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2.算数は楽しいですか?

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Academic year: 2021

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(1)

(2)2年生のアンケート結果 1 算数は好きですか?

好き 11

まあまあ好き 少し嫌い O

嫌い O

算数は好きですか?

0」

     雛

し_   _________、

まあまあ好き      少し嫌い

■、

鱗い

2.算数は楽しいですか?

楽しい 12

まあまあ楽しい O

あまり楽しくない O

楽しくない O

算数は楽しいですか?

4∵㎞

(2)

3.算数の授業がr楽しい」と思える時は,どんな時ですか?

(ア)分からなかったことが分かるようになった時 12

(イ)難しい問題が解けた時 11

(ウ)問題が早くたくさん解けた時 11

(工)自分一人で解き方を考えている時 11

(才)物を触ったり動かしたりして考えた時 12

(カ)自分の考えを分かってもらった時 12

(キ)友達の発表を聞いて分かった時 12

(ク)友達と一緒に話して分かった時 12

(ケ)勉強した内容がこれから役立ちそうだなと思った時 12

算数の授業が『楽しい』と思える時は,どんな時ですか?

       o

(ア)分か醜かったこ㈱かるようになっ鵬1

     (イ脆い問題が鮒鵬1

 (才)靭き触った響嚢かしたリして考えた時.

     (劾 自分の考え菱分かってもらった時…

     (ク)友達と一憂譲こ乳て粉う繍

      ■       一       一       ,

     書がこれから授立ちそうだなと患った醇 1

(3)

4.算数で大切だと思う事は何ですか?

(ア)問題の解き方が分かる 5

(イ)問題を早く解く 2

(ウ)たくさんの考え方を見つける 6

(工)工夫した解き方を見つける 9

(オ)人の話をしっかり聞く 4

(カ)自分の考え方を友達に分かりやすく説明する 6

(キ)生活や他の学習で使えるようにする 5

算数で大切だと思う事ば何ですか?

(4)

5.今日の授業は楽しかったですか?

楽しかった 12

まあまあ楽しかった あまり楽しくなかった

0

楽しくなかった 0

今日の授業は楽しかったですか?

1プ

ミユ0

≡8

−0

察しかった まあ=まあ…票しカ、った       菱,まり…奏しくなカ、った 楽しくなカ、った

6.授業に集中できましたか?

集中できた 4

まあまあ集中できた

8

あまリ集中できなかった

O

集中できなかった

0

1 0

繁中できた まあま高率中できた あまリ集中できなかった 集中できなかった

(5)

7.なぜそうなるのか知りたいと思いましたか?

思った

11

少し思った あまり思わなかった 0

思わなかった

なぜそうなるのか知りたいと思いましたか?

あまり思わなかった 思わなかった

8.なぜそうなるのか分かった時うれしかったですか?

うれしかった 12

少しうれしかった 0

あまりうれし<なかった

O

うれしくなかった O

なぜそうなるのか分かった時うれしかったですか?

ユ2三・・

81

(6)

9.また.「数の石垣」をしたいと思いましたか?

思った 12

少し思った 0

あまり思わなかった 思わなかった

また,「数の石垣』をしたいと思いましたか?

     思った

少し馳た

あまり思わなかった 思わなかった

10.今日の授業で楽しかった所は.どこですか?

・最初は分からなかったが、分かると楽しかった。

・数の石垣を自分で作ったところ。

・悩んで問題を解いた時。

・石垣の秘密(2段目に1が入らない,対称性,数字の規則etc.)を見つける所。

・石垣1こ数字を入れる所。

1頂上が12になる問題が楽しかった。

(7)

11.今日の授業の感想を書いてください。

・ヒント無しでやってみたい。

・考えてやったから楽しかった。

・初めての勉強だったから楽しかった。

・また,数の石垣を行いたい。

・石垣の秘密が難しかった。

・秘密を見つけられてうれしかった。

・みんなでカを合わせてやったから,とてもうれしかった。

・石垣で足し算,引き算ができるのでびっ<りした。

・2段目に1は入らないというのが分かりにくかった。

一色々な解き方やおもしろい解き方があって,おもしろかった。

      」謹灘

(8)
(9)

(3)3年生のアンケート結果

1.算数は好きですか?

好き 16

まあまあ好き 10

少し嫌い 3

嫌い 4

玉6

1製

至2

旦0

 8  5  4  2  0

算数は好きですか?

ま窃まあ好ぎ        少し鎌い 嫌い

2.算数は楽しいですか?

楽しい 16

まあまあ楽しい 10

あまり楽しくない 3

案しくない 4

算数は楽しいですか?

楽しい      まあまあ糞1しい

歴町.

あまり楽しくない

国L

楽しくない

(10)

3.算数の授業が「楽しい」と思える時は,どんな時ですか?

(ア)分からなかったことが分かるようになった時 20

(イ)難しい問題が解けた時 21

(ウ)問題が早くたくさん解けた時 23

(工)自分一人で解き方を考えている時 11

(オ)物を触ったリ動かしたりして考えた時 27

(カ)自分の考えを分かってもらった時 21

(キ)友達の発表を聞いて分かった時 12

(ク)友達と一緒1こ話して分かった時 20

(ケ)勉強した内容がこれから役立ちそうだなと思った時 15

算数の授業が「楽しい」と思える時は,どんな時ですか?

      ⑰

  くア)会か淋ったことが会かるようにな棚ギ川        (イつ難しい鰯が鮒た瞬≡

     (ウ)問題が皐く走くさん鰯サた日寺1

    (エ)魯金一、べで解き方を著えてし、る蹄 一    (オ)靭を触ったリ重かした写して考えた時≡

    (劾搬雛蜘禍棚1

     (ク)縫と㎜脇て鰍鰭1…

(ケ)勉強した角書がこれかう授童ちそうだなと霧った蒔

三〇 15      20      25      3⑪

(11)

4.算数で大切だと思う事は何ですか?

(ア)問題の解き方が分かる 13

(イ)問題を早く解く 3

(ウ)たくさんの考え方を見つける 22

(工)工夫した解き方を見つける 11

(オ)人の話をしっかり聞く 24

(カ)自分の考え方を友達に分かりやすく説明する 16

(キ)生活や他の学習で使えるようにする 1

算数で大切だと思う事は何ですか?

         θ

(エ)工糺た縫擁見つける一  (才)人の誘をしっかり籔く …

5 1θ   工5 20   25 30

(12)

5.今日の授業は楽しかったですか?

楽しかった 23

まあまあ楽しかった

4

あまり楽し<なかった 楽しくなかった 3

125圭一

繁しかった まあまあ楽しかった あまり楽しくなかった       楽しくなかった

6.授業に集中できましたか?

集中できた 18

まあまあ集中できた

9

あまリ集中できなかった

2

集中できなかった

4

授業に集中できましたか?

纂宇で猷 まあまあ集中できた   あまり集中できなかった 集中できなかった

(13)

7.なぜそうなるのか知りたいと思いましたか?

思った 15

少し思った 10

あまり思わなかった 思わなかった

なぜそうなるのか知りたいと思いましたか?

ユε

14

王2

思った 少し思涜 あまり思わなかった 思わなかうた

8.なぜそうなるのか分かった時うれしかったですか?

うれしかった 17

少しうれしかった 6

あまりうれしくなかった 3

うれしくなかった 7

r…… ネぜそ病蒜扁粛π意蒜7耐

18三・

1ポ

エ4…一

慨山

(14)

9.また,r数の石垣」をしたいと思いましたか?

思った 20

少し思った 3

あまり思わなかった

4

思わなかった

6

また,r数あ石垣』をしたいと思いましたか?

思った

田図凹

少し思った        あまり思わなかった

翻皿、

鮒なか娩

10.今日の授業で楽しかった所ば,どこですか?

・やり方が分かりやすくて楽しかった。

・四角を埋めていく所が楽しかった。

・どんどん足してい<時。数が増えていくとこ。

・数字を変えると数が変わる時。

・大きい数字に丸をつける時。

・プリントに書いていくとこ。

・発表できたところ。

1数字が小さいので分かりやすかった。

・答えがあっていたとき。

・上の数字がいろいろ変化するところ。

・たくさん計算ができた所。

1発表がしやすかった所。

(15)

11.今日の授業の感想を■いてください。

・楽しかった。

・やり方が分かった時が嬉しかった。

・1段目の真ん中の数字が,一番大きい時にてっぺんも大きくなるという事が分か

ってうれしかった(楽しかった)。

・最初は分からなかったけど,先生とみんなの説明で分かった。

・またやりたい。

・ちゃんと作れていて合っていて嬉しかった。

・どうやって大きい数字ができるのか知りたかった。

・最初の問題が楽しかった。

1間違いがなかったことが嬉しかった。

・前までは嫌いだったけど,少し好きになった。

・数の石垣を習えてよかった。

・数の石垣のルールが簡単でよく分かったので,手をたくさん挙げられた。

・てっぺんの数は,一段目の数の並び方を変えると変わることが分かった。

・数字が増えていくので楽しかった。

・小さい数字を色々使うから、分かりやすかった。

・こんな算数をもう一度だけやりたくなっていた。

一楽しくなかった。

(16)
(17)

(4)アンケート結果からの考察

 アンケート結果より子どもたちは「数の石垣」を能動的かつ主体的に学習出来て いたことがわかる。ここでは,そのアンケート結果を考察を踏まえて分析していく。

 「算数は好きですか」の結果は普段の授業に対するアンケートである。それを踏 まえて,普段の「算数は楽しいですか」という質問と「今日の授業は楽しかったで すか」という質問を比較する。

1.算数は好きですか?

好き まあまあ好き 少し嫌い 嫌い

1年生

16.7% 55.6% 22.2% 11.1%

2年生

91.7% 8.3% 0% 0%

3年生

48,5% 30.3% 9.1% 12.1%

以上の結果より,1〜3年生を通して全体的に算数に好意を持って取り組んでい ることが分かる。1・3年生は7〜8割程度の児童が算数をr好き」もしくはrま

あまあ好き」と答えている。2年生は全員がその結果であった。

2.算数は楽しいですか?

楽しい まあまあ楽しい あまツ薬しくない 楽しくない

1年生一 33.3% 44.4% 22.2% 5,6%

2年生

100% O% 0% 0%

3年生

4815% 30−3% 9.1% 12.1%

 このアンケート結果は,「算数は好きですか」の結果とほぼ同じになった。学年が 上がるにつれて算数・数学離れが進んでいくと言われている。そのようにならない ためにも,低学年・中学年で,算数の楽しさや興味深さを体験させていくことが重 要ではないかと考える。以上のアンケート結果対して「今日の授業は楽しかったで

(18)

5.今日の授業は楽しかったですか?

楽しい まあまあ楽しい あまリ薬し<ない 楽しくない

1年生

77.8%(。44.5ポイント) 11.1%(一33.3ポイント) 5.6%(一16.6ポイント) 5.6%(±oポイント)

2年生

100%(±oポイント) 0% (±oポイント) 0% (±oポイント) 0% (±oポイント)

3年生

69.7%(・21.2ポイント〕 12.1%(一18.2ポイント) 9.1% (±oポイント〕 9.1%(.3ポイント)

 このアンケートを全体的に見て,「楽しい」の項目が大きく増加し,「まあまあ楽 しい」,「あまり楽しくない」,「楽しくない」の項目が減少していることが分かる。

2年生に関しては,「すごく楽しい」や「でえれえ楽しい」などの項目を作って丸を していた児童が半分くらいいた。これらの結果より,子どもたちは普段の授業より も楽しんで授業に取り組んでいたことがわかる。また,「授業に集中できました か?」という質問に関しての結果は以下の通りである。

3.授業に集中できましたか?

集中できた まあまあ集中できた あまり集中できなかった 集中できなかった

1年生

72.2% 16.6% 5.6% 0%

2年生

33.3% 66.7% 0% O%

3年生

54.5% 27.3% 6.1% 12.1%

 ここから,多くの児童が集中して授業を受けられていたことが分かる。筆者が授 業を行った1年生では,子どもたちの様子を見ていても,いつもより積極的に発言

しており,課題に集中して取り組めていたように思う。学習意欲が非常に高く,か なり多めに刷っていたワークシートが全て無くなり,多くの児童がプリントの裏に 石垣を書いて計算していた。そして,普段だと多い私語や立ち歩きも全くなかった。

また,2年生は授業時間が大幅に伸び,90分になったにも関わらず,授業に集中し て取り細めていた。

 続いて,生命論の要素を含んでいる授業でも重要視される,「なぜ」という疑問に 関して,「なぜそうなるのか知りたいと思いましたか?」という質問に関しては以 下の結果になっている。

(19)

7.なぜそうなるのか知りたいと思いましたか?

思った 少し思った あまリ思わなかった 思わなかった

1年生

38.9% 44.4% 5,6% 11.1%

2年生

91.7% 8.3% 0% O%

3年生

45.5% 30.3% 9.1% 15.2%

 この質問から,現象に対しての疑問を解決したいと感じている子どもの割合は,

楽しいと感じている割合ほどはいないものの,何かしらの疑問は多くの子どもが抱 いていることが分かる。学習のべ一スとなる疑問を抱くという行為は大半の子ども ができている。

 疑問が解決した時の子どもたちの気持ちについてのアンケートが次の,「なぜそ うなるのか分かった時うれしかったですか?」という質問である。以下の結果にな っている。

8.なぜそうなるのか分かった時うれしかったですか?

うれしかった 少しうれしかった あまりうれしくなかった うれしくなかった

1年生

55.6% 38.9% 5.6% 0%

2年生

100% 0% 0% 0%

3年生

51.5% 18.2% 9.1% 21.2%

 子どもたちは,自ら考え,疑問を解決した時には喜びを感じていることが分かる。

これは,誰もが同じではないだろうか。従来の学習では,解法を教えて個人で問題 を解いていく。解ける前提で問題にあたるので,解決した喜びや実感がわかない。

しかし,「数の石垣」のように,児童自身が現象を見て疑問を抱くような教材では,

解決までのルートが何通りもあり,子ども自身が道を切り開き,クラス全体で解決 するので,達成感と喜びが生まれる。現象に対してrなぜ」と疑問を抱く姿勢を大 切にし,白ら疑問を解決させていくカをつけていくためにも,子どもたち自身が現

(20)

3.算数の授業が「楽しい」と思える時は,どんな時ですか?

1年生

1位 難しい問題が解けた時

2位 分からなかったことが分かるようになった時 2位 問題が早くたくさん解けた時

66.7%

55.6%

55.6%

2年生

1位 分からないことが分かるようになった時 100%

1位 物を触ったり動かしたりして考えた時 100%

1位 自分の考えを分かってもらえた時 100%

1位 友達の発表を聞いて分かった時

100%

1位 友だちと一緒に話して分かった時 100%

1位 勉強した内容がこれから役立ちそうだと感じた時 100%

3年生

1位 物を触ったり動かしたりして考えた時 2位 自分の考えを分かってもらえた時

3位 難しい問題がとけた時

81.8%

63.6%

63.6%

4.算数で大切だと思うことはなんですか?

1年生

1位 たくさんの考え方を見つける 2位 人の話をしっかり聞く

3位 問題のとき方が分かる

72.2%

55.6%

44.4%

2年生

1位 工夫したとき方を見つける 2位 たくさんの考え方を見つける

2位 自分の考えを友達に分かりやすく説明する

75%

50%

50%

(21)

3年生

1位 人の話をしっかり聞く 2位 たくさんの考え方を見つける

3位 自分の考えを友達に分かりやすく説明する

72.7%

66.7%

48.5%

 これらの結果から,問題を追究する 過程(友達とのかかわり合いの場面も含めて,

何かを解決できた時・問題をたくさんとけた時・教具を用いて考えている時)に楽 しさを感じることがわかる。また,子どもたちが大切だと感じている項目は,たく さんの考えを見つけること・人の話をしっかり聞くこと・問題のとき方が分かるこ と・工夫したとき方を見つけることである。これらの場面も,問題を追究する場面 に含まれる。以上のことから,多くの問題を早い時間で効率的に解くのではなく(こ れも重要ではある),1つの現象に対して自ら疑問を抱き,多方面か」ら様々な考え方 で自ら追及し,解決へ導いていくことの方が大切ではないだろうか。「数の石垣」は それらを満たす要素を十分持った教材といえる。学習面のみならず,「なぜ」と疑問 に感じる現象について,子ども同士が考えやひらめきを伝え合う環境を作り,クラ ス全体で解決していくことで,学級経営にもお互いを尊重し合うという良い影響を 及ぼすのではないか。

 下の表は,もう一度「数の石垣」を学習したいかというアンケートに関しての結 果である。

9.また「数の石垣」をしたいと思いましたか

思った 少し思った あまり思わなかった 思わなかった

1年生

77.8% 16.7% 5.6% 0%

2年生

100% 0% O% O%

3年生

60.6% 9.1% 12.1% 18.2%

 多くの子どもが「数の石垣」についてもう一度したいと感じていた。また,アン

(22)

① 問題意識を持って意欲的に取り組める

・ 考えながらできて楽しかった。

  頂上が12になる問題が楽しかった。

・ ルールが簡単なので,たくさん発表できた。

②隠れているパターンが多い

・ 秘密をたくさん見つけられてうれしかった。

・ 石垣で足し算と引き算ができるのでびっくりした。

③解法の工夫

・ 色々な解き方やおもしろい解き方があっておもしろい。.

④自分の考えや見つけたパターンの説明

・ 最初は分からなかったけど,みんなの説明で分かった。

・ 友達が上手に説明してくれた。

⑤ クラス全体で協力して1つの課題に取り組む

・ みんなで力を合わせてやったから,とてもうれしかった。

・ みんなで秘密を見つけられて良かった。

⑥計算量の確保

・ 勉強をいっぱいできた。

・ たくさん計算できて,合っていたので楽しかった。

 この様な意見が大半であった。様々な感想があった中でも,楽しかったという感 想がほとんどであった。楽しかったというのも,計算が合っていたから,みんなで 秘密を解決できたから,たくさん発表できたから,秘密をたくさん見つけられたか ら,なぜそうなるのか分かったから,色々な解き方があるから,など子どもたちは 多くの理由から楽しかったという感想を記していた。楽しいという事は,課題に対

して意欲的になっている証拠ではないだろうか。全ては,「なぜ?」という疑問から 意欲的になって学習は始まり,②〜⑥のようなねらいを達成していくのだと考えた。

 最後に,アンケート結果を踏まえての課題は,「数の石垣」に対してマイナスのイ メージを持っている子どもたちがいたので,その子どもたちに対して意欲を向上さ せる手立てを考えなくてはならないことである。自然と数に対して不思議だ,なぜ だろうと思わせることのできる状況を作り出さなければならない。

(23)

   第7章

総括と今後の課題

 ここでは,この論文全体を通して総括するが,主に,現在の数学教育の問題点,

改善策,本質的学習場を実現するための学習過程に沿った「数の石垣」の有効性と 今後の課題についてである。

第1節 総括と今後の課題

(24)

第1節総括と今後の課題

 筆者の考える現在の数学教育の問題点は,白ら発達しようとする・自ら環境に適 応しようとする子どもたちを機械と同じように考えていることがおおいということ である。それは,目標に必要な要素のみを学習すれば,目標を達成することができ るという考えに立ち,目標までの道のりを1通りに絞り,それをぶつ切りにして前 後関係なしに繰り返しの学習で定着させるというものである。しかし,それでは,

応用して発展的に考えること,白ら問題意識を持ち,問題を見つけ,解決する能力 は身につかないと考える。

 その様な状況を改善するために,子どもたちを自発的で自己組織化の性質を持つ,

白ら発展する生命体としてみることを前提としなくては始まらない。生命体である 子どもたちが,疑問を抱き,能動的に学習することのできる環境や教材が必要であ

る。そして,教師はその環境を確保しなければならない。また,その様なカリキュ ラムや教材が教育現場で有効に活用されるためにも,研究者と教師の間の壁を取り 払い,.情報が行き交う環境を整えることが必要なのではないか。もちろん教師自身 もこの場合,授業をデザインするデザイナーなので,授業の反省を行い,常に現在 の状況をより好ましいものに変える道筋を探究し続けなければならない。

 ここからは,その様な環境(本質的学習場)を実現するために必要と考えられる 学習過程に沿って授業実践をもとに考察を行う。

 1.挑戦的な状況から始める。子どもたちは,それを観察し,問いを持ち,推測

する。

  導入では,なぜその様な数字になるのか,いったいどのような規則で出来上が

 っているのか考えていた。展開やまとめでは発問(頂上が12になる石垣をでき

 るだけ多く作る時の気づき,石垣の空白の求め方,頂上数が一番大きくなる時の  パターンなど)がその場面にあたる。これは,アンケートからも明らかである(『な  ぜそうなるのか知りたい』と思った児童は,3年生→75.8%,2年生→1OO%,1  年生→83.2%であった。また,『なぜそうなるのか分かった時うれしかった』と思  った児童は,3年生→69.6%,2年生→100%,1年生→94.5叱であった)。

(25)

2.問題あるいは豊かな問題状況を作る。子どもたち自ら学習に取り組み,様々   な発見をする。

 発話記録を見ていただければ分かると思うが,子どもたちからは様々な考えが 発表されている。「数の石垣」の問題例の通り,1つの発間に対しての回答は数多

くある。また,子どもたちが能動的になれたかどうかについて,授業者の言葉や 授業のビデオを見た情報を記述する。

 1年生は,非常に活発に授業に取り組んでいた。それぞれの課題に対して用意 していたワークシートが全て無くなり,子どもたちはワークシートの裏に石垣を 書いて計算していた。

 2年生は,授業が90分に伸びたにもかかわらず,筆者がねらいとしていた石

垣の規則を全て見つけた。子どもたちは終始楽しそうに生き生きと学習していた。

アンケート欄に非常に楽しいという欄を自ら作りOをしていた児童が何人もいた こともその証ではないだろうか。

 3年生は,筆者の指導案が授業時間相応でなかったことで,教師主体の授業に なった。そのため,主体的に取り組むことが出来なかった児童も多くいた。

 全体を通して,自ら学習に取り組めていたことはアンケート結果からも明らか である(『今日の授業は楽しかった』と答えた児童は,3年生→81.8%,2年生→

100%,1年生→89%であった。また,『今日の授業に集中できた』と答えた児童は,

3年生→81.8%,2年生→100%,1年生→94.5%であった)。また,感想でも,r色々 な解き方やおもしろい解き方があって,おもしろかった」,r算数は嫌いだけど楽 しいと思った」,r秘密を見つけられてうれしかった」,r石垣で足し算引き算がで きるのでびっくりした」,r石垣のルールが簡単でよく分かったので,手をたくさ ん挙げられた」といった能動的な意見が非常に多かった。

 今後の課題としては,時間が足りず,子どもたちがパターンの発見や証明に費 やす時間を十分に取れなかったので,45分でいかに発見と証明を行わせるか,

どこで授業を区切るかという事である。

(26)

3.多様な方法で新しく得られた知識を既知の知識と関係づける。結果を簡潔か   つ明確に表現したり,記憶したりしやすいようにまとめる。

 足し算と引き算の関係が視覚的に分かりやすく表わされていることから,1・

2年生では,数の分解を2段階にわたって行う。これは,引き算や足し算の知識

を用いる。また,3年生では,頂上数が最大になる時を考える。これは,式を結 果としてみる見方を養う。内容は足し算や掛け算である。今後の課題としては,

子どもたちが発見したパターンや解答が多すぎて,板書のスペースが足りなくな ってしまうので,いかにパターンを分かりやすく,簡潔にまとめるかが課題とな る。2年生のクラスでは,電子黒板と黒板の併用で行われたので,板書がすっき

りしていた。

4.新しい知識の価値(よさ)やそれを習得した過程や仕方について話し合う。新   しい,類似の場面に新しい知識を応用する。

  1・2年生では,数の対称性と数の分解を加法と減法の両方でできることと,

その効率性を学ぶことができる。また,3年生では,帰納的な証明から,式を結 果としてみる見方とその証明の有意義性,さらに,前形式的な証明から文字を使

うことで,文字と形式的な証明の有効性を学ぶことができる。

 この様な授業をより効果的に行うために,自分が重視すべき理論や原理をしっか りと持って,それらの理論や原理が適切だったのかという事も踏まえて,毎回反省 と改善に励まなければならないと考える。何を行うにしても,基本となる理論や考 え方は先人の英知が多く含まれており,専門家たちの間で絶えず改善が行われてい るものである。子どもたちが授業のねらいを達成するためにも,教師の核となる理 論や原理を持っておく必要がある。

 また,効果があった手段や教材の真似はできても,実践事例の通りに授業を行う ことはできない。その授業は,その目にその先生がその教室環境に合わせて行った から成功したものである。別の教員が行っても,環境や価値観・考え方の違いから,

同じ結果には至らない。そのため,教室の環境にあった授業を自分なりにデザイン していく必要がある。

(27)

参考・引用文献

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國本県亀 (2004), 「行動主義から生命諭(全体論)へ」,日本数学教育学会誌,

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國本県亀 (2007), 「生命論に立っ授業設計論(I)」,全国数学教育学会誌,『数  学教育学研究』,第13巻,pp.15〜22.

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(28)

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(29)

おわりに

 本論文は,算数科の授業において子どもに問題解決能力をっけるためにはどのよ うな授業を行うべきかという間いからスタートしました。指導教諭の加藤久恵先生 のもと,この課題に本格的に取り組みだした時期は実習が終わってからです。そこ から,ポスターセッションで発表させていただける機会を頂きました。そして,実 習校のメンタ山の先生のご厚意により「数の石垣」の実践のために2時間頂きまし た。そして,加古川市の公立小学校の先生,岡山県新見市の公立小学校の先生方に もお忙しいにもかかわらず,r数の1石垣」の実践を行っていただきました。このよう な経緯もあり,本論文の作成は思いのほか順調に進めることができました。

 今後の課題としては,「数の石垣」の授業を行う上での板書,学習意欲の低い児童 に対してのバックアップ,.すべての単元でこれらの教材を用いることは不可能なの で,教材を用いる時期や学年などの検討が挙げられると思います。

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謝辞

 本論文の作成にあたり,ご協力いただいた実習校のメンターの先生並びに教職員 の方々,授業の実践をしていただいた学校の先生方並びに教職員の方々に厚く御礼 申し上げます。皆様の温かいご指導とご協力のもと本論文を書き終えることができ,

本当に感謝しております。

 最後になりましたが,3年という長い期間にわたり親身にご指導いただいた加藤 久恵先生に厚く御礼申し上げます。

福田 和仁

参照

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