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地域貢献のためのロボット講座用マイコン基板の製 作

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Academic year: 2021

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(1)

地域貢献のためのロボット講座用マイコン基板の製

著者 戎 俊男

雑誌名 技術報告

巻 19

ページ 15‑18

発行年 2014‑03‑10

出版者 静岡大学技術部

URL http://doi.org/10.14945/00008035

(2)

地域貢献のためのロボット講座用マイコン基板の製作

戎俊男

技術部 ものづくり・地域貢献支援部門

1.はじめに

静岡大学工学部に設置された次世代ものづくり人材育成センターは、工作技術部門・創造教育 支援部門・地域連携部門からなる.そのうち創造教育支援部門は,工学部

1

年生を対象とした「工 学基礎実習」 ・ 「創造教育実習」 ,小中高校生を対象とした「ロボット講座」など、主にものづくり に関わる実習の企画・指導を行っている.

ロボット講座は受講生から工学分野への興味を引き出すことを目的として,主に近隣地域の学 校を対象に実施しており,教材としてマイコン基板を搭載した

3

輪ロボットを使用している.講 座では身のまわりのロボットの話から,3 輪ロボットの組

立・プログラムを作成しての動作確認などを行っている.

プログラムの作成は付属のエディタソフトを使用し,初 心者でも直感的にプログラミングが可能であるが、その反 面, 複雑な制御を行うプログラムの記述を苦手としている。

そこで,記述が比較的容易であり,ある程度の制御もで

きる

BASIC

言語の使用を検討し, そのためのマイコン基板

を製作したので報告する.

2.基板製作の目的

ロボット講座では,市販のマイコン基板および付属のプログラム作成用エディタを利用して

3

輪ロボットの制御を行っている.プログラムは命令コマンドを選択し必要な値を指定するだけで 作成が可能である。そのため,マイコンのピンから電圧を出力するなどの単純な機能を提供する 命令は

1

行で記述することができる.しかし,プログラムの実行順序を制御する命令は,プログ ラムの記述が複雑になる傾向がある.例えば繰り返し命令では,プログラムの複数行を1つのブ ロックとしてとらえるため、ブロックを定める命令を記述する必要があり,また条件分岐では分 岐先をラベルとして記述しておく必要がある.そのため,繰り返し命令の中に繰り返し命令が存 在する場合や、

2

つの条件を判定して条件分岐を行う場合のプログラムの記述が複雑になり,プ ログラムの可読性が著しく低下する.実際のロボット講座では、

LED

の点灯・消灯を行うデジタ ル出力,一つのセンサからの入力を判定して動作を行う課題などを主に実施し,現状では

2

つの 入力を同時に判定して制御する課題,入れ子構造の繰り返し命令を必要とする課題等を課すこと はほとんどない.プログラム作成に

BASIC

言語が利用できれば,入れ子構造の繰り返しや条件分 岐を使用した発展課題を受講者に課すことが可能となり,また受講者は容易にプログラムが作成 できることに加え,レベルに合わせて発展課題に挑戦できるようになり,双方にとってメリット になると考えられる.

3.基板の製作工程

基板パターンの製作には,エッチングなどの化学処理を用いる方法や切削加工を行う方法等が あり,今回は基板加工機(

LPKF

社製

ProtoMat S62

)を使った切削加工により基板パターンを製

1 ロボット講座の様子

(3)

作した.始

PCBE

を使 力できるフ ーンを設計 を定義する するレイヤ バー形式の 込む.

CAM

基板加工機

4.製作す マイクロ 用すること 育用として

IC

,シリア の

I/O

ピン り付ける.

およびねじ

4.1 BasicS BasicStam

ック用の発

I/O

ピンを には

BASI

言語を用い

4.2 モータ

モータの を利用する ンヨー製)

合わせでモ

始めに基板に 使って行った

フリーのソフ 計し,そのレ るレイヤーを ヤー上で

IC

のデータとし

M

ソフトで

機はこのツー

図 する基板につ ロコントロー とにした

[1]

. て利用されて アル通信用ソ ンと外部回路

また,現在 じ穴の位置は

Stamp2 mp2

は,

PI

発振回路等が を持ち電源を

IC

インタプ いてプログラ

タ駆動用回路 の回転方向の る.今回は,

を使用した モータの回転

に電子部品 た.

PCBE

フトウェアで レイヤーを重 を使用し,外 や抵抗等の して出力され では,加工時

ールパスに基

2 PCBE

ついて ーラは,工学

BasicStam

ている.製作 ソケット,モ 路との接続に

在使用してい は従来基板

IC

マイクロ が一体とな を供給するだ プリタが書き ラムを作成で

の制御には

H

ブリッ た.

LB1639

転方向を制御

を配置・配 は,プリン

である.基 重ねあわせ 外形を定義 の電子部品の

れ,このガ 時に実際に

基づいて切

E

と基板加工

学部

1

年生

mp2

は,米国

作する基板 モータ用ソ に使う配線用

いる

3

輪ロ と同一とす

ロコントロー って収めら だけで動作す き込まれてい

できる.

H

ブリッジ

ッジ回路が実 は

BasicSta

御する.

Ba

配線するレイ ト基板の設計 基板のレイア せることで完 義するレイヤ の配置・配線 ガーバデータ

ドリルが移動 切削加工を行

工機(

LPKF

生を対象とし 国

Parallax

社 板には,Basi ソケット等を

用ソケット ボットの筐 する.

ーラ(

Micro

られているマ

することがで いるので,専

ジ回路と呼ば 実装されてい

amp2

から

2 asicStamp2

イアウト作業 計に一般的 アウトは,レ 完成する.今 ヤー上で基板 線を行った.

タを基板加工 動する経路 行いパターン

F

社製

Pro

した実習で使 社製の切手サ

icStamp2

の を搭載する.

BasicSta

筐体をそのま

ochip

社)や マイコンであ

できる

[2]。

専用エディ

ばれる4つの いるモータ

2

つの入力信

とモータド

業を,

CAD

的に利用され

レイヤーと呼 今回は、外形 板のサイズを 出来上がっ 工機に付属の 路となるツー

ンが完成する

otoMat S62)

使用実績があ サイズのマイ 他に電源回

さらに,基

amp2

の両側 まま利用する

やメモリ,ク あり,16 本

また,メモ タ上で

BAS

のトランジス ドライバ

IC

信号を受け取

ライバ

IC

ソフトウェ れるガーバデ

呼ばれる層 形,半田面 を決め,半 ったレイア の

CAM

ソフ ールパスが作

る.

ある

BasicSt

イコンであ 回路,モータ

基板には

Ba

側および基板

るため,基板

クロ 本の

モリ

SIC

スタで構成

C

である

LB

取り,その信 が基板上で配

3 Ba

ェアである データを出

ごとにパタ

,ドリル穴 田面を定義 ウトはガー フトに取り 作成され,

tamp2

を利 り,主に教 タドライバ

asicStamp2

板上部に取 板のサイズ

された回路

B1639

(サ

信号の組み 配線されて

asicStamp2

穴 義 ー

(4)

いるので, 外付け部品を必要とせず基板にモータを接続するだけでモータの制御ができる. また,

3

輪ロボットの動作は,工作用途として幅広く利用されている

FA130

モータを

2

個用いて行うの で,マイコン基板にはモータドライバ

IC

2

個搭載されている.

5.製作した基板 5.1

試作基板

最初に必要最低限の機能を搭載した基板(図

4

)を試作し,

動作確認を行った.モータを動作させるプログラムを実行させ た場合に,

3

輪ロボットの誤動作が頻発した.モータからのノ イズの影響が考えられるため,電源部分にセラミックコンデン サを追加した基板を製作した(図

5)

電源は,

BasicStamp2

用には

006p

9V

)を内蔵レギュレータ で

5V

に変換して利用し,モータ用には単三電池

2

本(3V)を 使用している.しかし,3 輪ロボットには

2

種類の電池を載せる 程スペースに余裕はないので,電池を

1

種類にすることを検討し

た.3 輪ロボットには予め電池ボックス(単三電池

2

本用:3V)が取り付けてあるので,電源に はこの

3V

を使用することにした. モータ用には電池ボックスから直接

3V

を供給することができ るが,BasicStamp2 は

5V

で動作するため,そのまま接続することはできない.そのため,

BasicStamp2

には昇圧回路を利用して

3V

5V

に昇圧して使用することにした(図

6)

.昇圧回路

は、昇圧用

IC

HT7750A

)とインダクタ,コンデンサで構成されている

[3]

.また,プログラム送 信時などモータ動作が不要の場合,モータへの電源供給を停止するためのスライドスイッチを取 り付けた.

5.2

完成基板

試作基板は,筐体取り付け用のネジ穴部分にシリアル通信用ソケットが重なるため,ソケット を固定する穴とネジ穴を同一にしている.しかし,この基板をロボットの筐体に取り付けると,

ソケットのサイズの影響で基板の上部が数ミリ程度ブレッドボードに重なってしまう.シリアル 通信には

4

本の信号線を使って送受信を行うので,シリアル通信用ソケットの代わりに

4

極ジャ ックを利用することにした(図

7

) .

4

極ジャックはシリアル通信用ソケットに比べ部品面積が小 さいので基板面積も小さくすることが可能になり,基板とブレッドボードが重なることなくロボ ットの筐体に取り付けることができる. シリアル通信用ソケットを

4

極ジャックに変更したので,

4 試作基板1

5 試作基板2(セラミックコンデンサ追加)

6 試作基板3

(昇圧タイプ)

(5)

それに合わせて,基板のレイアウトパターンの変更と

4

極プラグを利用したプログラム送信用ケ ーブルの作製を行った(図

8)

.また,完成基板では,モータ電源用スイッチとの混同を避けるた め基板電源用スイッチを変更し,ピンソケットをより配線の差し込みが容易に行えるものに交換 した.

6.ロボット講座での利用

作製したマイコン基板を搭載した

3

輪ロボットを 用いて高校生を対象にロボット講座を実施した.

BAISC

言語を使ってプログラムが作成できるので,

2

つのセンサからの入力を判断して,条件分岐を行 う課題等を出題することが可能となった.通信用の ケーブルにハンダ不良が原因の不具合が発生したこ とを除き,マイコン基板は概ね問題なく動作してい たと思われる.ただし,ライントレースの課題にお いて, 赤外線

LED

を点灯させた状態でのロボットの

初動に問題がみられた.モータが停止した状態から回転を始める場合には数アンペア程度の電流 を必要とするので,電源回路から供給できる電流の限界を超えてしまったと考えられる.

7.今後の課題

単三電池

2

本を使ってマイコン動作とモータ駆動を行っているので,電池の消耗が速いと考え られる.また,多数の

LED

を点灯させながらモータを駆動するといった,電源に負荷をかけた状 態での動作の安定性が懸念される.基板の耐久性においても送信用ケーブルの抜き差しを行う過 程で,基板とケーブルに負荷がかかるので,今後基板にどのような影響を及ぼすのか注目する必 要がある.実際にロボット講座においてマイコン基板を使用する中で,基板の状態や挙動に関す るデータを収集し,今後の改良に役立てていきたいと考える.

参考文献

[1]

藤間信久他, 「工学基礎実習としてのメカトロニクス」 学術図書出版社(2013)

[2] BasicStamp2 Syntax and Reference Manual Parallax inc. (2005) [3] HT7750A Data sheet Rev1.10 HOLTEK (2007)

7

完成基板 図

8 送信用ケーブル

8

基板を搭載した

3

輪ロボット

図 7   完成基板 図 8  送信用ケーブル

参照

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