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広瀬義 州

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Academic year: 2022

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(1)55 早癩田商学第鰍号. 1992年7月. 一般に認められた 会計原則(GAAP)の再構築. 広瀬義. 州. I.まえがき 会計の世界において,おそらく「一般に認められた会計原則(Genera1ly AcceptedAccomtingPrincip1es. GAAP. )」ほど使用頻度の高い用語はないと. いってもよいであろう。とりわけ,アメリカの会計の文献においては,GAAP. という用語をみないことのほうがまれであり,いまやGAAPはビジネス用語 にさえなっている。その背景には,アメリカの会計基準設定主体が,過去半世. 紀以上もGAAPを構築するために会計原則または会計基準(注〕の形成に努め てきたという事実がある。したがって,アメリカにおける会計原則または会計. 基準の歴史は,端的にいってGAAP形成史そのものであるといづても過言で はないと思われる。. GAAPについては観念的には理解されているとしても,翻って考えてみる と,GAAPとはどのような意昧であり,その範囲はどこまでであるのか,ま. たGAAPには法的効力があるのか,さらにはGAAPの現状はどのようになっ ているのかなどについて,必ずしも広くかつ十分に理解されているとは思われ ない。. 最近,国際的な財務報告の必要性が提唱されているが. かかる財務報告を実. 205.

(2) 56. 早稲田商学第354号. 現するための1つの前提がGAAPの国際化または標準化をはかることにある とすれば,この機会にGAAP概念そのものを整理し,その現状を正確に把握 しておくこともあながち無意味ではないと思われ乱. 本稿は,かかる問題意識に基づき,GAAPの意昧,法的効力および現状な どを詳細に明らかにすることを目的としている。 (注). 「原則」とはどのような意味であり,それは「蓬準」とはどのように異なるのかについては、. 会計理論上も検討すべき事項であると考えるが,本稿の主目的ではないので割愛する。本稿で. は,r原則」もr基準」も本質的に同義であると解し,財務鼻録審琴会(・…)の成立 以後,公表された公式見解等を会計基隼と呼び・その前のA1CPA会許原剣審議会くAPB)等 によって公表された公式見解等を会計原則と呼ぷ。ただし,・Sねndard. Setters・という用語に. ついては,会計基準設定主体と呼ぶことにする。. I.一般に認められた会計原則の意味 GAAPの意味を明らかにするためには,まず,この用語がいつから用いら れるようになってきたのかについて調べる必要があると思われるが,正確には. 明らかではないω。しかし,今日のGAAPの礎を築いたのは,1932年9月22 日に,George. O.Mayを委員長とするAICPAの前身であるアメリカ会計士協. 会(AIA)・証券取引所協力特別委員会がニューヨーク証券取引所(NYSE)・ 株式上場委員会に宛てた書簡における勧告. 2」が最初であるといわれている. 訓。. すなわち,AIA特別委員会は監査報告書の雛型を作るさいに「認められた会 計原則(accepted. principles. of. a㏄ounting)」という用語を最初に用い14〕,財務. 諸表の作成にあたり準拠すべき5つの会計原則(「AIAの5原則」)を提示し た。AIA特別委員会は,「認められた会計原則」という用語の具体的な意味に ついては定義を下さなかったものの,例示した5原則からみて,会計の基礎を 形成する広範な基準(the. broad. sta血dards)をかかる用語の意味として想定し. ていたことに疑いはないといわれている. 5㌧. 爾来,GAAP概念の解釈については,,これまでいろいろ試みられてきたが,. 206.

(3) 一般に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 57. 整理をしてみると,次の2つの見解に大別することができよう。 (1). 「GAAPとは実質的に権威のある支持(substant1a1authoritative. sup−. port)を得ている会計原則であり,それは会計基準設定主体の公式見解 (pr㎝ouncements)である」とするもの. (2). 「GAAPとは実質的に権威のある支持を得ている会計原則であり,そ. れには会計基準設定主体の公式見解に加えて,AICPA等社会的に認めら れた機関の非公式の見解および一般的実務慣行を通じて受け入れられてい る実務も含まれる」とするもの. いずれも「GAAP二実質的に権威のある支持を得ている会計原則」と措定さ れている点では同一であるが,「実質的に権威のある支持を得ている」のは具. 体的にどのような会計原則を指すのかという解釈の点で異なってい乱した がって,GAAP概念の解釈は,「実質的に権威のある支持を得ている」という 文言の解釈に依存しているといえよう。. かかる解釈にあたっては,さしあたり2つのアプローチ方法が考えられる。 第1は,「実質的に」,「権威のある」,「支持を得ている」という用語の意味を. 辞典に基づいて解釈し,これを演緯的に組み立ててその意味を明らかにする方. 法である。第2は,GAAPを溝築するに至ったプロセスの足跡をたどり,そ のプロセスにおいてこれまでどのようなものが「実質的に権威のある支持」を. 得てきたのかを確かめ,これを帰納的に明らかにする方法である。いずれの方. 法にも一長一短があるものと思われるが,第1の方法に基づいて,それぞれの 用語を論理的に解釈し,「実質的に権威のある支持を得ている」の意味を定義. してみても,その定義は既存のGAAPから乖離し,非現実的な議論を展開す るおそれがあると恩われる。ここでの目的は,「実質的に権威のある支持を得 ている」という文言を当為命題とし,・これの解釈を行うことにあるのではなく,. 現行のGAAPの意味を確かめようとすることにある。したがって,以下では, 第2の方法に基づいて議論を展開することにするが,便宜上,上述した(1〕の見. 207.

(4) 58. 早稲田商学第354号. 解を狭義説と呼び,(2)の見解を広義説と呼ぶことにする。. 狭義説は,SEC「会計連続通牒(A㏄o㎜ti㎎Series. Release. ASR. )」第4号. および第150号においてみられる立場である。. 周知のように,SECは「1934年証券取引所法」に基づいて設置された合衆 国の行政機関であり,公正な証券市場の育成と投資者保護を図ることを主な目. 的としている。SECは「1933年証券法」第19条(a)および「1934年証券取 引所法」第13条(b)第1項によって,会計原則を設定する法律上の権隈を有. しているが6〕,ユ938年にASR第4号を公表し,GAAPとは「実質的に権威の ある支持を得ている会計原貝顯」である旨を明らかにする(7〕とともに,会計原則. の設定権限を,事実上,時の設定主体であるAIA会計手続委員会(Committee ㎝Acc0㎜ti㎎Prccedure. CAP. )に委ねだ8〕。. SECはこの「実質的に権威のある支持を得ている会計原則」として具体的 にどのような会計原則を想定しているのかを明らかにしなかったために,その. 解釈が間題となったが,その当時,CAPの公式見解である「会計研究公報 (Accomting. Research. Bul1etins. ARB. )」を追認した⑨ところから,会計基準. 設定主体が公表する公式見解は,少なくともGAAPであると一般にみなされ るようになった。この見解は,その後,FASBの設置に伴い,SECが次のよう なASR第150号を公表したことによって確認されるに至った。. 「……当委員会は,FASBがステートメントおよび解釈指針(Interpre・ tati㎝)の形で公表した原則,基準,実務を実質的に権威のある支持を得. ているとみなし,FASBの公式見解(promulgati㎝s)に反するものは,か かる支持を得ていないと考える」血⑪. このように,SECはレギュレーションS−X(ReguIati㎝S−X)等の法規にお. いてはGAAPの意味を明文化しなかったものの,ASRを通じていわば間接的 な形で「GAAPとは実質的に権威のある支持を得ている会計原則」であると 定義し,それはその時の会計基準設定主体の公式見解であるとの見解を示した。. 208.

(5) 一般に認められた会言ナ原則(GAAP)の再溝築. 59. しかし,この見解が広く受け入れられるためには,会計基準設定主体が複 雑かつ急激に変化する企業環境に常に即応できる公式見解を公表できるという. ことが前提になると思われる。敷術すれば,会計基準設定主体が次々に直面す る実務上の間題,新しい種類の取引その他の事象に対応できる会計原則を設定 できるだけの機動力をもっているか,または企業環境がほとんど変化しないと. いうことが前提である。しかし,GAAP形成の過去の歴史を紐解くまでもな く,企業環境に常に即応できる公式見解を公表することが会計基準設定主体の 主目的でもなければ,またこれを期待することも,資金と人事の両面からみて, 現状ではとうてい無理であるωように思われる。. そうであるとすれば,会計基準設定主体の公式見解(GAAP)が存在しない 分野において新しい実務上の問題が生じた場合には,財務諸表の作成者(発行. 体)も監査人も判断の拠り所を欠き,ひいては既存のGAAPが不適切なまま 適用されるおそれさえある。例えば,C㎝tinental. Vendi㎎Machi犯e社事件o勃. は,発行体と監査人が判断の拠り所を欠くほど当時のGAAPの範囲が極端に 狭く想定されていたことに原因がある03とする見方もできる。. 次に,広義説は,AICPA理事会・特別公報,AICPA会計原則審議会 (A㏄㎝nting. Principies. BoarポAPB. 準審議会(Auditi㎎St邊ndards. ト(Statements. on. )・ステートメント第4号,AICPA監査墓. Bo註rポASB. Auditi㎎Standards. )・監査基準に関するステートメン. SAS. )第5号,SAS窮25号などにおい. てみられる立場である。この見解は,「実質的に権威のある支持」の概念が上. 述したSECの見解よりも広い概念であることを強調するものであり,「実箪的 に権威のある支持」を得ている会計原則は会計基準設定主体の公式見解以外に. も存在するとする立場である。例えば,AICPA理事会はその特別広報におい て,次のような勧告事項を提示した=14。. (1). 「GAAP」とは「実質的に権威のある支持を得ている会計原則」である. (2)APBオピニオンは「実質的に権威のある支持」を溝成する 209.

(6) 60. 早稲田商学第354号. (3). 「実質的に権威のある支持」は,APBオピニオンとは異なる会計原則. にも存在する. しかし,r実質的に権威のある支持」の拠り所が何であるのかについて触れ られなかったところから,この特別広報に対しては,「未定義の用語を説明す. るのに別の未定義の用語が用いられており,問題が単に先送りにされただ け」o司であるとか,また「馬の前に馬車をつないでいるようである。最初にど. の会計原則がGAAPであるのかを明らかにせずに,ある特定の会計原則がど うして実質的に支持を得ているといえるのであろうか」11固などの批判が寄せら. れた。それどころか,この勧告事項が導火線になり,GAAPの拠り所が複数 であるならば,それぞれにどのような比重をおくべきか,監査報告書における. 「適正表示」と「GAAP」という用語を定義すべきであるなどの数多くの本質 的な間題が提起されるようになってきたo司。. その後,APBステートメント第4号も,「GAAPはある特定時点において認 められた会計実務の定義を行うために必要な慣習,規則および手続を総称した ものである」l1割と広義に定義し,また「GAAPという基準には広範な一般的適 用指針のみならず,細部にわたる実務および手続も含まれる」o勧とし,会計基. 準設定主体の公式見解のみならず,その他の機関が公表した非公式の見解,さ. らには慣習を通じて一般に広く受け入れられている実務などもGAAPである とする最広義の解釈を行った。. しかし,「実質的に権威のある支持」の意味はもとより,・具体的にはどのよ. うな会計原則がGAAPであるのかについても明らかにしなかったため, GAAPはその定義,概念等をめぐってますます混迷の度合を深めていくこと. になった。広義説を広く定着させる端緒になったのは,FASBとAICPA会計 基準執行委員会(A㏄㎝nting. Standards. Executive. Committee. AcSEC. )との役. 割分担をめぐる問題であった。これは表現としては必ずしも遼切であるとは恩 われないが,いわば「瓢箪から駒」が出たようなものであった。. 210.

(7) 一殺に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 61. APBが解散し,FASBが設置されたとき,AICPAは財務会計・財務報告に 関するAICPAの公式声明を出すために会計基準部(Accomti㎎Standards visioパASD. Di−. )を設置した⑫①。ASDはこの役割を果たすために刎,下部機構と. して㈱AcSECを組織しむしたがって,当初,AcSECは,FASBおよびSEC が公表した暫定的公式見解に対して,AICPAのスポークスマンとしての役割 に專念していたが,聞もなく意見表明書(Statement. of. Positi㎝s. lSOP. )を通. じて,FASBおよびSECが扱っていない緊急問題を扱いはじめた㈱。. SOP自体は,FASBの財務会計基準に関するステートメント(Statementof Financial. A㏄ounting. pretatioパFIN. Standards. SFAS. )およびFASB解釈指針(FASB. Inter−. )と類似する形式をとってはいるものの,後述するAICPAの. 職業倫理規程(Code. of. Professi㎝a1Ethics)203条のもとで強制力をもつもの. ではない。しかし,SOPは狭義説に基づくGAAPすなわちSFAS,FIN,APB オピニオン,ARBで扱われていなかった領域の会計間題について有用な指針 を提示したところから㈱,多くの企業がSOPを取り入れはじめ,これが次第. に実務に定着するようになった㈱。すなわち,SOPは一般に広く受け入れられ. てきた実務慣行として,事実上,ソフトGAAPとして認められるようになっ たのである。. このような動きを受けて,ASR第19号㈱および第177号㈱ならびにAICPA 職業倫理規程201条,202条繍に基づいて監査基準の設定権限を有している. ASBも,GAAPは会計基準設定主体の公式見解に限定されるものではなく, それにはAcSEC等の専門機関が公表する非公式の見解,一般的憤行を通じて. 受け入れられてきた実務も含まれる旨を表明したSAS第5号㈱を公表した。 その結果,SOPは,職業倫理規程203条に規定する公式見解がない場合に,監 査人が考慮すべき拠り所の1つと■して例示列挙され,実質的に権威のある支持. を得ている会計原則(すなわちGAAP)としての位置づけが正式になされた。. もっとも,このようなAICPAの一連の処置に対しては,「競合する会計基 211.

(8) 62. 早稲田商学第354号. 準設定主体」という別の視点からの間題がないわけではなかったが鋤,結果的. にFASBもSOPを遇認し,これをFASB流に焼き直して蜘SFASとして公表 せざるを得なかった㈱。さらに,SOPと同様に,AcSEC実務広報(Practice Bunetins),AICPAの業種別会計指針(Industry. 種別監査指針(Industry. Audit. A㏄ounti㎎Guides)および業. Guides)の会計に関する部分,AICPA論点整. 理書(lssues. Papers),FASB緊急問題専門委員会(the. Force. )コンセンサスなども,実務においてソフトGAAPとみなされ,. EITF. Emergmg. Issues. Task. その後,SAS第5号およびSAS第52号㈱おいてGAAPとしての位置づけがな された。. かくして,GAAPとは「実質的に権威のある支持を得ている会計原則」で あり,これには会計基準設定主体の公式見解に加えて,AICPA等社会的に認 められた専門機関の見解および一般的実務慣行を通じて受け入れられている実 務も含められるとする広義説が市民権を得るようになったといえよう。しばし. ば,アメリカのGAAPは会計実務のなかから優れた実務のみを蒸留して形成 されたとか㈱,「本質的に慣行的なものである」㈱と述べられるのは,まさしく. 以上のような広義のGAAPの形成プロセスを指していることにほかならない と解される。. さればといって,上述からも明らかなように,ある会計原則または実務憤行. が何の根拠もなく実務に定着したわけでもなければ,GAAPとみなされるよ うになったわけでもない。それは,会計基準の設定権隈を有するFASBまた は監査墓準の設定権限を有し,かつ懲罰規定を含む職業倫理規程で会員を拘束. できるAICPAによって「実質的に権威のある支持」が得られる制度的な保証. または法的措置が講じられていたからこそGAAPとして認められるように なったのであり,換言すれば,規制を受ける者がその規範性について「法的確. 信」㈱をもつことができたからこそ,実務に定着し,GAAPとみなされるよう になったと解される。なぜならば,およそ強制力を伴わない,またその導守が. 2I2.

(9) 一般に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 63. 任意であるような会計基準が実務に定着するはずがない㈱からである。このこ. とは,かつてアメリカ会計学会(AAA)がいくつかの会計基準に関するス テートメント等を公表したにもかかわらず,それらには何ら法的効力が与えら. れなかったために単に教科書をにぎわしただけに止まり,実務には普及しな. かったという事実に照らしても首肯できるところである㈱。さらに,例えば. GAAPが存在しない領域において,一企業の会計実務またはある企業集団の 会計実務がかりにいくら理論的にすぐれているとしても,それに制度的強制力. をもつ保証が与えられないかぎり,それは単なる実務慣行にすぎず,GAAP として認知されることもないといえよ㌔ 以上の理解が正しいとすれば,結局,「実質的に権威のある」とは,会計基 準設定主体その他これに準ずる機関によって強制力が付与されることであり,. 「支持を得ている」とは,(このような強制力が付与される制度的な保証がな. されているからこそ)広く一般に実務慣行として受け入れられるという意味で あると解されるように思われる。. 皿.一般に認められた会計原則の再構築 上述のように,SAS第5号によって広義のGAAP概念が構築されたが,. 1988年4月,ASBはGAAPの範囲の一部を改訂するSAS第52号を公表した㈱。 その改訂目的をあげれば,次の2点である。. 11)1984年に「政府会計基準審議会(Governmental Board. GASB. Standards. )」が設置されたことに伴い,その公式見解である「政府会. 計基準に関するステートメント(Statement. Standards. A㏄omting. of. Govemmental. A㏄omting. GASBS冊)」および「GASB解釈指針(GASBI)」をGAAPとし. て位置づけるため. /2)ソフトGAAPとしてみなされていたFASB・EITFコンセンサスを繁3 または第4・レベルのGAAPとして位置づけるため 213.

(10) 64. 早稀…田商学三第354号. しかし,SAS第52号が公表されたのもつかの間,再びGAAPをめぐる問題 が再燃してきた。FASBとGASBとのいわゆる「管轄権問題(the. Jurisdicti㎝. ISSueS)」と呼ばれているものである㈹。教育機関,病院,公益事業等のなかに. は,政府によって運営されるものもあれば,民聞によって運営されるものもあ り,また両者によって運営されるものもある。管轄権間題は,比較可能性を確. 保するために,これらの事業体に同一のGAAPを義務づけるべきであるとす. れば,GAAPはFASBとGASBのいずれが設定すべきかという問題に端を発 している㈹。SAS第52号によれば,「ある取引または事象の会計処理がGASB. によって規定されていない場合には,適用可能なFASBの公式見解が適用さ れるとみなされる」(第6項)とされている。しかし,「たとえGASBが現在. 当該問題を扱っているとしても,州・地方政府事業体は結果的にFASB基準 に準拠するよう義務づけられている」幽ために,FASBとGASBの親組織であ る財務会計財団(Financia1Accomti㎎Fomdation. 新しいGAAPの階層構造(GAAP. FAF. )は,I989年u月,. hierarchy)のフレームワークを提示した㈱。. さらに,FAFは,州・地方政府事業体はGASBの公式見解に準拠しなけれ ばならず,州・地方政府事業体以外の事業体(以下,「企業」という)は,. FASBの公式見解に準拠しなければならない旨に管轄権協定を変更㈹するとと. もに,ASBに対してGAAPの階層構造を改訂するよう要請した網。. これを受けたASBはAcSEC,FASB,GASBおよびASBの代表者から成る タスク・フォースを編成し㈹,1991年5月31日,SAS公開草案㈹を公表した。. 公開草案は,上述の管轄権間題に係るGAAPについては特別に問題点が提起. されなかったものの,FASBまたはGASBから「承諾を得ていない(㎜一 cleared)」業種別監査・会計指針,SOPまでを第3レベルのGAAPとして位 置づけたところから,FASBから猛反発を受けた㈱。その結果,ASBはこれを. 撤回し,1992年1月31日,GAAPの再構築を目的としたSAS第69号「独立監 査人の監査報告書において一般に認められた会計原則に準拠して適正に表示し. 214.

(11) 一般に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 65. ているという文言の意味」㈹を公表した。. 次に,本稿ではSAS第69号をとりあげ,そこにおけるGAAP概念とその階 層構造について検討を加えることにする。. SAS第69号によれば,「GAAPという文言は,会計上の専門用語であり,あ る特定時点において認められた会計実務の定義を行うために必要な慣習,規則. および手続を総称したものである」侮Φと定義されている。また,GAAPには. 「広域な一般適用指針のみならず,細部にわたる実務および手続も含まれ. る」馴とし,AICPAのAPBステートメント第4号以来踏襲されてきた広義説 に基づくGAAP概念が採用されている。. 上述したGAAPの形成経緯からも明らかなように,SAS第69号の目的は GAAPを新たに定義することにあるのではなく,GAAPの拠り所を「企業」 と「州一地方政府事業体」とに分けるとともに,それぞれの具体的階層構造に. 程度を異にする権限を与え・も?てGAAP概念の再構築を図ろうとしている ことにあるといえる。. そこで,まず,SAS第69号において明らかにされたGAAPの拠り所および 階層構造について具体的に述べれば,次のとおりである6勃。. (a)第1レベルのGAAP AICPA職業論理規程203条(AICPA,職業基準第2巻,ET. . Sec−203−01)に. 準拠する会計原員脆設定するために,AICPA理事会によって指定された機関 が公表する会計原則。. 企業の場合についていえば,SFAS,FIN,APBオピニオンおよびAICPA・. ARBから成る公式に設定された会計原貝昨1)が,第1レベルのGAAPに該当 する鮭2)。. また,州・地方政府事業体の場合についていえば,GASBSおよびGASBI. ならびにGASBSまたはGASBIによってAICPAおよびFASBの公式見解 215.

(12) 66. 早稲囲商挙第354号. (pron㎝ncements)が州・地方政府事業体に適用できるとされている場合の当. 該AICPAおよびFASBの公式見解が第1レベルのGAAPに該当する。 なお,AICPA職業倫理規程203条は,財務講表が公式見解から重大な離脱を している場合には,監査人は無隈定意見を表明してはならないが,特殊な状況 のためにかかる公式見解に準拠すれば財務諸表を誤導する場合には,この限り. ではないと規定している鯛。203条の趣旨は,公式に設定されている会計原則. を適用すれば,常にGAAPに準拠した財政状態,経営成績,キャッシュ・フ 1]一の適正表示が行われるはずであるという点にある。それにもかかわらず,. 203条は特殊な状況の場合には,かかる公式見解を文字通りに適用すれば,財 務諸表を誤導させる可能性がある旨を規定している㈱。 (注1)1992隼3月末日現在,SFASは第109号くただし,すでに他のSFASによって改訂・失効 したものを含む)まで公表されている。なお,APBオピニオンおよぴARBは,SFASおよ びF瓜によって失効レたものを除き,現在も効力を有している。 (注2〕レギュレーションS−X,レギュレーションS−K等のSECの規則(Rules)および解釈のた めの通牒{mterpretative. re1eases)は,SEC登録会社にとって,上記(a)の公式見解に類. する権限をもっているとされている。. (b)第2レベルのGAAP 会計原則を設定しまたは一般に認められた現行の会計実務を説明するために, 公開討論(pubiic. forms)方式で会計間題を審議する専門の会計士から成る機. 関の公式見解。ただし,これらの公式見解は各界からの意見を聴取する目的で 公開されており,かつ上記(a)の機関から承諾済み(cleared)㈲であること が前提である。. 企業の場合についていえば,FASB専門公報(Technical. Bulletins. FTB. ). ならびにFASBから承諾済みであることを条件に,AICPA業種別監査・会計 指針およびAICPA・SOP(注3〕が,第2レベルのGAAPに該当する。 (注3)FTBとは,上述のARB,APBオピニオン.SFASおよびF工Nを遼用するための指針およ 216.

(13) 一般に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 67. びこれらの公式見解において直接に扱われていない会計閥題の指針としての役割を果たして. いるものである。また,AICPA業種別監査・会計指針とは,AlCPAの各種委員会およびタ スク・フォースから公表され,特定業種の特殊な会計・報告原則についての適用指針として の役割を果たしているものであり,これは203条のもとで強制力をもっている。さらに, SOPとは,ASDが一一般大衆の享」j益になると考える方向に会計基準を形成させるため・また. AlCPA業種別監査・会計指針の改訂,整理または勧告事項を提案する目的で公表されてい るものである。これは203条のもとでは強制力をもっていないが,上述した経緯からも明ら かなように,その多くがSFASおよぴ繋種別監査・会計指針に取り入れられている。. 一方,州・地方政府事業体の場合についていえば,GASB専門公報 (GASBTB)ならびにAICPAが州・地方政府事業体に適用することができる. とし,かつGASBから承諾済みであることを条件に,A1CPA業種別監査・会. 計指針およびAICPA・SOPが,第2レベルのGAAPに該当する。. (c)第3レベルのGAAP 」二記(a)に述べた機関によっそ組織された機関および会計原則を解釈もし. くは設定または一般に認められた会計実務を説明するために公開討論方式で会. 計問題を審議する専門の会計士から成る機関の公式見解,または上記(a)に. 述べた機関から承諾済みであるが,各界からの意見聴取を行わなかった上記 (b)で述べた公式見解。. 企業の場合についていえば,FASBから承諾済みのAICPA・AcSEC実務公 報およびEITFコンセンサス(榊〕が,第3レベルのGAAPに該当する。 一方,州・地方政府事業体の場合についていえば,州・地方政府事業体に適. 用することができ,かつGASB」から承諾済みであることを条件に,AICPA・. AcSEC実務公報および州・地方政府事業体に適用することができる会計問題. についてコンセンサスを得る目的でGASBによって組織された会計士団体の コンセンサス(まだ組織されていないがGASB・E1TFなどのコンセンサス). が,第3レベルのGAAPに該当する。 217.

(14) 68. 早希窩日ヨi竃学祭;354号. (注4)AICPA・AoSEC実務公報とは,第1レベルのGAAPで扱われていない細かな財務会計・ 財務報告閥麗に関する指針としての役割を果たしているものである。EITFコンセンサスとは,. 財務会計・財務報告に影響を及ほす緊急間題および第1レベルのG^Pの運用上の諸間題に 関する剛TFの会議において最良の処理であると採決されたコンセンサスであ私. (d〕第4レベルのG鮎P 一般に認められているものとして広く受け入れられてきた実務または公式見 解。. 企業の場合についていえば,AICPA会計解釈指針(Accomti㎎Interpreta・ tions As. AIN. )およびFASBスタッフによって公表された実施指針(. ,Implementation. Qs. and. Guides)ならびに広く認められ,かつ一般にまたはその業. 種において広く行われている実務が,第4レベルのGAAPに該当する。 他方,州・地方政府事業体の場合についていえば,GASBスタッフによって 公表された実務指針および州・地方政府事業体において広く認められ,かつ行. われている実務が,第4レベルのGAAPに該当する。 以上が,U.S.GAAPの現在の拠り所であるとされているが,SAS第69号は, この適用指針として,概ね,次のものをあげている㈱。. (1)ある取引または事象の会計処理が上記(a)のGAAPにおいて規定さ. れていない場合には,監査人は当該会計処理が(a)以外のGAAPの拠 り所(すなわち,(b)ないし(d))によって規定されているか否かを検 討したうえで適用しなければならない。. (2〕上記(b),(c)または(d)における1つまたは複数の拠り所から設 定された会計原則が,当該状況に適合する場合には,監査人はそれが一般 に認められる旨を立証するための準備をしなければならない。 (3〕当該状況に適合する会計原則相互間に矛眉がある場合には,監査人はよ. り上位のGAAPが規定する処理に従わなければならないか,またはより. 下位のGAAPが規定する処理のほうが当該状況における処理の実質を. 218.

(15) 一般に認められた会計原則{GAAP)の再構築. 69. いっそう表現する場合には,その旨を立証するための準備をしなければな らない。. さらに,例えば新しい法律が制定されたり,また新しい種類の取引が生じた 場合には,妥当と思われる会計原則を選択適用することによって,その実質に 基づいて事象または取引を報告することができる㈱とされている。これは,上. 述したように,職業倫理規程203条のもとで強制力をもっている公式見解から 離脱する場合の監査人の指針を述べたものであると解される。. 以上のように,再構築されたGAAPの範囲は,必ずしも会計基準の設定主. 体であるFASBおよびGASBが公表した公式見解に限定されずに,AICPAの AcSECなどの社会的に認められた専門機関が公表した非公式の見解,慣行を 通じて一般に広く受け入れられてきた実務などをも含み,きわめて広く考えら れているといえよう。. しかし,これだけ広義の「GAAP概念」が採用されているとしても,実際 問題としては,企業をとりまく杜会的・経済的諸環境は複雑であり,また急激 に変化し,しばしばこれに伴う新しい実務上の問題が生じることがある。した. がって,たとえ会計原則の専門家である監査人であっても,かかる新しい実務. 上の問題に即応するGAAPの拠り所を見出すことが困難な状況に直面するこ とが少なくないと恩われる。SAS第69号は,このように」二記(a)ないし (d)に拠り所とする公式見解または確立されている会計原則がない場合の手 当ても設けている。すなわち,このような場合,監査人は,「その状況に応じ て他の会計の文献(other. a㏄ountingliterature)を考慮に入れることができ. る」㈱として,「他の会計の文献」を例示している。. ここに「他の会計の文献」とは,企業の場合,「例えば,FASB財務会計諸 概念に関するステートメント(Statem㎝t. SFAC. of. Fimncial. A㏄o㎜ti皿gC㎝cepts. ),APBステートメント,AICPA論点整理書,国際会計墓準委員会. (IASC)の国際会計基準(IAS),GASBS,GASBI,GASBTB,他の専門団体 219.

(16) 70. 早稲田蘭学第354号. または規制当局の公式見解,AICPA専門実務書手引(Technical Aids)に記載されている情報審理室・質問と回答(Tec㎞ical vice. I皿quiries. and. Practice. Infomation. Ser−. Replies)ならびに会計学の教科書,ハンドブックおよび論. 文」㈱であるとされている。また,州・地方政府事業体の場合,「他の会計の文. 献」とは,「例えば,GASBCS,州・地方政府事業体に適用できるGASBその 他これに準ずる機関(例えば,政府会計国家審議会. NCGA. など)の公式見. 解がない場合の企業の上記第1ないし第4レベルのGAAP,APBステートメ ント,SFAC,AICPA論点整理書,IASC・IAS,他の専門団体または規制当局 の公式見解,AICPA專門実務書手引,会計学の教科書,ハンドブックおよび 論文」㈱であるとされている。GAAPの拠り所が存在しない場合に,このよう な「他の会計の文献」を参照することが適切であるか否かは,特定の状況に対. する適合性,指針の特異性,発行者または著者が権威者として一般に認められ. ているかどうかにかかっており,例えば,SFACは,通常,このなかでも影響 力があるとされている。. このような「他の会計の文献」が例示列挙されている趣旨は,GAAPの拠 り所がない場合に,監査人が何でもGAAPとして認められると考え,その選. 択に監査人の主観が介入することを防止し,もってGAAPの範囲を正しく理 解させようとしている点にあるものと解される。また,ここに例示列挙されて. いる「他の会計の文献」は,アメリカにおけるGAAP形成の歴史からみて,. 強制力が付与され,実務に定着しさえすれば,いつでも第4レベル以上の GAAPとしてみなされる可能性をもっている。したがって,「他の会計の文. 献」は,事実上,ソフトGAAPまたは第5レベルのGAAPとして位置づけら れていると解される。そこで,これまで述べた現行のU.S.GAAPの階層構造 をまとめて示せば,別表のとおりであ乱. 220.

(17) 一般に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 別表. 企. GAAPの階層構造. 州・地方政府事業体. 業 の第. SFAS.FIN,APBOおよびARB. G1 Aレ. 立. FTB,AICPA業種別監査・会計. 適用できるとされている場合のAIC声A およびFASBの公式見解. の第. GASBTB,A−CPAが州・地方政府事業体. Aレ Aべ. GASBから承諾済みであることを条件に. G2. 指針およびSOP. さ. れ. に適用することができるとし,かつ. Pル. AICPA業種別監査・会計指針および SOP. の第. 州・地方政府事業体に適用することがで. て. い. FASB・EITFコンセンサスお. る. よびFASBから承諾済みの AcSEC実務公報. 会. G3. 計. GASBS,GASBIならびにGASBSまたは GASBIによって州・地方政府事業体に. Pル. Aべ. 確. 71. き,かつGASBから承諾済みであるこ. Aレ Aべ Pル. GASBによって組織された会計士団体の. の第. GASBスタッフによる実施指針および. とを条件にAcSEC実務公報および コンセンサス. 原. 則. AINおよびFASBスタッフに. G4. よる実施指針ならびに広く認め られ,かつ一般にまたはその業 種において広く行われている実. Aレ Aべ Pル. 務. SFAC,APBS,AICPA論点整理. 計. 規制当局の公式見解,AlCPA. の. 尊門実務書手引,会計学の教科 書,ハンドブックおよび論文. ルのGAAP,APBS,SFAC,AICPA論点. A ルA. 整理書,IAS,他の專門団体または規制. P. 献. い場合の企業の左記第1ないし第4レベ. べA. 文. に適用できるGASB等の公式見解がな. A. A封. GASBCS,州・地方政府事業体に具体的. レG. の. 書,IAS,GASBS,GASBI, GASBTB,他の専門団体または. ζの秦トG5. 他. 州・地方政府事業体において広く認めら れ,かつ行われている実務. 当局の公武見解,AICPA専門実務書手. P). 引,会計学の教科書,ハンドブックおよ び論文. ABRREVIATI⑪N AcSEC. Am. APBO APBS ARB F−N. FTB GASBS GASBCS GASBI. GASBTB. A1CPA Ao亡omtmg St乱od刮拙s E雌c皿tiw AICPA A〔co皿ntmg1皿t巴rp祀t茗Oon AICPA APB Opmlo口 AICPA APB S㎏te皿芭nt AIA Aocolmtmg R甑甑r亡h Bu11皇土m FASB−nterpr敏且t1on FASB Tech皿c茗1B咀u臣七皿 GASB S㎏蛇皿e皿t GASB. GASB. Co皿o里P旋S噛tEm且皿t. Inセ叩re油t1o皿. GASB. T喧曲皿io囲1B皿1−e古n. lAS. IASC. I皿tem繧tmn乱ヨAcoou皿せ皿g. SFAS SFAC SOP. FASB. S協t{皿ont. FASB. S士目t担me皿t. AICPA. CommI肚舵. S胞tom已nt. oi of. of. S胞nd固rds. FI日封皿c固1A㏄o1mting Fm且nc噛1点㏄o皿nt{口g. S幅皿d圃rds Co而o巴p値. Po量甘mn. 221.

(18) 72. 早稲田衝学第354号. w.あとがき GAAPは数次の統一・拡張を経て,今日,再構築されたが,それは必ずし も首尾一貫した会計理論体系に基づいて行われたのではなく,むしろその多く. は実務からの要請を通じて行われたといえよう。すなわち,過去半世紀にも及. ぶGAAP形成の歴史を跡づけてみると,財務報告実務の統一を目指して一般 に行われている会計実務のなかから優良な会計実務のみを蒸留し㈹,これを選. 択可能なGAAPとして一般化し,次いでこの選択可能なGAAPの幅を狭めて いくという方法㈱で構築されてきたといえる。しかし,実質的に権威のある支. 持を得ているGAAPが増加するにつれて,その適用指針・解釈指針の役割を 果たすより詳細かつ具体的なピースミール的GAAPが必要とされるようにな. り,GAAPは,好むと好まざるとを問わず,逆に,多様化せざるを得なく なってきた。. 結果自勺に,FASB会長De㎜is. R.Beresford氏が「U.S.GAAPは他のどの国. よりも質と量の両面において厳密である」㈱と自負するGAAPが構築された反 面,「外国企業は膨大かつ詳細すぎるアメリカの会計・開示規定に準拠するこ とを嫌がり,その有価証券をアメリカの市場で募集またはアメリカの証券取引 所に上場することを避け」帖邊るようになり,また,ビジネス・ラウンドテーブ. ル(BRT)等の産業界からは「U,S.GAAPはあまりにも詳細すぎてアメリカ 企業の国際的競争力を削ぐ」㈱とか「アメりカ企業は基準がさほど厳密ではな い外国企業と競争しなければならないので不利である」㈱と誇られるべきU,S−. GAAP,ひいては会計基準設定主体が批判の矢面に立たされている。. 国際的な財務報告制度が現実味を帯びてきた現在,U.S.GAAPはあまりに も詳細すぎるがゆえに,その調整間題も深刻であるといえるのではなかろうか。. すなわち,規制当局と会計基準設定主体は,一方で投資者にとって必要な情報 の質と量を損なうことなく,他方でアメリカ企業に競争上の不利を被らせるこ. 222.

(19) 一般に認められた会計原則(GAAP)の再構築. 73. となく,国境を越える資本移動を促進できる会計基準をどのようにして設定し,. 適用すべきかというジレンマに悩まされている㈱。さらに,会計基準設定主体. は,例えばIASC基準とu. S.GAAPとの調整ひとつとってみても,それは困. 難であり,ましてや世界的な規模で財務諸表の比較可能性を確保しようとする ならば,多くの経済的,政治的,文化的ハードルを跳びこえながら,非常に多. 方面に及ぶ差異の解消に努めなければならないという問題に直面しているとい う㈱。しかし,「アメリカの会計環境においては,u. S.GAAPを詳細でなくす. ることは至難のわざであり,またU.S.GAAPに匹敵する詳細さを国際的に受 け入れさせることも同じように困難」㈱である。そうであるとすればアメリ カ・サイドとしては「近い将来,普遍的に認められる国際的な会計基準を作る. ことは明らかに不可能であり」㈹,別の調整方法に目を転じざるを得ないこ とになるが,たとえ2国間相互承認(mutual. reco馴ition. or. reciprocal. agree−. ment)方式等の別の調整方法であっても,精粗の程度はともかく,早晩,国内. GAAPの調整問題が顕在化してくることは必定であるといえよう。そうして みると,粁余曲折を経て再構築されたU.S.GAAPであるが,再び見直しされ る日はさほど遠い将来ではないのかもしれない。. 創1〕ちなみに文献を渉猟した結果,その主なものをみてみると,次のとおりである血. まず,ユ936年1月に公表されたAIAの「独立公共会計士による財務諸表監査(E畑minati㎝of 酌nancial. Stat㎝e血ts. by. lnde脚d邑口t. Pub11c. A㏄o㎜tants〕」の会計士の報告書においては「認め. られた会計原則」という用語が用いられている。次に,SECの当酵の主任会計審査官である. CamanG,Bloughは1936年12月のアメリカ会計学会(AAA〕の隼次犬会の講演において 「rGAAP』という溺語は,会蕎f学の文献において,とりわけAIAおよびSEcによって広く用 いられている」と述べ(C邊r皿細αBlo㎎h,. The. Need加r. A㏄o㎜ピ㎎Primjp1闘. ,ルτω旭舳ぎ伽. 切棚、March1937,p,31)、すでにこの当時「一般に」という副詞が付加されていることを示唆し. ている。しかし,RGr劃dyによれば,GAAPという用語は,TheMcKess㎝andRobbi皿s会社事 件を契機に,1939隼に、AIAの監査手続委員会が「監査手続の拡張(E池皿sions oiAud・ting Procedure)」のなかの監査報皆書の意見文節の用語として用いたものである{P汕1Gr乱dy、 1阯 甘entory. of. Ge口emuy. Accepted. A㏄omtmg. Pri皿c1ples. {荊g地醐螂伽九∫伽吻灼.71965,AICPA,pp.47−52). for. B衙siness. E耐erpris鑓},λ1CP. ・λ6む榊伽. という。. したがって,文猷上,GAAPという用語がいつ頃から用いられるようになったのかについて. 223.

(20) 74. 早稲囲商学第354号. は正確には明らかではないといわざるを得ない。 {2〕. A1A,Correspo皿dence(1932−1934)、. Excha回騨oれhe Stock. Amerlcm. Exch劃nge},. 13〕Carm刮n. (in. hstitu旋of ノユ別d砿∫. of肚e. oヅCo物四蛇λ. Uniwτsity. of. Reed. on. C⑪oPeration. St㏄k. List. of. w1曲Stook. the. New. York. G.B1㎝gh,. Dew1opm舶tof. A㏄o㎜d皿gPrinciples c伽〃伽g,SchooI. i口the. of. United. Busir■ess. St囲tes. ,. Admmistration,. Cauforma,Berkeley,1967,p.3.)o. GeoTge0.May,. 23.. Co皿皿it嘘on. co刎刑地〃里、Sept.1932).. B〃㎏1紗∫ヴ榊伽∫肋棚㎝f加月伽〃〃㎞olF{刎π伽1月. {4〕. Speci囲1Co皿mit柾e. the. G.B1㎝ghも,この委員会の勧告は,「今日の標準文言である『GAAP」の先駆であっ. た」と述べている(Camm in. Report. Acoo皿n血n悔to. Generally. Accepted. Pri口ciples. of. K.Storey,丁加∫刎κκア〃λcc舳椛免荊g. Accountmg. Pガ伽ψ. ,∫ωη吻. oアλf伽舳伽岬,Ja口.1958.p,. 鮒一Tod妙㌔Pτ肋加㎜〃P〃功2. ‡ω僅,A工CPA,. 1964,P,11.. (5〕伽d. (6〕この根拠条文の翻訳については,新丼清光・広瀬義州「国際財務会言†基準」中央経済社、1989 年,160−161頁を参、照されたい⑰ (7〕. SEC,Acむo也械伽旦∫〃惚茗地㎏㏄{(A∫亙)Nα4=Ad伽{伽s赫成初畠Po. 批ツ〆F洲皿榊棚互S…砒ε閉醐お,Apri125.. 1938.. {8). Ma鵬haH. λむ. {9) OΦ. S.Arms打o皿g,. Some. Thoughts. on. Subsねntla−Alエthoritative. Support. 1,土㎏J伽〃醐ユぴ. ω舳胞伽ツ,Apri11969,pp,44−50一. Car皿a皿G.B−ough、功.o砿,p.176.. SEC、λ∫RjV血150j∫勉加㎜〃foヅP四此りo〃. 邊〃S施〃〃d5,D虐c (11〕. Den皿is. 2挑吻阯一∫此珊蛇地f蜆刑d∫伽伽螂リ2伽{〃oグλむむσ阯仇抗瑚gP蜆他蜆抄1郷. 20.1973. R.Beresford,. The. FASB−AcSEC. RelatloIlshlp−Cooperatlo口. or. Co11飢ct?. ,Fλ∫B. γ1EWP01WT∫,J≡m.23.1992.pp.6−8,. 112〕これは,SECを原告とし,Contimntal Ross. V㎝dmg. Machi皿e社の監査を担当していたLyb囎nd,. BT0s.&M㎝tgomery会計事務所(現Coopers&Lybr割nd)の2人のパートナーと1人のマネ. ジャーを被告とする事件である。この事伜において,最高裁はGAAPに準拠して作成された財務 諸表に対して適正意見を述べた上記の監査人に対して,「一般に認、められた基準(ge舵rally a㏄ep蛇d. sta皿dards)に準拠したということは,監査人が善意に行動したことの証拠としてはきわ. めて説得力があるが,必ずしも決定的な証拠ではない」として,「1934隼証券取引所法」違反の不. 実記載についての刑事責任を課した(σ伽肋∫肋ωω竹oヅλ柳眺μ止加∫2r〃α伽砿一N03, 562,563,564一∫ψ地棚凸〃τ召〃π1968,Record The. Conti皿enta1Vending. 34一里C. 日nd. J. Case−Lessons. Herma皿. for止he. Brassea1』孟. and. 〃蜘物苦㎞、∫榊肋一W鮒酬p州。∫此伽g (1劃. The. Commissio皿oIl. Auditorsl. Pre閲I口c.,NY,NY,Nov・13.1969. Profess孟oI1}、∫ω閉如. Francls. oチλc. Davld. B・IsbeH,. ㎝吻施伽ツ,Aug.1970,pp.. L.Miles,τ加λ〃〃〃きR宙柳工一丁加. Cω埋. 皿〃. Co.,1972,pp.141−163等を参照〕。. Respo皿sibilides、亙φ〃、C伽. 螂㎞皿切R. ㎝眈舳伽f㎞(C齪㎞. R直榊)、AICPA,1978,p−15嶋羽至英訳「財務諾表監査の基本的枠組み」白桃書房,1990年,29 頁).. ○砧. AICPA,S加o伽三B旭肋!加=D{∫. b∫〃置ψD物伽椛∫㎜刎C似地ω珊0チλoα刷淋励厚P〃伽ψ屹∫B螂〃d,Oct. 1964,P,1.. ㈹. Marsh洲S. Armstrollg.功、. 庄、p−45,. 1工⑤1腕,. (1カ1胴. 224. なお.『適正表示」と「GAAP」の関係については,拙稿「監査報告における意見表明の.

(21) 75. 一般に認められた会計原貝〕G鮎P)の再構築 意味」旬刊商事法務,1992年3月5日号(No.1277〕,2−9頁を参照されたい。 {1尋. AICPA・Accountmg. Prmcip1es. Bo且rd(APB〕,∫勉姥伽〃肋〃肋4εcω肋1{惚戸宛伽吻伽8o皿〃4−B口∫κ. C伽伽μ∫囮〃A㏄ω〃伽厚p侃伽{クk$σ刊加7伽冊gF物ω㏄刎∫肋加閉舳始oヅB洲伽鮒∫E捌f仰㎏ω,AICPA,Oct ユ970,par (工9. ユ38.. /b−d.. ⑫Φ. Donald. E.K1eso㎝d工erryJ.We鵬rand,〃舳昭肋蛇λ㏄伽械棚厚,7th. ed,John. Wley&Sons. inc.,. 1992,P.15. (21). Dennis. R.Beresford、. Emergi皿g. Problems:How. the. Profession. ls. Coping. 、伽榊畑{ψλ亡伽〃勉伽ソ,. Feb.ユ981,p.57 〔2均. Don訓d. ㈱. 1M. (測. Denn1s. E.Kieso. a皿d. Jerry. J,W豊ygra皿d,功.. 故,p.15.. R.Beresford,ψ.伽直,p.57.. (25〕∫M,P.58. ⑫⑤. SEC,λ∫月N皿19=1帆f加ル胞肘〃oゾ〃. Kω$伽屯&Ro肋肋5,1伽一一∫批榊伽肥りl. oヅF肋d伽g茗凸〃Cσ肌1払5舳,. Dec.5.1940. ⑫力. SEC,λ∫R. No. 177j. Noエκ. oゾλd功#伽〆λ伽岩〃棚追刑おfo月oγ例10−Q刮珊d亙召身加;蜆炊榊∫一X亙3身口〃伽厚. /絨2蜆肌F{蜆o伽一〇1R榊一珊厚,Sept.ユO,1975.. ㈱. A工CPA,αぬθダP研ψ$5㎜1C㎞蜘エ(as. (2勃. AICPA・ASB,. Princlp1es. ioせle. 1975,pars,C2 (3Φ. Dennis. αt.p58.. The. Me加ingo韮. I口d亀pe皿dent. and. ame皿ded. Prese回t. AudltorIs. Fairly. May20,ユ99ユ).ユ991,p.12、 in. ConformIty. with. Gener汕y. Report},∫勉施伽刎底o悦λ加d{肋昭∫娩. Ao㏄pted. Accounting. doゴ必く∫λ∫)Nα5,July. 05.. R.Beresford,. The. FASB−AcSEC. Rober士S.Lavme、一一FASBコAICPA. Re1ationship1. ,θ少c狙,p.6and. Excha口geCoo1Not直s},λ. Emergi口g. むoo醐克冊星. Problems. ,ψ.. τo4⑳,Aug−27.1990,. P.3. 馴). Dona】d. (32〕. E.KIeso帥d. Jerry. J. Wey盟a皿d,砂.. ∫地地㎜召〃∫oチpo由倣閉α例d. 州α. 2θ),Sept. 1979.pars.1.2aIld. 0mnibus. 4. AICPA・ASB,. (鈎. P目皿1Gr副dy,妙.む汲,1965,pp.23−57.. AICPA・APB,St副tement. ㏄f北側肋λ∫CPλ. G閉d鯛ω一4oω〃材舳厚邊〃λ別d伽伽g〃皿伽附(皿侃λ㎜2伽1伽刎‡ψλPB0が冊世閉. (33. (35〕. よ,p,ユ5.. FASB,∫FX∫Nα32,∫卿c加加朋dλむむ例〃伽厚沮蜆d肋加rf伽星Pア{眈砂1珊血〃. S㎞旋m把nt. of. APB. o口Auditmg. Standards1987. ,∫λ∫柵血52.Apr111988,par−8. No,4、功.c紘,par,139.. ㈱新井清光「企業会計原貝聰論」森山書店,ユ985隼、395頁。. (3力新井清光「会計基準の国際的調和」税経通信,第67巻第1号(1992年),5頁竈 (鋤. ムーニッッ教授も「AAAから■出されたものの影響は見きわめることができないほど大、きい。. しかし,それは会計実務についている者に対しては注目すべきほど直接的に大きな影響を及ぽさ なかった。」と述べている(Ma咀rio篶Moomtz、山0btaini㎎A餌舵ment㎝St邑nd乱rds1凪㎞e. A㏄ountl㎎. Professioバ、∫肋4伽初Aむ醐泌惚地3物陀庖荘8,AAA,1974,p,12)。 ㈱. AICPA・ASB,SAS. (ω亜. No,52,ψ.f砿.,p割r.ユ.. FAF,丁加∫f㎜肋倣伽蕊肱舳な五肋蟹戸痂岨榊虹1λfω凹. 他加脳∫工榊主舳雷チ倣朽㎜郷惚. λfα捌淋{㎎∫施伽加. ∫f伽伽㎡冊亙ア脈E3肋拐な絨珊厚G砒早舳腕棚蜆王λf. 伽9∫肋珊4邊. ∫j五棚ガま加C伽睨例{雌碗土0. ぬ,ja皿.26.1989,pp13−26.. FAF. a皿d. GASAC,τ加. 肋閉;伽苫∫施刊伽〃∫二亙榊砂伽違C伽蜆伽批狛僅肋Rω蛇ω. ∫丘伽;洲直兵庁0o螂釧閉棚沮;λむむ榊祝脇g∫施〃皿fぬ,Jan−26.1989,pp,2−4乱nd. p.10et.刻.. GASB,^GASB. 225.

(22) 76. 早稲田商学第354号. JurisdictioIl. over. Spoda1E皿tity. Co皿tinued. λεcα舳苗初厚∫肋珊加勿5∫加ωN皿 胆1〕. Paul. ed. by. {側 ㈹. B. W.Miπer、. D.R. Doug屹s. Demis. Accounting. Camichael,S.B.Lilien Sau屹r,. 乃掘.,p.31,. {側. Fina皿cial. Remoddmg. FAF.ψ. l. Hierarclly. to. be. Revlsed},λ. 伽閉R卿〆0ω伽棚㈱o1. 66(Dec.工989),pp,1−3,. the. R畠gulaOon. md. M. H01』se. a皿d. Organizatio珂s}(in. Aεco一■械肋施1Ho肋boo毘,. Mdlm釦,7凸edition,Joh皿Wiley盈Sons,1991,p・2・27)・ of. GAAPI1,∫例〃刎ψλoω別〃o肌皿JuIyユ991.p−30一. α宜,p−13一. R.B町es{ord、. The. FASB−AcSEC. Re1a1]o皿sh1p},ψ.d互,p.8. 145〕D㎝glasSa肚・,功.α止.P.31,. ㈹. 1M.. {4力. AlCPA・ASB、. Prmcコples. m. The. Me邊ningofPresentFair]y. lndependent. A1』ditor. s. il]Confor皿ity. Report、,Exposure. wlthG僅nera皿yAccepted. Draft,肋物32d5肋加例舳士. Accounti皿g. 閉λ批d{加弼g. ∫肋伽ds,M町31.1991. ㈱. Dennis. ㈱. AICPA・ASB,. R.Beresford、. Primlples {5⑪. The. The. FASB−AcSEC. Meam皿gofPresent. in㎞僅工ndependent. ReI囲tionsh1p. Fairly. AudltorIs. in. Report. ,ψ. 北,pp.8−9,. ConfomitywithGenera11y 、∫λ8No. 69,Jan. Accep士ed. Accounting. 1992. 1b{d,P與r.2.. ⑮1). ∫肋d、. {52〕. 1肋d,pars.5,10乱万d. ユ2.. 闘. A工CPA,Cod2〆P榊%∬伽吻1C倣〃側cf,as. ㈱. AICPA・ASB、. 一Report. on. S施捌也跡必,1991,AU. ㈱. Audited. Sec. adopted. Fma口cIaI. jan.12.1988,p.11.. Statements. .C口〃伽固κ㎝川ヅ∫肋加棚刎エ∫㎝一λ刎d一此祝吾. 508,pars.14−15. 「承諾済み(dea鵬d)とは,会計墓牽設定主体が暫定的公式見解の公表に反対しない旨を述べ ることをいう」{AICPA・ASB,SAS. (5⑤. No.69、ψ.む倣,p.3)とされている。. 1胱d、,Par.7. 垣カ. !btd.、P囲r.9.. 鯛1脳、Par.11. ㈱. 肋泓. 循①. ∫肋d,Par.3.. (61〕. ㈱. Reed. K. Storey、ψ.α庄..p. D.R,Cヨmichael,一 λ. ㈱. o阯刑{伽ツ、Nov. Demis. {鈎. 1974,p. R.Beresford. F{蜆皿伽…皿1E■. Demis. R. 47.. Wh且t. What. 免〃{,June. Does. the:ndep㎝dent. Auditoゴs. Opinio皿R僅刮ny. Mea皿?冊、伽伽. ψ. 85. s. the. FASB. Doi皿g副bout. I口temati㎝al. Accou皿tmg. Stmdards,1I,. 1990,P.ユ9.. Bere豊ford,Tinanciai. Reportil1gl. Comparabihty汕d. Co皿pet1七〇n一. ,Fλ∫B〃EWP0∫WT∫,. Nov.8.1990,p.2.. ㈱RusseHE.P刻弧er,^Fin汕ci記Reporti1lga皿dStalldardSetti口g−APerspectwゼ、(mF〃吻仇dω R直榊{惚匝侃d∫勿珊d〃d∫直肋批&ed.by. ㈱. Gerald. I. White,山The. GaσJohn. Com㎎Deregu1atm. Previts,A工CPA.199ユ,p−5)一. ofA㏄omti㎎Pri口cip1es咀,{in. G岬Jo㎞Previts(ed一),. Fi日㎜d齪1艮。Po・ti㎎且・dS曲・d・・dS・ttmg,肋,P,37). ㈹. De皿口is長一Be舵sford,. ht{m地o皿alizatlo皿o{Accou血ting. S屹ndards. .λ[o舳倣初g. H㎝恢㎝嚇,M酊ch. 1990,P.ヱ01.. ㈱. D㎝日is. 226. R,Beresford,. What. s血e. FASB. Doing固b㎝t. I皿temdona1A㏄㎝ntmg. S屹ndards?. 、功一c北,.

(23) 一般に認められた会計原則(GAAP)の蒋構築. 77. p18、. ㈱ ㈹. 1M 1b泓. 227.

(24)

参照

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