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こどもの貧困と虐待の支援の実際加藤 雅江

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Academic year: 2021

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こどもの貧困と虐待の支援の実際

加藤 雅江

杏林大学医学部付属病院 患者支援センター 医療福祉相談室 課長

 子どもたちにとってはどんな状況でも「家庭」や「親」はかけがえのない、大切な、守らなければ ならない存在である。例えば、「貧困」について。子どもの4人に一人、6人に一人が貧困であるとい われている。貧困の問題はなかなか表面化しないため対応も難しい。子どもたちがそもそも貧困を訴 えてくることはない。家庭の中で、経済的な問題が発生したときに大人たちはどうするだろうか。す ぐにSOSを発信する人はまずいないだろう。それはなぜか。困難な状況を伝え、助けを求めること でこれまでの自分の生き方を否定され、叱責され、責任を持って解決することを求められるのではな いかと不安になっているのではないか。大人たちが「隠そうとしていること」を子どもたちも「何か 変だな」と感じるが触れることができず「不安」を感じる。だからこそ、子どもたちも外で家庭のこ とを話すことは「いけないこと」と捉える。貧困や家庭の問題は「隠すこと」と教えられている子ど もたちに寄り添い、支援をしていくことは本当に難しい。そもそも支援する、そんなスタンスで近づ こうとしたら警戒され、課題や問題は隠されてしまう。

 子どもたちが大人に送るサインが何を伝えようとしているのか、受け止め、必要な支えを手渡すこ とができるようになりたいと思う。

 地域の関係機関のスタッフと子どもの虐待防止に対応する際に気を付けている事。

 私たちが行う支援は、対象者に「虐待」 「子どもの貧困」のラベルを貼って、家族関係形成のための 大事な一歩を踏み出すことを妨げることが目的ではない。安全に子育てが行え、家庭が「安心できる 基地」として機能できるように課題の気づきを対象者に促し、そのサポート体制を地域の中に作り上 げていくことがその目的である。子どもの命や、生活の質を守るといったリスクマネージメントの視 点と、対象者の、子育て体験、家族としての歴史を通してそれぞれが成長・アイデンティティの確立 ができるように支援する視点、このバランスを、どうとっていくのかが重要となる。このような視点を 持てば、私たち支援者は、小さな躓きを見守り、サポートするという大きな役割を持つことができる と思う。そしてこの役割の持つ意味はとても大きいと思う。この意味を考えるきっかけになるような お話ができたらと思う。

会頭特別企画

座長:松田…博雄(社会福祉法人 子どもの虐待防止センター)

こどもの虐待 -周産期からの切れ目のない支援-

会頭特別企画

117

The 66th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health Presented by Medical*Online

参照

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ʻIncome Distribution Databaseʼ (2020 年 1 月 OECD ホームページより引用) 秋田喜代美・小西祐馬・菅原ますみ編著『貧困と保育』かもがわ出版