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IRUCAA@TDC : 歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携 6.糖尿病チーム

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携 6.糖尿病チー

Author(s)

澁井, 武夫; 大久保, 佳昭; 野村, 武史

Journal

歯科学報, 116(6): 459-461

URL

http://hdl.handle.net/10130/4162

Right

Description

(2)

―――― カラーアトラス ――――

歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携

6.糖尿病チーム

しぶ い たけ お

澁 井 武 夫

1)

おお く ぼ よし あき

大久保 佳 昭

2)

の むら たけ し

野 村 武 史

1) 1) 東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座 2) 東京歯科大学市川総合病院内科

(3)

カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説

市川総合病院では2007年に糖尿病・内分泌セン ターが開設されその診断治療を担っている。糖尿病 治療は,薬物治療はもちろんであるが食事療法・運 動療法も欠かすことができず,患者教育は重要であ る。そのような観点から市川総合病院では月に1 回,多職種が連携して糖尿病教室を開催しており, 我々,歯科医師もそのチームのメンバーとして患者 教育に携わっている。今回はその概要について解説 する。 糖尿病教室は月に1回,第4水曜日の午後に開催 している。その構成は2部構成になっており,初回 は内科医師による「糖尿病とは」から始まり歯科医 師による「糖尿病と口腔疾患」,看護師による「シッ クデイについて」,薬剤師による「糖尿病の薬物治 療」,臨床検査技師による「糖尿病と臨床検査」。第 二回は理学療法士による「糖尿病の運動療法」,内 科医師による「糖尿病の病態と合併症」,管理栄養 師による「糖尿病の食事療法」となっている(図1)。 糖尿病と歯周病の関連は知っていても,その理由や 他の口腔疾患との関連性についてはほとんど知られ ていないのが実情であり,その啓発活動を行ってい る。歯科での講演内容を以下に記す。 糖尿病の合併症(図2) 糖尿病の3大合併症は網膜症,腎症,神経障害で ありこれらは細小血管症である。高血糖状態の持続 により血管の内皮細胞と周皮細胞の基底膜の肥厚が 生じることが知られている。血管の基底膜肥厚は動 脈硬化と同様の病態を惹起し血流障害の原因とな る。なお神経障害は神経栄養血管障害に加え末梢神 経代謝障害も重なり発症する。その原因はグルコー スの代謝経路の側副経路であるポリオール代謝経路 の亢進による過剰なフルクトースやソルビトールの 蓄積をはじめとして最終糖化産物や酸化ストレスに よる神経線維の障害と言われている。第4,第5の 合併症は大血管障害および足病変である。大血管障 害は粥状動脈硬化による閉塞性疾患と血管壁の硬化 による非閉塞性硬化病変が同時に進行する。粥状動 脈硬化の発症機構は高血圧・糖尿病・脂質異常など の様々な病的刺激により血管内皮細胞が障害される と内皮細胞表面への単核球接着が亢進しプラークが 形成される。このプラークの破綻により血栓が形成 され血管閉塞を生じ心血管イベントが発生する。一 方,非閉塞性硬化性病変はマトリックスタンパクの 蓄積,最終糖化産物の形成によるコラーゲン蛋白の 架橋形成,内膜中膜複合体肥厚,血管壁の石灰化な どによる血管壁硬化が主体である。足病変の成因は 神経障害(感覚,運動,自律神経)と末梢動脈疾患に よる末梢血流障害がある。これらの障害を有する足 に外傷,靴擦れや素足歩行のような反復メカニカル ストレス,低温熱傷などの外因が加わると足潰瘍を 発生すると言われている。そして第6の合併症が歯 周病であり細小血管症および大血管症に次ぐ,糖尿 病の注目すべき合併症と言われている。糖尿病患者 において歯周病が多発する要因として血糖上昇に伴 い 増 殖 に 糖 を 必 要 と す る 特 異 的 細 菌(Capnocyto-phaga属の細菌など)の割合が増加することが示さ れてきた。しかし近年では好中球の機能不全,コラー ゲンの合成阻害,歯根膜線維芽細胞の機能異常,微 細小循環障害,最終糖化産物の炎症性組織破壊への 関与,さらにアディポサイトカインの炎症への関与 も報告されている1,2) 糖尿病に合併する口腔疾患(図3) 口腔乾燥:高血糖状態が持続していると細胞内の 水分が血管内に取り込まれてしまう。そのため多 飲・多尿を呈するも全身的には脱水傾向に陥りや すく,口腔乾燥にもつながる(図4)。 多発性う蝕:脱水により唾液分泌量の低下が生じ ることにより自然浄化作用が減少すると同時に食 後の酸中和能も低下することによりう蝕に罹患し やすくなる(図5)。 口臭:微細小循環障害,最終糖化産物の炎症性 組織破壊から歯周病が進行し,Fusobacterium

peri-odonticum,Porphyromonasgingivalis,Prevotella

in-termediaなどにより揮発性硫黄化合物(VSC)が産 生されることによる(図6)。 難治性口内炎:微細小循環障害,最終糖化産物の 炎症性組織破壊によって口腔粘膜は損傷を受けや すく治癒しにくい状態となる。そのため口内炎の 治癒も遷延する(図7)。 感染症:好中球やリンパ球の走化能や接着能,貪 食能の低下などにより免疫能が低下し,炎症誘発 性転写因子の活性化と血管内皮機能の低下などに より感染症罹患率が上昇する。そのため歯科領域 においては日和見感染症である口腔カンジダ症や 重症感染症である頭頸部蜂窩織炎に罹患しやすい (図8)。 味覚異常:糖尿病は神経栄養血管障害に加え末梢 神経代謝障害も生ずることは先に述べたが,当然 ながら味覚に関与する鼓索神経や舌咽神経が障害 されれば味覚異常も引き起こされる。 以上,簡単ではあるが当院における糖尿病教室で の歯科の講演内容について述べた。重度歯周炎患者 では歯周病細菌由来抗原の血中濃度が上昇し,単球 を活性化し活性化された単球は体内循環を介して脂 肪組織に集積しマクロファージに最終分化する。そ の結果 TNFα 産生性が亢進しインスリン抵抗性が 惹起されることが明らかにされている3,4) 。糖尿病の 治療とともに歯周病の治療を並行して行うことの重 要性をこれからも啓発していきたい。 文 献 1)科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013(日本 糖尿病学会 編),南江堂,東京,2013. 2)糖尿病学(門脇 孝 他編),西村書店,東京,2015. 3)Munenaga Y ; Hiroshima Study Group, Yamashina T,

Tanaka J, Nishimura F : Improvement of glycated hemo-globin in Japanese subjects with type2 diabetes by reso-lution of periodontal inflammation using adjunct topical antibiotics : results from the Hiroshima Study. Diabetes Res Clin Pract, 100:53−60,2013.

4)Demmer RT, Squillaro A, Papapanou PN, Rosenbaum M, Friedewald WT, Jacobs DR Jr, Desvarieux M : Peri-odontal infection, systemic inflammation, and insulin re-sistance : results from the continuous National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)1999−2004. Dia-betes Care, 35:2235−2242,2012.

(4)

歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携

6.糖尿病チーム

澁 井 武 夫

1)

,大久保 佳 昭

2)

,野 村 武 史

1) 1) 東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座 2)東京歯科大学市川総合病院内科 図7 図5 図3 図8 図6 図4 図2 図1

参照

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