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論文内容要旨(甲)

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Academic year: 2021

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論文内容要旨(甲)

論文題名 培養ヒト結膜上皮細胞における高浸透圧ストレス負荷に対す るカテキンの抑制効果

掲載雑誌名 あたらしい眼科 第 33 巻 (2016 年) 掲載予定 病理系 薬理学(医科薬理学分野)専攻 木崎 順一郎

【目的】近年、ドライアイの有病率は増加している。ドライアイ患者で は、涙液量減少に伴い、正常人と比較し涙液層の浸透圧が高いことが報告 されており、その結果、眼表面の炎症反応が惹起されている。近年、日本 緑茶に豊富に含まれるポリフェノール(green tea polyphenol)のうち、

カテキン類には、抗炎症作用、抗腫瘍作用、抗アレルギー作用など多様な 生理作用を有することが報告されている。特に、(-)-Epigallocatechin gallate (EGCG)は、茶特有のポリフェノール成分で、上記作用が強力にで ることが多数報告されている。一方、 ( - ) - Epigallocatechin 3- (3”

-O-Methyl)Gallate ( EGCG3”Me ) は、べにふうきなど一部の緑茶葉にの み含まれ、抗アレルギー作用が EGCG の約 2.5 倍との報告があるなど、そ の高い生理活性作用が注目されている。本研究は、培養ヒト結膜上皮 (HCE)細胞を用いて、高浸透圧ストレス誘発炎症経路を明らかにするとと もに、この炎症に対する EGCG と EGCG3”Me の抗炎症作用およびその有用 性を比較検討した。

【方法】HCE 細胞はヒト眼球由来結膜上皮細胞株(Clone-1-5C-4)を使用 し、Medium199 培地(289mOsm/L)を用い 5% CO2、37℃にて培養した。

Medium199 に sucrose (123mM)を溶解し培養することで高浸透圧ストレス (Hyper)負荷(423mOsm/L)を施した。Hyper 負荷 1~24 時間後のアポトーシ

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ス解析、IL-6 生成量の経時的変化を測定した。また、Hyper 負荷 1 時間前 に EGCG, EGCG3”Me, c-Jun N-terminal kinase (JNK)および、p38 mitogen activated protein kinase (MAPK) inhibitor を前処置し、Hyper 負荷 1 時間後の MAPK リン酸化能および、負荷 24 時間後の IL-6 生成量を ELISA 法で測定した。更に、EGCG レセプターである 67kDa Laminine Receptor (67LR)に対する免疫細胞染色を行った。

【結果】Hyper 負荷後、アポトーシス細胞の割合および IL-6 生成量は経 時的に有意な増加を示した。 Hyper 負荷 1 時間後に JNK および p38 MAPK リン酸化能が有意に増加した。これら増加に対し、EGCG は JNK を、EGCG3”

Me は p38 MAPK リン酸化を有意に抑制した。さらに、Hyper 誘発炎症に対 するカテキン類の抑制効果を比較検討した結果、EGCG3”Me 前処置でのみ IL-6 の有意な抑制が認められた。67LR 発現誘導は、EGCG 前処置で強い発 現が確認されたが、EGCG3”Me ではコントロールと比べ変化は認められな かった。

【結論】本研究により、結膜上皮細胞に対する高浸透圧ストレスは、JNK および p38 MAPK を介して炎症やアポトーシスを惹起していることが確認 された。このストレスに対し、EGCG は細胞膜上の 67LR を介して細胞内に 取り込まれ JNK リン酸化を抑制し、脂溶性の高い EGCG3”Me は膜を透過 し p38 MAPK リン酸化を有意に抑制する可能性が示された。特に、IL-6 生 成に対しては EGCG よりも EGCG3”Me で濃度依存的に有意な抑制を示すこ とが明らかとなった。これらの結果は、EGCG3”Me がドライアイを含む眼 炎症性疾患の治療に有用である可能性が示された。

参照

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