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目次 1. 試験の概要 スタディータイプ 目的 対象 適格基準 除外基準 シェーマ プロトコール治療 : 目標症例数 研

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(1)

N P O

Thoracic Oncology Research Group(TORG)

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の

再発・進行非小細胞肺癌に対する

erlotinib の有効性と安全性の検討

- 低用量評価試験 -

(TORG0911)

実施計画書

グループ代表者:渡辺古志郎 横浜市立市民病院

研究代表者 :國頭 英夫 三井記念病院 呼吸器内科

研究事務局 :國頭 英夫 三井記念病院 呼吸器内科

〒101-8643 東京都千代田区神田和泉町 1 番地

TEL (03) 3862-9111(代)

FAX (03) 5687-9765

E-mail:

[email protected]

第 1 ..版 2010 年 2 月 23 日 第 1.1 版 2011 年 8 月 .5 日 第 1.2 版 2012 年 6 月 13 日

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目次

1. 試験の概要 ... 1 1-1. スタディータイプ ... 1 1-2. 目的 ... 1 1-3. 対象 ... 1 1-4. 適格基準 ... 1 1-5. 除外基準 ... 2 1-6. シェーマ ... 2 1-7. プロトコール治療: ... 3 1-8.目標症例数 ... 3 1-9.研究期間 ... 3 2. 背景 ... 4 3. 目的 ... 9 4. 試験の種類 ... 9 5. 対象 ... 9 5-1. 適格基準 ... 9 5-2. 除外基準 ... 10 6. 症例の登録方法および経過報告,症例の追加および試験中止 ... 10 6-1. 登録方法 ... 10 6-2. 経過報告,症例の追加および試験中止 ... 11 7. プロトコール治療 ... 11 7-1. 試験薬剤 ... 11 7-2. 投与スケジュール ... 11 7-3. 目標症例数 ... 12 7-4. 中間解析と試験の早期中止 ... 12 7-5. 減量基準 ... 13 7-6. 休薬・再開基準 ... 14 7-7. 投与継続期間 ... 14 7-8. 併用療法・対症療法 ... 14 8. 試験終了の定義と中止基準 ... 16 8-1. 試験終了の定義 ... 16 8-2. 試験中止基準 ... 16 9. 後治療 ... 17 10.予想される有害事象 ... 17 10-1. 有害事象の評価... 17 10-2. erlotinib の予想される副作用(添付文書「副作用」の項より抜粋)(単剤)... 17 10-2-1. 重大な副作用 ... 17 10-2-2. その他の副作用 ... 17

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11.評価項目とそのスケジュール ... 18 11-1. 治療・追跡期間の定義 ... 18 11-2. 登録前評価項目 ... 18 11-3. プロトコール治療中の評価項目 ... 19 11-4. 追跡期間中の評価項目 ... 19 11-5. スタディーカレンダー ... 20 12.評価基準 ... 20 12-1. 奏効率、病勢コントロール率の評価基準 ... 20 12-2.安全性の評価基準 ... 22 12-3. 全生存期間の評価基準 ... 22 12-4.無増悪生存期間(PFS)の評価基準 ... 22 12-5. 施設外校閲 ... 22 13.データ解析 ... 22 13-1. データ入力: ... 22 13-2. データ解析: ... 22 14.研究期間 ... 23 15.有害事象の報告 ... 23 15-1.報告義務のある有害事象 ... 23 15-2. 施設研究責任者の報告義務と報告手順 ... 23 15-3. データセンターの責務... 24 15-4. 研究代表者/研究事務局の責務 ... 24 15-5. 効果・安全性評価委員会 ... 24 16.倫理的事項 ... 25 16-1. 患者の保護 ... 25 16-2. 同意の取得 ... 25 16-3. プライバシーの保護... 25 16-4. プロトコールの遵守 ... 25 16-5. 施設の機関審査委員会 IRB(倫理審査委員会)の承認... 26 16-6. プロトコールの修正 ... 26 17.モニタリング ... 26 17.1. モニタリングの方法 ... 26 17.2. モニタリングの項目 ... 26 18.費用と補償 ... 26 19.研究組織 ... 27 20.参考文献 ... 28

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添付資料 臨床研究の倫理指針 添付文書(タルセバ) 試験の流れ;フローチャート ①症例登録 ②治療経過/登録中止/再開 ③有害事象報告(急送報告/通常報告) ④CRF/追跡調査 症例登録 (様式 1-1) 登録適格性確認書 (様式 1-2) 症例登録確認通知書 有害事象報告 (様式 2-1) 有害事象急送一次報告書 (様式 2-2) 有害事象急送二次・三次報告書 (様式 2-3) 有害事象急送通常報告書 治療記録 (様式 3-1) 治療前記録用紙 (様式 3-2) 治療記録用紙[治療開始~4 週目] (様式 3-3) 治療記録用紙[5 週目以降] (様式 3-4) 腫瘍縮小効果報告用紙 (様式 3-5) 治療終了報告用紙 追跡調査記録 (様式 4-1) 追跡調査用紙 同意説明文書 同意書 その他 資料 1:試験参加手順 資料 2:試験の流れ 資料 3:IRB 通過連絡書

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1. 試験の概要

1-1. スタディータイプ

中央登録方式による多施設共同第Ⅱ相試験 (有効性を踏まえた低用量評価試験) 1-2. 目的

上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の再発・進行非小細胞肺癌に対する low dose erlotinib 療法の有効性と安全性について検討する。

・Primary endpoint :奏効率(Response Rate)

・Secondary endpoints :病勢コントロール率(DCR),SD 例の増量後の奏効率,安全性 無増悪生存期間(PFS),全生存期間(OS) 1-3. 対象 EGFR 遺伝子変異陽性(mutant)で先行化学療法後に再発、または先行化学療法治療中に増悪 (PD)あるいは治療中止となった再発・進行非小細胞肺癌 1-4. 適格基準 1) 組織診あるいは細胞診にて非小細胞肺癌であると診断された症例 2) 根治照射/根治手術の対象外となる臨床病期 IIIB期、IV期の症例、または術後再発例。 3) 化学療法治療歴が3レジメン以内の前治療が行われている症例 (手術療法および放射線療法の治療歴は問わない。術後補助化学療法終了後1年以上経過して いる場合は1レジメンとはしない。また抗癌剤の胸腔内投与は1レジメンとみなさない。) 4) EGFR遺伝子変異陽性(mutant)[Exon 18, Exon 19, Exon 21]の症例

5) EGFR-TKI未使用の症例 6) 経口剤による治療が可能な症例 7) Performance Status(ECOG) 0-2の症例 8) RECISTに基づく測定可能病変を有する症例 (http://www.jcog.jp/doctor/tool/C_150_0010.pdf) ※CTまたはMRIで最長径がスライス幅の2倍以上かつ10mm以上の病変を有する症例。 ただし、放射線照射後の症例では放射線照射内の病変は測定可能病変とはしない) 9) 原則として、少なくとも4週間入院またそれに準ずる管理のもとで本試験の実施が可能な症例 10) 年齢20歳以上の症例 11) 下記の臓器機能を有し、充分な骨髄、腎、肝、心肺機能が保たれている症例。 (登録日前 2週間以内の検査結果にて確認。登録日と同一曜日の2週間前は含まない。) ・白血球数 ≧3,000/mm3 ・好中球数 ≧1,500/mm3 ・血小板数 ≧100,000/mm3 ・ヘモグロビン ≧9.5g/dL ・AST,ALT 施設正常値上限値の 2.5 倍以下 ・総ビリルビン 1.5mg/dL 以下 ・血清クレアチニン 1.5mg/dL 以下

・SpO2 (Room air) 94%以上 (または PaO2 65mmHg 以上)

・心電図 治療を要する異常所見を認めないこと 12) 前治療歴がある場合、前治療から4週間以上経過している症例。

(脳・骨転移への緩和的放射線療法や胸膜癒着術からは、いずれもコントロール可能であれば2週 間の経過で登録可能とする。胸膜癒着術の前治療は、癒着剤使用の有無を問わない。) 13) 本試験内容の説明を受け、本人より文書で同意の得られた症例

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1-5. 除外基準 1) 原発巣に対する放射線照射後で、同部位が唯一の評価可能病変の症例 2) 上大静脈症候群を有する症例 3) 重篤な薬物アレルギーの既往を有する症例 4) 多量の腹水・心嚢水を有する症例 5) 臨床上問題となる感染症を有する症例 6) 下痢(水様便)を持続的に認める症例 7) 腸管麻痺、腸閉塞を有する症例 8) CT により明らかな間質性肺炎または肺線維症を有する症例 ※肺線維症は“広汎な場合”の症例のみ除外。(胸膜直下のみの軽度症例は登録可) また、PSL 5mg 相当を超える全身ステロイド併用症例は除外例とする。 9) 臨床的に問題となる眼科疾患を有する症例 [例:重度の眼乾燥症候群(シェーグレン症候群を含む),乾性角結膜炎,角膜炎などの合併] 10) 消化管穿孔の合併あるいは登録前 1 年以内に既往を有する症例 11) コントロール不能な消化性潰瘍を有する症例 12) 症状を有するあるいはステロイド投与を必要とする脳転移症例 13) 活動性の重複癌を有する症例 ※ただし、局所治療により治癒と判断される上皮内がん(Carcinoma in situ)または粘膜内がん に相当する病変は重複癌に含めない 14) 5 年以内の重複癌の既往のある症例 ※ただし、適切な治療が行われた非黒色腫型皮膚癌あるいは子宮頸癌、甲状腺癌、早期胃癌、 早期大腸癌を除く 15) コントロール困難な糖尿病を有する症例 16) 臨床上問題となる心疾患またはその既往歴のある症例 17) 臨床上問題となる精神疾患等を有する症例 18) 妊娠中、授乳中または妊娠の可能性がある女性、または避妊する意志の無い症例 19) その他、担当医師などが本試験を安全に実施するのに不適当と判断した症例 1-6. シェーマ EGFR遺伝子変異解析による陽性症例 (mutant) Erlotinib IIIB/IV期進行・再発非小細胞肺癌 先行化学療法3レジメン以内 (2nd / 3rd / 4th-line) インフォームド・コンセント 登録 ・erlotinib は 1 日 1 回 50mg/日を連日経口投与する

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1-7. プロトコール治療: ◆投与量 治療開始時は erlotinib 50mg/day(25mg 錠 X 2)を連日経口投与する。その後、有害事象の 出現にあたっては減量基準に則って減量する。 ◆投与量の変更について 腫瘍縮小効果により、投与量を増量する。 ・治療開始 4 週後の評価により SD の場合 :50mg/day ⇒ 150mg/day に増量し継続 ・PD の場合:50mg/day ⇒ 原則治療中止。 ただし、患者の希望により 150mg/day に増量した上で継続してもよい。 1-8.目標症例数 45 例

◆目標症例の設定根拠(SWOG Two Stage Design)

EGFR 遺伝子変異陽性症例に対する erlotinib の奏効率は SLCG(TargeT)の prospective Study で 70.6%であり、また参考として IPASS での gefitinib の奏効率が 71.2%であった。 Southwest Oncology Group(SWOG)の Two Stage Design に従い、症例集積期間 1.5 年、 観察期間 1.5 年、EGFR 遺伝子変異陽性症例に対する閾値奏効率を 50% 、期待奏効率を 70%、α=0.05、β=0.20 と仮定すると必要症例数 40 例であり、 また 10%の不適格を考慮し、 45 例を登録することとした。また、20 例が登録された時点で中間解析を行い、奏効例 (CR+PR)が 10 例以上であれば試験を継続することとした。 また、40 例が登録された時点で 26 例以上の奏効例(CR+PR)が認められた場合、本試験 の有効性が証明されたものとする。 1-9.研究期間 6.年:2010 年 1 月~2015年 12 月 ・登録期間(4.5年):2010 年 1 月より2014年 6 月 ・追跡期間(1.5 年):2014年 7 月より2015年 12 月

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2. 背景

非小細胞肺癌に対してプラチナ製剤を含む化学療法は、Best Supportive Care(BSC)との比較に おいて生存期間の延長をもたらすことが、複数のメタアナリシスにより示されている1) 2)。これらのことよ り、進行非小細胞肺癌に対する標準的な初回治療はプラチナ製剤を含む化学療法と考えられる。 1990年代に登場したイリノテカン,パクリタキセル,ドセタキセル,ゲムシタビン,ビノレルビンなどの 第三世代抗癌剤は、非小細胞肺癌に対し単剤で20~30%の奏効率を示す3)。これら第三世代抗癌剤 とプラチナ製剤との併用については、ECOG1594,イタリアの研究グループが実施しており、その結果、 安全性のプロファイルはそれぞれの薬剤の特徴が認められたものの、奏効率,生存期間については 同等であった4) 5)。また日本において、第三世代抗癌剤のPlatinum DoubletであるCPT-11/CDDP(IP), Pac/CBDCA(TC),Gem/CDDP(GP),VNR/CDDP(VP)を比較する第Ⅲ相試験(FACS:Four Arm Cooperative Study)が実施され、奏効率および生存期間中央値(MST)は、IPが31%,13.9ヶ月、TC が32.4%,12.3ヶ月、GPが30.1%,14.0ヶ月,VPが33.1%,11.4ヶ月であり、TC,GP,VPのIPに対 する非劣性は証明されなかった6) 以上のことより、非小細胞肺癌の初回治療における化学療法の有用性はプラトーに達したと考えら れている。 また,これらの症例は完治することはなく、初回化学療法後ほとんどの場合数ヶ月で再発するため、 より有効な二次治療が必要であり現在その確立が課題となっており、標準的な初回化学療法が無効 になった非小細胞肺癌に対する二次治療についての成績がいくつか報告されている。 このような中、Docetaxel は、プラチナ製剤既治療非小細胞肺癌を対象に BSC(TAX317)もしくは ifosfamide,vinorelbine(TAX320)の無作為化比較試験において、生存期間を有意に延長すること が確認され7)8)、毒性プロファイルおよび QOL の観点からも ifosfamide,vinorelbine に比べて優れ ていたことから8)、docetaxel 単剤が再発・進行非小細胞肺癌の有効な二次治療の薬剤の一つとして 位置づけられた。また、pemetrexed について、再発・進行非小細胞肺癌に対する二次治療として docetaxel との第Ⅲ相試験が実施され、全生存期間(MST)[pemetrexed 8.3 ヶ月 vs docetaxel 7.9 ヶ月],無増悪生存期間(PFS)[両群 2.9 ヶ月]における有意差は認められなかったが、副作用は pemetrexed が有意に軽微であったことから、docetaxel と同様、既治療非小細胞肺癌の二次治療薬 として位置づけられた9)

Docetaxel の非小細胞肺癌の 2nd-line Chemotherapy での臨床試験

Study 症例数 治療法 RR DCR PFS MST 1 年生存 率 TAX3177) 55 Doc 7.1% 49.8% 10.6w 7.5m 37% 100 BSC 0% 0% 6.7w 4.6m 12% TAX3208) 120 Doc 6.7% 42.7% 8.5w 5.7m 32% 118 IFM/VNR 0.8% 31.8% 7.9w 5.6m 19% Doc vs PEM 9) 288 Doc 8.8% 56.2% 2.9m 7.9m 29.7%

283 PEM 9.1% 54.9% 2.9m 8.3m 29.7% 一方、2000年初頭、従来の抗悪性腫瘍剤と全く違ったメカニズムを有する分子標的治療薬の研究 が積極的に進められ、非小細胞肺癌(NSCLC)での上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤 (EGFR-TKI)に高い注目が集った。EGFR-TKIは、上皮増殖因子受容体(EGFR)とリガンドとの結合 による二量体形成後に起きるチロシンキナーゼ(TK)活性ならびにリン酸化を特異的に阻害する薬剤 であり、現在日本ではerlotinibとgefitinibが承認されている。 EGFR-TKIは、当初、進行非小細胞肺癌に対する初回化学療法での標準的治療法[paclitaxel /CBDCA (TC), gemcitabine/CDDP (GP)]との併用による上乗せ効果を検討するための第Ⅲ相試験 が実施された。

Gefitinib については、TC + gefitinib 500mg vs TC + gefitinib 250mg vs TC+placeboを比較する INTACT-110) ならびにGP + gefitinib 500mg vs GP + gefitinib 250mg vs GP+placeboを比較する INTACT-2 11) が、エルロチニブについては、TC + erlotinib vs TC + placeboを比較するTRIBUTE12) およびGP + erlotinib vs GP + placeboを比較するTALENT 13) が実施されたが、これら全ての試験に

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進行非小細胞肺癌に対する標準療法とEGFR-TKI併用についての第Ⅲ相試験成績 Study 治療法 n RR TTP MST 1yr INTACT-1 10) TC+G 500mg 365 49.7% 5.5m 9.9m 43% TC+G 250mg 365 50.3% 5.8m 9.9m 41% TC+Placebo 363 44.8% 6.0m 10.9m 44% INTACT-2 11) GP+G 500mg 347 30.0% 4.6m 8.8m 37% GP+G 250mg 345 30.0% 5.3m 9.8m 41% GP+Placebo 345 28.7% 5.0m 9.9m 42% TRIBUTE 12) TC+Erlotinib 540 21.5% 5.1m 10.6m 45.9% TC+Placebo 539 19.3% 4.9m 10.5m 43.8% TALENT 13) GP+Erlotinib 586 31.5% 23.7w 43w 41% GP+Plecebo 579 29.8% 24.5w 44.1w 42%

TC:Paclitaxel + Carboplatin GP:Gemcitabine + Cisplatin

その後、化学療法既治療の再発・進行非小細胞肺癌を対象に、EGFR-TKI(gefirinib, erlotinib)の 有効性と安全性についての検討が行われた。

BSC(Best Supportive Care)との比較について、gefitinibは再発・進行非小細胞肺癌を対象とした 第Ⅲ相試験(ISEL)において、生存期間中央値(MST)はGefitinib群 5.7ヶ月,BSC群 5.1ヶ月であり、 primary endpointの生存期間での優越性は証明されなかった。しかし、サブグループ解析において、 非喫煙者およびアジア人に対して生存期間を有意に延長することが確認された14) 一方、erlotinibは、標準的化学療法が無効の二次/三次治療の再発・進行非小細胞肺癌を対象に placeboと比較する第Ⅲ相試験(BR.21)において、生存期間中央値(MST)はerlotinib群が6.67ヶ月 で、placebo群の4.70ヶ月 (HR=0.70, P<0.0001)に比べ有意に延長することが確認されるとともに、 サブグループ解析により、患者背景(性別,組織型,喫煙歴,人種差)に因らず、全ての症例に対して 有用であることが確認された15)。また、QOLの評価として、肺癌関連症状(咳,呼吸困難,疼痛)の悪 化までの期間を有意に延長することが認められた16) さらに、既治療非小細胞肺癌を対象としたgefitinibとdocetaxelとの比較(第Ⅲ相試験)として、日本 で実施されたV15-32および欧米とアジアの24ヵ国で行われたINTERESTの結果が報告されている。

V15-32では、奏効率がgefitinib群 22.5%,docetaxel群 12.8%で、gefitinib群が有意に優れてい たが(p=0.009),無増悪生存期間(PFS)は両群とも2.0ヶ月であった。またMSTはそれぞれ14.0ヶ月, 11.5ヶ月 [HR=1.12 (95%CI 0.89~1.40)]であり、gefitinibのdocetaxelに対する非劣性は証明され なかった17) しかし、INTERESTでは、奏効率がgefitinib群 9.1%,docetaxel群 7.6%(p=0.33)、無増悪生存 期間(PFS)がgefitinib群 2.2ヶ月,docetaxel群 2.7ヶ月(p=0.47)であり、両群間に有意差は認めな かったが、主要評価項目である生存期間については、HR 1.020(95%CI 0.905~1.150)で、設定上 限の1.154を超えていないことから、gefitinibのdocetaxelに対する非劣性が証明された18) ゲフィチニブ,エルロチニブの再発・進行非小細胞肺癌に対する臨床試験 Study 治療法 症例数 RR DCR PFS MST 1yr ISEL14) gefitinib 1129 8% 40% 3.0m 5.6m 27% placebo 563 1% 32% 2.6m 5.1m 21% BR.21 15) erlotinib 488 8.9% 44% 2.2m 6.67m 31.2% placebo 243 <1% 27.5% 1.8m 4.70m 21.5% V15-3217) gefitinib 245 22.5% 34% 2.0m 11.5m 48% docetaxel 244 12.8% 33.2% 2.0m 14.0m 54% INTEREST18) gefitinib 723 9.1% - 2.2m 7.6m 32% docetaxel 710 7.6% - 2.7m 8.0m 34% IDEAL-1(Jap)19) gefitinib 27.5 70.6 - 13.6m - Japan PII 20) erlotinib 106 28.3% 49.0% 10.7w 13.8m -

(10)

さらに、EGFR-TKIの感受性に関与する分子は、TKドメインコードするエクソンの遺伝子変異であり、 Exon 19欠失変異とExon 21 コドン858ロイシン→アルギニン変異(L858R)が8割以上占めていること が知られている。特に2004年にpublishされた2つの研究報告21) 22)は、EGFR-TKI(erlotinib,gefitinib) の研究において画期的な発見であり、EGFR遺伝子の変異がEGFR-TKIの効果を予測できることが 示された。特に、2006年以降、gefitinibおよびerlotinibのEGFR statusを踏まえたprospectiveな臨床 研究が世界的に数多く実施され、腫瘍組織中のEGFR遺伝子変異(exon 19,exon 21領域)が陽性 の非小細胞肺癌に対して、高い抗腫瘍効果を示すことが明らかにされている23)~27) このような中、gefitinibについては、日本において実施された、EGFR遺伝子変異陽性症例を対象と した7つの第Ⅱ相試験結果を統合解析したi-CAMPが報告され、遺伝子変異陽性例 148例において、 奏効率 76.4%,無増悪生存期間(PFS) 9.7ヶ月,MST 24.3ヶ月で極めて良好な結果であった28) また、日本を含むアジア地域において、腺癌,非喫煙者の進行非小細胞肺癌に対する一次治療で のgefitinibとPaclitaxel+CBDCA(TC)療法を比較する第Ⅲ相試験(IPASS)が実施された。その結果、 Primary endpintの無増悪生存期間(PFS)についてgefitinibの非劣性が証明された[gefitinib 5.7ヶ月, TC 5.8ヶ月 HR=0.741 (P<0.0001)]。さらに、EGFR statusについてのサブクループ解析において、 無増悪生存期間(PFS)は、EGFR遺伝子変異陽性症例が gefitinb群 9.5ヶ月,TC群 6.3ヶ月(HR=0.48, P<0.0001),陰性症例が gefitinb群 1.5ヶ月,TC群 6.6ヶ月(HR=2.85, P<0.0001)で、また、奏効率 はEGFR遺伝子変異陽性症例が gefitinb 71.2%,TC 47.3%( P<0.0001),陰性症例が gefitinb 群 1.1%,TC 群 23.5% (P<0.0013)であった29) 30)。

IPASSの臨床成績 29) 30)

症例数 RR PFS

Overall gefitinib 609 43.0% 5.7 HR=0.741 TC 608 32.2% P<0.0001 5.8 P<0.0001 EGFR mutant gefitinib 132 71.2% 9.5 HR=0.48

TC 129 47.3% P<0.0001 6.3 P<0.0001 EGFR wild type gefitinib 91 1.1% 1.5 HR=2.85

TC 85 23.5% P<0.0013 5.5 P<0.0001

TC:Paclitaxel + Carboplatin

小林らは、日本においてEGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌を対象に一次治療としての gefitinib vs TC療法の第Ⅲ相試験(NEJ002)を実施し、奏効率はgefitinib群 74.5%,TC群 29.0% (P<0.001)であり、primary endpointの無増悪生存期間(PFS)は gefitinib群 317日,TC群 166日 (HR=0.357, P<0.001)で、gefitinibが有意に優っていた31)

また、erlotinibについてもEGFR statusを踏まえた臨床成績が報告されている。Shepherdらは、 BR.21でのbiomarkerについてのレトロスペクティブ解析において、EGFR遺伝子変異陽性症例に対し て、奏効率 26.7%、MST 10.9ヶ月と報告している32)

さらに、Bartomeu Massutí らは、スペインにおいて EGFR 遺伝子(Exon 19 & 21)変異陽性の非小 細胞肺癌に対する erlotinib のプロスペクティブな Phase II Study を実施し、奏効率 70.6% 病勢コン トロール率 90.1% (24CR+115PR+38SD/217 例),無増悪生存期間(PFS) 14 ヶ月,MST 27 ヶ月33)

と報告しており、erlotinib は EGFR 遺伝子変異陽性症例に対して高い有効性を示した。

さらに、Myung-Ju Ahn らは、韓国において EGFR 遺伝子変異陽性での奏効率 58.3%,病勢コント ロール率 75.0%,腫瘍増殖までの期間(TTP) 8.6 ヶ月,MST 未到達34)であり、エルロチニブは EGFR

遺伝子変異陽性症例に対して高い有効性が期待できることを報告している。

一方、EGFR 遺伝子変異陰性症例に対する EGFR-TKI の有用性について、prospective な検討が ほとんど行われていない状況にある。

しかしながら、erlotinib は、BR.21 のサブグループ解析より、有意差は認めなかったものの EGFR 遺 伝 子 変 異 陰 性 症 例 に お い て も 生 存 期 間 [erlotinib 7.9 ヶ 月 , placebo 3.3 ヶ 月 (HR=0.74 P=0.0924)]を延長することが報告されている35)。

さらに、維持療法の検討であるが、未治療進行非小細胞肺癌に対する標準的治療法(platinum doublet)4 サイクル施行後の SD 以上の症例を対象に、erlotinib と placebo を比較する第Ⅲ相試験 (SATURN)が実施され、全体の無増悪生存期間(PFS)〔erlotinib 12.3 週 vs placebo 11.1 週

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HR=0.71, p<0.0001〕を有意に延長するとともに、EGFR 遺伝子変異陽性症例〔HR=0.10(p<0.0001)〕 だけでなく EGFR 遺伝子変異陰性症例〔HR0.78(p=0.0185)〕でも有用であった 36)。このことから、

erlotinib は EGFR 遺伝子変異の有無に関係なく無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが確認 された。

以上のことから、erlotinib は類薬の gefitinib と異なり、EGFR 遺伝子変異陽性症例だけでなく、陰性 症例に対しても有用性を示すことが確認された。

Erlotinib の臨床成績 [EGFR Status 含む]

症例数 RR DCR PFS MST BR.21 EGFR Status 35) EGFR(+) 15 26.7% - - 10.9m (Chang-Qi Zhu) EGFR(-) 101 6.9% - - 7.9m SLCG[TargeT] 33) EGFR(+) 217 70.6% 90.1% 14m 27m (Bartomeu Massutí)

韓国 biomarker 34)

EGFR(+) 24 58,3% 75.0% 8.6m N.R. (Myung-Ju Ahn) EGFR(-) 68 16.2% 51.5% 2.5m 10.8m

また、erlotinib と gefitinib はともに EGFR-TKI であるが、臨床において両薬剤間の投与量の違いが 指摘されており、特に、Phase I study における最大耐用量(MTD)と推奨投与量(RD)、さらに AUC を 踏まえた考え方について議論されている。Gefitinib の場合、Phase I study における最大耐用量 (MTD)は 700mg/day であり37)、Phase II Study では 250mg/day、500mg/day の 2 用量での試験が 行われた。その結果、奏効率および生存期間について両群間に差はなかったものの、Grade3 以上の 副作用が 500mg/day で高かったため、推奨投与量(RD)は MTD の 1/3 の用量である 250mg/day に 設定された19)

一方、erlotinib は、Phase I Study において、150mg/day でも投与量規制毒性(DLT)が認められず、 その結果、海外承認用量の 150mg/day を推奨投与量としている38)

さらに、AUC について、gefitinib の MTD である 700mg/day では 2,146ng/mL で37)、erlotinib の

MTD である 150mg/day の 2,120ng/mL と同等であり38)、gefitinib の承認用量の 250mg/day は事実 上低い状況にある。このことは、臨床において gefitinb が有効性を示す population(特に EGFR 遺伝 子変異陽性症例)において、erlotinib は承認用量より低い用量での治療が可能と考えられる。 erlotinib,gefitinib の投与量別薬物体内動態の推移 Erlotinib 38) (150mg/day) Gefitinib 37) (225mg/day) Gefitinib 37) (525mg/day) Gefitinib 37) (700mg/day) Cmax (ng/mL) 2,120 307 903 2,146 AUC 0-24 (ng•hour/mL) 38,420 5,041 14,727 36,077

また、Lynch TJ らは in vitro の試験において、EGFR 遺伝子変異の有無と EGFR-TKI の腫瘍縮小 効果について、薬物濃度(IC50)による反応性に違いがあることを報告しており、EGFR の TK 活性を 完全に阻害する薬物濃度は、EGFR 遺伝子変異陽性細胞が0.2μM,EGFR 遺伝子変異陰性細胞で は2.0μM であることを報告している21) 39)。これに対してエルロチニブは、基礎的に EGFR 遺伝子変異 の有無に関係なく IC50 以上の濃度を満たしており、特に感受性の高い EGFR 遺伝子変異陽性に対し て低用量でも十分な腫瘍増殖抑制が可能であり、臨床において投与量の減量においても十分な効果 が期待できることが示唆される。

また、有害事象の点から、erlotinib の皮膚障害,下痢等は Dose depending なものであることから、 投与量を減量することにより有害事象の軽減が期待される。

さらに、薬剤費について、承認用量の erlotinib 150mg/day,gefitinib 250mg/day では、erlotinib が gefitinib より高額となるが、erlotinib 100mg/day では gefitinib とほぼ同等であり、費用の負担を軽減 することも可能である。

(12)

erlotinib と gefitinib の薬価*について erlotinib gefitinib タルセバ錠 25mg 1,923.3 円 イレッサ 250mg 6,560.5円 タルセバ錠 100mg 7,070.5 円 タルセバ錠 150mg 10,347 円 *平成 20 年 4 月薬価収載分

このような中、low dose erlotinib 療法は、有効性が期待でき、低用量による副作用低減が可能で、 さらにコスト軽減を含め臨床上のメリットは大きいと考える。

以上のことから、EGFR遺伝子変異陽性で先行化学療法無効の再発・進行非小細胞肺癌に対する low dose erlotinib療法の有効性と安全性について検討するための第Ⅱ相試験を実施することとした。

(13)

3. 目的

EGFR 遺伝子変異陽性(mutant)で化学療法既治療の再発・進行非小細胞肺癌に対する erlotinib Low dose 療法の有効性と安全性について検討を行う。

評価項目は以下のとおりとする。

・Primary endpoint :奏効率(Response Rate)

・Secondary endpoints :病勢コントロール率(DCR),SD 例の増量後の奏効率,安全性, 無増悪生存期間(PFS),全生存期間(OS)

4. 試験の種類

中央登録方式による多施設共同第Ⅱ相試験 (有効性を踏まえた低用量評価試験)

5. 対象

EGFR 遺伝子変異陽性(mutant)で先行化学療法後に再発または先行化学療法治療中に増悪 (PD)あるいは治療中止となった再発・進行非小細胞肺癌 5-1. 適格基準 1) 組織診あるいは細胞診にて非小細胞肺癌であると診断された症例 2) 根治照射/根治手術の対象外となる臨床病期 IIIB期、IV期の症例、または術後再発例 3) 化学療法治療歴が3レジメン以内の前治療が行われている症例 (手術療法および放射線療法の治療歴は問わない。また、術後補助化学療法終了後1年以上 経過している場合は1レジメンとはしない。また抗癌剤の胸腔内投与は1レジメンとみなさない。) 4) EGFR遺伝子変異陽性(mutant)[Exon 18, Exon 19, Exon 21]の症例

5) EGFR-TKI未使用の症例 6) 経口剤による治療が可能な症例 7) Performance Status(ECOG) 0-2の症例 8) RECISTに基づく測定可能病変を有する症例 ※CTまたはMRIで最長径がスライス幅の2倍以上かつ10mm以上の病変を有する症例。 ただし、放射線照射後の症例では放射線照射内の病変は測定可能病変とはしない) 9) 原則として、少なくとも4週間入院またそれに準ずる管理のもとで本試験の実施が可能な症例 10) 年齢20歳以上の症例 11) 下記の臓器機能を有し、充分な骨髄、腎、肝、心肺機能が保たれている症例。 (登録日前 2週間以内の検査結果にて確認。登録日と同一曜日の2週間前は含まない。) ・白血球数 ≧3,000/mm3 ・好中球数 ≧1,500/mm3 ・血小板数 ≧100,000/mm3 ・ヘモグロビン ≧9.5g/dL ・AST,ALT 施設正常値上限値の 2.5 倍以下 ・総ビリルビン 1.5mg/dL 以下 ・血清クレアチニン 1.5mg/dL 以下

・SpO2 (Room air) 94%以上 (または PaO2 65mmHg 以上)

・心電図 治療を要する異常所見を認めないこと 12) 前治療歴がある場合、前治療から 4週間以上経過している症例

(脳・骨転移への緩和的放射線療法や胸膜癒着術からは、いずれもコントロール可能であれば2週間 の経過で登録可能とする。胸膜癒着術の前治療は、癒着剤使用の有無を問わない。)

(14)

5-2. 除外基準 1) 原発巣に対する放射線照射後で、同部位が唯一の評価可能病変の症例 2) 上大静脈症候群を有する症例 3) 重篤な薬物アレルギーの既往を有する症例 4) 多量の腹水・心嚢水を有する症例 5) 臨床上問題となる感染症を有する症例 6) 下痢(水様便)を持続的に認める症例 7) 腸管麻痺、腸閉塞を有する症例 8) CT により明らかな間質性肺炎または肺線維症を有する症例 ※肺線維症は“広汎な場合”の症例のみ除外。(胸膜直下のみの軽度症例は登録可) また、PSL 5mg 相当を超える全身ステロイド併用症例は除外例とする。 9) 臨床的に問題となる眼科疾患を有する症例 [例:重度の眼乾燥症候群(シェーグレン症候群を含む),乾性角結膜炎,角膜炎などの合併] 10) 消化管穿孔の合併あるいは登録前 1 年以内に既往を有する症例 11) コントロール不能な消化性潰瘍を有する症例 12) 症状を有するあるいはステロイド投与を必要とする脳転移症例 13) 活動性の重複癌を有する症例 ※ただし、局所治療により治癒と判断される上皮内がん(Carcinoma in situ)または粘膜内がん に相当する病変は重複癌に含めない 14) 5 年以内の重複癌の既往のある症例 ※ただし、適切な治療が行われた非黒色腫型皮膚癌あるいは子宮頸癌、甲状腺癌、早期胃癌、 早期大腸癌を除く 15) コントロール困難な糖尿病を有する症例 16) 臨床上問題となる心疾患またはその既往歴のある症例 17) 臨床上問題となる精神疾患等を有する症例 18) 妊娠中、授乳中または妊娠の可能性がある女性、または避妊する意志の無い症例 19) その他、担当医師などが本試験を安全に実施するのに不適当と判断した症例

6. 症例の登録方法および経過報告,症例の追加および試験中止

6-1. 登録方法 (1) 本試験に登録可能と判断される症例がある場合、試験責任医師または試験分担医師は、文書に よる同意を取得した上で、登録適格性確認書(様式 1-1)に必要事項をすべて記入し、下記のデータ センターに FAX で連絡する。 症例登録には、性別、患者識別番号、年齢などを除き、個人情報は記載せずに登録する。 患者識別番号は各施設において厳重に管理すること。 (2) データセンターは、登録適格性確認書(様式 1-1)による選択基準、除外基準などに基づき適格性 を確認後、登録可能と判断された場合は、症例登録確認通知書(様式 1-2)を作成し、試験責任 医師または試験分担医師に、FAX にて登録内容を連絡する。 (3) 試験責任医師または試験分担医師は、症例登録確認通知書の内容を確認し、1 週間以内に症例 への試験薬の投与を開始し、治療前記録用紙(様式 3-1)に必要事項を記入の上、登録後 14 日 以内にデータセンターへ返送する。 (4) 本試験の症例登録後、不適格と判明した場合は試験薬の投与は行わず、その時点で当該症例に おける試験を中止し、治療終了報告用紙(様式 3-5)をデータセンターへ FAX する。

(15)

<症例登録受付業務> 登録・データセンター:横浜市立大学附属市民総合医療センター 臨床研究推進センター 〒232-0024 神奈川県横浜市南区浦舟町 4 丁目 57 番地 FAX:045-253-9902 TEL:045-253-9903 担当:担当:佐藤 真帆 (E-mail:[email protected]) 受付時間;月~金 8:30~17:00 (土、日、祝祭日および 12/29~1/4 を除く) 受付時間以降の FAX については、登録手続きは翌日以降となります。 6-2. 経過報告,症例の追加および試験中止 1) 本試験を中止あるいは終了した場合は、治療記録用紙(様式 3-2,様式 3-3)、治療終了報告用紙 (様式 3-5)を治療終了とした日より 7 日以内にデータセンターへ郵送する。 2) 追跡調査用紙(様式 4-1)は追跡依頼から 3 週以内にデータセンターへ郵送する。 3) 腫瘍縮小効果報告用紙(様式 3-4)は、最終投与日以降 4 週までを評価し、最終投与日より 6 週 以内にデータセンターへ郵送する。

7. プロトコール治療

7-1. 試験薬剤 いずれも各施設採用の市販品を使用することとする。なお、薬剤の取扱いについては添付文書を 遵守すること。なお、本治療に関わる費用はすべて保険診療で行われる。 ◆erlotinib(エルロチニブ) [商品名:タルセバ 中外製薬株式会社] 1錠中に erlotinib を 25mg, 100mg, 150mg 含有する(3製剤)。 一般名 略号 商品名 剤型 エルロチニブ塩酸塩 TAR タルセバ錠 25mg タルセバ錠 100mg タルセバ錠 150mg 25mg 錠 100mg 錠 150mg 錠 7-2. 投与スケジュール Erlotinib は 1 日 1 回連日経口投与により開始。 腫瘍の増悪あるいは耐容不能な副作用が発現するまで継続する。 投与スケジュール day 1 8 15 22 29 36 43 50 57 erlotinib ◆投与量 治療開始時は erlotinib 50mg/day(25mg 錠 X 2)を連日経口投与する。その後、有害事象の 出現にあたっては減量基準に則って減量する。 ◆投与量の変更について 腫瘍縮小効果により、投与量を増量する。 ・治療開始 4 週後の評価により SD の場合 :50mg/day ⇒ 150mg/day に増量して継続 ・PD の場合:50mg/day ⇒ 原則治療中止。 ただし、患者の希望により 150mg/day に増量した上で継続してもよい。 エルロチニブは高脂肪、高カロリーの食後に本剤を投与した場合、AUC が増加するとの報告がある。 食事の影響を避けるため食事の 1 時間前から食後 2 時間までの間の服用は避けること (タルセバ錠の添付文書参照)

(16)

7-3. 目標症例数

45 例 (登録期間 4.5年間、観察期間 1.5 年間) ◆目標症例の設定根拠(SWOG Two Stage Design)

EGFR 遺伝子変異陽性症例に対する erlotinib の奏効率は SLCG(TargeT)の prospective Study で 70.6%であり、また参考として IPASS での gefitinib の奏効率が 71.2%であった。 Southwest Oncology Group(SWOG)の Two Stage Design に従い、症例集積期間 1.5 年、 観察期間 1.5 年、EGFR 遺伝子変異陽性症例に対する閾値奏効率を 50% 、期待奏効率を 70%、α=0.05、β=0.20 と仮定すると必要症例数 40 例であり、 また 10%の不適格を考慮し、 45 例を登録することとした。また、20 例が登録された時点で中間解析を行い、奏効例 (CR+PR)が 10 例以上であれば試験を継続することとした。 また、40 例が登録された時点で 26 例以上の奏効例(CR+PR)が認められた場合、本試験 の有効性が証明されたものとする。 7-4. 中間解析と試験の早期中止 1) 中間解析の目的と時期 本試験は、プライマリーエンドポイントを登録開始からの奏効率とし、20 例目の症例が登録 された時点から効果が確認できる時期を予測し中間解析を予定する。 なお、日本人に対する 2nd/3rd line における erlotinib の安全性は、発売より実施された特定 使用成績調査の中間解析(第 3 回)[解析例:4,662 例/登録例:6,790 例]により、特異的 な副作用の発現等はみられていないことが確認されている。 しかしながら、有効性については全症例を対象とした開発時の臨床試験( JO15656 & JO18396)で確認されているものの、EGFR 遺伝子変異陽性症例に対する Low dose erlotinib の有効性,安全性は未だ明確になっていない状況にある。

そのため、日本人における EGFR 遺伝子変異陽性症例に対する Low dose erlotinib の有効 性,安全性についてのデータの創出と迅速な情報提供も本試験の重要な目的であると考え、 中間報告を行なう。 中間段階で 20 例の登録の中で CR または PR が 10 例確認できなかった場合、効果安全性 評価委員会において本試験の継続の可否を審議することとする。 20 例の適格例が集積された後は、中間解析にて担当医判定で 10 例以上の奏効例(PR in) が確認されるまで症例集積を一時中断する。 また中間解析は、効果判定の評価可能例 20 例が登録され、20 例目の登録後評価可能な 時期に本試験の継続の可否について検討する。 2) 中間解析の方法 中間解析は研究事務局で行う。 20 例目が登録された時点で、登録センターは研究事務局にその旨を通知し、中間解析を行 えるデータが得られる解析時期を予想する。 研究事務局は予想した解析時期に適切な中間解析が行えるよう、治療記録(様式 3-1~ 3.3),腫瘍縮小効果報告用紙(様式 3-4)の督促ならびに治療記録の不明点の問い合わせ等 を行う。

担当医師は NCI-CTCAE Ver3.0 日本語訳 JCOG/JSCO 版に準じた Grade3/4 の有害事象 の発現状況および 「12-1 5)総合効果」に準じた効果判定を行い、治療記録(様式 3-1~3.3) ならびに腫瘍縮小効果報告用紙(様式 3-4)に記入し研究事務局へ提出する。 なお、腫瘍縮小効果の判定は、担当医師が行うが、効果判定医師*による Extra Mural Review にて確定する。 (* P21, P27 参照) また、中間解析以降もデータ集積は継続して行い、必要に応じて成績の up-date を実施し、 最終の成績のまとめを試験終了時に行う。

(17)

3) 中間解析結果の報告と審査 中間解析結果は、中間解析レポートとして研究事務局より効果・安全性評価委員会に提出される。 効果・安全性評価委員会は、審査結果に基づいて研究代表者に結果公表の可否を勧告する。 7-5. 減量基準 試験治療中に以下に該当する副作用が発現した場合には、各薬剤の投与量の変更基準に準じて減量 する。減量後さらに該当する副作用が発現した場合、試験責任医師、分担医師の判断により、試験 を継続するか中止するかを決定する。 エルロチニブの休薬,減量基準 副作用の種類 休薬,減量 - 連続16日以上の休薬を要する副作用 投与中止 間質性肺障害(肺線維症、肺臓炎) 投与中止 Grade 1 上記以外の副作用 同一用量で投与を継続 Grade 2 上記以外の副作用 Grade 1以下に回復するまで休薬 休薬後は、同一用量で投与を再開 Grade 3 発疹 (忍容不能な Grade 2 の発疹を含む) Grade2以下に回復するまで休薬 ※忍容不能な Grade 2の場合は Grade 1 に回復するまで休薬 休薬後は減量して投与再開 ・ 50mg の場合 ⇒ 25mg ・150mg の場合 ⇒ 100mg ⇒ 75mg 下痢 Grade 1以下に回復するまで休薬 休薬後は減量して投与再開 ・ 50mg の場合 ⇒ 25mg ・150mg の場合 ⇒ 100mg ⇒ 75mg 上記以外の副作用 Grade 1以下に回復するまで休薬 Grade 1以下に回復した後、同一用量 で投与を再開 ただし、発現した副作用の種類により 担当医の判断で減量して投与再開。 ※同一用量で投与を再開した後、 再度 Grade 2以上の副作用が 発現した場合は Grade 1以下に 回復するまで休薬。Grade 1以下 に回復した後、減量して投与再開 ・ 50mg の場合 ⇒ 25mg ・150mg の場合 ⇒ 100mg ⇒ 75mg Grade 4 副作用の種類は問わない 投与中止 投与量減量は“投与量の変更基準”に準じて行う。 ※50mg/day 投与時は1回,150mg/day 投与時は2回 【エルロチニブ 投与量の変更基準】 ◆50mg/日投与の場合 (1段階) 投与開始時 投与量 (mg/日) 投与量(mg/日) 初回減量時 50 25

(18)

◆150mg/日投与の場合 (2段階) 投与開始時 投与量 (mg/日) 投与量(mg/日) 初回減量時 2回目減量時 投与量(mg/日) 150 100 75 原則として、減量を行った場合、再増量は行わない。 重症度の異なる副作用が同時期に発現した場合、休薬減量は重症度の高いものを適用。 7-6. 休薬・再開基準 以下に示す有害事象が認められた場合は、Grade 1(口内炎と皮膚障害は Grade 2)以下に回復 するまで休薬し、Grade 1(口内炎と皮膚障害は Grade 2)の回復を確認後、投与再開する。 休薬期間は最長で連続 15 日間までとする。 ・Grade 3 の AST、ALT の上昇が認められた場合 ・Grade 3(忍容不能な Grade 2)の皮膚毒性が認められた場合 ・総ビリルビン値が 2.5mg/dL 以上となった場合 ・Grade 2 以上の血清クレアチニン上昇が認められた場合 ・Grade 2 以上の下痢が認められた場合 ・Grade 3 以上の口内炎が認められた場合 ・Grade 3 の血液毒性が認められた場合 ・その他の Grade 3 の非血液毒性(悪心、嘔吐、低 Na 血症、体重減少、食欲不振を除く) ・その他、担当医師が休薬を必要と判断した場合  肺臓炎/肺浸潤が疑われる際には、7-8 2) 対症療法 【肺障害対策】 に従って適切な処置を行うと ともに、原因の究明に努める。治療薬との因果関係が否定的と考えられる場合、内服を再開する。 乾性咳嗽、息切れ、発熱、胸部聴診所見、SpO2などの内容は治療記録用紙(様式 3-2,様式 3-3 “その他の所見”)に記載すること。  連続 16 日以上の休薬を行っても上記有害事象の改善が見られない場合は、試験中止基準に 従い治療を中止する。 以上の基準以下の有害事象でも主治医が投与困難と判断した場合は延期してもかまわないが、 その場合は治療記録用紙(様式 3-2,様式 3-3)に延期理由を記載する。 7-7. 投与継続期間 「8-2.試験中止基準」に抵触しない限り、腫瘍の増悪あるいは耐容不能な副作用が発現する まで継続する。 7-8. 併用療法・対症療法 1)併用禁止薬(療法) 試験薬剤投与開始から最終投与 30 日後(原疾患の悪化がない限り)までは、試験薬剤の評価 に影響を及ぼす抗悪性腫瘍薬の投与、BRM 製剤、ホルモン療法、温熱療法または放射線療法 などは禁止する。 2) 対症療法 対症療法は、以下の条件とする。 【抗生物質】 臨床的に感染症の併発と診断され抗生物質の投与が必要と判断された場合に投与する。

(19)

【皮膚障害に伴うステロイド】 皮膚障害(ざ瘡様皮疹,脂漏性皮膚炎,乾皮症,そう痒症,爪囲炎)に対して、必要に応じて ステロイド,保湿剤の使用は行ってもよい。 [P31 “付表:主な皮膚障害と治療法について”を参照]

Rash Management (診断・治療フローチャート)

ステロイド外用剤と主な製品

薬 効 ステロイド剤(濃度) 主な製品 Strongest (最強) クロペタゾールプロピオン酸エステル(0.05%) 酢酸ジフロラソン(0.05%) テルモベート ジフラール,ダイアコート Very strong (かなり強力) 酪酸プロピオンベタメタゾン(0.05%) ジフルプレドナート(0.05%) プロピオン酸デキサメタゾン(0.1%) 吉草酸ジフルコルトロン(0.1%) フルオシノニド(0.05%) 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン(0.1%) モメタゾンフランカルボン酸エステル(0.1%) アンテベート マイザー メサデルム ネリゾナ トプシム パンデル フルメタ Strong (強力) 吉草酸ベタメタゾン(0.12%) プロピオン酸ベクロメタゾン(0.025%) 吉草酸酢酸プレドニゾロン(0.3%) フルオシノロンアセトニド(0.025%) リンデロン,ベトネベート プロパデルム リドメックス フルコート Medium (中等度) プロピオン酸アルクロメタゾン(0.1%) ヒドロコルチゾン酪酸エステル(0.1%) クロベタゾン酪酸エステル(0.05%) アルメタ ロコイド キンダベート Weak (弱い) プレドニゾロン(0.5%) ヒドロコルチゾン(1%) プレドニゾロン テラ・コートリル

(20)

【5-HT3受容体拮抗剤などの制吐療法】 悪心・嘔吐に対しては、予防的に 5-HT3受容体拮抗剤などの制吐剤を使用してもよい。 【下痢対策】 下痢が発現した場合、止痢剤を投与する。下痢が 12 時間以上認められなくなったら止痢剤 の投与を中止する。下痢によって脱水、電解質異常をきたした場合は適切な補液を行うとと もに、下痢が高度の場合は、絶食,IVH 管理を行う。 【肺障害対策】 体動時の息切れ、発熱、咳などの症状、PaO2の低下、胸部 X 線写真上間質性肺炎の所見 などにより肺障害が疑われる場合、可能な限り以下の検査を行う。 動脈血ガス分析,拡散能を含む肺機能検査,胸部 CT,BAL,TBLB,血液培養, 血清ウイルス抗体価(Adeno、CMV アンチゲナミアアッセイ、HSV など), マイコプラズマ抗体価、P. carinii の検索 肺臓炎と判断された場合、直ちに本治療を中止し、副腎皮質ステロイド剤の投与を行う。 【その他】 試験責任医師または試験分担医師が治療上必要と判断したもの。 【費用および補償】 本治療により予期せぬ有害事象が発生した場合、金銭的補償は行わないが、保険診療の 範囲内で、最善の対症療法を行う。

8. 試験終了の定義と中止基準

8-1. 試験終了の定義 症例登録後、プロトコール治療が完了するか、「8-2. 試験中止基準」によりプロトコール治療が中止 した時点でプロトコール(試験)終了とする。なお、プロトコール治療完了の定義として、治療終了理由 が「8-2.の試験中止基準」に抵触するものでない場合とする。 8-2. 試験中止基準 本試験中に以下のいずれかの条件に該当する場合は本試験を中止し、必要な検査、観察を行う。 1) 登録後に適格症例ではないと判断された場合 2) PD(progressive disease)となった場合 3) 患者が死亡した場合 4) 重篤な有害事象が発現し、治療継続が困難な場合 5) Grade 3 以上の薬剤過敏症が発現した場合 6) Grade 4 の血液毒性を認めた場合 7) 38℃(腋下温)以上の発熱を伴う Grade 3 以上の好中球減少(1,000 /mm3未満)を認めた場合 8) Grade 3 以上の非血液毒性を認めた場合 ※ただし、悪心,嘔吐,口内炎,皮膚障害,低 Na 血症,体重減少,食欲不振,肝障害を除く 9) Grade 4 の AST/ALT 上昇、あるいは 7 日以上持続する Grade 3 の AST/ALT 上昇を認めた場合 10) 総ビリルビン値の 3.5mg/dl 以上、あるいは 7 日以上持続する 2.5-3.5mg/dl 未満の総ビリル ビン値の上昇が出現した場合 11) 連続 16 日以上の休薬を行っても投与再開できない場合 12) 肺臓炎/肺浸潤が出現し、治療薬との因果関係が疑われる場合 13) 合併症の併発・悪化、または偶発症の発生で治療の継続が困難と判断される場合 14) 患者からの中止の申し出があった場合 15) その他、担当医師が治療の継続を困難と判断した場合

(21)

9.

後治療 本試験を終了した症例は、腫瘍の増大または新病変の出現(RECIST における PD)を認めるまで は肺癌に対する治療は原則として行わない。ただし、患者の希望,利益を優先する場合はこの限りで はない。PD 例,再発・再燃例に対する後治療は自由とする。

10. 予想される有害事象

以下に予想される erlotinib の副作用について示す。 なお、使用にあたっては最新の添付文書を参照すること。 10-1. 有害事象の評価

有害事象の評価は、“National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events Ver 3.0(NCI-CTCAE) [日本語訳 JCOG/JSCO 版]”に準じて行う。

また、有害事象については、内容,Grade を治療記録用紙(様式 3-2,様式 3-3)に記載する。 10-2. erlotinib の予想される副作用(添付文書「副作用」の項より抜粋)(単剤) 10-2-1. 重大な副作用 1) 間質性肺疾患 (4.9%) 2) 肝炎、肝不全 (頻度不明*1 3) 重度の下痢 (頻度不明*1 4) 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群),中毒性表皮壊死症,多型紅斑(頻度不明*2) 5) 消化管穿孔(頻度不明*2) 6) 角膜穿孔、角膜潰瘍(以上頻度不明*2) 10-2-2. その他の副作用 20%以上または 頻度不明*1 10%以上 20%未満 10%未満 皮膚*2 ざ瘡様皮疹等の発疹(96.7%) 皮膚乾燥(65.0%) そう痒症(61.8%) 爪囲炎等の爪の障害 男性型多毛症※ 光線過敏症※ 皮膚色素沈着※ 脱毛 眼*3 角膜潰瘍形成*1 結膜炎、角膜炎 眼乾燥、角膜びらん、 眼瞼炎、睫毛/眉毛の異常 肝臓 ALT(GPT)上昇 ビリルビン上昇 AST(GOT)上昇 LDH 上昇 Al-P 上昇 γ-GTP 上昇 腎臓 尿潜血陽性 尿沈渣異常,BUN 上昇 クレアチニン上昇 血液 白血球増加,リンパ球減少 ヘモグロビン減少 好中球増加 白血球減少,好中球減少 赤血球減少 ヘマトクリット減少 消化器 下痢(71.5%) 口内炎(40.7%), 食欲不振 悪心,腹痛,口唇炎 嘔吐 便秘 呼吸器 咳嗽 鼻出血、呼吸困難、喀血 精神神経系 不眠症 頭痛、味覚異常 その他 疲労,CRP 上昇 体重減少,電解質異常, 発熱,けん怠感 血糖値上昇,血中アルブミン減少 総蛋白減少,感染症 *1 海外の臨床試験または自発報告にて報告された副作用については頻度不明とした。 *2 必要に応じて、皮膚科を受診するよう患者を指導すること。 *3 眼の異常があらわれた場合には、直ちに眼科的検査を行い、適切な処置を行うこと。

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11. 評価項目とそのスケジュール

11-1. 治療・追跡期間の定義 1) 各患者の治療期間は、初回投与開始日から抗癌剤最終投与日の 4 週間後まで、または 4 週以 内の後治療開始日までとする。 2) 各患者の追跡期間は最終登録終了後 1.5 年とする。 11-2. 登録前評価項目 (1) 患者背景 以下の特性について病歴などを調査する。 1) 患者識別番号 2) 性別 3) 治療開始時年齢 4) 身長 5) 体重 6) 体表面積 7) 診断名 8) EGFR 遺伝子変異 9) 臨床病期(TNM 分類) 10) 組織型 11) PS(ECOG) 12) 病変存在部位(転移巣を含む) 13) 喫煙歴 14) アレルギーの有無 15) 前治療(時期,内容,効果) 16) 合併症の有無 17) 現病歴 18) 既往歴 19) 同意取得日 ※患者イニシャル,生年月日,カルテ番号等の個人情報については各施設で匿名化する。 (2) Staging Staging は登録前 4 週間以内に実施する(測定可能病変の画像は治療開始前 14 日以内のも のが望ましい)。必要な項目は以下のとおりである。 胸部 X 線写真,胸部 CT,腹部 CT,頭部 CT(MRI), ※骨シンチおよび FDG-PET は臨床的に適応がある場合のみ行う CT,MRI は造影剤を併用することが望ましい。 (3) 自他覚症状 以下の項目について観察、調査する。 Performance status(PS),身長,体重,体温,下記のその他自他覚症状 ※下痢、眼科疾患,悪心・嘔吐,食欲不振,口内炎,便秘、肺臓炎,咳,呼吸困難, 末梢神経障害,味覚障害,発疹,浮腫,全身倦怠,脱毛,関節痛 等 (4) 臨床検査 以下の項目について登録前 2 週間以内に検査する。 血液学的検査(白血球数,白血球分画,好中球数,血小板数,ヘモグロビン) 生化学的検査(TP,Alb,Al-P,LDH,AST,ALT,BUN,Cre,T-Bil,Na,K,Cl,Ca,CRP) 動脈血酸素飽和度(SpO2),[血液ガス(PaO2)],心電図 (5)EGFR 遺伝子変異の測定 症例登録の前に EGFR 遺伝子変異について測定を行う。 1)組織検体の採取 本試験への登録には、試験治療前に非小細胞肺癌と診断を確定した外科切除組織、生検 組織,あるいは胸水の採取が必須となる。(検体の採取時期は問わない) ※既に組織検体を採取して EGFR 遺伝子変異の解析を行い、陽性であった場合は許容する。 2) 組織検体の測定

本試験の Quality を確保するため、EGFR 遺伝子変異の測定は可能な限り PNA-LNA PCR clamp 法(三菱化学メディエンス)により実施する。ただし、参加施設が契約しているラボ (解析機関)が三菱化学メディエンス以外の場合、PCR-Invader 法,Direct sequence 法, Scorpion arms 法(Roche Diagnosis [未承認])になどより実施する。

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※EGFR 遺伝子変異の測定法を登録適格性確認書(様式 1-1)に記載する。 *参考(解析機関): 解析機関 測定法 検体 検査日数 三菱化学メディエンス PNA-LNA PCR clamp 法 組織,胸水 7~10 日 ビー・エム・エル PCR-Invader 法 組織,胸水 7~12 日 エス・アール・エル Direct sequence 法 組織,胸水 7~12 日

Roche Diagnosis [未承認] Scorpion arms 法 組織,胸水 7~12 日 11-3. プロトコール治療中の評価項目 (1) 画像検査 胸部 X 線写真は 1-2 週に 1 回撮影する。胸部 CT および転移部位の画像は、月 1 回撮影する (ただし、骨シンチ等の核医学検査は症状に変化があり適応と思われる場合に施行してもよい)。 奏効例(SD を含む)については、奏効期間(4 週間)確定のための画像を撮影すること。ただし、 長期投与症例(12 週以上)では画像検査の頻度を減らしてもよい。プロトコール治療終了時には restaging を行う。また、増悪例における評価可能病変のみ restaging を行う。 (2) 自他覚症状 以下の項目について、治療中は 1〜2 週に 1 回観察、調査する。 PS、体温、その他自他覚症状は「10. 予想される有害事象」を参照のこと。 ただし、長期投与症例では観察、調査の頻度を減らしてもよい。 (3) 臨床検査 1) 以下の項目について、試験開始 4 週目までは 1 週毎に、5 週目以降は 2~4 週毎に検査する。 ただし、長期投与症例(12 週以上)では臨床検査の頻度を減らしてもよい。 ・ 血液学的検査(白血球数,白血球分画,好中球数,血小板数,ヘモグロビン) ・ 生化学的検査(TP,Alb,Al-P,LDH,AST,ALT,BUN,Cre,T-Bil,Na,K,Cl,Ca,CRP) ・ パルスオキシメーター(SpO2) 2) 以下の項目について必要時検査する。 ・ 血液ガス(PaO2) ・ KL-6 ・ 検尿 ・ CRP 11-4. 追跡期間中の評価項目 (1) 画像検査 胸部 X 線写真は最低月 1 回撮影する。 腫瘍縮小効果判定のための胸部 CT および転移部位の画像検査は、試験開始 4 週後,8 週後, 12 週後に実施する。奏効例では、奏効期間(4 週間以上)確定のための画像を撮影すること。 自他覚症状などから再発が疑われた場合は、適宜必要な検査を行う。 (2) 自他覚症状、臨床検査 必要時観察、調査、検査する。 (3) 追跡調査 以下の項目について追跡調査を行う。 ・再発の有無(再発日,その部位) ・後治療の有無(内容,治療開始日) ・死亡日または最終生存確認日 ・死亡例ではその死因

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11-5. スタディーカレンダー ・ 原則として、治療開始時 4 週間は入院に準じた(少なくとも 1~2 回/週の外来)治療を行う。 ・ 各検査[KL-6,病巣の計測(CT, MRI 等)以外]は、試験開始 4 週目までは 1 週毎に、5 週目以降 は 2~4 週毎に行う。 ・ 病巣の計測は試験開始 4 週後,8 週後,12 週後に行い、奏効(PR)確認後は 4 週毎に行う。 ・ 有害事象発現時は必要に応じて検査を行い、患者の状態を把握する。 ・ 眼症状が発見した場合は、必要に応じて眼科での診療(対症療法)を行う。 登録前 治療開始 4 週目まで 治療開始 5 週目以降 治療中止 終了時 追跡期間中 1 週毎 2~4 週毎 臨床 検査 血液学的検査 ○ ○ ○ ○ 回復を確認するまで 生化学的検査 ○ ○ ○ ○ 回復を確認するまで 尿検査 尿蛋白,尿糖,尿潜血 等 ○ 必要時 必要時 ○ 回復を確認するまで 一般 所見 PS ○ ○ ○ ○ 回復を確認するまで 体温 ○ ○ ○ ○ 体重 ○ ○ ○ ○ 臨床 所見 自他覚症状 ○ ○ ○ ○ 回復を確認するまで 眼科検査(有症状時) (○) 有症状時 有症状時 有症状時 回復を確認するまで ILD 検査 胸部X線・CT ○ ○ ○ ○ 回復を確認するまで SpO2 ○ ○ ○ 必要時 ILD 様症状発現時は KL-6 (○) 必要時 必要時 必要時 必須(回復するまで) 感染 CRP ○ 必要時 必要時 必要時 病巣の 計測※ CT または MRI ○ ○(4 週間毎) ○ 腫瘍縮小効果が RECIST の評価 ○ ○(4週間毎) ○ 持続している期間 腫瘍マーカー ○ ○(4週間毎) 必要時 ※CR もしくは PR 確定後、または治療終了時に効果が確定していた場合、その後は少なくとも2ヶ月に1回観察する。

12. 評価基準

12-1. 奏効率、病勢コントロール率の評価基準 奏効率は、全適格例(分母)中、CR + PR 例(分子)の割合とする。 また、病勢コントロール率は全適格例(分母)中、CR + PR + SD 例(分子)の割合とする。

抗腫瘍効果の評価は Response Evaluation Criteria In Solid Tumors(RECIST)に従って行い、 効果に関しては確定(confirmation)を要する。 概略は以下のとおり。 (1) 測定可能病変の定義 以下のいずれかに該当する病変を測定可能病変とする。 ① 10 mm 以下のスライス厚の CT で最長径 20 mm 以上 ② 5 mm 以下のスライス厚のスパイラル CT で最長径 10 mm 以上 上記以外のすべての病変を測定不能病変とする。 ただし、以下の病変は検査法や病変の大きさによらず測定不能病変とする。 放射線照射病変,骨病変,髄膜病変,腹水,胸水,心嚢水,癌性リンパ管症,嚢胞性病変

(25)

(2) 標的病変の定義 測定可能病変のうち、最長径の大きい順に 5 つまでを選択して標的病変とする。 標的病変として選択されなかった病変は測定可能か否かを問わず、すべて非標的病変とする。 非標的病変の評価に腫瘍マーカーは用いない。 (3) 標的病変の抗腫瘍効果の判定基準 以下の基準に従って判定する。 CR(complete response 完全奏効) すべての標的病変が消失 PR(partial response 部分奏効) 標的病変の最長径の和が、治療開始前の最長径の和と比較して 30%以上減少 PD(progressive disease 進行) 標的病変の最長径の和が、それまでに記録された最小の最長径の和と比較して 20% 以上の増加 SD(stable disease 安定) PR に該当する腫瘍縮小や PD に該当する腫瘍増大を認めない (4) 非標的病変の抗腫瘍効果の判定基準 以下の基準に従って判定する。 CR(complete response 完全奏効) すべての非標的病変が消失

IR/SD(incomplete response/stable disease 不完全奏効/安定) 1 つ以上の非標的病変が残存 PD(progressive disease 進行) 非標的病変が明らかに増悪 (5) 総合効果 以下の表に従って判定する。 標的病変 非標的病変 新病変 総合効果 CR CR なし CR CR IR/SD なし PR PR PD 以外 なし PR SD PD 以外 なし SD PD 問わない 問わない PD 問わない PD 問わない PD 問わない 問わない あり PD (6) 確定(confirmation) 本試験では抗腫瘍効果の確定のために、CR と PR で 4 週間、SD で 6 週間の効果の持続を 必要とする。また、CR もしくは PR の判定は、委嘱された効果安全性評価委員の効果判定医師*

による Extra Mural Review にて確認する。

*効果判定医師:栃木県立がんセンター呼吸器内科 森 清志 国立がんセンター中央病院放射線診断部 楠本 昌彦 (7) 奏効率の定義

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12-2.安全性の評価基準

有害事象の評価は Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Version 3.0 日本語訳 JCOG 版に従って行う。英語のオリジナルはhttp://ctep.info.nih.gov/reporting/ctc.html

を参照のこと。Grade はコース内で認められた最も高い Grade を記載する。登録前より Grade 1 以上の症状を認める場合は、より高い Grade に悪化した場合のみその相当する Grade を記載 する。 12-3. 全生存期間の評価基準 登録日を起算日としてあらゆる原因による死亡日までの期間。 ・ 生存例では最終生存確認日をもって打ち切りとする。 ・ 追跡不能例では追跡不能となる以前で生存が確認されていた最終日をもって打ち切りとする。 12-4.無増悪生存期間(PFS)の評価基準 登録日を起算日とし、増悪と判断された日またはあらゆる原因による死亡日のうち早い方までの期間。 ・ 増悪(progression)は画像上の PD、画像診断検査で確認できない原病の増悪(臨床的増悪)の 両者を含む。 ・ 増悪と判断されていない生存例では増悪がないことが確認された最終日(最終無増悪生存確認 日)をもって打ち切りとする。 ・ 有害事象や患者拒否等の理由による化学療法中止例で、後治療として他の治療が加えられた 場合も、イベントと打ち切りは同様に扱う。すなわち治療中止時点や後治療開始日で打ちきりと しない。 ・ 増悪の診断が画像診断による場合、「画像上の疑い」の検査日ではなく、後日「確診」が得られた 画像検査の「検査日」をもってイベントとする。画像診断によらず臨床的に増悪と判断した場合は、 増悪と判断した日をもってイベントとする。 ・ 再発の確定診断が生検病理診断による場合、臨床上再発と診断し得た場合は臨床診断日を、臨 床上再発と診断し得ず生検病理診断によって再発と診断した場合は生検施行日をもってイベント とする。 ・ 二次がん(異時性重複癌)の発生はイベントとも打ち切りともせず、他のイベントが観察されるまで 無増悪生存期間とする。

12-5. 施設外校閲(Extra Murale Review)

本試験における腫瘍縮小効果の判定は、担当医師の判定により実施するが、primary endpoint の奏効率を確定するため、CR, PR 症例については、効果判定医師による Extra Murale Review にて確定する。ただし、施設訪問モニタリングは行わない。

13. データ解析

CRF は以下のごとく処理する。 13-1. データ入力: データセンターは、担当医師から送付された CRF のデータ入力を行う。また CRF の記載内容および 整合性のチェックを行い、必要な場合には施設に問合せを行う。 13-2. データ解析: データセンターは、有害事象発現頻度、病勢コントロール率、奏効率の算出、無増悪生存期間 (PFS)、全生存期間(OS)等を算出し、TORG 事務局に報告する。

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14. 研究期間

6.年:2010 年 1 月~2015年 12 月 ・登録期間(4.5年):2010 年 1 月より2014年 6 月 ・追跡期間(1.5 年):2014年 7 月より2015年 12 月

15. 有害事象の報告

試験分担医師は、本試験治療期間中に生じた重篤な有害事象もしくは予期されない有害事象 の報告については、直ちにデータセンターに報告する。 「重篤な有害事象」もしくは「予期されない有害事象」が生じた場合,施設研究責任者はデータ センターへ報告する。なお、各施設の医療機関の長への報告,厚生労働省事業「医薬品等安全性 情報報告制度」による医療機関から厚生労働省医薬局への自発報告や、薬事法に基づく「企業報 告制度」による医療機関から企業への自発報告は、それぞれの医療機関の規定に従って、各施 設研究責任者の責任において適切に行うこと。 15-1.報告義務のある有害事象 1)急送報告義務のある有害事象 以下のいずれかに該当する有害事象は急送報告の対象となる。 ① プロトコール治療中もしくは最終プロトコール治療日から 30 日以内のすべての死亡。 プロトコール治療との因果関係の有無は問わない。また,プロトコール治療中止例の場合、 後治療が既に開始されていても、最終プロトコール治療日から 30 日以内であれば急送 報告の対象となる (「30 日」とは、最終プロトコール治療日を day 0 とし、その翌日から 数えて 30 日を指す)。 ② 最終プロトコール治療日から 31 日以降で、プロトコール治療との因果関係が否定できない 死亡。治療関連死の疑いのある死亡が該当。明らかな原病死は該当しない。 ③ 予期されない Grade 4 の非血液毒性(NCI-CTC における血液/骨髄区分以外の有害事象)。 「10. 予想される有害事象」に「重大な副作用」として記載されていないものが該当する。 2)通常報告義務のある有害事象 以下のいずれかに該当する有害事象は通常報告の対象となる。 ① 予期されない Grade 2、Grade 3 の有害事象 「10. 予想される有害事象」に記載されていない Grade 2-3 相当の有害事象。 ② 永続的または顕著な障害 再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、二次がん等 ③ その他重大な医学的事象 上記のいずれにも該当しないが、研究代表者・研究グループ内で共有すべきと思われる 重要な情報と判断されるもの。 15-2. 施設研究責任者の報告義務と報告手順 1) 急送報告 急送報告の対象となる有害事象が発生した場合、担当医師は速やかに施設の長(病院長)および 施設研究責任者に伝える。施設研究責任者に連絡が取れない場合は施設コーディネーター もしくは担当医師は施設研究責任者の責務を代行しなければならない。 ① 一次報告; 施設研究責任者は有害事象発生を知ってから 72 時間以内に「有害事象急送一次報告書」 (様式 2-1)に所定事項を記入し、データセンターへ FAX 送付と電話連絡を行う。同時に 病院長にも報告する。

参照

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