Contact and Adheison analysis for anisotropic materials considering surface stresses and elasticity
正 古口 日出男(長岡技科大)
○ 西 尚城(長岡技科大院)
Naoki NISHI, Graduate School of Nagaoka University of Technology, 1603-1 Kamitomiokamachi, Nagaoka, Niigata Hideo KOGUCHI, Nagaoka University of Technology, 1603-1 Kamitomiokamachi, Nagaoka, Niigata Key Words : Contact Mechanics, Anisotropy, Surface Green Function, Surface Stress, Surface Elasticity
u A
B F
x x x i e
i
ip px
1
, ,
2 34
21
* 3( ) =
× ( + )
−
−∞
∞
−∞
∞
∫
π ∫ ρ
ρ
−−1fe
−1(η1 1x+η2 2x)d d η η
1 2···(4)
と表される.このとき
こ こ で
Q
ik=C
ijksn
jn
s,R
ik=C
ijksn
jm
s,T
ik=C
ijksm
jm
s,m=[0,0,1]
T,n=[n
1,n
2,0]=[cos q ,sin q ,0]
Tまた,f:
集中荷重ベクトル,C
ijkl:
弾 性定数,t
mb:
表面応力,d
mbgl:
表面弾性定数である.3. 凝着解析
3.1 凝着解析への表面グリーン関数の応用 一般に,単 位集中荷重に対する表面の応答を
K(x
1,x
2)
で表すと,圧力p(x
1,x
2)
に対する応答変位w(x
1,x
2)
は次式で求めることができ る.
w x x (
1,
2) = ∫−∞∞∞∫
−∞∞p ( ξ ξ
1,
2) K x (
1− ξ
1, x
2− ξ
2) d d ξ ξ
1 2 ····(5)
この式を
Fourier
変換すると,畳み込み積分はそれぞれの関数を
Fourier
変換した関数の積で表される.すなわち,
w ˆ , ( η η
1 2) = p ˆ , ( η η
1 2) ( K ˆ η η
1,
2) ···(6)
と書くことができる.ここでは,K(x
1,x
2)=u
3(x
1,x
2,h)
を用い ている.表面応力と表面弾性定数を考慮した異方性弾性体の接触・凝着解析
Spherical
x z
R
h
ijDeformation surface
g
ijFig.1 Model for adheison analysis
1. 緒 言近年,マイクロマシン,ナノマシンなどのナノテクノロ ジーの研究が多く行われている.マクロサイズの構造物で は無視できても,マイクロ・ナノのサイズになると無視で きなくなる力がある.その代表的な力がファンデルワール ス力などの分子間力である.接触していなくても物体が接 近することで二面間に発生する引力により凝着が起こる.
微小マシンでは容易に凝着が発生し,マシンの動作に影響 することから,凝着を防止するための工夫が必要となって いる.分子間力は物体の二面間の距離の非線形関数で与え られ,吸着力と反発力からなる分子間力は 2 物体間の距離 が原子間隔に近くなると大きく変化する.物体の表面近傍 では表面応力や表面弾性定数が表面の力学的応答に影響を 与え,荷重負荷点近傍では結晶異方性の影響も表れると考 えられる.そこで筆者の一人(1)は表面応力および表面弾性定 数を考慮した異方性表面グリーン関数を導出し,接触解析 における押し込み深さに対する表面応力および表面弾性定 数と圧子形状の影響を調べた(2).
本研究では,表面応力および表面弾性定数を考慮した異 方性弾性体の凝着解析を行い,表面応力および表面弾性定 数の影響と材料異方性の影響について調べた.
2. 異方性表面グリーン関数
2.1 表面応力を考慮した半無限体の境界条件 表面応力 を考慮した境界条件を次式に示す.
σ
iαv
i− τ
αβ β,= t
α···(1a)
σ ν τ κ ν
i3 i−
µβ µβ 3= t
3···(1b)
式(1a)
は表面に対する接平面上,式(1b)
は法線方向の境界 条件である.ここで,t
ab:
表面応力 ,s
ij:
バルク応力,k
ab:
表 面の曲率テンソル,v
i:
表面の法線ベクトルである.また,a
,b
,m
のギリシャ文字は1
,2
( 表面内に対応 ),i
,j
のアルファベットは
1
,2
,3
の値をとる.2.2 異方性表面グリーン関数 異方性弾性体の平衡方程 式を変位
u
iで表すと次式となる.
C u
ijkl k lj,= 0 ···(2) x
3=0
の点に集中荷重f
が作用しているとき,以下のように 示される.ここで(x
1, x
2, x
3) = (x,y,z)
である.
t ( x x
1, ,
20 ) = f δ ( ) ( ) x
1δ x
2···(3)
境界条件を考慮して平衡方程式を解いて変位u
を表すと,本研究では,物体表面間の相互作用力として分子間力を考 え,
Greenwood
(3)と同様にLennard-Jones
型ポテンシャル を用いて凝着現象の解析を行う.この型のポテンシャルを 用いた場合,任意の2
点間の距離g
ijにおける圧力p(x
1,x
2)
は次式で与えられる.p x x
gij gij
( , )1 2
8 3
= 3∆
−
γ
ε
ε ε
9
···
(7)ここで,
e
は平衡原子間距離である.3.2 凝着解析の離散化解法
2L
0× 2L
0の領域を微小領域 に分け,中心座標を( x
i,y
j)
とする.二面間の間隔g
ijは,微 小領域の変位w
ijを用いて次式から求めることができる.
g
ij= h
ij− − δ w
ij···(8)
ここで,h
ijは初期二面間の間隔で,d
は押し込み深さである.4. 解析条件及び結果
4.1 解析条件 本研究では異方性弾性体に対して,球状 突起を有する表面との凝着解析を行う.解析モデルは,突 起部の半径は
R=50nm
,平衡原子間距離0.2nm
,初期二面 間距離1.9nm
とした.解析対象は異方性弾性体のAu[110]
で あ る.
Au[110]
の 弾 性 定 数 はC
11=219.9
,C
12=136.9
,C
13=163.8
,C
33=192.9
,C
44=41.5
,C
66=14.6[GPa]
で あ る.表面応力および表面弾性定数は分子動力学法(
FS
ポテン シャル)を用いて算出した.表面応力はσ
xx=1.057[N/m] , σ
yy=1.125[N/m]
表 面 弾 性 定 数 はd
11=7.4421
,d
12=-3.3238 , d
66=2.3067[N/m]
である.また,表面グリーン関数を用い た影響係数の計算では,分割数1024×1024
,格子点間隔0.1nm
,集中荷重( f
1, f
2, f
3) =(0,0,1.0)[nN]
,z
方向深さをz=- 0.14418[nm]
( 格子定数の1/2
) としている.なお,材料異方性の比較対象として,等方性弾性体の 表 面
Green
関 数 (Boussinesq
の 解 ) を 用 い た 解 析 も 併 せ て 行 う. 解 析 に 用 い る 材 料 特 性 は,Au
( 横 弾 性 係 数G =27.89[GPa]
,ポアソン比ν =0.4237
)である.4.2 解析結果および考察 等方性弾性体に対する凝着解 析の結果と異方性弾性体に対する凝着解析の結果を図
2
に 示す.表面力は式(7)
を数値積分した次式で求めた.
p x x p x x dA
g
ij( , )
1 2( , )
1 28
∑ = ∫
Ω= 3 ∆
γ ε
ε −
∫
3 9
ε
g dA
ij Ω
···(9)
ここで,W
は解析領域を示し,A
は解析領域の面積とする.これより,表面力が最大となる表面間距離は,等方性,異 方性ともに平衡原子間距離付近であり,突起部が表面に近 づくにともない突起先端が反発力を受ける.この時点にお ける突起先端の圧力
p(x
1,x
2)|
x1=0,x2=0が最大凝着力であると考 えられる.また,表面応力および表面弾性定数が凝着力に 与える影響は,ほとんど無いようである.次に,等方性弾 性体における平衡原子間距離付近の圧力分布を図3
に示す.この結果より,圧力が
4.89nN/nm
2に達すると反発力が強 くなり図のように表面に近い部分から凝着部が拡がると考 えられる.5. 結 言
本研究では,ナノマシンなどの微小構造物において発生 する構造物同士の凝着現象を解明するために,球-平面間 の凝着を解析対象として,二物体間に分子間力を導入し凝 着解析を行った.その結果,
Au[110]
面では,表面応力お よび表面弾性定数は,最大凝着力に対して影響が小さいこ とがわかった . また,表面力は等方性,異方性とも同じよ うな値を示すことが確認できた.文 献