• 検索結果がありません。

科学技術イノベーション政策における 重要施策データベースの構築

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "科学技術イノベーション政策における 重要施策データベースの構築"

Copied!
432
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

NISTEP NOTE(政策のための科学) No.8

科学技術イノベーション政策における 重要施策データベースの構築

2013 年 11 月

文部科学省 科学技術・学術政策研究所

第 3 調査研究グループ

(2)

NISTEP NOTE(政策のための科学)は、科学技術イノベーション政策における「政策のための科 学」に関する調査研究やデータ・情報基盤の構築等の過程で得られた結果やデータ等について、

速報として関係者に広く情報提供するために取りまとめた資料です。

NISTEP NOTE(Science of Science Technology and Innovation Policy) No.

Construction of Database of Science, Technology and Innovation Policy November 2013

3rd Policy-Oriented Research Group

National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP) Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)

Japan

本資料は、株式会社三菱総合研究所への2012年度の委託により得られた結果、及び、一橋 大学イノベーション研究センターの協力を得て科学技術・学術政策研究所が検討した結果につ いて取りまとめたものです。

本資料の引用を行う際には、出典を明記願います。

(3)

科学技術イノベーション政策における重要施策データベースの構築

文部科学省 科学技術・学術政策研究所 第 3 調査研究グループ

要旨

科学技術イノベーションに関する政策立案や政策研究に資するために、科学技術イノベーション における「政策のための科学」のためのデータ・情報基盤の一部として、科学技術白書等を活用し、

科学技術イノベーション政策における重要施策データベースを作成した。

Construction of Database of Science, Technology and Innovation Policy

3rd Policy-Oriented Research Group, National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP) , Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT) ABSTRACT

As part of the MEXT's project to promote the "Science of Science, Technology and Innovation Policy”, NISTEP constructed a database of Science, Technology and Innovation Policy, in order to contribute to policy-making and policy studies for Science, Technology and Innovation.

(4)

目 次

1. 本調査の目的と方法... 1

1.1 調査の目的と概要... 1

1.2 調査の実施方法... 1

1.2.1 重要施策データベースの情報源... 1

1.2.2 重要施策の構造化... 1

1.2.3 重要施策の対象... 4

1.2.4 重要施策データベースの構成... 4

1.2.5 有識者による査読... 6

1.3 実施体制... 6

2. 科学技術推進体制... 7

2.1 科学技術会議... 7

2.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 7

2.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 7

2.2 科学技術政策に関連する予算の総額... 22

2.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 22

2.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 25

2.3 行政体制... 34

2.3.1 通史・概説(データベース作成者による)... 34

2.3.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 35

2.4 国立試験研究機関、研究開発法人等... 43

2.4.1 通史・概説(データベース作成者による)... 43

2.4.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 43

2.5 大学... 50

2.5.1 通史・概説(データベース作成者による)... 50

2.5.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 50

2.6 日本学術会議及び学協会... 58

2.6.1 通史・概説(データベース作成者による)... 58

2.6.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 58

3. 重点研究開発の推進... 62

3.1 分野の戦略... 62

3.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 62

3.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 63

3.2 ライフサイエンス... 69

3.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 69

3.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 69

3.3 情報通信・電子... 85

3.3.1 通史・概説(データベース作成者による)... 85

(5)

目 次

1. 本調査の目的と方法... 1

1.1 調査の目的と概要... 1

1.2 調査の実施方法... 1

1.2.1 重要施策データベースの情報源... 1

1.2.2 重要施策の構造化... 1

1.2.3 重要施策の対象... 4

1.2.4 重要施策データベースの構成... 4

1.2.5 有識者による査読... 6

1.3 実施体制... 6

2. 科学技術推進体制... 7

2.1 科学技術会議... 7

2.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 7

2.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 7

2.2 科学技術政策に関連する予算の総額... 22

2.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 22

2.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 25

2.3 行政体制... 34

2.3.1 通史・概説(データベース作成者による)... 34

2.3.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 35

2.4 国立試験研究機関、研究開発法人等... 43

2.4.1 通史・概説(データベース作成者による)... 43

2.4.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 43

2.5 大学... 50

2.5.1 通史・概説(データベース作成者による)... 50

2.5.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 50

2.6 日本学術会議及び学協会... 58

2.6.1 通史・概説(データベース作成者による)... 58

2.6.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 58

3. 重点研究開発の推進... 62

3.1 分野の戦略... 62

3.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 62

3.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 63

3.2 ライフサイエンス... 69

3.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 69

3.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 69

3.3 情報通信・電子... 85

3.3.1 通史・概説(データベース作成者による)... 85

(6)

3.3.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 85

3.4 環境... 101

3.4.1 通史・概説(データベース作成者による)... 101

3.4.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 102

3.5 ナノテク・材料... 121

3.5.1 通史・概説(データベース作成者による)... 121

3.5.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 121

3.6 エネルギー... 129

3.6.1 通史・概説(データベース作成者による)... 129

3.6.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 129

3.7 製造技術... 160

3.7.1 通史・概説(データベース作成者による)... 160

3.7.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 160

3.8 社会基盤、安全・安心... 167

3.8.1 通史・概説(データベース作成者による)... 167

3.8.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 167

3.9 宇宙・航空... 184

3.9.1 通史・概説(データベース作成者による)... 184

3.9.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 184

3.10海洋... 201

3.10.1 通史・概説(データベース作成者による)... 201

3.10.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 201

3.11横断的分野の枠組... 212

3.11.1 通史・概説(データベース作成者による)... 212

3.11.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 212

3.12ソフトサイエンス、テクノロジー・アセスメント、政策研究... 219

3.12.1 通史・概説(データベース作成者による)... 219

3.12.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 219

4. 科学技術システム改革... 228

4.1 科学技術人材... 228

4.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 228

4.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 228

4.2 産学官連携、技術移転、研究成果の事業化... 255

4.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 255

4.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 255

4.3 公的研究開発... 275

4.3.1 通史・概説(データベース作成者による)... 275

4.3.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 275

4.4 民間助成... 285

4.4.1 通史・概説(データベース作成者による)... 285

4.4.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 285

4.5 情報基盤... 298

4.5.1 通史・概説(データベース作成者による)... 298

4.5.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 298

4.6 知的財産... 309

4.6.1 通史・概説(データベース作成者による)... 309

4.6.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 309

4.7 標準化... 319

4.7.1 通史・概説(データベース作成者による)... 319

4.7.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 319

4.8 地域における科学技術の振興... 326

4.8.1 通史・概説(データベース作成者による)... 326

4.8.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 326

4.9 施設・大型設備... 343

4.9.1 通史・概説(データベース作成者による)... 343

4.9.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 343

4.10知的基盤... 349

4.10.1 通史・概説(データベース作成者による)... 349

4.10.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 349

4.11評価システムの改革... 356

4.11.1 通史・概説(データベース作成者による)... 356

4.11.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 356

4.12制度運用改善... 359

4.12.1 通史・概説(データベース作成者による)... 359

4.12.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 359

4.13国際協力... 363

4.13.1 通史・概説(データベース作成者による)... 363

4.13.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 363

5. 科学技術と社会... 408

5.1 法的倫理的社会的課題への対応... 408

5.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 408

5.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 408

5.2 科学技術コミュニケーション... 413

5.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 413

5.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 413

(7)

3.3.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 85

3.4 環境... 101

3.4.1 通史・概説(データベース作成者による)... 101

3.4.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 102

3.5 ナノテク・材料... 121

3.5.1 通史・概説(データベース作成者による)... 121

3.5.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 121

3.6 エネルギー... 129

3.6.1 通史・概説(データベース作成者による)... 129

3.6.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 129

3.7 製造技術... 160

3.7.1 通史・概説(データベース作成者による)... 160

3.7.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 160

3.8 社会基盤、安全・安心... 167

3.8.1 通史・概説(データベース作成者による)... 167

3.8.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 167

3.9 宇宙・航空... 184

3.9.1 通史・概説(データベース作成者による)... 184

3.9.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 184

3.10海洋... 201

3.10.1 通史・概説(データベース作成者による)... 201

3.10.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 201

3.11横断的分野の枠組... 212

3.11.1 通史・概説(データベース作成者による)... 212

3.11.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 212

3.12ソフトサイエンス、テクノロジー・アセスメント、政策研究... 219

3.12.1 通史・概説(データベース作成者による)... 219

3.12.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 219

4. 科学技術システム改革... 228

4.1 科学技術人材... 228

4.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 228

4.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 228

4.2 産学官連携、技術移転、研究成果の事業化... 255

4.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 255

4.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 255

4.3 公的研究開発... 275

4.3.1 通史・概説(データベース作成者による)... 275

4.3.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 275

4.4 民間助成... 285

4.4.1 通史・概説(データベース作成者による)... 285

4.4.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 285

4.5 情報基盤... 298

4.5.1 通史・概説(データベース作成者による)... 298

4.5.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 298

4.6 知的財産... 309

4.6.1 通史・概説(データベース作成者による)... 309

4.6.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 309

4.7 標準化... 319

4.7.1 通史・概説(データベース作成者による)... 319

4.7.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 319

4.8 地域における科学技術の振興... 326

4.8.1 通史・概説(データベース作成者による)... 326

4.8.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 326

4.9 施設・大型設備... 343

4.9.1 通史・概説(データベース作成者による)... 343

4.9.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 343

4.10知的基盤... 349

4.10.1 通史・概説(データベース作成者による)... 349

4.10.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 349

4.11評価システムの改革... 356

4.11.1 通史・概説(データベース作成者による)... 356

4.11.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 356

4.12制度運用改善... 359

4.12.1 通史・概説(データベース作成者による)... 359

4.12.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 359

4.13国際協力... 363

4.13.1 通史・概説(データベース作成者による)... 363

4.13.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 363

5. 科学技術と社会... 408

5.1 法的倫理的社会的課題への対応... 408

5.1.1 通史・概説(データベース作成者による)... 408

5.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 408

5.2 科学技術コミュニケーション... 413

5.2.1 通史・概説(データベース作成者による)... 413

5.2.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)... 413

(8)

1

1.

本調査の目的と方法

1.1 調査の目的と概要

科学技術イノベーションに関する政策立案や政策研究に資するために、科学技術イノベー ションにおける「政策のための科学」のためのデータ・情報基盤の一部として、重要施策デ ータベースを作成する。具体的には、科学技術白書等の科学技術イノベーション政策に関す る行政情報を基に、科学技術イノベーション政策を構造化したデータベースを作成する。

構造化の方法は、科学技術白書(文部科学省ホームページに掲載)の記載情報を基に、科 学技術イノベーション政策の重要施策を数十程度の施策群に分類し、それぞれの施策群毎に、

施策の系譜、主な事業関連リスト(非予算施策を含む)及び付帯情報を記載する。必要に応 じて、科学技術年報、書籍、ウェブサイト等の公開情報を利用し、情報を補完する。

1.2 調査の実施方法

1.2.1 重要施策データベースの情報源

本業務で作成する重要施策データベースの情報源は、科学技術白書各年版とした。同白書 の最初の発行は、「昭和33年版」であり、その次は「昭和37年版」、「昭和39年版」が発行 されている。昭和39年版以降は、毎年発行されている(但し、年次表記の変更により「昭 和43年版」は存在しない)。近年では、「X年版」が、X+1年度の春夏頃に発行されるサイ クルとなっている。

現在、科学技術白書の全文が、文部科学省のWEBサイトに掲載されている。本文は全て テキストデータになっているが、図表類はスキャンした画像が貼り付けられているものが多 い。テキストデータについては、「なった」とすべきところが「なつた」(「つ」が大きい)

と表記されているような場合も多い。また、部分的に、誤変換が混じっている(これらにつ いては、適宜、修正してデータベースに記載した)。

近年の科学技術白書は、第1部が現状分析編、第2部が「科学技術の振興に関して講じた 施策」として構成されており第2部の記述から重要施策を抽出することとした。しかし、昭 和42年版白書までは、現状分析編と政策編が明確に分離されていないことから、関連施策 の記載箇所を洗い出して、拾うこととした。

1.2.2 重要施策の構造化

重要施策についての構造化は、次のように行った。まず、過去の科学技術白書の政策編の 目次立てを、昭和45年版から現在に至るまで数年おきにリストアップした。白書の目次立 は、時代とともに変遷しており、一定でないが、関連する内容を時系列的につなぎ、過去か ら現在に至るまで通用すると思われる、施策分類案(40件弱)を作成した。

この施策分類案をもとにして、施策分類ごとの施策を抽出する作業を行うことともに、施 策分類について、科学技術政策研究所及び有識者とともに議論を行った。

その結果として、最終的に、表1-1のような33の分類を設定した。本業務開始時点にお いては、50 程度の施策群になることを想定していたが、項目の括り方について吟味したと

(9)

1

1.

本調査の目的と方法

1.1 調査の目的と概要

科学技術イノベーションに関する政策立案や政策研究に資するために、科学技術イノベー ションにおける「政策のための科学」のためのデータ・情報基盤の一部として、重要施策デ ータベースを作成する。具体的には、科学技術白書等の科学技術イノベーション政策に関す る行政情報を基に、科学技術イノベーション政策を構造化したデータベースを作成する。

構造化の方法は、科学技術白書(文部科学省ホームページに掲載)の記載情報を基に、科 学技術イノベーション政策の重要施策を数十程度の施策群に分類し、それぞれの施策群毎に、

施策の系譜、主な事業関連リスト(非予算施策を含む)及び付帯情報を記載する。必要に応 じて、科学技術年報、書籍、ウェブサイト等の公開情報を利用し、情報を補完する。

1.2 調査の実施方法

1.2.1 重要施策データベースの情報源

本業務で作成する重要施策データベースの情報源は、科学技術白書各年版とした。同白書 の最初の発行は、「昭和33年版」であり、その次は「昭和37年版」、「昭和39年版」が発行 されている。昭和39年版以降は、毎年発行されている(但し、年次表記の変更により「昭 和43年版」は存在しない)。近年では、「X年版」が、X+1年度の春夏頃に発行されるサイ クルとなっている。

現在、科学技術白書の全文が、文部科学省のWEBサイトに掲載されている。本文は全て テキストデータになっているが、図表類はスキャンした画像が貼り付けられているものが多 い。テキストデータについては、「なった」とすべきところが「なつた」(「つ」が大きい)

と表記されているような場合も多い。また、部分的に、誤変換が混じっている(これらにつ いては、適宜、修正してデータベースに記載した)。

近年の科学技術白書は、第1部が現状分析編、第2部が「科学技術の振興に関して講じた 施策」として構成されており第2部の記述から重要施策を抽出することとした。しかし、昭 和42年版白書までは、現状分析編と政策編が明確に分離されていないことから、関連施策 の記載箇所を洗い出して、拾うこととした。

1.2.2 重要施策の構造化

重要施策についての構造化は、次のように行った。まず、過去の科学技術白書の政策編の 目次立てを、昭和45年版から現在に至るまで数年おきにリストアップした。白書の目次立 は、時代とともに変遷しており、一定でないが、関連する内容を時系列的につなぎ、過去か ら現在に至るまで通用すると思われる、施策分類案(40件弱)を作成した。

この施策分類案をもとにして、施策分類ごとの施策を抽出する作業を行うことともに、施 策分類について、科学技術政策研究所及び有識者とともに議論を行った。

その結果として、最終的に、表1-1のような33の分類を設定した。本業務開始時点にお いては、50 程度の施策群になることを想定していたが、項目の括り方について吟味したと

(10)

2 ころ、結果的に33となった。

設定の考え方は、次の通りである。

科学技術政策の大分類として、科学技術の推進体制等に関わる「基本政策」、研究開 発の分野についての「重点研究開発の推進」、科学技術の構造的な改善のための「科 学技術システム改革」、さらに「科学技術と社会」の4つを設けた。

2.重点研究開発の推進」については、科学技術政策における重点分野等を位置づけ る「分野の戦略」のほか、分野別の戦略や施策について記載した。分野の区分は、第 2期・第3期科学技術基本計画における8分野を基準として、一部、区分を追加して 12 区分とした。過去のほとんどの時期の施策の分類は、この分類に近く、整理がス ムーズであるためである。

なお、「宇宙」、「海洋」は、第2期・第3期基本計画では、「フロンティア」分野に位 置づけられているが、フロンティア分野という括りの歴史は短く、また、フロンティ ア分野の中においても、「宇宙」、「海洋」はそれぞれ比較的独立に記載されていたの で、「宇宙」、「海洋」という区分を残すことが妥当と判断した。第4期科学技術基本 計画に準拠した平成24年版白書では、「グリーンイノベーション」、「ライフイノベー ション」の2大分野の中に、それ以前の様々な分野が複合的に入っているが、内容を 吟味した上で、記載事項を12区分に分けて整理した。

「科学技術システム改革」は、第2期・第3期基本計画以降で、システム改革として 取り上げられている施策、国際関係施策を対象とし、13 分類を行った。分類の括り は、無理なく、一括りに記述できる単位とした。例えば、「産学官連携、技術移転、

研究成果の事業化」には、産学共同研究、TLO など様々な施策を含み、ボリューム も大きいが、相互に独立させて記述することが困難なため、同じ項目として整理した。

3

1-1 科学技術施策の分類

大分類 中分類 備考

1. 基本政策 (6)

1.1 科学技術会議

1.2 科学技術政策に関連する予算の総額

1.3 行政体制 機関の設置等

1.4 国立試験研究機関、研究開発法人等

1.5 大学 多くは、他の項目と重複

1.6 日本学術会議及び学協会 2. 重 点 研 究

開発の推進

12件)

2.1 分野の戦略 重点分野の設定等

2.2 ライフサイエンス 2.3 情報通信・電子 2.4 環境

2.5 ナノテク・材料

2.6 エネルギー 原子力を含む。

2.7 製造技術

2.8 社会基盤、安全・安心

2.9 宇宙・航空 第2期・第3期基本計画 では、フロンティア分野 2.10 海洋

2.11 横断的分野の枠組

2.12 ソフトサイエンス、ソフト系科学技術、

テクノロジー・アセスメント、政策研究

科学技術政策研究を含む

3. 科 学 技 術 システム改革

13件)

3.1 科学技術人材

3.2 産学官連携、技術移転、研究成果の事業化

3.3 公的研究開発 競争的資金を含む

3.4 民間助成 補助金、税制措置等

3.5 情報基盤 3.6 知的財産 3.7 標準化

3.8 地域における科学技術の振興 3.9 施設・大型設備

3.10 知的基盤

3.11 評価システムの改善 3.12 制度運用の改善 3.13 国際協力 4. 科学技術

と社会(2件)

4.1 法的・倫理的・社会的課題への対応

4.2 科学技術コミュニケーション 「普及啓発」を含む

(11)

2 ころ、結果的に33となった。

設定の考え方は、次の通りである。

科学技術政策の大分類として、科学技術の推進体制等に関わる「基本政策」、研究開 発の分野についての「重点研究開発の推進」、科学技術の構造的な改善のための「科 学技術システム改革」、さらに「科学技術と社会」の4つを設けた。

2.重点研究開発の推進」については、科学技術政策における重点分野等を位置づけ る「分野の戦略」のほか、分野別の戦略や施策について記載した。分野の区分は、第 2期・第3期科学技術基本計画における8分野を基準として、一部、区分を追加して 12 区分とした。過去のほとんどの時期の施策の分類は、この分類に近く、整理がス ムーズであるためである。

なお、「宇宙」、「海洋」は、第2期・第3期基本計画では、「フロンティア」分野に位 置づけられているが、フロンティア分野という括りの歴史は短く、また、フロンティ ア分野の中においても、「宇宙」、「海洋」はそれぞれ比較的独立に記載されていたの で、「宇宙」、「海洋」という区分を残すことが妥当と判断した。第4期科学技術基本 計画に準拠した平成24年版白書では、「グリーンイノベーション」、「ライフイノベー ション」の2大分野の中に、それ以前の様々な分野が複合的に入っているが、内容を 吟味した上で、記載事項を12区分に分けて整理した。

「科学技術システム改革」は、第2期・第3期基本計画以降で、システム改革として 取り上げられている施策、国際関係施策を対象とし、13 分類を行った。分類の括り は、無理なく、一括りに記述できる単位とした。例えば、「産学官連携、技術移転、

研究成果の事業化」には、産学共同研究、TLO など様々な施策を含み、ボリューム も大きいが、相互に独立させて記述することが困難なため、同じ項目として整理した。

3

1-1 科学技術施策の分類

大分類 中分類 備考

1. 基本政策 (6)

1.1 科学技術会議

1.2 科学技術政策に関連する予算の総額

1.3 行政体制 機関の設置等

1.4 国立試験研究機関、研究開発法人等

1.5 大学 多くは、他の項目と重複

1.6 日本学術会議及び学協会 2. 重 点 研 究

開発の推進

12件)

2.1 分野の戦略 重点分野の設定等

2.2 ライフサイエンス 2.3 情報通信・電子 2.4 環境

2.5 ナノテク・材料

2.6 エネルギー 原子力を含む。

2.7 製造技術

2.8 社会基盤、安全・安心

2.9 宇宙・航空 第2期・第3期基本計画 では、フロンティア分野 2.10 海洋

2.11 横断的分野の枠組

2.12 ソフトサイエンス、ソフト系科学技術、

テクノロジー・アセスメント、政策研究

科学技術政策研究を含む

3. 科 学 技 術 システム改革

13件)

3.1 科学技術人材

3.2 産学官連携、技術移転、研究成果の事業化

3.3 公的研究開発 競争的資金を含む

3.4 民間助成 補助金、税制措置等

3.5 情報基盤 3.6 知的財産 3.7 標準化

3.8 地域における科学技術の振興 3.9 施設・大型設備

3.10 知的基盤

3.11 評価システムの改善 3.12 制度運用の改善 3.13 国際協力 4. 科学技術

と社会(2件)

4.1 法的・倫理的・社会的課題への対応

4.2 科学技術コミュニケーション 「普及啓発」を含む

(12)

1.2.3 重要施策の対象

重要施策として含めるものは、

対象分野で影響力が大きい計画の策定・改正

法令や制度の制定・改正

国の機関の設立・大きな部局の新設

研究のパッケージとしての事業(××プロジェクト、××プログラムといったよ うに名称は統一されていない)

個別研究課題の中でも、ある施策群の中で先駆けとなる意義を持つもの(例:ナ ノテクノロジーの安全性研究)

などとする。この場合、重要施策の中には、制度改正、戦略策定等が含まれ、「○○事業の 予算が××億円」といったような形で、施策と予算とが直接リンクするケースはそれほど多 くないことに留意が必要である。

一方、以下のようなものは、重要施策には含めないこととする。

個別の研究課題

個別機関の設置(上記に含むもの以外)

国際会議等への出席

1.2.4 重要施策データベースの構成

重要施策データベースは、以下の2点より構成することとした。

(1) 年史編(Wordによる文章)

過去の施策の位置づけや背景を理解するには、施策に対する用語説明だけでは難しい面が ある。すなわち、ある分野の施策展開には、歴史的な背景や流れがあり、それらを理解しな いと、施策の狙い、位置づけなどを理解しにくいのである。

そこで、科学技術白書の記載をもとに、34 の施策分野ごとに、通史的な記述を行う「年 史編」を作成した。年史編は、次の2つからなる。

1)通史・概説(データベース作成者による)

当該分野の歴史的な流れを、半ページから1ページ程度で概説する。

2)施策の変遷(科学技術白書の記述による)

データベース作成者による文章は排除し、科学技術白書の原文を活かす形で、施策に関す る説明文章を、時系列的に列挙する。白書における施策の記述は、同じ文章が数年間にわた り記載されている場合が多いが、その場合、毎年度、同じ文章を記載することを避け、新た な施策が登場した場合のみ、記載を追加する。

記載については、それぞれの文章ごとに、【白書○○年版1-2-3-4】というように、出典を 示す。この場合、「1-2-3-4」は、白書の目次の階層を示す。例えば、「第1部 第2章 第3 節 4.」を、「1-2-3-4」と表記する。

なお、科学技術白書の原文そのままでは、意味がわからない場合、読みにくい場合がある ので、そうした場合には、最低限の範囲で、言葉を補う。年史としての読みやすさを確保す るのため、この場合、引用符を付けたり、「(中略)」といった表記は行わない。

1-2 科学技術白書原文から抽出する補足例

白書原文 → → 年史編における記載

○ ○ 省 で は 、・ ・ ・ を 行 っ て い る。・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・

××を行っている。(主語がない文章)

○○省は、××を行っている。【主語を補 って文章を簡潔に記載】

○○省では、・・をするとともに、・・について は・・、また、・・××事業を開始している。

○○省は、・・××事業を開始している。

【不要な字句を省略して記載】

重要施策を考えられる事業等には、マーカーを付する。マーカーを付した施策については、

次のデータベース編の対象とする。

(2) データベース編(Excelによる表)

年史で、マーカーを付した施策について、Excelでデータベースを作成する。データベー スの構成は、以下のようにする。

施策分類(大分類、中分類)

主要事業(事業名称)

区分(事業、法令等の別)

出典

実施期間(開始年度、備考)

事業概要(事業の説明文)

このうち、「区分」については、以下のように、「法令」、「戦略・計画」、「組織」、「事業・

制度」、「会合・イベント」の5つの分類を設けて、データベースに記載をしている。

1-3 重要施策の「区分」の仕方

区分 説明 該当例

法令(制定・改正) 条約、協定、国際合意を含む 研究交流法の制定、日米原子力協定

戦略・計画 「計画」文書のほか、実質的に 戦略的な文書となっている「報 告書」を含む。

科学技術基本計画 科学技術会議の答申 等

組織 機関の設置や、大規模な部局の 設置を含む。

科学技術振興機構の設置、 審議会 の設置 等

事業・制度 政策プログラムとみなせるも の。

再生医療の実現化プロジェクト、も のづくり技術者育成支援事業 等 会合・イベント 国際会議の開催、産学官連携の

ための会議等

IAEA への加盟、産学官連携サミッ ト

(13)

1.2.3 重要施策の対象

重要施策として含めるものは、

対象分野で影響力が大きい計画の策定・改正

法令や制度の制定・改正

国の機関の設立・大きな部局の新設

研究のパッケージとしての事業(××プロジェクト、××プログラムといったよ うに名称は統一されていない)

個別研究課題の中でも、ある施策群の中で先駆けとなる意義を持つもの(例:ナ ノテクノロジーの安全性研究)

などとする。この場合、重要施策の中には、制度改正、戦略策定等が含まれ、「○○事業の 予算が××億円」といったような形で、施策と予算とが直接リンクするケースはそれほど多 くないことに留意が必要である。

一方、以下のようなものは、重要施策には含めないこととする。

個別の研究課題

個別機関の設置(上記に含むもの以外)

国際会議等への出席

1.2.4 重要施策データベースの構成

重要施策データベースは、以下の2点より構成することとした。

(1) 年史編(Wordによる文章)

過去の施策の位置づけや背景を理解するには、施策に対する用語説明だけでは難しい面が ある。すなわち、ある分野の施策展開には、歴史的な背景や流れがあり、それらを理解しな いと、施策の狙い、位置づけなどを理解しにくいのである。

そこで、科学技術白書の記載をもとに、34 の施策分野ごとに、通史的な記述を行う「年 史編」を作成した。年史編は、次の2つからなる。

1)通史・概説(データベース作成者による)

当該分野の歴史的な流れを、半ページから1ページ程度で概説する。

2)施策の変遷(科学技術白書の記述による)

データベース作成者による文章は排除し、科学技術白書の原文を活かす形で、施策に関す る説明文章を、時系列的に列挙する。白書における施策の記述は、同じ文章が数年間にわた り記載されている場合が多いが、その場合、毎年度、同じ文章を記載することを避け、新た な施策が登場した場合のみ、記載を追加する。

記載については、それぞれの文章ごとに、【白書○○年版1-2-3-4】というように、出典を 示す。この場合、「1-2-3-4」は、白書の目次の階層を示す。例えば、「第1部 第2章 第3 節 4.」を、「1-2-3-4」と表記する。

なお、科学技術白書の原文そのままでは、意味がわからない場合、読みにくい場合がある ので、そうした場合には、最低限の範囲で、言葉を補う。年史としての読みやすさを確保す るのため、この場合、引用符を付けたり、「(中略)」といった表記は行わない。

1-2 科学技術白書原文から抽出する補足例

白書原文 → → 年史編における記載

○ ○ 省 で は 、・ ・ ・ を 行 っ て い る。・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・

××を行っている。(主語がない文章)

○○省は、××を行っている。【主語を補 って文章を簡潔に記載】

○○省では、・・をするとともに、・・について は・・、また、・・××事業を開始している。

○○省は、・・××事業を開始している。

【不要な字句を省略して記載】

重要施策を考えられる事業等には、マーカーを付する。マーカーを付した施策については、

次のデータベース編の対象とする。

(2) データベース編(Excelによる表)

年史で、マーカーを付した施策について、Excelでデータベースを作成する。データベー スの構成は、以下のようにする。

施策分類(大分類、中分類)

主要事業(事業名称)

区分(事業、法令等の別)

出典

実施期間(開始年度、備考)

事業概要(事業の説明文)

このうち、「区分」については、以下のように、「法令」、「戦略・計画」、「組織」、「事業・

制度」、「会合・イベント」の5つの分類を設けて、データベースに記載をしている。

1-3 重要施策の「区分」の仕方

区分 説明 該当例

法令(制定・改正) 条約、協定、国際合意を含む 研究交流法の制定、日米原子力協定

戦略・計画 「計画」文書のほか、実質的に 戦略的な文書となっている「報 告書」を含む。

科学技術基本計画 科学技術会議の答申 等

組織 機関の設置や、大規模な部局の 設置を含む。

科学技術振興機構の設置、 審議会 の設置 等

事業・制度 政策プログラムとみなせるも の。

再生医療の実現化プロジェクト、も のづくり技術者育成支援事業 等 会合・イベント 国際会議の開催、産学官連携の

ための会議等

IAEA への加盟、産学官連携サミッ ト

(14)

1.2.5 有識者による査読

科学技術行政に広い知見を有する下田隆二客員研究官(東京工業大学)、赤池伸一客員研 究官(一橋大学)が査読を行い、重要施策の特定や記述の修正等を行った。

1.3 実施体制

本事業は以下の体制で実施した。

細野光章 第3調査研究グループ 上席研究官(主担当)

赤池伸一 一橋大学イノベーション研究センター 教授 第3調査研究グループ 客員研究官(副担当)

下田隆二 東京工業大学統合研究院 教授

3調査研究グループ 客員研究官(査読)

藤田健一 第3調査研究グループ 総括上席研究官(平成20128月まで)

坂下鈴鹿 第3調査研究グループ 総括上席研究官(平成20129月より)

富澤宏之 科学技術・学術基盤調査研究室 室長

【委託先】

吉村哲哉 株式会社三菱総合研究所 戦略コンサルティング本部 主任研究員(主担当)

高谷徹 株式会社三菱総合研究所 科学技術・安全研究本部 主任研究員 井上彰太 株式会社三菱総合研究所 環境・エネルギー研究本部 研究員

2.

科学技術推進体制

2.1 科学技術会議

2.1.1 通史・概説(データベース作成者による)

昭和31年、各省庁間の科学技術行政の総合調整を主たる任務とする科学技術庁が設置さ れた。しかし、大学における研究に係る事項はその行政対象から除外されていた。

昭和34年には、科学技術会議が設置された。同会議は、関係行政機関の施策の総合調整 を行なう必要がある場合に、科学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策や長期的かつ総 合的な研究目標の設定などについて審議答申するための総理大臣の諮問機関であって、大学 における研究に係る事項をも審議の対象とすることとされた。同会議は、諮問に対する答申 に加え、昭和397月に新たに内閣総理大臣に対して意見具申を行う権限を付与された。

科学技術会議は、科学技術政策の基本方策について諮問するとともに、研究開発分野別にも 諮問・意見具申を行ってきた。

昭和56年度予算では、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務の総合推進調整に用い る科学技術振興調整費が新設された。科学技術振興調整費は、平成131月の総合科学技 術会議の発足にあわせて横断的な科学技術システム改革や先導的・試行的な研究の推進等を 基本方針とするように見直された。

なお、昭和4012月、科学技術会議は、わが国の科学技術水準の画期的な向上を図るた めには、国の科学技術に関する責務を明らかにするとともに、国の行なうべき科学技術に関 する施策の方向を示すなど、科学技術を振興するための統一的指針が必要であるとの認識の もとに、科学技術基本法案要綱を添えて科学技術基本法を制定すべきであるとの答申を行な っていたが、法制定が実現しなかった経緯がある。

その30年後、平成711月に科学技術基本法が成立し、同法の規定により政府は科学 技術基本計画の策定を義務付けられ、また、その策定に当たっては、あらかじめ、科学技術 会議の議を経ることとされた。

平成131月の省庁再編に伴い科学技術会議は廃止され、総合科学技術会議が内閣府設 置法(平成11年法律第89)に基づき、「重要政策に関する会議」のひとつとして内閣府に 設置された。その発足当初は議長である内閣総理大臣の出席の下に原則月1回開催されてい た。また、その策定過程が省庁再編期にあたった第2期の科学技術基本計画は、平成1212月の科学技術会議による「科学技術基本計画について」に対する答申を踏まえて行われ た平成133月の総合科学技術会議による答申を受けて閣議決定されている。

平成14年度科学技術関係予算の編成に当たっては、総合科学技術会議が精査を行い、平 成14年度予算編成に当たって配慮すべき点を「平成14年度科学技術関係予算の編成に向 けて(意見)」としてまとめて、内閣総理大臣及び関係大臣に向けて意見具申をした。

2.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)

(1) 科学技術会議の体制

ここ数年の動きとしては、特に昭和34年科学技術会議が設置された意義は大きい。

(15)

1.2.5 有識者による査読

科学技術行政に広い知見を有する下田隆二客員研究官(東京工業大学)、赤池伸一客員研 究官(一橋大学)が査読を行い、重要施策の特定や記述の修正等を行った。

1.3 実施体制

本事業は以下の体制で実施した。

細野光章 第3調査研究グループ 上席研究官(主担当)

赤池伸一 一橋大学イノベーション研究センター 教授 第3調査研究グループ 客員研究官(副担当)

下田隆二 東京工業大学統合研究院 教授

3調査研究グループ 客員研究官(査読)

藤田健一 第3調査研究グループ 総括上席研究官(平成20128月まで)

坂下鈴鹿 第3調査研究グループ 総括上席研究官(平成20129月より)

富澤宏之 科学技術・学術基盤調査研究室 室長

【委託先】

吉村哲哉 株式会社三菱総合研究所 戦略コンサルティング本部 主任研究員(主担当)

高谷徹 株式会社三菱総合研究所 科学技術・安全研究本部 主任研究員 井上彰太 株式会社三菱総合研究所 環境・エネルギー研究本部 研究員

2.

科学技術推進体制

2.1 科学技術会議

2.1.1 通史・概説(データベース作成者による)

昭和31年、各省庁間の科学技術行政の総合調整を主たる任務とする科学技術庁が設置さ れた。しかし、大学における研究に係る事項はその行政対象から除外されていた。

昭和34年には、科学技術会議が設置された。同会議は、関係行政機関の施策の総合調整 を行なう必要がある場合に、科学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策や長期的かつ総 合的な研究目標の設定などについて審議答申するための総理大臣の諮問機関であって、大学 における研究に係る事項をも審議の対象とすることとされた。同会議は、諮問に対する答申 に加え、昭和397月に新たに内閣総理大臣に対して意見具申を行う権限を付与された。

科学技術会議は、科学技術政策の基本方策について諮問するとともに、研究開発分野別にも 諮問・意見具申を行ってきた。

昭和56年度予算では、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務の総合推進調整に用い る科学技術振興調整費が新設された。科学技術振興調整費は、平成131月の総合科学技 術会議の発足にあわせて横断的な科学技術システム改革や先導的・試行的な研究の推進等を 基本方針とするように見直された。

なお、昭和4012月、科学技術会議は、わが国の科学技術水準の画期的な向上を図るた めには、国の科学技術に関する責務を明らかにするとともに、国の行なうべき科学技術に関 する施策の方向を示すなど、科学技術を振興するための統一的指針が必要であるとの認識の もとに、科学技術基本法案要綱を添えて科学技術基本法を制定すべきであるとの答申を行な っていたが、法制定が実現しなかった経緯がある。

その30年後、平成711月に科学技術基本法が成立し、同法の規定により政府は科学 技術基本計画の策定を義務付けられ、また、その策定に当たっては、あらかじめ、科学技術 会議の議を経ることとされた。

平成131月の省庁再編に伴い科学技術会議は廃止され、総合科学技術会議が内閣府設 置法(平成11年法律第89)に基づき、「重要政策に関する会議」のひとつとして内閣府に 設置された。その発足当初は議長である内閣総理大臣の出席の下に原則月1回開催されてい た。また、その策定過程が省庁再編期にあたった第2期の科学技術基本計画は、平成1212月の科学技術会議による「科学技術基本計画について」に対する答申を踏まえて行われ た平成133月の総合科学技術会議による答申を受けて閣議決定されている。

平成14年度科学技術関係予算の編成に当たっては、総合科学技術会議が精査を行い、平 成14年度予算編成に当たって配慮すべき点を「平成14 年度科学技術関係予算の編成に向 けて(意見)」としてまとめて、内閣総理大臣及び関係大臣に向けて意見具申をした。

2.1.2 施策の変遷(科学技術白書の記述による)

(1) 科学技術会議の体制

ここ数年の動きとしては、特に昭和34年科学技術会議が設置された意義は大きい。

(16)

この科学技術会議は、関係行政機関の施策の総合調整を行なう必要がある場合に、科 学技術一般に関する基本的かつ総合的な政策や長期的かつ総合的な研究目標の設定 などについて審議答申するための総理大臣の諮問機関であつて、大学における研究に 係る事項をも審議の対象とする。これに対し科学技術庁(昭和 31 年設置)は、各省庁 間の科学技術行政の総合調整を主たる任務としているが、大学における研究に係る事 項は行政対象から除外されている。昭和36年に科学技術会議の学識経験者議員2名 が増員されたので、日本学術会議会長を含み、学識経験者議員は6名となり、法定の 閣僚議員5名を越すことになつた【昭和37年版白書2-4-2】。

内閣総理大臣の諮問機関である科学技術会議は、諮問に対する答申に加え、昭和 397月に新たに内閣総理大臣に対して意見具申を行なう権限を付与された【昭和411-6

科学技術会議は、昭和487月、従来の第1~第4部会を改組し、科学技術一般に 関する基本的かつ総合的な政策等を審議する総合部会、研究目標部会、ライフサイエ ンス部会及びエネルギー科学技術部会を設置した【昭和49年版白書3-4-7】。

平成711月に科学技術基本法が施行されたことに伴い、政府は科学技術基本計画 を策定するに当たっては、あらかじめ、科学技術会議の議を経た上で策定することと なった【平成8年版白書3-2-2】。

平成118月に政策委員会に科学技術目標、知的基盤、研究システム、産業技術の 4つのワーキンググループを設置し、平成122月にその結果をまとめ、さらに、

同年324日、科学技術会議本会議が開催され、内閣総理大臣より次期基本計画の 検討について諮問が行われた【平成12年版白書3-1-2-1】。

1期科学技術基本計画については、計画対象期間の最終年度を迎え、新たな政策展 開を見据えた検討を行うため、平成118月に政策委員会に科学技術目標、知的基 盤、研究システム、産業技術の4つのワーキンググループを設置し、平成122月 にその結果をまとめた【平成13年版白書3-1-1】。

これまで科学技術振興に大きな役割を果たした科学技術会議であるが、平成131 月の省庁再編に伴い廃止された【平成13年版白書3-1-2】。

世界的に注目を集める研究トピックス、主要国の科学技術政策動向などの科学技術に 関する最新情勢を内閣総理大臣に報告し、機動的かつ的確な科学技術政策運営に資す るため、関係府省の協力を得て、「月例科学技術報告」を行っている【平成13年版白 書3-1-3-2】。

総合科学技術会議は、平成131月、内閣府設置法(平成11年法律第89)に基づ き、「重要政策に関する会議」のひとつとして内閣府に設置された【平成14年版白書 3-1-2-1】。

総合科学技術会議は、設置以来、議長たる内閣総理大臣の出席の下、原則毎月1回開 催している【平成14年版白書3-1-2-2】。

総合科学技術会議では、重要事項に関する専門的な知見を迅速に深めるため、総合科 学技術会議の下に、重点分野推進戦略専門調査会、評価専門調査会、科学技術システ ム改革専門調査会、生命倫理専門調査会、日本学術会議の在り方に関する専門委員会 の5つの専門調査会を設置した【平成13年版白書3-1-3-2】。

総合科学技術会議は、平成18年度からの5か年間を対象とする第3期科学技術基本 計画の策定に資するため、平成1610月に、基本政策専門調査会を設置した【平成

17年版白書3-1-2】。

基本政策専門調査会は、平成1612月には内閣総理大臣から諮問「科学技術に関す る基本政策について」を受け、科学技術に関する基本的な政策についての調査・検討 を行っている【平成17年版白書3-1-2】。

平成171227日に内閣総理大臣諮問「科学技術に関する基本政策について」の 答申を行い、それを受け平成18328日に第3期科学技術基本計画が閣議決定さ れた【平成18年版白書3-1-2】。

3期科学技術基本計画の着実な推進を図るべく、平成184月に基本政策推進専 門調査会を設置し、科学技術の諸制度の改革や科学技術連携施策群の今後の進め方等 について調査を行った【平成19年版白書3-1-2-3】。

(2) 総合的戦略に関する決定

内閣総理大臣の諮問機関である科学技術会議は、昭和397月に新たに内閣総理大 臣に対して意見具申を行なう権限を付与されたのに伴い、同年末より、先に答申した 諮問第1号「10年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策について」および 諮問第3号「国立試験研究機関を刷新充実するための方策について」の両諮問事項に ついて、その後の科学技術の急速な進展と経済社会の高度な発展に対処し、新たな観 点から総合的に検討を行ない、昭和45年度までの方策を策定すべく審議検討を進め た【昭和41年版白書1-6】。

昭和4012月に至り、科学技術会議は、わが国の科学技術水準の画期的な向上を図 るためには、国の科学技術に関する責務を明らかにするとともに、国の行なうべき科 学技術に関する施策の方向を示すなど、科学技術を振興するための統一的指針が必要 であるとの認識のもとに、科学技術基本法案要綱を添えて科学技術基本法を制定すべ きであるとの答申を行なった【昭和41年版白書1-6】。

科学技術会議は、学会をはじめ、産業界、関係行政機関等の幅ひろい意見を聞くなど 慎重に審議を行ない、昭和418月、昭和45年度までの方策として「科学技術振興 の総合的基本方策に関する意見」をとりまとめ、これを内閣総理大臣に提出した【昭 和41年版白書1-6】。

科学技術会議は、内閣総理大臣から昭和458月、諮問第5号「1970年代における 総合的科学技術政策の基本について」諮問を受けたが、これは、昭和3510月に行 なわれた「10 年後を目標とする科学技術振興の総合的基本方策について」の答申の 終局を迎えた現在、科学技術の専門化、深化、巨大化、総合化が急速に進行している のみならず、科学技術をとりまく社会的、経済的条件も大きく変化しており、このよ うな情勢に対応して新しい観点のもとに、1970 年代における総合的科学技術政策を 確立する必要があることによるものである【昭和46年版白書3-4-7】。

21回本会議(昭和512)において、科学技術会議は内閣総理大臣より諮問第6 号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」を受け、総合部会、研 究目標部会において審議を重ね、21世紀への長期的展望の下での今後10年間にわた る科学技術政策を取りまとめ、昭和52525(22回本会議)に答申を行った

【昭和52年版白書3-4-7】。

表 2-1  科学技術白書に掲載されている科学技術に関連する予算の名称  白書年次 予算の名称 構成内容 備考 S41 ~ 46 年版 科学技術振興関係費 ・科学技術振興費 ・科学技術振興費以外の研究関 係費 科学技術振興費以外の研究関係費は科学技術庁の試算による。 S47 ~ 53 年版 科学技術関係予算 (同上) S54 ~ 63 年版 同上 ・科学技術振興費及びエネルギー対策費中の研究関係費 ・科学技術振興費及びエネルギ ー対策費中の研究関係費以外の 研究関係費 H1 ~ 3 年 版 同上 ・科学技術
表 2-1  科学技術白書に掲載されている科学技術に関連する予算の名称  白書年次 予算の名称 構成内容 備考 S41 ~ 46 年版 科学技術振興関係費 ・科学技術振興費 ・科学技術振興費以外の研究関 係費 科学技術振興費以外の研究関係費は科学技術庁の試算による。 S47 ~ 53 年版 科学技術関係予算 (同上) S54 ~ 63 年版 同上 ・科学技術振興費及びエネルギー対策費中の研究関係費 ・科学技術振興費及びエネルギ ー対策費中の研究関係費以外の 研究関係費 H1 ~ 3 年 版 同上 ・科学技術

参照

関連したドキュメント

金沢大学大学院 自然科学研 究科 Graduate School of Natural Science and Technology, Kanazawa University, Kakuma, Kanazawa 920-1192, Japan 金沢大学理学部地球学科 Department

Hong Kong University of Science and Technology 2 9月-12月. 2月-5月

This research was supported by Natural Science Foundation of the Higher Education Institutions of Jiangsu Province (10KJB110003) and Jiangsu Uni- versity of Science and

Arnold This paper deals with recent applications of fractional calculus to dynamical sys- tems in control theory, electrical circuits with fractance, generalized voltage di-

Arnold This paper deals with recent applications of fractional calculus to dynamical sys- tems in control theory, electrical circuits with fractance, generalized voltage di-

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

In the main square of Pilsen, an annual event where people can experience hands-on science and technology demonstrations is held, involving the whole region, with the University

EC における電気通信規制の法と政策(‑!‑...