税と地方法人税を同一の税目とみなすこと としています。 27 青色申告 ➢  法人税の申告に合わせるものとしています。連結納税の承認を受けて いる場合も同様です。 ➢  法人税法第130条第 2 項(青色申告の場合の理由付記)を準用するもの としています。 28 確定申告に係る更正等又 は決定による中間納付額 の還付 ➢  決定があった場合に控除しきれなかった中間納付額があるときは、そ の金額を還付することとしています。 ➢  更正等により増加した控除しきれなかった中間納付額を還付すること としています。 29 仮装経理に基づく過大申 告の場合の更正に伴う地 方法人税額の還付の特例 ➢  内国法人の提出した地方法人税確定申告書に記載された各課税事業年 度の課税標準法人税額が当該課税事業年度の課税標準とされるべき課税 標準法人税額を超え、かつ、その超える金額のうちに事実を仮装して経 理したところに基づくものがある場合において、税務署長が地方法人税

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につき更正をしたときは、法人税と同様に、仮装経理地方法人税額を還 付しないこととする等の特例を設けています。 第 5 章 雑則 30 代表者等の自署押印 ➢ 法人税法第151条を準用するものとしています。 31 連帯納付の責任 ➢  連結子法人等に地方法人税について連帯納付の責任があるものとして います。 32 政令への委任 ➢  還付の通知に係る事項など地方法人税法の実施のための手続等につい て政令に委任することを定めています。 第 6 章 罰則 33~ 37 ほ脱犯、無申告ほ脱犯、 申告書不提出犯、自署押 印義務違反、中間申告書 虚偽記載犯、両罰規定等 ➢ 法人税法と同様に規定しています。 附則  平成26年10月 1 日以後に開始する課税事業年度の基準法人税額に対す る地方法人税ついて適用することとしています。中間申告に関する規定 は、平成27年10月 1 日以後に開始する課税事業年度の申告書について適 用することとしています。

三 地方法人税の内容

1  地方法人税の概要

⑴ 地方法人税の納税義務者と税額の計算  法人税を納める義務がある法人は、地方法人 税を納める義務があり、地方法人税の額は、原 則として、課税事業年度の基準法人税額に4.4 %の税率を乗じて計算した金額となります。こ の基準法人税額は、次の法人の区分に応じたそ れぞれの法人税の額です。ただし、所得税額控 除、外国税額控除及び仮装経理に基づく過大申 告の場合の更正に伴う法人税額の控除を適用し ない場合の法人税の額とし、附帯税の額を除く こととしています。 ① 確定申告書を提出すべき内国法人:各事業 年度の所得に対する法人税の額 ② 確定申告書を提出すべき外国法人:各事業 年度の所得に対する法人税の額 ③ 連結確定申告書を提出すべき連結親法人: 各連結事業年度の連結所得に対する法人税の 額 ④ 退職年金等積立金確定申告書を提出すべき 法人:各事業年度の退職年金等積立金に対す る法人税の額  また、一定の限度額内の外国税額(内国法人 のみ)については、地方法人税の額から控除で きることとされています。 (注) 恒久的施設を有する外国法人の平成28年 4 月 1 日以後に開始する課税事業年度について は、地方法人税の額から外国税額を控除する ことができることとなります。 ⑵ 申告、納付、還付等 ① 法人税の中間申告書を提出すべき法人は、 地方法人税の中間申告書を提出しなければな りません。この中間申告書の提出期限は、法 人税の中間申告書の提出期限と同一とされて います。納付期限も同様です。 ② 地方法人税の確定申告書の提出期限は、そ れぞれの基準法人税額となる法人税の確定申 告書の提出期限と同一とされています。納付

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期限も同様です。 ③ 地方法人税の中間納付額で地方法人税の額 の計算上控除しきれなかった金額がある場合 には、その金額が還付されます。 ④ 欠損金の繰戻しによる法人税の還付がある 場合には、相当する地方法人税も還付されま す。

2  納税義務者

 法人税を納める義務のある法人は、地方法人税 を納める義務があり、各課税事業年度の基準法人 税額が課税の対象となります(地方法人税法 4 、 5 )。なお、人格のない社団等及び法人課税信託 の受託者である個人は、法人とみなされます(地 方法人税法 3 ①)。また、法人課税信託の受託者 は、法人税法と同様に、各法人課税信託の信託資 産等及び固有資産等ごとに、それぞれ別の者とみ なして、地方法人税関係の規定を適用することと なります(地方法人税法 3 ②)。  地方法人税は、実質的には各事業年度の所得に 対する法人税、各連結事業年度の連結所得に対す る法人税又は各事業年度の退職年金等積立金に対 する法人税の付加税といえるものであり、納税義 務者は法人税法上のそれぞれの法人税の納税義務 者と同じ範囲としています。このとき、所得に対 する法人税の納税義務がある法人で退職年金業務 等を行うものについては、法人税と同様に、所得 に対する法人税に係る地方法人税とは別に、退職 年金等積立金に対する法人税の付加税としての地 方法人税の納税義務があります。  法人税の納税義務がない法人は、当然に地方法 人税の納税義務もないことになります。すなわち、 公共法人、収益事業や退職年金業務等を行わない 公益法人等及び人格のない社団等並びに国内源泉 所得を有しない外国法人などは、法人税を納める 義務がないため、地方法人税の納税義務を負うこ とにはなりません。連結子法人(単体申告をすべ き連結子法人を除きます。)も同様です。 (注 1 ) 退職年金業務等を行う法人については、こ れまで地方税の道府県民税法人税割及び市町 村民税法人税割においても、その退職年金等 積立金に対する法人税を課税標準として課税 されていました。なお、租税特別措置法第68 条の 4 により、現在、退職年金等積立金に対 する法人税は課さないこととされていますの で、退職年金等積立金については、地方法人 税を納める義務が実質的にありません。 (注 2 ) 納税者利便等の観点から、国税化にあたり、 上記のとおり法人税と納税義務者を一致させ たことにより、地方法人税の納税義務者の範 囲は、地方税の道府県民税法人税割及び市町 村民税法人税割における納税義務者の範囲と 若干異なりますので、注意が必要です。例えば、 恒久的施設を有しない外国法人、非課税とさ れていた一定の社会福祉法人、学校法人又は 更生保護法人及び条例による免税法人は、新 たに地方法人税を納める義務が生じている場 合があります。  なお、平成22年10月 1 日前に解散した清算予納 中の法人には、後述する課税対象となる基準法人 税額がありませんので、実質的に、地方法人税を 納める義務もありません。

3  基準法人税額

 地方法人税の課税の対象となる基準法人税額と は、法人税の課税標準たる各事業年度の所得の金 額又は各連結事業年度の連結所得の金額につき、 法人税法その他の法人税の税額の計算に関する法 令の規定により計算した法人税の額です。ただし、 次の規定は適用しないで計算した法人税の額で、 附帯税の額は除きます(地方法人税法 6 )。 ⑴ 確定申告書を提出すべき内国法人の場合 ① 所得税額控除(法人税法第68条) ② 外国税額控除(法人税法第69条) ③ 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に 伴う法人税額の控除(法人税法第70条) ④ 税額控除の順序(法人税法第70条の 2 )

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⑵ 確定申告書を提出すべき外国法人の場合 ・ 所得税額控除(法人税法第144条) ⑶ 連結確定申告書を提出すべき連結親法人の場 ① 連結事業年度における所得税額控除(法人 税法第81条の14) ② 連結事業年度における外国税額控除(法人 税法第81条の15) ③ 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に 伴う法人税額の連結事業年度における控除 (法人税法第81条の16) ④ 連結事業年度における税額控除の順序(法 人税法第81条の17) (注 1 ) 適用を除外している規定は、二重課税の 控除等の調整をするものですが、それぞれ の所得に対する実質的な法人税額を対象に 地方法人税の額を計算するため、これらの 規定の適用前の法人税額としているもので す。なお、同じ法人税の付加税といえる復 興特別法人税では、上記のほか、いわゆる 留保金課税(法法67)や使途秘匿金課税(措 法62)及び土地重課(措法62の 3 、63)に ついても適用を除外し、その適用前の法人 税の額を基準法人税額としていましたが、 地方法人税は、地方税の道府県民税法人税 割等の税率引下げ分に相当する恒久税とし ての位置づけであり、①地方交付税の財源 確保の観点から法人税割の課税標準である 法人税額と同様にすべきであること、②地 方法人税の課税が特定の期間に限られてい ないので公平性等が保たれることから、こ れらの規定を適用した後の法人税の額とさ れています。 (注 2 ) 政策税制である税額控除とその取戻し課 税については、租税特別措置法等において 特段の調整規定が設けられていませんので、 当然に、税額控除後又は取戻し税額加算後 の法人税の額となります。これは、特別償 却など所得金額に反映される政策税制との バランスを考慮したものです(この点は復 興特別法人税も同じです。)。なお、国税化 により、応益課税としての性格を考慮する 必要性がなくなったことから、租税特別措 置法等の全ての税額控除等を対象にその適 用後の法人税の額とされましたので、地方 税の道府県民税法人税割等における法人税 額の計算と若干異なっている点にご注意く ださい。 (注 3 ) 平成22年10月 1 日前に解散した清算予納 中の法人については、平成22年度改正前の 規定が適用され、上記⑴から⑶までのいず れの場合にも該当しませんので、基準法人 税額はないこととなります。つまり、当該 法人については、地方法人税の課税の対象 がありませんので、当然、申告・納付の義 務も負いません。そもそも地方法人税は、 地方税の道府県民税法人税割等の税率引下 げ分に相当する税ですので、今後も今般の 税率引下げ前の法人税割が課税される当該 法人に対して地方法人税を課税することは、 いわば二重に課税をするのと同じになり、 公平性の観点から問題があると考えられた ためです。 (注 4 ) 上記⑵の外国法人の場合については、国 際課税原則の帰属主義への移行に伴い、地 方法人税の平成28年 4 月 1 日以後に開始す る各課税事業年度の基準法人税額は、次の とおり計算することとされています。 ⑴  恒久的施設を有する外国法人の場合は、 その法人税の課税標準たる各事業年度の 国内源泉所得に係る所得の金額の区分ご とに、法人税法その他の法人税の税額の 計算に関する法令の規定により計算した 法人税の額の合計額です。ただし、次の 規定は適用しないで計算した法人税の額 で、附帯税の額は除きます。 ① 所得税額控除(法人税法第144条) ②  外国税額控除(法人税法第144条の 2 ) ⑵  恒久的施設を有しない外国法人の場合

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は、その法人税の課税標準たる各事業年 度の国内源泉所得に係る所得の金額につ き、法人税法その他の法人税の税額の計 算に関する法令の規定により計算した法 人税の額です。ただし、所得税額控除 (法人税法第144条)の規定は適用しない で計算した法人税の額で、附帯税の額は 除きます。  国内源泉所得とは、法人税法第138条第 1 項 各号に掲げるものをいいますが、⑴では、「法 人税の課税標準たる各事業年度の国内源泉所 得に係る所得の金額の区分ごとに」とありま すので、同項第 1 号に掲げる国内源泉所得(恒 久的施設に帰せられるべき所得)に係る所得 の金額と、同項第 2 号から第 6 号までに掲げ る国内源泉所得(恒久的施設に帰せられるべ き所得以外のもの)に係る所得の金額とにつ き、それぞれ法人税の額を計算し、その計算 した法人税の額を合計することになります。 また、⑵では、同項第 2 号から第 6 号までに 掲げる国内源泉所得に係る所得の金額につき、 計算される法人税額となります。  法人税の計算過程及び法人税割の課税標準(法 人税額)の計算過程と基準法人税額との関係を図 示すれば、次のとおりとなります。 <法人税の計算過程及び法人税割の課税標準(法人税額)の計算過程と基準法人税額との関係> 所得に対する法人税の額の計算 基準法人税額の計算 (参考)法人住民税の法人税割の課税標準 (所得金額×法人税率=法人税額 (調整前)) (計算の基礎となる法人税額=所得金額×法人税率) (計算の基礎となる法人税額=所得金額×法人税率) △ 措置法の税額控除  ( 措法42の 4 ~42の13、68の 9 ~ 68の15の 7 ) 適用後の金額 (理由)  特別償却など所得金額に 反映される政策税制とのバ ランスを考慮 措法42の 4 、42の10~42の12の 2 、 42の12の 4 、42の12の 5 、68の 9 、 68の14~68の15の 3 、68の15の 5 、 68の15の 6 を適用しないで計算し た金額 + 上記の取戻し課税  ( 措法42の 4 ~42の12の 3 、68の 9 ~68の15の 4 ) 同上 同上 + 使途秘匿金課税  (措法62、68の67) (理由) 地方税と同様の取扱いと適用後の金額 する 適用後の金額 + 土地重課  ( 措法62の 3 ・63(第 5 節の 2 )、 68の68・68の69(第18節)) 適用後の金額 (理由) 地方税と同様の取扱いと する 適用後の金額 + 留保金課税(法法67、81の13) 適用後の金額 (理由) 地方税と同様の取扱いと する 適用後の金額 △  所得税額控除(法法68、81の 14) △  外国税額控除(法法69、81の 15) △  仮装経理税額控除(法法70、 81の16) 適用前の金額 (理由) 当期の所得に対する法人 税について、二重課税の排 除等の調整をするための税 額控除である。当期の所得 に対する実質的な法人税額 を対象とする必要があるた め 適用前の金額

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 また、退職年金業務等を行う法人は、各事業年 度の退職年金等積立金に対する法人税が課されま す(法法 8 、10の 2 )ので、地方法人税において も、所得等の金額の有無に関わらずこの各事業年 度の退職年金等積立金につき、法人税法その他の 法人税の税額の計算に関する法令の規定により計 算した法人税の額が、課税の対象となる基準法人 税額となりますが、附帯税の額は除きます(地方 法人税法 6 四)。なお、平成29年 3 月31日までに 開始する各事業年度の退職年金等積立金について は、法人税を課さないこととされています(措法 68の 4 )ので、地方法人税も同様に課税されませ ん。

4  課税事業年度

 課税事業年度は、法人の各事業年度をいうとさ れています(地方法人税法 7 )。これは、地方法 人税を課される期間であり、この期間ごとに地方 法人税の額を計算することとなりますので、地方 法人税の課税対象である基準法人税額の計算期間 と一致させるため、法人税の課税期間である各事 業年度とされたものです。  また、法人税の付加税といえる地方法人税は、 前述のとおり、法人税に関する法令の規定により 算出された基準法人税額に税率を乗じて計算する ものですので、その計算や申告等の手続において、 法人税のように事業年度と連結事業年度とを区別 する必要性はあまりないため、地方法人税法では、 条文の簡素化の観点から、この地方法人税が課さ れることとなる期間について、これらを区別しな いこととされています。 (注) 事業年度は、法人税法第13条及び第14条に規 定する事業年度をいいます(地方法人税法 2 十二)ので、概念上は、連結子法人を含めいず れの法人にも存在することとなりますが、連結 親法人により連結所得に係る基準法人税額に対 する地方法人税を計算することとなる連結子法 人の連結事業年度は、地方法人税が課されるこ ととなる期間としての課税事業年度には該当し ないと考えられています。

5  納税地

 法人の地方法人税の納税地は、その法人の法人 税の納税地とされ、具体的には、法人税法第16条 から第18条までの規定による納税地とされていま す(地方法人税法 8 ①)。つまり、地方法人税は、 各事業年度の所得に対する法人税又は各連結事業 年度の連結所得に対する法人税の付加税といえる ものであることから、納税地は法人税の納税地と 同じになります。  なお、法人税の納税地の指定の処分の取消しが あった場合には、法人税と同様に、その処分の取 消しが行われるまでにされた申告、処分等につい ては、その取消しの効果を及ぼさないこととして います(地方法人税法 8 ②)。

6  課税標準

 地方法人税の課税標準は、各課税事業年度の課 税標準法人税額とされています(地方法人税法 9 ①)。この各課税事業年度の課税標準法人税額は、 各課税事業年度の基準法人税額です(地方法人税 法 9 ②)。

7  税額の計算

⑴ 税率  地方法人税の額は、各課税事業年度の課税標 準法人税額に4.4%の税率を乗じて計算した金 額です(地方法人税法10①)。税率は、法人の 種類を問わず一律としていますが、基準法人税 額が法人税における法人の種類ごとの税率を反 映したものとなっていますので、結果としては、 法人の種類に配慮した税負担となっています。  また、法人の各課税事業年度の課税標準法人 税額には、特定同族会社等の特別税率(留保金 課税)により通常の法人税の額に加算された金 額が含まれている場合があります(地方法人税 法 6 )が、この場合のこの規定により地方法人 税の額を算出する際の課税標準法人税額は、基

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準法人税額からその加算された金額を控除した 金額とされています(地方法人税法10②)。す なわち、地方法人税は、留保金課税による法人 税の額も課税の対象としています(地方法人税 法 5 、 6 )が、一旦、留保金課税により加算さ れた法人税の額を除いた基準法人税額に対して 地方法人税の額を計算し、この計算した地方法 人税の額をもって留保金課税における課税留保 金額を算出することとなります。 (注) 後述するとおり、地方法人税の額は、法人 税の計算上損金の額に算入されませんが、留 保されないものですので、留保金課税におけ る課税留保金額を計算する場合には、法人税 と同様に、地方法人税の額は所得等の金額の うち留保した金額から控除されることとなり ます(法法67③、81の13②)。このとき、留保 金課税による法人税に対する地方法人税の額 を計算しようとすると、循環して計算ができ ないこととなるため、これも法人税と同様に 留保金課税による法人税の額の計算上、考慮 しないこととしているものです。 ⑵ 特定同族会社等の特別税率の適用がある場合 の地方法人税の額  留保金課税による法人税の額にも地方法人税 を課すため、この留保金課税による法人税の額 に対する地方法人税の額を別途計算することと されています。具体的には、内国法人が各課税 事業年度において特定同族会社等の特別税率 (法法67①、81の13①)の適用がある場合(つ まり、留保金課税の適用がある場合)には、そ の内国法人の所得地方法人税額は、上記⑴によ り計算した地方法人税の額に、法人税法第67条 第 1 項又は第81条の13第 1 項に規定する合計額 (つまり、上記⑴で基準法人税額から控除され た留保金課税により法人税の額に加算される金 額)に4.4%を乗じて計算した金額を加算した 金額となります(地方法人税法11)。 (注) 上記⑴(注)のとおり、循環して計算でき なくなることを避けるため、一旦上記⑴によ り計算された地方法人税の額を基に、法人税 法において留保金課税による法人税の額とさ れる金額を算出し、その算出された法人税の 額(正確には、加算される金額)に税率と同 じ4.4%を乗じて計算することとなります。  なお、所得地方法人税額とは、上記 3 ⑴又は⑶ による基準法人税額に対する地方法人税の額をい います。 ⑶ 外国税額控除 ① 制度の概要  内国法人に対しては、外国税額の控除が認 められます。  内国法人が各課税事業年度において法人税 法第69条第 1 項(外国税額の控除)の適用を 受ける場合において、当該課税事業年度の控 除対象外国法人税の額が法人税の控除限度額 を超えるときは、その超える金額を一定の控 除限度額の範囲内で、当該課税事業年度の所 得地方法人税額から控除することとされてい ます(地方法人税法12)。  地方法人税は、海外で稼得した所得を含む 法人の全体の所得を課税標準とする法人税を 基礎としており、所得に対する国際的な二重 課税を排除する観点から、地方法人税におい ても外国税額の控除が認められることとされ たものです。

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イ 外国法人税の額及び控除対象外国法人税 の額  外国法人税の額は、法人税のそれと同じ です。したがって、外国法人税のうちその 所得に対する負担が高率な部分の額、通常 行われる取引と認められない取引に基因し て生じた所得に対して課される外国法人税 の額その他一定の外国法人税の額は除かれ ます。 ロ 控除限度額  地方法人税における外国税額控除の控除 限度額は、上記⑴により計算した地方法人 税の額に法人税法施行令第142条第 1 項 (控除限度額の計算)に規定する割合、す なわち当該事業年度の所得金額のうちに当 該事業年度の国外所得の占める割合を乗じ て計算した金額です(地方法人税法施行令 3 ①)。 《算式》 控 除 限度額 = 地方法人税の額(注) × 当該事業年 度の国外所得 金額 当該事業年度 の所得金額 (注) 地方法人税の計算の基礎となった基 準法人税額のうちに、租税特別措置法 における各種税額控除制度に規定され ている連結納税の承認を取り消された 場合の取戻税額(租税特別措置法第42 条 の 4 第11項、 第42条 の 5 第 5 項、 第 42条 の 6 第12項、 第42条 の 9 第 4 項、 第42条の10第 5 項、第42条の11第 5 項、 第42条の12の 3 第 5 項等)、使途秘匿金 課税(租税特別措置法第62条)、土地等 の譲渡に係る追加課税(租税特別措置 法第62条の 3 、第63条)が含まれてい る場合には、その基準法人税額から取 戻税額等を控除した残額を基準法人税 額とみなして課税標準法人税額を計算 し、これに4.4%の税率を乗じて計算し た金額を、上記計算式の地方法人税の 地方法人税に係る外国税額の控除 《国際的二重課税と外国税額控除制度》 日本 国内源泉 所得 ① 国外源泉 所得 ② ② 国外源泉 所得 うち外国税 外国税 外国税額控除 我が国での 納付税額 日本の課税権の範囲:①+② 外国の課税権の範囲:② 課税所得の計算 当期の控除対象外国税の額 課税所得 税額の計算 税額 外国 当期の地方税(個人住民税・ 法人住民税)の控除限度額 地方税に係る外国税額控除 地方法人税に係る 外国税額控除 法人税に係る 外国税額控除 控除されない 控除される 当期の地方法人税の控除 限度額 当期の法人税の 控除限度額 【法人税の控除限度額】 【地方法人税の控除限度額】 地方法人税額 × 【地方税の控除限度額】 法人税の控除限度額 × 住民税率 法人税額 × 国外源泉所得 国外源泉所得 全世界所得(国内源泉所得+国外源泉所得) 全世界所得(国内源泉所得+国外源泉所得) 地方法人税額のうち国外 所得に対応する金額 法人税額のうち国外所得 に対応する金額 《地方法人税の外国税額控除の仕組み》

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額とする必要があります(地方法人税 法施行令 3 ①、同附則 2 ⑤)。 ハ 申告要件等  公益法人等又は人格のない社団等が非収 益事業に関連して納付した外国税額につい てこの控除の適用がないことについては、 法人税法第69条第 9 項の規定が準用されて います(地方法人税法12④)。  また、地方法人税について外国税額控除 の適用を受けるためには地方法人税確定申 告書、修正申告書又は更正請求書に控除を 受けるべき金額及びその計算に関する明細 を記載した書類を添付しなければならない こととされています(地方法人税法12⑤)。 この場合に控除されるべき金額は、当該金 額として記載された金額を限度とすること とされています(地方法人税法12⑤)。  なお、外国税額を納付したことを証する 書類等の保存については、地方法人税に係 る外国税額の控除を受ける者は、法人税の 外国税額控除を受けているものに限られま すので、外国税額を納付したことを証する 書類等については、法人税法第69条第10項 の規定により既に保存要件を満たしている ことから、本制度においては要件とはして いません。 ② 法人税及び住民税における外国税額控除制 度との関係  地方法人税に係る外国税額の控除が設けら れたことに伴い、法人税及び住民税における 外国税額控除について、所要の規定の整備が 行われており、次のとおりとされています。 イ 法人税における外国税額控除の適用 ⅰ 「控除限度超過額」は、当期の控除対 象外国法人税の額が、当期の法人税の控 除限度額及び地方法人税の控除限度額と 地方税の控除限度額との合計額を超える 場合におけるその超える部分の金額に相 当する金額ということになります。つま り、地方法人税から控除された分だけ控 除限度超過額が小さくなるということで す。 《算式》 控除限度超過額 = 当期の控除対象外国法人税の額 - 当期の 地方法人税法人税 地方税 の 外国税額控 除限度額の 合計額 ⅱ 「国税の控除余裕額」は、従来どおり、 当期の控除対象外国法人税の額が、当期 の法人税の控除限度額に満たない場合に おけるその満たない部分の金額(法人税 の控除限度額から控除対象外国法人税の 額を控除した残額)に相当する金額とな ります。地方法人税に係る外国税額控除 は当期の控除対象外国法人税の額が法人 税の控除限度額を超える場合に限られる ため、国税の控除余裕額に影響を与える ことはありません。つまり、地方法人税 の控除限度額によって国税の控除余裕額 が大きくなることはないということです。 ⅲ 「地方税の控除余裕額」は、次の区分 に応じ、次の金額となります。 ・ 当期の控除対象外国法人税の額が当 期の法人税の控除限度額を超えない場 合 ⇒当期の地方税の控除限度額に相当す る金額 ・ 当期の控除対象外国法人税の額が当 期の法人税の控除限度額は超えたが、 法人税の控除限度額と地方法人税の控 除限度額との合計額を超えない場合 ⇒当期の地方税の控除限度額に相当す る金額 ・ 当期の控除対象外国法人税の額が当 期の法人税の控除限度額と地方法人税 の控除限度額との合計額を超え、かつ、 その超える部分の金額が当期の地方税 の控除限度額に満たない場合

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⇒当期の地方税の控除限度額からその 超える部分の金額を控除した金額に 相当する金額  すなわち、地方法人税の控除限度額の 分だけ地方税の控除余裕額の生ずる余地 が多くなるわけです。 ロ 住民税における外国税額控除の適用 ⅰ 地方税について外国税額控除が適用さ れるのは、当期の控除対象外国法人税の 額が、当期の法人税の控除限度額と地方 法人税の控除限度額との合計額を超える 場合に限られます。すなわち、地方法人 税の控除限度額の分だけ地方税について 外国税額控除が適用される余地は少なく なるわけです。 ⅱ 地方税の外国税額控除限度額の計算の 基礎となる「国税の控除限度額」は、次 のように法人税の控除限度額に限られ、 地方法人税の控除限度額は含まれません。 ・道府県民税の控除限度額=当期の法人 税の控除限度額×3.2%(標準税率に よる場合) ・市町村民税の控除限度額=当期の法人 税の控除限度額×9.7%(標準税率に よる場合) ⅲ 「道府県民税の控除余裕額」及び「市 町村民税の控除余裕額」の計算は、上記 イⅲに述べたところによります。  なお、復興特別法人税が課されている課税事業 年度の取扱いについては、前掲の「国際課税関係 の改正」の「第三 国際課税原則の見直し以外の 改正」の「Ⅳ 東日本大震災からの復興のための 施策を実施するために必要な財源の確保に関する 特別措置法関係」の「 1  復興特別法人税の改 正」を参照してください。 (注) 連結法人についても同様の制度が設けられ ています(地方法人税法12②・③)。連結納税 制度における地方法人税に係る外国税額の控 除を図示すると以下のとおり。 連結親法人の地方法人税における外国税額控除制度の概要 P:個別国外所得金額1,000 連結控除限度 個別帰属額 170 255×(1000/1500) 地方法人税控除限度 個別帰属額 7.48 11.22×(1000/1500) S1:個別国外所得金額500 S2:個別国外所得金額▲500 連結控除限度 個別帰属額 0 地方法人税控除限 度個別帰属額 0 地方法人税控除限度 個別帰属額 3.74 11.22×(500/1500) 連結控除限度 個別帰属額 85 255×(500/1500) 連結所得 金額 10,000 内 連結国外 所得金額 1,000 連結法人 税額 2,550 10,000 ×25.5% 連結控除 限度額 255 地方法人 税の額 112.2 2,550 ×4.4% 地方法人 税控除限 度額 11.22 連結控除限度 個別帰属額 170 地方法人税控除 限度個別帰属額 7.48 連結控除限度 個別帰属額 85 地方法人税控除 限度個別帰属額 3.74 個別控除対象 外国法人税額 100 法81の15①により 控除される金額 (連結法人税) 100 個別控除対象 外国法人税額 300 法81の15①により 控除される金額 (連結法人税) 85 地方法人税法12②に より控除される金額 (地方法人税) 3.74 地方法人税の額 から控除される 外国法人税額 (地方法人税) 3.74 連結法人税額か ら控除される 外国法人税額 (連結法人税) 185 連結所得金額 (10,000) 【連結控除限度額の計算】 連結控除 限度額 (255) 連結法人 税額 (2,550) = = × × 連結国外所得金額 (1,000) 連結所得金額 (10,000) 【地方法人税控除限度額の計算】 地方法人税 控除限度額 (11.22) 連結親法人の 地方法人税額 (112.2) 連結国外所得金額 (1,000)

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⑷ 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴 う地方法人税額の控除  法人税について仮装経理に基づく過大申告が あった場合には、いわゆる減額更正による過大 申告に係る減少法人税額は、直ちに還付されず、 その減額更正の日以後に終了する事業年度の所 得に対する法人税の額から税額控除することと されています(法法70、135)。これは連結納税 制度においても同様です(法法81の16)。  地方法人税は、法人税の額を基礎としていま すので、法人税が過大であるときは、通常は、 同様の原因により地方法人税も過大ということ になります。そこで、地方法人税においても、 こうした法人税の制度と同様の制度を設けるこ ととされました。 (注 1 ) 法人税の付加税といえる復興特別法人税 などにおいては、仮装経理に基づく過大申 告に関し特段の手当てがされていませんで したが、これは、臨時の税としてこれらの 税が課されることとなる期間が 1 ~ 3 年と 短期であったことを踏まえ、これらの税の 課税標準となる法人税の額が減少する場合 には、増加する場合と同様に、その原因の 如何を問わず、税務署長が能動的にこれら の税につき減額の更正をするとともに、そ の減少額等を還付することとしていたもの と考えられます。一方、地方法人税は、恒 久的な税ですので、一般的に、粉飾決算な どにある問題は法人税と共通であり、殊更 に地方法人税のみを法人税と異なる整理を する理由もなく、また、そもそも地方税の 道府県民税法人税割等の制度においても法 人税と同様の制度とされていることにかん がみ、地方法人税においては、法人税の制 度と横並びの制度とされました。  具体的には、内国法人の各課税事業年度開始 の日前に開始した課税事業年度の所得基準法人 税額に対する地方法人税につき税務署長が更正 をした場合において、仮装経理に基づく過大申 告の場合の更正に伴う地方法人税額の還付の特 例(地方法人税法29①)の適用があったときは、 その更正に係る仮装経理地方法人税額を、その 更正の日以後に終了するその各課税事業年度の 所得地方法人税額から控除することができるこ ととされています(地方法人税法13①)。  すなわち、税務署長の更正により、所得基準 法人税額に対する地方法人税が減少する場合に おいて、その減少する金額で事実を仮装して経 理した金額に基づく地方法人税の額があるとき は、その地方法人税の額(仮装経理地方法人税 額)について、原則、直ちに還付を受けること ができず、その更正の日以後に終了する課税事 業年度の所得地方法人税額から控除することと なります。 (注 2 ) 上記の内国法人の各課税事業年度開始の 日前に開始した課税事業年度には、被合併 法人課税事業年度を含むこととされていま す。この被合併法人課税事業年度とは、内 国法人が連結親法人でない場合には、その 各課税事業年度終了の日以前に行われたそ の内国法人を合併法人とする単体間適格合 併に係る被合併法人のその単体間適格合併 の日前に開始した課税事業年度をいい、内 国法人が連結親法人である場合には、その 各課税事業年度終了の日以前に行われたそ の連結親法人又はその連結親法人との間に 連結完全支配関係がある連結子法人を合併 法人とする連結内適格合併に係る被合併法 人のその連結内適格合併(連結親法人事業 年度開始の日に行うものを除きます。)の日 の前日の属する課税事業年度をいいます。 なお、被合併法人課税事業年度の所得基準 法人税額に対する地方法人税につき行われ た上記の更正がその単体間適格合併の日前 にしたものである場合には、合併法人にお いては、その単体間適格合併の日以後に終 了する課税事業年度の所得地方法人税額か ら控除することとなります。 (注 3 ) 単体間適格合併とは、連結法人以外の法 人を被合併法人とし、連結法人以外の他の

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法人を合併法人とする適格合併をいい、連 結内適格合併とは、連結子法人を被合併法 人とし、その連結子法人との間に連結完全 支配関係がある他の連結法人を合併法人と する適格合併をいいます(地方法人税法13 ②)。 (注 4 ) 所得基準法人税額とは、上記 3 ⑴又は⑶ による基準法人税額をいいます。 (注 5 ) 仮装経理地方法人税額とは、上記の更正 の対象となった課税事業年度の所得地方法 人税額でその提出した地方法人税確定申告 書に記載された地方法人税の額として納付 されたもののうち、事実を仮装して経理し た金額に係るその更正により減少する部分 の金額をいいます(地方法人税法29①、地 方法人税法施行令10①)。ただし、既に、還 付されるべきこととなった金額及び所得地 方法人税額から控除された金額は除きます。 (注 6 ) 税務署長は、いわゆる粉飾決算などにより、 法人が地方法人税を過大に申告していたと きは、その法人が自ら会計上も修正経理を して、その修正経理を受け入れた課税事業 年度の地方法人税の申告をしない限り、調 査等で事実が明らかになっても、原則、更 正を保留することができます(地方法人税 法25①)。  その上で、内国法人が修正経理等をして、 税務署長がその過大申告をした課税事業年 度の所得基準法人税額に対する地方法人税 につき更正をした場合であっても、その課 税事業年度の地方法人税の額のうち、その 更正により減少する部分の金額でその仮装 して経理した金額に係るものは、原則、還 付しないこととされています(地方法人税 法29①)。  すなわち、この還付しないこととされた 地方法人税の額が上記(注 5 )の仮装経理 地方法人税額とされ、税額控除することに なります。 ⑸ 税額控除の順序  上記⑶の外国税額控除制度及び上記⑷の仮装 経理に基因する地方法人税額の控除制度の適用 がある場合における税額控除の順序は、まず外 国税額の控除をし、その後において仮装経理に 基因する地方法人税額の控除をすることとして います(地方法人税法14)。これは、仮装経理 に基因する地方法人税額の控除制度では、 5 年 間で控除しきれなかった金額や一定の事由が生 じた場合には、別の規定により控除残額の還付 を受けることができることとしている一方、外 国税額の控除については、地方法人税の計算に おいては還付を受けることができないので、外 国税額を優先的に控除する方が納税者にとって 有利になるものと考えられるためです。 ⑹ 連結法人の地方法人税の個別帰属額の計算  連結所得に対する法人税を基礎とする地方法 人税は、納税義務者であるその連結親法人が納 付することとなります。一方、この地方法人税 の額は、連結グループを一体として計算された 法人税を基礎として課されますので、連結グル ープ内の法人に対して適切に配分する必要があ ります。このため、地方法人税法においては、 各連結法人が地方法人税の負担額として帰せら れる金額及び地方法人税の減少額として帰せら れる金額(これらを連結法人の地方法人税の個 別帰属額といいます。)の計算について定めて います。 ① 地方法人税の個別帰属額  各連結法人の地方法人税の個別帰属額は、 次の金額です(地方法人税法15①)。  地方法人税の負担額として帰せられる金額   ( 個別所得金額×適用法人税率×4.4% +加算調整額)-減算調整額       又は 加算調整額-(個別欠損金額×適用法 人税率×4.4%+減算調整額)  ⎧  ⎜  ⎜  ⎜ =⎨  ⎜  ⎜  ⎜  ⎩

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 地方法人税の減少額として帰せられ る金額   減算調整額-(個別所得金額×適用法 人税率×4.4%+加算調整額)       又は ( 個別欠損金額×適用法人税率×4.4% +減算調整額)-加算調整額 イ 適用法人税率  適用法人税率とは、その課税事業年度の 連結所得に対して適用される法人税の税率 をいいます(地方法人税法15①)。連結親 法人が中小法人の軽減税率及び軽減税率等 の特例の適用を受ける連結親法人である場 合には、各課税事業年度の連結所得の金額 につきこれらの軽減税率をもって計算した 法人税の額のその連結所得の金額に対する 割合が適用法人税率となります(地方法人 税法15②)。 (注) 中小企業者等である連結法人の法人税 率の特例(措法68の 8 )又は特定の協同 組合等である連結親法人の法人税率の特 例(措法68の108)の適用があるときは、 連結所得の金額につき計算した法人税の 額は、これらの税率の特例を適用して計 算した法人税の額とすることとされてい ます(措法68の 8 ⑤、68の108③、措令39 の38の 2 ②、39の127⑤)。  これは、連結親法人が中小連結親法人に 該当するなどにより、軽減税率等の適用を 受け、連結法人税額の計算において複数の 税率を適用することとなる場合における連 結法人税の個別帰属額を計算する場合の法 人税法における調整規定(法法81の18②) と、同様の規定です。なお、連結所得の金 額がない場合(つまり、欠損法人)には、 軽減税率を適用法人税率とします。 ロ 加算調整額  加算調整額とは、連結特定同族会社の特 別税率の適用により加算される法人税の額 のうちその連結法人に帰せられる金額の 4.4%相当額です(地方法人税法15①一)。 つまり、連結納税における上記⑵の留保金 課税により法人税の額に加算される金額に その連結法人についての次の割合を乗じて 計算した金額に4.4%を乗じて計算した金 額となります(地方法人税法施行令 4 ①)。 その連結法人の連結個別留保法人税額 連結親法人又は各連結子法人の 連結個別留保法人税額の合計額 (注)  連結個別留保法人税額とは、連結親 法人又は各連結子法人の留保金個別帰 属額(法令155の43②)から留保控除個 別帰属額(法令155の43④)を控除した 金額について計算した留保金課税によ り、法人税の額に加算される金額に相 当する金額をいいます。 ハ 減算調整額  減算調整額とは、次の金額です(地方法 人税法15①二・三)。 イ 連結納税における上記⑶の外国税額控 除制度により控除をされる外国税額のう ち、その連結法人に帰せられる金額(地 方法人税法施行令 4 ②)。 ロ 欠損金の繰戻し還付制度により還付を 受ける金額のうち、その連結法人に帰せ られる金額。つまり、下記「 8  申告、 納付及び還付等」の「⑹ 欠損金の繰戻 しによる法人税の還付があった場合の地 方法人税の還付」により還付を受けるべ き金額に、その金額の計算の基礎となっ た欠損金の繰戻し還付制度により還付を 受けるべき法人税の額の計算の基礎とな った連結欠損金額に係るその連結法人に ついての次の割合を乗じて計算した金額 となります(地方法人税法施行令 4 ③)。  ⎧  ⎜  ⎜  ⎜ =⎨  ⎜  ⎜  ⎜  ⎩

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その連結法人の連結欠損金個別帰属額 連結親法人又は各連結子法人の 連結欠損金個別帰属額の合計額 (注)  連結欠損金個別帰属額とは、法人 税法第81条の 9 第 6 項に規定する連 結欠損金個別帰属額で、連結開始前 の欠損金額や被合併法人の欠損金額 等で連結欠損金額とみなされたもの に係る部分の金額を除いたものです。 ② 租税特別措置の適用がある場合  租税特別措置法及び震災税特法の税額控除 制度による税額控除額のうち各連結法人に帰 せられる金額については、上記①の減算調整 額とし、また、同税額控除制度における連結 納税の承認を取り消された場合の取戻し課税、 使途秘匿金課税及び土地重課により法人税の 額に加算される金額のうち各連結法人に帰せ られる金額については、上記①の加算調整額 として、上記①の算式により個別帰属額を計 算することとなります。具体的には、次のと おりです。 イ 税額控除の規定の適用がある場合におけ る個別帰属額の計算  連結法人が次のイからツまでの規定の適 用を受ける場合の各連結法人の地方法人税 額の個別帰属額の計算については、減算調 整額に調整前連結税額から控除される金額 のうち連結親法人又は連結子法人に帰せら れる金額の4.4%相当額を含めることとさ れています。なお、調整前連結税額から控 除される金額のうち連結親法人又は連結子 法人に帰せられる金額の計算については、 法人税と同様の方法によることとされてい ます(措法68の 9 ⑰、68の10⑭、68の11⑳、 68の13⑧、68の14⑬、68の15⑪、68の15の 2 ⑥、68の15の 3 ⑧、68の15の 4 ⑪、68の 15の 5 ⑥、68の15の 6 ⑯、平成24年改正法 附則33①、震災税特法25の 2 ⑬、25の 2 の 2 ⑨、25の 2 の 3 ⑨、25の 3 ⑤、25の 3 の 2 ④、25の 3 の 3 ④、措令39の39、39の 40⑦、39の41⑨、39の43⑤、39の44⑤、39 の45④、39の45の 2 ⑭、39の45の 3 ⑦、39 の45の 4 ⑥、39の46⑱、39の47⑩、39の48 ③、震災税特令22の 2 ④、22の 2 の 2 ④、 22の 2 の 3 ③、22の 3 ②、22の 3 の 2 ④、 22の 3 の 3 ②) イ 試験研究を行った場合の法人税額の特 別控除(措法68の 9 ①~③⑥⑦⑨) ロ エネルギー環境負荷低減推進設備等を 取得した場合の法人税額の特別控除(措 法68の10②③) ハ 中小連結法人が機械等を取得した場合 の法人税額の特別控除(措法68の11⑦~ ⑨) ニ 沖縄の特定地域において工業用機械等 を取得した場合の法人税額の特別控除 (措法68の13①②) ホ 国家戦略特別区域において機械等を取 得した場合の法人税額の特別控除(措法 68の14②③) ヘ 国際戦略総合特別区域において機械等 を取得した場合の法人税額の特別控除 (措法68の15②③) ト 雇用者の数が増加した場合の法人税額 の特別控除(措法68の15の 2 ①) チ 国内の設備投資額が増加した場合の機 械等に係る法人税額の特別控除(措法68 の15の 3 ②) リ 特定中小連結法人が経営改善設備を取 得した場合の法人税額の特別控除(措法 68の15の 4 ②③) ヌ 雇用者給与等支給額が増加した場合の 法人税額の特別控除(措法68の15の 5 ①) ル 生産性向上設備等を取得した場合の法 人税額の特別控除(措法68の15の 6 ⑦ ⑧) ヲ 法人税の額から控除される特別控除額 の特例(措法68の15の 7 ①) ワ 旧沖縄の特定中小連結法人が経営革新

(18)

設備等を取得した場合の法人税額の特別 控除(旧措法68の14③) カ 連結法人が復興産業集積区域等におい て機械等を取得した場合の法人税額の特 別控除(震災税特法25の 2 ②③) ヨ 連結法人が企業立地促進区域において 機械等を取得した場合の法人税額の特別 控除(震災税特法25の 2 の 2 ②③) タ 連結法人が避難解除区域等において機 械等を取得した場合の法人税額の特別控 除(震災税特法25の 2 の 3 ②③) レ 連結法人が復興産業集積区域において 被災雇用者等を雇用した場合の法人税額 の特別控除(震災税特25の 3 ①) ソ 連結法人が企業立地促進区域において 避難対象雇用者等を雇用した場合の法人 税額の特別控除(震災税特法25の 3 の 2 ①) ツ 連結法人が避難解除区域等において避 難対象雇用者等を雇用した場合の法人税 額の特別控除(震災税特法25の 3 の 3 ①) ロ 連結納税の承認を取り消された場合等の 税額控除に係る法人税額の適用がある場合 の個別帰属額の計算  連結法人の基準法人税額に次のイからリ までの規定により加算された金額がある場 合の各連結法人の地方法人税額の個別帰属 額の計算は、これらの規定により基準法人 税額に加算された金額のうち、連結納税の 承認を取り消された連結親法人又は連結子 法人に帰せられる金額の4.4%相当額を加 算調整額に含めることとされています(措 法68の 9 ⑱、68の10⑮、68の11、68の13 ⑨、68の14⑭、68の15⑫、68の15の 4 ⑫、 平成23年12月改正法附則72、平成24年改正 法附則33①、措令39の39、39の40⑧、39 の41⑩、39の43⑥、39の44⑥、39の45⑤、 39の45の 4 ⑦、平成23年12月改正措令附則 15①、平成24年改正措令附則19①)。 イ 連結納税の承認を取り消された場合の 試験研究費の額に係る法人税額(措法68 の 9 ⑪) ロ 連結納税の承認を取り消された場合の エネルギー環境負荷低減推進設備等に係 る法人税額(措法68の10⑤) ハ 連結納税の承認を取り消された場合の 中小連結法人の機械等に係る法人税額 (措法68の11⑫) ニ 連結納税の承認を取り消された場合の 沖縄の特定地域における工業用機械等に 係る法人税額(措法68の13④) ホ 連結納税の承認を取り消された場合の 国家戦略特別区域における機械等に係る 法人税額(措法68の14⑤) ヘ 連結納税の承認を取り消された場合の 国際戦略総合特別区域における機械等に 係る法人税額(措法68の15⑤) ト 連結納税の承認を取り消された場合の 経営改善設備に係る法人税額(措法68の 15の 4 ⑤) チ 連結納税の承認を取り消された場合の エネルギー需給構造推進設備等に係る法 人税額(旧措法68の10⑤) リ 連結納税の承認を取り消された場合の 沖縄の特定中小連結法人の経営革新設備 等に係る法人税額(旧措法68の14⑤)  また、連結法人の基準法人税額に次のヌ からヲまでの規定により加算された金額が ある場合の各連結法人の地方法人税額の個 別帰属額の計算は、これらの規定により基 準法人税額に加算された金額のうち、連結 親法人又は連結子法人に帰せられる金額の 4.4%相当額を加算調整額に含めることと されています(地方法人税法施行令附則 2 ①)。 ヌ 所得税法等の一部を改正する法律(平 成19年法律第 6 号)附則第113条、第114 条第 6 項、第115条又は第116条の規定 (改正法附則規定)によりなお従前の例

(19)

によることとされる場合における同法第 12条の規定による改正前の租税特別措置 法第68条の11第 6 項、第68条の12第 6 項、 第68条の14第 6 項又は第68条の15第 6 項 の規定及び旧連結賃借資産税額控除規定 (注) 旧連結賃借資産税額控除規定とは、 改正法附則規定に類する規定によりな お従前の例によることとされる場合の 賃借した資産を事業の用に供しなくな った場合の法人税額に関する規定をい います(地方法人税法施行令附則 2 ① 一)。 ル 連結納税の承認を取り消された場合の 情報基盤強化設備等に係る法人税額(所 得税法等の一部を改正する法律(平成22 年法律第 6 号)附則第110条の規定によ りなおその効力を有するものとされる同 法第18条の規定による改正前の租税特別 措置法第68条の15第 5 項) ヲ 連結納税の承認を取り消された場合の 事業基盤強化設備等に係る法人税額(経 済社会の構造の変化に対応した税制の構 築を図るための所得税法等の一部を改正 する法律(平成23年法律第114号)附則 第75条第 1 項の規定によりなお従前の例 によることとされる場合における同法第 19条の規定による改正前の租税特別措置 法第68条の12第 7 項) ハ 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特 例の適用がある場合の個別帰属額の計算  使途秘匿金の支出がある場合における地 方法人税の個別帰属額の計算における加算 調整額には、連結所得に対する法人税の個 別帰属額の計算と同様に、使途秘匿金の支 出の額の合計額に100分の40の割合を乗じ て計算した金額の4.4%相当額に次の割合 を乗じて計算した金額を含めることとされ ています(措法68の67⑥、措令39の96⑧)。 連結所得に対する法人税の額に係るその連 結法人の使途秘匿金の支出の額 連結所得に対する法人税の額に係る連結親 法人及び各連結子法人の使途秘匿金の支出 の額の合計額 ニ 土地の譲渡に係る追加課税がある場合の 個別帰属額の計算  土地の譲渡に係る追加課税がある場合に おける地方法人税の個別帰属額の計算にお ける加算調整額には、連結所得に対する法 人税の個別帰属額の計算と同様に、連結親 法人又はその連結子法人ごとに算出した土 地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額に 追加課税の税率を乗じて計算した金額の 4.4%相当額を含めることとされています (措法68の68⑫、措令39の97⑲、39の98)。

8  申告、納付及び還付等

⑴ 中間申告  地方法人税では、これまでの法人税の付加税 といえるものと異なり、法人税の中間申告書を 提出する法人は、いわゆる中間申告が義務付け られています。これは、地方税の道府県民税法 人税割等の制度において、法人税の中間申告書 の提出がある法人に中間申告に係る法人税額に 対して法人税割が課されていたことから、その 全額が地方交付税の財源となる地方法人税にお いても、地方財源を早期に確保するといった同 様の目的で、措置されたものです。具体的には 以下のとおりです。 ① 法人税の中間申告書を提出する場合 イ 中間申告の原則  法人税中間申告書又は連結中間申告書を 提出すべき法人は、これらの申告書に係る 課税事業年度開始の日以後 6 月を経過した 日から 2 月以内に、税務署長に対し、次の イからヘまでの事項を記載した地方法人税 の中間申告書を提出しなければなりません (地方法人税法16①、地方法人税法施行規 則 2 ①)。つまり、法人は、所得の金額又

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