• 検索結果がありません。

九州大学学術情報リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "九州大学学術情報リポジトリ"

Copied!
32
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

都市圏域の構造把握とそれにもとづく広域的道路網 の評価に関する研究

吉武, 哲信

https://doi.org/10.11501/3071400

出版情報:Kyushu University, 1993, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第3章 都市圏域の基本的構造特性とその経年的変化

3.1 序

前章では, 都市圏域の設定をできる限り存観的に行なうという観点にもとづいてそ の手法の開発を試みた. その中で, 圏域は地域間流動を用いて境界内外の等質・異質性 が明確になるように設定されるべきであることを論じたが. これを実現するために,

圏域結合性, 境界強度という2つの概念を新たに導入した. この結果. 圏域は地域特 有の結合現象を反映しながら. 場合によっては1中心ゾーンを複数の境界が同心円状 に取り巻く多重境界圏域として設定されることとなった. 多重境界圏域は, どの境界 にもとづく圏域を考えるかという圏域規模の選択を可能にするものであることから,

本法は地域全体をより柔軟に把握する都市圏域設定手法であるということができる.

ところで. 分析都市岡域の設定手法がいくら客観的であったとしても, その結果設 定された分析都市圏域がどのような特質をもつかは, 改めて明らかにしなければなら ない課題である. この分析都市圏域の基本的特質は, 2つアプローチから明らかにで きょう. 第1は, 多くの設定された分析都市圏域が全体としてどのような特質や傾向 を示すかを明らかにするものであり, 第2は, 個々の分析都市圏域がどのような構造 をなし, またどのように変化しているか, あるいはそれらがどのような要因により規 定されているかを明らかにするものである. 換言すれば, 前者は設定された分析都市 圏域そのものの基本的特性を, 後者は設定分析圏域を用いて対象地域の地域構造を明 らかにするものである. これらは目的がそもそも異なっており, また, いずれも詳細 で多くの分析を必要とするため, 前者は本章で, 後者は第4章で論じることとする.

本章では, 具体的には以下の分析を行なうこととする. すなわち, まず提案圏域が 他手法による分析圏域や, 実際に行政計画上用いられている制度圏域とどのように異 なり, またどのような特徴を有しているかを検討する. 次いで, 圏域の空間的構造特 性と題し, 圏域の境界や圏域の規模などを主眼におき, 圏域の空間的構造とその特性 を明らかにする. さらに. 圏域の結合性と題し. 圏域が場としてもつ完結性や流動性 といった内容の圏域結合性を論じ. また結合性と空間的構造の相互関連性を論ずる.

そして最後に. 圏域の社会経済特性として. 中心や圏域の社会経済特性を明らかにし.

またそれらと圏域の空間的構造, 圏域結合性との関係を論ずる.

以上4つの観点から分析を行なうものであるが, これらを通じて, 圏域がもっ諸特 性. 特に提案圏域に特有の圏域内外の同質-異質性の概念, 多重境界構造や重複性と いった圏域構造. さらには圏域結合性. 境界強度といった諸属性の性質や相互の関連

.18

3.2 従来の都市圏域との比較

3.2.1 従来の設定手法による分析圏域との関係

図3-1は, 初阿部市悶(昭和60年)について. 本研究の提案手法による閤域を(a) に, 従米からよく用いられている最大流法. J�.越流法により設定される圏域を(b)に 示すものである 2.2 に述べたように 最大mt法は各市町村の最大流出率のみに着目 し, その中で福岡市への流山率がある基本航以上であるもののみとの結合関係を認め 圏域とするものである. また, 卓越流法は情岡市への流出率がその基準値を越えるも のすべての結合関係を認める手法である. なお. この基準値は, 提案手法との対応関 係をみるために5%としている1)

図より, 最大流圏域は福岡市とその周辺28市町村で構成されている. また卓越流圏 域は最大流圏域に16市町村が追加され, 福岡市とその周辺の44市町村よりなる. こ の最大流圏域と卓越流圏域の相違は, 北九州都市圏と重複する岡垣町, 唐津都市圏と 重複する浜玉町と, 高Ij次中心ゾーンである飯塚市, 甘木市, 久留米市, 鳥栖市の各都 市圏に属する町村である.

他方, 提案手法による福岡都市圏域は, 大きさとしては両者の中間的なものとして 位置づけられ, 福岡市とその周辺3.5市町村よりなる. 卓越流圏域との主な相違は. 飯 塚市. 1j木市, 久留米市, 鳥栖市といった副次中心ゾーンの圏域に属するもので, か っ福岡市から比較的遠方にある市町村が除外されていることである. このことから提 案手法は, 最大流法に比べ. より多くの中心ゾーンと関係のあるゾーンを圏域として 認めながらも. 卓越流法のようにその関係が相対的に希薄なゾーンまで圏域内に取り 込んでしまう問題からは免れているといえる.

次に, 福岡都市圏の多重境界構造と地形との関係についてみてみよう. 福岡都市圏 は4重の多重境界構造をなしている. 各境界の流出率基準値は, 第2境界から)1債に 7,25,3,1%である. 最外圏域は, 第2境界で設定される圏域に, 追加ゾーンである飯塚 市, 大島村, 若宮町を加えてえられる圏域である. 図より. 各境界は山地の影響を受 けて設定されていることがわかる. たとえば. 第2境界は, 飯塚市と若宮町を最外圏 域から区分するものであるが, これは三郡山地による地形境界と一致するものである.

この他に境界の多くの部分が山地に一致していることを考えれば, 本法により設定さ れる圏域構造は, 結果的に地形上の諸条件を反映したものになっている.

さらに. 圏域の境界と他中心ゾーンとの関係を検討すれば以下のとおりである. 図 小・印は, 自らも圏域を構成する高IJ次中心ゾーンを示しており, 宗像市, 福間町, 古 賀田J. 飯塚市, 粕屋町, 志免町, 太宰府市, 筑紫野市, 甘木市, 久留米市, 前原町, 烏

50

(3)

副次中心ゾーン 福岡市

最大流圏域

(流出率基準値5%)

追加ゾーン 流出率

34%---

25%---

7%�

山地

問国国昌一

m

卓越流法で最大流図版iこ

新たに追加されるゾーン

福岡市

圃 性を明らかにするものである. なお, 分析対象は北部九州4県302市町村であり, 圏

域内容の詳細は付録1"'3に示している. また, ここでの圏域はいうまでもなく分析都 市圏域であり, したがって特に断らない限り. 都市圏域や圏域の用語は分析都市圏域 と同じ意味をもつものとして使用している.

提案手法による郎市閣域と従来の手法による圏域 図3-1

(4)

栖市がこれにあたる. これらの副次中心ゾーンを圏内に取込む直前または直後にほと んどの境界が設定されていることが明らかである. また. 重複ゾーンはその数が多い ため図巾には示していないが, 境界はこれらのゾーンとも関わって設定されている.

以上より, 最大流法. �.風流法による閤域と比較すれば, 提案手法により設定され た悶域の境界は. 結果的に地形上の制約. 他中心ゾーンの影響をも考慮しながら, 圏 域構造の実情を明らかにするものであるといえる.

3.2.2 制度圏域との比較

図3-2は. 福岡県における提案手法による都市圏域 (昭和60年)を (A)に, 制度圏 域としての地方生活閣とその二次生活圏, および広域市町村圏を (B)に示したもので ある. ただし. (A)図においては, 都市圏域の構成市町村を実線により結んでおり. 主 中心ゾーンを・印, 高IJ次中心ゾーンをA印で表わしている. 図より, 北九州地方生活

圏および二次生活関レベルの八女, 大牟田. 田川広域市町村圏といった圏域が提案圏 域に槻ね一致している. しかし, 福岡地方生活圏および久留米二次生活圏, 直方-鞍手.

飯塚広域市町村圏は提案圏域と大きく事離していることがわかる. 提案圏域の経年的 な比較より, これらの事離が大きい圏域は, 地域構造の変化が大きい地域に存在して いることは明らかである. したがって, 行政計画上の圏域が. 昭和40年代当初にその 時代の状況と従来からの行政界を基本に設定され, その後の変化に十分対処しきれて いないことが読み取れる. 行政計画の継続性を考慮すれば, こうした行政計画の制度 圏域を軽々に変更することは望ましいことではない. しかし, 福阿部市圏のように変 化が著しいところでは, 地域のその時点の実情および将来の展望を考慮、した見直しが 求められ, そのことにより, より現実的な行政計画の立案が可能になると考えられる.

52

、�\\

(^ ) 提案手法による都市圏域

:

有11月 /H1l

4直己}(大牟Irl)

久間米・大本凡!l也プJ生活困

( Iì ) 制度閤域

一ー一 地方生活圏界 地/j生活阻名 ーーーー 二次生活問料 (二次生活問手当)

一一一一 仏・岐市町村図, 大相貯7 周辺地I紅以行政幽界

(地方生活圏と共遇の場合、

綜に一本化 地方生活中心mmi 二次生活圏111心m�ïIi 相�"jt也}或

図3-2 福岡県における出Tli悶域と計画圏域

(5)

3.3

圏域の空間的構造特性

本節では. 圏域の空間的機造とその変化を論じるが, その具体的な内容として, 境 界の特性, 最も外側の境界で囲まれる長外悶域の特性, および最外境界以外の境界(内 部境界)で四まれる内郎悶域の特性の3つの観点が考えられる. ここで, 境界の特性 とは, 主に境界の空間的位置とその変化に関するものである. また, 圏域に関する考 察を. 最外圏域と内郎悶域に分けるのは次のWltlによる. すなわち最外境界は, 追加

ゾーンを合んで調?を的に位置づけられる境界であるため, 内部境界と異なり, 流出率 基準値, 境界強度は定義できない. また, 閤域の観点からみた地域全体の空間構造(圏 域システム)を論じる際には. 地域の実態を反映しながら設定される内部圏域でなく.

ほぼ一律の基準で設定される最外境界による圏域を用いることが望ましいといえる.

ゆえに本節では, 最外圏域と内部圏域を分けて論じるものである.

3.3.1 境界の特性

ここでは, 境界の位置の経年的な変動に関し検討を行ない, 提案手法の有効性を検 証し, また, 設定圏域の境界の基本的特性を明らかにしよう.

まず, 境界の位置の変化に関し検討しよう. 表3-1は, 設定圏域の多重境界が経年 的にどのように変化するかを明らかにするため, 福岡都市圏を例にとりその多重構造 を示したものである. 福岡部市圏は. 昭和.JO年から順に8ム8,8,4重の多重構造をな しているが, これらの5f次の各境界で設定される個々の圏域についてそのゾーン内容 を比較すれば, いくつかの経年的に安定した閤域が見出せる2) すなわち, 昭和60年 の7%閣は. 5.5年および50年の7%圏とまったく同ーのものである. また, 昭和45年 の6%圏は, 50年の7%圏に浜玉町(佐賀県)を加え, 岡垣町, 桂川町を除いてえられ,

昭和40年の5%圏は, 4 5年の6%圏から筑穂町を除いてえられる. 以上のような関係 は他の境界についても認められるが, それらを筏式的に表わせば図3-3のとおりであ る. また, 図3-4は比較のため, 卓越流法と最大流法(流出率基準値5%)による圏域 の経年変化を模式的に示したものである. 多重境界と一重境界の圏域をそのまま比較 することはできないが. 両図からも提案手法が特に卓越流法に比して経年的に安定し ていることが明らかである. また. 提案手法は卓越流法と最大流法の中間的な位置を 占めるが, 設定圏域は最大流法による圏域に比しても特に変化しやすいというわけで もない. 以上と同織の傾向は北九州都市圏でも確認できる.

このように提案手法では, 境界が圏域全体の結合性にもとづいて設定されるため(追 加ゾーンを含む長外岡域の境界は除く). 経年的に安定した圏域が設定される傾向にあ

5.1

S40 S45 S50 S55

一大島 +大島

SGO

* ー一ー一一ーーー唱F ー一一一ーー一一・- *

+筑槌

+岡垣 桂川

5 6 7一一一一一一ー7一一一一←7

12

一浜玉

+/J�官 若摩

13

20 22 21..._一志摩 一小出

... +志摩

...25 一一一一一←25 +前原

福間

26 29、 -- 28 29

+前原 \

"""- +二丈

32 36 35,

...一手美

,;> 37

十期間川

43 44

46

39/

47

(数字は流出率基準値(%), *:追加地境を含む境界)

44

図3-3 福阿部市圏の経年変化の模式図

る. 前節でも触れたが. 実際の地域計画の範囲として用いられる圏域は制度の継続性 という面からは安易に変更, 修正されるべきではないが, 時間の経過とともに, 実際 の地域構造から大きく事離することも避けなければならない. この意味では, 実際の 地域構造から事離することもなく, かつ経年的に安定している圏域を設定できる提案 手法は地域計画上の有効性をもっているといえる.

次に, 多童図域の境界が空間的にどのような変化をしたかを検討しよう. 図3-5は,

稿阿部市圏について. 昭和40年から60年まで5期の多重圏域の境界を地図上に示し たものである. この図から最初にわかるのは, むしろ圏域の境界が比較的変化しない ことであるが. まず はどのようなところに境界の変化が起きているかを検討してみよ う 図から, 境界が変化しているところは概ね北九州都市圏との重複部分, 福岡市の 束-南近隣部. 烏柄市.-11木市cdol久留米市の周辺. そして飯塚市周辺である. 圏域の

55

(6)

S40 S45 850 855 S60

十岡垣, 笹川. 十飯塚, 大島, +碓井 +大島, 三編,

筑栂, 大木, 若宮, 穆波, 朝倉

三瀦, 中原 北茂安 ー大島 一中原

車脳流法 30 36 41 41 43

+飯塚, +宗像 +大島

大島 一大島

最大流法 25 25 27 27 28

注)数字は周辺ゾーン数を示す.

表3-1 福岡都市圏の内容(1) 昭和40年

基準流出

|

周辺ゾーン(30市町村) 率(%)

5 I久留米市, 甘木市, 玄海町, 三輪町, 北野町, 大万洗町,

鳥栖市, 浜玉町

12 I小郡市, 宗像市, 夜須町, 志摩町, 基山町 20 古賀町, 福間町, 津屋崎町, 前原町

26 I二丈町 図3-4 従来の設定手法に よる圏域の経年変化の模式図

29

3 6

qJ qJ A1 A吐

筑紫野町, 那珂川町, 篠栗町, 新宮町, 久山町 字美町

太宰府市, 志免町, 須恵町, 粕屋町 春日市, 大野城市

多重性自体が昭和401fから 8,5,8,8,4重と変化していることを踏まえ れば境界の位置 変化を一概に論じることはできないが, 境界の変化は, 圏域の拡大部. 他都市圏との 重複地域, 高IJ次中心ゾーンの勢力が及ぶ地域に多くみ ることができる. これらの地域 は. 中心ゾーンの勢力が交錯しているところであると考えることができる.

昭和45年

基準流出

|

周辺ゾーン(30市町村) 率(%)

6 久留米市, 甘木市, 小郡市, 宗像市, 玄海町, 筑穂町,

三輪町, 夜須町, 志摩町, 北野町, 大万洗町, 鳥栖市,

基山町, 浜玉町

古賀町, 福間町, 津屋崎町, 前原町 二丈町

筑紫野市, 宇美町, 篠栗町, 新宮町, 久山町

春日市, 大野城市, 太宰府市, 那珂川町, 志免町, 粕屋町

3.3.2 最外圏域の特性

ここでは, 地域の階層構造, 重複地域, 圏域の多重性(多重圏域の境界数), 圏内ゾー ン数, そしてそれらの相互関係に着目しながら. 多重境界圏域の最も外側の境界で設 定される最外圏域について, その空間的構造と変化を検討する3)

29

6 4 2 2 3

4

(1) 地域階層構造とその経年変化 表3-2に. 北部九州4県(福岡, 佐賀, 熊本,

大分県)について, 各階層に属するゾーン数を, 昭和40",60年に関し示す. 表より, 主 中心ゾーン数が次第に減少する一方で, 高IJ次中心ゾーン数が急激に増加しており, 地 域空間構造の系列化が着実に進展していることがわかる. 主中心ゾーン数と副次中心 ゾーン数をあわせた中心ゾーン数は, 昭和40年から順に 68,71,79,91ぅ96 である. 昭 和45",55年で急激な増加を示したが, それ以降では伸びが鈍化したといえる. 昭和 45",55年 は. 経済成長が著しく, これにともなって圏域形成が活発であったが, それ 以降は. 鎮静化したということもできる. 因みに中心ゾーン数が全市町村数 302に占 める割合は. 昭和10年 から順に, 22.5, 23.5, 26.2, 30.1. 3l.8%であり. 昭和60年で は 3割強のゾーンが主中心. 高IJ次中心のいずれかに位置づけられていることがわかる.

一方, 圏域 の形成に関与しない孤立ゾーンの数は経年的に減少している. 特に昭和 40",55年は, 圏域の増加に対応して大きく減少し, 昭和55年以降の変化はごくわずか である. 図3-6に昭和60年時点での孤立ゾーンを示すが. どのゾーンも山間部や島部

昭和50年

基準流出

|

周辺ゾーン(34市町村) 率(%)

*(注2)

I

飯塚市, 大島村, 若宮町

7 I久留米市, 甘木市, 宗像市, 玄海町, 岡垣町, 桂川町,

筑穂町, 三輪町, 夜須町, 北野町, 大万洗町, 鳥栖市,

基山町

21 I小郡市, 古賀町, 棒屋崎町, 志摩町 28 I福間町

31 I前原町, 二丈町 35 宇美町

39 I筑紫野市, 那珂川町, 篠栗町, 須恵町, 新宮町, 久山町,

粕屋町

47 I春日市, 大野城市, 太宰府市

56 57

(7)

表3-1 福岡都市圏の内容(2) 昭和55年

基準流出

|

周辺ゾーン(34市町村)

率(%)

* I飯塚市, 若宮町

7 久留米市, 甘木市, 岡垣町, 桂川町, 筑穂町, 北野町,

大万洗町, 鳥栖市

13

I

宗像市, 玄海町, 三輪町, 夜須町, 志摩町, 基山町 25 小郡市, 津屋崎町

29 I古賀町, 福間町, 二丈町 32 I宇美町, 前原町

37

I

筑紫野市, 篠栗町, 須恵町, 新宮町, 久山町

44 I春日市, 大野城市, 太宰府市, 那珂川町, 志免町, 粕屋町

昭和60年

基準流出

|

周辺ゾーン(35市町村)

率(%)

* I飯塚市, 大島村, 若宮町

7 I久留米市, 甘木市, 小郡市, 宗像市, 玄海町, 岡垣町,

桂川町, 筑穂町, 三輪町, 夜須町, 北野町, 大万洗町,

鳥栖市, 基山町

25

I

古賀町, 福間町, 津屋崎町, 二丈町, 志摩町

34 I筑紫野市, 春日市, 大野城市, 太宰府市, 那珂川町, 宇美町,

篠栗町, 志免町, 須恵町, 新宮町, 久山町, 粕屋町, 前原町 注1: 市町村名は, 昭和60年時点のものに統ーしている.

2: *は追加ゾーンのみで構成される境界を示す.

に属している. すなわち, 都市部やその周辺では地域間の結合関係が進展していくに もかかわらず, それらから依然として取り残されているものがこれらのゾーンである.

ここで階層構造の経年変化をもう少し詳しくみてみよう. 表3-3は, 周辺ゾーン,

孤立ゾーンを含めたゾーン階層の時系列変化を示したものである. この表から, 副次 中心ゾーンの急激な明加は, 地域間の結合関係が活発化するにつれ主中心ゾーンに位 置づけられていたものが他中心ゾーンに結合を向けて副次中心ゾーン化したり, かつ て周辺ゾーンであったものが副次中心ゾーン化したことに支えられていることがわか る. また, 孤立ゾーンが悶域内に取り込まれ周辺ゾーン化してし、く状況も読み取れる.

さらに. 孤立ゾーンが日接主中心ゾーンに転化する現象も. 昭和40""'45年では国見 市, 45",50年で杷木町, 矢部町, 松島町および倉岳町, 昭和1 50,,-,55年で嬉野町と安心

-・・

多重圏域の境界

A

消滅した境界

生成した境界

図3-5 稲阿部市閥の多重境界

(8)

表3-2 北部九州4県(福岡. 佐賀. 熊本, 大分県)の 全圏域における各階層ゾーン数

階層 中心 副次 周辺 孤立

年次 中心

S40 38 30 183 51

S45 33 38 192 39

S5 0 33 46 203 2 0

S55 32 59 198 13

S60 29 67 194 12

院町, 昭和55,,-,6 0年で小国町でみられる. また逆に主中心ゾーンが孤立ゾーンとなる 現象も. 昭和4 0,,-,45年で安心院町t 45,,-,5 0年で津久見市t 5 0,,-,55年で小国町t 55年

,,-,6 0年で倉岳町でみられる. これらはいずれも山間部や島艇部に存在していることで 共通しているといえる.

(2) 重複地域とその経年変化 地域構造の系列化の複雑さを表わすものとして, 圏 域間の重複地域の大きさを挙げることができる. すなわち, 重複ゾーン数が多ければ 多いほど圏域が複雑に絡み合っているといえ. 地域構造の系列化が複雑に進展してい るといえる. 図3-7は, 重複ゾーン数の内訳とその経年変化を表わしたものである.

図より. 全重複ゾーン数は年次を追う ごとに増加しており. 昭和6 0年時点では対象地 域全3 02 ゾーンのうち約1/3 を占めるほどになっている. そうした中で, 特に昭和45 年から55年にかけての増加が大きい. これは先に述べた中心ゾーン数の伸びが著しい

時期と一致し, 重複ゾーン数からも, その時期が特に地域間の結合関係が進展, 複雑 化したといえる. また重複ゾーンのほとんどは2重の重複であるが, 3 重の重複も近 年増加しており, 地域構造の系列化はますます複雑化しているということができる.

(3) 圏域の多重性とその経年変化 図3-8は. 昭和4 0,,-,6 0年に関し, 多重圏域の 数を境界数ごとに示したものである. 図より, 境界数が大きくなるほどその境界数を とる圏域の数は指数的に減少していることがわかる. 1重の圏域, すなわち1境界の みで織成される圏域は他に比べて圧倒的に多く, 全圏域数に占める割合は, 昭和4 0年 から)1闘に66.2,6.1.8,57. 0,61.5 および61.5%と, 常に半数以上を 占めている. また, 最 大の境界数はどの年次においても8であり. 福岡市(昭和4 0,55年), 北九州市(昭和 45,50,60年)がこれに該当する. さらに, これらの山線を経年的に比較すれば. 特に昭

和50年から55年にかけてl重の圏域が大きく増加していることがわかる.

60

S45 中心

S40

中心 32 副次中心

周辺

孤立 1

S55 中心

S50

中心 29 副次中心

周辺

孤立 2

国立ゾーン

図3-6 昭和6 0年における孤立ゾーンの分布

表3-3 各階層ゾーン数とその経年変化

副次 周辺 孤立 S50 中心

中心 S45

5 中心 29

27 3 副次中心

6 177 周辺

12 38 孤立 4

副次 周辺 孤立 S60 中心

中心 S55

2 1 1 中心 28

43 2 副次中心

14 186 周辺

9 19 孤立 1

61

副次 周辺 孤立 中心

3

37

5 187

1 15 19

副次 周辺 孤立 中心

3

58 1

6 191 1

2 10

(9)

120 100 80 60 40 20

重複ゾーン数

4重 S40 S45 S50 S55

図3-7 重複ゾーンの内訳

S10 40

1 \\\

+ S45

S50

30

IA

O S55

. S(ìO

20

S60年次

|

",." :.

そや~

1蜘 シ・"ミH・ . :・* :~ごvre

L、貴コー

0 1 2 3 4 5 6 7 8

境界数

図3-8 都市圏域の多重楠iEにもとづく頻度分布

62

表3-4 圏域の多重性に関する経年変化

(a) 生成-消滅しない圏域に関して 期間 増加境界数 期間 減少境界数

2 3 4 2 3 4

S40-45 12 2 S40-45 3 1

S45-50 12 S45-50 7 .

S50-55 9 2

S50・55 7 2 -

S55-60 10 2 S55-60 9 l 1

(b)生成-消減した圏域に関して

期間 生成圏域数 そのうち 消滅圏域数 そのうち

l重 l重

S40-45 7 7 4 4

S45-50 10 9 2 2

S50-55 16 15 4 4

S55-60 7 7 2

多重性の経年変化をもう 少し詳しく検討しよう. 表3-4(a)は, 圏域の多重性がどの ように変化しているかを示したものである. ただし 生成・消減した圏域は除外してい る. 表より, ほとんどの圏域は境界が1 つ増加または減少するのみである. 2つ以上 の変化があるものは少なく, 昭和40"",45年では玉名都市圏と中津都市圏で2境界の増 加し, 福岡都市圏で3境界の減少, 45 "",50年では福岡都市圏で3境界の増加および中 津都市圏で2境界の減少, 50 "-'55年では久留米. 唐津都市圏で2境界の増加および北 九州都市圏で2境界の減少. そしてお"",601fにおいては佐伯, 北九州都市圏で2境界 の増加 および福岡都市圏で4境界の減少がみられるのみである. これらはある程度の 規模をもっ都市圏域であることで共通している.

また, 3.3.1 では境界の経年的安定性を述べたが. ここでも提案手法による圏域の 境界が地域構造を反映し根拠をもって設定されていることがう かがえる. また, 表 3-4(b)には, 特に, 昭和40年から60年の間に生成・消滅した圏域に限って, 圏域数

とそれらの圏域のうち境界数がlつのみの圏域数について示している. 表より. 新た に生成または消滅する圏域のほぼすべてが境界数が1つのみで織成されていることが わかる.

63

(10)

変動ゾーン数からみた拡大, 縮小圏域の内訳

期間 縮小ゾーン数

1

2 3

4

S4ι45

3

S4ι50 4 1

S50-55 8 1

S55-60 7 1 1

表3-6

期間 拡大ゾーン数

2 3

4

S40-45 18

2

2

S45-50

22

6 1

S50-55

3

1 6 355-60 15 2

540 545 550 555 S60 +

0

|割以数

30

20

圏域の生成と消滅

期間 生成・消滅圏域数

生成 1ゾーン 追加ゾーン 消滅 1ゾーン 追加ゾーン

のみ のみ のみ のみ

S40-45 7 6 7 4 4 4

845-50 10 7 6 2 2

850・55 16 14 11 4 3

3

S55-60 7 7 6 2 2

2

表3-7

30 40

周辺ゾーン数

周辺ゾーン数による都市圏域規模の頻度分布 表3-5

20

拡大, 縮小圏域の数

10

図3-9

12;|3:|2;|

期間

17

9

拡大圏域数 縮小圏域数

のいずれにしてもほとんどが1ゾーンのみの変動であることがわかる. また, 拡大に 関しては2ゾーンの変動もある程度あるが, 縮小に関しては稀である. 変動ゾーン数 が4 の圏域は昭和40,,-,4.5年においての北九州都市圏, 熊本都市圏, 昭和45,,-,50年の 福岡都市圏があるが, それ以降は存在せず, 個々の圏域に関しては昭和50年以降急激 圏内ゾーン数とその経年変化 図3-9は, 昭和40年から60年までの設定圏

その構成周辺ゾーン数ごとに示したものである. 図より, 全年次を通じ (4)

域に関して,

な変化はなかったといえよう.

(5) 圏域の生成と消滅 表3-7は, 生成および消滅した圏域数と, それらの変動 を起こす圏域のうち1 周辺ゾーンだけで構成されるものの圏域数を示したものである.

表より. 新たな圏域の生成は昭和45 年から55 年にかけて著しかったが,

少していることがわかる. 他方, 消滅した圏域は少なく, 特定の傾向は見出せない.

構成ゾーン数が2以下の悶域が多く, 全圏域数の5割から6害lJを占めていることがわ かる. また, 構成ゾーン数が10以上である中-大規模圏域はいずれの年次においても 少なし 全年次を通じて7圏域(北九州, 福岡, 飯塚, 佐賀, 熊本, 大分および久留米 都市圏)のみであり. それらは限定されているといってよい. この意味では北部九州の

地域構造に関しドラスティックな変革があったわけではなく, 比較的安定していると その後は減

また. 圏域の生成・消滅はL 、ずれも周辺ゾーン数が1 つのみで構成される小規模圏域が ほぼすべてを占めていることは明らかである. また表中に, 生成. 消滅する全圏域の うち, 追加ゾーンのみで締成される圏域の数についても示しているが, これより生成.

消滅圏域のほとんどがこのたく丸、のものであるといえる. 事実, 杷木町(福岡県). 中 原町(佐賀県). 江北町, 小国町, 倉岳町(熊本県). 中津江村. 安心院町(大分県)は.

昭和40,,-,60年の間で生成, 消滅を繰返す中心ゾーンであるが, これらの圏域はすべて の見方もできる. また, 各年次の曲線が大きく異なるのは. 構成ゾーン数が2以下の

圏域数と5 から8の圏域数であるが, このことは新たな小規模の圏域が生成する一方 で. いくつかの圏域が拡大していることをうかがわせるものである.

表3-5 は. 圏域の拡大・縮小した圏域の件数を示したものである. まず. 拡大と縮小 に関してみれば. いずれの年次においても拡大圏域数が縮小圏域数を上回り. 概ね拡 大基調にあるということができる. しかし 拡大圏域数が昭和45,,-,50年を ピークとし て減少している一方で. 縮小圏域数が増加傾向にあることは興味深い.

追加ゾーン1つのみで構成されている.

これら拡大・縮 表より拡大. 縮小 小する圏域を変動ゾーン数ごとに表わせば表3-6 のとおりである.

6.1 65

(11)

以上. 圏域の空間的構造を探るために, 地域階層. 重複性. 多重性. 圏域規模(周辺 ゾーン数)をキーワードとして分析を行なったが, 次にこれら相互の関係に着目して 地域の情iliに関し検討しよう. ただし, これらのすべての組合せに関し検討を行なう ことは必要でない. なぜならば, まず重複ゾーン数は圏域聞の関係を示すものであり,

また多重性, 圏域規模は圏域自体がもっ特性であるからである. したがって, ここで は地域のシステムにおいて特に重要な役割を演ずる中心ゾーンの階層と, その他の重 複. 多重性. 規模の関係, そして圏域の多重性と圏域規模の関係を明らかにすること で十分と判断し. 以降それらの分析を行なうものである、

(6)

中心ゾーンの階層と圏域間の重複の関係 図3-10は, 重複ゾーンがどの階層 と, どの階層の中心ゾーンの圏域の重複として存在しているかを明らかにしたもので ある. なお, 全数が先の重複ゾーン数を越えるが, これはn重の重複をηC2個として換 算していることによる. 図より, 主中心ゾーンの圏域相互の重複は. 他の組合せに比 して少なく. また経年的な変動も小さい. したがって, 主中心ゾーンの圏域(主圏域) 相互の関係のみでみれば, 地域の空間的構造は大きく変化していないといえる. 一方,

主圏域と副次圏域(話IJ次中心ゾーンの圏域)の重複は最も多く, また増加も著しい. こ れは多くの主中心ゾーンが他の主中心ゾーンの圏域に取り込まれ. 副次中心ゾーンへ 階層転化したことによるが, 加えて主圏域内での副次圏域の拡大によるものである.

さらに. 副次圏域相互の重複ゾーン数は, 昭和 40年当時はわずかであったが, 以降 次第に増加しており. このことからも対象地域を全体的に眺めれば, 副次中心ゾーン,

副次圏域の逐次的な発達があることが明らかである.

(7)

中心ゾーンの階層と多重性との関係 図3-11は, 昭和40",60年の各多重境 界数をとる圏域数を中心ゾーンの階層ごとに示したものである. 図より明らかなよう に, 主, 副次圏域の数はいずれも境界数が増大するにしたがし、減少しているが, 境界 数が 1 では副次圏域の方が多く, それより多くなると主圏域の方が多くなる. したがっ て全体的な傾向としては, 主圏域は副次圏域に比べて多重性が強いといえる. また.

これらの図を経年的に比較すれば. 昭和55年以降. 特に境界数が 1の高Ij次圏域の増加 が著しいことがわかる.

(8)

中心ゾーンの階層と圏内ゾーン数との関係 図3-12は, 圏域における中心 ゾーンの階層と圏内ゾーン数の関係について示したものである. 図よりゾーン数が増

重観ゾーン数 100

50

o 40 45 50 55 60

年次(昭和)

図3-1 0 圏域の重複と中心ゾーンの階層との関係

大するにつれ, 主.;Ij次圏域のいずれもが減少する. また, ゾーン数が少ないうちは.

副次圏域の数が主圏域のそれを上回っているが, ゾーン数4",8を境に主圏域の数が副 次圏域のそれを上回る. したがって, ゾーン数が少ない小圏域の多くは, 他圏域に属す る副次中心ゾーンの圏域であることがわかる. また, これらを時系列的に比較すれば,

小規模圏域のうち, 主圏域は大きく減少し, 扇IJ次圏域が増大していることがわかる.

(9) 圏域の多重性と圏内ゾーン数との関係 図3-13は. 横軸に圏域内の圏内ゾー ン数を, 縦軸に境界数をとり, 各圏域をプロットしたものである. 図より, 一般には 圏内ゾーン数が大きくなるにつれ, 境界数も増加する傾向があることがわかる. また,

昭和40年から55年にかけては, その傾向がより明白になっていったといえよう. た だし 昭和60年では, 福岡や佐賀都市圏のようにゾーン数に比して境界数が少ない圏 域が出現し, 全体的には右上がりの傾向が経年的に弱くなっているようにも見受けら れる. これは, 後述の図3-32とも関連しているが, 従来の傾向とは異なり, いくつ

かの強力な中心ゾーンがその周辺の地域空間を均質化し. その結果. 内部境界数が少

ない圏域を有するようになった結果である. したがって昭和60年は, 圏域形成の観点 からは新たな地域構造の変革が行われようとしている時期であるとの見方もできる.

3.3.3 内部圏域の特性

内部閉域の特性を肥援する観点としては, 多重境界の個々の境界で設定される圏域 (内部悶域)の全数. それら圏域の周辺ゾーン数. 流出率基準値, 境界強度があげられ

(12)

圏域数

圏域数 圏域数

30

圏域数 50 50

S 4 5

30 40

周辺ゾーン数

10 20 10ト i

S 4 0

30 40

周辺ゾーン数 主圏域

市rj次間以

20

* +

10 20

7 8

境界数

S 4 5

3 6

2 40

30

20

10

S 4 0

主幽域 高rj次圏域

2 k ti h h 1 ・E・

40

30

20

30ト圏域数

20トl

h

圏域数 圏域数

50 30 5 0 圏域数

S 5 5 S 5 0

i t --t l‘】t 、、τ‘.、‘

20 S 5 5

T

L、、、、、

40

30

20 S 5 0

1 1 K 1

1

1 1

\

4 0

30

10

30 40

周辺ゾーン数

10 20 30 40

周辺ゾーン数

20 10

10

7 B

境界数

2 3

10

3 4

2 20

10

圏域数

S 6 0 30 T

20ト1

1

10

30 40

周辺ゾーン数

10 20

境界数

6

圏域数

501- t

t

‘、

、、色一 一一一一ー一一一ーエニニ

4 5

S 6 0 40

30

20

中心ゾーンの附層と周辺ゾーン数との関係 図3-12

中心ゾーンの階層と圏域の多重性との関係

3

図3-11

2

68 69

(13)

21-・・・ ・ -久留米

「境界数

S 4 5 .北九州

7t- -熊本

中津.飯塚 -佐賀

•• -大分 -福岡

S40

4卜 • •

5Jl

+ S4S sso

3ト -・ ・・ -久留米 o sss

• SGO

81境界数

・ 福岡

7トS 4 0・飯塚 ・北九州

6ト ・熊本

5ト大牟田・ ・ 大分 ・佐賀

4 • ••

3

10 20 30 40

周辺ゾーン数

2ト・・

1�・・・ ・ 1�・・・

10 20 30 40

周辺ゾーン数

10 20 30 40

周辺ゾーン数(内部圏頃) S 5 0

.北九州 .福岡

・佐賀

・大分 日田.飯塚

81境界数

-福岡 図3-14 内部圏域の周辺ゾーン数による圏域規模の頻度分布

8 境界数

S 5 5

7

6 .熊本 6 .北九州.熊本 る3)

5 5 飯塚

.大分・佐賀

4 •• 4 ・久留米

o 10 20 30 40

周辺ゾーン数

10 20 30 40

周辺ゾーン数

(1)

圏内ゾーン数と その経年変化 内 部圏域の全数は, 昭和40年から順に 130,143,lG"!,176および180で, 経年的に増加傾向にある. 先述したように , 昭和

4 5^-'55年は圏域の形成が活発であった期間であるが, 内部圏域の数からもこのことが うかがえる.

図3-14は, 各年次で設定される 圏域を内部圏域の単位で分解し, 周辺ゾーン数と その周辺ゾーン数をとる圏域数について示したものである. 最外圏域のときと同様に 周辺ゾーン数が増大するにしたがい, 圏域数は指数的に減少する. また, 周辺ゾーン 数が1の圏域の数は全年次を通じて多く, 全圏域数の1/2弱を占めている. 各年次ご との曲線を比較すれば, 周辺ゾーン数が6以下の中小規模圏域が特に増加しているこ ともわかる.

3

米留久

川 津

田唐

3ト ・ ・・・ ・

21-・・・・・ 2ト・・ ・

1�・・ ・ 1ト... .

81-境界数

.北九州

S 6 0 -熊本

7

6 -佐伯

5 -大分

4 -佐賀 ・福岡

久留米

(2)

流出率基準値とその経年変化 これらの内部圏域はどのような流出率基準値

3ト ・ ・.. ・飯塚

o 10 20 30 40

周辺ゾーン数

で設定されているのか, それを示したものが図3-15である. ただし, 流出率基準値の 下限は.5%であるから , 図の流出率基準値の最低値は 5 %になっている. 図よか 基準 値が増大するにつれ内部圏域数は指数的に減少しており, 流出率基準値が小さい値に おいて数多く設定されていることがわかる. 一方, これらの曲線を経年的に比較すれ ば. 30%前後の 比較的大きな値の流出率基準値の内出圏域が増大していることがわか る. 30%もの流!lP事をrí,Jけられる中心ゾーンは比較的強力なものであることと, 境界 2ト・・・・・ ・

1 ,...・・・・ ・

図3-13 悶域の多重性と周辺ゾーン数との関係

70 71

(14)

l樹h点数

50

25

o 0.1 0.2

S40

+ S45

S50 o S55

S60

図3-15 流出率基準値の頻度分布

が圏域結合性の変化にもとづいて設定のされていることを考えれば, 強力な中心ゾー ンがその近辺に比較的コンパクトで, 一体的な圏域を形成し始めていることが推察で きる. また, 流出率基準値が5rv10%の内部圏域も特に昭和55年以降で増加している.

これは, 地域聞の結合関係が活発化するにつれ, 同程度の強度のゾーン間結合が増加 した結果である.

次に, 流出率基準値と周辺ゾーン数の関係を明らかにすることが考えられるが, 流 出率基準値が高くなれば周辺ゾーン数が少なくなるのは自明のことである. そこで.

境界強度に着目しよう. すなわち, 境界強度と流出率基準値. 境界強度と内部圏域の 周辺ゾーン数, 境界強度と境界の位置変化の諸関係について検討し, 境界強度の基本 的性質を明らかにするものである. なお, 以下は, 昭和60年についてのみを示すが,

し、ずれの年次もこれらと同僚の傾向にあることを明記しておく.

(3) 境界強度と流出率基準値との関係

図3-16 は, 昭和60年における境界強度 と流出率基準値との関係を示したものである. 図より, 境界強度の大きさは. 流出率 基準値によって定まる値以下であり. かっその値は流出率基準値が増大するにつれ,

低下する傾向があることがわかる. したがって, 境界強度は流出率基準値と無関係と はいえないが, 完全な相関性を有するわけでもなく, この意味で境界強度は内部圏域 を特徴づける一つの折探となりえていることがわかる.

72

o.8� 境界強度

0.7

1 、

0.5卜 1

0.4�

0.3 也守、白、 、、、

\

0.2 .. .' * 、、 ・、、、『

. ・・ .

*・ .

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 流出率基準値

図3-16 流出率基準値と境界強度との関係

(4) 境界強度と圏内ゾーン数との関係

境界強度と内部圏域の構成ゾーン数との 関係を図3-17に示す. 図より, 境界強度が小さいうちはゾーン数は大小様々である が. 境界強度が大きくなるとゾーン数が少なくなっていることがわかる. これは. 圏 域が大きい場合は境界強度が小さく. 境界強度が大きい場合は圏域が小さい傾向があ ることを意味する. しかし 境界強度と圏域の規模とが, 一方が定まれば他方が定ま るという関係を有しているというわけではなく, この意味で境界強度は内部圏域を表 わす1 つの指標として有意であるといえる.

(5) 境界強度と境界の空間的変化の関係

図3-18は, 図3-3に示した福岡都市 圏の境界の変化過程に境界強度を併記して再掲したものである. 図中, 矢印は, 先と 同様にそれらの圏域のゾーン内容が等しいか, ほぼ等しいもの同士を結ぶものである.

図より明らかなように, 矢印で結ぼれた2 つの圏域の最初の方の境界強度は大小様々 であり, 最も小さい値は昭和55年の7%圏の0.0,14である. したがって, 境界強度が小 さし1からといってその圏域が消極2しやすいというものではない. しかし, 境界強度の 大きい圏域に着日すれば, それらのほとんどが次年次でも継続して存在している傾向 があることも指摘できる. 特に. 境界強度が0.09 以上の圏域は, 昭和55 年の29%圏 を除けばすべて次年次に継続している. したがって境界強度は, 境界の経年的安定性 とある程度の関わりがあることが指摘できる.

73

(15)

周辺ゾーン数

40

S60

(0.059) (0.11 1) (0.075) (0.011) (0.047)

S55

*一一一ーー← *一一一一一一一唱』本

S45 SSO 540

20

(0.064) 12

(0.031)

1.0

境界強度

0.5

(0.057

ト�

2S 25

境界強度と内部圏域の周辺ゾーン数との関係 図3-17

圏域結合性

26 29、 --28 29

(0.057) (0.072)

"""

(0.055) (0.117)

(0.100) (0.091) (0.065)

32 36 35,-

(0.076) (0.093) (0.071)

'::>37

/ (0.051)

(0.112)

3.4

本節では, 提案圏域に特有の圏域結合性をもとに圏域の基本的性質の把握を行なう このような分析を行なうのは主として2つの目的による. すなわち,

提案設定手法においては圏域は境界内外の区分を明確にすることのみに着目している

圏域結合性自体の値を考慮、できていない. したがって, 圏域結合性評価指標が 実際にどのような値をとるのか, また実際に設定された圏域がどのような結合性を有 しているのかは不明であり, 第1の目的はこれらを明らかにすることである. 第2の ものであるが.

ため,

目的は, 設定されたすべての圏域に関し, 中心ゾーンの階層, 流出率基準値などの圏

域構造と圏域結合性との聞に何らかの関係性 があるか否か,

44 (0.077)

43 44

(0.058) (0.054)

また関係があればそれが

47 (0.063) (0.077)

どのようなものであるかを明らかにすることである.

いかような方法や基準で決定された圏域についても定義可能であ 圏域の結合性は,

(カッコ内の数値は境界強度)

圏域の結合性自体を明らかにする場合には最外圏域と内部圏域を区 したがって,

る.

境界強度と境界の経年変化との関係

(

福岡都市圏

)

図3-18 内部圏域にはそれぞれに

特有の視点-最外圏域は中心ゾーンの階層と周辺ゾーン数, 内部圏域は基準流出率と 境界強度ーも存在するため, 圏域結合性とそれら固有の視点との関係を論じる際には 最外圏域と内部圏域とを別途論じる必要がある. そこで本節では, まず最外圏域.

部圏域を区別せずに論じられるもの, すなわち, すべての境界で個々に設定される圏 域を対象として, 多重境界圏域の特性の上で圏域の結合性を明らかにし, 次いで,

域の結合性と最外圏域の諸特性との関係を論じ, 最後に. 圏域の結合性と内部圏域の

、、・・\聖a'\

世廓

\*也事

也思

事陣4

、、r\J

2HJ剛山

、、

. 世mHR11\\川嶋 混乱闘 ...1

・ ・e・

.輔凶開制"

LE

ド' nv

nv q叫

4,

圏 しかし前述のように, 最外圏域,

別して論じる必要はない.

諸特性との関係を明らかにするものである.

75

(16)

多重境界圏域の薗i連結合性 3.4.1

個別の悶域結合性評価指標からの特性 として, 各圏域結合性評価指標の

値の頻度分布, 周辺ゾーン数と 圏域結合性評価指標の関係を明らかにする. 次いで.

総合化され た圏域結合性からの特性 として主成分分析を用い, そ れにも とづいて設定 ここでは .

40 圏峨数

10

圏域数 圏峨数

nuRunUFOnu AUTAu-EUFhunb

sscuss

*+・0・

40

30

20

10

協3

0.15

圏域数

30

語、2

皿域散

40

10

(1) 圏域結合性評価指標の値による頻度分布 ま ず, 昭和40'"'-'60年で設定された 多重境界圏域がどのような圏域結合性を有するか, また結合性評価指標がどのような 値をと る傾向にあるかを明らかにしよう . 図 3-19は, 各圏域結合性評価指標に関し,

指標値ごとに頻度分布を描いたものである. 図より, いずれの圏域結合性に関しても すべての年次間で分布山線は ほぼ同ーの傾向を示してお り, このことから この20 年間 に地域構造の全体的な傾向は変わらないといえよう .

多重境界圏域がと る指標1の値の頻度分布はいずれの年次においても 0.06",0.09を ピーク とし以降減少してお り, 指標値の最大はいずれの年次 でも 0.5程度である.

多重境界圏域の分類と位置づけを行なうものである.

ま4山

た, 各年次の分布傾向を経年的に比較すれば. 特に昭和60 年のピークが大きいことが わか る. 指標lは. 前章で述べたように周辺地域 で発生するトリップの中心集中割合

60

指槻9

1.0 0

指標5 圏域数

60

指槻4

0.6

指僚7

を示し, 1.0に近いほど結合性が高いと判断でき る. したがって, その分布傾向は, あ ま りにも結合性の低い(0.0"'0.03)圏域は 少ないものの. 結合性の低い圏域が多く存在

結合性が高くなるほどその圏域数が少なくなるといえ, また 経年的には結合性の 低い圏域が増加しているといえ る.

指標2に関する頻度分布は, いずれの年次においても 値が0",1. 0の時に最大 値 とな

り 以降双曲線的に減少している指標値の最大値は 20程度である. 経年的に大きく 異なるのは指標値が0.0",2.0の区間であり, そ れより大きい区間では顕著な変化はな い. 指標2は, 周辺から発生するトリップのうち圏外と 中心に集中するものとの比で あり, 大きいほど結合性が高い. したがって図は, 指標1 と同様に, 結合性の低い圏 域が多く存在し, 経年的に 増加していることを示している.

指標3の頻度分布は, 図に示すように指標値が0.3",0.09でピークを示し, 指標値が 大きくなるほど減少している. ただし 指標1,2 と異な って指標値がO.15",0.30の区 し,

圏域結合性による圏域数の頻度分布 図3-19

また, 経年的に比較すればピークよりも 間で急激に減少しないことが特徴的 である.

周辺地域 で発生する全トリップの 指標3は,

むしろこの区間での変化が顕著である.

したがっ うち圏外に集中する割合を示し, 値が0.0に近いほど結合性が高いといえ る.

前2指原と異なり, 結合性の 高い圏域が多く存在しているこ て指標3の観点からは.

とがわか る.

76 77

(17)

次に指標4であるが. 値が小さいほどその値をとる圏域数が多く, 双曲線的な変化 傾向を示す. 指標値の最大値は60.0程度である. 経年的には, 値が0,,-,3.0の区間での 変化が大きい. 指標4は圏内で発生するトリップのうち, 圏外と中心に集中するもの の比で. 値が大きいほど結合性が高いといえるが, この意味では結合性の低い圏域が 多く存在するといえる.

指標5は. 図より0.0.1から1.0までの値をとり, 大局的には値が大きいほどその値 をとる圏域数が増加するといえる. しかし, 昭和45年を除いて値が0.97rv 1.0で圏域 数が減少していることも指摘できる. また, 他の指標に比べて経年的な変動が大きい ことも特徴的である. 指標5は. 圏域の内々率であり1.0に近いほど結合性が高いが,

この意味では, 結合性の高い多くの圏域が存在しているといえる. これは, 中心ゾー ンの勢力が弱く閉鎖的な圏域であっても高い内々率を有する傾向にあることによるも のである.

指標6 は, 0.0から0.3までの値をとり, その分布曲線は0.06前後でピークを迎え,

以降減少している. また, 経年的に比較すれば. 昭和60年のピークが特に高いことが 顕著である . 指標6 は, 中心ゾーンへ集中する全トリップのうち, 周辺から発生する ものの割合を示す中心ゾーンの周辺地域への依存度合で-あり, 1.0に近いほど結合性が 高いといえるが. この意味では結合性の高い圏域数は少なく, 結合性が中程度の圏域 数の変動が大きいといえる.

指標7は, 0.0から0. 6 までの値をとるが. 0.03",,0.06 の区間でピークに達し, 以降 双曲線的に減少する. 経年的にはピークの高さが次第に大きくなっている. 指標 7 は,

中心ゾーンへ集中するトリップのうち, 圏外と周辺地域から発生するトリップの比で あり, その値が大きいほど結合性が高いといえるが. この意味では結合性の低い圏域 が多く存在し, また経年的にも増加しているといえる.

指標8には若干のばらつきはあるものの, いずれの年次においても指標値が0.575 から1.0までの値をとり. 値が増大するにつれ圏域の数も増加し, そして1.0近くで急

激に減少している. 本指標は, 集中側からの圏域の内々率であり, 1.0に近いほど結合 性が高い. この意味では極めて結合性が高い圏域は少数であるが, 全体的には結合性 の高い圏域が多い傾向があるといえる. この傾向には, 指標5と同様の理由が考えら れる.

最後に指標 9であるが, これは0.0", 60.0までの値をとり. 頻度分布は3.0",6 .0で ピークを示し, 以降急速に減少する . 経年的には, 特に昭和55, 60年のピークの高さ が顕著である . 指標9は. 圏内に集中するトリップのうち圏外. 圏内からのトリップ の比で , 大きいほど結合性が高いが, この意味では結合性の低い圏域が多く存在し,

78

結合性が高くなればなるほど圏域が少なくなっているといえる.

以上. 各圏域結合性評価指標ごとに考察したが, 一般的に次のことがいえる. すな わち, すべての闇域結合性評価指標に関する圏域の頻度分布は. ただlつのピークを もった曲線で表わされる. また, 結合性が高ければ高いほどその結合性を有する圏域 数が減少する結合性評価指標と, 逆に結合性が高ければ高いほど圏峡数が増加するも のが存在する. このうち前者の結合性評価指標は, 発生側, 集中側を問わず中心ゾー ンの勢力に関連するものであり(指標し2ぅ4,6 , 7,9). 後者は圏域の全体的視点からの結 合性評価指標である(指標3,5,8).

(2) 圏域結合性と周辺ゾーン数との関係 次に, 多重境界圏域をもとに. 圏域結 合性と周辺ゾーン数との関係を明らかにしよう. 図3-20は, 縦軸に周辺ゾーン数を,

横軸に各圏域結合性評価指標の値をとり. 昭和60年における. 多重境界圏域をプロッ トしたものである. 図より, すべての圏域結合性に関して明らかな傾向が認められる ものではないが. ,くつかの指標に関しては傾向が存在する. 比較的明確な傾向が見 られるものは指標1ム8の右上がりの分布と. 指標3の右下がりの分布である. これら は周辺ゾーン数が大きければ結合性が高い傾向にある指標である. また, 指標6 , 7 は あまり明確ではないがやはり右上がりの分布をなしており. 周辺ゾーン数が大きけれ ば結合性が高い傾向にあるといえる. さらに, 指標9(圏域内々量を圏外発生圏内集中 量で除したもの ) も, 右下がりの分布をなしている. 本指標は, 周辺ゾーン数が大き ければ結合性が小さい傾向にあるといえるが, これは圏域の規模が大きいと圏域内部 の副次中心ゾーン数が増え, その副次中心ゾーンに圏外からの流入があることによる と考えられる. 最後に, 指標2,4は周辺ゾーン数との聞に顕著な関係は認められない.

結局, 圏域結合性評価指標は2つの指標を除けば. 周辺ゾーン数とある程度の関連性 が認められるといえる.

(3) 総合的な圏域結合性による多重境界圏域の把握 ここでは設定された多重境 界圏域の圏域結合性をより総合的な見地から把握する. 分析はすべての年次に関し行 なうことも考えられるが, 多重境界圏域のすべての境界が3.3.1で指摘したような経年 的な対応関係を有しているわけではなし 時系列比較が困難なこと. また設定された 多重境界圏域がどのような特性をもつかを明らかにするためには単年度の分析で十分 であることから, 特に昭和60年について分析を行なうこととする4) 圏域結合性評価 指標の総合化は主成分分析を用いて行なう. すなわち, 9つの結合性評価指標を変数 とし. 設定圏域をサンプルとして主成分分析を適用するものである. サンプル圏域は

79

参照

関連したドキュメント

「文字詞」の定義というわけにはゆかないとこ ろがあるわけである。いま,仮りに上記の如く

そのほか,2つのそれをもつ州が1つあった。そして,6都市がそれぞれ造

テキストマイニング は,大量の構 造化されていないテキスト情報を様々な観点から

これらの定義でも分かるように, Impairment に関しては解剖学的または生理学的な異常 としてほぼ続一されているが, disability と

(( .  entrenchment のであって、それ自体は質的な手段( )ではない。 カナダ憲法では憲法上の人権を といい、

としても極少数である︒そしてこのような区分は困難で相対的かつ不明確な区分となりがちである︒したがってその

析の視角について付言しておくことが必要であろう︒各国の状況に対する比較法的視点からの分析は︑直ちに国際法

以上の基準を仮に想定し得るが︑おそらくこの基準によっても︑小売市場事件は合憲と考えることができよう︒