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大学基礎教養英語教育の試み ―

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Academic year: 2021

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1.はじめに

 文科省による調査によれば,高校 3 年生の平均的 英語力は,CEFR (Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共 通参照枠)の A1 レベル(実用英語検定に換算す ると 3 級以下)であるという。同調査によれば,

「英語学習は好きですか」の問いに,「どちらかと いえば,そう思わない」「そう思わない」を合計 すると全体の半数を超える(文部科学省,2017)。

学習指導要領が定める英語科の到達目標が,高校 3 年生が実用英語検定準 2 級~2 級,中学 3 年生 が 3 級程度である(文部科学省,2016)ことを考 えると,日本の平均的高校生の実際の英語力は中 学卒業程度,しかも英語学習に抵抗を感じる生徒 が半数を超えるという実態が浮かび上がってく る。

 高校 3 年生の半数以上が大学に進学する現況に おいて,この問題はそのまま大学での英語教育の 課題に直結する。つまり,高等教育における英語 力の大幅な欠如と,それを改善するための動機づ けに欠けている生徒が,大学生として入学してく るということだ。

 このような状況に対応するために,本学では 3 年間をとおしてやる気を促しながら基礎力をつけ ていくカリキュラムを設置している。文法の教科 書を一からやり直したり,訳読を行ったり,総合 英語の教材を用いて形式的に整った枠組を提供す るのではなく,実際に英語を「使う」ことができ るようになるための枠組みを提供することを主眼

とするのである。具体的には,1 年次には,歌や 映画をつうじて音声インプットを取り入れ,絵本 や易しく書かれた学習者向けの本をつうじて文字 インプットを取り入れる。こうして,知識を習得 するのではなく,実際に英語が使われる文脈をと おしてアウトプットにつながる英語学習を,より 実際的にとらえ直す契機を提供しようとしてい る。2 年次では,知識の拡充をこれに組み合わせ,

3 年次において,社会人として求められる英語コ ミュニケーション能力の土台をつくる学習へと,

段階的なカリキュラムを構築している。

2.多読授業の内容

 上記で述べたように,本学の基礎教養英語教育 では,前期の「英語 I(表現)」の音声インプッ トの取り入れを目的とした授業に引き続き,後期 は,文字インプットの取り入れを目的とした「英 語 II(多読)」を行っている。本学での「多読」は,

英語を母語とする英語圏の子ども向けの本や学習 用絵本 (Leveled Readers),英語学習者向けの本

(Graded Readers) を で き る だ け 多 く( ま た,

CD を利用して聴きながら)読むことをとおして,

英語のインプットを増やすことを目指す授業であ る。図書館には 3000 冊以上の多読用図書が設置 されており,また授業のために多読用図書カート をクラスごとに用意している。

 この授業の最大の目的は,英語が苦手と感じて いる学生に「英語で読むのは楽しい」と感じても らうことである。楽しさを感じる多読の方法とし て,次のような多読 3 原則(酒井,2002)を採用

大学基礎教養英語教育の試み

大学生は絵本で始める多読をどのように体験しているか

城一 道子・鈴木 哲平

(2)

してきた。

⃝ 辞書は引かない(引くなら読んだ後で)

⃝  よくわからないところは飛ばす(100%

理解しようと思わなくてよい)

⃝  進まなくなったら(嫌になったら)やめる

つまり,辞書を引かなくても理解できるレベルの 本を読む,細部までは分からなくてもまずはス トーリーを楽しんで読む,楽しくなくなったらそ の本を読むのをやめて別の本を読む,英語力のあ る学生でも訳しながら読む癖をなくすためにあえ て易しいレベルの本を読むことを奨めている。教 員は,読むことに関して,学生の自主性に任せ,

学生自身が自分のレベルや興味に合わせて本を選 んで読んでいけるような役割が期待されている。

 ただし,多読の授業は授業時間中に学生が読む だけでは成立しない。多読に何らかの活動を組み 合わせ,多読の効果を高め,また,学生に知的好 奇心への刺激を与えるために,授業デザインの段 階では以下のような活動を想定していた。

⑴ 本を読み,記録をつける(本のタイト ル・シリーズ名,読んだ語数,一言コメ ント・感想など)。

⑵ リアクション・レポートを書く(振り返 りつつ(reflection),次の行動(action)

につなげるレポートを書く)。

⑶ 読んだ本の中から「お奨めの本」のポス ター(本の紹介)を英語(または日本語)

で作成する。

⑷ 「お奨めの本」のポスター発表を行う

(Q&A をとおして学生同士の英語での インタラクションを促すことができる)。

⑸ CD または教師による読み聞かせをとお して,英語の音声に注意を向けさせ,ま た,内容を推測させる。その内容を英語

(または日本語)で話させたり,書かせ るなどの活動につなげる。

⑹ 声に出して読む(読み聞かせ・朗読)。

⑺ 絵本をリライトし,visual aids や props を用いて発表する(Self-Theater)。

 上記は多読とともにしばしば行われる活動であ るが,各クラスの教員は学生に合わせてそれぞれ に工夫して授業を組み立てている。例えば,多く の教員が採り入れているのは,「読書記録と振り 返り」「ブック・レポート」である。ただ読みっ ぱなしではなく,自分がどれだけ読めたのか,ど んなことが読み取れたのかを振り返ることは,達 成感や英語に対する抵抗感の減少につながる。次 に共通して見られるのは音読である。学生が自由 に読む本とは別に,全体で読むテキストを教員が 用意し,これをクラスで読んでいく方式が採用さ れている。そのほか,「面白い表現・役立ちそう な表現」や,絵や文脈から内容を「推測」する学 習,朗読(ロール・プレイやナレーション),読 んだ本に関する英語によるプレゼンテーションも 採り入れられている。音読がとりわけ重視される のは,英語 II(多読)が,英語 I(表現)の後継 科目であり,音声インプットの重要性は英語 II

(多読)でも変わらないと考える教員が多かった ためであろう(英語 I および II は,原則,同じ 教員が同じ学生を前期・後期にわたって担当す る)。

3.研究の目的

 上記で述べたような多読授業が,大学生に「ど のように体験されているか」について検証し,基 礎教養英語教育の目指すコミュニケーション能力

(英語運用力)の育成においてどのような役割を 果たすことができるのかを考察することが本研究 の目的である。

4.調査方法 4.1 データ収集

 2017 年度後期の「英語 II(多読)」(授業実施

回数は 14 回)の 8 クラス,118 名(回答に一部

(3)

不備のある者を除く)を対象に,授業最終日に実 施したアンケート調査への回答および自由記述を データとして収集した。

4.2 分析方法

 質問紙(添付資料)を作成し,各質問項目に リッカートスケール 5 件法(5:あてはまる> 1:

あてはまらない)で回答させた。分析は各項目の 回答平均値を算出し,結果は,4.00 以上を「肯 定」,3.01 ~3.99 を「肯定傾向」,3.00 を「肯定で も否定でもない」,2.01 ~2.99 を「否定傾向」,2.00 以下を「否定」と判断した。

 質問紙に自由記述欄を設け,「授業を振り返っ て,楽しかったこと,学んだこと,役に立ったこ と,もっと知りたくなったことなど,思うことを 自由に書いてください」という指示を与え,自由 に書かせた。記述量については指示していない。

学生の回答傾向を分析するにあたり,木下(2003)

の M-GTA の手順に従い,データを分類し,分析 ワークシートを作成した。その際,特に 1 文ごと に分類するということはしないで,観点毎に記述 を分類した。したがって,複数の文で 1 つの観点 を示すものはそのまま 1 文の扱いとした。コメン トの分類は,本稿の共同執筆者の 2 名で行った。

5.結果・考察

5.1 アンケート調査結果

 アンケートの回答結果は表 1(記述統計量は付 表 1 に示す)のとおりである。質問項目の Q1 は

「読む楽しさ」(pleasure reading),Q2 は「英語 不安」(affective filter)に関連する項目であり,

また,Q3 および Q7 は動機づけに関する項目で あ る。Q3 は 活 動 中 の 動 機 づ け(executive motivation),Q7 は活動終了後の動機づけに関す る振り返り(motivational retrospection)

(注)

に関 している。Q4 および Q5 は,読む活動に付随し て 起 こ る い わ ゆ る 付 随 的 学 習(incidental learning) に 関 す る 項 目,Q6 は 読 み の 流 暢 さ

(reading fluency)に関する項目である。上記で 述べたように,4.00 以上は,「肯定」,3.01 ~3.99 は「肯定傾向」を示すものと判断すると,全項目 について肯定あるいは肯定傾向が示された(表 1 および付表 2)。受講者の多くが英語の本を読む 楽しさを感じ,授業期間中読む意欲をもち続け,

また,英語への心理的な壁が低下したことが示さ れている。最も評価が高かったのは読むことに付 随して起こるいわゆる付随的学習に関する項目で あるが,多読が語彙や表現を学ぶのに効果的であ ると感じられている。また,読む速さに関しても,

短期間ではあるが,速くなっていることを実感し ている学生も少なくないことが分かった。

表 1 アンケート回答結果

質問項目 平均値

Q1.英語で本(絵本を含む)を読むのは楽しい。 4.06

Q2.英語で本(絵本を含む)を読むことをとおして英語学習に対する抵抗感が減った。 3.92

Q3.英語で本(絵本を含む)を読むことに意欲的に取り組めた。 3.97

Q4.多読は英語の語彙や表現を学ぶのに役に立つと感じる。 4.33

Q5.多読で英語の語彙を増やすことができると感じる。 4.22

Q6.多読で読むスピードが速くなったと感じる。 3.92

Q7.今後も多読を続けたい。 3.95

(4)

 読書量(読語数)は,自己申告で分かる範囲で,

2000 ~26,000 語である。クラスにより授業内で 読む時間が異なるうえ,読語数をカウントしない クラスもあるので,本研究ではデータとして扱っ ていないが,読語数にかかわらず少ない時間でも 読むという体験に意味があったと感じていること はアンケート調査や次に述べる自由記述からの分 析においても示されている。

 また, 「さらに英語を勉強したい」 (質問紙参照)

かどうかについて「はい」と回答した割合は,

76.3% で,多くの受講者が英語学習を継続するこ とへの意欲を示した。

5.2 自由記述の分析結果

 「多読をどのように体験しているか」を知るた めに自由記述を分析し,その結果,【心理的不安 の軽減】【語彙学習の容易さ】【読みの流暢さ】【前 向きな感情】という概念を取り出すことができた。

分析ワークシートは付表 3 に示す。これらの概念 から多読体験を説明するモデルが図 1 である。

 【心理的不安の軽減】には「読める」という有 能感がかかわっており(分析ワークシート 1),

【前向きな感情】には,楽しさ,面白さという感 情がかかわっている(分析ワークシート 4)。有 能感が【前向きな感情】を生むが,これらはいず れも,動機づけにかかわる〈情動体験〉として捉

えられ,統合される。【語彙学習の容易さ】は【読 みの流暢さ】を促進するが,いずれもリーディン グ力を高めるプロセスにかかわる要因として,

〈リーディング力の向上〉というサブ・カテゴ リーに統合された。また,〈情動体験〉や〈リー ディング力の向上〉は,互いに強く影響し合い,

相乗効果を生みだしていると考えられ,これを

「読めるようになる」「わかるようになる」など情 動をともなう「できる」ことの拡がる体験ととら え,《できることの拡張》という包括的なカテゴ リーに統合した。《できることの拡張》とは,多 読を勉強という意識的な学習と捉えず,むしろ無 意識的学習に近い自然な英語発達を体験すること で引き出される感情をともなう概念である。この

《できることの拡張》感が,さらに,読むことを 含む英語学習全般に対する動機づけを生み出して おり,この動機づけを《自己に対する期待感》と 名づけ,《できることの拡張》から生じる概念と して捉えた。この構図により,多読は,日々の学 習の動機づけに働きかけ,自然な英語発達を促す という学習支援構造を備えていることを説明でき ると思われる。

〈リーディング力の向上〉 〈情動体験〉

【語彙学習の容易さ】

【前向きな感情】

《できることの拡張》

《自己に対する期待感》

【読みの流暢さ】

【心理的不安の軽減】

図 1 多読の自然な英語発達を促す学習支援構造

   (【 】は概念, 〈 〉はサブ・カテゴリー, 《 》はコア・カテゴリーを示している。)

(5)

6.多読体験

 上記の構図が示す多読とは受講者にとってはど のような体験なのであろうか。自然な英語発達,

語彙学習の容易さと心理的不安の軽減,前向きな 感情と読みの流暢さの観点から次に述べる。

6.1 自然な英語発達

 Nuttall (1996)は,外国語学習に最もよい方法 はその言語を話す人たちの中で暮らすことである が,次によい方法はその言語でたくさん読むこと であると,次のように述べている(p128)。

The best way to improve your knowledge of a foreign language is to go and live among its speakers. The next best way is to read extensively in it.

多読は自然に英語が入ってくる体験として捉えら れていることが自由記述から読みとれるが,門田

(2015a)も指摘するように,多読や多聴をとおし て目や耳から大量のインプットを浴び続けること は一種の「留学効果」である。留学効果とは,大 量の言語のインプットが人間の持つ自然に言語を 理解する能力に働きかけ,それが機能するように なることと捉えられる。

 第二言語学習の認知的アプローチでは,言語学 習は,学習者が,気づき➡理解➡内在化➡統合と いう内面のプロセスをたどって言語を理解し,学 習すると捉える。読むという過程では,目から 入ってくる英語の語彙・文法などの言語情報に注 意(意識)が向けられ,「気づき」が起こり,次 第に,個々の単語の意味や統語知識などの「理解」

が深まる。それが知識となって蓄えられ,さらに 学習が進むにつれて,その知識は修正され,再構 成される。このようにして中間言語と呼ばれる学 習者の英語に関する知識が深まっていく(「内在 化」)。内在化が進むと,知識が長期記憶に保持さ れるようになり(「統合」),定着が進む。多読は,

学習者の脳内にあるこのような英語学習システム を働かせ,英語理解の過程を自然に近い形でたど らせることができると考えられる。

 絵本や平易化されたリーディング教材は,少な い語彙でも読み始めることができ,絵という視覚 情報を利用することができるので,日本語訳に頼 ることなく,気づきや理解が起こりやすい。次第 に,単語が生起する状況(前後関係)にも注意を 向けることができるようになり,語と語の共起関 係の理解や統語構造など文法的理解が促される。

実際,300 語から 400 語程度の語彙サイズがあれ ば始められ,英語力に不安がある学習者も各自の 英語力のレベルに合わせて読むことができる。つ まり,多読は,学習者の学習段階がどのような段 階であれ,学習者自身が現在有している知識(リ ソース)を使って取り組むことができ,また,多 読教材のレベルを調整しながら一つずつ段階を上 がるように学習を進められるので,それぞれの学 習段階に合った新しい知識を獲得しやすくなると 考えられる。このような体験が,「本などのほう がより自然に英語が身につく」という記述にも見 られるように,受講者にとって,英語の規則を順 に学んでいく学習と異なり,自然に英語が入って くる体験と感じられるのであろう。

6.2 語彙学習の容易さと心理的不安の軽減  アンケート調査結果や自由記述にも示されてい るが,多読体験は語彙や表現を学ぶのに効果的で あると感じられている。多読によるこのような効 果は,【語彙学習の容易さ】からくるものであろ う。絵本などの多読教材は,テキストと絵の組み 合わせにより,語彙の意味の推測が容易である。

視覚情報は記憶にも残りやすい(吉井,2009 他)。

また,同じ語彙レベルの教材を何冊も読むことで 一定期間内に同一の単語に幾度か出会い,語彙が 定着しやすくなる。また,受講者の記述にも散見 されるが,既知語の別の意味に触れ,語彙知識も 深くなるという効果も感じられるようになる。

 語彙学習は言語学習に必要不可欠であるが,単

語リストを順に記憶するなど意識的・機械的な学

(6)

習は,語彙知識の深さにはつながりにくく,また,

効果の程度は,熟達度や学習環境などに左右され やすい。語彙が身についていないと思われる大学 生は少なくなく,彼らの英語力は初心者に近いの が実情である。このようないわゆる疑似初心者で も,多読による【語彙学習の容易さ】により,英 語の表現や語彙が自然なインプットとして取り入 れられている。「日常会話で役に立つ英語」に出 会えるなど,「会話力」や「表現力」が身につく と感じられている者も多く,多読教材をとおし て,実際にコミュニケーションがどのように行わ れているかを知る機会ともなっている。

 このような自然なインプットを浴びて,「読む ことによって読めるようになる」という多読体験 が有能感を生んでいる。この「読める」という有 能感とは,「最初の頃と比べて」分かる単語が増 え,スムーズに読めるようになったという記述に 見られるように,過去の自分と今の自分を比較し て感じる感情である。英語で読むことに不安を感 じていた者も有能感が膨らむにつれてその不安が 軽減されていったと考えられる(【心理的不安の 軽減】)。

6.3 前向きな感情と読みの流暢さ

 多読では,正確に読むことを優先しないので,

肩の力を抜いて楽しんで読むことができる。分か らないところは無理して理解しようとしなくても よく,難しい,つまらないと思ったら途中でやめ てもよいなど,訳読や精読などのリーディングと は異なり,気負わずたくさん読むことができる。

易しい英文はよくわかるので,楽しんで読める し,速く読めるようになる。上記で述べたような 有能感も増してくるので,英文を読む自信もつ き,さらに読みたいという気持ちになる。このよ う な 読 み の「 よ い 循 環(the virtuous circle)」

(Nuttall, 1996)が【前向きな感情】を生み出し ている。

 楽しみながら,たくさん読むことで,語彙知識 は,緩やかであっても少しずつ蓄えられ,次第に 長い読み物でも大まかに意味内容を捉えることが

できるようになっていく。「スラスラ」読めるよ うになったなど,読む速さが速くなっていること を実感している者は少なくないが,読む速さは理 解力と密接に関連している。読む速さが増すの は,ディコーディング(decoding)という単語レ ベルでの処理(単語認知や統語処理など)が速く なるからである。読みの速さが速くなればなるほ ど,理解しようとして働く認知資源が,ディコー ディングから意味内容の理解に向けられるように なり,理解度が増す。「左から読んでも話の内容 が分かるようになっていった」という記述に見ら れるように,日本語を介さず英語のまま理解でき る「直読直解」は【読みの流暢さ】の増した結果 であろう。

 【読みの流暢さ】が感じられると,学習者は自 身で進歩を感じられるようになる。英語力は一定 の割合で伸びていくというものではないので,学 習者が自分自身で英語力の伸びを感じられること はあまりないが,過去の自分の能力を基準として 読みの速さや理解度において能力の向上を感じと れる有能感の認知は,学習に向かおうとする【前 向きな感情】を高め,《できることの拡張》,さら には,《自己に対する期待》を生み出していると 言えるだろう。

7.基礎教養英語教育における多読の役割

 受講者にこのような体験をもたらす多読授業の 英語教育における役割についてあらためて考えて みたい。

 Dörnyei (2016) は,動機づけが維持される,

つまり,「やる気の潮流(Directed Motivational Current)」が続くところには,「前向きな感情」

「自分の将来像(vision)」,学習行動を促す明確 な「構造」という 3 つの特徴があると指摘してい る。学習行動を促す明確な「構造」とは,「学習 習慣(behavioral routines)」が形成され,「進歩 の確認(progress checks)」ができることである。

進歩の確認とは,少し頑張れば達成できるレベル

のゴールを設定でき,進歩の確認ができるフィー

(7)

ドバックが得られることをいう。多読には,上記 5.2 で示したように, 【前向きな感情】に支えられ,

《できることの拡張》を求めて学習行動を促す構 造があり,また,6.2 および 6.3 で述べたような 有能感の認知により学習者自身が進歩を感じられ る場がある。「生活で英語を入れたり,会話して みました」など,話すことにもつながるような

《できることの拡張》も見られ,多読が「よい感 じに習慣」となって,インプットの取り入れ口と して英語運用力の伸長に資することは十分に考え られる。一方で,「一人では続けられない」「続け られる環境があれば続けたい」など継続への不安 があり,長期にわたる学習行動を学習者自身でコ ントロールし,やる気を維持するのは容易ではな い現実も見える。動機づけは一定の状態で常に安 定しているわけではなく,時とともに変化するか らである。

 多読という環境は,個々の学習者に場(可能性)

を提供するが,その可能性をどう利用するかは利 用する者の主体性にかかっている。主体性をもっ て学習する,つまり,Dörnyei のいうやる気の潮 流が続くためには,「自分の将来像」をもつ必要が あるだろう。が,英語を使う「自分の将来像」を 明確に思い描くことができる者は多くはない。英 語学習を続けるために必要なのは,遠い先の「将 来像」ではなく,「実現可能な自分自身(possible selves)」の姿を思い描くことではないだろうか。

多読により生まれる《自己に対する期待感》が膨 らむ過程でその姿も見えてくることは,今回の調 査をとおして示唆されていると思われる。

 これまでの研究の多くは,「英語を使えるよう になりたい」「英語を使って仕事をしたい」など マクロレベルの動機づけに多くの注目が集まって いたが,英語学習という長期にわたる学習プロセ スにかかわる努力を維持するには,日々の学習の 際に働くミクロレベルの動機づけにも目を向ける 必要がある。多読授業の一つの役割は,英語レベ ルも動機づけのレベルも異なる多様な学生に対 し,それぞれに「実現可能な自分自身」の姿を思 い描けるようなミクロレベルの動機づけに働きか

ける環境を提供することができることにあるので はないだろうか。多読というアプローチは,多様 な学生のニーズに応え,それぞれの英語発達を支 援する構造がある。このような支援構造をもつ多 読授業のあり方をさらに検討し,また検証しなが ら,学生の英語運用力の養成・向上に資するより よい学習環境を提供していくことが求められるだ ろう。

8.おわりに

 言語学習の成功は,結局のところ学生自身のコ ミットメントと熱意にかかっている,と言うこと は簡単であるが,学生が,その習熟の程度にかか わらず,一つひとつの英語学習経験から影響を受 け,自身の英語力だけでなく英語学習観に変容を もたらし,英語学習者として「能動的」になるこ とは十分に考えられる。グローバルな社会とは,

各個人が各自の必要に応じて他言語についてある 程度の能力を持っていることが必要とされるよう になる社会である。学生自身が生涯にわたって必 要に応じて英語その他の言語能力を高めていく可 能性が感じられるような支援をすること,基礎教 養英語教育は,個人としての学生たちの可能性を 開くという視点を持つことが大切であると思われ る。

《注》

言語学習のような長期にわたる学習活動においては,

動機づけは変動する。ドルニェイは,言語学習の動機 づけに,行動前段階,行動段階,行動後段階から成る 時間軸を含む動機づけのプロセス・モデルを提案して いる。行動前段階の動機づけを「選択動機づけ(choice motivation)」,行動段階は「実行動機づけ(executive motivation)」,行動後段階は「動機づけを高める追観

(motivational retrospection)」と呼んでいる(Dörnyei, 2001)。

謝辞

 英語 II(多読)を担当してくださったすべての先生

方,その中でインタビューに応じてくださった福田有

美先生,茅野佳子先生,窪田裕江先生,水野邦太郎先

生にこの場を借りて御礼申し上げたい。

(8)

参考・引用文献

馬場今日子・新田了(2016)『第二言語習得論講義』

大修館書店.

Dörnyei, Z. (2016) Motivational Currents in Lan- guage Learning. New York: Routledge.

Dörnyei, Z. (2001) Motivational Strategies in the Language Classroom. Cambridge: Cambridge University Press.(ドルニエィ,Z. 著,米山朝二・

関昭典訳(2005).『動機づけを高める英語指導ス トラテジー35』大修館書店.)

古川昭夫 (2010) 『英語多読法 やさしい本で始めれ ば使える英語は必ず身につく』小学館新書.

廣森友人(2015)『英語学習のメカニズム 第二言語 習得研究にもとづく効果的な勉強法』大修館書 店.

門田修平(2015a)『英語上達 12 のポイント』コスモ ピア.

門田修平(2015b)『シャドーイング・音読と英語コ ミュニケーションの科学』コスモピア.

門田修平・野呂忠司・氏木道人(編著)(2010)『英語 リーディング指導ハンドブック』大修館書店.

木下康仁(2003)『グラウンデッド・セオリー・アプ ローチの実践―質的研究への誘い』弘文堂 松村昌紀編 (2017)『タスク・ベースの英語指導―

TBLT の理解と実践』大修館書店.

Nuttall C. (1996) Teaching Reading Skills in a For- eign Language. Oxford; Macmillan Publishers.

酒井邦秀 (2002)『快読 100 万語! ペーパーバック への道』ちくま学芸文庫.

吉井誠 (2009) 『第二言語におけるリーディングと語 彙学習 付随的語彙学習における注の効果』

ウェブページ

文部科学省(2017)「平成 29 年度 英語力調査(高校 3 年生)の概要」

http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikoku- go/__icsFiles/afieldfile/2018/04/06/1403470_03_1.

pdf (2019/01/29 閲覧)

文部科学省(2016)「高等学校における英語教育の改 善について(参考資料)」

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/

c h u k y o 3 / 0 5 8 / s i r y o / _ _ i c s F i l e s / a f i e l d - file/2016/01/15/1366027_8.pdf (2019/01/29 閲覧)

付表 1 アンケート回答記述統計量

(9)

付表 2 アンケート回答結果(項目別)

(10)

分析ワークシート 1 付表 3

概念名 心理的不安の軽減

定義 英語が読める体験をとおして読むことへの抵抗感がなくなる

・簡単な本であれば、自分の力でも読み進めることができるんだと思った(1)。

・英語の絵本を利用することによって英語が苦手な私でもあまり抵抗なく取り組めた(9)。

・自分は英語が苦手だけど、絵本の難しさが分かれていて、苦手な英語の本も読めたのが嬉しかった(13)。

・数多くの本を読むことができました。英語が苦手な人もORTなどのレベルの低い本から多読をすることで英語が わかるなどの体験を重ねることで英語で書かれた文も読んでみようと自分から思うようになると感じました。

・英語の本を読むことが初めてだったので新鮮だった。わからない単語を調べたりすることでより理解できるよ うになった。そうすることで調べる楽しさも覚え、英語への抵抗感もなくなってきた。文字数が少なくディズ ニーなどの作品なども多かったが、理解するのに時間がかかった。自分の英語力のなさがもろに出たのでもう少 し力をつけたいと思う(16)。

・ライオンキングなどの英語の絵本を読み、自分にとってはディズニーはとても身近で好きなので接しやすく、

意欲を失わずに続けることができたと思います(17)。

・英語の時間で毎回絵本を読んで、分からなかった単語を自ら調べ学習できたのが、今後のためにもなると思っ てよかった(18)。

・絵本を取り入れたことで、授業に飽きずに取り組むことができた(19)。

・英語の本となると英単語が多く、全然読めなくなると思っていたのですが、絵本となると単語数も少なく絵で 表現されていると分かりやすい(21)。

・今まで、あまり英語だけの本を読んだことはありませんでした。しかし、絵本で読むことで親しみが湧き、自 分から意欲的にすすんで読むことができました(23)。

・英語の勉強をするとき、少しでも抵抗感を減ずるには、自分の興味がある本を読んだりすることが重要である と感じた。(自分には英語が)苦手というよりどうしても興味が湧かなかったりするところが根本にあるのかなと 思った。そういう意味では多読の授業は意味があったと思う(27)。

・今回多読をとおして英語に対する抵抗意識を少し減らすことができました。高校生の時にアメリカでホームス テイをしたことがあったのですが、その時は全く英語を話すことができず、あまり楽しむことができませんでし た。帰国してからもあまり英語の勉強をする気にはなりませんでした。多読の本は、とても読みやすく、続けや すいと思い、英語をまた学びたいという気持ちになることができました(54)。

・英語の本に触れる機会があまりなかったため、初めは不安でしかなかったのですが、日本語の本とは違い、レ ベルがあり、段階を踏んで読み進めることができるため英語が今まで苦手だった自分でも深く読み進めました。

いつか実際の新聞記事やもっと厚い本などを読み、英語の勉強をより深いものにしたいと感じました。ただ机に むかい、単語や文法を習うことよりも本を読み会話を読むことでも英語は身につくと思いました(62)。

・英語の本を読むことに最初は抵抗があったけど、読むにつれてどんどん抵抗がなくなっていった(73)。

・前までは英語が大嫌いで抵抗感があったのですが、今回で少しは抵抗感がなくなったような気がします(90)。

・ライオンキングなどの英語の絵本を読むことで英語への抵抗感が減った気がします(92)。

・たまに読み飽きたり、内容が全然入ってこないときもあったけど、自分のペースでレベルに合った本を読め た。最初の頃と比べて分かる単語も増えてきたり、文字数が増えていったりと、自分でもできるようになったと いうことが分かったから読んでいてとても楽しかった(95)。

・多読で英語の本を読むことで英語がより身近に感じるようになりました。自分としてはテキストなどでもいい 勉強になると思いますが、音楽や本などのほうがより自然に英語が身につくのだなと感じました(106)。

・本を読むと、意外と面白い話があると思った。難しい文章でも、なんとなく絵を見て理解することができた。

最初は簡単な本を読んでいたけど、少しずつレベルの高い本に挑戦できてよかった。普段から英語を使う意識を していれば、少しずつ英語が得意になるのかなと思った。なので、今後は英語を意識して生活していきたい (110)。

・高校の時は、分からない単語が多すぎてついていけるかいけないかというところだったが、大学受験でみる専 門用語より、今年度でやってきた身近なものからのほうが英語に親しみ易いことが分かった(112)。

・いろいろなジャンルの本が読めたのは楽しかった。レパートリーにコミックがあったのは読み易くてよかった (117)。

理論的 メモ

絵本には親しみやすさを感じる。自分の英語力にそって読める、興味・関心に合う本を選べるので続け やすい。読むことによって読めるようになり(有能感)、自然に英語が身につくと感じられる。意欲を 失うことなく多読を続けられ、読むことへの抵抗感は軽減される。

ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン

( )内の数字は受講者を示す。

(11)

概念名 語彙学習の容易さ

定義 語彙や表現の学習が容易で、身につけやすい。

・高校の頃より、英単語を知ることができた(5)。

・以前よりも単語が読めるようになったし、意味も分かってきたと思いました(15)。

・英語の本を読むことで語彙力をあげるという手段は、高校でも中学でもなかった(20)。

・簡単な絵本を何冊も読むことで英語力、会話力は確実に身につくと思う(22)。

・実際に多読をしてみて、単語や文法など様々なものが学べました。読んだことによって、英語での表現方法や 読解力が身につき、スキルアップにつながったと思います(23)。

・本の中には、日常でも使えそうな単語や文も多かったので、忘れないようにしたいなと思いました(24)。

・いろんな本を読んで、たくさんの表現の仕方を知ることができました(33)。

・今まで一つの意味しか知らなかった単語の活用の仕方やスラング的な意味を学べたのがよかった(34)。

・様々な英語の表現を学べたと思います。英語の本を読んでみて、高校の時にやった単語の勉強のおかげで知ら ない単語があっても文脈から読めたこともあったので、もう少し英語の勉強をしてみてもいいなと思いました (42)。

・日本語の本ですら、あまり読まない私が多読を飽きずに続けられるかどうか心配でしたが、英語の本(ほとん どが絵本)を読んでみて、意外と続けられた感じがします。語彙の習得のしやすさもあったと思います。面白さ で言えば、当然漫画に比べれば劣ってしまいますが、絵本であっても侮れないなということも感じました。語彙 習得においてほんというのはいいと思います。日本でも絵本は子どもの語彙習得に一役買ってますし、子どもで なく、私たち学生にもかなり良いものだと思いました。この授業をとおしてただ参考書や教科書を読むだけが勉 強ではないというのを改めて実感できたように思います。

・英語の本に触れることによって表現の仕方や使い方など様々なものを見ることもできる場でもあった。自分の 知らない表現や単語、熟語なども触れることができ、自分の学力向上にもつながってきていると思いました (53)。

・いろいろな本を読むことができました。知らない単語もたくさん覚えられました。もっと英語を勉強したいで す(56)。

・英語で本を読むのは楽しかったです。いろいろな本を読んで、学ぶことができました。多読は英語の語彙や表 現を学ぶのに役に立ちました(57)。

・日常会話で役に立つ英語を読んで楽しかった(60)。

・簡単な文法とことばがわかるようになりました(64)。

・この授業を振り返って、決して難易度は高くないが、本を読み、その中に出てきた単語を学習していくのは自 分の中で、効果的な学習法であったと感じた。読んでみてわからない単語が出てきてもすぐに調べて解決してし まうのではなく、前の文章やイラストから状況を推測し、こうなのではないかという疑問を一回持つことが英語 を覚えるためによい学習法なのだと実感した(66)。

・英語の本を読んだことで思ったのは、同じ絵本でも英語と日本語の表現が大きく違ったことです。読んで面白 いと思いました(69)。

・自分が今まで知らなかった単語を覚えることができて、英語への抵抗がなくなった(71)。

・本を読むことで熟語を多く頭に取り入れやすくなった(77)。

・多読で英語の本を読んだ。すべての内容を理解することは自分には難しかったけれど、英語の本を読むことが 今までなかったので、読んでみていろいろな単語を知ったりできた(87)。

・簡単な英文の絵本を辞書を使わずに読むのは楽しかった。分からない語があっても、イラストや流れから読み 取って内容を推測して、当たっていたときは嬉しい(88)。

・これまで英語を学んできて知らない単語や表現の仕方などいろいろと知ることができました(93)。

・英語で書かれた本を読んでいると、英語の授業や英作文などでは使うことのない会話独特の表現に出会うこと ができて、使える英語を学ぶ上でとても大切な部分を学習できたと思う。レベルの高い本の中でも、出てくる会 話の内容は説明文と比べてシンプルで簡単なものが多く、英会話に対する抵抗感が少し和らいだように思う (97)。

・絵本を読んで物語の会話に触れることで覚えやすかったりとか、授業では習わない言葉も出てくるのでとても よいかなと思いました。多読をやっていくうちに基本的な会話の表現が分かるようになりました(103)。

・語彙が自分の中で圧倒的に増えました。ORTなどを読めば読むほどに理解するととともに覚えることができまし た。多読を始める前と後では知ってる単語が本当に変わると思います。表現できる能力も少し身についたので良 かったです(104)。

・多読をしたことによって今まで英語だけの本を読むことなどはなかったのでとてもよい機会だったと思いま す。今後はもっとレベルの高い英語の本を読んで、今まで知らなかった単語や熟語をもっと知りたいなと思いま した(105)

・本を読むことで語彙力のようなものは少し増えた気がする。本独特の表現なんかにも触れることができたため 少し英語の苦手意識がなくなった(115)。

・いろいろな表現を勉強することができた(117)。

理論的 メモ

単語を知る、単語が読める(発音)、単語の別の意味を知る、単語を覚える(定着する)、単語が増えるなど語 彙学習(単語認知)に効果がある。文脈から語の意味を推測するなどの語彙ストラテジーも身につけることがで きる。文法や読解力を身につけることができる。日常会話表現を含む表現力にもつながる。教科書を読むだけが 勉強ではないと感じる。

ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン

分析ワークシート 2

(12)

概念名 読みの流暢さ

定義 読む速さが増し、理解度が上がる。

・初めは簡単な本しか読んでいなかったが、回数を重ねるにつれて段々と語数が多い本でも読めるようになって いった(3)。

・最初は簡単な本でもあまりスラスラ読めなかったが、慣れると多少意味がわからなくてもなんとなくで意味が とれるようになり、中級くらいならある程度まで読めるようになった(4)。

・多読をする前は英文を和訳するように後から読んでいたが、多読の数が増えるうちに左から読んでも話の内容 が分かるようになっていきました。左から英文を読むのに慣れたのだとおもいます。慣れる大きな要因はやはり 数をこなしたからだと思います。そのため、英文を英文として読むためには多読の授業は最適だったと思いま す。(14)。

・読むスピードが少し上がったと感じました(15)。

・初めて読んだときは、言葉の意味がイマイチわからなかったりしましたが、読んでいくうちに慣れてきたり、

レベルが上がってきて理解できるようになったので、嬉しかったです。英語を読む集中力が身についたと思いま す(24)。

・読むスピードが速くなったと感じる(25)。

・英語の本を読み、もっと早く英語を読めるようになりたいと思った(29)。

・Best Quoteを探すことでよく読みこむことができた(32)。

・最初の頃は一語、一語を和訳して読んでいたため、大変労力と時間がかかっていた。しかし、本を読み進めて いくと同時に、スラスラと訳せるようになっていて、最後の発表の時、和訳するのがすごく簡単にできたので進 歩を感じられた(39)。

・簡単な本は読めるようになったので、もう少し上のランクの本を読んでみたい(40)。

・もっと英語を勉強したい。そして、『ベオウルフ』や『ジキルとハイド』『ロード・オブ・ザ・リング』『パ ディントン』『ロビンフッド』『アーサー王伝説』などを読んでみたい(43)。

・最初と比べて、発音も読むスピードもよくなった気がする(45)。

・読むスピードが速くなった(48)。

・最初に読んだ本をまた読んだら読み易くて楽しかった(50)。

・英語を読むスピードが速くなりました(57)。

・英語の本を読むのが前より楽しくなり、早くなったのが実感できる後期の授業でした(74)。

・多読の授業を通じて、英語の文章をスムーズに読む、話すといった行為がスムーズにでき、抵抗が少なくでき るようになったと思う。これによって英語というもの自体が楽しく感じるようになった(75)。

・英語の本を読み続けたことによって文を読み解くことが速くなって英文の読解がスムーズにできるようになっ たので、多読をするということの効果が実感できるようになりました。今後はもっと字の細かい英文を読んでみ て、さらに英語に慣れていきたいと思いました(79)。

・英語の本を読めると嬉しいと感じた。英語を勉強するにあたり、速読が大切になることもあるので、これから も多く物語を読んで力をつけていきたい(81)。

・本を読むことで、読むスピードも上がり、発音も結構ましになったと思う(84)。

・絵本を初めて読んでいた頃と比較して読む速度と意味の理解度が向上したと感じた(86)。

・正直自分は多読には自信がなかったのですが、本を読むにつれて単語を読むスピードが速くなったのと英語で 本を読むことに意欲的に取り組むことができ、とても役に立ったと思います(93)。

・読んでみて読むのが速くなったと思う(98)。

・知らない言葉もありましたが、絵を見てニュアンスをつかみ、ちゃんとした流れに沿って多読をすることがで きました。これからも英語に対して意欲的に取り組んでいきたいです(100)。

・最初は簡単な短い本を読むのも少し抵抗があったけど、たくさん読んでいくうちに、少し難しい本もスラスラ と読めるようになって楽しかった。もっといっぱい読みたかった。機会があったら、自分のお気に入りの本を見 つけたい(101)。

・本を読んでいるうちに読むスピードが速くなったり、分かる単語が増えました。読む本のレベルが上がってい けばいくほど、内容が理解できたときに面白いなと感じるようになりました。この授業をきっかけに今後も英語 の本を読むようにしたいです(106)。

・短い文から徐々に英文にも慣れることができてよかった。知らない単語が出てくることもあったが、文脈から 考えて予測する力も、多読の授業をとおしてついてきたように感じる。これからも積極的に英語を読み、英文に 慣れていきたい(108)。

理論的 メモ

読むスピードが速くなり(スムーズに読めるようになり)、直読直解につながることを感じる。速さと理解は密 接な関係がある。易しい英文なのでよく分かり、速く読めるので、自信もつき、上のランクの本も読んでみたく なる(読みのよい循環)。読解ストラテジーを使うことの効果や、読解力の向上が感じられている。

ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン

分析ワークシート 3

(13)

概念名 前向きな感情

定義 多読をとおして、楽しさや面白さなど前向きな感情が生まれる。

・たくさん英語に触れることができ、本を読むことができたのでよかった(2)。

・英語の本を読むということをあまりしたことなかったけど本を読むのは楽しかった(6)。

・教室で読んだ本、図書室で読んだ本、様々なジャンルに触れることができて楽しかった。英文だけでなく、写 真や絵も日本とは違うものがたくさん見られたのでよかった(8)。

・たくさんの本を読めて面白かった(7)。

・この時間はすごく楽しく、自分にためになった部分もあったと思っています(10)。

・英語の本を読むこと自体がほとんどなかったのですが、とても楽しく読めたと思います(11)。

・この授業を受けて自分はすごく英語が嫌いだったのですが、本が好きなので楽しめました(20)。

・読むのは楽しかったです(21)。

・(多読)授業は集中できたからとても楽しかった。続けられる環境があれば少しだけ続けてみるのもいいかな と思った。けど、自分から図書室に行ってまでやろうというのは続けられる気がしないなと思った(22)。

・英文の物語を楽しむことができた(25)。

・気軽な気持ちで英語の本を読んだことがなかったので、面白かったです(26)。

・総単語数1万以上っていう目標があった気がするが達成できなくて残念(28)。

・多読はとても楽しかった(30)。

・英語の本を読むことが楽しいということがわかった。もっといろんな本を読んでみたいと思った(31)。

・話の内容から訳が何となくわかるようになりました。何かの物を買ったときに英語で書かれていたが、何とな く意味が分かるようになりました(36)。

・たくさんの本を読めて、ほんの少しだけど英語で書いてある絵本とか読めるようになった(37)。

・いい本をたくさん見つけました。生活で英語を入れたり、会話してみました(48)。

・多読の授業を受けることによって英語の本に触れる機会が増え、英語の勉強に対する意欲が上がった(53)。

・読むことによって日々の英語の学習が楽しくなってきた(60)。

・シラバスを読まなかったので、「多読」の意味がよくわからないまま授業を受け始めたが、この授業を受け、

図書館にある英語の絵本を読んでいくうちに「これが多読か!」と気づき、この授業がだんだんと好きになりま した(61)。

・多読の授業は楽しかったです。絵本を読みながら、英語を勉強するという手軽さがよかったです(63)。

・英語のことばや文法は全然知りませんが、英語絵本を読むことはとても楽しかった(64)。

・図書館に行って、英語の本を読んだり、毎時間本を読む時間があって、スキルアップにつなげられている感じ がしてよかった(70)。

・とても楽しくて勉強になりました。英語が楽しく思えました(72)。

・役に立ったことは、英語はともかく、日本語の本もあまり読みませんでした。しかし、多読で本をたくさん読 ませてもらいとてもよい感じに習慣になったのでこれからも続けたいです(80)。

・英語の本を読むのはとても楽しかったです(83)。

・今まで英語の本を読む機会があまりなかったから、多読の授業を通して英語の本をたくさん読めて本当によ かった(95)。

・英語ほど積み重ねが必要なものは他にないと思い、こういった授業での本を読むというのは、自分一人ではな かなかやらないことで、久しぶりに英語に触れた自分としては非常に良い時間でした(96)。

・この授業が終わった後に英語の本を継続して読み続けられるかが少し不安で、せっかく授業中で鍛えた力をま たゼロに戻してしまわないように努力する必要があると思った(97)。

・今まで英語で本を読んだことがなかったけど、授業で英語の本にも触れることができたのでとても楽しかった (98)。

・普段だと英語に触れる機会がなく、英語の絵本は絶対に読まないけれど、多読という機会のおかげで英語の本 にも普段からチャレンジしてみようかなと思えました。英語に対して苦手意識があったけれど、英語(多読)の 勉強をしていて楽しいやもっと学びたいという欲が生まれたので、本当によい経験ができたのかなと思います (99)。

・英語は苦手ですが、絵本から勉強することで物語なので読む楽しさもあって、意欲的に取り組めたと思いまし た。これからも英語の本は読んでいきたいなと思っています(109)。

・英語苦手過ぎて英語の本読むなんてむりー!と思っていたけど、全然楽しく読めてよかったです(111)。

・高校のときまでの長文読解とは違い、ただ読むことだけが目的だったので、あまり気負わずに楽しく読めまし た。内容も易しいものが多くスラスラと読めたので、英語を読むことが面白く感じられてよかったです(113)。

・多読は楽しかったです(114)。

・最初は読むことを楽しいと感じなかったが、次第に楽しくなっていって理解することができた。多読を受けて よかったと感じた。これからもたくさん読みたいと思う(116)。

理論的 メモ

長文読解と異なり、気負わずたくさん読める。これまで英語の本を読むという体験はしたことがなかったが、英 語の本(物語)を読むことは意外と楽しく、面白い。もっと読みたい、英語の勉強をしたいという前向きな感情 が生まれる。一人で多読を続ける難しさを感じてもいるが、せっかくの「ためになる」習慣をやめたくはない。

ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン

分析ワークシート 4

(14)

参照

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