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平面波の伝播 音波

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Academic year: 2021

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(1)

平面波の伝播

音波

空気中で場所によって圧力差があると、圧力の大きいところから小さいところへ向かう力が働いて空気 が動きだす。空気が移動すると、それによって密度が変化して圧力が変わる。このような作用が空気中を 伝わっていくのが音波の伝播である。x方向に伝播する音波を考えよう。位置

x,

時刻

t

での空気の圧力

(平均圧力からのずれ)

u,

空気の流速

(粒子速度)

v

とする。微少な幅

dx

の領域に注目する。圧力勾

∂u/∂x

があると、この領域の左端と右端の圧力差

(∂u/∂x)dx

によってここにある空気層が力を受ける が、向きは反対である。空気の平均密度を

ρ

とすると、この空気層の単位面積当たりの質量は

ρdx.

力を 質量で割れば空気の加速度が得られ、α

= 1/ρ

とすると、

∂v

∂t = α ∂u

∂x (1)

一方、流速の勾配

∂v/∂x

があると、この領域の左端と右端の速度差

(∂v/∂x)dx

によって空気量が変化し、

圧力変化が起こる。これは、正の比例定数

β

を使って次のようにあらわせる。

∂u

∂t = β ∂v

∂x (2)

上の2式から

v

を消去すると、次の2階の偏微分方程式が得られる

(

波動方程式

)。

2

∂t

2

u = αβ

2

∂x

2

u

しかし、ここでは、上の方の1階の連立偏微分方程式を使って波の伝播を導いてみる。

γ

を定数として、u

+ γv

の時間変化率を式

(1), (2)

から計算してみよう。

∂t (u + γv) = αγ

∂x (u + β

αγ v) (3)

ここで、γ

= √

β/α,

もしくは

γ =

β/α

とすれば、左辺と右辺の被微分関数が同じになる。そこで、

U = 1

2 [u + ( √

β/α)v], V = 1

2 [u ( √

β/α)v] (4)

として

(係数 1/2

は任意)、それらに式

(3)

をあてはめると、次のように、U

V

は独立になる。

(

∂t + √ αβ

∂x )

U = 0,

(

∂t αβ

∂x )

V = 0 (5)

独立変数

t, x

を次のように変換して

X ,Y

で置き換えるとさらに簡単になる。

t = 1

2 (X + Y ), x =

αβ

2 (X Y ) (6)

たとえば、Y を固定して

X

dX

だけ変化させると、t

x

はそれぞれ

dt =

12

dX , dx =

√αβ

2

dX

だけ 変化し、それらによる

U

の変化は

dU =

∂ U∂t

dt +

∂ U∂x

dx =

12

(

∂ U

∂t

+ αβ

∂ U∂x

)

dX

となるが、(5)によって これはゼロになる。Y による

V

の変化についても同様である。よって、

∂U

∂X = 0, ∂V

∂Y = 0

この式より、U

Y

だけの関数であり、V

X

だけの関数であることになる。

U = U ( Y )

, V = V ( X )

(7)

1

(2)

(4)

および式

(6)

を解くと、

u = U ( t x

αβ ) + V (

t + x

αβ

) (8a)

v =

α β U (

t x

αβ )

α β V (

t + x

αβ

) (8b)

ここで、U,

V

1

変数の任意関数である。u

v

をまとめると

(

u v )

= (

√ 1 α/β

) U (

t x

αβ ) +

( 1

α/β

) V (

t + x

αβ

) (9)

となって、2つの項があることがわかる。第

1

項は

x

の正の向きに速さ

v

p

= √

αβ =

β

ρ (10)

で進む波であり、第

2

項は同じ速さで

x

の負の向きに進む波である。それぞれの向きの進行波では、v 分と

u

成分の比は決まっていて、±

α/β

である。進行波の

| v |

に対する

| u |

の比

Z = √

β/α = v

p

ρ (11)

は特性音響インピーダンスという。

x

の正の向きの進行波だけがあるとしよう。流速が右向き

(v > 0)

のところでは、圧力と密度が大きい ために右向きの大きい運動量密度があり、流速が左向き

(v < 0)

のところでは、圧力と密度が小さいため に左向きの小さい運動量密度があるので、全体としては右向きの運動量があることになる。そのため、音 波が壁にぶつかると壁を進行方向に押す力がはたらく。また、流体が音波を吸収する場合は、音響流とい う流れが生じ、おまけに、ドップラー効果で音波の周波数が下がる。

ただし、これらの効果は、圧力変化と粒子速度の積に比例する2次の効果であって、弱い音波では起こ りにくい。

平面波電磁波

真空中の電磁波でも、電場

E

と磁場

H

が座標

x

と時間

t

のみに依存すると考えると、上の空気中の音 波の場合と同様の扱い方が適用できる。音波での圧力と粒子速度の関係が、電磁波では、電場と磁場の関 係に変わり、Faradayの電磁誘導の法則と

Amp` ere-Maxwell

の法則から出発する。

X

∆z

∆y

dx dx Y

Z

図のように、X-Y平面上の四角形ループを考える。X方向の幅

dx

は小さいが、Y方向の幅

∆y

は大きく てもよい。このループを+Z方向に貫く磁束は、µ0

H

Z

dx ∆y

であるから、HZ が時間変化すると、ループ 中に誘導起電力

µ

0∂ HZ

∂t

dx ∆y

が生じる。これはループを1周するときの電位低下に等しい。座標

x

での

2

(3)

電場の

Y

成分を

E

Yとすると、x

+ dx

での電場の

Y

成分は

E

Y

+

∂ E∂xY

dx

となるから、ループの左辺の電位 低下が

E

Y

∆y

であるのに対して、ループの右辺の電位低下は

(E

Y

+

∂ E∂xY

dx)∆y

となる。電場は

Y

には依 存しないとしたから、ループの上辺と下辺の電位低下はちょうど打ち消しあう。したがって、ループ1周 では∂ E∂xY

dx ∆y

となる。よって、

∂H

Z

∂t = 1 µ

0

∂E

Y

∂x (12)

Z-X

平面にも

X

方向の幅

dx

Z

方向の高さ

∆z

を持つループを考え、このループを貫く変移電流が作 る磁場の計算をしてみる。変移電流密度の

Y

成分は

ε

0∂ E∂tY だから、ループを+Y方向に貫く変移電流は

ε

0

∂ EY

∂t

dx∆z.

これは磁場をループに沿って足しあわせたものに等しい。ただし、経路の向きを左辺では+Z

方向、右辺では-Z方向になるようにとる。上と同様に考えると、

∂E

Y

∂t = 1 ε

0

∂H

Y

∂x (13)

音波での計算結果を式

(12), (13)

に適用すると、電磁波の速度は

c =

√ 1

ε

0

µ

0

(14)

右向き進行波の

E

Y

H

Zの比は、

Z = E

y

H

z

=

µ

0

ε

0

=

0

(15)

電磁波の場合は、これを真空のインピーダンスと呼ぶ。単位は電気抵抗の単位と同じ

Ω (オーム)

である。

このように、EY

H

Zとのみ関係している。X軸のまわりに座標軸を90度回転して同じ関係を適用す れば、

E

Z

H

Yの関係が得られ、右向き進行波では、

Z = E

Z

H

Y

(16)

となる。EX

H

Xは電磁波に関与しないから無視する。E

H

も波の進行方向に垂直である。また、式

(15), (16)

より、E

H

の内積は

E · H = E

Y

H

Y

+ E

Z

H

Z

= (Z H

Z

)H

Y

+ ( Z H

Y

)H

Z

= 0

となるから、E

H

も直交している。向きに関しては、右向き進行波では、電場の向き、磁場の向き、お よび+X方向が右手系をなしている。

導体の壁に電磁波が入射すると、電場

E

の向きに電流が流れる。この電流は磁場

H

と垂直だから、導 体に磁気力がはたらく。この力の向きは常に同じで、電磁波が進む向きと同じであることがすぐにわかる。

したがって、電磁波も運動量を持っていて、音波のように壁に力をおよぼす。これは輻射圧と呼んでいる。

3

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