1
アレジオン点眼液
0.05%
第
2 部(モジュール 2):CTD の概要(サマリー)
2.6.1 非臨床概要 緒言
2.6.1
緒言
DE-114 点眼液は、図 2.6.1-1 に示す化学構造を有し、ヒスタミン H
1受容体に結合すること
による抗ヒスタミン作用と、メディエーター遊離抑制作用による抗アレルギー作用を併せ持つ
ヒスタミン
H
1受容体拮抗薬であり、これらの薬理作用からアレルギー性結膜炎の治療薬とし
て有用であると考えられる。
図
2.6.1-1. DE-114 の構造式
DE-114 点眼液の申請効能・効果及び申請用法・用量を以下に示す。
効能・効果
アレルギー性結膜炎
用法・用量
通常、
1 回 1 滴、1 日 4 回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼する。
・HCl
1
アレジオン点眼液
0.05%
第
2 部(モジュール 2):CTD の概要(サマリー)
2.6.2 非臨床概要 薬理試験の概要文
目次
2.6.2
薬理試験の概要文
... 5
2.6.2.1
まとめ... 5
2.6.2.2
効力を裏付ける試験... 8
2.6.2.3
副次的薬理試験... 14
2.6.2.4
安全性薬理試験... 14
2.6.2.5
薬力学的薬物相互作用... 14
2.6.2.6
考察及び結論... 15
2.6.2.7
図表... 17
2.6.2.8
参考文献一覧... 17
3
表
2.6.2-1. 非臨床概要薬理試験で用いた略語一覧
略語又は用語 略さない表現又は定義
Alum Aluminum hydroxide gel(水酸化アルミニウムゲル) AST Astemizol(アステミゾール)
AZE Azelastine hydrochloride(アゼラスチン塩酸塩)
cAMP cyclic adenosine monophosphate(環状アデノシン一リン酸) cGMP cyclic guanosine monophosphate(環状グアノシン一リン酸) DA2 Dopamine D2(ドーパミンD2)
DEX Dexamethasone(デキサメタゾン)
DE-114 エピナスチン塩酸塩の参天製薬株式会社の開発コード名 DE-114 点眼液 エピナスチン塩酸塩を含有する治験薬処方の製剤
DIP Diphenhydramine hydrochloride(ジフェンヒドラミン塩酸塩) EC30 最大作用の30%の作用を示す濃度 EC50 最大作用の50%の作用を示す濃度 ED35 最大作用の35%の作用を示す用量 ED50 最大作用の50%の作用を示す用量 IC50 50%の阻害作用を示す濃度 ISO Isoproterenol(イソプロテレノール) LTC4 Leukotriene C4(ロイコトリエンC4)
KET Ketotifen fumarate(ケトチフェンフマル酸塩) MAO Monoamine oxidase(モノアミン酸化酵素) MAO-A Monoamine oxidase-A(モノアミン酸化酵素-A) MAO-B Monoamine oxidase-B(モノアミン酸化酵素-B) MET Methysergide maleate(マレイン酸メチセルジド) OVA Ovalbumin(卵白アルブミン)
OXA Oxatomide(オキサトミド)
PAF Platelet-activating factor(血小板活性化因子)
pA2 アゴニストの用量反応曲線を2 倍だけ高用量側にシフトさせるために必要な競合的ア
ンタゴニストのモル濃度の負の常用対数
PCA Passive cutaneous anaphylaxis(受動皮膚アナフィラキシー) PRO Promethazine hydrochloride(プロメタジン塩酸塩)
PYR Pyrilamine maleate(マレイン酸ピリラミン) REM Rapid eye movement(急速眼球運動)
SRS-A Slow reacting substance of anaphylaxis(アナフィラキシー遅延反応物質) TER Terfenadine(テルフェナジン)
4
表
2.6.2-1. 非臨床概要薬理試験で用いた略語一覧(続き)
略語又は用語 略さない表現又は定義
エピナスチン塩酸塩の代謝物、分解物 WEB WEB 2086 BS、Apafant(アパファント)
5-HT1 5-hydroxytryptamine 1、serotonin 1(セロトニン 1)
5-HT2 5-hydroxytryptamine 2、serotonin 2(セロトニン 2)
プラセボ点眼液 エピナスチン塩酸塩を含有しないDE-114 点眼液の基剤
5
2.6.2
薬理試験の概要文
2.6.2.1
まとめ
DE-114 点眼液はアレルギー性結膜炎治療のために開発され、本剤の有効成分は、既に内服
薬として
1994 年に承認されているアレジオン
®錠
10 及びアレジオン
®錠
20(日本ベーリンガ
ーインゲルハイム株式会社)の有効成分であるエピナスチン塩酸塩と同一である。また、エ
ピナスチン塩酸塩を含有する点眼薬については、RELESTAT
®及び
ELESTAT
®点眼液が、そ
れぞれヨーロッパ及びアメリカ等全世界
49 ヵ国(2012 年 9 月現在)で承認が取得されてい
る。
DE-114 点眼液の有効成分であるエピナスチン塩酸塩は、内服薬の製造承認申請時の非臨床
試験により、ヒスタミン
H
1受容体に強く結合し、抗ヒスタミン作用を発揮するとともに、肥
満細胞からのヒスタミンやロイコトリエン等のメディエーター遊離抑制作用も有することが
確認されている(第
2.6.3.6 項)。
DE-114 点眼液の製造販売承認申請にあたっては、効力を裏付ける試験として、ヒスタミン
誘発結膜炎モデル動物を用いて、エピナスチン塩酸塩の点眼による抗ヒスタミン作用を確認
した。また、アレルギー性結膜炎モデル動物を用いて、点眼による有効性並びにメディエー
ター遊離抑制作用を確認した。
エピナスチン塩酸塩の副次的薬理試験及び安全性薬理試験は、内服薬の製造承認申請時に
一般薬理試験として実施されている(第
2.6.3.7 項)。体重 60 kg のヒトに、0.05% DE-114 点
眼液を両眼に
1 日 4 回点眼したときの投与用量は、0.2 mg/日 (0.0033 mg/kg) である。これに
対し、内服薬の製造承認申請時の一般薬理試験は十分に高用量
(~300 mg/kg) で実施されて
おり、また、内服薬の臨床用量は
20 mg/日であることから、DE-114 点眼液の点眼投与により
ヒトで全身における副作用を発現する可能性は低いと考えられた。そのため、本剤の製造販
売承認申請にあたって、副次的薬理試験及び安全性薬理試験としては、新たな試験は実施し
なかった。
2.6.2.1.1
効力を裏付ける試験
2.6.2.1.1.1
内服薬製造承認申請時の非臨床薬理試験
エピナスチン塩酸塩の薬理作用については、内服薬の製造承認申請時の非臨床試験で、類
薬との効力比較及び作用機序が検討されている。効力を裏付ける薬理試験の成績一覧表を第
2.6.3.6 項に示した。その結果から、エピナスチン塩酸塩は、ヒスタミン H
1受容体拮抗作用、
LTC
4及び
PAF に対する抗メディエーター作用並びに肥満細胞からのヒスタミン及び SRS-A
の遊離抑制作用を有し、
I 型アレルギー反応に対して強い抗アレルギー作用を示すことが確
認されている。
2.6.2.1.1.2
ヒスタミン誘発による結膜炎モデル動物に対する作用
モルモットに
0.025%、0.05%及び 0.1% DE-114 点眼液を単回点眼し、ヒスタミン誘発によ
る結膜の血管透過性亢進に対する効果を検討した。その結果、
DE-114 点眼液は、ヒスタミン
投与の
15 分前点眼では 0.025%以上、ヒスタミン投与の 6 時間前点眼では 0.05%以上の用量
で血管透過性亢進を有意に抑制した。また、
0.05% DE-114 点眼液群の色素漏出量は、ヒスタ
ミン投与の
15 分前点眼及び 6 時間前点眼のいずれにおいても、0.025%レボカバスチン点眼
液(販売名:
)群に比べて有意に低い値を示した。
以上の結果から、
DE-114 点眼液はヒスタミン誘発による結膜の血管透過性亢進を抑制し、
0.05%以上の用量では点眼による抗ヒスタミン作用が 6 時間以上持続することが示された。
2.6.2.1.1.3
アレルギー性結膜炎モデル動物に対する作用
OVA 含有 Alum で能動感作したマウスに 0.05% DE-114 点眼液を単回点眼し、抗原誘発に
よる結膜の血管透過性亢進に対する効果を検討した。その結果、0.05% DE-114 点眼液は抗原
誘発による結膜の血管透過性亢進を有意に抑制し、その抑制効果は
0.1%オロパタジン点眼液
(販売名:
)と同程度であった。
抗
OVA 血清で受動感作したラットに 0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5% DE-114 点眼液を 2 回
点眼し、抗原誘発による結膜肥満細胞の脱顆粒に及ぼす影響を病理組織学的に検討した。そ
の結果、
DE-114 点眼液はすべての用量で、抗原誘発による結膜肥満細胞の脱顆粒を有意に抑
制した。さらに、受動感作ラットの摘出結膜からの抗原刺激によるヒスタミン遊離は、プラ
セボ点眼液投与後の結膜組織に比べて
0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5% DE-114 点眼液投与後の
結膜組織で有意に減少した。
以上の結果から、
0.05% DE-114 点眼液は、アレルギー性結膜炎モデルの血管透過性亢進を
有意に抑制することが示された。また、
DE-114 点眼液は、結膜肥満細胞の脱顆粒を抑制する
ことによって、結膜からのメディエーター遊離抑制作用を示すと考えられた。
2.6.2.1.2
副次的薬理試験
該当する試験はない。
2.6.2.1.3
安全性薬理試験
該当する試験はない。
7
2.6.2.1.4
薬力学的薬物相互作用試験
2.6.2.2
効力を裏付ける試験
2.6.2.2.1
ヒスタミン誘発による結膜炎モデル動物に対する作用
2.6.2.2.1.1
モルモットのヒスタミン誘発による結膜炎モデルの血管透過性亢進に
対する作用
(第
2.6.3.2 項、試験番号 064424) ··· 添付資料 4.2.1.1-001
雄性
Hartley 系モルモットに 0.025%、0.05%及び 0.1% DE-114 点眼液、0.025%レボカバスチ
ン点眼液(販売名:
)、2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液(
)あるいはプラセボ点眼液を両眼に
25 μL/眼ずつ単回点眼した。薬物投
与の
15 分あるいは 6 時間後に、100 μg/mL ヒスタミンを 50 μL/眼ずつモルモットの両眼の眼
瞼結膜下に注射した。ヒスタミン投与直後に、
1%エバンスブルー溶液を体重 1 kg あたり 1 mL
ずつモルモットの前肢静脈に注射した。
ヒスタミン投与
30 分後にモルモットをジエチルエー
テル麻酔下で放血致死させ、眼瞼結膜を摘出した。摘出した結膜組織は、個体ごとに両眼の
組織を合わせて湿重量を測定した後、ホルムアミド
4 mL に冷蔵庫内で 16~18.5 時間浸漬し
て組織中に漏出した色素を抽出した。抽出液の
620 nm の吸光度を測定し、比色定量法によ
って色素濃度から組織重量あたりの色素漏出量
(μg/g) を算出した。
その結果、ヒスタミン投与
15 分前の単回点眼では、すべての用量の DE-114 点眼液及び
0.025%レボカバスチン点眼液群の色素漏出量は、プラセボ点眼液群に比べて有意に減少した。
一方、
2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液群とプラセボ点眼液群の色素漏出量に、有意な差
は認められなかった。また、DE-114 点眼液群の色素漏出量は、すべての用量で 2%クロモグ
リク酸ナトリウム点眼液群に比べて有意に低い値を示し、0.05%及び 0.1% DE-114 点眼液群
では
0.025%レボカバスチン点眼液群に比べて有意に低い値を示した(図 2.6.2.2-1)。
ヒスタミン投与
6 時間前の単回点眼では、0.05%及び 0.1% DE-114 点眼液群でプラセボ点
眼液群に比べて有意な色素漏出量の減少が認められた。一方、
2%クロモグリク酸ナトリウム
点眼液及び
0.025%レボカバスチン点眼液群の色素漏出量は、プラセボ点眼液群との間に有意
な差は認められなかった。また、0.05% DE-114 点眼液群の色素漏出量は、2%クロモグリク
酸ナトリウム点眼液及び
0.025%レボカバスチン点眼液群に比べて有意に低い値を示した(図
2.6.2.2-2)。
以上の結果から、
DE-114 点眼液はヒスタミン誘発による結膜の血管透過性亢進を有意に抑
制し、0.05% DE-114 点眼液の抑制作用は 6 時間以上持続することが示された。また、0.05%
DE-114 点眼液は、点眼 15 分後及び点眼 6 時間後のいずれにおいても、0.025%レボカバスチ
ン点眼液に比べて有意に血管透過性亢進を抑制した。一方、メディエーター遊離抑制薬であ
る
2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液は、本モデルでは薬効を示さなかった。
9
図
2.6.2.2-1. モルモットのヒスタミン誘発結膜炎モデルの血管透過性亢進に対す
る
DE-114 点眼液、0.025%レボカバスチン点眼液(販売名:
)及び
2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液(販売
名:
)のヒスタミン投与
15 分前点眼による効
果
数値は平均値+標準誤差 (n=10) を示す。 **:p<0.01、プラセボ点眼液群との比較(Dunnett 検定) #:p<0.05、0.025%レボカバスチン点眼液との比較(Student の t 検定) $$:p<0.01、2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液との比較(Student の t 検定) \\:p<0.01、プラセボ点眼液群との比較(Student の t 検定) (添付資料4.2.1.1-001 の図 1 から作成)0
10
20
30
40
50
60
70
80
色素漏出量
(μ
g/
g)
** ** ** \\ # # プラセボ 点眼液 0.025% DE-114 点眼液 0.05% DE-114 点眼液 0.1% DE-114 点眼液 0.025% レボカバスチン 点眼液 2% クロモグリク酸 ナトリウム 点眼液 $$ $$ $$図
2.6.2.2-2. モルモットのヒスタミン誘発結膜炎モデルの血管透過性亢進に対す
る
DE-114 点眼液、0.025%レボカバスチン点眼液(販売名
)及び
2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液(販売
名:
)のヒスタミン投与
6 時間前点眼による効
果
数値は平均値+標準誤差 (n=10) を示す。 *:p<0.05、**:p<0.01、プラセボ点眼液群との比較(Dunnett 検定) # :p<0.05、0.025%レボカバスチン点眼液との比較(Student の t 検定) $ :p<0.05、2%クロモグリク酸ナトリウム点眼液との比較(Student の t 検定) (添付資料4.2.1.1-001 の図 2 から作成)2.6.2.2.2
アレルギー性結膜炎モデル動物に対する作用
2.6.2.2.2.1
血管透過性亢進に対する抑制作用
(1) マウス能動感作アレルギー性結膜炎モデルの血管透過性亢進に対する作用
(第
2.6.3.2 項、試験番号 389Qg100) ··· 添付資料 4.2.1.1-002
雄性
BALB/c 系マウスの腹腔内に感作液 (20 μg OVA/20 mg Alum/mL) 0.5 mL/匹を注射し、
アレルギー感作を行った。さらに、
5 日後に感作液 0.5 mL/匹をマウスの腹腔内に注射して追
感作を行った。追感作の
5 日後に 0.05% DE-114 点眼液、0.1%オロパタジン点眼液(販売名:
)あるいはプラセボ点眼液をマウスの右眼に
2 μL/眼ずつ単回点眼し
た。
薬物投与の
30 分後にマウスの尾静脈に 0.1%エバンスブルー溶液を体重 1 kg あたり 15 mL
注射し、その直後に
5% OVA 溶液 2 μL/眼をマウスの右眼に点眼してアレルギー反応を惹起
した。
5% OVA 溶液点眼 30 分後にマウスを頚椎脱臼で安楽殺し、眼球及び眼瞼結膜を含む周
辺組織を摘出した。摘出した組織は、
8 mm 径の生検トレパンを用いて、眼球を中心に切り
取り、色素抽出液(硫化ナトリウム含有アセトン溶液)
0.4 mL に浸漬して漏出した色素を抽
0
10
20
30
40
50
60
70
色素漏出量
(μ
g/
g)
** # プラセボ 点眼液 0.025% DE-114 点眼液 0.05% DE-114 点眼液 0.1% DE-114 点眼液 0.025% レボカバスチン 点眼液 2% クロモグリク酸 ナトリウム 点眼液 * $11
出した。抽出液の
620 nm の吸光度を測定し、比色定量法によって色素濃度から各サンプル 1
眼あたりの色素漏出量
(μg/eye) を算出した。
その結果、0.05% DE-114 点眼液投与群及び 0.1%オロパタジン点眼液(販売名:
)群の色素漏出量は、プラセボ点眼液群に比べて有意に減少した。また、
0.05%
DE-114 点眼液群及び 0.1%オロパタジン点眼液群の色素漏出量は同程度であった(図
2.6.2.2-3)。
以上の結果から、
0.05% DE-114 点眼液は抗原誘発による結膜の血管透過性亢進を有意に抑
制し、その抑制効果は
0.1%オロパタジン点眼液と同程度であることが示された。
図
2.6.2.2-3. マウス能動感作アレルギー性結膜炎モデルの血管透過性亢進に対す
る
0.05% DE-114 点眼液及び 0.1%オロパタジン点眼液(販売名:
)の効果
各値は平均値+標準誤差 (n=7-8) を示す。 ***:p<0.001、プラセボ点眼液/5%OVA 溶液投与群との比較(Aspin-Welch の t 検定) # # #:p<0.001、プラセボ点眼液/精製水投与群(非惹起)群との比較(Aspin-Welch の t 検定) (添付資料4.2.1.1-002 の図 1 から作成)2.6.2.2.2.2
結膜からのメディエーター遊離抑制作用
(
1) 正常又は受動感作アレルギー性結膜炎モデルラットの結膜肥満細胞の脱顆粒に対す
る作用
(第
2.6.3.2 項、試験番号 U -2206) ··· 添付資料 4.2.1.1-003
雄性
Wistar 系ラットの両眼の下眼瞼に抗 OVA 血清 10 μL/眼を注射した。正常ラット及び
感作
72 時間後のラットの両眼に DE-114 点眼液(0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5%)、ケトチフ
ェン溶液(0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5%)、クロモグリク酸ナトリウム溶液(1%、2%及び
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
色素漏出量
(μ
g/
ey
e)
プラセボ
点眼液
0.05%
DE-114
点眼液
0.1%
オロパタジン
点眼液
プラセボ
点眼液
惹起物質:
精製水
(非惹起)
5% OVA溶液
# # #***
***
4%)あるいはプラセボ点眼液を 10 分間隔で 2 回点眼した(10 μL/眼)。2 回目の点眼の 5 分
後に
25 mg/mL OVA 溶液を体重 1 kg あたり 1 mL ずつラットの静脈に注射した。抗原投与の
2 時間後にペントバルビタールナトリウムの心臓内投与でラットを安楽殺し、結膜組織を摘
出した。摘出した組織は、10%ホルマリン緩衝液で固定後、パラフィンブロックを作製して
薄切し、病理標本を作製した。病理標本は
1%トルイジンブルー溶液で染色し、結膜組織中
の肥満細胞を、細胞外に
5 個以上の顆粒が認められるか、細胞内に薄く染色された顆粒が 5
個以上認められたものを脱顆粒したものとして分類し、脱顆粒率を計測した。個体ごとに左
右眼の脱顆粒率を平均し、その値を各個体の脱顆粒率とした。
その結果、正常ラットに抗原を投与した場合の結膜肥満細胞の脱顆粒率には、いずれの薬剤
投与群でも変化が認められなかった。一方、受動感作ラットでは、抗原誘発による結膜肥満
細胞の脱顆粒をいずれの薬剤も有意に抑制し、
0.05%~0.5%の DE-114 点眼液の抑制効果には
用量による差は認められなかった(表
2.6.2.2-1)。
以上の結果から、
DE-114 点眼液は、ケトチフェン溶液やクロモグリク酸ナトリウム溶液と
同様に抗原誘発による肥満細胞の脱顆粒を抑制することが示された。
表
2.6.2.2-1. 正常又は受動感作アレルギー性結膜炎モデルラットの結膜肥満細胞
の脱顆粒に及ぼす
DE-114 点眼液の影響
投与薬物 アレルギー性結膜炎モデル 正常ラット 脱顆粒率(%) 抑制率(%) 脱顆粒率(%) プラセボ点眼液 85.65±1.031 ― 28.37±2.222 0.05% DE-114 点眼液 55.37±2.454** 35.4 33.58±2.020 0.1% DE-114 点眼液 55.38±2.553** 35.3 34.23±2.307 0.3% DE-114 点眼液 53.49±2.199** 37.5 33.52±2.254 0.5% DE-114 点眼液 54.25±2.101** 36.7 30.37±2.419 0.05%ケトチフェン溶液 58.77±1.195** 31.4 25.30±1.862 0.1%ケトチフェン溶液 42.47±1.729** 50.4 29.21±2.015 0.3%ケトチフェン溶液 49.10±2.569** 42.7 23.97±2.903 0.5%ケトチフェン溶液 49.50±1.690** 42.2 33.45±1.743 1%クロモグリク酸ナトリウム溶液 41.29±2.539** 51.8 28.53±2.088 2%クロモグリク酸ナトリウム溶液 34.89±1.903** 59.3 28.14±1.841 4%クロモグリク酸ナトリウム溶液 33.24±1.982** 61.2 31.75±1.638 脱顆粒率は平均値±標準誤差、抑制率はプラセボ点眼液群と各群の平均脱顆粒率から算出した値を示す (n=10)。 **:p<0.01、プラセボ点眼液群との比較(Dunnett の多重比較検定) (添付資料4.2.1.1-003 の Table No. 1 から作成)13
(2) ラット受動感作アレルギー性結膜炎モデルの摘出結膜からのヒスタミン遊離に対す
る作用
(第
2.6.3.2 項、試験番号 U -0333) ··· 参考資料 4.2.1.1-004
雄性
Wistar 系ラットに第 2.6.2.2.2.2(1)項の方法と同様に受動感作した。感作の 72 時間
後、ラットの両眼に
DE-114 点眼液(0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5%)、ケトチフェン溶液(0.05%、
0.1%、0.3%及び 0.5%)、クロモグリク酸ナトリウム溶液(1%、2%及び 4%)あるいはプラ
セボ点眼液を、
10 分間隔で 2 回点眼した(10 μL/眼)。2 回目の点眼の 5 分後にラットの心
臓にペントバルビタールナトリウム溶液を注射して安楽殺し、結膜組織を摘出した。摘出結
膜は
37°C の生理食塩液 1 mL に浸漬し、抗原液(0.4 mg/mL OVA 溶液、100 μL/チューブ)を
加えて抗原刺激を行った。抗原刺激の
15 分後に 0.4 規定の過塩素酸を 1 mL 加え、反応を停
止した。反応液を遠心し、上清中のヒスタミン量を
Shore らの方法に基づく蛍光ヒスタミン
測定法で測定した
1。
その結果、
DE-114 点眼液は 0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5%のいずれの用量でも、抗原誘発
によるヒスタミン遊離を有意に抑制した。一方で、ケトチフェン溶液は
0.5%のみヒスタミン
遊離を有意に抑制し、クロモグリク酸ナトリウムは抑制効果を示さず、
1%及び 4%ではむし
ろ増加した(表
2.6.2.2-2)。
表
2.6.2.2-2. ラット受動感作アレルギー性結膜炎モデルの摘出結膜からのヒスタ
ミン遊離に及ぼす
DE-114 点眼液の影響
投与薬物 ヒスタミン放出量 (μg) 抑制率 (%) プラセボ点眼液 1.5887±0.0902 ― 0.05% DE-114 点眼液 1.2733±0.0698* 20 0.1% DE-114 点眼液 1.3378±0.0545* 16 0.3% DE-114 点眼液 1.2330±0.0687* 22 0.5% DE-114 点眼液 1.0327±0.0507* 35 0.05%ケトチフェン溶液 1.4785±0.0683 7 0.1%ケトチフェン溶液 1.6449±0.0576 -4 0.3%ケトチフェン溶液 1.6788±0.0541 -6 0.5%ケトチフェン溶液 1.2182±0.0506* 23 1%クロモグリク酸ナトリウム溶液 1.9422±0.0520* -22 2%クロモグリク酸ナトリウム溶液 1.6011±0.0292 1 4%クロモグリク酸ナトリウム溶液 2.1196±0.0704* -33 ヒスタミン放出量は平均値±標準誤差、抑制率はプラセボ点眼液群と各群のヒスタミン放出量から算出した値を示す (n=10-15)。 *:p<0.05、プラセボ点眼液群との比較(Dunnett の多重比較検定) (参考資料4.2.1.1-004 の Table No. 1 から作成 )2.6.2.3
副次的薬理試験
該当する試験はない。
2.6.2.4
安全性薬理試験
該当する試験はない。
2.6.2.5
薬力学的薬物相互作用
該当する試験はない。
15
2.6.2.6
考察及び結論
アレルギー性結膜疾患は、「Ⅰ型アレルギーが関与する結膜の炎症性疾患で、何らかの自他
覚症状を伴うもの」と定義される。アレルギー性結膜炎は、結膜に増殖性変化のみられないア
レルギー性結膜疾患で、抗原の刺激により感作された肥満細胞から遊離するヒスタミン等の
メディエーターが病態形成に関与すると考えられている
2。
アレルギー性結膜炎の治療は、抗アレルギー点眼薬(メディエーター遊離抑制薬及びヒス
タミン
H
1受容体拮抗薬)を基盤とした薬物療法が中心である
2、3。日本で承認されている抗
アレルギー点眼薬の作用機序を図
2.6.2.6-1 に示した。現在、日本では、6 種類のメディエー
ター遊離抑制薬(クロモグリク酸ナトリウム、アンレキサノクス、ペミロラストカリウム、
トラニラスト、イブジラスト及びアシタザノラスト水和物)及び
3 種類のヒスタミン H
1受容
体拮抗薬(ケトチフェンフマル酸塩、レボカバスチン塩酸塩及びオロパタジン塩酸塩)が使
用されている
2、3、4、5。また、ヒスタミン
H
1受容体拮抗薬のうち、ケトチフェンフマル酸塩
及びオロパタジン塩酸塩はメディエーター遊離抑制作用を併せ持つのに対し、レボカバスチ
ン塩酸塩はメディエーター遊離抑制作用を持たない純粋なヒスタミン
H
1受容体拮抗薬であ
ることが報告されている
3、4、5。
DE-114 点眼液の有効成分であるエピナスチン塩酸塩の薬理作用については、内服薬の製造
承認申請時の非臨床試験により、ヒスタミン
H
1受容体に強く結合し、抗ヒスタミン作用を発
揮するとともに、肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエン等のメディエーター遊離抑制
作用も有することが確認されている(第
2.6.3.6 項)。
本剤の製造販売承認申請にあたっては、効力を裏付ける試験として、ヒスタミン誘発結膜
炎モデル動物を用いて、点眼による抗ヒスタミン作用を確認した。また、アレルギー性結膜
炎モデル動物を用いて、点眼による有効性を確認した。
DE-114 点眼液は、モルモットのヒスタミン誘発による結膜の血管透過性亢進に対して、ヒ
スタミン投与
15 分前の点眼では 0.025%以上(図 2.6.2.2-1)、ヒスタミン投与 6 時間前の点
眼では
0.05%以上の用量で有意な抑制効果を示した(図 2.6.2.2-2)。また、0.05%以上の DE-114
点眼液は、
0.025%レボカバスチン点眼液(販売名:
)に比べて有
意に血管透過性亢進を抑制した。さらに、
0.05% DE-114 点眼液は、マウス能動感作アレルギ
ー性結膜炎モデルの血管透過性亢進を有意に抑制し、その抑制効果は
0.1%オロパタジン点眼
液(販売名:
)と同程度であった(図
2.6.2.2-3)。
以上の結果から、
DE-114 点眼液は、アレルギー性結膜炎の血管透過性亢進に対して既存の
抗ヒスタミン点眼薬と同程度以上の抑制効果を示し、
0.05%以上の用量では、点眼による抗
ヒスタミン作用が
6 時間以上持続する可能性が示された。
DE-114 点眼液の抗ヒスタミン作用以外のアレルギー性結膜炎に対する作用として、肥満細
胞からのメディエーター遊離抑制作用を検証した。
DE-114 点眼液は 0.05%~0.5%の用量で、受動感作アレルギー性結膜炎モデルラットの結膜
組織中肥満細胞の抗原誘発による脱顆粒を有意に抑制した(表
2.6.2.2-1)。また、ex vivo 試
験で、
0.05%~0.5% DE-114 点眼液投与により、受動感作ラットの摘出結膜からの抗原刺激に
よるヒスタミン遊離が、プラセボ点眼液群に比べて有意に減少したことから(表
2.6.2.2-2)、
DE-114 点眼液は、抗原誘発による肥満細胞の脱顆粒を抑制することによって、結膜からのヒ
スタミンをはじめとするメディエーター遊離抑制作用を示すと考えられた。
本剤の製造販売承認申請にあたって副次的薬理試験及び安全性薬理試験は行わなかったが、
DE-114 点眼液の用法・用量では、内服薬の製造承認申請時の一般薬理試験(第 2.6.3.7 項)
に用いられた用量及び内服薬の臨床用量を超える可能性はなく、本剤の点眼によりヒトで全
身における副作用を発現する可能性は低いと考えられた。
以上のことから、DE-114 点眼液は、ヒスタミン H
1受容体に結合することによって、強力
な抗ヒスタミン作用を示すアレルギー性結膜炎治療薬であると考えられた。さらに、図
2.6.2.6-1 に示すように、DE-114 点眼液は 0.1% オロパタジン点眼液や 0.05%ケトチフェン点
眼液(販売名:
)と同様にメディエーター遊離抑制作用による抗アレ
ルギー作用を併せ持つヒスタミン
H
1受容体拮抗薬であることが示唆された。
図
2.6.2.6-1. 日本で承認されている抗アレルギー点眼薬及び DE-114 点眼液(エピ
ナスチン塩酸塩点眼液)の作用機序
17
2.6.2.7
図表
本文中に記載。
2.6.2.8
参考文献一覧
(1)
Shore PA, Burkhalter A, Cohn VH Jr. A method for the fluorometric assay of histamine in
tissues. J Pharmacol Exp Ther. 1959;127(3):182-6.[添付資料 4.3-002]
(2)
アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン作成委員会
. アレルギー性結膜疾患診療ガ
イドライン(第
2 版). 日本眼科学会雑誌. 2010;114(10):829-70.[添付資料 4.3-001]
(3)
庄司
純
. アレルギー性結膜疾患. Medicament News 2011;2065: 1-3.[添付資料 4.3-003]
(4)
内尾英一
. 点眼薬. 診断と治療. 2011;99(2):347-9.[添付資料 4.3-004]
アレジオン点眼液
0.05%
第
2 部(モジュール 2):CTD の概要(サマリー)
2.6.3 非臨床概要 薬理試験の概要表
2
2.6.3
薬理試験概要表
... 3
2.6.3.1
薬理試験:一覧表... 3
2.6.3.2
効力を裏付ける試験... 4
2.6.3.3
副次的薬理試験... 5
2.6.3.4
安全性薬理試験... 5
2.6.3.5
薬力学的薬物相互作用... 5
2.6.3.6
内服薬製造承認申請時の効力を裏付ける試験... 6
2.6.3.7
内服薬製造承認申請時の一般薬理試験... 18
2.6.3
薬理試験概要表
2.6.3.1
薬理試験:一覧表
試験の種類 試験系 投与方法 実施施設 試験番号 記載箇所 (1) 効力を裏付ける試験 モルモットのヒスタミン誘発による結膜炎モ デルの血管透過性亢進に対する作用 モルモット 点眼 日本 064424 4.2.1.1-001 マウス能動感作アレルギー性結膜炎モデルの 血管透過性亢進に対する作用 マウス 点眼 日本 参天製薬株式会社 389Qg100 4.2.1.1-002 正常又は受動感作アレルギー性結膜炎モデル ラットの結膜肥満細胞の脱顆粒に対する作用 ラット 点眼 スペイン U -2206 4.2.1.1-003 ラット受動感作アレルギー性結膜炎モデルの 摘出結膜のヒスタミン遊離に対する作用 ラット 点眼 ex vivo スペイン U -0333 4.2.1.1-004 参考資料 (2) 副次的薬理試験 該当する試験はない。 (3) 安全性薬理試験 該当する試験はない。 (4) 薬力学的薬物相互作用試験 該当する試験はない。4
試験項目 動物種/系統 投与経路 投与量・投与期間 試験結果 試験番号 記載箇所 (1) ヒスタミン誘発による結膜炎モデル動物に対する作用 モルモットのヒスタミン 誘発結膜炎モデルの血管 透過性亢進に対する作用 Hartley 系 モルモット、 雄性 点眼 0.025%、0.05%及び 0.1% DE-114 点眼液、0.025%レボカ バスチン点眼液( )、2%クロモ グリク酸ナトリウム( )あるいはプ ラセボ点眼液、 1 回 25 μL、 両眼単回点眼(ヒスタミン投 与15 分前又は 6 時間前) ヒスタミン投与15 分前点眼:すべての用量の DE-114 点眼液及び 0.025%レボカバスチン点眼 液群の色素漏出量は、プラセボ点眼液群に比べ て有意に減少した。0.05%及び 0.1% DE-114 点 眼液群の色素漏出量は、0.025%レボカバスチン 点眼液及び2%クロモグリク酸ナトリウム群に 比べて有意に減少した。 ヒスタミン投与6 時間前点眼:0.05%及び 0.1% DE-114 点眼液群の色素漏出量は、プラセボ点 眼液に比べて有意に減少した。0.05% DE-114 点 眼液群の色素漏出量は、0.025%レボカバスチン 点眼液及び2%クロモグリク酸ナトリウム群に 比べて有意に減少した。 064424 4.2.1.1-001 (2) アレルギー性結膜炎モデル動物に対する作用 血 管 透 過 性 亢 進 抑 制 作 用 マウス能動感作ア レルギー性結膜炎 モデルの血管透過 性亢進に対する作 用 BALB/c 系 マウス、 雄性 点眼 0.05% DE-114 点眼液、0.1%オ ロパタジン点眼液( )、あるいはプ ラセボ点眼液、 1 回 2 μL、 片眼単回点眼(抗原投与30 分前) 0.05% DE-114 点眼液及び 0.1%オロパタジン点 眼液はプラセボ点眼液に比べて有意に血管透 過性亢進を抑制した。 389Qg100 4.2.1.1-002 メ デ ィエ ータ ー遊 離抑 制作 用 正常又は受動感作 アレルギー性結膜 炎モデルラットの 結膜肥満細胞の脱 顆粒に対する作用 Wistar 系 ラット、 雄性 点眼 0.05%、0.1%、0.3%及び 0.5% DE-114 点眼液、0.05%、0.1%、 0.3%及び 0.5%ケトチフェン 溶液、1%、2%及び 4%クロモ グリク酸ナトリウム溶液あ るいはプラセボ点眼液、 1 回 10 μL、 両眼2 回点眼(10 分間隔) 受動感作アレルギー性結膜炎モデルラットで は、DE-114 点眼液、ケトチフェン溶液及びク ロモグリク酸ナトリウム溶液のすべての群で プラセボ点眼液群に比べて、結膜肥満細胞の脱 顆粒率が有意に低下した。正常ラットではいず れの薬物も結膜肥満細胞の脱顆粒率に影響し なかった。 U -2206 4.2.1.1-003 抗原惹起による摘 出結膜からのヒス タミン遊離に対す る作用 Wistar 系 ラット、 雄性、 摘出結膜組織 点眼 ex vivo 薬物投与後に摘出した結膜からの抗原刺激に よるヒスタミン遊離は、プラセボ点眼液群に比 べてすべての用量のDE-114 点眼液群で減少し た。 U -0333 4.2.1.1-004 参考資料該当する試験はない。
2.6.3.4
安全性薬理試験
該当する試験はない。
2.6.3.5
薬力学的薬物相互作用
該当する試験はない。
6
2.6.3.6
内服薬製造承認申請時の効力を裏付ける試験
2.6.3.6.1
エピナスチンと類薬の効力比較
(記載箇所1.13.1) 試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 1. アレルギー反応における検討 1) メディエーター遊離に対する作用 (i) ヒスタミン遊離に対する作用 (1) 抗原刺激 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 1-10 mg/kg、 経口 ex vivo KET DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 抑制作用の強さは DE-114 > KET ED50= 4.69 mg/kg 10、20 mg/kg で軽度の作用 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 0.1-1000 μmol/L、 in vitro
KET DE-114 > KET EC50= 75.9 μmol/L 10-100 μmol/L で約30%の抑制に留まった。 ラット、 受動感作 腹腔内肥満細胞 (5) 1-100 μmol/L、 in vitro なし DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 EC30= 16.0 μmol/L (2) Compound 48/80 刺激 ラット、 腹腔内肥満細胞 (5) 1-100 μmol/L、 in vitro KET DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 DE-114 > KET EC30= 37.1 μmol/L 100 μmol/L 以下 で有意な抑制作用を示さなかった。 (3) A23187 刺激 ラット、 腹腔内肥満細胞 (5) 1-100 μmol/L、 in vitro なし DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 EC30= 55.5 μmol/L (ii) SRS-A 遊離に対する作用 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 1-10 mg/kg、 経口、 ex vivo
KET DE-114 は SRS-A 遊離を抑制した。 抑制作用の強さは
DE-114 > KET
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 2) メディエーター誘発反応に対する作用 (i) 気管支痙攣に対する作用 (1) ヒスタミン誘発 モルモット (10-30) 10-100 μg/kg、 経口 KET PRO ヒスタミン誘発気管支痙攣をDE-114 は抑制した。 抑制作用の強さは
KET > DE-114 > PRO ED50= 19 47 940 μg/kg (2) PAF 誘発 モルモット (3) 0.001-0.1 mg/kg、 静脈内 KET WEB PAF 誘発気管支痙攣に対する抑制作用の強さは WEB > DE-114 > KET ED50= 0.027 0.037 0.178 mg/kg (3) セロトニン誘発 ラット (3-4) 10-100 μg/kg、 静脈内 KET PRO セロトニン誘発気管支痙攣に対する抑制作用の強さは DE-114 > KET ≒ PRO
ED50 = 25 67 68 μg/kg (4) ブラジキニン 誘発 モルモット (5-6) 1、10 mg/kg、 経口 KET AZE OXA ブラジキニン誘発気管支痙攣に対する抑制作用の強さは DE-114 ≒ AZE > KET > OXA DE-114:1 mg/kg で有意に抑制した。 KET:10 mg/kg で有意に抑制した。 AZE:1 mg/kg で有意に抑制した。 OXA:10 mg/kg で抑制しなかった。 (ii) 摘出気道平滑筋収縮に対する作用 (1) 単独作用 モルモット、 気管 (8) 10-7-10-5g/mL、 in vitro KET AZE OXA DE-114 は摘出気管平滑筋の張力には影響しなかった。 KET は 10-7-10-5g/mL で濃度依存的にわずかに弛緩させた。 OXA、AZE は影響しなかった。 (2) ヒスタミン誘発 モルモット、 肺切片 (3) 濃度範囲 記載なし in vitro KET DIP DE-114 は摘出肺切片のヒスタミン誘発収縮を抑制した。 抑制作用の強さは
KET > DE-114 > DIP pA2= 9.5 9.1 7.6 (3) LTC4誘発 モルモット、 気管 (4-8) 10-9-10-7mol/L、 in vitro なし 摘出気管平滑筋のLTC4誘発収縮をDE-114 は 10-8mol/L 以上で有意に 抑制した。 (4) セロトニン誘発 モルモット、 気管 (3) 濃度範囲 記載なし in vitro KET 摘出気管平滑筋のセロトニン誘発収縮に対する抑制作用の強さは DE-114 > KET pA2= 7.8 作用なし
8
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 (iii) ヒスタミン誘発による気管の粘液線毛輸送機能低下に対する作用 ウズラ (6) 3 mg/kg、 筋肉内 KET ヒスタミンにより気管粘膜異物輸送速度は低下するが、その変化を DE-114、KET はともに抑制した。 (iv) 実験的鼻炎(ヒスタミン誘発による鼻腔の血管透過性亢進)に対する作用 ラット (5) 0.3-3.0 mg/kg、 経口 KET AZE 実験的鼻炎に対する抑制作用の強さは DE-114 ≒ AZE ≒ KET ED50= 0.85 0.94 1.01 mg/kg (v) ヒスタミン誘発膨疹に対する作用 ラット (6-13) 1-10 mg/kg、 経口 AST TER KET PRO ヒスタミン誘発膨疹に対する抑制作用の強さはKET > AST > DE-114 > PRO > TER ED50= 0.32 0.38 2.2 2.5 3.5 mg/kg (vi) セロトニン誘発足蹠浮腫に対する作用 ラット (10) 2.5-10 mg/kg、 経口 KET PRO MET セロトニン誘発足蹠浮腫に対する抑制作用の強さは MET > DE-114 > KET > PRO ED35= 0.045 4.4 5.6 9.0 mg/kg 3) アレルギー反応に対する作用 (i) PCA 反応に対する作用 (homologous) ラット (5) 0.5-5 mg/kg、 経口
KET DE-114 は homologous PCA 反応を抑制した。 抑制作用の強さは KET > DE-114 ED50= 0.89 2.30 mg/kg (heterologous) ラット (5) 0.5-5 mg/kg、 経口
KET heterologous PCA 反応に対する抑制作用の強さは KET > DE-114 ED50= 1.59 2.94 mg/kg (ii) Schultz-Dale 反応に対する作用 モルモット、 能動感作回腸 (6) 10-9-10-8mol/L、 in vitro KET Schultz-Dale 反応に対する抑制作用の強さは DE-114 > KET ED50= 2.93 7.57×10-9 mol/L
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 4) 実験的病態モデルに対する作用 (i) 抗原刺激による気管支痙攣に対する作用 (受動感作) ラット (2-30) 0.03-0.2 mg/kg、 静脈内 KET PRO MET 受動感作ラットで、DE-114 は抗原刺激による気管支痙攣を抑制した。 抑制作用の強さは
MET > DE-114 > PRO > KET ED50= 0.0035 0.052 0.200 0.240 mg/kg (能動感作) モルモット (5) 0.5-5 mg/kg、 経口 KET 能動感作モルモットで、抗原刺激による気管支痙攣に対する抑制作用 の強さは KET > DE-114 ED50= 0.43 2.30 mg/kg (ii) 抗原刺激によるアセチルコリン気道過敏に対する作用 単回投与 ラット (4-7) 10 mg/kg、 経口、 ×3 回(48 時間間隔) KET DE-114 は能動感作ラットで、抗原刺激によるアセチルコリン気道過 敏を抑制しなかった。 KET も抑制しなかった。 連続投与 ラット (4-7) 10 mg/kg、 経口、 ×3 回/日×5 日 KET DE-114 は能動感作ラットで、抗原刺激によるアセチルコリン気道過 敏を抑制した。 KET も抑制した。 2. 実験的炎症に対する作用 1) デキストラン誘発足蹠浮腫に対する作用 ラット (6-8) 0.4-10 mg/kg、 経口 KET OXA AZE デキストラン誘発足蹠浮腫をDE-114 は抑制した。 抑制作用の強さは
DE-114 > KET ≒ OXA > AZE (デキストラン投与1 時間後)
DE-114:0.4 mg/kg で有意に抑制した。 KET:10 mg/kg で有意に抑制した。 AZE:50 mg/kg で有意に抑制した。 OXA:10 mg/kg で有意に抑制した。
10
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 2) カラゲニン誘発足蹠浮腫に対する作用 ラット (6-12) 2-50 mg/kg、 経口 KET OXA AZE カラゲニン誘発足蹠浮腫に対する抑制作用の強さは KET ≒ DE-114 >AZE、OXA (カラゲニン投与1 時間後) DE-114:50 mg/kg で有意に抑制した。 KET:50 mg/kg で有意に抑制した。 AZE:50 mg/kg で抑制しなかった。 OXA:50 mg/kg で抑制しなかった。 3. 気道クリアランスに対する作用 1) 粘液線毛輸送機能に対する作用 単独作用 ウズラ (6) 3 mg/kg、 筋肉内 KET 粘液線毛輸送機能に対して、DE-114、KET ともに影響しなかった。 2) 気道分泌液量に対する作用 単独作用 ウサギ (5-7) 3、10 mg/kg、 経口 KET 気道分泌液量に対して、DE-114、KET ともに影響しなかった。 3) 肺表面活性物質分泌に対する作用 単独作用 ラット (4) 10-5mol/L、 in vitro KET PYR 肺胞Ⅱ型培養細胞からの3H-phosphatidylcholine 分泌に対し、DE-114、 PYR は影響しなかった。 KET は軽度、有意に抑制した。 4. 鼻粘膜血行動態に対する作用 1) 単独作用 ウサギ (3-5) 0.1-10 mg/kg、 静脈内 なし DE-114 は単独では鼻粘膜血行動態に影響しなかった。 2) ノルアドレナリンによる血流減少に対する作用 ウサギ (3-5) 0.1-10 mg/kg、 静脈内 なし DE-114 はノルアドレナリンによる鼻粘膜血流減少を抑制した。 ED50= 1.8 mg/kg 5. 作用持続時間の検討 1) ヒスタミン誘発膨疹に対する作用(ED50の2 倍量を投与) ラット (7-8) 4 mg/kg、 経口KET DE-114 の持続時間は KET よりも長かった。 作用持続時間の長さは
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 6. 中枢作用 1) 生化学的検討 (i) アミンの取り込みに対する作用 ラット、 脳シナプトゾーム (2-4) 濃度範囲 記載なし、 in vitro AST TER 各アミンの取り込みに対してDE-114 は影響しなかった。 IC50: [3H]ノルアドレナリン: >10000 [3H]セロトニン: 9000 [3H]ドパミン: >10000 [3H]コリン: >10000 nmol/L AST、TER も影響しなかった。 (ii) MAO 活性に対する作用 ラット、 脳ホモジネート (3-4) 濃度範囲 記載なし、 in vitro AST TER DE-114 は MAO 活性に対して影響しなかった。 IC50: MAO-A 活性: >10000 MAO-B 活性: >100000 nmol/L TER は影響しなかったが、AST は MAO-B 活性を抑制した。 (IC50= 855 nmol/L) 2) 薬理学的検討 (i) 自発運動量に対する作用 マウス (8) 10-50 mg/kg、 経口 KET AZE DIP DE-114 は 20 mg/kg 以上で自発運動量を有意に減少させた。 減少作用の強さは
DIP > KET > AZE > DE-114 ED50= 17.9 20.0 24.4 26.5 mg/kg (ii) アルコール睡眠に対する作用 マウス (8) 10-50 mg/kg、 経口 KET AZE DIP DE-114 はアルコール睡眠を延長させなかった。 延長作用の強さは
DIP > AZE >KET、DE-114 ED50= 37.2 89.7 >100 mg/kg (iii) チオペンタール睡眠に対する作用 マウス (10) 10-50 mg/kg、 経口 KET AZE DIP DE-114 は 50 mg/kg でチオペンタール睡眠を有意に延長させた。 延長作用の強さは
DIP > KET > AZE > DE-114 ED50= 15.9 20.0 63.2 73.5 mg/kg
12
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 (iv) ヘキソバルビタール睡眠に対する作用 マウス (6-10) 100、300 mg/kg、 経口 なし DE-114 は 300 mg/kg でヘキソバルビタール睡眠を有意に延長させた。 (v) 最大電撃痙攣に対する作用 マウス (8) 10-50 mg/kg、 経口 KET AZE DIP DE-114 は最大電撃痙攣の強直性伸展痙攣を抑制しなかった。 抑制作用の強さは DIP > KET、AZE、DE-114 ED50= 28.0 >100 mg/kg (vi) ペンテトラゾール痙攣に対する作用 マウス (8) 10-50 mg/kg、 経口 KET AZE DIP DE-114 はペンテトラゾールによる間代性痙攣の持続時間を延長させ なかった。 延長作用の強さは DIP > KET、AZE、DE-114 ED50= 69.1 >100 mg/kg (vii) 脳波に対する作用 (1) パワースペクト ラムの解析 ラット (10) 20 mg/kg、 経口 KET AZE DIP DE-114 は影響しなかった。 δ 波のパワーデンシティの変化 (薬物投与後60-120 分)DE-114 AZE KET DIP 大脳皮質 前頭葉 → → ↑ ↑ 後頭葉 → → ↑ ↑ 海馬 → → → → 扁桃核 → ↑ ↑ ↑ (→:影響なし、↑:増加) KET と DIP は扁桃核の θ 波を有意に増加させた。 すべての薬剤はα 波、β 波に影響を及ぼさなかった。 (2) 睡眠-覚醒相に対 する作用 ネコ (3-8) 3-20 mg/kg、 経口 KET TER DE-114:3-20 mg/kg で用量依存的な変化はみられなかった。 KET:1-10 mg/kg で総睡眠時間を増加し、総睡眠時間に対する REM 睡 眠時間の割合を減少させた。 TER:1-40 mg/kg で影響を及ぼさなかった。
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 1. 抗アレルギー作用機序 - Ⅰ~Ⅳ型アレルギー反応における抑制作用の比較 1) Ⅰ型アレルギー反応に対する検討 (i) PCA 反応に対する作用 (homologous) ラット (5) 0.5-5 mg/kg、 経口
KET DE-114 は homologous PCA 反応を強く抑制した。 ED50:2.30 mg/kg KET も抑制した。 (heterologous) ラット (5) 0.5-5 mg/kg、 経口
KET DE-114 は heterologous PCA 反応を強く抑制した。 ED50:2.94 mg/kg KET も抑制した。 (ii) 抗原刺激による気管支痙攣に対する作用 (受動感作) ラット (2-30) 0.03-0.2 mg/kg、 静脈内 KET PRO MET DE-114 は受動感作ラットで抗原刺激による気管支痙攣を抑制した (ED50:0.052 mg/kg)。 MET、PRO、KET も抑制した。 2) Ⅱ型アレルギー反応に対する検討 (i) 抗ラットウサギ血清による後肢浮腫反応に対する作用 ラット (5) 20、50 mg/kg、 経口 DEX DE-114 は 50 mg/kg で投与 2 時間後の後肢浮腫反応を有意に抑制した。 DEX は 2 mg/kg で投与 1-4 時間後まで有意の抑制作用を示した。 (ii) Forssman 全身反応に対する作用〔抗 SRBC(ヒツジ赤血球)ウサギ血清投与後の生存時間〕 モルモット (5) 10-50 mg/kg、 経口 DEX DE-114 は 20 mg/kg 以上で有意に生存時間を延長させた。 DEX は 5 mg/kg で有意に延長させなかった。 3) Ⅲ型アレルギー反応に対する検討 (i) 能動的アルツス反応に対する作用 モルモット (8) 20、50 mg/kg、 経口 DEX DE-114 は 20 mg/kg 以上で反応惹起 2 時間の炎症スコアーの増大を有 意に抑制したが、炎症部位の面積は縮小させなかった。 DEX は 5 mg/kg で両者とも有意に抑制した。 4) Ⅳ型アレルギー反応に対する検討
(i) 遅延型アレルギー性皮膚炎症反応に対する作用〔picryl chloride 刺激耳腫脹〕 マウス (5-7) 20、50 mg/kg、 経口 DEX DE-114 は皮膚炎症反応を抑制しなかった。 DEX 2、5 mg/kg は有意に抑制した。 (ii) 遅延型アレルギー性足蹠浮腫反応に対する作用〔SRBC(ヒツジ赤血球)誘発足蹠浮腫〕 マウス (5) 20、50 mg/kg、 経口 DEX DE-114 は足蹠浮腫反応を抑制しなかった。 DEX 2、5 mg/kg は有意に抑制した。
*:新薬承認情報提供時に置き換え
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2.6.3.6.2
エピナスチンの作用機序の試験成績(続き)
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 2. Ⅰ型アレルギー反応抑制の作用機序 1) 抗体産生に対する作用 ラット (5) 30 mg/kg、 経口、 ×1 回/日×13 日間 DE-114 は抗体産生には影響しなかった。 も影響しなかった。 2) メディエーター遊離に対する作用 (i) ヒスタミン遊離に対する作用 (1) 抗原刺激 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 1-10 mg/kg、 経口、 ex vivo KET DE-114 は抗原刺激によるヒスタミン遊離を抑制した。 ED50:4.69 mg/kg KET の抑制作用は弱かった。 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 0.1-1000 μmol/L、 in vitro KET DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 EC50:75.9 μmol/L KET の抑制作用は弱かった。 ラット、 受動感作 腹腔内肥満細胞 (5) 1-100 μmol/L、 in vitro なし DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 EC30:16.0 μmol/L (2) Compound 48/80 刺激 ラット、 腹腔内肥満細胞 (5) 1-100 μmol/L、 in vitro KET DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 EC30:37.1 μmol/L KET の抑制作用は弱かった。 (3) A23187 刺激 ラット、 腹腔内肥満細胞 (5) 1-100 μmol/L、 in vitro なし DE-114 はヒスタミン遊離を抑制した。 EC30:55.5 μmol/L (ii) SRS-A 遊離に対する作用 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 1-10 mg/kg、 経口、 ex vivoKET DE-114 は SAS-A 遊離を抑制した。 ED50:1.37 mg/kg
KET の抑制作用は弱かった。 化合物A*
試験項目 1. 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 3) メディエーター誘発反応に対する作用 (i) ヒスタミンに対する作用 (1) 受容体結合試験 ラット、 脳-膜標本 (2-4) 濃度範囲は記載なし、 in vitro AST TER DE-114 は H1受容体に対し最も高い親和性を示したが、H2、5-HT1、 ムスカリニック、DA2受容体に対する親和性は低かった。α1、α2、5-HT2 受容体にも親和性を示した。 H1及びH2受容体に対するIC50は
H1 DE-114 > AST > TER
9.8 15 77 nmol/L H2 AST > DE-114 > TER
3160 4030 >10000 nmol/L (2) ヒスタミン誘発 平滑筋収縮に対 する作用 モルモット、 回腸 (3-5) 1-10 ng/mL、 in vitro AST TER DE-114 はヒスタミン誘発回腸収縮を抑制した。 EC50:2.6 ng/mL AST、TER も抑制した。 モルモット、 回腸 (3-4) 10-8-3×10-7mol/L、 in vitro KET DE-114 はヒスタミン誘発回腸収縮を抑制した。 EC50:2.40×10-8mol/L KET も抑制した。 (ii) PAF に対する作用 (1) PAF 誘発気管支 痙攣に対する作 用 モルモット (3) 0.001-0.1 mg/kg、 静脈内 KET WEB DE-114 は PAF 誘発気管支痙攣を抑制した。 ED50:0.037 mg/kg WEB、KET も抑制した。 (2) PAF 誘発血小板 凝集に対する作 用 ウサギ、 血小板 (4) 10-4-10-3mol/L、 in vitro KET WEB 抑制作用の強さは
WEB > DE-114 ≒ KET
EC50= 1.56x10-7 2.62x10-4 2.18x10-4 mol/L (iii) LTC4誘発気管収縮に対する作用 モルモット、 気管 (4-8) 10-9-10-7mol/L、 in vitro なし DE-114 は 10-8mol/L 以上で LTC 4誘発気管収縮を有意に抑制した。 (iv) セロトニン誘発気管支痙攣に対する作用 ラット (3-4) 10-100 μg/kg、 静脈内 KET PRO DE-114 はセロトニン誘発気管支痙攣を抑制した。 ED50:26 μg/kg KET、PRO も抑制した。
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試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 (v) ブラジキニン誘発気管支痙攣に対する作用 モルモット (5-6) 1、10 mg/kg、 経口 KET AZE OXA DE-114 は 1 mg/kg で有意に抑制した。 AZE、KET も抑制したが、OXA は抑制しなかった。 3. メディエーター遊離抑制の作用機序 1) Ca2+に対する作用 (i) 細胞外液からの45Ca 取り込みに対する作用 ラット、 腹腔内肥満細胞 (5) 1-5 mg/kg 経口 ex vivo なし DE-114 は compound 48/80 刺激による45Ca 取り込み増大を抑制した。 ED50:3.14 mg/kg (ii) 細胞内 Ca 貯蔵部からの Ca2+遊離に対する作用 モルモット、 能動感作 肺肥満細胞 (7) 10-1000 μmol/L、 in vitro なし DE-114 は 10 μmol/L 以上で、抗原刺激による細胞内 Ca2+濃度上昇を 抑制した。 ラット、 腹腔内肥満細胞 (7) 1-100 μmol/L、 in vitroなし DE-114 は 10 μmol/L 以上で、compound 48/80 及び substance P 刺激に よる細胞内Ca2+濃度上昇を抑制した。 2) カルモジュリンに対する作用 ウシ、 カルモジュリン 依存性ホスホ ジエステラーゼ (3) 1-100 μmol/L、 in vitro KET カルモジュリン依存性ホスホジエステラーゼ活性を DE-114:100 μmol/L で約 26%有意に抑制した。 KET:10 μmol/L で約 34%有意に抑制した。
試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 対照薬 試験結果 3) cAMP に対する作用 (i) cAMP、cGMP 含量に対する作用 モルモット、 能動感作肺切片 (5) 1-5 mg/kg、 経口、 ex vivo なし 抗原非存在下:DE-114 は cAMP 含量、cGMP 含量を用量依存的に増 加させた。
抗原存在下:DE-114 は用量依存的に cAMP 含量及び A/G 比 (cAMP/cGMP 含量)を増加させたが cGMP には影響しなかった。 (ii) アデニレートシクラーゼ活性に対する作用 ラット、 腹腔内肥満細胞 (3-7) 10-8-10-3mol/L、 in vitro
ISO DE-114 は 10-5mol/L 以上で有意に亢進させた。
ISO は 10-6mol/L 以上で有意に亢進させた。 (iii) ホスホジエストラーゼ活性に対する作用 ラット、 腹腔内肥満細胞 (3) 10-6-10-4 mol/L in vitro THEO DE-114 は影響しなかった。 THEO は 10-4mol/L で有意に抑制した。 4) モデル膜での作用(膜安定化作用)
(i) リン酸脂質二重層の order parameter に対する作用
動物は使用せず 0.1-1.0 mmol/L、 in vitro なし DE-114 は影響しなかった。 (ii) 示差走査熱量分析 動物は使用せず 0.1-1.0 mmol/L、 in vitro なし DE-114 は影響しなかった。
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試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 試験結果 (1) 一般症状・中枢神経系及び体性神経系に対する作用 一般症状及び行動に及ぼす影響 マウス (3) 1-100 mg/kg 経口 影響しなかった。 自発運動量に及ぼす影響 (オープンフィールド法) マウス (8) 10-50 mg/kg 経口 抑制した (ED50= 26.5 mg/kg)。 麻酔作用 (ヘキソバルビタール睡眠) マウス (6-10) 100、300 mg/kg 経口 300 mg/kg で睡眠時間を延長した。 抗 痙 攣 作 用 最大電撃痙攣法 マウス (8) 10-50 mg/kg 経口 影響しなかった。 ペンテトラゾール痙攣法 マウス (8) 10-50 mg/kg 経口 影響しなかった。 鎮 痛 作 用 Writhing 法 マウス (8) 1-100 mg/kg 経口 100 mg/kg でのみ抑制した。 インドメタシン10 mg/kg は著明に抑制した。 熱板法 マウス (8) 1-100 mg/kg 経口 100 mg/kg でのみ軽度の鎮痛作用を示した。 体温に及ぼす影響 ウサギ (3) 0.01-10 mg/kg 静脈内 ほとんど影響しなかった。 (2) 自律神経,平滑筋及び消化器系に対する作用 摘 出 回 腸 アセチルコリン収縮 モルモット (9) 10-9-10-6mol/L in vitro 10-7mol/L でわずかに,10-6mol/L で著明にアセチルコリンの収縮を非競合的に 抑制した。 バリウム収縮 モルモット (9) 10-6-10-3mol/L in vitro バリウムの収縮は10-4mol/L でわずかに,10-3mol/L で著明に抑制された。 消化器に及ぼす影響 (腸管輸送能に対する作用:炭末法) マウス (8) 1-100 mg/kg 経口 影響しなかった。 (3) 呼吸、循環器系に対する作用 呼吸運動、血圧、心拍数、血流量、 心電図に及ぼす影響 イヌ (5-10) 0.01-10 mg/kg 静脈内 1 mg/kg 以上で血圧は低下,心拍数は増加,また呼吸数は一過性に増加した。 10 mg/kg 以上で後肢血流は増加,腎血流は減少した。また心電図 PQ 間隔及び QRS 群幅は延長した。 水及び電解質代謝に及ぼす影響 (尿量、尿中ナトリウム、カリウム、塩素イ オンの測定) ラット (8) 1-100 mg/kg 経口 尿量,電解質 (Na+、K+、Cl-) 排泄量に影響しなかった。試験項目 動物種 (n) 投与量/投与経路 試験結果 (4) 類薬から予想される薬理作用 胃粘膜に及ぼす影響 ラット (8) 1-100 mg/kg 経口 10 mg/kg 及び 100 mg/kg で胃損傷を形成した。 胃液分泌に及ぼす影響 ラット (8-9) 1-100 mg/kg 皮下 100 mg/kg で胃液分泌量を抑制した。 唾液分泌に及ぼす影響 イヌ (4) 0.01-10 mg/kg 静脈内 10 mg/kg でのみ,一過性に減少した。 瞳孔径に及ぼす影響 ウサギ (3) 1、10 mg/kg 静脈内 影響しなかった。 局 所 麻 酔 用 浸潤麻酔 モルモット (13) 0.01-0.1% 皮内 0.03-0.1%で抑制。0.1%では 2%リドカインによる局麻作用と同等の効力を示し た。 表面麻酔 角膜反射法 ウサギ (13) 0.1-1.0% 局所適用 影響しなかった。 (5) その他の作用 α | 受 容 体 遮 断 作 用 後肢灌流法 イヌ (10) 0.1-10 mg/kg 静脈内 ノルアドレナリンによる灌流圧の増加を用量依存的に抑制した。その効力はフ ェントラミンの1/10 程度であった。 頚動脈洞反射 イヌ (9) 0.01-10 mg/kg 静脈内 1 mg/kg 以上で抑制した。 瞬膜 ネコ (6) 0.1-10 mg/kg 静脈内 1 mg/kg 以上で節前,節後神経刺激による収縮を軽度に抑制した。その効力は フェントラミンの1/10 程度であった。 摘 出 血 管 尾動脈 ラット (4-13) 10-12-10-5mol/L in vitro 経壁電気刺激収縮:抑制した。 EC50= 1.85×10-7mol/L ノルアドレナリン収縮:抑制した。 pA2= 7.44 大動脈 モルモット (7-13) 10-8-10-5mol/L in vitro ノルアドレナリン収縮:抑制した。効力はフェントラミンの1/54 であった。 pA2= 6.84 ヒスタミン収縮:抑制した。 pA2= 8.11 摘出輸精管 モルモット (5) 10-8-10-7 mol/L in vitro KCl 収縮に対しては影響しなかった。 ノルアドレナリン収縮に対しては10-7mol/L 以上で有意に抑制した。 フェントラミンは10-9mol/L 以上でノルアドレナリンによる収縮を抑制した。