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寮生活における留学生のソーシャル・ネットワーク形成

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Academic year: 2021

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筑波大学社会・国際学群国際総合学類

卒業論文

寮生活における留学生のソーシャル・ネットワーク形成

―東京日本語教育センター留学生寮の事例から―

2020

1

氏 名:波平 海

学生番号:

201510392

指導教員:関根久雄

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目次

1 序 論 . . . 1

1 . 研 究 目 的 . . . 1

2 . 研 究 方 法 . . . 3

2 ソ ー シ ャ ル ・ネ ッ ト ワ ー ク 研 究 の 検討 . . . 5

3 東 京 日 本 語 教育 セ ン タ ー と は 何 か . . . 9

1 . 東 京 日 本 語 教 育 セ ン タ ー の 歴 史 ・ 目 的・ カ リ キ ュ ラ ム . . . 9

2 . 東 京 日 本 語 教 育 セ ン タ ー と 留 学 生 寮 の 1年 ・1日 の ス ケ ジ ュ ール . . . 1 0

( 1 )留 学生の 1年 のスケジュール . . . 1 0 ( 2 )留 学生の 1日 のスケジュール . . . 1 1 3 . 留 学 生 寮 の 目 的 と 各 設 備 . . . 1 1 4 . 留 学 生 デ ー タ(居 住 人 数 、 国 籍 、 国 費と 私 費) . . . 1 2 5 . 留 学 生 寮 に 居 住 す る 留 学 生 を 取 り 巻 くア ク タ ー . . . 1 2 4 ソ ー シ ャ ル ・ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 要因 . . . 1 5 1 . 留 学 生 の プ ロ フ ィ ー ル . . . 1 5 2 . 親 密 な 友 人 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ と は 何 か . . . 1 7 3 . 留 学 生 が 集 う 場 と 活 動 . . . 2 1 ( 1 ) R Aル ー ム . . . 2 2 ( 2 ) パ ー テ ィ ー . . . 2 3 ( 3 ) ク ラ ブ 、 バ ス ケ ッ ト ボ ー ル コ ー ト . . . 2 4 ( 4 ) 学 生 ラ ウ ン ジ . . . 2 5 ( 5 ) R Aイ ベ ン ト . . . 2 5 ( 6 ) キ ッ チ ン ・ 廊 下 . . . 2 7 4 . 4つ の 共 有 . . . 2 7

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5 . 性 格 . . . 3 0 6 . 類 似 性 . . . 3 2 7 . 相 手 へ の 関 心 を も つ . . . 3 4 8 . 国 ・ 言 語 ・ 文 化 が 同 じ . . . 3 6 9 . 偶 然 起 こ る 友 人 の 紹 介 . . . 3 9 1 0 . 中 国 人 ・ 台 湾 人 の 壁 . . . 3 9 1 1 . 1人 が 国 の 印 象 を 決 め る . . . 4 1 1 2 . 口 に 出 し て 言 え な い 留 学 生 . . . 4 2 1 3 . オ ン ラ イ ン 上 で の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ トワ ー ク 形 成 . . . 4 3 1 4 . 年 に よ る 留 学 生 の 傾 向 . . . 4 4 5 ソ ー シ ャ ル ・ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 へ の方 策 . . . 4 5 1 . 分 析 の 目 的 と 前 提 . . . 4 5 2 . 留 学 生 が 変 え ら れ る 要 因 . . . 4 6 ( 1 )場 所 ・ 活 動 へ の 参 加 を 増 や す . . . 4 6

( 2 )相 手 と 多 く を 共 有 し 、 「 良 く 」 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン し よ うと す る . . . 4 7

3 . 寮 の 運 営 側 が 変 え ら れ る こ と . . . 4 8 6 結 論 . . . 5 0 注 . . . 5 2 主 要 参 考 文 献 . . . 5 3 S u m ma r y . . . 5 7 謝 辞 . . . 5 8

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章 序論

1 . 研究目的

日 本 に お け る 外 国 人留 学 生 数 が 増 加 し て いる 。2 0 1 8 5 1日 現 在 で 留 学 生 数 は

2 9 8 , 9 8 0 人 で あ り 、 前 年 比 で1 2 . 0 %増 加 し て い る 。 こ こ で い う 「留 学 生 」 と は 、

「 出 入 国 管 理 及 び 難 民認 定 法 」 で 定 め る 「 留学 」 の 在 留 資 格 に よ って 、 日 本 国 内 の 教 育 施 設 及 び 日 本 語 教 育機 関 に お い て 教 育 を 受け る 外 国 人 留 学 生 を いう [ 日 本 学 生 支 援

機 構 2 0 1 9] 。 日 本 が 留 学 生 を 受 け 入 れ る 意義 と し て は 、 留 学 生 の出 身 国 へ の 理 解

や 留 学 生 と 日 本 人 の 相互 理 解 が 進 み 、 ネ ッ トワ ー ク が で き る こ と が挙 げ ら れ る 。 ま た 、 留 学 生 と 関 わ る こと で 、 日 本 人 学 生 の 国際 的 視 野 が 広 が り 、 日本 社 会 が 活 性 化 す る 。 そ の 結 果 、 日 本 の大 学 の 国 際 化 が 進 み 、国 際 社 会 へ の 貢 献 が でき る 、 と い う こ と が 指 摘 で き る [ 鈴 木 2 0 1 1 : 1 7] 。 他 に 、 留 学 生 を 受 け 入 れ る 理 由 には 、 日 本 が 直 面 し て い る 社 会 的 課 題 も関 係 し て い る 。 日 本 政府 が 留 学 生 3 0 万 人 計 画 を 掲 げ て 留 学 生 の 受 け 入 れ を 推 進 す る背 景 に は 、 少 子 高 齢 化に よ る 労 働 者 不 足 と 日本 の 経 済 的 不 調 が あ る [ 山 本 2 0 1 4 : 2 7 0] 。 日 本 の 労 働 力 不 足を 外 国 人 で 補 う と い う発 想 か ら 、 留 学 生 受 け 入 れ を 進 め て いる 。 ま た 、 留 学 生 数 の増 減 に 関 し て は 、 入 国管 理 政 策 や 留 学 生 の 送 り 出 し 国 の 要 因 が大 き な 影 響 を も っ て いる 。 さ ら に 、 入 国 管 理政 策 自 体 も 日 本 経

済 や 国 家 間 の 政 治 的 関係 な ど 様 々 な 要 因 か ら影 響 を 受 け て い る [ 大西 2 0 1 6 : 1 1] 。 こ の よ う に 様 々 な 要 因が 絡 み 合 う な か 、 日 本 政 府 は 留 学 生 の 受 け 入れ を 推 し 進 め て い

る 。

ま た 、 留 学 生 に と って 日 本 に 留 学 す る 意 義は 様 々 で あ る 。 意 義 の 1つ と し て は 、 自 国 と は 異 な り 、 日 本で 学 ぶ こ と で 優 れ た 教育 環 境 、 研 究 環 境 を 享受 で き る こ と が あ る 。 他 に も 、 日 本 の 文化 や 日 本 を 知 る た め の手 段 と し て 留 学 を 利 用し て い る 場 合 も あ る [ 鈴 木 2 0 1 1 : 2 0] 。 グ ロ ー バ ル 化 が 進 む現 代 に お い て 、 国 際 理解 や 経 済 的 不 調 と い っ た 影 響 を 受 け な がら 、 他 国 か ら の 留 学 生受 け 入 れ が 今 後 さ ら に進 む こ と が 予 想 さ れ る 。

留 学 生 の 多 く は 、 来日 後 、 ほ と ん ど 知 り 合い の い な い 状 態 か ら 、徐 々 に 周 り の 人 た

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ち と 接 触 、 交 流 し な がら 、 な ん ら か の コ ミ ュニ テ ィ に 所 属 し 、 友 人関 係 を 築 き 上 げ て い く 。 こ れ を 「 ソ ー シャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク 」と 呼 ぶ [ 田 中 2 0 0 0 : 7 4] 。 ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク は 、個 人 と 個 人 ま た は 個 人対 コ ミ ュ ニ テ ィ と い う 2つ の 関 係 を 交 え な が ら 形 成 さ れ る 。ま た 、 ソ ー シ ャ ル ・ ネッ ト ワ ー ク を 「 社 会 にお け る 個 人 と 各 コ ミ ュ ニ テ ィ と の 関 係 網」 、 コ ミ ュ ニ テ ィ を 「自 分 が 所 属 し て い る グル ー プ 」 と 定 義 す る こ と も あ る 。 つ ま り、 ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ トワ ー ク は 、 い く つ か のコ ミ ュ ニ テ ィ が 集 ま り 、 形 成 さ れ る と 考え ら れ る [ 山 川 2 0 1 1 : 5 1] 。 こ れ ら の 定 義 から 、 ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク は 個人 が 他 者 や 社 会 と 関 係を 構 築 し て い く こ と で形 成 さ れ て い く も の だ と 言 え る 。

さ ら に 、 留 学 生 の ソー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ーク 形 成 の 意 義 に つ い て 、 「 留 学 の 成 功 の 鍵 は 人 間 関 係 の ネ ッ トワ ー ク の 構 築 だ と 言 って も 過 言 で は な い 。 人間 関 係 を 広 げ る こ と は 言 語 、 文 化 、 心 理、 留 学 生 が 構 造 的 に 抱え る 問 題 を 解 決 す る ため の 社 会 的 発 言 力 な ど 、 多 く の 面 で 相 乗的 に 効 果 が あ る 」 [ 松下 1 9 9 9 : 1 6] と 言 わ れ て い る 。 ま た 、

B l a k eら は 、 留 学 生 の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワー ク 構 築 は 留 学 生 の 異文 化 適 応 や 留 学 満

足 度 、 ソ ー シ ャ ル ・ サポ ー ト 、 留 学 の 成 功 など に と っ て 最 も 重 要 な要 素 の 1つ で あ る と も 指 摘 し て い る [B l a k e e t a l . 2 0 1 1 : 2 8 2] 。 同 様 に 、B a r tら も 、 留 学 生 の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク構 築 が 留 学 生 の 学 習 成績 や 留 学 の 満 足 度 の 向上 、 退 学 数 の 減 少 な ど に つ な が っ て い ると 、 そ の 正 の 効 果 を 認め て い る [B a r t e t a l . 2 0 1 4 : 1 6 5] 。 他 に も 、 留 学 で は 、 ま ず信 頼 で き る 仲 間 を 作 るこ と か ら 生 活 が 始 ま り、 そ れ が 上 手 く で き る か 否 か に よ っ て 、そ の 後 の 生 活 の 心 地 よさ や 安 定 感 に 深 く 関 わる と 言 わ れ て い る

[ 花 木,塩 澤 2 0 0 7 : 2 6] 。 こ の よ う に 、 来 日し た 留 学 生 が 充 実 し た留 学 生 活 を 過 ご す た め に は 、 ソ ー シ ャ ル・ ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築が 重 要 な 役 割 を 担 っ てい る の で あ る 。

ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ トワ ー ク の 構 築 は 日 常 のあ ら ゆ る 場 面 で 行 わ れる 。 そ の 1 つ が ア パ ー ト 、 寮 な ど の 居住 施 設 で あ る 。 そ の なか で 外 国 人 留 学 生 と 日本 人 学 生 ま た は 外 国 人 留 学 生 同 士 が 寮 生活 を 共 に す る 「 国 際 寮」 で は 、 寮 生 活 で の 日常 的 な 関 わ り を 通 し て 国 際 感 覚 を 身 に つけ る こ と が で き る [ 正宗 2 0 1 5 : 2] 。 例 え ば 筑 波 大 学 の 「 グ ロ ー バ ル ・ ヴ ィ レ ッ ジ」 と い う 学 生 寮 は 日 本人 学 生 と 留 学 生 の 混 住シ ェ ア ハ ウ ス で あ

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り 、 様 々 な 国 の 学 生 と交 流 し 、 国 際 感 覚 を 養う こ と を 目 的 と し て いる [ 筑 波 大 学 2 0 1 6] 。 ま た 、 国 際 寮 の 社 会 的 意 義 と し て 、「 新 し い 寮 環 境 を 自 分の 居 場 所 と し て い く 力 が 身 に つ く 」 、「 仲 間 と 協 力 し て 自 分た ち で 共 同 体(コ ミ ュ ニ テ ィ)を 作 る 力 が 身 に つ く 」 [ 正 宗 2 01 5 : 5] こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 こ れ は 言 い 換え れ ば 、 国 際 寮 で の 生 活 は 、 ソ ー シ ャル ・ ネ ッ ト ー ワ ー ク の形 成 が 促 進 さ れ る 場 であ る 。 そ し て 、 そ こ の 生 活 を 通 じ て ソ ーシ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク を 形 成 す る 能 力 を 養 うこ と が で き る と 言 え る 。 他 の 居 住 形 態 と比 較 す る と 、 シ ェ ア ハウ ス 型 か つ 様 々 な 学 生と 交 流 す る こ と を 目 的 と し た 国 際 寮 の よう な 居 住 施 設 は 、 ソ ーシ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー クの 構 築 が し や す い 環 境 に あ り 、 ネ ッ ト ワー ク の 形 成 過 程 も 観 察し や す い と 考 え ら れ る。 ま た 、 留 学 生 数 の 増 加 に よ っ て 、 日 本で 今 後 こ の よ う な 形 態の 居 住 施 設 は 増 加 し てい く こ と が 予 想 さ れ る 。

こ れ ま で み て き た よう に 来 日 し た 留 学 生 のソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワー ク の 形 成 は 、 充 実 し た 留 学 生 活 を 送 るた め に 重 要 な 要 素 で ある 。 ま た 、 国 際 寮 で は様 々 な 人 と 交 流 す る の で 、 ソ ー シ ャ ル ・ネ ッ ト ワ ー ク が 形 成 され や す い 環 境 で あ る 。し た が っ て 、 国 際 寮 に お け る ソ ー シ ャ ル・ ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成を 研 究 す る こ と は 、 留学 生 が 日 本 で の 留 学 生 活 を よ り 充 実 さ せる た め に 、 貢 献 す る こと が で き る と 考 え る 。ま た 、 留 学 生 側 か ら の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ット ワ ー ク 形 成 過 程 と その 要 因 を 明 ら か に す るこ と は 、 今 後 の 寮 運 営 に 関 す る 施 策 に 反映 さ せ て い く う え で 有用 で あ る と 考 え る 。

そ こ で 本 稿 で は 、 東京 日 本 語 教 育 セ ン タ ー 留 学 生 寮 に 居 住 す る 留学 生 の 語 り を 定 性 的 に 分 析 す る こ と に よっ て 、 寮 内 に お け る 留学 生 の ソ ー シ ャ ル ・ ネッ ト ワ ー ク 形 成 は ど の よ う に 行 わ れ 、 その 形 成 要 因 は 何 か 明 らか に す る こ と を 目 的 とす る 。 そ し て 、 留 学 生 が 寮 生 活 を よ り 充実 さ せ る た め の 方 策 を提 示 し た い 。

2 . 研究方法

次 章 で ソ ー シ ャ ル ・ネ ッ ト ワ ー ク に 関 す る先 行 研 究 を 検 討 し た あと 、 東 京 日 本 語 教 育 セ ン タ ー と 留 学 生 寮が ど の よ う な 施 設 か まと め る 。 そ の 後 、 第 4章 で 、 東 京 日 本 語 教 育 セ ン タ ー 留 学 生寮 に 居 住 す る 留 学 生 1 1 名 に 実 施 し た ソ ー シ ャル ・ ネ ッ ト ワ ー

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ク に 関 す る 半 構 造 化 イン タ ビ ュ ー の 結 果 を 、筆 者 の 参 与 観 察 の 経 験も 踏 ま え て 記 述 す る 。 そ れ と 共 に 、 ソ ーシ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク を 軸 と し て 分 析 し 、 ソー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 の 要 因 を 明ら か に す る 。

そ し て 、 第 5章 で は、 寮 で 留 学 生 が ソ ー シャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク を形 成 し 、 充 実 し た 留 学 生 活 を 送 る た めに は ど う す れ よ い の か方 策 を 提 示 す る 。

筆 者 は 2 0 1 9 3 2 6日 か ら 2 0 2 0 3月 下 旬 ご ろ ま で 東 京 日 本 語教 育 セ ン タ ー 留 学 生 寮 に R A (レ ジ デ ント ア シ ス タ ン ト)と し て 居 住 し て い る 。 そ し て、 調 査 対 象 者 は 筆 者 と 同 様 に 寮 に 居 住す る 留 学 生 で あ る 。 筆者 は 2 0 1 9 1 1月 か ら 1 2月 の 2か 月 間 に わ た っ て 、1 1名 に イン タ ビ ュ ー を 実 施 し た。 対 象 者 は 性 別 、 国 籍、 他 の 留 学 生 と の 関 り 度 合 い に 偏 り がな い よ う に 選 定 し た 。ま た 、 筆 者 が 日 常 的 に接 し て い る 留 学 生 だ け で な く 、 ほ と ん ど交 流 が な い 留 学 生 も 他の 留 学 生 か ら 紹 介 を して も ら い 、 イ ン タ ビ ュ ー を 実 施 し た 。 イン タ ビ ュ ー は R Aル ーム で 3 0 分 ~1時 間 に わ た り 1 1の 対 面 形 式 で 実 施 し た 。R A ル ー ム は 留 学 生 の 相談 部 屋 で 、 筆 者 を 含 む日 本 人 学 生 5名 の R Aが 、1人 そ れ ぞ れ月 4 1 9時 か ら 2 1 時 ま で 相 談 部 屋 と し て 開け て い る 部 屋 の こ と で あ る 。 イ ン タ ビ ュー の 言 語 は 日 本 語 か 英語 ま た は 2言 語 の 混 合で 、 留 学 生 が 言 語 化 し や す い 言 語 で 話し て も ら っ た 。 ま た 、イ ン タ ビ ュ ー の 内 容 は全 て 録 音 し 、 イ ン タ ビ ュ ー 後 は 書 き 起 こし を し た 。 イ ン タ ビ ュー の 質 問 内 容 は 留 学 生の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 に 関 する 質 問 を 中 心 に 行 っ た。

ま た 、 本 稿 で は 、 ソー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ーク の 概 念 は 「 留 学 生 が他 の 留 学 生 と 関 係 を 形 成 し て い く こ と やあ る コ ミ ュ ニ テ ィ に 所属 し て い く こ と ま た はそ の 状 態 。 」 と す る 。 イ ン タ ビ ュ ー で 、留 学 生 が そ の 留 学 生 と他 の 留 学 生 と の 関 係 また は コ ミ ュ ニ テ ィ と の 関 係 の 両 方 に 言 及す る こ と が 多 か っ た 。そ の た め 、 本 稿 で は 、ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク と は 、 個 人 とコ ミ ュ ニ テ イ 療 法 と の関 係 形 成 に 焦 点 を 当 てた 概 念 と す る 。

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章 ソーシャル・ネットワーク研究の検討

留 学 生 の ソ ー シ ャ ル・ ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 に関 し て 、 数 多 く の 研 究が 行 わ れ て き た 。 山 川 は 日 本 の 大 学 で 日本 語 を 履 修 し て い る 留学 生 4名 を 対 象 と し 、ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 に 関す る 質 的 調 査 を 行 っ た。 具 体 的 に は 、 留 学 生は ど の よ う な ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー クを 形 成 し て い る の か 、そ の 中 で 最 も 重 要 な コミ ュ ニ テ ィ は 何 か 、 そ れ は な ぜ 重 要 とな り う る の か を 明 ら かに す る こ と を 目 的 と した 。 そ こ で 山 川 は 、 留 学 生 の ソ ー シ ャル ・ ネ ッ ト ワ ー ク 形 成過 程 は あ る コ ミ ュ ニ ティ が 自 分 に と っ て 重 要 な コ ミ ュ ニ テ ィ にな る こ と 、 つ ま り 「 自分 の 居 場 所 探 し 」 で あ る と 述 べ て い る 。 ま た 、 来 日 後 時 間 の 経過 と と も に 、 コ ミ ュ ニテ ィ の 参 加 → 友 人 関 係構 築 → コ ミ ュ ニ テ ィ へ の 所 属 感 → 自 分 の居 場 所 と い う 段 階 を 経て 留 学 生 の コ ミ ュ ニ ティ に 対 す る 意 識 は 変 化 し て い く と 指 摘 して い る 。 さ ら に 友 人 関係 構 築 を 促 進 す る 要 因と し て は 、 相 手 と の 時 間 的 ・ 空 間 的 共 有が 重 要 で あ る こ と を 明ら か に し た [ 山 川 2 0 1 1 : 5 1 , 5 8 - 5 9] 。

ま た 、 範 は 中 国 人 留学 生 Kに 焦 点 を あ て た 留 学 生 活 の 物 語 を 描 いて い る 。 そ こ で Kに と っ て は 教 会 が 居 場 所 で あ っ た こ と を 指摘 し て い る 。 そ し て 、そ の 居 場 所 と は 、

「 個 人 が 安 心 し て 自 己を 認 め ら れ る 空 間 で あり 、 ま た 他 者 と の 関 わり の 中 で そ の つ な が り が 保 証 さ れ る 場 であ る 。 」 [ 範 2 0 0 7 : 1 8 9] と 定 義 し て い る 。こ こ で 、 留 学 生 が 来 日 後 に 、 必 要 と して い る コ ミ ュ ニ テ ィ は自 分 が 「 居 場 所 」 を 感じ ら れ る コ ミ ュ ニ テ ィ で あ る と 言 え る 。

ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ トワ ー ク を 形 成 し て い く過 程 で 、 友 人 形 成 が 達成 さ れ た 場 合 と さ れ な か っ た 過 程 の 理 由に つ い て 、 小 松 は 中 国人 留 学 生 に 対 し て イ ンタ ビ ュ ー を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、 留 学 生の 友 人 形 成 の た め に は留 学 生 自 身 の 困 難 を 乗り 超 え る 粘 り 強 さ と 大 学 側 の 支 援 が 重 要で あ る こ と が 明 ら か にな っ た 。 さ ら に 留 学 生は 友 人 関 係 に 関 す る 否 定 的 な 体 験 を し てい な が ら 、 よ り 積 極 的に 日 本 人 学 生 側 に 働 きか け 、 交 流 の 機 会 を 見 つ け た り 、 よ り 多く の 日 本 人 学 生 に 接 した り す る こ と で 、 友 人形 成 を 達 成 し て い る こ と を 明 ら か に し た[ 小 松 2 0 1 3 : 8 2 - 8 3] 。 例 え ば 否 定 的 な 体 験と は 、 中 国 人 留 学 生 が 中 国 に 興 味 の ある 日 本 人 学 生 に 、 中 国の 話 を す る と 途 中 か ら聞 い て く れ な く な

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っ た と い う よ う な 体 験で あ る [ 小 松 2 0 1 3 : 7 5] 。

ま た 、 大 学 寮 は 、 授業 や ク ラ ブ 活 動 と い った 一 時 的 な 交 流 の 場 であ る コ ミ ュ ニ テ ィ と は 異 な り 、 日 常 生 活を ベ ー ス と す る 連 続 した 交 流 の 場 で あ る た め、 密 度 の 高 い ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー クが 形 成 さ れ や す い 。 山川 は 、 短 期 留 学 生 同 士の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク の 密 度 が 高い 理 由 と し て 、 日 本 語学 校 や 文 化 イ ベ ン ト など 寮 以 外 で も 一 緒 に 時 間 を 過 ご し て い るこ と を 指 摘 す る [ 山 川 2 0 1 6 : 1 2] 。 特 に 4月 と 9月 は 、 入 寮 時 期 に 合 わ せ て ウ ェ ルカ ム ・ パ ー テ ィ ー な どの イ ベ ン ト が 開 催 さ れて い る た め 、 寮 内 の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ トワ ー ク が 形 成 さ れ や すい と い う [ 山 川 2 0 1 6 : 1 3] 。 ま た 、 短 期 留 学 生 と 日 本 人 学 生と の 間 で A大 学 の 寮 は共 有 ス ペ ー ス を 通 じ てソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク が 広 が っ てい っ た 。 他 方 、B大 学の 寮 は 共 有 ス ペ ー ス が ほ と ん ど な い の

で 、S N Sで ソ ー シ ャ ル・ ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 が行 わ れ て い た 。 そ し て寮 で は 、 共 有 ル

ー ル 、 共 有 ス ペ ー ス ・S N S、 共 有 時 間 の 3 つが 調 和 す る こ と で ソ ーシ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク が 形 成 さ れ る [ 山川 2 0 1 6 : 1 4] 。 こ の 研 究 で は 、 様 々 な こ とを 「 共 有 」 す る こ と で 、 ソ ー シ ャ ル ・ ネッ ト ワ ー ク が 形 成 さ れる こ と が 強 調 さ れ て いる 。

留 学 生 と 日 本 人 学 生が 居 住 す る 混 在 寮 で 、多 文 化 生 活 環 境 に お ける 学 び と そ れ を 促 進 す る 要 因 を 、R A (日本 人 ま た は 外 国 人 の 寮サ ポ ー タ ー)の イ ン タ ビ ュ ー を 通 し て 明 ら か に し た 調 査 で は 、「 多 様 な 参 加 の 段 階 的経 験 を 積 む こ と 」 、 「ロ ー ル モ デ ル 」 、

「 省 察(行 為 に つ い て の 省 察 ・ 行 為 の 中 の 省 察)」 の 3つ が あ る こ と が明 ら か に な っ た

[ 吉 田 2 0 1 6 : 1 4] 。1つ 目 は 、 寮 生 と し て の役 割 、R Aと し て の役割 と 寮 生 活 を 過 ご す な か で 、 寮 内 の 様々 な 役 割 を 経 験 す る こと で あ る 。2つ 目 は 、自 分 が な り た い ロ ー ル モ デ ル を 寮 の R Aか ら 見 つ け 、 そ れ を 目指 し て い く な か で 様 々な こ と を 学 ん で い く こ と で あ る 。3つ 目は 日 々 の 寮 生 活 の な かで 自 ら の 間 違 い や 失 敗に 気 づ き 、 今 後 の 成 長 に 生 か す こ と だ [吉 田 2 0 1 6 : 4 , 6 , 1 0] 。 こ れ ら を 通 し て 、 混 住寮 で 多 文 化 生 活 環 境 に お け る 学 び が 促進 さ れ て い る 。

大 学 の 国 際 寮 に 居 住す る 外 国 人 留 学 生 を 対象 と し た 寮 教 育 の 調 査で は 、 国 際 寮 の 有 用 性 が 様 々 な 観 点 か ら示 唆 さ れ て い る 。 人 間的 成 長 、 自 己 形 成 の 観点 で は 、 寮 生 活 の 中 で 、 自 分 に 自 身 が つい た 、 明 る く な っ た 、積 極 的 に な っ た な ど の変 化 が 留 学 生 か ら

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挙 が っ た [ 正 宗 2 0 1 5 : 4] 。 他 に も 、 生 活 の 場で あ る コ ミ ュ ニ テ ィ の形 成 過 程 を 実 践 を 通 し て 学 ぶ の に 寮環 境 は 適 し て い る と いう 指 摘 が あ る [ 正 宗 2 0 1 5 : 4] 。 つ ま り 、 寮 生 活 は 人 間 的 成長 、 自 己 形 成 を し な がら 、 留 学 生 が ソ ー シ ャル ・ ネ ッ ト ワ ー ク を 構 築 し て い く こ と を実 践 的 に 学 べ る 場 で ある と い え る 。

ま た 、 正 宗 は 別 の 研究 で 、 国 際 寮 に 1年 間在 籍 し た 留 学 生 に イ ンタ ビ ュ ー を 実 施 し 、 留 学 生 の 実 態 を 明ら か に し た [ 正 宗 2 01 5 : 6 4] 。 そ し て 、 そ の 実 態 を5つ に 分 け た 。1つ 目 は 、 留 学生 に と っ て 寮 が 自 分 の「 居 場 所 」 と な る に は、 い く つ か の 段 階 が あ る こ と だ 。2つ 目は 、 留 学 生 は 共 同 体 の 1員 と し て 行 動 す る こと の 重 要 性 を 強 く 認 識 し て い る こ と だ 。3つ 目 は 、 日 本 人 ま たは 他 国 か ら の 留 学 生 との 接 触 の 機 会 が 多 く 、 交 流 内 容 の 質 が いい ほ ど 寮 生 活 の 満 足 度が 高 い こ と だ 。4つ 目は 、 日 本 語 力 に よ っ て 、 寮 環 境 の 活 用 のし か た 、 周 り か ら 求 めら れ る こ と 、 人 間 関 係の ネ ッ ト ワ ー ク の 広 が り 方 が 異 な っ て くる こ と だ 。5つ 目 は 、生 活 の 空 間 的 構 造 が 人間 関 係 構 築 に 影 響 す る こ と だ [ 正 宗 2 01 5 : 7 0 , 7 1] 。 こ れ ら か ら 、 国 際 寮 に 暮 ら す こと で 、 留 学 生 は 様 々 な 経 験 を し 、 学 んで い る こ と が わ か る 。

大 学 学 生 寮 の 中 で 留学 生 と 日 本 人 が 構 築 する 対 人 関 係 を 、 留 学 生の 語 り を 通 し て 明 ら か に し た 研 究 も あ る。 そ の 研 究 で は 、 留 学生 が 日 本 人 学 生 と の 接近 感 に つ い て 語 る と き 、 同 じ ア ジ ア 人 、性 格 的 に 合 う な ど の 共通 性 が 軸 に な っ て い る場 合 が 多 か っ た 。 そ の 時 、 留 学 生 が 示 す「 わ た し 」 は 女 性 、 大学 生 、 ア ジ ア 人 な ど 多様 な 自 己 か ら の 発 信 で あ っ た [ 出 口,八 島 2 0 0 8 : 4 6] 。 留 学 生 は 多 様 な 「 わ た し 」 から 相 手 に 合 う 最 適 な 「 わ た し 」 を 発 信 し、 日 本 人 学 生 と の 共 通点 を 見 出 し て い た の だ。

日 本 に 住 む ア メ リ カ人 留 学 生 を 調 査 し た 村上 に よ る と 、 留 学 生 は当 初 特 定 の 人 だ け で な く 大 勢 の 人 と 接 触を し て 、 そ の 中 か ら 親し さ を 感 じ る 人 に は さら に 接 触 を 試 み る 傾 向 が あ る 。 例 え ば 、ア メ リ カ 人 留 学 生 A は、 日 本 人 、 ア メ リ カ 人と も グ ル ー プ 行 動 し て お り 、 「 友 達 とは 個 人 的 な つ き あ い をす る 。 」 と 述 べ て い る[ 村 上 2 0 0 5 : 7] 。 こ の よ う に 国 籍 に関 係 な く 、 グ ル ー プ から 個 人 的 な 友 人 関 係 を築 く こ と も あ り う る と 。 ま た 、 接 触 頻度 が 高 い ほ ど 親 密 化 が促 進 さ れ る 。 一 方 で 、親 密 化 を 阻 む 要 因 と し て 、 自 分 と の 付 き合 い が 負 担 に な る の では な い か と い う 不 安 、相 手 の 感 情 表 現 が

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な い た め に 親 し み を 感じ に く い こ と が 挙 げ られ る [ 村 上 2 0 0 5 : 1 0] 。 感 情 表 現 に 関 し て は 、 ア メ リ カ 人 留学 生 か ら 、 「 日 本 人 はほ と ん ど 感 情 を 表 に 出さ な い 、 ア メ リ カ 人 は 自 分 の 感 情 や 意 見を オ ー プ ン に す る 。 」と い う 指 摘 が あ る [ 村上 2 0 0 5 : 1 1] 。 そ の た め 、 感 情 表 現 と親 密 さ の 関 連 に つ い ては 、 文 化 の 違 い が 影 響を 及 ぼ し て い る と 考 え ら れ る 。

ま た 、 日 本 人 留 学 生の ア メ リ カ で の 寮 生 活に 焦 点 を 当 て 、 異 文 化体 験 の 困 難 と 魅 力 を 調 査 し た 研 究 で は、 日 本 人 留 学 生 が ル ーム メ イ ト と 良 好 な 関 係を 築 く た め に は 、 双 方 が 相 手 に 興 味 を 持ち 続 け る こ と が 重 要 であ る と 指 摘 さ れ て い る[ 花 木,塩 澤 2 0 0 7 : 2 3] 。 つ ま り 、 ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワー ク を 築 く た め に は 、相 手 に 興 味 を も ち 、 双 方 向 の コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン を 意 識 す るこ と が 必 要 で あ る 。

こ の よ う に 留 学 生 のソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワー ク に つ い て の 研 究 はあ る も の の 、 ほ と ん ど の 研 究 は 留 学 生 と日 本 人 学 生 の ソ ー シ ャル ・ ネ ッ ト ワ ー ク の 形成 過 程 や 要 因 を 検 討 す る も の で あ り 、 留学 生 同 士 に つ い て の 言及 は な い 。 加 え て 、 日本 に お け る 留 学 生 の ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ トワ ー ク 研 究 は 中 国 人 留学 生 、 ア メ リ カ 人 留 学生 を 対 象 に 行 わ れ て き た が 、 そ の 他 の 国に つ い て の 研 究 は ま だ見 ら れ な い[ 2 0 1 7 : 3 5 , 3 7 ]。 そ し て 、 山 川 が 指 摘 す る よ う に、 寮 で は 密 度 が 高 い ソー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ーク が 形 成 さ れ や す い 。 ま た 、 正 宗 が 指 摘す る よ う に 、 寮 生 活 はソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワー ク の 形 成 が 実 践 的 に 学 べ る 場 で あ る 。

し た が っ て 、 寮 内 にお け る 留 学 生 同 士 の ソー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ーク 構 築 過 程 を 分 析 し 、 そ の 要 因 を 明 ら かに す る こ と は 意 義 が ある と 考 え る 。

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章 東京日本語教育センターとは何か

1 . 東京日本語教育センターの歴史・目的・カリキュラム

東 京 日 本 語 教 育 セ ンタ ー(以 下 、 セ ン タ ー) 2 0 0 4年 に 東 京 都 新 宿 区 北 新 宿 に 設 立 さ れ た 留 学 生 向 け 日 本語 学 校 で あ る 。 セ ン ター は 前 身 の 国 際 学 友 会か ら 数 え る と 設 立 8 0 年 以 上 の 歴 史 を も つ。 セ ン タ ー の 前 身 に あた る 国 際 学 友 会 は 1 9 3 5年 に 外 務 省 の 外 郭 団 体 と し て 設 立 さ れ、1 9 3 6年 か ら 日 本 語 教 室 を 開 設 し 、 留 学 生 の受 け 入 れ を 開 始 し た 。 戦 前 は タ イ 文 部省 な ど 各 国 の 政 府 機 関や 教 育 機 関 か ら 留 学 生を 受 け 入 れ て き た 。 戦 中 も 留 学 生 を 受け 入 れ た 。 国 際 学 友 会は 学 生 の 生 活 全 般 を 支援 し 、 帰 国 し た 留 学 生 は 、 自 国 の 指 導 的立 場 に な り 、 日 本 と の国 際 交 流 に 貢 献 を し た。 そ し て 終 戦 直 後 は 、 日 本 語 教 育 を 再 開し 、 東 南 ア ジ ア の 復 興等 国 の 施 策 を 引 き 受 けて 事 業 を 行 っ て き た 。 そ の 後 、2 0 0 4年 に 政 府 の 諸 改 革 の 一 環 とし て 、 国 際 学 友 会 は 日本 学 生 支 援 機 構 東 京 日 本 語 教 育 セ ン ター と な り 、 新 た な 船 出を 迎 え た [ 国 際 学 友 会の 歩 み 2 0 0 7] 。 東 京 日 本 語 教 育 セ ン ター は 、 日 本 語 を 学 ぶ だけ の 学 校 で は な く 、 時代 の 要 請 に 応 え て 、 そ の 役 割 を 変 化 させ て き た 機 関 な の だ 。

セ ン タ ー は 日 本 学 生支 援 機 構( J A S S O ) ⁽1が 運 営 し て お り 、 日 本 の大 学 院 ・ 大 学 ・ 高 等 専 門 学 校 等 の 高 等 教育 機 関 に 進 学 を 希 望 する 約 3 0 か 国 の 外 国 人 留 学 生 を 対 象 と し た 予 備 教 育 を 行 っ て いる 。 そ し て 、 セ ン タ ーは 、 日 本 政 府 の 国 費 高等 専 門 学 校 留 学 生 、 外 国 政 府 派 遣 留 学生 を 中 心 に 受 け 入 れ てい る 。 セ ン タ ー は 、 その 役 割 と し て 「 将 来 の 良 好 な 対 外 関 係 を担 う 人 材 の 育 成 」 「 国内 外 の 企 業 ・ 大 学 ・ 官公 庁 等 で 活 躍 す る 高 度 な 人 材 の 育 成 」 「日 本 語 教 育 を 通 じ て 、国 際 相 互 理 解 の 増 進 に寄 与 」 の 3 つ を 挙 げ て い る 。 ま た 、 進学 課 程 と 大 学 院 進 学 課程 の 2 つ の コ ー ス に 分か れ て い る 。 進 学 課 程 で は 、 日 本 語 と 並行 し て 理 科 系 、 文 科 系に 分 か れ て 基 礎 科 目(数 学 、 化 学 、 歴 史 な ど)を 勉 強 す る 。 大 学 院 進 学 課 程 で は 、 日 本語 、 英 語 、 専 門 日 本 語(研 究 計 画 書 の 作 成 な ど)を 勉 強 す る 。 日 本 語 、 基 礎 科 目 と も にレ ベ ル 別 に ク ラ ス が 編成 さ れ て い る 。 さ ら に 、L L教 室(日 本 語 リ ス ニ ン グ た め の 教室)P C教 室 、 学 生ホー ル 、 図 書 室 、 バ ス ケ ッ ト ボ ー ル が で きる 中 庭 が あ る な ど 設 備も 充 実 し て い る 。 コ ース は 1年 コ ー ス( 4

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月 入 学) 1年 半( 1 0 月 入 学)コ ー ス が あ り 、 授 業 は 月 曜 日 か ら 金 曜 日の 毎 日 9 1 0 分 か ら 1 6 0 0 分 ま で 授 業 が あ る[東 京 日 本 語 教 育 セ ン タ ー ホ ー ム ペー ジ]。 セ ン タ ー に は 寮 が 併 設 さ れ て おり 、 セ ン タ ー に 通 う 留学 生 が そ の 寮 に 居 住 し、 共 同 生 活 を 送 っ て い る 。

2 . 東京日本語教育センターと留学生寮の 1年・1日のスケジュール

こ の 節 で は 、 セ ン ター と 留 学 生 寮 の 1年 と 1日 ス ケ ジ ュ ー ル を 概観 す る 。 留 学 生 は 来 日 後 、 セ ン タ ー から 東 京 日 本 語 教 育 セ ンタ ー ハ ン ド ブ ッ ク を 受け 取 る 。 そ れ に は 行 事 予 定 表 、 授 業 時 間・ 勉 強 に つ い て な ど セン タ ー の 生 活 に 関 す るこ と が 全 て 網 羅 さ れ て い る 。 ま た 、 筆 者が R Aと し て 寮 に 居 住し て い る た め 、 留 学 生の 寮 生 活 を 日 々 観 察 し て い る 。 そ の た め、1年 と 1日 の ス ケ ジ ュ ー ル は ハ ン ド ブ ッ ク、 寮 の 参 与 観 察 に も と づ い て 記 述 す る 。

( 1 )留 学 生 の 1年 の ス ケ ジ ュ ー ル

留 学 生 は 3月 下 旬 から 4月 上 旬 に か け て 入学 し 、4 5日 に 入 学 式 と 入 寮 オ リ エ ン テ ー シ ョ ン を 迎 え る 。留 学 生 は そ れ ぞ れ の プロ グ ラ ム 、 日 本 語 力 によ っ て ク ラ ス が 分 か れ 、4 1 0 日 に 授 業 が 開 始 さ れ る 。5 2 2 日 に は 日 本 留 学 試 験( E J U )( 2 )の 模 擬 試 験 が 実 施 さ れ る 。 そ して 、1学 期 終 了 直 前 の 7 2 2、2 3 日 に は 期 末 試 験 が 実 施 さ れ る 。 そ の 後 は 夏 季 休 業に 入 り 、 約 1か 月 後 の 8 2 1 日 に 第 2学 期 開 始 と な る 。1 0 2 3 日 に は 日 本 留 学 試 験( E J U )の 第 2回 模 擬 試 験 が 実 施 さ れ る 。1 2 1 92 0日 に は 1 学 期 同 様 、 期 末 試 験 が実 施 さ れ 、1 2 2 3 日 か ら は 冬 季 休 業 に 入 り、1 1 4 日 に 授 業 開 始 と な る 。 そ し て、3 2日 か ら 4日 に 最 後 の 期 末 試 験 が 実 施さ れ 、31 3 に 卒 業 式 を 迎 え て 1年コ ー ス の プ ロ グ ラ ム が修 了 と な る 。 そ の 後 、留 学 生 は 3 2 5 日 ま で に 退 寮 し 、 そ れぞ れ の 進 路 先 に 進 む 。ま た 、 学 校 の 試 験 と は別 の 試 験 と し て 、 留 学 生 が 受 け る 試 験 は 1 1 1 0 日 の 日 本 留 学 試 験( E J U )、7 7日 、1 2 1日 の 日 本 語 能 力 試 験( J LP T )( 3 )が あ る 。 こ の 2つ の 試 験が 留 学 生 に と っ て は セン タ ー で 学 ん だ こ と を 発 揮 す る 本 番 であ る 。 特 に 、E J U は 日本 の セ ン タ ー 試 験 の よう な も の で 、 大 学 進 学 を 目 指 し て い る留 学 生 に と っ て は 最 も重 要 な 試 験 だ 。 ま た 、夏 と 冬 の 長 期 休 暇

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に な る と 、 全 体 の 約 半分 の 留 学 生 は 帰 国 す る。 残 っ た 留 学 生 は 旅 行や 休 日 同 様 の こ と を し て 、 日 々 を 過 ご す。

( 2 )留 学 生 の 1日 の ス ケ ジ ュ ー ル

学 校 が あ る 平 日 は 9 1 0 分 か ら 1 6時 ま で 1時 間 の お 昼 休 憩 を 挟ん で 、 寮 に 隣 接 す る 学 校 で 授 業 が あ る。 授 業 後 、 留 学 生 は それ ぞ れ が 自 由 に 時 間 を過 ご す 。 例 え ば 、 学 内 の 空 手 ク ラ ブ へ の参 加 、 学 校 か ら の 宿 題、 寮 内 の バ ス ケ ッ ト ボー ル コ ー ト で の バ ス ケ 、 料 理 、 買 い 物 など 様 々 で あ る 。 共 有 の学 生 ラ ウ ン ジ と 寮 の 門限 は 2 3時 ま で な の で 、 留 学 生 は2 3 時 を 過 ぎ る と 全 員 自 分 の 戻る 。 休 日 は 試 験 が な い日 以 外 は 学 校 か ら の 宿 題 以 外 で や る べき こ と は 特 に な く 、 留学 生 の 過 ご し 方 は 自 由で あ る 。 留 学 生 は 、 東 京 の 観 光 名 所 巡り 、 勉 強 、 買 い 物 、 映画 鑑 賞 な ど を し て 自 由に 過 ご し て い る 。

3 . 留学生寮の目的と各設備

東 京 日 本 語 教 育 セ ンタ ー 留 学 生 寮 の 目 的 は、 「 居 住 の 場 を 提 供 する こ と に よ り 学 生 生 活 を 支 援 す る と と もに 、 寮 に お け る 共 同 生活 を 通 じ て 相 互 の 国 際交 流 と 国 際 理 解 の 増 進 を 図 る こ と 」 [ 東京 日 本 語 教 育 セ ン タ ーウ ェ ブ サ イ ト ] で あ る。 寮 は 留 学 生 へ の 生 活 の 場 の 提 供 だ け でな く 、 留 学 生 同 士 の 交流 を 視 野 に 入 れ て 運 営し て い る こ と が わ か る 。

寮 の 居 室 は 全 部 で 1 4 9 室 で あ り 、 そ の う ち男 性 用 が 8 9室 、 女 性 用 が 6 0室 と な っ て い る 。 ま た 、 共 同 施設 は 男 女 別 で 、 洗 濯 室、 シ ャ ワ ー 室 、 学 生 ラウ ン ジ 、 学 生 ホ ー ル 、 バ ス ケ ッ ト コ ー トが が あ る [ 東 京 日 本 語教 育 セ ン タ ー ウ ェ ブ サイ ト ] 。

寮 は 5階 建 て で 各 階は 2 9 ま た は 3 0部 屋 あ り 、 各 部 屋 は ベ ッ ド 、衣 装 棚 、 冷 蔵 庫 、 ベ ッ ド が 備 え 付 けら れ た 6畳 ほ ど の 個 室に な っ て い る 。 学 生 ラウ ン ジ は 寮 に 入 る と す ぐ に あ る 広 い 共用 ス ペ ー ス で 、 ソ フ ァや 机 も あ る た め 、 留 学生 同 士 が 交 流 し た り 、 く つ ろ い だ り で きる ス ペ ー ス に な っ て いる 。 学 生 ホ ー ル は 小 さな 体 育 館 の よ う な ス ペ ー ス で 、 卓 球 台 もあ る た め 卓 球 も す る こと が で き る 。 借 り る ため の 予 約 が 必 要 で あ り 、 気 軽 に 借 り る こと は で き な い 。 入 学 式な ど の 式 典 で 使 用 さ れる こ と が 多 い 。

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12 4 . 留学生データ(居住人数、国籍、国費と私費) 寮 生 内 訳( 2 0 1 9 1 2 2 4日 現 在)

居 住 人 数 合 計 1 4 4 名( R A 5 延 長 生 7名) 男 性 8 4 女 性 6 0

年 齢 1 8 歳 ~3 1 国 籍 合 計 2 2カ 国

イ ン ド ネ シ ア 、 モ ン ゴル 、 台 湾 の 学 生 が 多 い。

イ ン ド ネ シ ア 、 日 本 、マ レ ー シ ア 、 ブ ラ ジ ル、 ウ ズ ベ キ ス タ ン 、 ベト ナ ム 、 ル ワ ン ダ 、 セ ネ ガ ル 、 チ ュ ニジ ア 、 香 港 、 台 湾 、 カン ボ ジ ア 、 タ イ 、 シ ンガ ポ ー ル 、 モ ン ゴ ル 、 中 国 、 キ ル ギ ス 、ブ ル ネ イ 、 フ ィ リ ピ ン、 イ ン ド 、 ア ラ ブ 首 長国 連 邦

国 費 と 私 費

留 学 生 が 日 本 で 生 活す る た め の お 金 に 関 して 、 東 京 日 本 語 教 育 セン タ ー 事 務 室 の 係 長 に 話 を 伺 っ た の で 、そ れ を も と に 記 述 し てい く 。 留 学 生 は 国 費 留学 生 と 私 費 留 学 生 に 分 け ら れ る 。 国 費 は日 本 政 府 か ら 給 付 の 奨学 金 を も ら っ て い る 留学 生 で 、 イ ン タ ビ ュ ー で は 高 専 の 留 学 生が そ れ に 当 た る 。 彼 らは 、 日 本 政 府 も し く は各 高 専 か ら 依 頼 を 受 け て 、 各 国 の 大 使 館が 実 施 し た 試 験 に 合 格し た 留 学 生 の こ と だ 。他 に も 、 国 費 を 受 給 し な が ら 、 日 本 の 大学 に 通 う 予 定 の 留 学 生も い る 。 ま た 、 私 費 留学 生 は 奨 学 金 を 一 切 受 給 せ ず 、 自 費 で 来日 し 、 勉 強 す る 留 学 生の こ と を 指 す 。 イ ン タビ ュ ー で は 出 て こ な い が 、 外 国 政 府 か らの 奨 学 金 や 日 本 の 民 間企 業 か ら 奨 学 金 を 受 給し て 、 勉 強 し て い る 留 学 生 も い る 。

5 . 留学生寮に居住する留学生を取り巻くアクター

留 学 生 寮 関 わ っ て い る人 々 は 留 学 生 以 外 に 、R A (レ ジ デ ン ト ア シ スタ ン ト)、 延 長 生 、 事 務 室 職 員 、 警 備員 が い る 。

R Aは 筆 者 を 含 め 4月 か ら 翌 年 3月 ま で 寮に 居 住 す る 日 本 人 学 生 5名 で あ る 。R A

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は 留 学 生 の サ ポ ー タ ー的 役 割 を 担 っ て お り 、業 務 は 多 岐 に 渡 る 。 留学 生 が 渡 日 す る 時 期 に あ た る 4月 、1 0月 は 留 学 生 と と も に 市 役所 に 行 き 、 住 民 票 登 録と 保 険 証 の 受 け 取 り を す る 。 ま た 、R A 1年 に 1 1 R Aイ ベ ン ト と い う イ ベン ト を 寮 内 で 開 催 す る 。 こ れ は 事 務 室 から 予 算 が お り る の で 、予 算 内 で 企 画 を 考 え 、企 画 書 を 提 出 し た う え で 企 画 を 実 施 す る。 こ れ ま で 、 各 国 の 料理 を つ く っ て 食 べ る 料理 パ ー テ ィ ー 、 流 し そ う め ん 、 ク リ ス マス パ ー テ ィ ー 、 卓 球 大会 、 フ ェ ア ウ ェ ル パ ーテ ィ ー な ど が 行 わ れ た 。 さ ら に 、R A 1人 月 4回 ず つ R Aルー ム と い う 1階 に あ る相 談 部 屋 で 1 9 か ら 2 1 時 の 2時 間 に わ た っ て 、 留 学 生 の 相 談を 受 け る こ と が 義 務 付け ら れ て い る 。 実 際 、 堅 苦 し い 雰 囲 気の 部 屋 で は な く 、 カ ード や テ レ ビ ゲ ー ム で 遊べ 、 学 生 ラ ウ ン ジ の よ う に イ ス や ソ フ ァが あ る た め 、 学 生 が 気軽 に 来 て 交 流 で き る 場に も な っ て い る 。 R Aの 業 務 内 容 は 渡日サ ポ ー ト 、R Aイ ベント 、R Aル ー ム で の相談 受 け が 主 で あ る 。 R Aは 留 学 生 が 渡 日後、 初 め て 接 す る 同 年 代の 日 本 人 で あ り 、 共 に居 住 す る 存 在 で あ る 。 ま た 、R Aも 留学生 と 日 常 的 に 交 流 し 、時 に は 生 活 や 日 本 語 のサ ポ ー ト を す る 。 延 長 性 は 、 セ ン タ ーを を 卒 業 し 、 現 在 は 大学 、 大 学 院 や 専 門 学 校に 行 っ て い る 学 生 の こ と だ 。 延 長 生 はR A の よ う に 、 入 寮 し た学 生 を サ ポ ー ト す る 役割 を 担 っ て い る 。 特 に 業 務 は な い が 、 住ん で い る 階 で 問 題 を 問題 が 起 こ っ た 時 に 、R A と 一 緒 に 対 処 す る こ と が 多 い 。 ま た 、同 じ 国 出 身 の 留 学 生 にお 兄 さ ん ・ お 姉 さ ん 的存 在 と し て 親 身 に な っ て お 世 話 を す る 延長 生 も い る 。

事 務 室 職 員 は J A S S O が 雇 用 す る 職 員 で ある 。 職 員 は 留 学 生 の 書類 手 続 き な ど の 業 務 を 行 う 。 留 学 生 は 日常 生 活 で 問 題 が 発 生 した と き や 荷 物 の 受 け 取り な ど 、 必 要 な 時 に 事 務 室 を 訪 れ る こ とは あ る が 、 事 務 室 職 員は 留 学 生 と 日 常 的 な 交流 は ほ と ん ど な い 。

寮 に は シ フ ト 制 で 2 4 時 間 常 駐 す る 警 備 員 がい る 。6 0~8 0 歳 あ た り の 男 性 4名 で 構 成 さ れ て お り 、 寮 に 常に 1人 は い る よ う に シフ ト が 組 ま れ て い る 。寮 の 門 が 開 い て い る 時 間 は 6~2 3時 の た め 、 そ れ に 合 わ せ て彼 ら は 寮 の 門 の 開 閉 をす る 。 そ し て 、 時 折 、 寮 内 の 見 回 り をし 、 夜 中 に 騒 い で い る学 生 が な い か 、 寮 内 に何 か 問 題 が 発 生 し て い な い か 確 認 を す る。 警 備 員 が い る か ら こそ 、 寮 生 は 生 活 リ ズ ムを あ ま り 崩 さ ず 、

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秩 序 が 保 た れ た 寮 生 活を 過 ご す こ と が で き てい る の だ 。

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章 ソーシャル・ネットワークの形成要因

1 . 留学生のプロフィール

留 学 生 寮 に 居 住 す る留 学 生 1 1 名 を 対 象 に 半 構 造 化 イ ン タ ビ ュ ー を実 施 し 、 対 象 者 の プ ロ フ ィ ー ル を 以 下に ま と め た 。

名前 性別 年齢 国籍 プログラム

A 2 1 中 国 私 費 ・ 学 部 受 験

B 1 9 中 国 私 費 ・ 学 部 受 験

C 1 9 マ レ ー シ ア 私 費 ・ 学 部 受 験

D 1 8 タ イ 国 費 ・ 高 専

E 1 9 モ ン ゴ ル 国 費 ・ 高 専

F 2 4 ブ ラ ジ ル 国 費 ・ 高 専

G 2 4 台 湾 私 費 ・ 大 学 院 受 験

H 1 9 ル ワ ン ダ 国 費 ・ 高 専

I 1 9 イ ン ド ネ シ ア 国 費 ・ 高 専

J 1 9 モ ン ゴ ル 国 費 ・ 高 専

K 2 2 セ ネ ガ ル 私 費 ・ 学 部 受 験

A

よ く 喋 る 性 格 で 、 あ まり 物 怖 じ せ ず 意 見 を 言う 。 他 の 中 国 人 と 違 い、 外 国 人 と 積 極 的 に 関 わ っ て い る 。 筆 者が 日 常 的 に 関 わ る 唯 一の 中 国 人 。

B

A か ら 紹 介 し て も ら い知 り 合 っ た 中 国 人 。Aに 紹 介 し て も ら う ま で筆 者 は 話 し た こ と が な か っ た 。 イ ン タ ビュ ー で は 、 自 分 か ら 話す タ イ プ で は な く 、 聞か れ た こ と に 答 え る お と な し め な 印 象 を受 け た 。

C

マ レ ー シ ア 人 の リ ー ダー 的 存 在 で 、 彼 自 身 も自 分 は リ ー ダ ー の 特 徴を 備 え て い る と 自

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負 し て い る 。 学 生 ラ ウン ジ や R Aル ー ム に も頻 繁 に 顔 を 出 し 、 様 々な 人 と 交 流 し て い る 。 歳 以 上 に 落 ち 着 いて い て 、 寛 容 さ が あ る。

D

一 言 で 言 う と パ ー テ ィー 好 き な 留 学 生 。 毎 週必 ず D Kの 部 屋 で 友 人 を 誘 っ て パ ー テ ィ ー を 開 催 し て い る。 誰 に で も フ レ ン ド リー に 接 し 、 誘 い に は 気軽 に の る 性 格 。 E

モ ン ゴ ル 人 の 中 で 1番外 国 人 と 関 わ り を も って い る 。 好 奇 心 旺 盛 で、 面 白 い こ と が す ぐ に 飛 び つ く 。 ダ ンス も 好 き で ノ リ が い い。

F

1人 で 過 ご す こ と が 好き で 、 他 の 寮 生 と 関 わり を ほ と ん ど も た ず 、部 屋 に い る こ と が 多 い 。 争 い を 好 ま ず 、温 和 な 印 象 が あ る 。

G

R Aル ー ム や 学 生 ラウン ジ で は 見 か け な い 。 真 面 目 で 素 直 な 性 格 。自 分 か ら 話 す こ と は あ ま り な い よ う な 印象 を 受 け た 。

H

ふ ざ け る こ と が 好 き で、 他 の 留 学 生 か ら い じら れ る こ と が 多 く 、 周り か ら 愛 さ れ る 性 格 。 バ ス ケ 、 パ ー テ ィー 、R Aル ー ム な どに頻 繁 に 参 加 し 、 交 流 に積 極 的 。

I

お と な し い 性 格 で 、 イン ド ネ シ ア 人 の コ ミ ュニ テ ィ に い る こ と が 多い 。 仲 が い い 人 と 話 す と き は 、 よ く 喋 り、 楽 し く 笑 う 。

J

よ く 話 す 性 格 で は な いが 、 外 交 的 。 自 分 で 大学 の カ ル タ ク ラ ブ に 参加 し た り 、 ホ ー ム ス テ イ に 参 加 し た り する な ど 、 行 動 力 が あ る。

K

寮 内 で 1番 の 人 気 者 。フ レ ン ド リ ー で 親 し みが も て る 。 相 手 に 興 味を も っ て 自 分 か ら 話 し か け る 。 お お らか で 、 少 し い い 加 減 なと こ ろ も あ る 。

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イ ン タ ビ ュ ー は 以 下の 質 問 を 尋 ね 、 深 堀 りし た い 点 は 続 け て 質 問し た 。 イ ン タ ビ ュ ー の は じ め に は 、 自 分が 所 属 し て い る 寮 内 のコ ミ ュ ニ テ ィ を 書 い ても ら い 、 親 密 度 が 高 い 順 に 番 号 を つ け ても ら っ た 。 そ の 後 、 仲の よ い 1 0人 の 名 前 を 書 い て も ら っ た 。

次 節 以 降 で は 、 留 学生 の イ ン タ ビ ュ ー と 筆者 の 参 与 観 察 を も と に、 ソ ー シ ャ ル ・ ネ ッ ト ワ ー ク 形 成 に 影 響す る 要 因 を カ テ ゴ リ ーご と に 分 類 し て 記 述 して い く 。

イ ン タ ビ ュ ー 質 問 項 目

・ な ぜ 日 本 を 選 ん だ のか? 日 本 に 来 るま で のプ ロ セ ス 。

・ 日 本 で の 生 活 を 平 日、 休 日 に 分 け て 教 え てほ し い 。 何 時 ご ろ に 何を す る か 。

・ 寮 で 人 と 交 流 す る 場所 。 何 を す る か 。 ・ 何を 考 え な が ら コ ミ ュ ニテ ィ に 番 号 を つ け て い っ た か 。1番 と 2番 の 違 い 。

・ ど う や っ て コ ミ ュ ニテ ィ は で き て い っ た か。 き っ か け 、 時 期 な ど。

・ リ ス ト に あ げ た 1 0 人 は な ぜ 挙 げ た の か 。 なぜ 仲 が い い の か 。

・ 外 国 人 と 交 流 す る とき に 気 を つ け ていることはあるか。

2 . 親密な友人・コミュニティとは何か

留 学 生 が ソ ー シ ャ ル・ ネ ッ ト ワ ー ク を 形 成す る な か で 、 他 の 留 学生 に 抱 く 親 密 度 は 異 な る 。 親 密 度 を 抱 く時 に 重 要 な 要 素 は 何 か。 筆 者 は イ ン タ ビ ュ ーを 実 施 す る な か で 、 留 学 生 に 親 密 度 の高 い コ ミ ュ ニ テ ィ 順 に順 位 を つ け て も ら い 、特 に 仲 の い い 友 人 1 0名 挙 げ て も ら っ た 。 そ し て 、 親 密 度 の 高い 理 由 も 尋 ね た 。 そ うす る こ と で 、 留 学 生 が 親 密 さ を 感 じ る人 と そ う で な い 人 は 何が 異 な る の か 調 査 を した 。

親 密 さ を 感 じ る 1つの 要 素 は 、 重 要 で な いこ と や 冗 談 を 言 え る 関係 か と い う こ と だ 。H に と っ て 仲 の いい 友 人 は お 互 い が 冗 談を 言 い 合 え る 関 係 を 指す 。 例 え ば 、 あ る 日 、H は 寮 で 友 人 数 名と ゲ イ に 関 す る ニ ュ ース シ ョ ー を Y o u T u b e見 て い た 。 そ れ は コ メ ン テ ー タ ー が 、 ゲイ 活 動 家 の 黒 人 に 対 して 最 初 に 「W h o i s g a y ?」 と 直 接 質 問 す る な ど 直 接 的 な 意 見 を言 う 番 組 だ っ た 。 ま た、Y o u T u b eの 編 集 も コ メ デ ィ 寄 り だ っ た た め 、 傍 か ら 見 る とセ ン シ テ ィ ブ と お か しさ が 同 居 す る よ う な 内容 だ っ た 。 視 聴 後 、 友 人 数 名 がH に 対し て 「W h o i s g a y?」 を 連 発 し 、 か ら か っ てい た 。 普 通 だ と 、

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ゲ イ と 黒 人 と い う セ ンシ テ ィ ブ な 言 葉 が 話 題に あ が っ て お り 、 お 互い に 話 す の を 避 け た く な る よ う な 話 題 だ。 し か し 、Hの 友 人 は H と 親 密 な 関 係 で あ るた め 、 気 に す る こ と な く H と 会 う た びに 、 挨 拶 の よ う に 「W ho i s g a y?」 と 話 か け て い た 。 こ れ は 通 常 な ら 、 相 手 を 傷 つ ける 言 動 に な り か ね な い。 し か し 、H と そ の 友人 は 信 頼 関 係 を 築 け て い る か ら こ そ 、 セン シ テ ィ ブ な 内 容 も 冗談 に 変 え 、 お 互 い に 楽し む こ と が で き る の だ 。

他 に も 、 マ レ ー シ アの Cは コ ミ ュ ニ テ イ の順 位 を つ け て い く と きに 、1番 に マ レ ー シ ア 人 グ ル ー プ を 選 んだ 。 そ の 基 準 は 「 ひ どい こ と を 言 っ た ら 誰 が1 番 許 し て く れ る 人 。 」 だ っ た 。 例 え ば「 お 前 の 母 さ ん は デ ブと か 。 そ う い う 、 冗 談。 」 の こ と を 指 す 。Cに と っ て も 親 密度 が 高 い 友 人 は 悪 口 のよ う な 冗 談 を 言 っ て も、 相 手 に そ れ が 許 容 さ れ る こ と だ っ た 。

ま た 、 筆 者 と Cも 冗談 を 通 じ て 親 密 な 関 係を 築 い た 。 そ の 鍵 を 握る の は 下 ネ タ だ っ た 。

筆 者:こ の 中(親 密 度 が 高 い 1 0 名)で 例 え ば 仲 良 く な っ て い っ た人 い る?最 初 微 妙 だ っ た け ど 、だ ん だ ん 仲 良 く な っ てい っ た 人 っ て 。

C :か い(筆 者)か な 。 君 が 変 態 と い う こと を 知 る 前 は ち ょ っ と固 か っ た 。 や っ

ぱ り 恥 ず か し か っ た 下 ネ タ と か 。 で、 そ れ が 知 っ た ら そ れが う ま く い く 。

筆 者:最 初 話 し づ ら か っ た み た い な 。

C :う ー ん そ う よ ね 。 最 初 は 僕 は 最 初 のと き 沖 縄 の 話 と か 大 学の 話 と か 。 そ れ

は 何 か 固 い 感 じ だ っ た で し ょ 。5 月、6 月 と か 。 で も そ の後 は 話 し や す く な

っ ち ゃ っ た 。

筆 者:何 が き っ か け で 話 し や す く な っ た の?

C :や っ ぱ り 下 ネ タ 。 本 当 に 。 そ れ は 確か み た い な 感 じ だ か らさ 。

筆 者:下 ネ タ が も つ 力 っ て 何 だ と 思 う?

C :男 の 人 の 共 通 点 み た い な や つ 。

Cが 述 べ た よ う に 筆者 は は じ め Cと 当 た り障 り の な い 会 話 し か して い な か っ た 。

参照

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