インド投資の魅力
アイザワ証券 市場情報部 アジア情報課
北野ちぐさ
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インド投資の支援材料
高い潜在成長率
モディノミクス
物価の安定
双子の赤字の縮小
相対的に高めの実質金利
など
次ページから詳しく見ていきましょう
インドの基本情報
[出所:各種情報、アイザワ証券作成] インドの首都 政治・商業・工業の中心地 国内最大の工業都市圏を形成 主力産業は自動車・電機 世界最大の人口過密都市 証券取引所がある 映画産業も盛ん 主力産業は貿易・金融・娯楽 イギリス支配最初の拠点 インド文化の中心都市 工業団地も多く、近年中間層向けに ニュータウンの建設が相次ぐ 南インドの玄関口 「インドのデトロイト」 主力産業は自動車・二輪車・電機など 首都圏に次いで日系企業が進出 「インドのシリコンバレー」 主力産業はIT 主力産業は医薬品、 バイオテクノロジー 人口 13.09 億人 面積 329 万平方キロ 首都 言語 宗教 政体 元首 首相 実質GDP成長率 7.1 % 名目GDP総額 22,638 億米ドル 1人あたりGDP 1,723 米ドル 消費者物価上昇率 4.5 % 外貨準備高 3,803 億米ドル 経常収支 ▲ 221 億米ドル 対円為替レート ※インドの会計年度は4月~翌3月 ※対円為替レートは2018年7月5日現在 [出所:日本国外務省、ジェトロ、IMF、ブルームバーグ、アイザワ証券作成] ラーム・ナート・コヴィンド大統領 ヒンドゥー教(80%)、イスラム教 (14%)、キリスト教(2%)、シク 教(2%)など 1 ルピー = 1.61円 2016年度 ニューデリー 共和制 ナレンドラ・モディ首相 ヒンディー語本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 50000 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 50000 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
日本の1人あたりGDPの推移とアジア諸国・地域の1人あたりGDP
日本の1人あたりGDP 日経平均 1964年 東海道新幹線開通 東京オリンピック 1970大阪万国博覧会年 1989年 日経平均株価最高値 日経平均 (円) フィリピン 2924米ドル ベトナム 2215米ドル インドネシア 3604米ドル タイ 5899米ドル 中国 8113米ドル マレーシア 9390米ドル 韓国 27561米ドル 台湾 22453米ドル イスラエル 37262米ドル 香港 43528米ドル シンガポール 52961米ドル 1人あたりGDP (米ドル) 日本の高度経済成長期 (1955年~1973年) インド 1723米ドル 一般的に1人あたりGDPが1000~3000米ドルの時に白物家電などの耐久 消費財が普及し始める。さらに、3000~10000米ドルの時に自動車など が普及し始め、医療、教育、レジャーなどのサービス支出が増加する。インド経済の発展段階
3 ※日本の1人当たりGDPは1960~1979年までは国内総支出(GDE)を人口で除した値を使用し(1970年以前の米ドル換算レートは1米ドル=360円、それ以降はIMFデータを使用) ※アジア諸国・地域の1人当たりGDPは2016年のデータ [出所:内閣府、日本銀行、IMF、ジェトロ、アイザワ証券作成] インドの経済規模は2016年の名目GDPベースで世界7位、各 国の物価格差を調整した購買力平価ベースでは、2008年に 日本を抜き世界3位となっている。 インドの経済成長率は2015年に中国を超えた。インド経済 はここ2年間、高額紙幣の刷新や財・サービス税(GST)の 導入など大規模改革の実施で、成長が減速気味となったも のの、今後は再び加速が見込まれる。一方で、高度経済成 長期から安定成長期と向かう中国との成長速度の差は、今 後ますます拡大していくとみられる。
インドの高い潜在成長率~中国と比較する①
国名 (兆米ドル) 1 米国 18.62 2 中国 11.23 3 日本 4.94 4 ドイツ 3.48 5 英国 2.63 6 フランス 2.47 7 インド 2.26 8 イタリア 1.85 9 ブラジル 1.80 10 カナダ 1.53 国名 (兆国際ドル) 1 中国 21.29 2 米国 18.62 3 インド 8.70 4 日本 5.23 5 ドイツ 4.00 ※各国の物価の違いを修正し算出 数値は一部IMF予想を含む[出所:IMF、アイザワ証券作成]名目GDPランキング(2016年)
購買力平価換算
(※)では・・・
4 5 6 7 8 9 10 11実質GDP成長率の推移(年次、前年比)
中国 インド ※2018年以降はIMF予想 [出所:IMF、アイザワ証券作成] (%)本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 5 人口ピラミッド インド(2016年) 人口ピラミッド 中国(2016年) [出所:人口ピラミッドは米国勢調査局による] インド経済の成長の源泉となっているのは豊富な人口 である。国連によると、インドの総人口は2022年に中 国を超え世界最大となり、2040年頃には16億人を突破 するとみられている。 国連予想によると、中国の労働力人口がすでに減少を 始め高齢化が加速しているのと対照的に、インドの労 働力人口は2050年頃まで増加が見込まれている。
インドの高い潜在成長率~中国と比較する②
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20総人口と労働力人口の推移
総人口 中国 総人口 インド 労働力人口 中国 労働力人口 インド ※労働力人口は15~64歳の人口 [出所:国際連合、アイザワ証券作成] (億人)0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 2009 年 2015 年 2020 年 2009 年 2015 年 2020 年 中国 インド (億人) 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 2009 年 2015 年 2020 年 2009 年 2015 年 2020 年 2009 年 2015 年 2020 年 2009 年 2015 年 2020 年 2009 年 2015 年 2020 年 インドネシア マレーシア フィリピン タイ ベトナム 富裕層 上位中間層 下位中間層 低所得層 (億人) 所得層区分(世帯可処分所得) 富裕層:年間35000米ドル超 上位中間層:年間15000米ドル超~35000米ドル以下 下位中間層:年間5000米ドル超~15000米ドル以下 低所得層:年間5000米ドル以下 インドの豊富な労働力は、外資製造業の進出やインドでの設備投資を促すとみられる。国際協力銀行が日本の製造 業を対象に毎年実施する調査で、インドは「長期的(今後10年程度)に有望な投資先」の項目において、2010年以 降8年連続で第1位を獲得。得票率も唯一60%を超えるなど、他国に比べ圧倒的な評価を得ている。 国民の所得向上により、インドの富裕層・中間層の人口は2020年に2009年の3倍の約11億人となる見通しで、今後 経済成長の加速が期待される。
主なアジア新興国の世帯可処分所得の推移
[出所:ジェトロ、アイザワ証券作成]インドの高い潜在成長率~中国と比較する③
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インドの経常収支と貿易収支(四半期)
経常収支 貿易収支(通関ベース) [出所:インド準備銀行、ブルームバーグ、アイザワ証券作成] (億米ドル) 7 インドの経常赤字の最大の要因は、貿易赤字の常態 化だ。近年、最大の輸入品目である原油・石油製品 の価格下落により貿易赤字は縮小気味だが、個人所 得の増加を背景に電子機器や金などの輸入は高止ま りしており、貿易赤字体質からの脱却には至ってい ない。 政府は高度経済成長を持続させるため、製造業の育 成に乗り出している。インドの特異な経済発展
農林水産業 製造業 鉱業 電力・ガス・ 水道 金融・不動産 商業・ホテル・ 運輸・通信 公益・防衛 建設 第一次産業 第二次産業 第三次産業インドの産業別GDP構成(2016/17年)
[出所:インド準備銀行、アイザワ証券作成] インドの産業別GDP構成を見ると、第三次産業がす でに6割を超え、サービス産業が経済を牽引してい ることがわかる。 新興国の経済発展においては、一般的に発展段階に 伴い、経済の牽引役が農林水産業⇒鉱工業⇒サービ ス業とシフトしていく傾向がある。一方でインドは 農業従事者を多く残したまま、サービス産業が成長 を牽引するという独自の経済成長を遂げている。モディ政権の三大改革
① 財・サービス税(GST)導入
② 土地収用法改正
土地取得の際の地権者による同意基準の緩和などを盛り込 む。インフラ投資の加速が期待される反面、国民をはじめ、 野党、地方政党の反対も根強い。政権第2期(2019年以 降)に持ち越しか?③ 雇用改革
メイク・イン・インディア 外国直接投資を積極的に受け入れることで製造業を振興す る。GDPに占める製造業の比率を2014年の16%から2022 年までに25%に引き上げ、新たに1億人の雇用を創出する。 スタートアップ・インディア(※) 外資規制緩和 インフラ投資の推進 産業大動脈構想 スマートシティ(※) など
モディノミクス①
※スタートアップ・インディアとは、起 業を促進し、労働人口の受け皿にする政 策。※スマートシティとは、大都市の衛 星都市として、100都市で現代的なイン フラを備えたスマートシティの建設を推 進する政策。 デリー ムンバイ 2017年 に 日 本 の 円 借 款 事 業 と し て 、 デ リ ー ・ ム ン バ イ 間 (1500キロ)の 貨 物 専 用 鉄 道 建 設 計 画 が始動。 デリー・ムンバイ間 産業大動脈構想 ナレンドラ・モディ首相 [写真提供:インド政府ウェブ ページより]これまでのモディ政権の取り組み
2014年05月 モディ政権発足 2015年02月 インフレ目標導入 ⇒インフレ目標を4%±2%に設定、金融政策の透明性向上へ。 2015年11月 海外直接投資の規制緩和 ⇒第1弾として防衛、鉄道、保険等が対象に。 2016年05月 破産法制定 ⇒モディノミクス実現のための重要3法案のひとつ(破産法の他はGST導 入法案、土地収用法の改正案)。企業の新陳代謝促進によるビジネス環 境の健全化や、銀行の不良債権処理加速、銀行の財務基盤改善に伴う融 資拡大が期待される。 2016年06月 海外直接投資の規制緩和 ⇒第2弾として航空、製薬、食品、単一ブランド小売り等が対象に。 2016年10月 金融政策委員会発足 2016年11月 高額紙幣の刷新 2017年2~3月 州議会選挙で与党インド人民党(BJP)躍進 2017年07月 財・サービス税(GST)導入 2017年10月 国営銀行への公的資金投入計画発表 高速道路建設計画発表 ⇒今後2年間で国営銀行に2.1兆ルピーを資本注入、更に今後5年間で6.9 兆ルピーを投じ、総距離8.4万キロの高速道路建設を行う。銀行の不良債 権処理加速やインフラ投資の加速が見込まれ、中長期で景気下支えか。本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 9
モディノミクス②
トピックス「高額紙幣の刷新」
政府は2016年11月8日、突如、500ルピー札と1000ルピー札の 廃止を発表(日本の感覚でいうと5千円札と1万円札に相当か)。 旧紙幣は同年12月30日までに銀行預金するか、銀行と郵便局 で新紙幣に交換しなければ効力を失うとした。 実施目的 実施の目的は、脱税・汚職などブラックマネーやテロ・麻薬取 引資金源の一掃。一般に、日常生活で使用されるのは100ル ピー札以下のため、日常生活への影響は限定的であった。 短期的な影響 2紙幣が総流通量に占める比率は86%に上っていたほか、新紙 幣の供給が追いつかず、一時的に個人消費が減少。特に二輪 車・自動車・不動産などの高額消費が手控えられるなど短期的 に混乱に陥った。 長期的な効果 銀行預金・融資の増加により、銀行を通じた金融システムの発 展を期待。また、銀行へのアクセスにより資金の流れが表面化 することから、税収の増加が期待される。 ブラックマネーが実態経済に組み込まれることで、GDP成長率 の上昇を期待。(地下経済規模はGDPの2~4割に相当か?) 電子決済の普及加速。キャッシュレス化により、贈賄など間接 コストの圧縮が期待されインフレ抑制の期待も。トピックス「財・サービス税(GST)導入」
各州で税目や税率がまちまちであった間接税を中央政府が一本 化。これまで複雑な税制がビジネス障壁となっていた。また、 GSTの導入は政府の10年来の悲願でもあった。 税率等 物品やサービスによって適用される税率が異なる。税率は5%、 12%、18%、28%の4段階で、野菜や果物、牛乳などの基礎的 食品は課税対象外とされた。 短期的な影響 例えば、電気製品の多くが増税となった一方で、SUVなどの高 級車は減税となるなど、品目ごとに影響はまちまち。ただ当初、 税率の分類等が浸透せず小売り関連を中心に混乱を招いたほか、 GST導入に伴う不透明感から企業が生産を抑制するなど、短期 的に景気を下押しした。 長期的な効果 産業界は1991年の経済自由化以来の大改革と期待。インド工 業連盟はGST導入効果により、中期的に実質GDP成長率が1.5~ 2.0%押し上げられると試算。 企業にとっては納税手続きの簡素化や、州を越えた販売網の構 築と売上増加、物流の円滑化など。また、これまで課税を逃れ ていた中小企業が納税を開始することで大企業の競争力強化や、 課税ベースの拡大を通じた税収の増加なども期待される。-30% -20% -10% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 乗用車 二輪車 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
インドの乗用車・二輪車販売台数(月次、前年比)
45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 サービス業PMI 製造業PMI [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]インドの購買担当者指数(PMI、月次)
景気 拡大 景気 後退 インドのPMIは2016年11月の高額紙幣の刷新をきっ かけに押し下げられたものの、新紙幣の流通量増加 に伴い、景況感の境目となる50を回復。しかし、 2017年7月の財・サービス税(GST)導入に伴う混乱 から、再び50を大きく割り込んだ。 2017年8月以降、サービス業PMIは50を挟んで上下 しているものの、製造業PMIは50を回復しており、 混乱は収束しつつある。 廃止された高額紙幣は、流通している現金の86%を 占めた。現金決済率が比較的高いインドでは、特に 不 動 産 ( 現 金 決 済 率 : 4 割 ) や 二 輪 車 ・ 乗 用 車 (同:2割)などの高額消費が大きく減速した。 新紙幣の流通量増加に伴い、二輪車・乗用車ともに 販売は回復。GST導入の混乱から一時的に販売が減 速したものの、特に二輪車はメーカー各社の値下げ や、旺盛な需要を追い風に好調に推移している。高額紙幣の刷新とGST導入に伴う混乱は概ね終息
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 11 2019年にモディ政権の続投をかけた総選挙を控える。 さらに総選挙の行方を占う上で、2018年に実施され る地方選挙の動向も注目される。 インドの国会は、インド人民党(BJP)が下院で過半 数の議席を占めているものの、上院では2割強にと どまり、ねじれ国会となっている。上院は、国民に よる直接選挙で選出される下院と異なり、各州議会 の議員によって選出されるため、ねじれ状態を解消 するには、上院での割り当て議席数が多い州の州議 会選挙でBJPが勝ち続ける必要がある。
モディ政権の基盤安定化~続投も視野に①
与・野党 備考 10月 マハーラ―シュトラ 19 与党 議席増 ハリヤーナー 5 与党 議席増 12月 ジャンムー・カシミール 4 連立与党 野党→与党 ジャルカンド 6 与党 野党→与党 2月 デリー 3 野党 与党→野党 11月 ビハール 16 野党 議席減 5月 アッサム 7 与党 野党→与党 ケーララ 9 野党 議席増 プドゥチェリー 1 野党 維持 タミル・ナードゥ 18 野党 議席増 西ベンガル 16 野党 維持 3月 ゴア 1 連立与党 議席減 マニプール 1 連立与党 連立政権入り パンジャーブ 7 野党 与党→野党 ウッタル・プラデーシュ 31 与党 野党→与党 ウッタラーカンド 3 与党 野党→与党 12月 グジャラート 11 与党 議席減 ヒマーチャル・プラデーシュ 3 与党 野党→与党 モディ政権発足以降の州議会選挙結果 [出所:『モディが変えるインド』(笠井亮平/白水社/2017年)、ラージャ・サバー、アイザワ証券作成] 2016年 2017年 BJPの選挙結果 国会上院 議席数 州名 実施 時期 2014年 2015年 0% 20% 40% 60% 80% 100% 上院 下院 インド人民党(BJP) 274議席 その他野党 173議席 インド人民党 (BJP)69議席 国民会議派 (INC)51議席 その他野党 93議席 国民会議派(INC) 48議席 その他友党 4議席 その他友党 40議席 [出所:ローク・サバー(下院)、ラージャ・サバー(上院)、アイザワ証券作成] その他友党 18議席 その他友党 6議席 《与党連合》 国民民主連合(NDA) 統一進歩連合(UPA)《野党連合》インド国会の政党勢力図(2018年5月10日時点)
インド人民党(BJP)は、2015年は州議会選挙で議 席数を減らすなど苦戦したものの、2016年以降善戦、 2017年は7つの州議会選挙のうち6つで与党入りを果 たすなど圧勝した(11ページ参照)。 上院において最大の議席数の割り当てがある、イン ド北部のウッタル・プラデーシュ州で政権奪取した ことは、財・サービス税(GST)導入など大規模改 革の実行に向けて勢いづけた(11ページ参照)。 BJPは2018年に入っても善戦。注目されたカルナー タカ州では、これまで政権を担ってきた国民会議派 (INC)をBJPが押さえて第1党に浮上した(ただ、 INCは第3党と連立を組み政権を維持)。2019年に総 選挙を控え、モディ政権の2期続投も視野に入った と見られる。 2017年末までの州議会選挙において、BJPは31の 州・連邦直轄領のうち約半分で与党入りを果たした。 しかし上院は2年ごとに3分の1ずつ改選されるため、 上院でBJPが多数派を形成するのは2020年ごろとな る見通し。 モディノミクス加速のためにも、BJPは引き続き州議 会選挙で勝つことが重要であると思われる。2018年 後半は、特に大都市のマディア・プラデーシュ州、 ラジャスターン州が注目される。
モディ政権の基盤安定化~続投も視野に②
与・野党 備考 2月 メガラヤ 1 野党 議席増 ナガランド 1 連立与党 野党→与党 トリプラ 1 連立与党 野党→与党 5月 カルナータカ 12 野党 議席増 11月 ミゾラム 1 野党 12月 チャッティースガル 5 与党 マディア・プラデーシュ 11 与党 ラジャスターン 10 与党 4月 シッキム 1 野党 5月 アルナーチャル・プラデーシュ 1 野党 テランガーナ 7 野党 アーンドラ・プラデーシュ 11 連立与党 オディシャ 10 野党 4~5月 総選挙 ― ― 2018年の州議会選挙結果と2019年総選挙までの州議会選挙予定 実施 時期 州名 国会上院 議席数 BJPの選挙結果 2018年 2019年 ※実施時期は各種情報による見通し[出所:ラージャ・サバー、アイザワ証券作成] 2018年 実施 時期 州名 国会上院 議席数 BJP 現状 青枠は今後注目 される州議会選挙本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10% 11% 12% 13% 銀行間翌日物金利 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]
インドの政策金利と銀行間金利(日次)
リバース・レポ (RRP)金利 限界貸出ファシリティー (MSF)金利 政策金利 0 2 4 6 8 10 12 14 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] (%)インドの消費者物価指数(CPI、月次、前年同月比)
網掛けはインド準備銀行による インフレ目標 13 インドは長年、高インフレが懸念材料のひとつで あったが、国際燃料価格の下落等が寄与し、CPIは 2017年に一時歴史的低水準まで低下した。 足元CPIは上昇に転じているものの、インフレ目標の 範囲内。ただ、原油高やルピー安の影響を受けたイ ンフレ圧力もくすぶる。 インド気象庁は、今年のモンスーン(雨季)の降雨 量について「平年並み」との予報を公表。インドの 食品物価はモンスーンの影響を受けやすい傾向があ るため、物価の上昇を和らげることが期待される。 インド準備銀行は2018年6月、市場予想に反して、 政策金利を6.00%から6.25%へ引き上げた。利上げ は2014年1月以来、4年5ヵ月ぶり。原油高やルピー 安の加速などに対応した動きか。 インド準備銀行は、引き続き原油高やルピー安、景 気拡大などに伴うインフレ加速への警戒を解いてお らず、追加利上げの可能性も。 金融政策スタンスが中立で据え置かれたことから、 利上げ局面入りではないと考える。4年5ヵ月ぶりに利上げを実施
今も経常赤字が続いているが、近年、貿易赤字の縮 小に加えて、海外出稼ぎ労働者からの送金と、主に 欧米向けITサービスの輸出などが底堅く推移し、経 常赤字は大幅に改善している。また、モディノミク スへの期待から直接投資や証券投資などの資本流入 が増加しており、総合収支は概ね黒字化している。 足元、原油高やルピー安、景気拡大などに伴う輸入 額の増加などから経常赤字拡大の懸念もくすぶって おり、しばらく注意深く見守る必要も。 財政赤字については、政府の抑制方針を受け縮小傾 向。また2016~2017年に実施された、高額紙幣の刷 新や財・サービス税(GST)導入も、中長期的には 税収増加へつながり、赤字縮小に寄与するだろう。 2018年度予算案(2018年4月~2019年3月)による と、財政収支の対GDP比は2017年度に-3.5%と、当 初予算の-3.2%から悪化した。2018年度は-3.3%に 縮小する見通しだが、政府の中期目標である-3.0% の達成は2020年度に先送りされた。
双子の赤字は縮小傾向か
-7 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0インドの財政収支(対GDP比、年次)
※インド会計年度 ※2017年以降は政府見通し [出所:インド財務省、アイザワ証券作成] (%) -400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 その他投資 証券投資 直接投資 経常収支 総合収支 [出所:インド準備銀行、アイザワ証券作成]インドの国際収支(四半期)
(億米ドル)本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 11000 16000 21000 26000 31000 36000 41000 インド・センセックス指数(月足) [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成] インドの外国人純買い越し額(債券、月次) (億米ドル) -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 インドの外国人純買い越し額(株式、月次) (億米ドル) 15 ここ数年、インド金融市場はモディノミクス進展の 期待を背景に、国内外からの資金流入が加速してい た。しかし2018年に入り、他の新興国市場と同様、 ドル高の進展や米中貿易摩激化などが嫌気され、海 外資金流出の圧力が強まっている。 特に経常赤字の悪化がインド金融相場の重石となっ ているものの、株式市場は、インドが他のアジア新 興国に比べて輸出依存度が低く内需中心であること や、IT業界を中心に好調な企業業績、インド経済の 中長期的な成長期待などから、比較的底堅く推移。 史上最高値近辺で揉み合う展開となっている。
足元海外資金が流出傾向も、株式市場は底堅い展開
本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに記載させていただきました 16
足元インド金融市場は好材料と悪材料が入り混じる
プラス材料
北東部3州の州議会選挙でBJPが善戦 準備銀行、物価見通しを下方修正 見通しを2018年度上半期は+4.7~+5.1%、同下半期は +4.4%に。市場では金融引き締め観測が後退。 国際機関が相次いでインドのGDP加速を予想 アジア開発銀行(ADB)は2018年7.3%、2019年7.6%、 国際通貨基金(IMF)は2018年7.4%、2019年7.8%とそ れぞれ予想。 気象庁、モンスーンの降雨量は平年並みと予想 マーケットではインフレ加速懸念が後退。 2018年1~3月期実質GDP成長率は+7.7%、約2年ぶ りの高成長 準備銀行が利上げ実施、4年5ヵ月ぶり3
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マイナス材料
米国長期金利が上昇 政府、2018年度予算案発表 2017年度に財政赤字が拡大していたことで、マーケッ トでは金融引き締めへの警戒が高まった。加えて、政 府が中期目標に掲げる、「財政赤字はGDP比3.0%以 下」の達成時期が先送りされたことも嫌気された。 キャピタルゲイン課税の導入を発表 インド証取、海外証取への株式データ提供を停止へ 米国MSCI社は、同社が算出する株価指数においてイン ドの取り扱いを見直す可能性を示唆。 大手国営銀行で巨額不正取引が発覚 米国、中国製品に対して通商法301条発動 貿易摩擦激化の懸念から、世界的にリスク回避の動き。 国際原油価格が上昇傾向 燃料輸入額の増加で経常赤字拡大の懸念が浮上。 準備銀行は4月に政策金利を据え置いたものの、金 融政策会合議事録で早期利上げの可能性を示唆 準備銀行、物価見通しを小幅に修正 見通しを2018年度上半期は+4.8~4.9%とほぼ据え置い た一方、同下半期は+4.7%に引き上げた。2
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ルピー/円(左軸) 米ドル/ルピー(逆メモリ、右軸) [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]インドルピー相場(週足)
17インドルピー相場の見通し①
ルピー高 米ドル安・円安 ルピー安 米ドル高・円高インドルピー 22.1% アルゼンチンペソ 50.1% ブラジルレアル 18.7% トルコリラ 23.0% 豪ドル 15.5% ブラジルレアル 17.7% インドネシアルピア 15.0% 南アフリカランド 10.4% 南アフリカランド 14.0% ロシアルーブル 9.4% トルコリラ 13.7% インドルピー 7.4% ニュージーランドドル 10.0% フィリピンペソ 7.1% メキシコペソ 9.7% インドネシアルピア 6.2% タイバーツ 9.6% 豪ドル 5.7% アルゼンチンペソ 9.3% ニュージーランドドル 5.1% フィリピンペソ 8.4% 韓国ウォン 4.8% マレーシアリンギ 8.0% カナダドル 4.5% ロシアルーブル 6.3% ユーロ 3.0% カナダドル 4.5% タイバーツ 1.8% 韓国ウォン 0.8% マレーシアリンギ 0.1% 日本円 0.8% メキシコペソ -1.0% ユーロ -0.3% 日本円 -1.9%
世界主要通貨の対米ドル下落率
バーナンキショック時 2018年年初来 ※バーナンキショック時は2013年5月1日~8月30日 ※2018年年初来は7月3 日まで ※赤字は「フラジャイル・ファイブ」 [出所:ブルームバーグ、アイザワ証券作成]インドルピー相場の見通し②
インドルピーの対米ドルレートは長期下落トレンド をたどってきた。特に2013年以降は米国が出口戦略 を模索する中、インドの高インフレや双子の赤字な どマクロ経済の脆弱性が嫌気され、一段とルピー安 が進んだ。 インドの高い潜在成長率や物価の安定、相対的に高 めの実質金利などに加えて、モディノミクスの進展 期待からルピーは底入れし、特に2017年以降は強含 みで推移してきた。 2018年に入り、ドル高の進展や米中貿易摩擦の激化 などを背景に、新興国全体に資本流出圧力がかかっ ている。特に経常赤字国の通貨が対米ドルで売られ ており、ルピーも下げ足を早めている。 短期的には、引き続きドル高基調が続く中、経常赤 字の拡大や、総選挙を控えた政治的不透明感などが ルピー相場の重石となるとみられる。ただ足元、対 米ドルで2013年以来の安値水準まで下落している上、 準備銀行による金融引き締め姿勢や、食品物価の安 定などがルピーを下支えし、一段のルピー安には歯 止めがかかる見通し。 中期的には、モディ政権の続投が見えてくれば、再 び海外資金の流入が期待される。モディノミクスの 深化やマクロ経済の強化などが確認できれば、中長 期でルピー高へのトレンド転換も期待できるだろう。 現地 通貨安 現地 通貨高 (参考)バーナンキショックとは、当時米FRB議長のバーナンキ氏による量 的緩和縮小方針を受けた、金融市場の混乱。なかでも、脆弱な経済構造を抱 える新興国5通貨は「フラジャイル・ファイブ」と呼ばれ、大きく下落した。株式投資のリスクおよび 外国株投資の主なリスクと留意点 ■ 株価・為替の変動リスク : 株式は株価の変動等により、損失 が生じるおそれがあります。外国 株式は、為替の変動等により、損 失が生じるおそれがあります。詳 しくは契約締結前交付書面をご覧 ください。 ■ 時価総額リスク : 時価総額による企業の社会的信用 度、規模の把握をお勧めします。 小型株は、流動性の低さ/企業の 情報開示/コーポレートガバナン ス等に問題がある場合があります。 また、客観的投資情報が不足して いるため、投資対象として安全な のは、情報量が豊富で、時価総額 の大きな代表企業と思われます。 ■ 政策リスク : 突発的な政情変化や政策変更など、 また、各国の慣習や文化などの違 いにご注意ください。 ■ 会計基準変更リスク : 国や企業により会計基準が違いま すので、ご注意ください。 お客様にご負担いただく手数料等について 国内株式 取引口座に応じて以下の委託手数料(税込)をいただきます。 対面口座:約定代金に対し、最大1.2420%(最大147,150円、2,700円に満たない場合は2,700円) インターネット口座「ブルートレード」:インターネット発注 最大1,620円 コールセンター発注 約定代金に対し、最大0.621%(最大73,575円、約定代金が260,869円以下の場合は1,620円) コンサルティングネット口座「アイザワプラス」:インターネット発注 最大4,860円 コールセンター発注 約定代金に対し、最大0.9936%(最大117,720円、約定代金が489,130円以下の場合は4,860円) 外国株式 ① 委託取引の場合 外国証券の外国取引にあたっては、取引口座に応じて以下の委託手数料(税込)をいただきます。 対面口座:売買代金に対し、最大0.8640%(2,700円に満たない場合は2,700円(買付けの場合のみ)) インターネット口座「ブルートレード」:インターネット発注 2,160円/コールセンター発注 4,320円 コンサルティングネット口座「アイザワプラス」:インターネット発注 6,480円/コールセンター発注 12,960円 ② 国内店頭取引の場合 外国証券の国内店頭取引の場合は、所定の手数料相当額を含んだお客様の買付け及び売却の単価を当社が提示いたし ます。 ※ 外国証券の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における売買手数料及び公租公課その他の賦課金が発生 します。外国取引に係る現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、本書 面上その金額をあらかじめ記載することができません。 ※ 外国証券の売買、償還等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定し た為替レートによるものとします。 投資家の皆様へ 本資料に掲載されている情報は、信頼できると思われる情報に基づいて作成時点での見解で作成しておりますが、 これらによって生じるいかなる損害や不利益について、当社では責任を負いかねます。 本資料は証券投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終決定は、情報の被提供者自 身による判断でお決め下さい。本資料は企業取材等に基づき作成していますが、その正確性・完全性を全面的に 保証するものではありません。結論は作成時点での執筆者による予測・判断の集約であり、その後の状況変化に 応じて予告なく変更されます。 本資料に掲載されている外国株の情報は、日本の金融商品取引法に基づく企業内容の開示は行われておりません。 本資料に掲載されている事項は、目的や手段の如何に関わらず、当社の許可なく、転用、複製、販売することを 禁じます。 執筆担当者またはアイザワ証券と本レポートの対象企業との間には、重大な利益相反の関係はありません。 本資料等でご紹介する商品等の勧誘を行う場合があります。 契約締結前交付書面をよくお読みください。 金融商品取引法に基づく表示事項 本資料等をお客様にご提供する金融商品取引業者名等 商 号 等 : 藍澤證券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第6号 (本社)東京都中央区日本橋1-20-3 加 入 協 会 : 日本証券業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会 当社が契約する特定第一種金融商品取引業務に係る指定紛争解決機関 : 特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター(略称:FINMAC) 19