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−国民栄養調査対象者の追跡研究 NIPPON DATA80 の 24 年追跡結果より−

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Academic year: 2021

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16.食事中のナトリウムとカリウムの比が高い人で循環器病死亡リスクが増加

−国民栄養調査対象者の追跡研究 NIPPON DATA80 24 年追跡結果より−

研究分担者  岡山  明  (生活習慣病予防研究センター  代表)

研究分担者  奥田奈賀子(人間総合科学大学人間科学部健康栄養学科  教授)

研究代表者  三浦  克之(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門  教授)

研究分担者  岡村  智教(慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学  教授)

研究分担者  早川  岳人(立命館大学衣笠総合研究機構地域健康社会学研究センター  教授)

研究協力者  赤坂  憲  (大阪大学大学院医学系研究科老年・総合内科学  助教)

研究協力者  大西  浩文(札幌医科大学医学部公衆衛生学講座  教授)

研究分担者  斎藤  重幸(札幌医科大学保健医療学部看護学科基礎臨床医学講座  教授)

研究協力者  荒井  裕介(千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科  准教授)

研究協力者  清原  裕  (久山生活習慣病研究所  代表理事)

研究分担者  高嶋  直敬(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門  助教)

研究分担者  由田  克士(大阪市立大学大学院生活科学研究科食・健康科学講座公衆栄養学 教授)

研究分担者  藤吉  朗  (滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門  准教授)

研究協力者  Maryam Zaid(滋賀医科大学アジア疫学研究センター  特任助教)

研究分担者  大久保孝義(帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座  教授)

研究分担者  上島  弘嗣(滋賀医科大学アジア疫学研究センター  特任教授)

NIPPON DATA80研究グループ

【目的】

厚生省循環器疾患基礎調査および国民栄養調査のデータを用いて、食事中のナトリウムとカリ ウムの比(Na/K比)と循環器死亡リスクの関連について検討した。

【対象と方法】

  無作為抽出された日本全国300 地区の一般住民を対象として、1980年に実施された国民栄養調 査に参加した 30 歳以上の成人男女のうち、脳卒中や心筋梗塞の既往歴のある者等を除外した 8,283人(男性3,682人、女性4,601人、平均年齢48.8 歳)を、1980 年から2004 年まで24 年間 追跡した。ベースライン時の3日間の食事記録に基づき、食事中のNa/K比(mg/mg)で対象者を 5 群(Q1 から Q5)に分けた。アウトカムは脳卒中死亡、循環器病死亡、全死亡とし、性別、年 齢、飲酒習慣、喫煙習慣、肥満度、脂質や蛋白質の摂取量などの交絡因子を調整した死亡リスク

(ハザード比)をそれぞれ算出した。

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【結果】

24 年間の追跡期間中、579 人が循環器病(脳卒中または心臓病)で死亡した。Na/K比が最も低 い群(Q1)のNa/K比(平均値)は1.25、最も高い群(Q5)で2.72 であった。最も低い群(Q1)

を基準(ハザード比1)としたところ、最も高い群(Q5)において、全循環器病死亡リスクは39%

高く(ハザード比1.39(95%信頼区間1.20-1.61))、うち脳卒中死亡リスクは43%高かった(ハザ ード比1.43(95%信頼区間1.17-1.76))。また全死亡リスクも16%高かった(ハザード比1.16(95%

信頼区間1.06-1.27))(図)。いずれの死亡リスク上昇も統計学的に有意であった。男女別に解析し

た結果も同様の傾向を示した。

食事中のナトリウム/カリウム比が高い人で循環器病死亡リスクが増加

(1980 年国民栄養調査に参加した30-79 歳男女8,283人の24 年追跡結果)

【考察】

日本人の脳卒中死亡は食塩摂取量とともに低下傾向にあったが、国際的には今なお高く、近年 横ばいで推移している。日本人の食塩(ナトリウム)摂取源は、醤油、味噌などの調味料や漬物 などの加工食品が主であることが報告されている。また日本人のカリウム摂取量は欧米に比べて 少なく、Na/K比が高い特徴がある。カリウムの主な摂取源は野菜や果物であるが、日本人の野菜 摂取源の多くが漬物であるため、漬物の摂取量を減らすことにより Na/K 比を下げることは期待 しにくい。しかしながら、食事中のNa/K比と循環器病死亡リスクに関する報告は、日本人代表集

1.16

1.39 1.43

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2

全死亡 循環器疾患死亡 脳卒中死亡

調 整 ハ ザ ー ド 比

Q1(低Na/K比) Q5(高Na/K比)

(3)

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団の長期追跡研究としては初めてのものであり大変意義深い。今後は、将来の脳卒中や心臓病を 予防するために、食塩摂取量をできるだけ減らすと共に、野菜や果物からのカリウムの摂取を増 やして、Na/K比を低下させる重要性を周知していく必要があるだろう。

【結論】

  食事中のNa/K比と循環器病死亡リスクについて検討した結果、以下のことが分かった。

1)食事中のNa/K比が高い群(平均2.72)は、Na/K比が低い群(平均1.25)と比べて、循環 器病死亡リスクが39%増加した。

2)食事中のNa/K比が高い食事は、特に脳卒中の死亡リスクを上げ、全死亡リスクも上昇させ た。

3)脳卒中や心臓病を予防するためには、食塩摂取量をできるだけ減らすと共に、カリウムの 摂取を増やすことが重要であることが明らかとなった。

BMJ Open. 2016;6(7):e011632.

参照

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