• 検索結果がありません。

アメ リカにお ける工学系の関与す る同時2 学位授与

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "アメ リカにお ける工学系の関与す る同時2 学位授与"

Copied!
22
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

学位研 究 第 1 0号 平成 1 1 年 6 月 ( 論文) [ 学位授 与機構研究紀要]

アメ リカにお ける工学系の関与す る同時2 学位授与

Si mul t a ne ousAwa r dofTwoDe gr e esRe l a t i ngt oEngi ne e r l ngi nt heUni t e dSt a t es

斎藤 安俊 Ya s u t o s hiS AI TO

Re s e a r c hi nAc a de mi cDe gr e e s ,No. 1 0 ( J u n e ,1 9 9 9 ) l t h ea r t i c l e ]

Th eJ o u ma lo fNa t i o n a lI n s t i t u t i o nf わ rAc a d e mi cDe g r e e s

(2)
(3)

アメ リカにお ける工学系の関与す る同時2学位授与

斎藤 安俊*

1 .緒

著者りは さきに,アメ リカ合衆 国にお ける工学系の学位 につ いて,学位 の種類,専攻分野の 名称,授与する学科 または課程な どをい くつかの大学 ごとに分類 し,学位 の種類 と取得要件 と の関係 な どの共通性 と特異性 を検討 したが,その中で,アメ リカの多 くの大学 では2 種 の学位 を同時に,課程 によっては レベル の異なる学位 を授与す ることについても報告 した。 また,わ が国では,学部3 年次か ら " 飛び級"の形 で大学院 に入学 した者 には,大学 を卒業 していない ことか ら,大学は学士の学位 を授与す ることができないことに言及 し,大学 における学部学位 と大学院学位 の同時2 学位 取得 について,わが国で も思い切 って早期 に検討すべきであること を示唆 した。

学校教育法第 6 8 条の 2 によれ ば,大学は大学 を卒業 した者 に対 し学士の学位 を授与す ること になってお り,その学 士の学位 授 与の要件 と して,学位規則 ( 昭和 28 年 4 月 1 日文部省令第 9 号)第2 章第2 条は, 「 大学が, 当該大学 を卒業 した者 に対 し行 うもの とす る」 と規定 している。

その ことか ら,学部3 年次か ら " 飛び級" して大学院 に入学 した者 は,大学は中途退学 した こ とにな り,大学院 を修了 して修士や博士 とい う上級 の学位 を取得す ることがあって も,大学か ら学士の学位 を授与 され ることはないO したがって,飛び級進学者が学士の学位取得 を希望す るな らば,学位授与機構 に申請 し,修得単位 な らびに学修成果 ・試験の審査 を受けることにな る。その場合,学部在学 中に優れた成績 を修 めた ことか ら ,3 年次修 了で大学院に進学 を認 め られ た者 でも,学修成果 ・試験 の結果 によっては,学位授与機構か ら学士の学位 を取得できな い こともあ り得 ることになる。

大学審議会 は,平成 1 0年 1 0月 26 日に行 った答 申 「 21 世紀の大学像 と今後 の改革方策 について 一競争的環境 の中で個性 が輝 く大学 ‑」において, 「 早期卒業 の希望 を持 ち厳格な成績評価 の 下で通常の学生 よ りも多 くの授業科 目を優れた成績で修得できる者 については,大学が適切 と 判断 した場合 には3 年以上4 年未満 の在学での卒業 を認 めることができるよ う法改正 を行 うこと が必要である。」 として,4 年未満 の在学で学部 を卒業できる例外措置の導入 を提言 した。 した がって,近 い将来 に法改正が行われ,学部 を3 年 で卒業 して学士の学位 を当該大学か ら授与 さ れ ることが可能になると思われ る。

*学位授与機構審査研究部教授

‑35‑

(4)

そ こで,本報では, アメ リカの大学 にお し . 、 て,制度化 され た l つ の課程 の学修 に従 って,工 学系の学位 を含む 2 種 の学位 が同時 に同一学生 に授与 され る例 を紹介す るOす でに述べ た よ う にL ) ,同時 2 学位授 与 の 2 種 の学位 と しては, (i)学部学位 と学部学位 , (並) 大学院学位 と大 学院学位 ,な らびに ( i n)学部学位 と大学院学位 とい う組み合わせ があ り,それ らの取得 を 目 指す課程 はCo mbi ne dDe gr e ePr ogr a m,Doubl eDe gr e ePr o gr a m,J oi n t ‑ de gr e ePr ogr a m,Dua lDe gr e e pr ogr a m な どと呼ばれ ている.本報 においては, とくに ( i i i )の学部学位 と大学院学位 とい う

レベル の異なる 2 学位 同時取得 を主眼 としなが ら, (i)〜 ( i i i ) のそれぞれ について説 明す る。

なお,2 学位 を同時 にではな く, 区切 りのつ いた時点 でそれぞれ授与す る課程 も若干含 めてお り,また,一部 につ いては さきの報告 ■

)

と重複す る部分 を,その後 に調査 した大学 の例 に加 え た。

2. 2 種の学部学位

2. 1.リベラルアー ツー工学3+2 年制課程

アメ リカの大学の多 くの工学系学部 は,系列 の, あるいは連携 または認 定 した リベ ラル アー ツ ・カ レッジ( l i b e r a la r t sc ol l e ge ) との間に,3+2 年制 の リベ ラル アー ツー工学課程 とも称 され る共 同課程 を開設 して いる。 この課程 の学生 は,まず リベ ラル アー ツ ・カ レッジに入学 し ,3 年 間はそのカ レッジで学修 して, リベ ラル アー ツ ( l i be r a la r t s ,自由学芸)専攻 のバチ ェラー ・ オブ ・アー ツ ( Ba c he l or of Ar t s ,以下B. A. と記す。) またはバ チ ェラー ・オブ ・サイエ ンス ( Ba c he l ororSc i e nc e ,以 下B. S. と記す。)の学位取得 のための高等普通教 育に関す る要件 ,な ら びに後 に進学す る工学系学部が要求す る授 業科 目に関す る要件 を満 たす。 それ か ら, 目的 とす る大学 の工学系学部 に転学 して ,2 年 間の工学課程 を学修す る。 その結果 , リベ ラル アー ツ ・ カ レッジに入学 してか ら 5 年後 の工学課程 を修 了 した時点で,3 年 間在学 した リベ ラル アー ツ ・ カ レッジか らリベ ラル ・アー ツ専攻 の学位 と してB. A. またはB. S. が, また,2 年 間の工学課程 を学修 した大学 か ら工学専攻 の学位 と してB. S. な どが授 与 され る。 この よ うに して リベ ラル アー ツ と工学 の2 つ の学部学位 が同時に取得 できる課程は," 3 / 2 Li be r a lAr t s a nd Engi ne e r i ng pr ogr a m ( 3 / 2Pr ogr a m)" な どと呼ばれ てい る。以下,い くつ かの大学 にお ける事例 を述べ る。

( 1 ) コロン ビア大学

2)‑4)

ニュー ヨー ク( Ne w Yor k) にあるコロン ビア大学 ( col umbi a Uni ve r s i t y) の工学部 ( Sc hool of Engi n e e r in ga ndAppl i e dSc i e n c e ,SEAS) *は, この課程 を ̀

̀

3 ‑ 2Combi ne dPl a nPr o gr a m , B. A. 侶・ S・ "

と呼び,学内で リベ ラル アー ツ教育 を担 当 しているカ レッジな どを含 めて 9 0 校以上の提携 リベ ラ ル ア ー ツ ・カ レ ッ ジ か らB. A. 学 位 を , ま た , 工 学 部 か らB. S. 学 位 を , 5 年 以 内 に 同時 に授 与 され る とい う機 会 を学生 に与 えてい る。 この課程 の学生 は, リベ ラル アー ツ ・カ レッジで3 年 間に工学進学科 目の学修 を行 うとともに, リベ ラル アー ツの学位 を取得す るた め の要件 を満 た さなけれ ばな らない。 コロン ビア大学 の工学部‑ の進学 は3 年 の終 わ りに行われ

‑3 6‑

(5)

るが,平均成績 ( gr a de ‑ poi nta ve r a ge ,GPA) が 3. 0 またはそれ以上が必要であ り,課程連絡責任 者 の推薦 を受 け,適切な準備 を行 って要件 を満た した学生は進学できると思われ る。

コロンビア大学工学部では,学内部局であるコロンビア ・カ レッジ ( col umbi a Col l e ge ) と普 通教育学部 ( sc hoolofGe ne r a lSt u di e s ) ,な らびにバーナー ド・カ レッジ ( Ba ma r dCol l e ge ) との 間にも,同様な課程 を設 けている。 コロンビア ・カ レッジは普通教育 を担 当 して B. A. 学位 を授 与す る小規模カ レッジである。 また,普通教育学部 は復学学生のためのカ レッジであって,高 校卒業後またはカ レッジ在学 中に少 な くとも1 年 の間,教育 を中断 していた学生に学部教 育を 行 ってお り, さらに, とくに止む を得ない個人的お よび職業上の理 由で,パー トタイムで出席 しなけれ ばな らない よ うな非伝統的学生のためにも役立っている。授与す る学位 は B. A. お よび B. S. である。バーナー ド・カ レッジは,提携女子 カ レッジの1 つ であるが, B. A. の学位授 与が コロン ビア大学 によってな され る。 これ らの課程‑の入学は各カ レッジに出願す る。その上で, 工学進学課程の学生 は,3 年 間当該 カ レッジで学修 し,次の2 年 間は工学部 に通学 して,5 年次 を修了 した時点でB. A. の学位 と工学のB. S. 学位 が授与 され る。

以上の 5 年課程 は, コロンビア大学では 自由選択 であるが,工学部 は リベ ラルアー ツ と純正 科学においてよ り豊かな学識 を備 えることを望むすべての学生には この課程 を勧 めている。 同 様 な課程は,バーナー ド・カ レッジ以外の系列 リベ ラルアー ツ ・カ レッジの学生に とって も選 択が可能である。参考までに, コロンビア ・カ レッジが規定 している工学進学課程の授業科 目

と簡単な内容 を表 1 に示す。 いずれ の大学の相 当課程 で も,おそ らく同様 なカ リキュラムを適 用 しているもの と思われ る。

*コロン ビア大学 において,工学分野の教育 ・研究 を行 っているのは " Sc hool of Engi ne e r i ng a nd Appl i e d Sc i e n c e"である。 アメ リカにはこの よ うな名称の工学系の学部が多 く, これ を直 訳す る と 「 工学 ・応用科学部」, また 日本流 に訳す と 「 工学 ・応用理学部」 となる。一方,わ が国の 「 理 工学部」は,内部 の構成 か ら判断す ると, 「 工学部 +理学部」 ではあるが, どち ら か と言 えば 「 理学部」 を独立 させ るには規模 が小 さいよ うな学部 に使 われ ている。 したがって, Sc hoolofEngi ne e r i nga ndAppl i e dSc i e nc e を 「 理工学部 」 と訳す ことも可能 であると思われ る。

しか しなが ら,わが国で数学,物理学,化学,生物学な ど基礎科学 を担 当す る学科 は理学部 に あるが,アメ リカでは一般 に学芸 ・科学学部 ( col l e geofAr t sa ndSc i e nc e ) に属 している。 この ことと学部内の構成,カ リキュラム,教員の研究内容な どを考慮 して,本報で述べ る大学 につ いては単に 「 工学部」 と訳す ことにす る。

37 ‑

(6)

表 1 コロン ビア ・カ レッジ工学進学課程 のカ リキュラム

学 年 授 業 科 目 (内 容 )

1 年次 ・数学 ( 微積分)

・化学 ( 一般化学,一般化学実験)

・人文科学 ( 西洋文学お よび哲学の代表作)

・体育

・英語 ( 論理学お よび修辞学)

・選択科 目

2 年次 ・数学 ( 微積分)

・物理学 ( 力学 .熱力学入門,電磁気学 .光学入 門)

・現代文明 ( 西洋 にお ける現代文明入 門)

・外 国語

・選択科 目

3年次 ・コンピュー ター科学 ( プ ログラムによ り下記 よ り選択) 計算機プ ログラミング入門

FORT

R

AN 計算機 プ ログラ ミング入門 計算機科学入 門

(コンピュー ター科学, コンピューター工学お よび 電気工学 を専攻す る者 にはJ a va のプログラミング が推奨 され るが,C または C++ で も認 められ るo C またはC+十は生産工学お よびオペ レー シ ョンズ

リサーチを専攻す る者 に推奨 され るo

C , C++ またはJ a va はすべての他 の専攻 に推奨 さ れ るが ,FORTRAN で もよいo)

・数学 ( 常微分方程式)

・物理学 ( 古典お よび量子波動論入 門,実験物理学入門)

・人文科学 ( 西洋芸術 の代表作,西洋音楽の代表作)

・外 国語

・選択科 目

・電気工学を専攻 しよ うとす る学生は3 年次に基礎 回路

138‑

(7)

( 2) ジ ョージ ・ワシン トン大学

5)

ワ シ ン トン (Wa s hi ngt on)D. C . に あ る ジ ョー ジ ・ワ シ ン トン 大 学 ( Ge or ge Wa s hi ngt on Uni ve r s i t y)では, " 3: 2Dua l ‑ De gr e ePr ogr a msCombi ni ngLi be r alAI I sa ndEngi ne e r i ng" と称 して, 工学部 ( sc hoolofEng ine e r i nga ndAppl i e dSci e nc e) が認定校 であるボ ウイ州立大学 ( Bow ieSt a t e Uni ver s i t y) ,ガ ロ‑デ ッ ト大学 ( Gal l a ude tUni ve r s i t y) , フー ド・カ レッジ ( HoodCol l e ge ) ,セ ン

トトーマス ・アキナス ・カ レッジ ( s t .Thoma sAqui nusCol l e ge ) ,な らびにワシン トン ・トリニ ティ ・カ レッジ ( Tr i ni t yCol l e geofWa s hi ngt on,D. C . )との間で, リベ ラルアーツー工学 3+2 年制 課程 を展開 している。学生は,最初は上記提携校 の1 校 で この同時 2 学位課程 に入学 し ,3 年間 は社会科学,人文科学,数学,物理学お よび化学の範囲にまたがる科 目の学修 を行 う。 これ ら の分野は,広い教養の視野,分析能力,そ して コミュニケーシ ョン ・スキル を伸ばすのに役立 つ と考 えられ ている。 次に学生 は,ジ ョー ジ ・ワシン トン大学工学部 の 2 年課程 に進む。 この 学修段階では,工学部の正規 の4 年課程で提供 され る工学または コンピュー ター科学 にお ける 分野のいずれ かを専門 とす ることができる。 ジ ョー ジ ・ワシン トン大学 にお ける 2 年課程 を終 えれば,最初 に入学 した提携校 か ら B. S. または B. A. を,そ してジ ョー ジ ・ワシン トン大学か ら 工学またはコン ピュー ター科学 を専攻分野 とす る B. S. とい う 2 つの学部学位 が授与 され る。

( 3)ペ ンシルベニア大学

'')

ペ ンシルベニア州 フィラデル フィア ( Phi l a del phi a ) にあるペ ンシルベ ニア大学 ( Uni ve r s i t y of Pe nns yl va ni a ) の工学部 ( sc hoolofEng ine e r i nga ndAppl i e dSci e nc e ,SEAS) にお ける "3 / 2Li be r al Ar t sa ndEngi ne e r i ngPr ogr a m" では,まず , 1 4 校 の連携 リベ ラルアーツ ・カ レッジの うちの1 校 に入学 して,学部 と しての学業 を開始す る。 当該 リベ ラル アー ツ ・カ レッジにお ける3 年次の 学修の間に,ペ ンシルベニア大学‑の入学 を志願す ることができるoその後,ペ ンシルベニア 大学工学部で 2 年 間の工学カ リキュラムを履修すれ ば, リベ ラル アー ツ と工学の双方 に重点 を 置いた学修によ り ,5 年間で B. A. お よび B. S. E. ( Ba c he l orofSci e nc ei nEngi ne e r ing) の 2 つの学位 を 取得す ることができる。

( 4) ドレックセル大学

7'

フ ィ ラデ ル フ ィ ア に は , ペ ン シル ベ ニ ア 大 学 に 隣 接 して ドレ ックセ ル 大 学 (Dr e xel Uni ve r s i t y)が あ る。 同大学 は,約 45 マ イル 南 に あ る リンカー ン大学 ( Li nc ol n Uni ve r s i t y, Pe nns yl va ni a ) との間に," Li nc ol nUni ve r s i t y/ Dr e xe 13‑ 3Pl a n" と呼ばれ る課程 を設 けている。学 生は,最初の3 年間は リンカー ン大学に在籍 して, リベ ラル アーツの教科のほか,数学,科学, な らび に関連分 野 の工学進学課程 の科 目を学修す る。 それ か ら ドレックセル 大学 の工学部 ( Col l e geofEngi ne e r i ng) に転学 し ,3 年後 に工学の学位 を取得す る。 この課程は,本節 で述べて いる他 の大学の 3+2 年制課程 に相 当す るが,後半の工学 の学修期間が 3 年 であることは, ドレ ックセル大学が実務 をよ り重視 した大学であることによるものである。すなわち,同大学は, インター ンシ ップや COl 0 Pとい う就業体験8 ) を標準カ リキュラムに組み込んで ,5 年制の学部教

39 ‑

(8)

青に力 を注いでお り, とくに工学部では大部分 の学生が4 年制 よ りも5 年制 を選択す るとい う事 情 にある。

2 つ の学部 学位 を授 与す る課程 で はないが, ドレックセル 大学 の工学部 と学芸 ・科 学学部 ( Col l e geo fAr t sa ndSc i e n c e s ) は,履修期 間を短縮す る促進課程 ( Ac c e l e r a t e dPr o g r a m) を設 けて お り,大いに才能があ り,や る気が十分 な学生 に対 して,本質的には学生 自身 のペースで, 自 らの教育 目標 に向かって進む機会 を与 えている。 この課程 では,主 として学力 ・才能 による上 級 ‑ の ク ラス分 け,試験 に よる単位 , 時間割 作成 の柔軟性 , な らび に 自立 学習 ( i n de p e nd e n t s t u d y ) を通 して,標 準カ リキ ュラムが要求す る5 年 よ りも少 ない期 間で,学部 カ リキュ ラムを 終 え,大学院学修 を始 めることを可能 にす る。 この課程 は,実務 をきわめて重視す る ドレック セル大学 で も, どち らか と言 えば基礎学問向きの学部学生 を対象 に考 えてい るのではないか と 思われ る。

( 5) ピッツバー グ大学

l)9)

ペ ンシルベ ニア州 ピッツバー グ ( Pi t t s b u r gh ) にある ピッツバー グ大学 ( Uni ve r s i t yo fPi

t

t s b u r g) の 工学部 ( schoolofEngi neer i ng) は, 多 くの認 定 リベ ラル アー ツ ・カ レ ッジ との 間 に,

" Co mbi ne dLi b e r a lAr t s ‑ En g in e e r i ng3 / 2Pr o gr a m" と呼ばれ る3+2 年制課程 を設 けている. まず, 学生は リベ ラル アー ツ ・カ レッジに入 学 して ,3 年間 に リベ ラル アー ツの学位 を取得す るため の高等普通教育要件 に加 えて, ピッツバー グ大学工学部 の特定学科 が受入れ に必要 とす る授業 科 目を含 めて,すべての工学課程 に要求 され る重点領域 の特定授業科 目の要件 を満 たす。次い で, リベ ラル アー ツ ・カ レッジの審査委員会の推薦 を受 けて, ピッツバー グ大学工学部への転 学 を願 い出る。 それが受理 された ら,学生 はあ との2 年 間 を工学課程 で学ぶ ことになる。

最後 は,学生 の 申請 に よって, ピッツバー グ大学工学部 にお け る学修歴 が評価 のために 当 該 リベ ラル アー ツ ・カ レッジに送 られ , リベ ラル アー ツ ・カ レッジの方針 に従 って リベ ラル アー ツの学位 が授与 され る。 工学 の学位 は,工学 の要件 が満 た され た時点で ピッツバー グ大学 か ら授与 され る。

2. 2.学 内同時2 学位課程

前節 では,アメ リカの大学 にお ける工学系学部 と系列 の, あるいは連携 また認定 した リベ ラ ル アー ツ ・カ レッジ との間に置かれ てい る, リベ ラル アー ツ‑工学系 の3+2 年制 同時2 学位課 程の例 について述べた。説 明の都合上, コロン ビア大学 については学 内の リベ ラル アー ツ ・カ レッジ との共 同課程 にも言及 したが, この3+2 年制課程 は,一般 に工学系学部が他 の リベ ラル アー ツ ・カ レッジ との間に設 けているものである。それ に対 して,同一 の大学内または学部 内 において も,5 年 間に2 つ の専攻 で学修す る ことに よ り,卒業時 に2 種 の学位 を授 与す る ことも 広 く行 われてい る。以下にい くつかの大学 にお ける事例 を述べ る。

‑40‑

(9)

( 1 )ペ ンシルベニア大学6 )

① 工学部 ‑ ビジネス学部 2 学位課程

工学部 ( SEAS) か ら B. S. E. またはB. A. S. ( Ba c h e l orofAppl i e dSc i e nc e ) のいずれか と, ビジネス 学部 ( wha r t onSc hoolofBus i nes s ) か ら B. S.i nEc onomi cs の2 学位 が同時に取得 できる課程 で,

" SEAS/ Wha r t onDua lDe gr e ePr o gr a m" と呼ばれ る。学生は,ペ ンシルベニア大学で

1

年間の在 学要件 ( r e s i de nc y r e qui r e me n t ) を満 た し ,8 コース単位 ( c our s e u ni t s ) を終 えた後でなければ, こ の課程 に出願 できない。

② リベ ラル アーツー工学課程

学芸 ・科学学部 ( col l e geofAr t sa ndSc i e nc e s ) にお ける多 くの専攻の うちの 1 つでB. A. のほか, 第 2 の学位 として工学部か ら B. S. E. か B. A. S. の どち らかを取得できる。ペ ンシルベニア大学では

" Li be r a lAr t sa ndTe c hnol ogyPr ogr a m" と称 しているが,先述の コロン ビア大学のほか,多 く の大学で開設 され ている課程 である。

③ 科学 ‑技術 一社会課程

「自然お よびエ ンジニア リング ・サイエ ンス」, 「 社会科学」,な らびに 「 歴史お よび人文科 学」 の3 分野か ら成 り,工学部か らのB. A. S. の学位 のほかに, 「 科学史お よび科学社会学」 の学 位 の 2 つ を取得す る課程で," Sc i e nc e ,Te c hnol ogy,a ndSoc i e t yPr o gr a m" と呼ばれ る。

④ その他の課程

ペ ンシルベ ニア大学 では,そのほか次の よ うない くつ かの学士 レベル 2 学位 取得 が可能 で ある。

(i ) コンピューターー認知科学課程 ( Compu t e ra n dCogni t i veSc i e nc ePr og r a m) は,人間学習 過程 を理解 し,それ を機械 に模擬す ることを 目的 として, コンピュー ター理工学 を言語学,哲 学または心理学 と組み合わせている。

(並)デザイ ン理論 一構造科学技術課程 ( De s i gnThe or ya ndSt r uc t ur a lTe c hnol o gyPr ogr a m) は, B. A. S. の学位 を授与す る土木工学システムを中心に環境 のデザイ ンと融合 させている。

( i i i )経済学 一応用科学課程 ( Ec onomi c sa ndAppl i e dSc i e nc ePr ogr a m) は,経済学の知識 とそ の効果 を科学技術 と社会の情勢 に重点を置いている。

( i v)経営 一科学技術課程 ( Ma n a ge me n ta ndTe c hnol ogyPr ogr a m) は ,4 年制課程の ビジネス学 部 にお ける ビジネ ス専攻 と工学部 においてB. A. S. の取得 を 目指す応用科学専攻 を, あるいは5 年 制課 程 の ビジネ ス に工学 の学部 学修 をそれ ぞれ 結 びつ けた共 同学位 課 程 ( J oi nt De gr e e Pr ogr a m) である。 この課程の学生のために,特別 の コースが企画 され,例外的に提供 され る。

ペ ンシルベニア大学では, この課程 をこれまでに述べた2 学位課程 とは区別 して分類 している。

( 2) ドレックセル大学

7)

ドレックセル大学では," TwoUnde r gr a dua t eDe gr e e sPol i c y' 'に従 って,2 つの学部学位が同 時 に得 られ るが,学生が この課程の選択 を決断す るときは よく相談 し,また,第 4 章で述べ る 学部 ・大学院 2 学位 同時授与課程に代 えて考慮す ることが勧 め られているよ うである。学生は,

ー41‑

(10)

2 つの学位 取得課程 にお いて,学問的な要件 と就業体験8 ) に関す る要件 の両方 を満 た さなけれ ば な らない。 両学位 の要件 を満 たすために,い くつかの授業 と就業体験 の期 間 を当て ることがで きる。

( 3) ピッツバー グ大学

り9'

① 学芸 ・科学学部 一工学共同学位課程

ピッツバー グ大学工学部 は," Co mbi n e dCol l e geo fAr t sa n dSc i e nc e s ‑ En g i ne e r i n gJ oi n t ‑ d e gr e e Pr og r a m" と称 して,学内の他学部 との間に も 5 年制 の同時2 学位課程 を設 けている。す なわち, 工学部 と学芸 ・科学学部 は,学生が学芸 ・科学学部 の 1 つ の主専攻 を工学 の課程 と組 み合わせ て,両学部か ら学位 を取得す ることを可能 に している。 この課程‑ の入学出願 は,工学部か学 芸科学学部 のいずれかを通 して行 うことができ,入学 は両学部 に認 め られ る。

課程 の内容 は個 々の学生 の選択 によって も異 な るが,代表的な ものでは

, 1

年次 は工学課程 の標準的なカ リキュラムであ り,次の3 年 間 に,学芸 ・科学学部 のい くつ かの要件 と工学の学 位 に対す る特定の要件 を満 たす。 そ して,5 年次 になって学芸 ・科学学部 の要件 を完了 させ る。

学位 取得 には,学芸 ・科学学部 にお ける技術 と普通教育 の要件すべ て と主専攻 (関連領域では な く) を含 めて,学芸 ・科学学部 の最低 9 0 単位 ( セ メスター)が必要である。 さらに工学部 で は選択 した課程の学位 取得要件 をすべ て満 たす ことが要求 され,それ はふつ う 70 単位 以上であ る。 この課程 の学生は,工学 を行動神経科学,哲学,経済学,音楽 な どと組み合 わせ てお り, 学芸 ・科学学部 にお ける学習課程 によ り,B. A. ,B. S. またはB. Phi l . ( Ba c he l o rofPhi l o s o ph y) の学 位 のいずれ か を取得す る 。 2 つ の学位 を取得す るには,両学部 の卒業 を願 い出なけれ ばな らな い。

② 工学部 一優等生カ レッジ共同課程

工学部のいずれかの学科 で例外的に優れ た学問能力 と意欲 をもつ学生は,工学部 と大学優等 生カ レッジ( Uni ve r s i t y Ho no r s Col l e ge ,UHC) の閣の " J oi n t ‑ d e gr e e Pr o gr a m wi t h Uni ve r s i t y Hon o r sCo l l e g e " と呼ばれ る課程 を選択す る ことがで きる。l 年次 を終 えた学生 は,優等生カ レ

ッジの学位候補者 として志願す ることができる。 さらに,工業物理学 ( En gi ne e r i ng Phys i c s ) の B. S. 学位 , あるいは工学部 と学芸 ・科 学学部 との5 年制 共 同学位課程 のいずれ か を希望す る学 生は, この共 同優等生カ レッジ学位 を 目指す ことも勧 め られ る。

すべ ての優等生カ レッジ学位 課程 は,独 自の学識 と最終学年 にお け るフアカル テ イ ( 教授 団) による能力本位 の評価 とを必要 とす る。独 自の学識 に対す る要件 としては,3 年次 と 4 年次 の間に,論文 を完成 し,試 問に答 えることを課 してい る。その結果 ,資格 を得 た工学部 の学生 は,工学部の学科 の基本的卒業要件が満 た され るな らば,工学部教授団 に接触 して,独 自の学 識 と優等生カ レッジ学位 取得 に至 る学習の個人別計画 を提案す るこ とがで きる。

( 4) ノースカ ロライナ州 立大学

l )

ノースカ ロライナ州 ロー リー ( Ra l e i g h) にあるノースカ ロライナ州立大学 ( No r t hCa r ol i n aSt a t e

42‑

(11)

Uni ve r s i t y)において,同時 2 学位課程 は " Doubl eDe gr e ePr ogr a m" と呼ばれ,工学の 2 分野 にお ける B. S. , あるいは工学 のl 分野 とコンピュー ター科学 にお ける B. S. がそれぞれ 5 年 で取得 でき るよ うになっている 。2 つ の コースの授業料 目学修 を早 めに,また注意深 く計画す ることによ り,多 くの授業科 目を履修 して両方の学位 の要件 を同時に満 たす ことが必要である。 このほか, 工学部が授与す る B. S. E. またはコンピューター科学専攻の B. S. 学位 を,他学部で授与す る B. S. ま たは B. A. と組み合わせ ることも可能で , 1 つの学位取得 に必要な多 くの授業科 目は第 2 の学位 の 取得要件 をも満たす ことができる。

3.2 種の大学院学位授与

同時 2 学位授与は,大学院 レベル の上級学位 どうLで も行われ てい る。大学の事情 によって 仕組みは異なるが,工学系学位 が関与す る課程 は次の2 つに大別 され る と思われ る。すなわち, 第 1 は,工学系学部が経営,国際間題 ,地域 ・都市研 究な どに関係 した学部 ・学科 と共同で修 士 レベル の 2 学位 を授与す る課程である。工学系の M. S. ( Ma s t e r of Sc i e nc e ) の学位 に加 えて, M. B. A. ( Ma s t e rofBus i ne s sAdmi ni s t r a t i on) な どどち らか といえば文科系の学位 を授与す るので, 工学系の専攻 は機械工学や電気 ・電子工学のよ うなハー ド型ではな く,システム工学や生産工 学 といった ソフ ト型 に限 られ るよ うである。第 2 は,博士 レベル の 2 学位 を授与す る課程で,工 学系学部の中でも生物工学系の専攻が医学,歯学,獣医学な どの学部 と共同で担 当 している。

この課程 を修 了す る と,工学系学部 か らは学問学位 の Ph. D. が, また,相手方 の学部 か らは医 学,歯学,獣医学な どの専門職博士 レベル学位 が授与 され る。以下に数例 を述べ る。

( 1 ) コロン ビア大学

2)

( ∋ 生産工学 ‑ ビジネ ス学部共同課程

工学部 は ビジネ ス学部大学院 ( Gr aduat e Schoolof Bus i nes s ) との間 に設 け られ た " J oi nt pr ogr a m wi t ht heSc hoolofBus i ne s si nI ndus t r i a lEngi ne e r i ng" と呼ばれ る共同課程 によ り,生産 工学 ( I ndus t r i alEngi ne e r i ng) 専攻の M. S. と M. B. A. の両学位 同時取得 を可能 に している. 工学部生 産工学 ・オペ レー シ ョンズ リサーチ学科 ( De pa r t me ntor I ndus t r i alEngi ne e r i ng a nd Ope r a t i ons Re s e a r c h) とビジネ ス学部大学院の共同 M. SJM. B. A. 学位課程 にお いて, この特別課程 に見込み のある学生は,工学部 とビジネス学部 の双方の大学院に別 々に入学出願 の申請書 を提 出 しなけ れ ばな らない。入学要件 は,工学部 の生産工学またはオペ レー シ ョンズ リサーチ各専攻の M. S.

課程,な らびに ビジネ ス学部 の M. B. A. 課程 に対す る要件 と同 じであるO この共同課程 は, M. S.

と M. B. A. の両学位 が 5 学期 のフル タイム学修 で取得 できるよ うに組 まれ てお り,工学部 に登録 している間に 30 単位 ( セ メスター), ビジネス学部に登録 している間に 45 単位 である。学生は, も し学部学修 の間に実質的 に同等 な科 目を修 了 していなけれ ば,学修 の最初の年 に, 「 生産管 理」, 「 オペ レー シ ョンズ リサーチ概論 :確定的モデル」お よび 「 確率 ・統計学概論」の3 科 目 を履修 しなけれ ばな らない。 これ らは,要件 を満 た した学部学生向けに開講 されている科 目で

‑43‑

(12)

ある。

② オペ レーシ ョンズ リサーチービジネス学部共 同課程

工学部生産工学 ・オペ レーシ ョンズ リサーチ学科 とビジネ ス学部大学院 の " J o i n t Pr o gr a m wi t ht h eSc ho olo fBus i n e s si nOp e r a t i o nsRe s e a r c h" と称す る課程であって,工学部か らオペ レ ー シ ョンズ リサーチ専攻 の M. S. 学位 とビジネス学部 のM. B. A. が取得 できる。要件 な どは① とほ ぼ同様 である。

③ 鉱 山工学 ‑ ビジネ ス学部共同課程

コ ロン ビア大学 工学部 の大学院 には地球 環境 工学 ・材 料 工学 ( Ea r t h a n d En vi r o n me n t a l En gi n e e r i ng / Ma t e r i a l sSc i e nc ea n dEn gi ne e r i n g) の専攻があるが, これ はかつて地下資源全盛時 代に名 門学部であったTh eHe n r yKr u mbSc h o olofMi ne s( HKSM) の流れ を継 ぐものである。 こ の専攻 に関連 して, コロン ビア大学では鉱物資源 関係 の経営に携 わることを希望す る学生 を教 育す るため,工学部が ビジネス学部 との間に,鉱 山工学専攻 のM. S. 学位 とM. B. A. とい う 2 つの 学位 の取得 を 目標 とす る共同課程 " J o i n t Pr o g r a m wi t h t he Sc ho o l o f Bus i ne s s i n Mi ni ng Engi n e e r i n g" を設 けている。 この課程の学生は,工学部 で2 学期間, ビジネス学部で3 学期間,

ともにフル タイム登録 をす ることが必要であるが,工学部 においてはパー トタイムで学修す る ことも可能である。

( 2) ペ ンシルベニア大学

11)

ペ ンシルベニア大学の工学系教育 ・研究は工学部 で行 われているが,世界的に需要 は複雑で, かつ絶 えず変化 しつつ あ り,それ に応 えるためには広範 な学識 をもち,それ に柔軟性 が加 わっ た学生 を供給す る必要があることか ら,大学院 に 2 学位 取得 の共同学位課程 を設 けている。す なわ ち, 工学部 は, ビジネ ス学部 ,医学部 ( sc hoolofMe di ci ne ) , な らび に美術学部 大学院 ( Gr a du a t eSc h o olo fFi neAr t s ) の建築お よび都市 ・地域計画学科 ( De p a r t me n to fAr c hi t e c t u r ea n d ci t ya ndRe gi o n a lPl a nni n g) との間にこの大学院2 学位課程 がある。 なお,ペ ンシルベ ニア大学 工学部の大学院が授与す る修士 レベルの学位 は,専攻分野 を付記 したM. S. E. であ り,例 えばシ ステム工学専攻ではM. S. E. ( S ys t e msEn gi ne e r i n g) となる。

① M. S. Eノ M. 良. A. 共 同学位課程

ビジネス学部 との間の ̀ ̀ M. B. Aノ M. S. E.J oi n t ‑ De gr e ePr ogr a ms " は,複雑 な科学技術的お よび 社会的プ ログラムの開発 と管理 において,将来指導的役割 を演ず るよ うな多才な専門家を,公 共部 門や私営部 門に供給す るために始 め られた もので,近年,多 くの学生の間で関心が高まっ ている。工学部では,大学院の化学工学, コンピュー ター ・情報科学,材料工学お よびシステ ム工学の各専攻 で選択 できるよ うになっている。学生は,共同課程学生 としての身分が認 め ら れ る前 に, まず,希望す る 2 学部 に別 々に出願 し,それぞれ別個 に入学が承認 され ることが必 要である。大部分の場合, ビジネス学部‑の入学 には就業体験 ( wo r k e xp e r i e nc e ) が求 め られ る。

それぞれ の学部 で学位 を取得す るには, フル タイ ム在籍 でM. S. E. が1 0 コース単位,M. B. A. が 1 8 コース単位 が必要である。それ に対 して, この共 同課程 では,両学部合わせ て20‑2 4 コース

‑44‑

(13)

単位 を修得 して要件 を満 たせ ば,夏学期 を含 めて2 年以内で修 了 し,M. S. E. とM. 良. A. の両学位 の取得が可能である。単位修得要件は,工学部 の専攻によって異なるが, コンピュー ター ・情 報科学 ( Compu t e ra nd l nf br ma t i on Sc i e nc e ,C. Ⅰ . S. ) 専攻の場合は ,2 0 コース単位 が必要で,そ の うち 6 または 7 コース単位 は コン ピュー ター ・情報科学専攻 の ものであ り, さらに,M. S. E.

( C. I . S. ) の学位論文 ( t he s i s ) を執筆す るか,あるいはM. B. A. 研 究計画特論 ( a dva nc e ds t ud ypr q j e c t ) に関す る研究を行 うことが求め られ る。

② M. S. EノM. Ar c h. ,M. S. E. / M. C. P. お よびM. S. EJM. R. P. 共 同学位課程

工学部 は,美術学部大学院の建築学科 ( De pa r t me n tofAr c hi t e c t u r e ) お よび都市 ・地方計画学 料 ( De pa r t me n tofCi t ya ndRe g iona lPl a nni ng) との間にも,修士 レベ ル2 学位 の共同課程 を設 けて いる。 なお,ペ ンシルベニア大学の要覧 7 ' によれ ば,大学院課程 ( Gr a dua t ePr ogr a ms ) に基づい て授与す る学位 は,工学部はM. S. E. とPh. D. ,美術学部がA. M. ( M. A . ), M. S. お よびPh. D. となっ ているが,その規則によらない専門職学位課程 ( pr of e s s i ona lDe gr e ePr og r a m) が設 け られ ている ことが分かる。 この分類 に従 うと,M. S. E. も専門職学位 とされ ているが,工学部の研究 ・教育 両面にお ける内容か ら判断す ると,他大学の学問学位M. S. に相 当す ると思われ る。

このM. S. E. を含 む共 同課程 も一般 に満2 年 以 内 に修 了す る こ とが可能 で, システ ム工学 の M. S. E. 学位 に加 えて,美術学部 の専攻 が建築,都 市計画 ( 交通) または地域計画 かに よって M. Ar c h. ( Ma s t e rofAr c hi t e c t ur e ) ,M. C. P. ( Ma s t e rofCi t yFl a m i ng)( Tr a ns por t a t i on) またはM. R. P.

( Ma s t e rofRe gi ona lFl a mi ng) が も う1 つの学位 として授与 され る。 なお, この課程 で工学部が 授与す る学位 は システ ム工学 専攻 のM. S. E. で あ るが,M. C. P. ( Tr a ns p or t a t i on) とともに授 与 され るのは " Ma s t e rofSc i e n c ei nTr a ns por t a t i on" であ り, これ はM. S. E. に比較 してよ り専門職 学位 の度合いが強いよ うに思われ る。

③ V, D. MノPh. D. ,D. P. M. / Ph. D. お よびD. D. SノPh. D. 共 同学位課程

工学部生物工学科 ( De pa r t me n tofBi o e n gi ne e r i n g) と医学部 との間には,Ph. D. お よびM. D. の2 学位 を取得できる共同課程があ り, この課程 に入学 した学生は 6 年 半か ら 7 年 の間連続 して学修 す ることができる。獣医学部 ( sc hool of Ve t e r i na r y Me di c i ne ) と歯学部 ( sc hool of De nt a l Me di c i ne ) , な らび にペ ン シル ベ ニ ア 足 痛 学 カ レ ッジ ( pe n ns yl va ni a Col l e ge of Podi a t r i c Me di c i ne ) との間にも同様 な共同課程が設 け られ てお り,工学部の Ph. D. とそれぞれ の学部また はカ レッジの学位 としてV. D. M. ( Doc t or of Ve t e r i na r y Me di ci ne ,D. V. M. ) ,D. D. S. ( Doc t or of De n t i s t r y ) ,あるいはD. P. M. ( Do c t orofPodi a t r i cMe di c i ne ) を取得す ることができる。

( 3) ピッツバー グ大学

り 9)

ピッツバー グ大学工学部には " Dua lMa s t e r ‑ sDe gr e e " と呼ばれ る課程があ り,化学 ・石油工 学科では化学工学 と石油工学,石油工学 と数学,あるいは化学工学 と数学のいずれかの組み合 わせ で,また,土木 ・環境 工学科 では土木工学 と数学で,それぞれM. S. とい う修士 レベル の2 種の学位 が取得できる。一般 にそれぞれ 2 分野の基礎科 目を含 めて 4 2 単位 ( セ メスター)修得 が必要である。そのほか,土木 ・環境 工学科 は公共事業 ( publ i c Wor ks ) 専攻 も担 当 してM. P. W.

‑45‑

(14)

( Ma s t e rofPubl i cWor ks ) の学位 を授与 してお り,工学部 内で M・ P・ W ・ と M. S・i nCi vi lEnge ne e r i ng の 2 つの学位 を取得す る 2 学位課程 ( Dua l ‑ de gr e ePr ogr a m) ,工学部の M. P. W. と公衆衛生学部大学 院 ( Gr a dua t eSc hoolofPubHcHe al t h) の M. S.i nHygi e ne ( 衛生学)を取得す る共同学位課程,そ して,工学部の M. P. W. と公共 ・国際政策学部大学院 ( Gr a dua t eSc hoolofPubl i ca ndI nt e r na t i ona l A飽 i r s ) の専攻の 1 つの とい う 2 つの Ma s t e r の学位 を取得す る共同学位課程がある。

( 4) ユ タ大学

2)

ユ タ州 ソル トレー クシティー ( Sal tLa keCi t y) にある州立のユ タ大学 ( Uni ve r s i t yofUt a h) では, 共同学位課程の制度 によって,大学院 レベル で2 つの専門職学位 のほか,専門職学位 と学問学 位 の組み合 わせ による同時 2 学位 取得 が可能 である。 工学系では,鉱 山 ・地球科学部 ( col l e ge ofMi ne s a nd Ea r t h Sci e nc e s ) が授与す る M. S,i n Mi ni ng Engi ne er i ng と, ビジネス学部 ( Da vi d Ec cl e sSc hoolofBus i ne s s ) が授与す る専門職学位 の M. B. A. が同時に取得できる。

( 5) マイア ミ大学1 3 )

フロリダ州 コラル ・ゲイブル ズ ( cor a lGa bl e s ) にあるマイア ミ大学 ( Uni ve r s i t yofMi am i )では, 工学部 ( col l e geofEng ine e r i ng) の生産工学科 ( De pa r t me n tofI ndus t r i alEng ine e r i ng) お よび機械 工 学 科 ( De pa r t ment of Me c ha ni ca l Engi ne e r i ng) が ビジ ネ ス管 理 学 部 ( Sc hool of Bus i ne s s Admi ni s t r a t i on) との間に, M. S.i nI ndus t r i a lEngi ne e r i ng( MSI E) と M. B. A. の 2 学位 を同時に授与す る課程 を設 けている。生産工学科では, この課程 を " a dual MSI E/ MBA we e ke nd e xe c u t i ve pr ogr a m" と説 明 していることか ら,経営幹部養成 を 目指 した社会人向けの課程 である と思わ れ る。 また,機械工学科 にお ける2 学位 取得 には60 単位 ( セ メスター)が必要 で,工学 の学士 レベルの学位 を保持す る学生の場合,工学部の必修科 目は機械工学科の 1 8 単位 であ り,また ビ ジネスの基本必修科 目の 1 8 単位 は夏期 に特別の課程で取得す るのがふつ うである。

4.学部 ・大学院2 学位授与

学部学位 と大学院学位の2 つ を大学院修 了時に同時に授与す る課程 は,わが国で学部3 年次か ら " 飛び級"で大学院 に入学 した者 に対す る学士の学位授与につ いて1 つの示唆 を与 えるもの と思われ る。第3 章 を含 めて2 学位授与に関係す る博士 レベルの学位 は,専門職学位 が多い と思 われ る。以下,学部 ・大学院2 学位授与のい くつかの大学 にお ける事例 を述べ る。

( 1 ) ジ ョー ジ ・ワシン トン大学

5)

ジ ョー ジ ・ワシン トン大学では,種 々の共 同学位課程 によ り,学部学生が 5 年 間在学 して, 学士 レベル と修士 レベル の2 つの学位 を取得す ることができる。その中では,以下の3 課程が工 学部の学部学生 に係 わってい るが,必ず しも最終的に2 学位 が同時 に授与 され る課程 とは限 ら ない。

‑46‑

(15)

( D 5 年制B. S.( システム解析お よび工学)・M. S.( オペ レー シ ョンズ リサーチ)課程

学 士 レベル の学位 を取得 す るた めの科 目履修 は, 工学部 で システ ム解 析 お よび 工学 専攻 ( S. A. & E. ) のB. S. を取得す るために必要な標 準的科 目と同 じである。 この課程 の大学院の部分

‑の出願 は,ふつ う第5学期 ( セ メスター) の終わ りに行 われ,第7学期 の開始前には承認 され なけれ ばな らない。 B. S. ( S. A. &E. ) の学位 は,入 学 して 4 年 を経過 した第8 学期 の後 に授与 され る。修 士 レベル の学位M. S.i n o pe r a t i onsr e s e a r c h の取得 を 目標 に した5 年次の学修 には,次の2 つの選択 がある。

(i )正規 のM. S.i n o pe r a t i o nsr e s e a r c h を取得す るためには,学生 は大学院科 目である 「 オペ レーシ ョンズ リサーチの確率的基礎 」 のほか,指 導教員 の助言 でその他 の大学院科 目7つ を選 んで履修す る。少 な くとも 7 科 目の うち5 科 目はオペ レー シ ョンズ リサーチ学科 ( De pa r t me n t of Ope r a t i onsRe s e a r c h) の科 目でなけれ ばな らない。

(i i)経営科学 ( ma na ge me n ts c i e nc e ) に重点 を置いたM. S.i nope r a t i onsr e s e a r c h を取得す るため には,学生 は大学院科 目である 「 システム思考お よび政策モデ リング」, 「 システム解析お よび 管理 Ⅰ」または 「 システム工学 Ⅰ 」, 「 意思決定支援 システムお よびモデル」 または 「 実行意思 決定」 または 「 計算機化意思決定 システ ム ワー クシ ョップ」,な らびにオペ レー シ ョンズ リサ ーチ学科お よび他 の学科 の科 目か ら,指導教員 の承認 を受 けて選択 した他 の5 大学院科 目を履 修す る。

5 年次 を終 えた時点で,学生 にはM. S. の学位 が授 与 され る。

② 5 年制B. S. ( システ ム解析お よび工学) ・M. A.( 経済学)課程

この課程 に よってB. S. の学位 を取得す るのに必要 な科 目は,すべて経済学 にお ける社会科学 3 科 目選択 と技術4 科 目選択 であ り,また, 「 計量経 済学入 門」が 「 予測技術」 と入れ替 わ る点 で,標 準 的 なB. S. ( S. A. &E. )学位 の取得要件 と異 な る。 この課程 の大学院 の部分 に出願す るの は,ふつ う第5 学期 のあ とである。学生 は,第7 学期 の開始前 に大学院部分 に受 け入れ られ なけ れ ばな らない。B. S. ( S. A. &E. ) の学位 は,第8 学期 を終 えた時 に授与 され る。

9

お よび第

10

学期 はM. A. の学位 を取得す るた めの授 業科 目か ら成 ってい る。 「 マ クロ経済 理論 Ⅱ」お よび 「 計量経済学 Ⅰ :序論」,な らびに大学院の経済学選択科 目 6 科 目を含 めて,学 芸 ・科学学部 ( col umbi aSc ho olofAr t sa ndSc i e nc e s ) の一般要件 が必要であるoM. A. 学位 の総合 試験 ( c omp r e he ns i ve e xa mi na t i on) においては, ミクロ経済理論 とマ クロ経 済理論 で合格 しなけ れ ばな らない。

③ 5 年制課程B. S. ( システ ム解析 お よび工学) ・M. S. ( エ ンジニア リングマネー ジメン ト)課程 B. S. の学位 を取得す るのに必要 な科 目は,技術4 科 目選択 が大学院科 目の 「 エ ンジニア リン グマネー ジャー のための組織 的行動」, 「 技術組 織 の管理」, 「 情報管理 にお ける計算機 システ ム」お よび 「 システ ム工学 Ⅰ」 である点だけが,標 準的なB. S. ( S. A. &E. )学位 の取得要件 と異 なる。 工学部が授 与す る修士 レベル の学位 として,M. E. M. ( Ma s t e rofEngi ne e r i ngMa na ge me n t ) またはエ ンジニア リングマネー ジメン ト専攻 の専攻分野 の中の選択領域 のM. S. を取得す るため, 5 年次 には, 「 金融論概説 ・エ ンジニア リング経済学」 とエ ンジニア リングマネージメン ト専攻

‑47‑

(16)

の大学院カ リキュラムか ら選択 した8科 目を履修す る。必修科 目の履修 は4年次に行 う。 この課 程‑の出願や学位取得の時期な どは,①お よび② と同様 である。

④ 工学 ・法学 ( または医学)統合課程

ジ ョージ ・ワシン トン大学には,以上に述べた5 年 で学士お よび修士 レベルの2 つの学位 を取 得できる課程 に加 えて,工学部 のB, S. 学位 と他学部 の博士 レベル の学位 とを授与す る統合課程 ( I n t e gr a t e d Pr og r a m) が あ る。 す な わ ち , 工 学 部 の 専 攻 のB. S. 学 位 に加 えて , ̀ ̀ I n t e gr a t e d Engi ne e r i nga ndLa w Pr ogr a m"によって と法学部 ( La w Sc hoo l )のJ . D. ( J ur i sDoc t or ) を,また,

" I nt e gr a t e dEng ine e r i n ga ndMe di c i nePr ogr a m" によって医学部 ( Sc hoolofMe di c i nea ndHe a l t h Sc i e nc e s ) のM. D. が授 与 され る. これ らの課程 は,十分 な資格 をもつ高校生 に,工学部 の専攻 のB. S. 学位 とその次の学位 のJ . D. またはM. D. を取得す る1 つの教育進路 を辿 る機会 を与 えている。

( 2 ) コロンビア大学

2)

コロン ビア大学工学部が関与す る学部 ・大学院 2 学位授与の統合課程 の 1 つ として,理工学部 は,毎年,きわめて成績 の優れた2 孝一 の3 年次学生 を,法学部 ( Sc hoolofLa w) との統合課程 に 指名推薦す ることができる。 工学部のB. S. と法学部大学院 のJ . D. の両方 の学位 を取得す るため には,それぞれ別個の学修 では4 年 と 3 年 の計7 年 を必要 とす るのが標準的である。それ に対 し て, この統合課程では,6 年で2 学位 の取得要件 を満 たす ことが可能である。

もう1 つの統合課程においては,工学部 と国際 ・公共政策学部 ( sc ho olofI n t e ma t i o na la ndPubl i c Af fa i r s ) が,少数の学生について,6 年の替わ りに 5 年で B. S. と M. 1 . A. ( Ma s t e ro fI n t e ma t i o na lAf f a i r s ) の 2 学位 の取得要件 を満たす よ うに してい る。優秀 な学業成績 ばか りではな く,適切 な外国語 で熟達 した素養 と関係 のある経験が この統合課程‑の入学の決 め手になっている。

( 3)ペ ンシルベニア大学

11)

ペ ンシルベニア大学工学部 には " Subma t r i c ul a t i o n" の課程 がある。学部学生であって学士 レ ベル の学位 を取得す る前に,大学院の修士 レベル の学位課程 に入学 した者 は " s ubma t r i c ul a n t "

と呼ばれ ている。副入学者 または半入学者 とで も訳 され るこの学生が,理 工学部 の学部学位 ( 良. S. E. またはB. A. S. ) と大学院修士 レベル学位 ( M. S. E. ) の双方 に対す る要件 をすべて満たせ ば, 学部学位 のあ とに,あるいはそれ と同時にM. S. E. の学位 が授与 され るO この課程‑の出願 は学 部3 年時 を終 える前 に完了す ることが必要であ り,規定 された役職者 の承認 を得て,平均成績 ( GPA)3. 5 以上の優秀 な学生 に限って入学が認 め られ る。 この課程 の学生が修得 した大学院 レ ベル の コース単位 の うち3 単位 までは,学部お よび大学院両学位 の取得要件 として2 重に与 え ら れ る。

( 4 ) ドレックセル大学

7)

ドレックセル大学には ̀ ̀ Ba c he l or ‑ S / Ma s t e r ‑ sDua lDe gr e e Pr ogr a m" と呼ばれ る課程があ り, 学力の面で資格があると認 め られた学生は,ふつ う学部学位 のみの取得 に要求 され る期間内に,

‑48‑

(17)

学 士 と修 士各 レベル の両方 の学位 を取得す る こ とがで きる。 ドレックセル 大学 の平均 成績 ( GPA) で少 な くとも 3. 0 をもつ よ うな優れ た学生 は, この課程 に出願す る資格 がある。 同大学 は 4 学期制で,工学部 の学部学位取得要件 は 1 9 0‑1 9 2 単位 であ り, この課程‑ の出願 は,正式 には 9 0 単位 を修得 した後 ,1 2 0 単位 を修得す るまでに行 うことになっている。 しか しなが ら, 実際には , 1 年次の うち とい う早い時期 に, この課程‑の入学 を計画す るよ うに強 く勧 め られ ている。入学には,学部学科長,大学院専攻長 な どの承認が必要であるが,関心、 のある学生は, 事前に学部助言教員か学科長 に会 って詳細 を聞 くことが求め られている。 ドレックセル大学の 中で も,情報理工学部 ( col l e geofI nf or ma t i o nSc i e nc ea ndTe c hnol o gy) は, この課程 を適用 して いない。 なお, ドレックセル大学は実務型教育 を重視 しているので,学部教育は4 年制 よ りも 就業体験 を含 めた5 年制課程 を推奨 している。

( 5)南 フロ リダ大学̀ 日4 )1 5 )

フロ リダ州 タンパ ( Ta mpa ) にある州立の南 フロ リダ大学 ( Uni ve r s i t yofSou t hFl o r i da ) の工学 部 ( col l e geofEngi ne e r i ng ) では," Fi ve ‑ Ye a rPr ogr a msLe a di ngt oBa c he l o ra ndMa s t e rDe gr e e s ' ' と称 す る課 程 を設 けてお り, 5 年 間在 学 す る こ とに よっ て,学 士 レベ ル の学位 の B. S. i n Engi ne e r i ngまたはB. S.i nEngi ne e r i ngSc i e nc eと修士 レベルの学位 のM. S.i nEngi n e e r i n gまたは M. S.i nEngi ne e r i ngSc i e nc eを同時に取得す ることが可能である 。4 年次の初 めにこの課程 を希 望す る学生は,成績や修得単位 によ り進学が認 め られ,4 年次 に大学院の授業科 目を履修す る とともに,学部4 年次の授業科 目を5 年次まで延長す る。そ して, この2 年間に研究を行 う 。2 学 位取得 の要件 は,2 つ の学位 を別々に取得す るための要件 と異なるものではない。

( 6)マイア ミ大学

J)16)

マイ ア ミ大学 にお ける2 学位課程 のl つ にB. S.・M. D. 6 年制課程 ( 生物 工学重点) [ B. S. ‑ M. D.

Si x‑ Ye a rPr ogr a m i nEngi ne e r i ngSc i e nc e s( Wi t ha nEmpha s i sonBi ome di c a lEngi ne e r i ng) ]がある。

これ は工学部のエ ンジニア リング ・サイエ ンス専攻の課程 と医学部 ( sc hool of Me di c i ne ) の双 方のカ リキュラムを合 わせ,それぞれ単独 に学修すれ ば7 年 になる期間を6 年 に短縮 した課程で あ り,非常に優れた学生は入学す ることができる。学生は,工学部のエ ンジニア リング ・サイ エ ンス課程 に1 年次学生 として登録す るとき,最初 は医学部 と工学部の両方に入学 を許 可 され る 。2 年 間は工学部で,続 く 4 年 間は医学部で学修す る。エ ンジニア リング ・サイエ ンス と医学 部の両方のカ リキュラムの要件 を十分 に満 たせ ば,B. S. と M. D. の学位 が同時に授与 され る。 な お,工学部 で学習す る 2 年生の とき,解剖学,生化学,生理学な ど 2 2 単位 を履修 しなけれ ばな

らないO

( 7) アイオ ワ州立大学

l) J7) J8)

アイオ ワ州エイムズ ( Ame s ) にあるアイオ ワ州 立大学 ( I owaSt a t eUni ve r s i t y) では,工学部 ( co l l e geofEn gi ne e r i ng) の材料工学科 ( De pa r t me ntofMa t e r i a l sSc i e nc e. a ndEn gi ne e r i n g) *お よび

‑49‑

(18)

土木 ・建設工学科 ( De pa r t me n tofCi vi la ndCo ns t r uc t i onEngi ne e r i ng) のほか, 自由学芸 ・科学学 部 ( col l e geofLi be r a lAr t sa ndSc i e c e s ) の生物化学 ・物理学科 ( De pa r t me n torBi oc he mi s t r ya nd Bi ophys i c s ) ,な らびに農学部 ( col l e geofAgr i c ul t ur e ) の食物科学 ・人間栄養学科 ( De p a r t me ntof Food Sc i e nc e a nd Huma n Nu t r i t i on) お よび動物学 ・遺伝学科 ( De pa r t me n t of Zool ogy a nd Ge ne t i c s ) の5 つの学科 に,学部学生に対す る同時大学院学位課程 ( Conc u汀e n t Gr a dua t e De gr e e Pr ogr a ms ) が設 け られ ている。上記の各学科のカ リキュラムを専攻 して,十分な資格 を備 えた3 年次 と 4 年次の学生 には,ふつ う 5 年 の学修 を終 えた時点に,B. S. と M. S. の両方の学位 を取得可 能な本課程へ出願す る機会が与 え られ る。研究体験 に関心のある学生は,4 年次 と 5 年次の とき, 大学院研究助手に応募す ることができる。 この課程 に出願 したい学生は, この課程 を開設 して いる各学科,すなわち工学部では土木 ・建設工学科か材料工学科 に申 し出る。上記 5 学科以外 の学生で も,大学院に直接応募 して, この同時大学院学位課程 に個々に志願す ることができる。

5.結

著者 は さきに,アメ リカの大学 にお ける工学系の学位, とくに上級学位 と呼ばれ る大学院 レ ベル の学位 について報告 したが,その中では2 種 の学位 を同時 に授与す る課程 に注 目した。本 報では,わが国の飛び級 による大学院進学者 の学士の学位取得 と関連 して,その後の調査結果 に前報 の一部 も加 えて, この同時2 学位授与課程 を改 めて取 り上げた.現在,飛び級 による大 学院進学者 で学士の学位 の取得 を希望する者は,学位授与機構 に申請 し,修得単位お よび学修 成果 ・試験の審査 を受 けて,それ に合格 しなけれ ばな らない。 したがって,学部3 年次 までの 成績がきわめて優秀であると判断 され,大学 を卒業 しないで大学院 に進み,修士の学位 をすで に授与 され,あるいは取得がほぼ確実 と思われ る者 でも,学修成果 ・試験の審査結果によって は,不合格 となることも無い とはいえない。

ある特定の大学において飛び級 で大学院進学が認 め られた上,大学院で修士の学位授与資格 を十分 に備 えていると判定 され,あるいは判定 され よ うとしている者が,学位授与機構の学士 の学位授与審査 に不合格 となることは, 申請者 はもとよ り,関係す るすべての者お よび機 関が 困惑す る問題 である。 当該学生の成績 をきわめて優秀 と判定 し,飛び級進学 を認 めた大学の 自 律性 と判定基準は尊重すべ きであ り,一方,学位授与機構 は,全国の国公私立大学教員の参画 を得て,一定の学問水準を維持 しなが ら審査 を行 っている。

一般 に試験 には大な り小な り準備が必要であ り,受験者 の体調 な どの影響 もあるか ら,た と え大学院生であって も学士 レベル の試験 に必ず しも合格す る とは限 らない。また,学士または 大学卒業の基準において,大学によるある程度 の差は避 け られ ない。 しか しなが ら,学位授与

* De pa r t me ntofMa t e r i a l sSc i e nc ea ndEngi ne e r i ng は直訳すれ ば材料理工学科であるが, しば しば 材料科学科 と訳 され る。 しか しなが ら,工学部 に所属す ることや構成 内容 な どか ら判断 して,

ここでは材料工学科 とす る。

50 ‑

(19)

機構 の審査 において,学修成果 は, 申請者 が 申請す る専攻 の区分 に則 した特 定の課題 ( テー マ) を 自ら設定 して作成す る レポー トであ り,試験 は,提 出 された学修成果が申請者 の学力 と

して定着 しているか,また,専攻 に係 る学士の水準の学力 を有 しているかをみ るために行われ, 試験 は提出 された学修成果の内容 に関連す る事項 について課せ られ る。 したがって, 日常的に 研究 ( t he s i sr e s e a r c h) や 自主研 究計画 ( pr 亘i e c t ) を行 っている大学院生 に とって, レポー ト作成 と その内容 に関す る試験‑の対応 は,比較的容易ではないか と思われ,修得単位以外 の審査で不 合格 となるのでは,鼎の軽重 を問われかねないo

飛び級 を認 めた大学は,教育的見地か ら,当該学生は学部か ら大学院までを通 じて十分に学 修す る能力があるもの と判断 したはずである。 したがって,著者 は,学士の学位 は大学院‑の 飛び級進学 を認 めた大学が,その責任 で修士の学位 と同時に授与す るのが妥 当であると考 え, 前報で この ことを示唆 しなが らアメ リカの大学 にお ける同時2 学位授与 に言及 し, さらに本報 ではこの問題 を主題 として取 り上げたのである。幸いに して,平成 1 0年 1 0月26 日の大学審議会 の答 申に基づいて ,4 年未満 の在学で学部 を卒業できる例外措置 に ともな う法改正が行 われ る ことにな り,本報脱稿時には国会審議 中である。その結果,学部 を 3 年 で卒業 して学士の学位 取得 が可能 とな り,それ を機会 に," 飛び級"大学院進学者 の取扱 いが解決 され ることを願 っ てい る。

さらに,飛び級学生 に関す る問題 に限ることな く,同時 2 学位授与 の制度化 をわが国でも検 討す ることは有意義なことと思われ る。本報ではアメ リカにお ける例 について述べたが,イ ギ リスにお いて も学部2 学位 同時授与が行われ てお り,工学系では学部 はふつ う 3 年 または4 年 で 卒業す るが,4 年 の学修 で2 学位 が同時に取得できる例がある。 わが国で学部 の3 年卒業や 1 年制 の修士課程が認 め られ るな らば, (i)学部 レベルで 2 学部 ( または学科) にわたる履修 を行 っ て 5 年後 に卒業 し ,2 種の学士の学位 を取得す ること,な らびに (並)学部か ら大学院修士課程 にまたがる学修 を行 って ,5 年後 に学士 と修士の両学位 を取得す ることも可能 であると考 え ら れ る。 工学系のみ に関 して考慮す ると ,4 年次 において卒業研 究 にかな りの時間を割 いてい る 学科が多い こと ,4 年次 に大学院入学が内定 した学生は,学部 の卒業研 究 と修士課程 における 研究 を継続 して行 う例が多い こと,ハー ド面 よ りもソフ ト的な, あるいは文科系に近い よ うな 学際的分野が増加 していることな どはプラスに作用す る因子 である。学部お よび大学院 には入 学試験 を ともな うことをは じめ,問題 は単純 ではないが,平成3 年 の設置基準の大綱化 とその 後の度重なる大学審議会答 申の趣 旨を十分 に活か して,実現 され ることを願 うものである。

本研 究遂行 にあた り,多大の ご支援 を賜 ったペ ンシルベ ニア大学工学部材料工学科 wa yne L.

Wo汀e l l 教授,な らびに資料 を ご恵与下 さった ドレックセル大学工学部材料工学科学科長 Roge r D.Dohe r t y 教授 に厚 く御礼 申 し上げる次第であるO

‑51‑

(20)

参考文献

1 )斎藤安俊 :「 アメ リカにお ける工学系の上級学位 」,学位研究,No.5 ,p p.3‑5 6( 1 9 96 ).

2)Col umbi aUni ve r s i t yBul l e t i n,Th eFuFo un da t i onSc h oolo fEn gi ne e r i nga ndAp pl i e dSc i e n c e 1 9 98 ‑ 1 9 9 9.

3 )col umbi aUni ve r s i t yBul l e t i n,Col u mbi aCol l e g e1 9 9 7 ‑ 1 998.

4)Col umbi aUni ve r s i t y ,St u d e n tSe r vi c e s , "f a c e t s1 998 ‑ 1 9 9 9"; Fa c t sAbo u tCol umb i aEs s e n t i a l t oS t u de n t s .

5 )Th eGe o r geWa s hi n g t o nUni ve r s i t yBul l e t i n,Unde r g r a d ua t ePr o g r a ms1 9 98 ‑ 1 999.

6)sc hoolo fEn g i n e e r i nga ndAp p l i e dSc i e nc e ,Unde r g r a dua t eSt u di e s ,Uni ve r s i t yo fPe n ns yl va ni a . 7)Dr e xe lUni ve r s i t y ,Und e r g r a d u a t ea ndEve ni ng nr o f e s s i on a lS t u di e sCa t a l o g1 997 ‑ 1 998.

8 )碧藤安俊 :「 ア メ リカにお ける実務重視型教育 と学位授与 の事例研 究」,学位研究,No. 1 0, p p.3‑31( 1 9 9 9).

9)Bul l e t i nUni ve r s i t y o fPi t t s bu r g h,Sc ho olo fEn gi ne e r i ng1 9 93 ‑ 1 9 95.

1 0)No r t hCa l o r i naS t a t eUn i ve r s i t yBul l e t i n,Und e r gr a d ua t eCa t a l og1 99 4.

1 1 )sc hoolo fEn gi ne e r i nga ndAp pl i e dSc i e nc e ,Gr a d ua t ePr o gr a m,Uni ve r s i t yo fPe n ns yl va ni a . 1 2)Bul l e t i n,Uni ve r s i t yo fUt a hGe ne r a lCa t a l o g9 4 / 95.

1 3 )Bul l e t i n,Uni ve r s i t yo fMi a m i,Gr a d u a t eSt u di e s1 98 7 ‑ 1 98 9.

1 4)Uni ve r s i t yo fSo u t hFl o r i da ,Gr a d ua t eCa t a l o g1 99 4‑ 1 9 95.

1 5 )Uni ve r s i t y o fSou t hFl o r i da ,Un d e r gr a du a t eCa t a l og1 9 9 41 1 9 95.

1 6 )Bul l e t i n,Uni ve r s i t yofMi a mi ,Und e r gr a d ua t eSt udi e s1 98 7 ‑ 1 98 9.

1 7 )I o waSt a t eUni ve r s i t yBu l l e t i n,Ge n e r a lCa t a l o g1 995 ‑ 9 7.

1 8 )I o waSt a t eUni ve r s i t y Bul l e t i n,Gr a d ua t eCol l e geCa t a l og1 99 5 ‑ 9 7.

‑5 21

(21)

〔 ABSTRACT]

Si mul t a ne o usAwa r dofTwoDe g r e e sRe l a t i ngt oEngi ne e r l ng i nt heUni t e dS t a t e s

Ya s u t os hiSAI TO*

l nt h eUni t e dS t a t e s ,mos tu ni ve r s i t i e sh a vep r o g r a mst oa wa r ds i mul t a ne ou s l yt wot ype sofd e gr e e s s u c h a s (1 )un d e r gr a du a t e / u nde r g r a d ua t e , ( 2 )u nde r g r a du a t e / gr a du a t e ,a n d ( 3) g r a d ua t e / gr a du a t e d e g r e e s . I nt h ep r e s e n tp a p e r ,a no v e Ⅳi e w,Wi t he mph a s i so ns i mul t a ne ou sa wa r d,ha sb e e ngl Ve nOn t h ep r o gr a msoft wod e gr e e si nwhi c ha tl e a s toneoft h et wode g r e e si sr e l a t e dt ot h ef i e l dof e n gl n e e r l n g・

AtaCol l e geo rSc h oolofEn gi ne e r l n gl naun i ve r s i t y , as o ‑ c a l l e d" 3 / 2Co mbi n e dLi b e r a lAr t s a n dEn gi ne e r i ng Du a トDe g r e ePr o g r a m"i sd e s i g ne dt o p r o vi d es t u de n t swi t ht h eo ppo r t u ni t yt o r e c e i vebo t haB. A.de gr e ef r o m a na s s o c i a t e d ,a f f i l i a t e do rr e c o gni z e dl i b e r a la r t sc o l l e gea ndB. S.

d e g r e ef r om t h eCol l e g eorSc h o olo fEn gi n e e r l n gw it hi nf i v eye a r s . St u de n t sa t t e n dt hel i b e r a l a r t s c o l l e g ef わ rt h r e eye a r s ,t a ki n gl i be r a la r t sa ndp r e ‑ e n gl n e e r l n gC O u r S e S ,a n dc omp l e t et her e q ul r e me n t S f

ort h el i be r a la r t sd e gr e ea l o n gwi t ht hep r e ‑ e n gl n e e r l n gC Ou r S e . The nt h es t u d e n t sa r et r a ns f e r r e dt o t h eCo l l e geo rSc h oolo fEngi n e e r l n g,a n ds p e c i a l i z ei na n yoft h ea r e aofe ngl n e e r l n gf わrt woye a r s . Upo n s u c c e s s f ul c o mpl e t i on o f t he e n gl n e e r l n g C O u r S e ,t h e s t u d e n t s a r e a wa r d e d t h e t wo u n d e r g r a du a t ed e gr e e s .

Th ej oi n tde g r e epr o gr a m c o mbi n i n gu

n

de r gr a du a t e / g r a du a t ed e gr e e sa l l o wss t u d e n t st oe a m b o t h u n de r g r a du a t ea n dgr a du a t ed e gr e e se n a bl i ngt oc ompl e t et her e qul r e me n t Sf o rt het wod e gr e e si n s ho r t e rp er i odt h a nf o rt hei nd i vi du a ]de g r e e s ,e . g. ,f o rt hed e gr e e sofB・ S.a n dM. S・i nf i veye a r s i

ns t e a do fs i xye a r sa ndf o rt hed e gr e eo fB. S.a n dM. D.o rI . D.i ns i xye a r si ns t e a dofs e ve nye a r s . Th ej o i n td e gr e ep r o gr a m c o mbi n i n gt wog r a d ua t ed e g r e e si nc l udi n g d oc t or a ld e g r e e si sa l s o a va i l a bl e . I nma n yc a s e s ,a tl e a s to neo ft h et wod e gr e e si spr o f e s s i o na l .

* Pr of es s o r ,Na t i o n a lI ns t i t u t i o nf T o rAc a d e m icDe g r e e s .

53 ‑

(22)

表 1 コロン ビア ・カ レッジ工学進学課程 のカ リキュラム 学 年 授 業 科 目 (内 容 ) 1 年次 ・数学 ( 微積分)・化学 ( 一般化学,一般化学実験)・人文科学 ( 西洋文学お よび哲学の代表作) ・体育 ・英語 ( 論理学お よび修辞学) ・選択科 目 2 年次 ・数学 ( 微積分)・物理学 ( 力学 .熱力学入門,電磁気学 .光学入 門)・現代文明 (西洋 にお ける現代文明入 門) ・外 国語 ・選択科 目 3年次 ・コンピュー ター科学 ( プ ログラムによ り下記 よ り選択)

参照

関連したドキュメント

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

学位授与番号 学位授与年月日 氏名

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件

工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科

氏名 小越康宏 生年月日 本籍 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目..

ハンブルク大学の Harunaga Isaacson 教授も,ポスドク研究員としてオックスフォード

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき