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優秀児の追跡的研究

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優秀児の追跡的研究 (143)

      (1)

優秀児の追跡的研究

一京都師範付属小学校「第2教室」を中心として一

重 敏

1 序

 大正7年4月,京都府師範学校付属小学校に「第2教室」の名で創設された 優秀児のための特殊学級は,わが国における優秀児教育史上特異な存在である が,昭和18年3月に廃止されるまでの25年間に在籍したものは559名が数えら れ,かれらの成長が問題とされる。

 すなわち,大正9年に同教室第1回の修・卒業生を出してより,現在(昭和 45年4月)でちょうど50年になり,昭和18年の廃校時から数えても27年を経,

年齢も37歳から60歳に及んでいる現在,往時の優秀児たちはどのような発達を とげているだろうか。従来の優秀児における特質研究の一環として,かれらの 発達が究明されなければならない。

 そこで,壮年期に達したかれらの現在活動の状況を中心に,追跡調査を試み

た。

 第2教室の教育的意義や同教室出身者の発達的特性などについては,はじ め,昭和27年度の「第二教室名簿」に基いて,昭和34年に最初の予備調査を試       (2)

み,当時の拙論「天才児」ではじめてその概要を発表したものであるが,その 後10年を経た昭和44年4〜6月に,第2回目の予備調査を実施した。

 この場合の追跡調査の手段の基礎となった第2教室の同窓会「樫の実会」名 簿No.5は,最近の調査(41年9〜10月)によるもので,この種の名簿としては 正確なものであり,資料的価値は高いと思われる。ただ,研究目的で調査編集 したものではないために,たとえば,職業の記入内容や形式の面で統一を欠く

(2)

などの点は,正しい分析を困難にした。

 とはいえ,この名簿による資料は,前記の拙論「天才児」における関連部分 を補足する上に役立つものであるほか,その後の発達変化を含めたかれらの現 況を実態的に明らかにしようとする追跡調査実施の予備資料として,重要なも のであった。

 こうして,同教室が廃校に至るまでの在籍者(559名)のうち,死亡(1GO名)

と消息不明(47名)のものを除いた412名について,現職を中心に分析的な検       (3)

討を試みたものである。これが第2次の予備的追跡調査であり,これに基いて       (4)

実施したのが,今回の本追跡調査である。

 本追跡結果の概要を述べるまえに,この第2教室出身の児童をすべて優秀児 として追求している対象的意義について,明らかにしておきたい。

 1.知的優秀児としての第2教室出身者       (5)

 この第2教室創設の目的は,当時の資料によると,「(1)優良児の個性に適 応した教育を施すこと,(2)社会国家の先覚者,創造者たる有為の人材を育成 すること,および,(3)優良児だけを収容した特別学校は本邦にまだ前例がな いので,将来この種の普及を促し,かつ未開拓のままのその教育方法を研究す

るための使命とともに,一般小学校教育の改善の使命も負うこと」にあった。

 こうして,第2教室という特殊学級で,優秀児だけを対象に教育と研究が行 なわれたものであるが,かれらが優秀児であるとされた資格は,そこでの教 育,研究目的のためにとられたきびしい選抜方法によって知ることができる。

すなわち,その児童の選抜に当たっては,(1)京都市内および郡部の小学校長 の推薦(尋常第1学年修了児童),(2)被推薦児に対する知能検査,および,

(3)学科試験の実施,という方法で選考が行なわれ,それに同付属小学校の第 1教室(普通学級)から選ばれた優秀な児童(無試験)若干名を加えた定員25名を 入学させたものである。

 そして,かれら優秀児のために,組織的な特殊教育が25年にわたって継続的

(3)

優秀児の追跡的研究 (145)

に行なわれた「第2教室」という優秀児学級は,その教育組織や教育内容・方法 などの点から,むしろ,実質的には,優秀児のための特殊学校,いわば「優秀        (6)

児学校」ともいうべき存在であった。

 このことは,わが国における優秀児の教育・研究史上注目されねばならない 点であるとともに,優秀児の発達特質や教育方法などに関する教育心理学的な 問題を考えさせる。この意味で,本追跡調査を,従来の優秀児研究の一環とし て試みているものである。

 2.若年進学者としての優秀児

 なお,本研究の対象を,第2教室の卒業者といわずに出身者というのは,大 部分の児童が,5年修了で中学校へ入学したからである。この特殊学級は,当 初,第2学年から6年までの男子だけの5学級編成であったが,大正8年の中 学令施行規則の改正により,尋常5年修了で中学受験資格を得るようになって 以来,この教室の5年修了児のほとんど全部が中学校へ入学するようになった ため,実際上,第5学年までの4学級制となった。大正9年の出身者が,表記

(表2)のように,他年度に比べてもっとも多いのは,前記改正省令の実施が大

正9年からで,この春6年卒業の第1期生(大正7年に5年生に入学)と5年

修了の第2期生(同年4年生に入学)とが,同時に中学へ入学したからである。

 さらに,早いものは中学4年修了で高校(旧制)へ進学する有様であったか ら,当時,いわゆる飛び級(累進進級法)の促進方式が,制度化された優秀児 教育法として自然の形で,実質的に行なわれていたことも,注目されねばなら

ない。したがって,後でも触れるように,かれらの大学卒業年齢は,普通の学 生に比べて,少なくとも1〜2年は若い筈である。現在の年齢状況について

は,後述する。

 こうして成長した第2教室出身者の追跡調査については,これまで述べたよ うに,追跡名簿に基づいて,現職状況を中心に,予備的な調査を行ない,その 概況を知ることができた。このことについては,前述の拙論(後の注参照)で

(4)

明らかにしたところである。そこで,この調査結果を基底に,次のような方法 で本調査を実施することにした。

 注

 (1)本研究は,昭和45年度文部省科学研究費(一般)の交付を受けて行なった研究   の一部である。

 (2) 森 重敏:天才児,児童心理学ハンドブック,特殊児童,金子書房,昭34.

  pp.791〜836.

 (3) 拙論:優秀児の特質に関する基礎研究(第23報告)一第二教室(優秀児学級)出   身者の追跡(D−,日本教育心理学会第11回総会発表論文集,昭44年10月,pp.

  54〜55.

 (4) 拙論:同上(第25報告)一第二教室(優秀児学級)出身老の追跡(皿)一,日本   教育心理学会第13回総会発表論文集,昭46年10月,pp.122〜123.

   同上(第26報告)一第二教室(優秀児学級)出身者の追跡(皿)一日本応用心理学   会第38回大会発表論文集,昭47年11月,p.64.

 (5)京都府師範学校付属小学校第2教室 優良児教育 第1報告 大正10年9月。

 (6)拙論:天才児(前出書),pp.797〜799参照。

IZ[ 追跡手続および方法

       (1)

 実施方法としては,先の大阪市の抜群優秀知能児における追跡調査の手続き に準じて,調査票を作製した。INFORMATION BLANK(1971)(付録参

照)がそれである。

 それとともに,追跡名簿を確定するため,先述の「樫の実会」会員名簿No.5 における会員の所在不明部分の調査等,先行的な準備を重ねた。京都市の「樫

      (2)

の実会」事務所の名簿によって,そうした追跡名簿を調整することができたわ

けである。

 このようにして,昭和46年2月上旬,第2教室の修・卒業者全員に対し,前記 の調査票を発送し,その回答を求めた。調査対象ぱ,大正9年の最初の卒業生

       (3)

から昭和18年の最後の卒業生,並びに,廃校当時第2教室に在籍していた5,.

(5)

優秀児の追跡的研究 (147)

4,3学年修了者たちで,総計468名である。調査票の発送,回答資料の整理 は,岡山大学教育学部幼児教育教室内で行なったが,未回答者に対する再度の 依頼状の発送以後の回答の受信,および回答に関する不明,記入もれに対する 再質問や追加質問のための再三の調査票(往復はがきを使用,回答の礼状を兼 ねたもの)の発送,そしてその後の整理検討は,東京都立大学人文学部教育学 科における教育心理学実験室で実施した。

 3月末日現在,被追跡者の所在不明のもの49名,回答者133名である。その        (4)

後,新たに住所が判明したものもあり,回答者の数も漸次増えて行ったが,こ こでは,この133名分の資料を整理した結果をまとめた。対象の所在を探す必 要のない一般的な調査に比して,この種の追跡調査においては,調査の性格 上,資料の回収率を十分に高めることは困難であるが,この点は,従来試みて

きたように,長期に至る継続調査によって克服されなければならない。

 次に,分析的な結果の概要をあげてみよう。

 注

 (1)拙論:優秀児の追跡的研究一大阪市における抜群優秀知能児を中心として一,

  高木貞二先生喜寿記念論文集(現代心理学の課題),東大出版会,昭45.12,pp.

  288〜303.

 (2)京都市左京区一乗寺松原町75,石野外科病院内。この機会に,樫の実会理事   長石野琢二郎氏の好意に対して,深謝の意を表したい。

 (3)第2教室は,昭和18年3月をもって廃止された。

 (4) 5月末日現在,178人分の回答資料が収集された。

皿 結果および考察

 1.対象・年齢

被調査者は,前に指摘したように,第2教室出身優秀児で,1971年3月末日 までに回答が到着した133名であるが,その年齢別期別人数は表1〜2に示す

(6)

       (1)

通りである。すなわち,第1期の1920年(大正9年)卒業から最後(廃校時)の 1943年(昭和18年)に至る25年間で,第2教室という1小学校時期を過ごした かれらの年齢は,第1期生の明治40年4月生れから最終期である第27期生の昭 和9年2月生れに至る,37歳から63歳に及んでいる。また,修・卒期は,第1

期から第27期に至る。

       表1 第2教室出身者の年齢別人数   (昭和46年3月現在)

年劇3738394・4142434445464748495・

%轍 4.5 3.8 3.0 3.8 3.8 3.0 4.5 5.3 3.0 4.5 4.5 2.3 2.3 2.3

年酬5152535455565758596・6162631計

%緻 2.3 3.0 2.3 3.8 3.0 3.0 3.0 5.3 2.3 4.5 7.5 4.5 5.3 100 133

表2 同教室出身者の修・卒期別人数

年度1樗1。1、1,、31415昭碧345678 期115161718192・212223242526271計

年劇脚1。1、、21314、516、718−lj劉1

注:第2教室が廃止された昭和8年3月:*5年修了,**4年修了,***3年修了であ   ることを,それぞれ意味する。

(1) この第1期生には,5年修了者が含まれる。それは,中学令施行規則の改正に  より,小学校5年修了で中学受験資格が得られるようになったからである。

  第2期生からは,ほとんど5年修了者となる。修・卒とも,学校を終えた時期を  もって,第1期,第2期などと呼ぶことにした。したがって,入学時期は違ってい  ても,修・卒の時期を同じくした同一期生ということになる。

(7)

優秀児の追跡的研究 (149)

 2.進学状況

 第2教室出身優i秀児の上級校への進学状況は,表3に示すように,かれらの ほとんど(96%)が,同教室修,卒後,高等専門学校へ進み,また,きわめて多 くのもの(約80%)が,高校を経て大学へと進学している。そして,さらに1部 のもの(20%)は,大学院へ進んで攻究を重ねている。

 かれらの特殊な小学校である第2教室を,大多数(約70%)が6年を卒業せ ずに5年修了で,中等学校へ進学していたことは,すでにふれた通りである が,このことは,さらにその1部(21%)が中学校4年修了で高等学校へ進学

していたこととともに,注目されなければならない。

         表3 第2教室出身老の上級校進学状況(人数・%)

(第2教室)小学校

*了

退

進学せず

二=口

41

(30.83)

90

(67.67)

 2(1.50)

133

(100.00)

中学校1高専覆

102

(76.69)

28

(21.05)

 2(1.50)

 1(0.75)

133

(100.00)

128

(96.24)

5

(3.76)

 133(100.00)

公立:116 私立:12

短  大

1

(O.75)

132

(99.25)

133

(100.00)

大  学 大 学 院 104

(78.20)

(1.5。)

27 【

(20.30)1

 2(1.50)

26

(19.55)

105

(78.95)

133     133 釜饗/(1°° °°)

   1

 注:*修了とは,小学校の場合,第2教室を5年で修了したことで,6年を卒業せず     に中学校へ進学したことを意味する。中学校の場合は,4年修了で高校に進学     したことを含む。

   **高専校は,陸士(1),海兵(1),師範学校(3)を,それぞれ含む。

 すなわち,前述したように,優秀児の1特質としての学習速度の速さを示す もので,当時の旧制高校には中学卒後1〜2年浪人したものがかなり多かった 点を考えると,かれら優秀児たちの進学速度はきわめて速いものであったこと が理解されよう。

 なお,かれらが進学した上級学校は,国・公立の学校が多く,私立校は少な

(8)

い。また,大学院は,後述するように,医学部がきわめて多いことも,いちじ るしい傾向として注目される。

 3.専攻学部・学科

 優秀児たちが進学した上級学校の専攻学科や学部などの種類はどうであろう か。その専攻分科内容を示すのが,表4である。

       表4 進学校種別分科別人数 校種

分科

%緻

中 等 学校

*その他

商業 工業 中学

97.8  0.8  0.8  0.8

129  1  1  1

高  専  校

纏その他

専門 文科 理科

22.0 41.5 18.7 17.9

27   51  23   22

経済 学芸 法学一

文学 教育

10.4  0  0.9  12.3 10.4 11    0  1   13   11

言十(タ6)     132(99.25) 123(92.48)

校種

分科

%緻

商学 その他

農学 医学 理学 工学

5.717.9 8.531.1 1.9 0.9

6   19   9   33   2    1

農学 医学 理学 工学

経済 法学 文学

25.0 3.6  7.1 10.7  14.3  7.1 32.1

7  1  2  3   4   2   9

計(%) 106(79.70) 28(21.05)

 注:*「その他」は師範学校を指す。

   **高専校の「その他」の項目には,大学予科と新制高校を含む。

 すなわち,中等学校では中学校(98%)が,高等専門学校では高等学校(63

%)が,それぞれきわめて多い。そして,高校では理科がきわめて多い。ま た,大学では,医学部(31%)が圧倒的に多く,ついで工学部(18%)が多 い。こうした理科関係の学部についで,人文関係の経済学部,文学部(ともに 10%)の順になっている。さらに,大学院でも医学部(32%)が,当然もっと も多く,文学部(25%),工学部(14%)の順である。そして,学部,大学院と

(9)

優秀児の追跡的研究 (151)

も,教育・芸術方面に進んだものがほとんどいないことが注目される。

 4.在学時の学業成績   (i) 本人の成績

 このような進学過程で優秀児が示した学業成績はどうであろうか。小学校,

中学,高校,大学の4時期にわけて,各時期における成績の概況をたずねてみ た。この場合,各時期とも,全学年を通じて,成績順位が全学年の10%内をA!,

      表5在学時の成績(%)     25%内をA,25%外を

κABCD 33

(24.81)

35

(26.32)

22

(16.54)

14

(10.53)

 7(5.26)

36

(27.27)

28

(21.21)

24

(18.18)

20

(15.15)

 6(4.55)

27    21

(21.09)  (19.81)

44    27

(34.38)  (25.47)

18    20

(14.06)  (18.87)

16     7

(12.50)   (6.60)

 3     1

(2.34)   (0.94)

無答ぎ1.54)(}1.64)(il.63)(193。)

計dll.。。)(132100.00)(1器.。。)(i81.。。)

117

(23.45)

134

(26.85)

84

(16.83)

57

(11.42)

17

(3.41)

90

(18.04)

499

(100.00)

表6 出生順位別子どもの成績成績

B,50%外をC,75%

外をDとすることに

ょって,成績の表記を 行なった。その結果を

示すのが,表5であ

る。

 すなわち,小,高,大

学時代は,Aの成績の ものがそれぞれもっと も多く,中学時代では

A!の成績のものが

(%)

享激〉蝉A・ A B C D 無答 第一子

第二子

17      42      29      5      1      11

(16.19)  (40.00)  (27.62)   (4.76)   (0.95)  (10.48)

15      28      25       7       2      10

(17.24)  (32.18)  (28.74)   (8.05)   (2.30)  (11.49)

第三子(,1.,。)(ll.5。)(il.。。)(,1.5。)  5

(12.50)

37      85      64      17       3      26

(15.95)  (36.64)  (27.59)   (7.33)   (1.29)  (11.21)

105

(100.00)

 87(100.00)

 40(100.00)

232

(100.00)

(10)

もっとも多い。そして,各時代とも,かれらの29〜25%以上のものが,A!な いしAの成績を示しており,Dはもちろん, Cのものはきわめて少ない。した がって,かれらの過半数のものがA段階以上に位置していることがわかる。

     表7 在学時の本人の成績と第1子の成績(%)  表7a 成績の相関

パABCD無答

1

A! A B C  D  無答

 9   11   4   1  0

(52.94) (26.19)(13.79)(20.00)

 3   16   6   0   0

(17.65) (38.10)(20.69)

 1    2   9   2   1

(5.88)  (4.76)(31.04)(40.00)

 1    1   7   2   0

(5.88)  (2.38)(24.14)(40.00)

 3    1   1   0   0

(17.65)  (2.38)(3.45)

 0   11   2   0   0

   (26.19) (6.90)

 2(18.18)

 0  2(18.18)

 1

(9.09)

 0  6

(54.55)

17     42     29    5    1     11

(16.19) (40.00) (27.62)(4.76)(0.95) (10.48)

二=ロ

(ll.71)本上 25

(23.81)人

    下

17

(16.19)

12

(11.43)

 5 19

(18.10)

二凹口

(第1子)

上下

39 11 9 22 48 33

量口

50

31

81

   x2謂呂19,005

(4・76) P〈0.01

   φヨ0.484 105

(100.00)

df−=1

  (ii)本人の子どもの成績

 このような傾向を示すかれらの成績とかれらの子どもの成績との関係をみる ために,まず,その子どもの成績を調べてみた。

 すなわち,かれらが回答した子どもの成績を,本人の場合と同様の段階規準 で整理したのが表6である。子どもの場合は,第1子から第4子までにわたる 成績をあげてもらったものであるが,表にみられるように,第1子〜第3子の 成績はいずれもA段階のものがもっとも多く,ついでA!段階のものが多い。

本人の成績の場合,AとA!がきわめて多かったのに対し,その子どもの場合 には,AとBの成績がひじょうに多い。

 このような意味で,子どもの成績は,その親である優秀児本人の成績よりも1 段階低いことを示しているが,しかし,C, D段階はきわめて少なく,20〜40

(11)

       優秀児の追跡的研究      (153)

%のものはA段階以上にあるという点で,やはり、子どもの成績もよいといえ よう。(表6参照)

  (iii) 親子の成績相関

 そこで,本人(親)の成績と子どもの成績との関係,つまり親子間の成績相       表8 本人の成績と第2子の成績(%)

AABCD無答

2

A! A B C D 無答

 3(20.00)

 5(33.33)

 2(13.33)

 3(20.00)

 0  2(13.33)

 6(21.43)

 9(32.64)

 5(17.86)

 2(7.14)

 3(10.71)

 3(10.71)

 6(24.00)

 4(16.00)

 8(32.00)

 3(12.00)

 1(4.000)

 3(12.00)

 1(14.29)

 3(42.86)

 0  2(28.57)

 0  1

(14.29)

 0  0  0  1

(50.00)

 1

(50.00)

 0

 3(30.00)

 0  1

(10.00)

 1

(10.00)

 0  5(50.00)

(17.24)  (32.18)  (28.74)   (8.05)   (2.30)  (11.49)

19

(21.84)

21

(24.14)

16

(18.39)

12

(13.79)

 5

(5.75)

14

(16.09)

 87(100.00)

表8a 成績の相関

上下

(本人)

(第2子)

上  下 23  14

15  16 38  30

二=ロ

71

nj6」

68

x2置島1.298  (ヴ置富1

ρ>0.70 φ一〇.138

関を調べてみた。この相関関係を示すのが,表7,

8,9である。

 この親子間の成績相関を検討するため,まず,

本人と第1子との成績関係から表7aのような分 析表を作成してz2検定を試みてみると,1%の水 準で有意であり,さらに相関度の検討で,φ係数 を求めた結果,0.48となり,かなりの相関がある

ことがわかる。

 また,本人と第2子との関係を,表8aの分析 表でx2検定にかけてみた結果は,ほとんど相関は

(12)

表9 本人の成績と第3子の成績 (%)

AABCD無答

量ロ

3

Aノ A B C D 無答

 2(40)

 3(60)

 0  0  0  0

 5(33.33)

 5(33.33)

 4(26.67)

 1

(6.67)

 0  0

 2(20.00)

 3(30.00)

 2(20.00)

 1

(10.00)

 1

(10.00)

 1

(10.00)

00

 3(60.00)

 2(40.00)

 0  0

0

0

000

0

 1(20.00)

 0  1

(20.00)

 1(20.00)

 0  2(40.00)

  5   15    10     5

(12.50)   (37.50)   (25.00)   (12.50)

o  5

(12.50)

10

(25.00)

11

(27.50)

10

(25.00)

 5(12.50)

 1

(2.50)

 3(7.50)

 40(100.00)

表9a 成績の相関

(本

人)

二幽員

(第3子)

上  下 15   5

5   9

20  14

20 14

34

;ヒ2昌5,247  dfヨ 1 0.05>≠)>0.02

φ一〇.394

 さらに,子ども間の成績相関をみるために,

2子との間の成績の相関を調べた。その結果を示すのが,表10と表10aであ

る。

すなわち,x2は10%水準であるが,きょうだいの間に低い相関(φ=0.218)

みられなかった。

 しかし,本人と第3子との関係を,表9と表9a から,同様な検定でみてみると,x2は5%で有意

であり,低い相関(φ ・=0.39)が認められた。

 すなわち,親の在学時の成績の優秀性に相応し て,その子ども,とくに第1子の成績も優秀であ る。つまり,学業成績における親子の相関度は,

出生順位によって異るが,かなり認めることがで きるといえよう。

  (iv)子ども間の相関

        きょうだいとして,第1子と第

(13)

       優秀児の追跡的研究      (155)

があることがわかる。

 つまり,親と第1子との相関度に比べて,第1子と第2子との相関度が低い       (1)

ことが知られたが,これは,別の拙論で検討した知能の親子相関が,同胞間の 場合より高かった傾向に類似しているといえる。

     表10 第1子の成績と第2子の成績 (%)    表10a 成績の相関

A1

ABC

D鰭

2

曇ロ

1

Aノ A B C  無答

二ニロ

 8    1    4    1    1

(66.67)  (3.70) (14.82) (20.00)  (9.09)

 2   15    9    1    1

(16.67) (55.56) (33.33) (20.00)  (9.09)

 0    8   11    2    0    (29.63) (40.74) (40.00)

 0    2    3    1    0     (7.41) (11.11) (20.00)

 1    1    0    0    0

(8.33)  (3.70)

 1    0    0    0    9

(8.33)       (81.82)

12     27     27      5     11

(14.63) (32.93)(32.93) (6.10)(13.42)

15

(18.29)

28

(34.15)

21

(25.61)

 6(7.32)

 2(2.44)

10

(12.20)

上下

(第2子)

(第1子)

上 下 26 15 12 17 38 32

41

29 70

 82(100.00)

z2ロ・3.323  み辱ヨ 1

0.10>P>0.05 φ一〇.218

 注

 (1) 拙論:わが国における優秀児の心理学的研究,風間書房,昭46.

 5.在学中の趣味・特技

 次に,優秀児たちが在学中にもった趣味および特技の面についてはどうであ

ろうか。

  (i)趣 味

 まず,在学中の趣味の面では,表11にみられるように,スポーツ(24%)が もっとも多く愛好され,ついで音楽(18%)への趣味が多い。以下,読書(11

%),登山(8%),芸能(5%),絵画(4%)などが続いているが,一般に,

趣味は多岐にわたっている。たとえば.上表の「その他」のなかには,落書,

(14)

ジャズ,ラジオ・模型・麻雀・地図がそれぞれ1件ずつ含まれている。

 (ii)特 技  表11在学時の趣味

趣 州人数(%)

ス ポ   ツ

音    楽 読    書 登    山 日本古典芸能

絵囲映写 画碁画真

昆虫採集

行文歩芸他     の 旅天散園そ

37 (23.57)

28 (17.83)

18 (11.47)

13 (8.28)

8(5.10)

7(4.46)

5(3.19)

5(3.19)

4(2.55)

4(2.55)

3(1.91)

3(1.91)

3(1.91)

3(1.91)

16 (10.91)

表12在学時の特技   次に,特技の面では,

特測人数(%)表12のように・やぱりス

スポーツ 楽  器 語  学 剣  道 地理作成 製  図

車運転 その他

尋言ロ

9(28.13)

5(15.63)

4(12.50)

4(12.50)

2(6.25)

2(6.25)

6(18.75)

32(100.00)

1157(100・00)

ポーツ関係(28%)がもっ とも多く,音楽関係の楽 器(16%)も,次いで多 い特技となっている。以 下,英語その他の語学,

剣道(ともに12.5%)の順 である。また,その他の 項目には,弓道・文筆・

映画作成・ラジオ組立・

水採画・星による時刻と方向の目測などの特技 が,それぞれ1件ずつとなっている。

 6.学童期の学科の好悪

 次に,小・中学校時代における学科の好き嫌いはどうであろうか。

  (i) 好きな学科

      (1)

 学科の好き嫌いのあったもの101名について調べた結果が表13であるが,ま ず,好きな学科として,算数(約30%)が第1位であり,ついで,国語(22%),

       表13学童期の学科好悪

学科購鴎酬社会薙保体図工音剰計

好き 38  28  22  22  15  3   1  0

(%)  (29.46)(21.71) (17.05)(17.05)(11.63) (2.33) (0.78)

嫌い

(%) (19.30) (15.79) (21.93) (11.40) (10.53)  (8.77)  (7.90)  (4.39)

129

(100.00)

114

(100.00)

(15)

優秀児の追跡的研究 (157)

理科(17%),社会(17%)の順に好まれる。他方,音楽,図工,保健体育は好ま れない。つまり,知的教科ないし基礎教科が選択され,実技教科が敬遠される 傾向が示されている。

  (ii)嫌いな学科

 これに対して,嫌いな学科は,理科(22%)がもっとも多くあげられ,以下,

算数(19%),国語(16%),社会(11%),の順に嫌われており,音楽,図工は嫌 われていない。すなわち,この場合は,好きな学科を調べた場合とは逆の結 果,つまり実技教科がかえって愛好され,知的教科の方が敬遠されているよう

なありさまである。

 したがって,こうした傾向は,さきの結果と一見相矛盾するようであるが,

これは,好悪傾向のはっきりした,2つの傾向があることによると思われる。

 注

 (1) この場合,学科の「好き嫌い」なしと答えたもの29名,無答は3名であった。

 7.在学時の課外活動

         表14在学時の課外活動(%)

一   芸    科 ポ   典    然

10 (50.00)

2(10.00)

2(10.00)

5(25.00)

1(5.00)

20(100.00)

29 (69.05)

3(7.14)

2(4.76)

1(2.38)

2(4.76)

1(2.38)

1(2.38)

3(7.14)

42(100.00)

29 (54.72)

11 (20.76)

2(3.77)

1(1.89)

2(3.77)

1(1.89)

4(7.55)

2(3.77)

1(1.89)

53(100.00)

12 (38.71)

10 (32.26)

1(3.23)

2(6.45)

1(3.23)

3(9.68)

2(6.45)

31(100.00)

80 (54.79)

26 (17.81)

5(3.42)

1(0.68)

7(4.80)

1(0.68)

7(4.80)

7(4.80)

6(4.11)

4(2.74)

2(1.37)

146(100.00)

注:* 数学・天文を含む。

 ** 広告・研究会・社交ダソスを含む。

(16)

 かれらの在学中の学習と密接な関係をもつ課外活動は,前記の学科好悪とも 直接的に,あるいは間接的に関係をもっているものとして,注目されなければ ならない。そこで,いわゆる「けいこごと」を含めた課外活動について調べて みた。結果は,表14に示される通りである。

 すなわち,小・中・高・大学を通じて,スポーツ(約55%)が最大の課外活 動となっており,次いで,小学時代では書道(25%)が,中・高・大学時代では 音楽が,それぞれ,課外活動として重視されている。

 なお,上述の結果は,これよりさき,課外活動経験の有無について調べ,経 験「あり」と答えたもの66名(「なし」の回答67名)について調査したものであ

り,あとの半数は,課外活動をもたなかったことが示されている。

 以上で調べた在学中の趣味,特技や課外活動における諸傾向から,優秀児 は,スポーツや音楽や読書に多大の興味関心をもっており,このことが,学科 の好悪にも多少の影響を及ぼすとともに,学習活動そのものに多大の影響を与 えているものと考えられる。

 8.現在の趣味

 このようにして成人した優秀児たちは,現在,どのように活動しているだろ うか。この問題は,本追跡調査の重要部分を占めることがらであるが,まず,

      表15現在 の 趣 味        前述の趣味の面からみ

劉人数(%)種 類  人数(%)

ス ポ ー ツ

音    楽 読    書

ゴ   ノレ  フ

旅    行 園    芸

美術鑑賞

日本古典芸能 魚 釣  り

ド ラ イ ブ

俳    句

31 (12.50) 写

31(12.50)囲 22(8.87)麻

20  (8.07) 糸会

19  (7.66) 登

15(6.05)1観

    i10(4・・3);8 10(4.03)1散

9(3.63)そ 7(2.82)

7 (2.82)

真碁雀画山劇リ歩他

7(2.82)

7(2.82)

5(2.02)

5(2.02)

5(2.02)

5(2.02)

4(1.61)

3(1.21)

26 (10.48)

248(100.00)

てみよう。

 現在の趣味として本 人にあげてもらったも のをまとめたのが,表 15である。

 すなわち,成人した 現在においても,在学 時代に愛好されたス ポーツおよび音楽(と

(17)

優秀児の追跡的研究 (159)

もに12.5%)は依然として最大の関心事であり,読書(約9%)もまたよく趣 味として持続されている。それらに続いて,在学時に見られなかった「ゴル

フ」があげられ,さらに,旅行・園芸・美術鑑賞・日本古典芸能などが,趣味 として比較的多く指向されている。

 そのほか,それぞれの件数としては少ないが,各方面へわたる趣味は多く,

各人各様といえる。すなわち,それらは,表中の「その他」の項目中に含めら れているものであるが,たとえば,ピアノ・切手収集(各2)をはじめ,タバ

コ・酒・映画鑑賞・短歌・プラモデル・地図よみ・喫茶(コーヒー)・議論・

鉱物採集・古書漁り・昆虫採集・哲学・古寺訪問・歴史・サルの生態学・建 築・陶器鑑賞・洋舞台の写真・社会活動・孫の相手・卒論指導・天体観測(各

1)などである。

 9.興味の程度

 このような現在の趣味に関連して,呈示された12の対象に関する本人の興味 の程度を,5件法によって選択してもらった。その結果を示したのが,表16で

ある。

 すなわち,さきに顕著な趣味としてあげられた音楽やスポーツを含む12の興 味事項が,4(非常に好き),3(普通以上),2(普通),1(少しは好き),0

(全然だめ)の5段階で評定的に選択されたものである。

 この表によって,いろいろな興味の強さを知ることができる。たとえば,5 段階の興味のうち,もっとも程度の強いのは旅行(18%)であり,次いでス ポーツおよび音楽(ともに16.5%),そして美術(13%)といった順である。

 これに対し,この段階でもっとも弱いのは,政治であり,ペット・社会活動・

宗教の順に弱い。他方,0段階の興味のうちでぱ,全然だめなものとして,宗 教がもっともひどく,次いでペット・社会活動・機械・政治の順に,弱さの程

度がひどいことがわかる。

 また,4段階ではないが,3段階,つまり普通以上の強さをもつものとして は,科学(44%)がもっとも多く指向され,次いで旅行(35%)・美術(33

%)・音楽(32%)といった順である。さらに,2段階,つまり普通の程度の

(18)

表16興味の程度(%)

壷く轡1旅行スポーツ1宗教機訓社会活動1文学陪楽

432噌10

無 答

24

(18.05)

46

(34.59)

54

(40.60)

 7(5.26)

 2

(1.50)

 0 133

(100.00)

22

(16.54)

31

(23.31)

41

(30.83)

23

(17.29)

14

(10.53)

 2

(1.50)

133

(100.00)

 4(3.01)

15

(11.28)

40

(30.08)

22

(16.54)

50

(37.59)

 2(1.50)

 6(4.51)

26

(19.55)

40

(30.08)

24

(18.05)

33

(24.81)

 4(3.01)

 4(3.01)

18

(13.53)

43

(32.33)

26

(19.55)

39

(29.32)

 3(2.26)

10

(7.52)

35

(26.32)

44

(33.08)

28

(21.05)

13

(9.77)

 3(2.26)

133

(100.00)

133

(100.00) 133    133

(100.00)・(100.00)

22

(16.54)

43

(32.33)

39

(29.32)

20

(15.04)

 8(6.02)

 1(0.75)

133

(100.00)

磁一轡美術i科学i政治1工芸ぺ・日計

43210

無 答

17

(12.78)

44

(33.08)

44

(33.08)

17

(12.78)1

 9

(6.77)

 2(1・5・)【

13

(9.77)

59

(44.36)

32

(24.06)

16

(12.03)

 8

(6.02)

 5

(3.76)

133

(100.00)

133

(100.00)

 1(0.75)

27

(20.30)

52

(39.10)

18

(13.53)

33

(24.81)

 2(1.50)

133

(100.00)

11

(8.27)

25

(18.80)

39

(29.32)

33

(24,81)

22

(16.54)

 3(2.26)

 3(2.26)

14

(10.53)

28

(21.05)

38

(28.57)

46

(34.59)

 4(3.01)

133     133

(100・00)1(100・00)

137

(8.58)

383

(24.00)

496

(31。08)

272

(17.04)

277

(17.36)

31

(1.94)

1,596

(100.00)

ものでは,旅行(41%)がもっとも多く選択され,次いで政治(39%)に関心 が払われ,以下,文学および美術(ともに33%),そして社会活動(32%)の 順に位置づけられている。

 10.社会的活動

  (i) 外国留学・出張・視察

 次に,成人した優秀児たちの社会生活としての社会的活動の一端を知るため

(19)

       優秀児の追跡的研究      (161)

に,まず外国留学・出張・視察の有無,そして,その回数や留学・出張先など について調べた。

 その結果,留学をしたもの15名,出張・視察をしたもの58名であった。出 張・視察の回数については,最大数10回に及ぶものもあり,職業や勤務などの 性質および種類によって不定である。したがって,この面からの一般的傾向性 を推測することは困難である。

  (ii)学位取得の状況

 そこで,次に学位取得の状況について調べてみた。その結果が,表17に示さ

れる。

         表17取得学位の種類と人数

種劉医

人  数

(%)

34       5       3       2       2       1       1       48

(7・・83)1(1・・42)i(6・25)(4・・7)(4・・7)(2・・8)(2・°8)i(1°°・°°)

 すなわち,医学博士(71%)が圧倒的に多く,次いで工学博士(10%)が比 較的に多い。こうした医学的,理科的部門に比して,文学博士(2%)など,

人文科学的部門における学位取得はきわめて少ない。これは,前述の,進学に 伴う志望分野の状況と同一傾向を示すもので,そうした志望分布の現われとみ

なされる。

  (iii) ライフワークについて

 次に,かれらがとりくんでいく一生の仕事,いわゆるライフワークにっい て,その確立の有無確立の時期,およびそれに関連して,将来成就すべき最 終目標の点からたずねてみた。

 まず,ライフワークとして確立しているもの58名(約44%),未確立のもの 46名(約35%)で,無応答のもの29名(22%)である。そして,その確立,未 確立の時期について調べてみると,表18のようになる。そして,その分析表が 表18aである。

(20)

 すなわち,x2は1%水準で有意で,ラィフワーク確立の有無と年齢時期との 間に低い相関(φ=0.315)が見られる。つまり,この場合,40歳未満で確立す 表18ラィフワークの確立  表18a ラィフワーク確立 るものが,その後の時    と未確立      と年齢の相関

       期に比べて多く,また,

   確  立 未確立

      (年齢)

人数(%) Mx(%)

劃1(1.72)1一

2i°13(・・17)1一

351(1・72)1一 馴9(15.52)ト

馴1・(17.24)17(15.22)

(ライフワーク)

確 立

未確立

40  40 未満 以上

24  3σ

7  39 31  69 糾6(1・.35)li・(28.26)が一9・919 df−・1

劃3(・・17)17(15・22)乙≦1:欝5 融゜・ レ(15.22)

「21(36.21)i5(1・.87) (iv)創造的活動

瀕641・ レ(15.22)こうしたラィフワーク燗係するものとし 不明14(6.9・)1一  て・次に・完成された創造的な膝鰯究につ

計58(1・・.・・)14・(1・・.・・)いて調べてみた・ライフワークが一生の仕事と

      して,目的的に追求が継続されるものであるの に対し,この創造的活動の場合は,すでに成就された独創的な仕事として,み

ようとしたものである。

 そこで,建築・技術・発明・科学・芸術・戯曲,その他の領域にわたって,

完成された創造的な仕事ないし研究の代表的なものを,具体的にあげてもらっ た。その創造分野とその創造的活動を完成したものの人数を示すのが,表19で

ある。

 すなわち,ここでも,科学領域,つまり理科的分野(43%)がもっとも多く,

それと密接な関係にある技術的領域(21%)が,次いで多い。そして,発明・

計  未確立のものは40歳過    ぎても多い,というこ

54 とがわかる。そして,

   確立の時期として,30    歳台と55〜60歳台とに46

100 それぞれピークが見ら    れ,この方面における    一時期を暗示している    と思われる。

(21)

優秀児の追跡的研究 (163)

表19創造的活動の領域

% 7.・4i 21.4311・.・1142・・611・・7113・5713・571

領域健剰技術廃蜘学1芸術臓曲1その倒計

       28

100.00

芸術・建築・戯曲・その他の順となっている。

 こうした傾向も,前述したように,かれらの興味活動や専門的活動が反映し ているものと思われる。

 11.児童期の性格特徴

 こうした諸種の社会的活動を基底的に支えていると考えられるパーソナリテ ィーの特性の問題は,優秀児の特質の究明上,きわめて重要なものとして,注 視されなければならない。そこで,児童期における本人のいちじるしい性格特 徴にっいて調べてみた。

 すなわち,児童期のもっとも重大な短所ともっとも望ましい特長との2面に ついてたずねたのであるが,その結果は,次の通りである。

  (i) もっとも重大な短所

         表20もっとも重大な短所

倒瑚%1陪 倒馴%擁

倒瑚%

気気卒気質情つ病人    邪    美     経 く    の    方

内短軽天神強偏憶八 41566544333

1::/

1:9;1

1:;11

2.・sl

多   弁 依 頼 心 粗   暴

非社交性

病   弱 向こう見ず

努力不足

集団行動嫌い

実力不足

222221111

1.83 1.83 1.83 1.83 1.83 0.92 0.92 0.92 0.92

し慢心剰虫多

餉作信情 無緩過過 記動小自泣感

一三口 109

0.92 0.92 0.92 0.92 0.92 0.92

100.00

この結果を示すのが,表20である。

すなわち,もっとも重大な短所として,「内気」(48%)を,圧倒的に多くのも

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