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風向 風速 風圧係数 指導教員:田島昌樹

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(1)

Study on Energy Saving Control for Ventilation Fans in a Thermal Power Plant

Considering Indoor Thermal Environment TAKAHASHI Fumika

火力発電所の温熱環境に配慮した排気ファンの省エネルギー制御に関する研究

高知工科大学 システム工学群 建築・都市デザイン専攻 建築環境工学研究室 発電所 排気ファン 温熱環境 学籍番号: 1200078 氏名:髙橋文佳

風向 風速 風圧係数 指導教員:田島昌樹

1. はじめに

発電所では、発電タービン稼働時に最も熱が発生し、主に 換気によって熱除去されることで運用されている。本研究で 対象とした火力発電所では、機器発熱をルーフファンや自然 換気により排熱しており、室内を発電機器が安全に稼働でき る温度で維持している。現在、発電時には全てのファンを稼 働させていることが多く、ファン稼働台数を制御し風量低減 を図ることで、エネルギーの削減が可能である

[1]

と考えられ る。そこで本研究では、室内温熱環境の維持とファン稼働に かかるエネルギー量の削減を目的として、測定値と理論換気 風量の整理を行うことで、室内空気温度の推定式を導出し、

ファンの運用制御について検討を行った。

2. 研究概要

対象建物の温熱環境把握を目的として、2018 年度および 2019 年度に温熱環境の測定を行った。測定概要を表 1、発電 施設で記録されている実績値の項目を表 2 に示す。また対象 建物の断面概要を図 1 に示す。対象建物は 3 階建になってお り、2 階と 3 階の床にはグレーチング、南北面の壁にはガラ リおよび屋上にはルーフファンが 12 台設置されている。また 発電機器の安全な稼働を考慮して、機器直近の空気温度が 40℃以下で運用できるよう設計条件が課されている。

2018 年度の測定結果から、換気風量は自然風による影響を 最も受けやすいことが推測されたため、2019 年度では発電施 設で記録された風向および風速の実績値を加え、発電時のフ ァン稼働台数を 12 台から 8 台、6 台および 0 台に制限する期 間を設けた。

また対象建物は外部風の影響が大きい立地にあり、絶えず 変動する風に影響される換気風量の把握を正確に行うことは 困難である。そこで換気回路網計算

[2]

を用いて室内外温度差 や外部風、ファン稼働台数を考慮した換気風量推定式を作成 した。推定した換気風量、外気温度および発電電力量を用い て重回帰分析を行い、室内温度推定式を導出した。またファ ン稼働台数の制御を行うことで換気に要するエネルギーの削 減について検討を行った。

3. 温熱環境測定結果 3.1 空気温度

2018 年度の測定で、空気温度が最高値を記録した点を室内 代表点とした。室内代表点および外気の各月の空気温度を図 2 および図 3 に示す。

図 2 および図 3 より、外気、室内代表点の平均温度は共に 2018 年度に比べて 2019 年度が常に高い傾向を示した。また ファン稼働台数について、8 台稼働時に測定を行った 10 月や

全台停止時に測定を行った 11 月および 12 月の最高温度は 40℃を下回る結果となった。

3.2 絶対湿度

外気と室内代表点の絶対湿度の差は、全期間において 表 1 測定概要

測定項目 空気温度、相対湿度

測定期間 2018/9/11~2019/1/31 2019/8/1~2019/12/26 測定点数 96 35

測定間隔 10 分

表 2 実績値項目 項目 風速、風向、発電電力量

ルーフファン電力量

間隔 10 分(発電電力量のみ 1 時間)

図 1 対象とした火力発電所断面概要

図 2 外気温度

図 3 空気温度(室内代表点)

12.3m

5.1m

5.7m

・・・・・

Fan1 Fan2 Fan12

・・・ opening(air inlet) ・・・opening(grating)

Turbine

1F 2F 3F

23.9 19.9 14.5

10.1

7.7 32.0 29.8 24.7

16.5

10.2

0 10 20 30 40 50 60

9月 10月 11月 12月 1月 8月 9月 10月 11月 12月

温度[℃]

平均値

2018年度 2019年度

27.2 21.4

15.6 12.7

10.5 36.0

32.7 30.9

26.7 24.4

0 10 20 30 40 50 60

9月 10月 11月 12月 1月 8月 9月 10月 11月 12月

温度[℃]

平均値

2018年度 2019年度

(2)

2.5g/kg(DA)以下、平均値では 1.1g/kg(DA)となり、小さな値 となった。この結果から室内での発湿が少ない、あるいは換 気風量が十分に大きいと考えられる。

4. 室内代表点温度の推定 4.1 室内代表点温度推定の概要

測定結果から、ファン停止時にも室内代表点温度は設計条 件を十分に下回ることを確認したため、ファンの台数制御が 可能となるよう熱量平衡式に基づいた室内温度推定方法を構 築した。室内温度を決定する要因のうち、換気風量は熱の移 流に大きな影響を与える要素である。しかし対象建物では、

ファン以外にも温度差や風力による換気が存在し複雑である ことから換気風量の測定は技術的に困難であった。よって対 象建物周辺で起こりうる条件を設定した理論計算を行い、結 果の整理により室内外温度差、風向・風速およびファン稼働 台数など測定可能な境界条件に基づいた換気風量算定式を導 出し、室内温度の推定に用いることとした。

① 自然換気と機械換気の併用による換気風量の推定 1)VentSim による理論風量計算

2)ファンを含めた風向別の換気風量推定式の作成 手法Ⅰ 実効室内外温度差を用いた換気風量推定式 手法Ⅱ 風向別の換気風量推定式

②室内代表点温度推定式の導出

1)換気風量を変数とした熱量平衡式の作成 2)熱量平衡式に基づく温度推定式の導出

③室内代表点温度の推定

1)温度推定式の重回帰分析による偏回帰係数の同定 2)温度推定式の精度確認

図 4 室内代表点温度推定式の導出概要 4.2 自然換気と機械換気の併用による換気風量の推定 1)VentSim による換気回路網計算

理論換気風量を算出するために、VentSim

[2]

による換気回路 網計算で使用したモデルを図 5 に、計算条件および計算に使 用した風圧係数を表 3 および表 4 に示す。風圧係数は独立建 物における風圧係数分布

[3]

を使用した。なお表 4 における角 度は図 5 中の風向 9(SSW)を 0°としたものである。

2)ファンを含めた風向別の換気風量推定式の作成 手法Ⅰ 実効室内外温度差を用いた換気風量推定式

既往研究では、田島ら

[4]

は外部風による換気駆動力を室内 外温度差に置き換えて表現する∆𝑇

𝐸

を定義し、 換気駆動力の 1 つである室内外圧力差∆𝑃

𝐸

は(式 1)のように室内外温度差 による圧力差∆𝑃

𝑇

と風圧 ∆𝑃

𝑊

の和で表現している。また(式 1)を(式 2)のように変形し、風圧による換気量を対象建物 において温度差による換気風量に置き換えるための係数とし て方位別の実効風圧係数差∆𝐶

𝑃𝐸𝑑

を 考え、∆𝐶

𝑃𝐸𝑑

を用いること で風向によって異なる風圧係数を考慮した∆𝑃

𝐸

が算定可能と なる。さらに(式 2)は(式 3)のように変形でき、両辺を 353.25gh/𝑇

𝑜

∙ 𝑇

𝑖

で除すると(式 4)となり、実効室内外温度 差∆𝑇

𝐸

が得られ、室内外温度差の正負に関わらず(式 4)が成

り立つとき、 ∆𝑇

𝐸

は(式 5)のように表すことができるとして いる。本研究では、同様の手法を用い、理論計算から求めた 対象建物の換気計算モデルの∆𝐶

𝑃

𝐸𝑑

を図 6 に示す。

∆𝑃

𝐸

= ∆𝑃

𝑇

+ ∆𝑃

𝑊

(式 1)

∆𝑃

𝐸

= ∆ρgh + ∆𝐶

𝑃𝐸𝑑

1

2 𝜌𝑣

2

(式 2)

∆𝑃

𝐸

= 353.25(𝑇

𝑖

− 𝑇

𝑜

) 𝑇

𝑖

∙ 𝑇

𝑜

𝑔ℎ + 1

2 ∆𝐶

𝑃𝐸𝑑

353.25

𝑇

𝑜

𝑣

2

(式 3)

∆𝑇

𝐸

= |∆𝑇| + 𝑇

𝑖

∆𝐶

𝑃𝐸𝑑

𝑣

2

2𝑔ℎ (式 4)

∆𝑇

𝐸

≡ 𝑠𝑔𝑛(∆𝑇

𝐸

) × (|∆𝑇| + 𝑇

𝑖

∆𝐶

𝑃𝐸𝑑

𝑣

2

2𝑔ℎ ) (式 5)

ここで、

∆𝑃𝐸 :実効室内外圧力差[Pa] 𝑔 :重力加速度[m/s2

∆𝑃𝑇 :温度差による室内外圧力差[Pa] ℎ :階高[m]

∆𝑃𝑊 :外部風による室内外圧力差[Pa] 𝑣 :外部風速[m/s]

∆𝜌 :室内外の空気密度差[kg/m3] 𝜌𝑖 :室内空気密度[kg/m3

∆𝐶𝑃𝐸𝑑 :方位dの実効風圧係数差 𝜌𝑜 :外気空気密度[kg/m3] 𝑇𝑖 :室内代表点の空気温度[K] 𝑇𝑜 :外気の空気温度[K]

∆𝑇𝐸 :実効室内外温度差[K] ∆T :室内外温度差[K]

*𝑠𝑔𝑛は符号関数で、𝑠𝑔𝑛(𝑥) = {1(𝑥 > 0), −1(𝑥 < 0)}

図 5 換気計算モデル(3 階)

表 3 計算条件

項目 水準

外部風速𝑣 [m/s] 0,2,4,6,8,10,12,14 室内外温度差∆𝑇 [K] 0,5,10,15

ファン稼働台数𝑁

𝐹

[台] 0,6,8,12 ファン 1 台当たりの風量 [CMM] 520

表 4 計算に使用した風圧係数

0° 22.5° 45° 67.5° 90°

風上側 +0.70 +0.75 +0.45 +0.15 -0.40 風下側 -0.40 -0.50 -0.50 -0.50 -0.40

*参考文献[5]による風圧係数分布を使用した値で風向 9(SSW)を 0°

として使用

図 6 実効風圧係数差∆𝐶

𝑃

𝐸𝑑

(算定値)

X

X

・・・ ・・・

風向1

(NNE)

QF= NF× 520CMM

Fan1 Fan2 Fan12

αA1=23m² αA2=33m²

・・・・・・・

opening(air inlet) opening(grating)

Ti

To DT = Ti - To

風向9

(SSW)

αA3=68m²

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

16(N) 1

2

3

4(E)

5

6 7 8(S) 9 10 11 12(W)

13 14

15

(3)

ここで算出した ∆𝑇

𝐸

と実効室内外温度差による換気風量 𝑄

𝐸

は(式 6)で表す

[5]

ことができる。 (式 6)の両辺対数を取 ると(式 7)となる。また、(式 8)のように∆𝑇

𝐸

を変数とし た一次式の形にすると回帰直線から𝑛と𝑄

0

が求まり、(式 9)

となる。

𝑄

𝐸

= 𝑄

0

∆𝑇

𝐸𝑛1

(式 6)

log 𝑄

𝐸

= log 𝑄

0

(∆𝑇

𝐸 1

𝑛

) (式 7)

log 𝑄

𝐸

= log 𝑄

0

+ 1

𝑛 log ∆𝑇

𝐸

(式 8)

𝑄

𝐸

= 56250.1 × ∆𝑇

𝐸0.518

(式 9)

ここで、

𝑄𝐸 :実効室内外温度差による換気風量[m3/h]

𝑄0 : ∆𝑇𝐸= 1の時の換気風量[m3/h]

ファンが稼働した条件の換気風量

𝑄

はファン圧力と自然換 気による圧力の関係で実現される風量の場合分けが必要であ る。実効室内外温度差による圧力がファン圧力より大きい場 合は𝑄

𝐸

とファン風量の和となり、小さい場合はファン風量と 等しくなるため(式 10)で表せる。ファン稼働台数が増加す るとファンによる室内外圧力差も増加するため、∆𝑇

𝐸

′も増加 する。求めた𝑄と VentSim により算出した理論風量を図 7 に 示す。

𝑄 = { 𝑄

𝐸

+ 𝑄

𝐹

× 𝑁

𝐹

(∆𝑇

𝐸

> ∆𝑇

𝐸

)

𝑄

𝐹

× 𝑁

𝐹

(∆𝑇

𝐸

≤ ∆𝑇

𝐸

) (式 10)

ここで

𝑄 :実効室内外温度差と機械換気による換気風量[m3/h]

𝑄𝐹 :ファン 1 台の換気風量[m3/h]

𝑁𝐹 :ファンの稼働台数[台]

∆𝑇𝐸′ :ファン圧力とバランスする実効室内外温度差[K]

図 7 実効室内外温度差を用いた換気風量の推定 手法Ⅱ 風向別の換気風量推定式

対象建物の開口は単純開口なので、温度差による換気風量、

風力、ファンによる換気風量はそれぞれ加算できると考え、

(式 11)を設定する。各項の偏回帰係数を同定するため換気 回路網計算によって算出した理論換気風量を用いて重回帰分 析を行った。(式 12)に示す場合分けを行い、ファンを含め

た風向別の換気風量と VentSim で求めた理論風量を図 8 に示 す。手法Ⅰと手法Ⅱを比較した結果、手法Ⅱの決定係数の方 が大きかったため、手法Ⅱを採用する。

𝑄

𝐷

= 𝑎

1

√∆𝑇 + 𝑎

2

𝑣 + 𝑎

3

𝑄

𝐹

(式 11)

𝑄 = { 𝑄

𝐷

(𝑄

𝐷

> 𝑄

𝐹

)

𝑄

𝐹

(𝑄

𝐷

≤ 𝑄

𝐹

) (式 12)

ここで

𝑄𝐷 :ファンを含めた風向別の換気風量[m3/h]

𝑎1 :風向毎の√∆𝑇にかかる偏回帰係数 𝑎2 :風向毎の𝑣にかかる偏回帰係数 𝑎3 :風向毎の𝑄𝐹にかかる偏回帰係数

図 8 風向毎の換気風量推定 4.3 室内代表点温度の推定式の導出

1)換気風量を変数とした熱量平衡式の作成

室内代表点温度推定式の作成を目的として、外部から流入 する熱量、外部へ流出する熱量および発電を主とする室内発 熱による熱量の総和は定常的には 0 となることから、発電所 内の熱量平衡式は(式 13)で表される。

2)熱量平衡式に基づく室内代表点温度推定式の導出 本研究では発電量の実績間隔である 1 時間値を用いた。室 内についての項を左辺に移行すると、(式 14)のようになる。

(式 14)の比エンタルピーを空気温度と絶対湿度で表すと

( 式 15 ) に な る 。 こ こ で 他 項 と 比 し て 微 小 な 値 で あ る 1.846𝜃

𝑖

と 1.846𝜃

𝑜

を省略し、𝜃

𝑖

についてまとめると、(式 16)

となる。また測定結果より、室内外の絶対湿度の差は微小で あるから(𝑥

𝑜

− 𝑥

𝑖

) ≈ 0であり(式 17)が成り立つ。これより、

室内代表点温度の推定には換気風量の推定が必要であること が分かる。

0=𝑎

𝑔

𝑞

𝑔

+ G(ℎ

𝑜

− ℎ

𝑖

) (式 13)

Gℎ

𝑖

=𝑎

𝑔

𝑞

𝑔

+ G ℎ

𝑜

(式 14) 𝐺{1.005𝜃

𝑖

+ 𝑥

𝑖

(2501.1 + 1.846𝜃

𝑖

)}

= 𝑎

𝑔

𝑞

𝑔

+ 𝐺{1.005𝜃

𝑜

+ 𝑥

𝑜

(2501.1 + 1.846𝜃

𝑜

)} (式 15) 𝜃

𝑖

= 𝑎

𝑔

1.005 ∙ 𝑞

𝑔

𝐺 + 1

1.005 {1.005𝜃

𝑜

+ 2501.1(𝑥

𝑜

− 𝑥

𝑖

)} (式 16) 𝜃

𝑖

= 𝑎

𝑔

1.005 ∙ 𝑞

𝑔

𝐺 + 𝜃

𝑜

(式 17)

y = 0.9263x R² = 0.9493

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

理論換気風量[CMM]

推定換気風量[CMM]

n=2048

y = 0.9991x R² = 0.9845

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

換気量算定値[CMM]

換気量推定値[CMM]

n=2048

(4)

ここで、

𝑎𝑔 :発電電力量が熱量に変わる割合[%]

𝑞𝑔 :発電電力量[Wh]

𝐺 :換気風量[kg/h]

𝑜 :外気の比エンタルピー[kJ/kg(DA)]

𝑖 :室内代表点の比エンタルピー[kJ/kg(DA)]

𝜃𝑜 :外気の空気温度[℃]

𝜃𝑖 :室内代表点の空気温度[℃]

𝑥𝑜 :外気の絶対湿度[kg/kg(DA)]

𝑥𝑖 :室内代表点の絶対湿度[kg/kg(DA)]

4.4 室内代表点温度の推定式

1)室内代表点温度推定式の偏回帰係数の同定

対象建物の 3 階の換気量を(式 12)を用いて算出した。算 出した換気風量、発電電力量および外気温度を説明変数とし、

室内代表点温度推定式の係数を重回帰分析から同定した。瞬 間的に変化する外部風向や風速のデータを使用したことや設 定した風圧係数が対象建物独自の値でないことなどを考慮し、

標準正規分布における平均値の±2σより外の点を外れ値とし、

元のデータの±1σ分だけデータを抽出

[6]

し傾向を把握した。

最終的に得た重回帰式を(式 18)、各説明変数の偏回帰係数 および標準偏回帰係数を表 5 に示す。

2)室内代表点温度推定式の精度確認

測定値と重回帰式から算出した室内代表点温度推定値の比 較を図 9 に示す。(式 18)は室内代表点温度が発電電力量の 増加または外気温度の上昇で高くなり、換気風量の増加で低 くなることを示しており、物理的な正負を満たす形となった。

𝜃

𝑖

= 0.02 𝑞

𝑔

𝐺 + 1.13𝜃

𝑜

(式 18)

表 5 各説明変数の標準偏回帰係数

説明変数 偏回帰係数 標準偏回帰係数 𝑞

𝑔

/𝐺 0.02 0.42

𝜃

𝑜

1.13 0.81 5 ファン稼働台数の削減

上記検討より室内代表点温度を発電電力量、換気風量およ び外気温度で算出することが可能になった。室内代表点温度 を設計条件の上限である 40℃(=𝜃

𝑖 𝑚𝑎𝑥

)となる時の必要最 小換気風量𝐺

𝑐

とし、(式 18)を𝐺

𝑐

について整理すると(式 19)

のようになる。計算ファン換気風量から得られる必要ファン 台数を(式 20)で示す。

また図 10 に月別の実績および計算ファン稼働率を示す。こ こでファン稼働率は全台稼働時を 100%として、1 ヶ月当たり のファンの稼働状況を示したものである。各月でファン稼働 台数の削減が可能であり、最大で約 62.4%削減できる。2019 年度においてファン全台停止運転を行った 12 月は計算ファン 稼働率も 0%となったため、ファン稼働台数を削減しても設 計条件である 40℃以下で運用できることを確認した。

𝐺

𝑐

= 0.02𝑞

𝑔

𝜃

𝑖 𝑚𝑎𝑥

− 1.13𝜃

𝑜

(式 19)

𝑁

𝐹𝐶

= 𝐺

𝐶

− 𝐺

𝜃𝑖 𝑚𝑎𝑥

𝐺

𝐹

(式 20)

ここで、

𝐺𝑐 :必要最小換気風量[kg/h]

𝜃𝑖 𝑚𝑎𝑥 :設計条件の上限温度(=40)[℃]

𝑁𝐹𝐶 :必要ファン台数[台]

𝐺𝜃𝑖 𝑚𝑎𝑥 : 𝜃𝑖 𝑚𝑎𝑥時の実効室内外温度差による換気風量[kg/h]

𝐺𝐹 :ファン 1 台の換気風量[kg/h]

6 まとめ

本研究では、室内環境の維持と省エネルギーの両立を図る ために換気設備の台数制御について検討し、換気風量の推定 および、室内代表点温度の推定を行った。

正確な測定が困難である換気風量については、換気回路網 計算を行うことで室内外温度差、風向、風速、ファン稼働台 数を含めた換気風量推定式を作成した。算定した換気風量と 外気温度、発電電力量を用いて熱量算定式から室内代表点温 度の推定式を作成した。重回帰分析の結果から室内代表点温 度推定式の係数を同定し、室内代表点温度の上限値 40℃とな るときの必要最小換気風量を求めた。必要最小換気量を得る ために必要なファン台数を算出し計算ファン稼働率とするこ とで実績ファン稼働率と比較し、ファン台数を削減できるこ とを確認した。

図 9 室内代表点温度の推定値

図 10 月別ファン稼働率

<参考文献>

[1]藤井他:大空間を対象とした効率的な換気空調システムに関する 実践研究(その 1)研究目的と岩盤冷却効果を利用した設備の概要, 日本建築学会大会学術講演梗概集,p1265-1266,2018.7[2]株式会社建 築環境ソリューションズ:換気回路網シミュレーション VentSim ver2.1.5 [3]エース建築環境工学Ⅱ-熱・湿気・換気-,p159,2013.2 [4]田島他:温度差利用型戸建住宅用ハイブリット換気システムに関 す る 研 究 , 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 ( 第 4 報 ) ,p702- 703,2005 [5] 最新 建築環境工学(改訂 4 版), p201, 2017.2 [6]ロ バスト統計‐外れ値への対処の仕方‐,p41,2017.7

y = 0.9868x R² = 0.8275

0 10 20 30 40 50

0 10 20 30 40 50

推定値[℃]

測定値[℃]

n=2797

41.3 17.7

64.2

1.8 49.8

0.7 35.7

0.0 30.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

ファン稼働率[%]

0.0

8月 9月 10月 11月 12月

実績 計算

参照

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