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養生方法および期間の相違が塩分浸透に及ぼす影響 芝浦工業大学

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Academic year: 2021

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Ⅴ− 7 第39回土木学会関東支部技術研究発表会

養生方法および期間の相違が塩分浸透に及ぼす影響

芝浦工業大学 学生会員 ○青山 和樹 芝浦工業大学大学院 学生会員 豊村 恵理 芝浦工業大学 正会員 伊代田 岳史

1. はじめに

コンクリート構造物の耐久性を向上させるために は養生が重要である.中性化のように空気を媒体と して移動する炭酸ガスに関しては養生の相違が抵抗 性に影響すること 1) が明らかになっている. しかし,

塩害のように水を媒体として移動する塩化物イオン に関しては養生による影響が明確ではない.塩水浸 漬試験のように常に水分を供給する方法では,未水 和であったセメントが再水和をして緻密化してしま うことで評価が有利に働くため,養生による影響を 評価することが困難である.そこで,本研究では水 分を供給し続けない試験方法を用いることで再水和 の影響を軽減し,養生方法および期間の相違が塩分 浸透に及ぼす影響を把握することを目的とした.

2. 実験概要 2.1 供試体諸元

配合および養生条件を表-1 に示す.配合はセメン ト種類を普通ポルトランドセメント(以後 N と示す),

高炉セメント B 種(以後 BB と示す)の 2 種類とし,

水セメント比を変動させた供試体(100×100×400mm)

を作製した.供試体は翌日に脱型し,打設面を含む 4 側面をシールし,残りの 2 面において養生方法,期 間を変動させ養生を行い試験に供した.

2.2 試験方法

本研究では,水分を供給し続けない試験方法とし て塩水の乾湿繰り返し試験を行った.実験工程を図 -1 に示す.濃度 3.0%の塩水に 5 分間浸漬,その他の 時間は乾燥という1サイクルを 1 日 1 回繰り返した.

所定の劣化期間(1,2,3,4,6,8,10 週)におい て 40mm 間隔で割裂し,断面に硝酸銀溶液(0.1mol/l)

を噴霧し,白色に呈色した領域を塩分浸透深さと定 義し測定した.深さの測定は JIS A 1152 に基づき行 った.また,乾湿繰り返し試験との比較を行うため,

常に水分を供給し続ける塩水浸漬試験を行った.

3. 実験結果および考察

3.1 配合と塩分浸透深さの関係

乾湿繰り返し試験(封緘養生 7 日)における各セメ ントの水セメント比と塩分浸透深さの関係を図 -2 に 示す.セメント種類によらず水セメント比の増加に 伴い塩分浸透深さは増加する傾向を示した.また,

水セメント比による塩分浸透深さの差は BB が N に 比べ小さくなった.これは, BB が高い塩分固定化能 力を有するためであると考えられる.

表-1 配合および養生条件

乾湿 浸漬

30 気中

45 45 封緘

60 水中

セメント種類 W/C(%)

W(kg/m3) 養生方法 養生期間(日)

N

BB 174 1 3 5 7 28

100 mm

100mm 400mm

養生面

40mm

乾湿繰り返し試験 塩水浸漬試験

<乾湿繰り返し試験>

浸漬 5分間 乾燥

1日1サイクル 3.0%塩水

<浸漬試験>

3.0%塩水

図 -1 実験工程

0 2 4 6 8 10 12 14 16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

塩分浸透深さ(mm)

劣化環境期間(週)

N-30%

N-45%

N-60%

BB-30%

BB-45%

BB-60%

乾湿 封緘養生7日

図 -2 水セメント比と塩分浸透深さの関係

キーワード 乾湿繰り返し試験,塩分浸透深さ,養生方法,養生期間,水セメント比

連絡先 〒135-8548 東京都江東区豊洲

3-7-5 芝浦工業大学

伊代田研究室

TEL 03-5859-8356 E-mail [email protected]

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Ⅴ− 7 第39回土木学会関東支部技術研究発表会

3.2 養生方法と塩分浸透深さの関係

塩水浸漬試験(W/C45%,養生 7 日)における各セ メントの養生方法と塩分浸透深さの関係を図-3 に示 す. N, BB ともに初期の塩分浸透深さは気中,封緘,

水中養生の順に大きくなった.しかし,長期材齢で は養生による差が小さく,N においては気中養生が 他の養生と比べ塩分浸透深さが小さくなった.これ は,浸漬による再水和の影響であると考えられる.

次に,乾湿繰り返し試験(W/C45%,養生 7 日)に おける各セメントの養生方法と塩分浸透深さの関係 を図-4 に示す.セメント種類によらず気中,封緘,

水中養生の順に塩分浸透深さは大きくなる傾向を示 し,長期材齢においても気中養生の塩分浸透深さが 最も大きかった.水分の供給を抑えたことで再水和 の影響を軽減できたためと考えられる.このことか ら,水分を供給し続けない方法では養生方法により 塩害に対する抵抗性は左右するといえる.しかし,

初期の各養生方法による差より長期の各養生方法に よる差が小さくなっていることから,再水和の影響 を完全には排除できていないと考えられる.

3.3 養生期間と塩分浸透深さの関係

塩水浸漬試験(W/C45%,封緘養生 7 日)における 各セメントの養生期間と塩分浸透深さの関係と乾湿 繰り返し試験(W/C45%,封緘養生 7 日)における各 セメントの養生期間と塩分浸透深さの関係を図-5,

図-6 に示す.どちらの供給方法においても N は養生 期間の減少に伴い塩分浸透深さは増加する傾向を示 した.一方, BB は養生期間による相違はあまり見ら れなかった. BB において塩分浸透深さは水分の供給 方法および養生期間によりほとんど影響を受けない ことから,材料や配合および養生方法による影響が 卓越すると考えられる.

4. まとめ

本研究で得られた結果を以下に示す.

1) 水セメント比の減少に伴い高い塩分に対する抵 抗性があり,BB は N よりも高い抵抗性を持つ.

2) 水分を供給し続けない方法では N,BB ともに塩

分に対する抵抗性は養生方法により左右される.

3) 水分の供給方法に関わらず養生期間によって N

は塩分浸透に影響を及ぼす.また,BB は水分の 供給方法や期間によりほとんど影響を受けない.

0 2 4 6 8 10 12 14 16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

塩分浸透深さ(mm)

劣化環境期間(週)

N-気中 N-封緘 N-水中 BB-気中 BB-封緘 BB-水中

浸漬 W/C45% 養生7日

図-3 養生方法と塩分浸透深さの関係

0 2 4 6 8 10 12 14 16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

塩分浸透深さ(mm)

劣化環境期間(週)

N-気中 N-封緘 N-水中 BB-気中 BB-封緘 BB-水中

乾湿 W/C45% 養生7日

図-4 養生方法と塩分浸透深さの関係

0 2 4 6 8 10 12 14 16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

塩分浸透深さ(mm)

劣化環境期間(週)

N-1日 N-3

N-5日 N-7

BB-1日 BB-3

BB-5日 BB-7日

浸漬 W/C45% 封緘養生

図-5 養生期間と塩分浸透深さの関係

0 2 4 6 8 10 12 14 16

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

塩分浸透深さ(mm)

劣化環境期間(週)

N-1日 N-3日 N-5日 N-7日 BB-1日 BB-3日 BB-5日 BB-7日

乾湿 W/C45% 封緘養生

図-6 養生期間と塩化物浸透深さの関係

参考文献

1) 豊村恵理ほか:養生方法およびその期間を考慮

した中性化速度式に関する一検討,土木学会第

66 回年次学術講演会,V-284,pp567-568,2011.

参照

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