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藤原宮木簡の世界一東面北門周辺の木簡−

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Academic year: 2021

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奈史研ギャラリー(37)

藤原宮木簡の世界一東面北門周辺の木簡−

 木簡は、その時代に生きた人の生の声を伝えてくれる、貴重な資料です。藤原宮木簡は、大宝令施行前 後の変革期を生きた大宮びとの横顔を、あざやかに照らし出してくれます。

 現在、藤原宮跡から出土している木簡は、16、000点あまり。その4分の1にあたる約4、000点が、東面北 門(山部門)周辺の外濠や内濠等から見つかっています。その内容は、宮内省・中務省やそれらに所属する 役所にかかわるものと、天皇やその周りの人々が口にしたとみられる海産物等に付けられた付札に大別す ることができます。

 今回は、奈良文化財研究所創立60周年と藤原宮跡資料室土日祝日開室を記念して、4月7日から5月6 日までおこなった企画展示「埋もれた大宮びとの横顔一藤原宮東面北門周辺の木簡」から、代表的なものを ご紹介しましょう。       (都城発掘調査部 桑田訓也)

銀銭にかかわる木簡  小さな断片ですが︑あなどるなか

れ︒上の二文字は︑左に金偏を補って﹁銀銭﹂と読むこと

ができます︒和同銀銭の出納にかかわる資料の可能性があ

ります︒    長さ︵九四︶ 皿・幅︵九︶ 皿・厚さ三皿 ナツアワビの付札  ﹁夏鮑﹂は︑夏に採れた旬のアワビという意味でしょうか︒藤原宮で作られた整理用ラペルと考えられますが︑あるいは︑志摩国︵現在の三重県東部︶から送られた贅の荷札かもしれません︒      長さ一一七皿・幅一五皿・厚さ二皿 長さ一五〇m・幅二五皿・厚さ五皿 フナのししびしおの付札塩辛の類と考えられます︒  ﹁脚﹂はフナ︒﹁酸﹂はししびしおと読み︑とても丁寧な作りで︑文字も非常に端正です︒ 今日の粕漬けあるいは

(2)

奈文研ニュースNo.45

※写真は、すべて実寸大です。

 欠損があるものは、長さり副  ( )を付けています。

(表) (裏)

醤と末醤を請求した文書木簡  ﹁今すぐに必要なので︑醤と末醤を支給してください﹂という意味のことが記されてい

ます︒表の末尾から裏の冒頭にかけて︑﹁醤及末醤﹂と見えます︒醤は醤油の原型︑末醤は味噌の原型となる調味料です︒

請求したのは︑裏面末尾の﹁馬寮﹂︵馬の飼育を担当する役所︶︒請求先は︑大膳職︵大宝令施行前なら膳職︶でしょう︒

今すぐにと言いながら慌てた様子はなく︑一つ一つの文字を丁寧に書いています︒

       長さ一八九皿・幅三二皿・厚さ四皿

藤原宮の門の名前を記した木簡  ﹁多治比山部門﹂と書かれています︒﹁多治比﹂門は藤原宮の北面東門︑﹁山部

門﹂は東面北門にあたります︒藤原宮は約言m四方の広さをもち︑各面に三つずつ︑合計十二の門が開いていました︒

それぞれの門には多治比・山部のように氏族の名前が付けられており︑警護を担当した氏族の名に由来すると考

えられています︒       長さニハ○︶ 皿・幅︵コー︶ 皿・厚さ四皿

参照

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