はじめに わが国で、は,昭和
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(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 定員寄j れ問題と保育所行政. 2 5 9. ‑259 ー. 第 1表は,昭和 50年以降の,全国の保育所の定員と,その夜籍児童数の推移. を示したものである。 第 1表全国の保育所の定員充足率等の推移 1. 数 I;在籍児童数!指. 員│指. 定. 人. 数 │定員充足率 %. 1, 6 9 9, 6 8 1. 1 0 00. 6 3 1, 0 2 5 1,. 1 0 0 . 0. 5 1. 1, 8 0 2, 3 3 6. 1 0 60. 9 6 . 4. 1, 8 9 5, 3 2 0. 1 11 . .5. 1 1 2 . 3. 9 6 . 7. 5 3. 1, 9 9 1, 4 0 5. 1 1 72. 1 .737, 202 1, 8 3 2, 2 6 9 1, 9 1 3, 1 4 0. 1 0 6 . 5. 5 2. 1 1 7 . 3. 9 6 . 1. 5 4. 2, 0 7 5, 3 7 4. 1 2 2 . 1. 1, 9 7 4, 8 8 6. .1 1 21. 9 5 . 2. 55. 2, 1 3 6, 7 2 8. 1 2 5 . 7. 1, 9 9 6, 0 8 2. 1 2 2 . 4. 9 3 . 4. 5 6. 2, 1 6 8, 8 1 1. 1 2 7 . 6. 1, 9 8 2, 5 3 0. .6 1 21. 1 .4 9. ,,. ,,. 自. 9 6 . 0. 資料:厚生省「社会福祉施設調査報告」より作成 (注) 毎年 1 0 月 1日現在. これによると,昭和田年の保育所定員は 169万9, 681人で,それ以後,定員は 一貫して増加しており, 56年には216万8, 811人となっている。つまり. 6年間. で定員は約1.28倍に増加しているのである。 これに対し保育所在籍児童数の方は, 50年の 163万1, 025 人から, 55年には 19 082 人へと毎年増加していたが, 56年になってはじめて減少に転じ, 56年 9万6,. の在籍児童数は 198万2, 530人となっている。したがって 6年間で,在籍児童数 の方は1.22倍増加したことになる。 このように保育所定員の方は, 50年以降一貫して増加しているが,在籍児童 数の方は55年までは毎年増加してきたものの,その年をピークに., 56年からは 減少に転じているのである。 つぎに,定員充足率の推移をみると, 50年 96.0%, 51年 96.4%,そして 52年 には96;7%へと上昇している。しかしこの 52年をピークに,その後は毎年低下 を続けている。. .4%となり,ピーク時にくらべ, 5.3ポ イ ン そして 56年には 91. ト低くなっている。 第 2表は,香川県内における保育所の定員と,その在籍児童数の推移を示し. たものである。.
(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑260. 2 6 0. 第5 6 巻 第 1号 第 2表香川県の保育所定員充足率等の推移 1. 定. 員│指 1 8, 6 8 4 人. 数. I. 1在 籍 児 童 数 ( 指 人. 数. │定員充足率 F 百. 1 8, 5 5 3. 1 0 0 . . 0. 9 9 . 3. 1 0 6 . 4. 9 4 . 2 9 4 . 0. 5 1. 9 4 7 2 0,. 1 1 2 . 1. 1 9, 7 3 4. 5 2. 3 5 2 2 2,. 1 1 9 . . 6. 2 1, 2 0 6. 5 3. 4 4 2 2 3,. 1 2 5 . 5. 2 2, 0 3 9. 1 1 8 . . 8. 9 4 . 9. 5 4. 1 5 2 2 4,. 1 2 9 . 3. 2 2, 3 9 6. 1 2 0 . 7. 9 2 . 7. 5 5. 2 4, 6 5 5. 1 3 2 . 0. 2 2, 1 6 1. 1 1 9 . 4. 8 9 . 9. 5 6. 5 4 5 2 4,. .4 1 31. 2 0, 8 6 7. 5 7. 2 3, 5 6 0. 1 2 6 . 1. 7 3 1 1 9,. . 3 1 0 6,. 837. 8 5 . 0. 資料:香川県婦人児童課の調査をもとに作成 (注) 毎年 4月 1日現在. これによると. 50年の香川県の保育所定員は 1万8, 684人で,. 加し, 55 年には 2万4, 655人となっている。 の後は,. しかし,. 定員変更や廃闘するところもあって. その後毎年治. この 55年をピークit:"そ. 56年 2万4, 545人 , 57年 2万3,. 560人と,定員は減少している。 553 人から 54年の 2万2, 396人へ これに対し在籍児童数の方は, 50年の 1万8,. 年をピークに,その後は, 55年 2万2;161人 , と毎年増加し℃いる。だがこの 54 56 年 2万867人 , 57年 1万9, 731人と毎年減少している。そしてこの 57年の在籍. 児童数は. 54年のピーク時にくらべると,. 2, 665人減少(11.9%減)となって. いる。 つぎに定員充足率をみると, 50年には 99.3%と 非 常 に 高 い 充 足 率 で あ っ た が,その後は毎年低下を続け, 55年にはついに 90%合を割っている。そし‑C, 56年 , 57年は,定員数を減少させ℃いるにもかかわらず,それ以上の在籍児童. 年85.0% (3.678人の定員割れう, 57 数の減少が生じたため,定員充足率は, 56 年 83.79 ぢ( 3, 829人の定員割れ)と,大きく低下している。その結果,現在の香 川県内の保育所の平均定員充足率は,全国の平均定員充足率よりも,かなり低 くなっている。 つづいて第 3表は,高松市の保育所定員と在籍児童数の推移を示じたもので.
(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑261ー. 定員割れ問題と保育所行政. 2 6 1 ある。. 第 3表高松市の保育所定員充足率等の推移. l i定. 員 人. I-f~-" 一通一|在籍児童数 人. l--f~----蚕. 定員税率 F 百. 4, 9 3 8. 1 0 0 . 0. 4, 7 4 6. 1 0 0 . 0. 9 6 . 1. 5, 1 9 3. 1 0 52. 5 . 1 0 8. 1 0 7 . 6. 9 8 . 4. 5, 8 1 5. 1 1 7 . 8. 5, 7 1 8. 1 2 0 . . 5. 9 8 . 3. 5, 9 8 5. .2 1 21. 5, 8 4 1. 1 2 3, 1. 9 7 . 6. 6, 3 9 5. 1 2 9 . 5. 6, 2 2 1. 1 3 1 .1. 9 7, 3. 応│ 5 6. 6, 5 6 5. 1 3 2 . 9. 6, 3 4 6. 1 3 37. 9 6 . 7. 6, 6 5 5. 1 3 4 . 8. 6, 1 6 9. 1 3 0 . 0. 927. 5 7. . 6, 4 75. 1 31 .1. 6 . 0 0 1. 1 2 6 . 4. 9 2 . 7. ,,. 資料:高松市福祉事務所母子児童課の調査をもとに作成 ( 注 〉 毎年 4月 1日現在 高松市の保育所定員は, 50年の4, 938 人から 56年の6, 655人まで,毎年増加し ℃いたが, 57年になって,. はじめて減少に転じ. 57 年の定員数は 6, 475 人とな. る 。 って L、 また在籍児童数は, 50年の4, 746人から 55年のふ 346,¥まで,毎年増加してい たが,この55年をピークに, 56年6, 169人 , 57年6.001人と,減少している。そ してこの57年の在籍児童 数は55 年のピーク時にくらべると, 345人減少 (5.4% h. 減)となっている。 つぎに定員充足率をみると, 50年96.15 , ぢ 51年98.4%と上昇しているが,そ の後は毎年低下を続け, 56 年92.7% (486 人の定員割れ), 57年は定員を減少さ せたものの,同じく 92.7% ( 4 7 4 人の定員割れ〉となっている。. しかし高松市. の定員充足率は,全国平均や香川県平均の数字を上回るものとなっている。 ここで参考までに,ごく最近 (58 年 2月21日〉発表された高松市の58 年度の 保育所入所児童申請受付状況をながめてみることにする。市の発表によると, 58 年度の市内の公立・私立保育所の定員総数は6, 475人であるが,. 入所申込児. 童総数は:,5, 837人となっており,したがって 638 人の定員割れが生じている(定 員充足率90.15 ぢ ) 。.
(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 6 巻第1 号. ‑262ー. 262. これを公立・私立保育所別にみると,公立 3 2保育所のうち,定員を超えてい るのは 4保育所だけで,他の保育所では定員割れとなっている。このラち,も っとも定員割れの大きい A保育所では,定員 1 8 0 名に対し,申込者数は:.13 8人で,. 4 2人の定員割れをおこしている(定員充足率76.7%)。 また私立担保育所のうち,定員をこえたのは 6保育所で,ほ l ま定員いっぱい は 2保育所,残りの 1 6保育所は定員割れとなっている。このうち B保育所では. 3 9人の定員割れ(定員充足率85.3%),C保育所では3 1人の定員割れ(定員充足 1 .8%) となっている。 率8 このように同じ市内においても,地域によって定員超過となっ℃いる保育所 じ定員割れをおこしている保育所がある。そして市当局は,各保育所閣の調 整などして,最終的な入所者の内定をおこなうと発表し τ いる。. I I I 定員割れの原因 さて,このような保育所での定員割れは,なぜ生じたのであろうか。その主 要な原因として考えられるのは, (1)出生寧の低下による乳幼児人口の減少, (2)住民人口の流出にともなう乳幼児の減少, (3)多様化する保育ニーズに対. する保育所行政の対応の遅れ,などである。ここでは,これら 3点について検 討することにする。. (1) 出生率の低下による乳幼児人口の減少。 保育所での定員割れを生ぜしめている原因としてまず考えられるのは,出生 率の低下による乳幼児人口の減少である。近年,女性の高学歴化,職場への進 出,挽婚化,あるいは子どもの教育費の増大,住宅事情等々の理由によって, 出生率がいちじるしく低下してきている。 第 4表は,昭和 4 5 年以降の,全国,香川県,高松市のそれぞれの出生数・出. 生率の推移を示したものである。. 5 年は 1 9 3 万4, 2 3 9 人であったが,その まず全国の乳幼児の出生数をみると, 4 後毎年増加を続け, 4 8 年には2 0 9 万 1 ,9 8 3 人となっている。しかしとの 4 8 年をピ ークに,その後は毎年減少し, 5 6年には 1 5 2 万9, 4 5 5人となり, 4 8 年にくらべ5 6.
(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 定員者l れ問題と保育所行政. 2 6 3. ‑263‑. 第 4表 出 生 数 ・ 出 生 率 の 推 移. 香 川 県 [ 高 松 市 出生実数 │ │ ( 人 出 口 生 千 対 本) 出生実数 〈. 1, 9 3 4, 2 3 9. 昭耐. 46. %. 人. c I 史晶君〉出生実数 I c 史品寿〉 5 百. F 百. 1 8 . 8. 1 4, 5 2 2. 1 6 . 0. 1 9 . 2. 1 4, 9 8 6. 1 6 . 4. 1 8 . 1 5, 3 4 7. 1 9 . 1. 4 7. 2, 0 3 8, 6 8 2. 1 9 . 3. 1 5, 7 6 7. 5, 6 5 0. 1 9,8. 4 8. 2, 0 9 1, 9 8 3. 1 9. 4. 1 6, 3 9 9. 1 7 . 6. 5, 8 9 7. 2 0 . 4. 4 9. 2, 0 2 9, 9 8 9. 1 8 . 6 I 1 6, 2 1 4. 1 7 . . 1. 5, 7 1 5. 1 95. 5 0. 1, 9 0 , 14 4 0. 1 7 . 1. 1 5, 5 3 9. 1 6 . 2. 5, 4 0 2. 1 8 . 1. 5 1. 1, 8 3 2, 6 1 7. 1 6 . 3. 2 1 8 1 5,. 1 5 . 7. 5, 3 2 3. 1 7 . 6. 5 2. 1, 7 5 5, 1 0 0. 1 5 . 5. 3 8 6 1 4,. 1 4 . 7. 4, 9 5 5. 1 6 . 2. 53. 1, 7 0 8, 6 4 3. 1 4 . 9. 1 3, 6 6 5. 1 3 . 8. 7 2 3 4,. 1 5 . 3. 54. 1, 6 4 2, 5 8 0. 1 4 . 2. 1 3, 4 7 7. 1 3 . 6. 4, 8 0 8. 1 5 . 3. 5 5. 1, 5 7 6, 8 8 9. 1 5 . . 6. 1 2, 9 9 3. 0 1 3、. 4, 4 7 8. 1 4 . 1. , 15 2 9, 4 5 5. 1 3 . 0. 1 2, 2 6 1. 1 2 . 2. 4, 3 4 2. 1 3 . . 6. 5 6. 1. 資料:全国は,厚生省統計調査部「人口動態統計」 香川県ー及び高松市は,香川県医務課の調査をもとに作成. 万2, 528人の減少 (26.9%減〉となっている。 そしてこの 56 年の出生数は,. こ. れまでもっとも出生数の少なかった「ひのえろま」にあたる 41年の 136 万974人 に次いで,戦後 2番目の少ない数である。 また出生率は, 45年の 18.8%から 48年の 19.4%へと毎年少しづっ上昇してい たが,この 48年をピークに,その後は毎年急速に低下し, 56年にはついに 13.0 労にまで低下している。この 56年の出生率 13.0~ちは48年のピーク時にくらべる. と , 5.8ポイシトも{尽くなっている。またこの 56年の出生率は, I ひのえうま」 にあたる 41年の 13.7%をさらに 0.7ポイントも下回る過去最低の記録である。 次に,香川県の乳幼児の出生数と出生率の推移をみると,とれは全国とほぼ 522人から 同様な傾向を示している。つまり香川県の出生数は, 45年の 1万4, 48 年には 1万6, 399人へと増加している。. しかしこの 48年をピークに,. その後. は毎年減少を続け, 56年には 1万2, 261人となり, 48 年にくらべ4, 138 人の減少 (25.2%減)となっている。.
(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑264‑. 第5 6 巻 第 1号. 264. 出生率の方も, 4 5年の 16.0%から 48 年の 17.6%へと上昇しているが,この 4 8 年をピークにその後は毎年低. Fを続け, 56年には 12.2%にまで低下を'してい. る。これは 4 8 年にくらべると 5 . 4ポイントも低い数字となっている。. 5 年 同様な傾向は高松市においてもみられる。高松市の乳幼児の出生数は, 4 4, 9 6 0人であったが, 48 年には 5, 8 9 7人に増加している。そしてにの 48年を には. ピークに,その後は毎年減少を続け, 5 4 年に一時的に増加したものの, 5 5年 か ら再び減少し, 5 6 年の出生数は 4, 3 4 2人となっている。この 5 6年の出生数は,.,. 48年のピーク時にくらべ, , 15 5 5人の減少 ( 2 6.4労減〉となっている。 出生率の五は, 4 5 年の 18.1%から 4 8 年の 20.4%にまで上昇しているが,この. 48年をピーク 1 'C.,その後は毎年低下を続け, 5 6 年には 1 3 . 6 5 ぢにまで低下してい 8年にくらべると 6 . 8ポイシトも低い。 る。これは4. しかし,. この 5 6 年の出生率. は,世国平均や香川県平均の出生率よりも高くなっている。 さて,以上でみてきたような, 4 8年以降の急速な乳幼児の出生率の低下・出 生数の減少が,現在の保育所の定員割れの最大の原因となっていると考えられ るのである。 なお第 1図,第 2 図,第 3図は,全国, 香川県,高松市のそ れぞれの出生数と保 育所在籍児童数の推 移を,わかりやすく. 第 1図年度別保育所在籍児議数ならびに出生数(悶) 万人. 2 0 9. 2 1 0 2 0 0. , T . , p. ・ ヘ. 宵f ¥ ν 2 0 3. ・ . . . . . 2 ( ; 4. 'M 2 0 0 1 9 7. : : : 串 司 一.~ , ' "1 9 0 1 9し / 1 9 8 :tf.絡児指数 ¥183/ ぐ七. . . . . 1 8 3 毎制0月1問 介 、x /'¥176. ./200\. .!~ 1 9 0 r 1 9 3 │ 1 8 0ト. ' 1 7 4. 1 7 0. 1 5 0. ものである。. 1 4 0. 1 5 2. 1 5 3. 1 3 0 内. υ の 14. /U ︒ ︒. 1 1 0. 、%、出生数. 1 4 3. 1 3 0 1 2 0. よ171. 、 ¥164 163¥¥158. 1 6 0. グラフ化して示した. ケ. o~>-;s必~ " o W M ~ ~ N ~ W 年 資料目. 品生教は厚生省 r 人口動態峨貯J 私籍児宜数"厚生省「社合福祉施股調査報告J.
(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 6 5. ‑265‑. 定員割れ問題と保育所行政 第 2図 年度別保育所在籍児童数ならびに出生数(香川県) 千人. ~22..2 2 2 . 0 2 1 .2. 2 1 2 0. 2 0 . 9. 1 9 . . 7. 1 9. 1 9 . 7. 在籍児Ji t 数. 1 86. 1 8 1 7. ( 聾 年 4月1日現在1. 9 6. 16.4/1. 15..8/'ウメ・‘ ~62. 1 6. . . > ‑ ' /15..9¥、1&,5 / 一 、 、1 52. ,,/. 1 5. /¥̲14ι /14..2¥¥13.7. ~,"150. 4 . . 5 1 4 1 1 3. 、 旬. 、.....~-. 1 3 . 5、、 1 30 、、出生数 123. 1 3 . 1. 持. 4 6 4 74 8紛. ω51 5 2. 資料: 出生数[主持川県保務理Z 問 主 主 在籍児司町教は香川県婦人間?ìi'~軍制五. 第 3図 年度別保育所在籍児童数ならびに出生数(高松市) 6 . 3. 千人. 6 . 0 花籍児窓数. a 勿. ¥ l 平 年 4月1日現". AHV. 伶民ν. 〆nt. hJU. ・ 4. ha. 出. 数 生. ¥ . ι ︒ ︒. 晩︑︑.伊 ︑︑︐ ︑ 4. ‑aaτ. 4 . 5. ・ ?J d. ﹄. 5ー ¥ ︑ ︑ 旬 し. 5 55. 4?︑ ν/ ︑. ︑ ︑ 匹. vbx. ヘ ︑ 弘︑. hu. 停. ︑ 戸 ︐ JJO. 5. n a ︐eJP u. 5 . 5. AWM¥. ︐. ι 1 ︐. 5/7. 6. 4. 3 ; 5. 3リ 3 ' 3 内. 3. 4. 3 . 2. O~τ~4748. 4 9 ‑5 0 5 15 2 5 3 5 4 5 5 5 6 5 7年. 資料: 出生数は香川県医務課側主 イ E 籍児世数は高松市福祉事暗所母子児世語調査.
(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑266‑. 第5 6巻 第 1号. 2 6 6. (2) 住民人口の流出にともなろ乳幼児人口の減少 出生率の低下のうえに,さらに住民人口の流出も加わり,乳幼児人口の減少 に拍車がかかる場合もある。かつては,住民人口も多く,保育所入所希望者が 定員を超過していたような地域でも,その後の経済社会情勢の変化によって, 住民人口自体がいちじるしく減少し,それが保育所の定員割れの大きな原因と なっているところもみられるのである。 このような現象は,一般に,農村部・島 i 奥部などで多く生じているが,都市 部の中心街に近いところでも生じている。都市の中心部では,かつては多くの 住民が住んでいたが,地価のいちじるしい上昇,住宅家賃の上昇,騒音・大気 汚染による住宅環境の悪化などによって,人口は,都市の郊外に向かつて移動 してゆき,そのため,都市の中心街に近いところでも,一種の過疎化現象が生 じ,乳幼児もいちじるしく減少しているところがみられるのである。 しかしこのように,住民人口が流出し乳幼児人口が減少したからといって, 自治体はただちに保育所を廃園することはできない。なぜなら減少したとはい え,今なお,保育所入所希望者が L、るからである。したがって多くの自治体で は,保育所施設や保育所定員をそのままにしておきれ入所児童数に応じて,保 母や職員の人数を減少させることによって,保育所を運営している。そのため, これらの地域の保育所では,数字の上でいちじるしい定員割れが生じることに なっているのである。 (3) 多様化する保育ユ ーズに対する保育所行政の対応の返れ i. だが,これまでに述べた出生率の低下による乳幼児人口の減少や,住民人口 の流出だけでは,今日の定員割れの問題のすべてを説明することはむつかし L 。 、. なぜなら,一方では認可保育所で定員割れが生じているにもかかわらず,他 方では,いわゆる「無認可保育施設」に子どもをあずける母親が多くみられる からである。そしてこのように,一方で認可保育所での定員割れが生じていな がら,なおかつ J無認可保育施設」に子どもをあづける母親が多いということ は,とりもなおさず,現在の保育所行政が,地域住民の多様化する保育ニーズ.
(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 6 7. ‑267‑. 定員割れ問題と保育所行政. に十分対応でまていないことの一つのあらわれであると考えられのである。 ここでは,香川県及び高松市における「無認可保育施設」の問題を中心に検 討し,現在の保育所の定員割れは,現在の保育所行政にも,一つの大ぎな原因 があることを指摘したい。 まず現在香川県内には,一体どのくらいの「無認可保育施設Jが存在するの か,その点からみてゆくととにする。 第 5表は",昭和 56 年 6月から 9月にかけて,香川県が調査した県内 5市 5町 の「無認可}保育施設」の施設数と入所児童数を示したものである。 第 5表香川県内の無認可保育施設数と入所児護数 ベピーホテル. ! 事業所内保育所. │その他の無認可保育所 l. 施設数│児童数│施設数│児問施設数. 1 1 1. 23. 2 3 0 [. 1. 必9. ̲ 1. 2 6. 合. 計. l 児童数[施設数回型 1. 印. 6 0. 11 , 2 7 1. 資料:香川県婦人児童諜の調査をもとに作成 (注)1. 調査期聞は5 6 年 6月から 9月 ( 注) 2 " この調査の対象とした「無認可保育施設」とは,児童福祉法第3 9 条に規定する 業務を目的とする施設であって,同法第3 5 条第 3項の認可を受けていないもの をいい,施設の類型を次のように分類している。 ! 夜間保育,宿泊保育を伴う保育又は時閥単位での一時預りを ベピ一ホテ/ルルレレ川 行なうものであって,事業所内保育所以外の無認可保育施設 事業所内保育所引事業所が従業員のために開設していて,従業員の子弟だけ を対象るしている無認可保育施設 その他の無認可保育所 ..."ビーホテノレ,事業所内保育所以外の無認可保育施 l. 設. これによると,県内のいわゆる「無認可保育施設」の施設数は 6 0ケ所で,そ こに入所している児童数は 1, 2 7 1人である。 このうち,事業所が従業員の子弟だけを対象として運営している「事業所内 保育所」が23ケ所(入所児童数429人〉あるが,これを一応除外すると,いわゆ る「営利目的」をもって経営されていると考えられる「ベビーホテノレ」及び 「その他の無認可保育所」は 3 7ク所となり,そこに入所している児童数は482人 となっている。そして,その規模をみると,小規模のところで 10人程度,最大 (1) このほか,この調査で把握されていないさらに小規模の「無認可保育施設」も多数 存在しているといわれ!ている。.
(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑268‑. 第5 6 巻 第 1号. 2 6 8. r. 規模のところでは 80人程度の児童が入所しており, 無認可保育施設」主いって も,認可保育所に近い入所児童数のと乙ろもある。. r. さて一般に, 無認可保育施設 j は,認可保育所にくらべ,保育環境,保育施 設が劣り,また,資格を有する保母も少ないといわれている。しかしそれでも なお, このように「無認可保育施設 Jに子どもをあづける母親が多いのは, 体なぜであろうか。その理由を知ることは,今後の保育所行政のあり方を考え るうえで重要と思われる。以下におい て,認可保育所では定員割れが生じてい l. るにもかかわらず,何ゆえに多くの母親は「無認可保育施設」に子どもをあづ けているのか,その理由をさぐっでみることにする。 母親が「無認可保育施設」に子どもをあづける理由として,まず第ーに考え. J. られるのは,現在の認可保育所が,産休明けからの乳児の保育を受け入れてく れないからである。たとえば高松市を例にとると,市の条例で,生後 3月以上 の乳幼児でないと保育所に入所できなし、。また生れた子どもが 3ク月以上経過 したとしても, これまで,年度途中で零歳児を受け入れてくれるところは,ほ とんどなかったといってよい。そしてこのようなことは,高松市にかぎったこ とでなく,他の自治体においても,ほほ同様であるといってよ L 。 、 第 6表,第 7表は, 57年 4月 1日現在の,香川県及び高松市の認可保育所の 在籍児童の年齢別構成を示したものである。 第 6表,第 7表をみればわかるように,認可保育所での零歳児の在籍児童数 は,きわめて少ない。 第 6表県下の年齢別保育所入所児童数 1. 計. L~ 才. 昭和5 7 年 4月 1日現在. 4才以上. 1‑2才. 公. 立 (構成比〉. 1 3, 1 2 1人 ( 1 0 0 . 0 ). 5 5 ( 0 . 4 ). 1 1 6 3, ( 2 3 . 7 ). 4, 6 9 8 ( 3 5 . 8 ). 5, 2 5 2 ( 4 00 ). ム 手 立 C 構成比〉. 6, 6 1 0 人 ( 1 0 0 . 0 ). 264 ) ( 4, 0. 4 1 8 2, ( 3 6, 6 ). 2, 1 6 8 ) ( 3 2, 8. 1, 7 6 0 ( 2 6 ; 6 ). 計. 1 9, 7 3 1 人 ( 1 0 0 . 0 ). 3 1 9 ( 1 .6 ). 5 . 5 3 4 ) ( 2 8, 1. ( 3 4 . 8 ). 7, 012 5 ) ( 3 5,. ~. (構成比〉. 資料.,香川県婦人児童課の調査をもとに作成.
(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑269‑. 定員;部j れ問題と保育所行政. 2 6 9 第 7表. 年月 1日現在 昭和5 7. 高松市の年齢別保育所入所児童数. 一→工王子~L~ 0 土」工~:t-Jユヱ__1~~ :t竺==' 公日立 (構成比). 1. 3 . 2 7 3人 ( 1 0 0 . 0 ). 1. 3 7 1 .1 ). 1. 7 5 5 ( 2 3 . 0 ). 1. 8 4 8 ( 2 5 . 9 ). 1. ( 4 9 . 9 ). 1. 2 . 7 2 8人 ( 1 0 0 . 0 ). I. 6 5 ( 2 . 4 ). 1. 7 4 9 ( 2 7 . 4 ). I. 6 8 3 ( 2 5 . 0 ). I. ( 4 5, 1 ). 1. 6 . 0 0 1川 ( 1 0 0 . 0 ). i. 1 0 2 ( 1 .7 ). 1. 1 . 5 0 4 ( 2 5 . 1 ). 1. 1 . 5 3 1 ( 2 5 . 5 ). 1. ( 4 7 . 7 ). 私 立. (構成比) 合 計. (構成比). 資料:高松市福祉事務所母子児童諜の調査をもとに作成 これをまず,香川県全体についてみると,在籍児童総数1 9, 731人のうち,零 歳児はわずか319人で,全体の1.6%を占めているにすぎない。そしてさらにそ の内訳をみると,. 私立保育所が零歳児を264 人受け入れているのに対し,. 公立. 保育所では,わずか55人を受け入れているにすぎない。 また高松市の場合も,在籍児童総数6, 001人のうち,零歳児は102 人で,全体. . %を占めているにすぎない。その内訳は, の1.7. 私立保育所が65 人,公立保育. 所が37人となっており,ここでも公立保育所での零歳児の受け入れがきわめて 少ないのである。 これに対し, ["無認可保育施設」での零歳児の占める割合は,上記認可保育所 の場合にくらべ,かなり高くなっている。 第 8表香川県内の「無認可保育施設」の年齢別入所児童数昭和5 6 年 9月現在. 一‑JLJL」土:t 1竺 じ ー と と 己 記 ベビーホテル. (構成比). 1 1. 2 3 0 人 ( 1 0 0 . 0 ). 1. 3 5 ( 1 5 . 2 ). I. . 9 4 ( 4 0 . 9 ). I. 必. ( 1 8 . 3 ). 1. 一毛ヲデ抱一五 一一一一一i 一一一一一 一一一一一一「一一一一! ‑11. 無認可保育所. 6 1 2 ノ¥. 8 5. l. 3 3 2. 1 3 6. 4 2 6 ( 5 0,. 6 ). 1 7 8 ( 21 .1 ). 5 9 ( 2 5 . 6 ) 5 9. (構成上 合 計. (構成比). 1 1. 8 4 2 人 ( 1 0 0,. 0 ). 1. 1 2 沿 ( 1 4,. 3 ). い I. 資料:香川県婦人児童課の調査をもとに作成. 1 1 8 1. (1 4 . 0 ).
(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑270ー. 第5 6 巻 第 1号. 2 7 0. 第 9表高松市内の「無認可保育施設」の年齢別入所児議数昭和57 年 4月 1日現在 計. 1. 。才. 34 ( 2 3 . 0 ). 44 ( 2 9 . 7 ). 49 ( 1 9 . 8 ). 1 3 3 ( 5 3 . 8 ). 5 1 ( 2 0 . 6 ). 14 ( 5 . 7 ). 60 ( 1 5 . 2 ). 1 9 2 ( 4 8 ; 6 ). 85 .5 ) ( 21. 58 ( 1 4 . 7 ). 1 4 8 人 ( 10 0 . 0 ). ( 7 . 4 ). 無 そ ( 構 認 の 可 成 保 { 也 育 比 所 の ). 2 4 7 人 ( 1 0 0 . 0 ). 人 395 ( 1 0 0 . 0 ). 計. (構成比). 田│. 4才以上. ( 3 9 . 9 ). ベビーホテノレ (構成比〕. A ロ. 3 才. 1‑2才. , :. I. 資料:高松市社会福祉協議会の調査をもとに作成. r c. まず第 8表に示され℃いるように,香川県内にある「無認可保育施設J 事 業所内保育所」を除く〉での零歳児は 120人おり,入所児童総数842人の 14.3% を占めている。 また,第 9表に示されているように,高松市内における「無認可保育施設」. r c 事業所内保育所」を除く〕での零歳児は60人で,. 入所児児総数 395 人の 15.2. %を占めているのである(なお,この高松市の数字は. 4月 1日現在のもので. あり,年度途中で出生した乳児は,そのほとんどが「無認可保育施設」にあず. r. けられるため, 無認可保育施設」での零歳児の数は,年度途中で増加してゆく ζ. とになる〉。 以上でみてまたように, これまでの認可保育所では,産休明けからの保育を. 受け入れてくれないため,多くの母親は,子どもを「無認可保育施設Jにあづ けざるをえなくなっ℃いるのである。 母親が「無認可保育施設」に子どもをあずける第 2の理由として考えられる のは,ベビーホテノレの存在に典形的にみられるように,夜間保育を受け入れ て l. くれる認可保育所が無いからである。第 8表,第 9表で示されているように, 県内のベビーホテノレには 230人,高松市内のベビーホテノレには 148 人の児童が入 所しているのである。これらの児童の多くは,母親が夜遅くまで働いているた め,やむをえず,ベビーホテノレにあずけられているのである。 つまに第 3の理由として考えられるのは,母親の勤務地あるいは自宅の近く.
(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 7 1. ‑271ー. 定員淘j れ問題と保育所行政. に , 認可保育所が無いということである。認可保育所では,保育時閣の制約が 大きく,朝夕の限られた短時間内での子どもの送り迎えは, しばしば困難とな る 。 そのため, 遠くの認可保育所よりも,母親の勤務地あるいは自宅の近くに ある比較的便利な「無認可保育施設 Jの方を選ぶのである。 第 4の理由として考えられるのは, たとえ母親の勤務地や自宅の近くに認可 保育所があったとしても,保育所の定められた保育時間と,母親の勤務時間が 合致しないためである。 このよろな場合は,母親は保育時聞に比較的融通性の ある「無認可保育施設」に子どもをあずけざるをえないのである。 第 5の理由として考えられるのは,認、可保育所での保育料があまりにも高い ということである。児童の扶養義務者が支払う保育料は, その児童の扶養義務 者世帯の, 前年度の所得額(課税額)によっ℃奥なる。そしてたとえば,高松 市を例にとると, 5 7年度の 13歳未満児 Jの月額保育料の最高額は, 3万9, 9 5 0 円となっている。子どもを保育所にあずけて働くよラな若い父母にとって, こ のように高い保育料は,大変な負担となる。 これに対して, 高松市内の「無認可保育施設」での, 13歳未満児」に該当す る子どもの保育料は,安いところで 1万7, 0 0 0円,高いところで 3万6, 0 0 0円と なっており,市の保育料 3万9, 9 5 0円を上回る「無認可 保育施設」はーケ所もな i. い。そのため, たとえばある母親は, 面接調査のとき, 1 私の場合,公立保育所. 9 5 0円かかるが, ここでは 1 であれば 3万9, 9, 0 0 0円ですみ, また保育内容も, 公立保育所よりもすぐれて}いるよラに思える。だから, 3歳になるまではここ. r. にあずけるつもりで・いる」と, 無認可保育施設」を選んだ理由を卒直に述べて 入所手続をした後 いる。また,私立認可保育所の施設畏も,面接調査のとき, 1 で,保育料決定通知書を見て, あわてて取消し,他に移る人もいる」と述べて いる。 このように, 認可された保育所の 13歳未満児」の保育料があまりにも高い ため, 1 無認可保育施設」の方へ,乳幼児が移行するという現象も生じているの である。そして第 8表,第 9表でみられるように, 1 無認可保育施設」で,零歳 児ばかりでなく,. 1‑2歳児の割合が高いのも,認可保育所での f3歳未満児J.
(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑‑272ー. 第5 6 巻 第 1号. 272. の保育料があまりにも高いことを,反映しているものと思われる。 第 6の理由として考えられるのは,子どもを保育所にあずけたいが,いわゆ る「保育に欠ける」とし寸現在の保育所入所措置基準に合わず,やむをえず 「無認可保育施設 Jにあずける場合である。たとえ母親が就労していなくとも, 住宅環境が良くない,遊び場や遊び友達がいない,子どものしつけに自信がな い,集団生活を経験させたい等々の理由で,子どもを保育所でのびのびと育て たいと考えている母親は多い。だがこのような理由では,現在の認可保育所に 子どもを入所させることはできなし、。「保育に欠ける」という保育所入所措置基 準は,保護者の就労・疾病等によって,保護者又は同居の親族その他の者が, その児童の保育に当ることができない場合に限られているからである。したが って,上記のような理由で,ヨこどもを保育所に入所させようとするならば,そ れはいきおい「無認可保育施設」に入所させざるをえないのである。 さて以上で,認可保育所で定員割れが生じているにもかかわらず,他方で, 何ゆえに母親が子どもを「無認可保育施設」にあずけるのか,その理由とじて 考えられる主なものをいくつかながめてきた。そしてにれら理由の大部分は, 現在の保育所行政が,多様化する保育ニーズに対応しきれなかったために生じ たものといえる。 したがってまた, このことから,乳幼児の出生数の減少や住民人口の流出だ けではなく,多様化する保育ニーズに対する保育所行政の対応の遅れが,現在 の認可保育所での定員割れをひきおこしている一つの原因をなしていると結論 づけることができると考えるのである。. IV 定員割れの及ぽす影符 前節では,定員割れの原因について検討してきた。では次に, このような定 員割れは,一体どのよラな影響を及ぼしているのであろうか。 保育所の定員割れが及ぼしている影響としては,まず第 Eに,私立保育所の 財政難を招き1",保育所の運営を困難にしているということである。そして第 2 は,保母需要の減少によって,新規学卒保母の就職難をひきおこしていること.
(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 定員割れ問題と保育所行政. 2 7 3. ‑273ー. である。ここでは,とれら 2つの点についてながめてみることにする。. 1 私立保育所の運営難 現在の制度では,私立保育所は,市町村長から入所措置の委託を受けた「保 育に欠ける J児童を保育している。そしてこの場合,市町村長から支払われる 委託費が,私立保育所運営のための,もっとも重要な財源となっている。 ところがこの委託費は,保育所の定員数に応じて計算され支払われるのでは なく,各月初日現在の措置児童数×保育単価,で計算され支払われる。したが って,措置児童数の減少は即委託費の減少となっ℃あらわれるのである。 他方,私立保育所は,委託費の減少に対応して,運営費をただちに減少させ ることは困難である。周知のとろり,運営費のなかでは保母の人件費がもっと も大きな割合を占めているが,私立保育所の場合,措置児童数が減少したから といって,直ちに,保母を減少させることも他に配置がえすることも困難であ る。公立保育所の場合であれば,入所児童数の減少している保育所の保母を, 他の保育所に移動させたり,また,イ也の職種に配置がえすることも可能である が,現在の私立保育所では,そのよラなことはほとんどなされていなし、 このようなことから,定員割れは,保育所の経営基盤を根底からゆるがすこ ととなり,香川県内では,すでに 5 6年に,定員 1 1 0 名のー私立保育所が廃園とな っている。経営者の多くは,将来の保育所運営に対し大きな危機感をいだいて おり,委託費(措置費)の引き上げや,保母定数(現在は,保母 1人に対し,. 13歳未満児」は 6人 . 1 3歳児」は2 0人 , 14歳児以上 j は3 0人となっ℃いる〉 の見直しなどの要求も出ている。 これに対し,現在各自治体は,定員割れの生じている私立保育所への入所措 置を優先しておこなっているところが多い。だがこれは,父母側からみれば, 希望する保育所に入所することがでさないという,別の新たな問題をひきおこ しているのである。 私立保育所の運営の今後の問題として,私立保育所閣での保母の移動や,保 育所運営のプー lレ化など検討せざるをえないと考えられる。そしてその場合, 各私立保育所聞での賃金をはじめとする保母の労働諸条件が平準化されている.
(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑274‑. 第5 6 巻 第 1号. 274. ことが,重要な前提となると恩われる。. 2 新規学卒保母の就職難 この保育所の定員割れは,新規学卒保母の就職難という深刻な問題もひきお i. こしている。 香川県内には,保母の養成機関とし'c,県立保育専門学院と私立香川短大, 私立高松短大があり, 5 7年 4月現在の一学年の定員数合計は 2 4 0 名である。 このほか県外の大学で保母資格を取得し,大学卒業後は!県内で保母として働 きたいという希望を有する人達はたくさんいる。このように保育所保母の供給 の方は,毎年一定数増加し続けている。 ところが保母に対する需要の方は,保育所への入所希望児童数の減少にとも. 0表は,香川県及び高松市の保母数の なって,減少に転じているのである。第 1 推移を示したものである。 第1 0 表香川県及び高松市の保母数の推移. 0表に示されているように, この第 1. 県内の保育所の保母数は 5 4 年の 2, 084 人. をピークに,その後は減少に転じている。同様に高松市の場合も, 5 5年の 5 1 7人 をピークに,その後は毎年減少している。) このように,入所希望児童数の減少を反映し, 5 4年 ‑55年頃を境に,県内の 各保育所での保母採用はいちじるしく抑制されており,新規学卒保母の就職は きわめて困難な状況となっている。たとえば,保母の養成学校として歴史的に (2) 定員割れのいちじるしい自治体では,現在働いている保母を,保母以外の{也の職種 に配置がえする事例さえみられる。.
(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 定員昔話れ問題と保育所行政. 2 7 5. ‑275ー. 重要な役割を呆たしてきた A学院では, 5 3年 3月卒業生のうち 1 0 8名が県内の 公・私立保育所の保母として採用されたが. 4年後の 57年 3月には,その数は. わずか 5 0名に減少しているのである。保母という職業は, これまで女性の職業 として重要な位置を占めてまたが,今後は,保育所保母としての就職は,ぎわ めてむつかしくなってくると考えられる。 V 今後の保育所行政の課題. 以上で,定員割れの実態とそれをひきおこしている原因,および定員割れの 及ぼす影響についてみてきた。 次に, このような定員割れの時代を迎えて,今後の保育所行政はどうあるべ きか,その課題について考えてみることにする。 すでにみてきたよラに,定員割れは,決っして乳幼児の出生率の低下・出生 数の減少によって ωみ生じたわけではない。多様化する保育ニーズに,保育所 行政の対応が遅れていることも,一つの原因となっているのである。 近年働く婦人はますます増加する傾向にあり,就労形態も多様化している。 そしてこの婦人の就労形態の多様化によって,保育ニ{スーも多様化しているの である。また若い母親の育児観や児童をとりまく生活環境の変化などによっ て,従来の保育所行政では対応することができない,新しい保育ニーズも生じ ているのである。 そして定員割れの時代を迎えたことを契機に,今後行政当局は, これら多様 化している保育ニーズに,積極的に取組むことが強く求められているのであ る 。 今後,保育所行政が積極的に取組む必要があると思われる課題としては,ま ず産休明けからの保育,延長保育・夜間保育,障害児保育,土曜日の午後や休 日保育などがある。. このほか,. r 保育に欠ける Jという現行の入所措置基準や. 「高額保育料」の再山検討,あるいは,. 保母定数の見直しによる保育内容の充実. といった問題も,重要であると思われる。 ここでは, これらの諸問題について,簡単に述べることにする。.
(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑276ー. 第5 6 巻 第 1号. 276. (1) 産休明けからの保育につい℃。 近年,子どもが生れて}も,自分が身につけた知識・技術を生かしたい,仕事 を続けたいと願う女性は増えている。そしてこのような女性にとって, i ! I . 休 明 けからすぐ乳児を預かつてくれる保育所は,必要不可欠である。だが,現在, 産休明けから乳児を預かつてくれる保育所はほとんどない。したがってもし, 女性が働き続けようと考えるなら,まず「無認可保育施設」に子どもを預けざ るをえないのである。 乳児期は母親の手で子どもを育てるべきであるという根強い考え方もあるよ うだが,日本の社会では,現在,育児休職を認めているのはとく限られた職場 ・職穏にすぎなし、。したがって,多くの場合,乳児期の子どもを母親の手で育 てようとすれば,母親は,いったん退職しなければならない。しかし,いった ん退職し,再就職となると,女性はさまざまな点で大さな不利益をこうむる。 このよろな現実を考えるとき,女性の労働権を保障するうえにおいても,産休 明けからすぐに乳児を受け入れる体制を整備することは,今後の保育所行政に とっての大きな課題であると考えられる。. (2) 延長保育・夜間保育について 従来の保育所での保育時聞は原則として 8時間であり,多くの場合,その保 育時間帯は午前 8時から午後 4時まで,あるいは午前 8時30分から午後 4時 30 までとなっている。しかし,とのような保育時間では,保育所を利用すること のできるのは,内職とかパートあるいは一部の自営家族従業といった形態の仕 事に従事する母親に限られてしまい,一般の企業や役所などで正規に勤務する 母親は,保育所を利用することができなし、。 そのため,現実的には,午前 7時30分頃から午後 6時頃まで,. r 時間外保育」. を実施しているところが多い。だが,市街地などで・は,午後 6時以降も母親が 働かなれけばならない職種も多く,又通勤時間との関係などで,保育時閣の延 長を望む声も強い。. 6年頃いわゆるベビーホテノレでの つぎに夜間保育についてであるが, これは5. 1, 世間の注目をあびることになった問題である。厚生省は,この 事故が相次 1.
(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 7 7. 定員割れ問題と保育所行政. ‑277‑. ようなベビーホテルでの事故を無視することができず,その緊急対策として,. 56年 1 0月より認可保育所での夜間保育及び保育時聞の延長を実施するよう,自 治体を指導してきた。 この厚生省の指導てv は,夜間保育については,保育終了時闘をおよそ午後 1 0 時までとし,延長保育については,午後 7時頃までとしている。 しかし,、厚生省の指導にもかかわらず,自治体の延長保育・夜間保育につい ての取組み は,遅々として進んでいない。その理由は,延長保育・夜間保育に i. ともなろ保母や職員の配置の問題や増加する費用の問題など,解決しなければ ならない重要な問題を多くかかえているからである。しかし,いすごれにせよ, 正規保母の時差出動やパート保母の導入などによって,延長保育・夜間保育を 実施するよむ自治体は;積極的に努力する必要があると思われる。. (3) 土曜日の午後・日曜・祭日保育について 保護者の職種によっては,土曜日の午後あるいは日曜・祭日でも,勤務しな ければならない場合がある。そして,そのような保育ニニーズに対応できる保育 所を,地域内に数ク所用意しておくことが必要であると考えられ,自治体の積 極的な対応が期待され℃いる。 (4) 障害児保育について 障害児をもっ家庭の,子どもを保育所にあずけたいという要求は,一般の家 庭よりもはるかに強いと思われる。なぜなら障害児をもっゆえに家計支出も多 くなり,経済的にも苦しい立場にある。だが,保育所が障害児をあずかつてく れない限り,母親は働きに出ることは不可能である。 また,障害児の生きる権利と発達を保障するラえにおいても,保育所で専門 的な知識や技能をもっ保育者逮が,障害児を,一般の児童とともに集団保育す ることは,非常に重要であると考えられる。 これまで障害児の受け入れ体制を積極的にとり入れている自治体もあるが, まだ消極的なところもある。これまで消極的であった自治体も,今後受け入れ (3) たとえば高松市では,昭和 5 0 年度から障害児保育を開始している。そして 57 年度に. は,公立保育所 7ケ所と私立保育所 3ケ所で,障害児保育を受け入れている。.
(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 6巻 第 1号. ‑278‑. 278. 体制を整備し,積極的に受け入れることが強く望まれる。. (5) 保育料の再検討について 他の機会で詳しく述べたようぷ〕各自治体は,児童の扶養義務者の前年度の 所得税,市町村民税,固定資産税などの課税額によって,階層区分した「保育 料徴収金基準額表」を作成し,それにもとづいて,保育料を徴収している。い いかえれば,それぞれの児童の扶養義務者が支払う保育料は,児童が入所して い石公・私別保育所によってではなく,前年度の所得額(課税額〉によって, 大きく異なるのである。. 7年度の「高松市保育料徴収金基準額表Jをみると, たとえば一例として, 5 それは A階層から D12階層まで 1 7区分されており,. r 3歳未満児」の保育料は,. 950円までとなっている(生活保護法による被保護世 月額 O円から月額 3万9, 帯である A階層及び前年度分の市町村民税非課税世帯である B階層の保育料は. O円である。又, D9階層 ‑ D12階層は,同額の 3万 9, 950円となっ ている。した l. がっ‑Z:,実質的には 13区分されていることになる〉。 そしてここで問題なのは,. 月額 3万9, 950円という高い保育料を支払わなけ. ればならない階層は,決っして「高額所得者」層ではなく,前年度の,児童の 父母 2人の合計した所得税額が 1 8 万円以上の層であり,これは全ったく平均的 なサラリーマシ扇にすぎないという乙とである。そしてこのように保育料があ まりにも高いため,保育料の安い「無認可保育施設」を選択する例や,母親が 退職してしまう例などもみられるのである。 そしてまた, ために,. このように課税額によって大巾な保育料格差がつけられている. r クロヨシ Jと呼ばれている「所得税の不公平」がさらに拡大されるこ. とにもなっているのである。 保育所では,すべての児童は同ーの保育サービスを受けているのであり,わ (4) 山下隆資「保育所行財政と『高額保育料』問題 J(呑川大学経済学部「研究年報2 2 J 1 9 8 3 年 3月 〉 。 (5) r クロヨシ」というのは, r サラリーマシは所得の 9割,個人事業主は 6割,農業所 得者は 4~<J しか所得が捕捉されていない」といわれていることから生じた, r 不公平税 制Jをあらわす言葉である。.
(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑279‑. 定員割れ問題と保育所行政. 279. ずかの所得格差(課税格差)によって,これまでのように,大巾な保育料格差 をつけることにはあまりにも問題があると思われる。 保育料の決定は,各自治体の自由裁量となっており,各自治体は,大巾な保 育料格差を是正するとともに,勤労者の生活実態にみあった適正な「保育料徴 収金基準額表」を作成することが強く求められているのである。 (6) 保育所入所措置基準の再検討について. 保育に欠ける」という児童の保育所 定員割れと L汁事態が生じている現在, i 入所措置基準を見直すことも重要であると思われる。. 6年 2月の厚生省児童局長 現行の,児童の保育所への入所措置基準は,昭和 3 通知によって示されたものである。. で は , その「通知 J.. (1)母親の居宅外労. 働 , (2)母親の居宅内労働, (3)母親の不在, (4)母親の出産や母親の心身障 害 , (5) 母親による長期疾病者の看設~, (6)家庭の災害などによって,保護者 または同居の親族その他の者が,その児童の保育に当ることができない場合 を ,. i 保育に欠ける」ものとしている。そして,このような「保育に欠ける」. 児童のみを,保育所への入所対象児童としているのである。 だが,ここで示された「保育に欠ける」と L寸基準は,児童福祉のなかで述 べられている「児童福祉の理念」から考えても,もう少し広げる必要があると 思われる。 児童福祉法第一条で、は,. i 児童福祉の理念」として, i すべての国民は,児童. が心身ともに健やかに生れ,且つ,育成されるよう努めなければならない J , 「すべての児童は,ひとしくその生活を保障され,愛護されなければならない」 (傍点一引用者〕と述べている。そして,. 同法第 2条で「国及び地方公共団体. は,児童の保護者とともに,児童を必身ともに健やかに育成する責任を負う」 と定めている。このような点を考えると,厚生省が示しているような「保育に 欠ける児童」のみならず,すべての児童の心身の健やかな成長・発達を保障す る施設として保育所を位置づけ,今後の保育所行政をおしすすめてゆく必要が あると思われるのである。 周知のように,昭和 30年代の高度経済成長の過程で,児童をとりまく家庭内.
(23) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑280‑. 6 巻 第 1号 第5. 280. ‑家庭外の生活環境は大きく変化してきた。そして,たとえ母親が家庭内で育 児l'C.専念するにしても,狭隙な住宅,公園や遊び場のいちじるしい不足,遊び 友達もなく母親とだけの孤立した生活,騒音・過密地域ゃいわゆる「歓楽街」 地域での住居といったよろな事例ぜ示されるように,児童の心身の健やかな成 長・発達を阻害する状況が多く生み出されている。 またこのほか,若い母親の方も,核家族化の進行によって,年寄り遠から, 育児についての必要な知識を学びとることが困難となっており,さらに,都市 の孤立した生活のなかで,互いの育児情報を交換する場も少なくなっている。 そのため,育児に対する自信を失ない,育児ノイローゼとなり,子殺しという 悲惨な事態にまで発展する例が,新聞などでしばしば報じられている。 そしてこのような括会状況を考えるとき,母親が就労しているか否かにかか わらず,児童の心身の健全な発達を保障する施設として,保育所は重要な役割. 6年 2月 を果たさなければならないと考えられる。そしてそのためには,昭和 3 に示された保育所への入所措置基準を改めなければならないと考えるのであ る。この点は,定員割れが生じている現在,特に検討に値する重要な課題であ ると思われるのである。. (7) 保母定数の見直しによる保育内容の充実について 現在の保母定数は保母 1人対し,. 1 3歳未満児Jは 6人, 13歳児」は20人,. 14歳児以上」は3 0人となっている。 しかも保母は,. 本来の保育労働以外に,. 事務的仕事や施設の掃除といった雑務が多 L、。そのため,保育所保母の労働は 過重労働となり,保母の健康状態にも大きな影響が出ている。定員割れの時代 を迎えている現在,保母の受持児童数を減少させ,保育内容を充実させること が重要である。この保育内容の充実によって,次代を担う児童の健全な成長と 発達は,より一層保障される. ζ. とになると考えるのである。. さて以土で述べてきた諮問題は,いうまでもなく,地方自治体の努力だけで は解決することができない。国と地方自治体が一体となって取組まなければな らない問題ばかりである。定員割れが生じている現在,国や地方自治体は一体.
(24) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 8 1. 定員割れ問題と保育所行政. ‑281ー. となって,多様化する保育ニーズに積極的に対応することが強く望まれている のである。.
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