九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Accurate estimation of 5-methylcytosine in mammalian mitochondrial DNA
松田, 盛
http://hdl.handle.net/2324/2236089
出版情報:九州大学, 2018, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
(別紙様式2)
氏 名 松田 盛 論 文 名
Accurate estimation of 5-methylcytosine in mammalian mitochondrial DNA
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 伊藤 隆司 副 査 九州大学 教授 中別府 雄作 副 査 九州大学 教授 中島 欽一
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
5メチルシトシン(5mC)は、哺乳類の核DNAにおいては主要な修飾塩基であるが、
ミトコンドリアDNA(mtDNA)中には殆ど存在しないとされてきた。しかしながら、近 年、その存在を主張する報告が相次ぎ、議論が再燃している。そこで申請者らは、
原理が異なる3種類の5mC検出法を用いて、マウスmtDNAを徹底的に解析した。まず、
肝臓、脳、胚性幹細胞のmtDNAを次世代シーケンサによるバイサルファイトシーケン ス法によって解析したところ、特定の配列シグニチャーを有する有意なメチル化は 検出できなかった。また、5mC依存性に標的配列を切断する制限酵素McrBCで処理し たmtDNAをサザンブロットハイブリダイゼーションで解析したが、切断を示す全長mt DNA量の有意な減少は認められなかった。さらに、高純度に精製した肝臓由来mtDNA を酵素消化して得たモノヌクレオシド画分を液体クロマトグラフ-質量分析法で分 析したが、核ゲノムDNAで見出されるレベルの5メチルデオキシシチジンは検出され ず、そのレベルはデオキシシチジンの0.3-0.5%程度であった。以上の結果を総合的 に考察して、申請者は、5mCはmtDNA中の特定の位置に存在する訳ではなく、たとえ 存在したとしてもそのレベルは非常に低いと結論づけた。したがって、5mCがミトコ ンドリアの遺伝子発現や代謝において普遍的な役割を担う可能性はないと考察した。
以上の成果は、mtDNA のメチル化の可能性について詳細かつ多面的な検討を加えたもの であり、この方面の研究に一石を投じた意義あるものと考えられる。
本論文についての試験においては、まず研究目的・方法・実験結果などについて申請者 に説明を求めた。続いて、各調査委員が専門的な観点から論文内容及びこれに関連した事 項について種々の質問を行なったが、その殆どについても概ね満足すべき回答を得た。よ って、調査委員合議の結果、試験は合格と決定した。