正圧と負圧における伝播速度の決定およびボイド率との関係
東北学院大学工学部 学生会員 ○森 恵一 正会員 河野 幸夫 学生会員 下浅 雄大
Ⅲ 正圧と負圧における伝播速度の理論値計算 正圧の伝播速度aは一般的に管内が水のみの単 相流の状態では以下の式を用いて計算する。
Ⅰ 実験目的
水が流れる管路を急激に閉鎖したときに生じる急激 な圧力上昇(水撃圧)は、反射時に圧力が降下することに より負圧となり、液体を気化させて管内に多数の気泡が 生し、気液混相流の状態になる。本研究は、その圧力上 昇と圧力降下時の圧力波の伝播速度を圧力変換器と動 歪計を用いて1/10000秒で測定する。また、鋼管の間に アクリル管を挿入して2台の高速度カメラにより1秒に 2000 枚撮影し、気泡の発生や、それに伴う伝播速度の 変化との関連性を求める事を主な研究とする。
1.正圧における伝播速度の理論値と実験値を比較す る。
2.負圧における伝播速度の測定方法の決定について検 討する。
3.負圧の伝播速度とボイド率との関係を求める。
Ⅱ 水撃圧実験装置
( )
) / ( 7 . 1345
3 . 0 1 10
1 . 4
10 28 . ) 5 10 0 . 2
10 07 . (2 1
937 . 101
10 07 . 2
1 1
2 3
2 10
8
8 2 1
s m
e D E k
k a
=
−
× ×
× ×
× + ×
×
=
−
×
×
+
=
−
−
)
(
)
( µ ρ
負圧の伝播速度 a2は管内が気泡と水の気液混相流 の状態では以下の式を用いて計算する。
k:水の弾性係数=2.07×109N/m2(2.07×108kgf/m2) ρ:水の密度=1019.37N・sec2/m4(101.937kgf・s2/m4) E:鋼管の弾性係数=2.0×1011N/m2(2.0×1010kgf/m2) µ:鋼管のポアソン比=0.3
D:管径(内径)=5.28×10-2(m) e:管の肉厚=4.1×10-3(m)
( ) ( )
+ − + −
−
= −
eE D K
V V K K g
V V a
w a a w a
a w
w 1 1 (1 )
1
µ2
γ γ γ
) / ( 076 . 249
) 10 2 ( ) 10 28 . 5 (
02077 . 0 10
07 . 2
01 . 0 43 . 0 ) 1 10 8 . 2
10 07 . (2 1 8
. 9
) 10 43 . 0 ( ) 372 . 2 999 ( 999
1
10 2 8
4 8 2
s
= m
×
× + ×
×
×
×
× − + ×
× ×
×
−
−
=
−
−
α
γ
w: 水の比重量=9800N/m3(999kgf/m3)下部水槽
PC 圧力変換器
動歪計 上部水槽
Ch.3 Ch.1
0.550m 11.866m 24.314m
Ch.4
Ch.2 11.9m
58.036m
15.034m
アクリル管
Camera.1 Camera.2 e: 鋼管の厚さ=5.28×10-2(m)
γ
a: 空気の比重量=23.269N/m3(2.372kgf/m3) E: ヤング係数=2.0×1011 N/m2(2.0×1010kgf/m2) V : 水と空気の混合体の体積V
a:空気の体積K
w:水の弾性係数=2.07×109N/m2(2.07×108kgf/m2) 図1 水撃圧実験装置図K
a: 空気の弾性係数=2.8×105N/m2(2.8×104(kgf/m2)
キーワード:伝播速度、負圧、正圧、水撃圧、ボイド 住所:宮城県亘理郡山元町浅生原字内手61
II-8
土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)Ⅵ グラフからの伝播速度計算方法
0 100 200 300 400 500
-0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4
V =1 .0 (m /s )
C h.1 C h.4
Water Hammer (m)
T im e (s)
T4wb T3wb
(2)
(1)
T3wb+T4wb
=0.3294−0.0854=0.2440(s)
T4wb
T3w
T2w
T1w
1 0- 5 0 .0 0 0 1 0 .0 0 1 0 .0 1 0 .1 1
0 0 .2 0 .4 0 .6 0 .8 1 1 .2
Void fraction α A
V e lo c it y ( m /s )
Diamiter (mm)
1 1 0 1 02
1 0- 1
1 0- 2
1 0- 3
不可視領域
可視領域
図3 各流速と伝播速度の関係
図2 伝播速度算出の時間の取り方
1 0 0 1 0 0 0 1 04
0 .1 1 1 0
a2 w b - ①= 2 L / ( T3 w b+ T4 w b)
a2 w b - ②= L / T4 w b 理 論 値
y = 5 0 2 .2 1 * x ^ ( - 0 .4 9 5 3 9 ) R = 0 .9 4 8 7 6 y = 2 9 8 .4 6 * x ^ ( - 0 .7 5 6 5 9 ) R = 0 .9 4 0 7 9 y = 8 4 7 .1 4 * x ^ ( - 0 .3 0 1 9 5 ) R = 0 .6 6 7 1 7
Wave Speed(m/s)
V e lo c it y ( m / s )
伝播速度については管長を時間で割ることで求 めることができる。負圧の伝播速度は気液混相流状 態のため、2種類の方法から算出した値により理論 値との関係を調べる。
a1=2L/(T1w+T2w)より算出する方法 時間T1w、T2wは、図2の取り方をする。
T1w+T2w=0.0854(s)より、
a1=2×57.486/0.0854=1346.276(m/s)
図4 各流速と伝播速度の関係
負圧の伝播速度は気液混相流状態のため、2種類の 方法により算出した値により理論値との関係を調べ る。
Ⅷ 結論 1.正圧
・理論値はa1=1345.7(m/s)である。
・流速0.1(m/s)時の伝播速度 a1は1341.799(m/s)とな り、流速1.0(m/s)時の伝播速度 a1は1346.357(m/s) となった。
・流速 0.1 から 1.0(m/s)までの平均の伝播速度 a は
1338.470(m/s)となった。
2.負圧
・理論値(α=0.43の時)はa2=249.076(m/s)である。
・ 流 速 0.1(m/s)時 の 伝 播 速 度 a2-① 、a2-②共 に 1341.799(m/s)となった。
・流速1.0(m/s)時の伝播速度a2-①は 530.439(m/s)とな り、流速1.0(m/s)時の伝播速度a2-②は330.304(m/s) となった。
(1) a2-①=2L/(T3wb+T4wb)より算出する方法
T3wb+T4wb の定義は水撃負圧部の始まりから終わ りの時間の範囲である。
T3wb+T4wb=0.2440(s)より、
a2-①=2×57.486/0.2440=471.197 (m/s)
図
T4wb=(T3wb+T4wb)−0.0427
=0.2440-0.0427=0.2013(s)
よって、a2-②=57.486/0.2013=285.574 (m/s) (2) a2-②=L/T4wbより算出する方法
T1w、T2w、T3wは液体のみの為、正圧の伝播速度を 用いる。
T1w=T2w=T3w=57.486/1346.276=0.0427 (s)となり、
3 は各流速におけるボイド率の関係を表したグ ラフである。図4は各流速と伝播速度を表したグラフ で あ る 。V=0.1(m/s)時 の 理 論 値 の 伝 播 速 度 a は 1341.526(m/s)である。V=1.0(m/s)時の理論値の伝播 速度a=488.695(m/s)である。V=10(m/s)時の伝播速度 aは約400(m/s)となった。
参考文献:1)渡辺雅二,河野幸夫:管路に おける気液 2 相流のモデル解析について 環瀬戸内応用数理研究部会 第一回論文 集、応用数理学会、pp.42〜46 , (1998).
土木学会東北支部技術研究発表会(平成22年度)