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理科教育における 観察の機能に関する実験的研究(第16報)

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(1)

147

理科教育における

観察の機能に関する実験的研究(第16報)

一観察力評価法の吟味(その2),サクラとクリの葉 の比較観察の場合一

自然科学教育研究室 高 野 恒 雄

§1.研究の意味

§2.調 査 方 法

ω調査対象

(2) 3種の観察力評価法の実際

§3.調査結果と考察

(1)比較観察得点に見出される差異

②各相異点の観察率に見出される差異

⑧ 比較観察得点間および知能,理科成績との相関に見出される差異

§4.結    論

§1. 研究の意味

前報において・3種の観察力評価法を,純物理的で法則性の強い「虫めがねによる像の 変化の観察」の場合について児童の観察記録をもとに比較吟味し,各段階における観察

8報であっかった「サクラとクリの葉の比較観察」の場合についてしらべてみたのであ る。       

この場合,純物理的な「虫めがねによる像の変化の観察」に対して,植物を観察対象と する「サクラとクリの葉の比較観察」は,観察対象の性格が大きく異なり,対照的であり,

また「比較観察」という点で特色をもっているので,観察のタイプが異なった場合,同じ 3種の観察力評価法がどのように異なる側面をあらわすかを,みたかったわけである。

§2.調 査 方 法

(1)調 査対象

茨城県西茨城郡岩間町立岩間第一小学校,4年生41名,6年生51名,計92名。なお研究

(2)

148       茨城大学教育学部紀要第十二号

の都合で,前報と全く同じ被検者にした。

(2) 3種の観察力評価法の実際

サクラとクリの葉の比較観察において行った3種の観察力評価法の実際は,それぞれつ ぎのようである。

(A)観察対象(実物)だけを与えられて,その観察結果を記録していく場合(指示な

し)。

第8報におけると同じように,各被検者にサクラ(ソメイヨシノ)とクリの葉を1枚ず つ与えてから,大体つぎのような意味の説明を与えるだけで,特別の指示は何もしなかっ

たo

「目の前にあるサクラとクリの葉を,あらゆる角度からよく注意深く観察してみると,

かなりの沢山のちがった点が見出される。そのちがっている点を,できるだけ指摘して記 録してほしい。葉はどのようにあっかってもよい。」

この場合,観察対象のサクラとクリの葉は,いずれも6月中旬に同じ木の同じ枝から採 集し,さらに個体差の著しいものは除いた。枝の先端部と基部の葉は個体差を少なくする

ためにさけ,また葉は葉柄をつけたまま採集した。観察時間は30分間である。

⑧観察対象を取り去られて,記憶を頼りに指示された質問に答えていく場合(実物な し,指示あり)。

Aの方法で観察をした被検者から,観察対象のサクラとクリの葉を取り去り,つぎに第 1表のような観察についての簡単な指示をかいた紙を配り,記憶を頼りに記録させたので ある。時間は20分間である。

       髄」

k

(3)

高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第16報)       149

第1表

質問の形で指示した観察方法

(・〕全体の形は{夢ク言l    l

②葉の先のはしの形は{夢ク言l    l 1

㈲葉劔ちのギザギザの形は{夢ク言l    l

㈲ギザギザのこまかさは{夢ク言l    l

(5)ギザギザのとがり加{夢ク言l    l

(6燦の表のなめらかさは{夢ク言l    l

(7)すじの多さは{夢ク言

⑧ななめのすじの先は{夢ク言1

(9)まんなかのたての太けじの出ばり方は{夢ク言l    l α⑤まんなかのすじとななめのすじの鯛ま{夢ク言l    !

⑳よう一、帳さは{夢ク言1   ・1 働よう一いのなめらかさは{夢ク言l    l

⑬勤色は{夢ク言l    l

⑳葉のかたさは{夢ク言l    l

ロ牒のもとのよう一、噺には{夢ク言l    l 個まんなかのすじのなめらかさは{夢ク言l    l

◎ あらためて観察対象を観察しながら,質問に答えていく場合(実物,指示共にあり)。

ここでBの紙を被検者から集めて,5分間休んでから,もう一度サクラとクリの葉を配 り,Bのとき配ったものと同じ紙に,あらためて十分観察しながら,記録していかせた。

時間は25分間である。

以上3種の観察力評価法を同一被検者に,A→B→Cの順序に行ったのであるが,得ら れた観察記録の採点基準は第8報と同じであり,第2表にその要点を示してある。

(4)

150      茨城大学教育学部紀要 第十二号

第2表

比較観察しうる相異点

翻1相異点1サクラ } ク   リ

・ 金体の形1卵  形 1長いダ円形

・1先端の副急にとが・ている}とが・てはい軌それほどでない

・陣の密劇  細密 1   粗 5噛の鋭さ  鈍い  i  鋭い

6俵面の状矧うすい毛が生えている}  平滑

7樺脈の轍1  密  【  やや粗

81葉脈の走り方 縁の近くで脈が乱れる1 縁の歯に向。て斜めに走る  1       i

9睡脈の凹酬籟より凹んでい司  緬より凸っで・る

・・豚と支脈の酬  小さ埆  i  大き、埆

・・摩柄の長判  長い 1  短い

・2摩柄の封  ある i  ない

・3 葉の色  濃い  1  うすい

・4摩の硬劉  軟らかい  i  硬い

・51密腺 1 ある t  ない

・6注脈上の司  ない     ある

すなわち見出しうる相異点の数は16となるが,実際に被検者の観察記録を評価する場合 には,これまで同様一つの相異点を見出し記録することができた場合これを1点とし・各 被検者のこの観察において見出すことのできた相異点の数を比較観察得点の形であらわし

たわけである。

§3.調査結果と考察

(1)比較観察得点に見出される差異

被検者の平均比較観察得点とその比を求めてみると,4年生については第3表の通りで あり,また同じ4年生について最高および最低比較観察得点をそれぞれの場合について示 したのが第4表である。

(5)

高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第16報)        151

第3表

平均比較観察得点(4年生)

\l A l B i C  B/A lC/B

男 436レ65 時・1L7・1・・27 女14・81乳8・t隔9 L9・1・・23

全休i42・i牝73}軌641・・84}・・25 1

第4表

最高,最低比較観察得点(4年生)  顎

\\」  A     B  i  c

最融   ・  ;  ・3  1  ・・

最低劇   ・  1  ・  1  4

つぎに6年生についての平均比較観察得点およびその比は第5表の通りであり,最高お よび最低観察得点は第6表に示してある。

第5表

平均比較観察得点(6年生)

l A i B   C {B/A ic/B 男1臥37、軌・・1…261・・6811・25

列a・・1・−1・L621L54 L・6 全体h9・iいgl・L421L6・{L2・

第6表

最高,最低比較観察得点(6年生)

l  A  }  B     C

最融i  ・・  1  ・4  1  ・5 最低点1  3     6  1  ・

ここで,第3および第5表のA,B, Cにおける各平均比較観察得点相互の差にっいて Studentのt検定を行ってみると,すぺての場合に危険率1%で十分有意の差があるこ

とがわかった。以上の四つの表から,つぎのようなことがわかる◎

まず両学年を通して,大体において女子の方が男子より平均比較観察得点が高いこと は,これまでの諸種の観察における一般的傾向と一致する。

つぎに平均比較観察得点の比をみると,C(実物,指示共にあり)の平均比較観察得点 とB(実物なし,指示あり)の平均得点との比C/Bは,両学年共男子の方が大きく,す なわち得点上昇率が大きいことがわかる。したがって前報の虫めがねによる像の変化の観

(6)

1巧2      茨城大学教育学部紀要第十二号

察の場合と同じように,Cにおいて再観察をしたとき,それまで気ずいていない観察点を 発見する割合が,男子の方が大きいといえる。

つぎに平均比較観察得点の比B/AとC/Bを比較してみると,一寸考えると異常ともい える事実が見出される。すなわちB/Aは4年生1.84,6年生1.61であり, 1より遥かに 大きい値となっており,C/Bの比,すなわち4年1.25,6年生1.20より,相当大巾に上 回った値を示しているのである。

いいかえればA→B→Cの過程において,A→Bにおける得点上昇率がB→Cにおける 得点上昇率より相当の差をもって高く,Bの段階では観察対象(実物)を取り去られて記 憶を頼りに記録しているにもかかわらず,「観察方法の指示」が大きく効果をあらわし,

Cの段階以上に観察の伸びをもたらしたわけである。

この傾向は,前報の虫めがねによる像の変化の観察の場合における傾向よりさらに一段 と強いわけで,「ことばにならない観察」がかなり多く存在し,前報第7表に示したよう に,「観察方法の指示」の触媒作用によって「ことばにならない観察」→「ことばになっ た観察」の過程が進行し,表現された観察記録になるものと解せられる。

ここで,サクラとクリの葉の比較観察において,サクラの葉の単独観察とクリの葉の単 独観察はいずれも,静的観察で,それぞれかなり把握しやすい面をもっているため,それ

それの葉についての表象は相当豊かにもつことができるが,「相異点」として両方の葉を 統一的に把握するには至っていない場合が多いものと考えられる。それが「観察方法の指 示」によって,簡単ではあっても「比較の観点」を示されることによって,「比較観察」

が容易になり,「相異点」として「ことば」による表現の次元まで浮ぴあがってくること になるものと考えられる。

このことは,「観察方法の指示」によって,「ことばにならない観察」→「ことばにな った観察」の過程が促進されると同時に,第7表に示したような「単独観察」→「比較観 察」の過程が「比較の観点」の把握をテコとして進展することを意味すると考えられる。

第7表

観察方法の指示効果の構造

1鰹方法の指示1    ↓比較の観点1

1サクラの葉の単獺剰一 }↓   ド

→1比較観察(騰の撰)i クリの葉の単蝋察ピ

(7)

高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第16報)         153

このように「観察方法の指示」は, 「ことばにならない観察」→「ことばになった観 察」と「単独観察」→「比較観察」の両面において著しい効果をあらわすことが認められ

るのである。

っぎに第4および第6表に示した最高および最低比較観察役点をみてみると,前報と異 なってA→B→Cと段階が進むにしたがって,かなりの得点上昇がみられることがわか る。このことから,サクラとクリの葉の比較観察の場合は,被検者の各層が全面的に観察 力評価法の変化の影響を受けて,観察の促進を行なっているといえる。この理由として は,サクラとクリの葉の比較観察においては,見出しうる相異点の数が多くいろいろな観 察の側面をもっているので,観察力の強い者でも弱い者でも,それぞれ飛躍しうる余地が 存在することが考えられる。

② 各相異点の観察率に見出される差異

サクラとクリの葉の比較観察率に見出しうる16の各相異点について,それを見出した被 検者は全体の被検者の何%にあたるか(観察率)を,4年生と6年生における3種の観察 力評価法のそれぞれの場合について比較的に示すと,第8表のようになる。

第8表

各 相 異 点 の 観 察 率

         4  年  生

活ル点「 』一一 6  年  生

A lB ic A lB lC

11雛51%21㎜・1脳1%21蜘。

21姐i硲517a8/几8 騒8 皿5

・1躍1記6i姐[伽1脇21 2

・1硲・1飢5im・1肱61創凱・lm・

,51肱・巨&・1肱・1 ・乳6Pa・1肱・

6{a・1㎜1鉱・i瓠・1伽1n6

・ 紘・1皿・1鳳・1㏄・1肱・1鰍・

81鉱・1鍬一 硲・1猛・1翻1鳳・

giλ4i肌91姻1翫9 魏1榔

酬 ・1脇3 路・[・1鉱3}駄・

nE燃2 p蛾・1鉱・1㌫gI皿61郡

瑚 4gI・乳・1肌7 ・翫71仙21㎝8 131鰍319翫3 9a718軌・!鳳・』鰍・

14・1凱・@6臥8…8α51647 8a3 i皿2       1

(8)

154      茨城大学教育学部紀要第十二号

・51・乳・ ?・・91i 3・・714乳・162・81鰍6

・61・ [・ 13俵6 ㌫9  乳8 2翫5

第8表に示した各相異点の各評価法における観察率の傾向において,特に著しいものを とりあげてみるとつぎのようである。

まず観察力評価法がA→B→Cと変化するにしたがって,特に著しい観察率の上昇がA 一>B,B→Cの両段階共にみられるのは,相異点5(歯の鋭さのちがい),相異点6(葉 の表面の状態のちがい),相異点9(主脈の凹凸状態のちがい),相異点10(主脈と支脈 の角度のちがい),相異点11(葉柄の長さのちがい)および相異点12(葉柄の毛の有無の

ちがい)においてである。4年生,6年生共にみられる著しい傾向であるが,これらの相 異点に共通する点をあげるならば,微視的な比較観察によって見出されるものが多いとい

うことである。微視的なために,A(指示なし)の状態ではなかなか比較観察しにくく,

B(実物なし,指示あり)の段階で観察方法の指示効果が大きくあらわれ,C(実物,指 示共にあり)の段階で再観察することによりさらに促進されるものと考えられる。なお上 記の各相異点の内,相異点10(主脈と支脈の角度のちがい)は必らずしも微視的ではない が,「比較の観点」が特殊であり,Aの状態では一寸気ずかないためであろう。

つぎに相異点8(葉脈の走り方のちがい)と相異点16(主脈上の毛の有無のちがい)に おいては,主にB−・Cの段階で著しい観察率の上昇がみられる。この理由としては,この 二つの相異点は共にかなり特殊に微視的であり,したがって比較観察がむずかしく,Bの 段階で観察方法の指示を受けても実物がないのでは把握しにくく,Cの再観察によって始 めて気ずき,比較観察が大いに促進されるものと解せられる。

それから相違点14(葉の硬さのちがい)においては,4年生がA→Bの段階で著・しい観 察率の上昇を示しているが,これはAの状態で葉の硬さについては触覚によって既に気ず いてはいても,「比較の観点」の把握が不十分なために,ことばで表現するには至ってい

なかったものと想像される。それが観察方法の指示によって,明確に比較的に把握できる ようになったと考えられるのである。なお6年生はこの相異点14を,Aの状態で過半数の 者が観察している。すなわちAの状態において,既にかなり明確に把握できていることを 意味する。

また相違点2(葉の先端の形のちがい)において,6年生がA→Bの段階で著しい観察 率の上昇を示しているのは,おそらくAの状態で気ずいてはいたが・平凡な相異点のため にかえって当然視してしまって,ことばにならなかった者が多かったのではないかと考え る。もう一っの理由としては,6年生は4年生よりも一般的に微視的観察にすぐれている ので,その反面比較の観点が微視的観点に固定しすぎるきらいがあり,巨視的な相異点2

(9)

高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第16報)       155

はかえって注意が十分働らかなかったということも考えられるのである。

(3)比較観察得点間および知能,理科成績との相関に見出される差異

これらの間の相関係数を求めてみると,4年生については第9表,6年生については第 10表のようになる。

第9表

相 関 係 数(4年生)

[A }B lC 陪・能i酬囎

A l− 1+a341+a2・i+α・・1+a4・

B …+a341− }樵52巨a・・1+・・58

C 輸・・1+a52 一 巨a681+a52

知 能 }+α・・1+a・・;+a68 − 1+a46 理科成績1+α4・1+・・581+a52+α46}一

第10表

相 関 係 数(6年生)

\   A  i  B  i  c

A i  −     +・・73    +・・55

B  +α73    −  1 +a・・

c l +… 5    +・…   1  一

まずA,B, C,3種の観察力評価法による比較観察得点間の相関係数をみてみると,

4年生,6年生共にB−C間の相関係数が最高であり,A−C間の相関が最低である。こ の事実から,両学年共サクラとクリの葉の比較観察においては,A→B−>Cの過程のBの 段階で各被検者の比較観察得点の大勢が,かなりのところまで決せられているといってよ いであろう。このことは一・面からいえば,A→Bの段階において大きく飛躍するのでそこ に個人差が強くあらわれ,A−B間の相関が低くなっているのである。これに対しA−C 間の相関が最も低いのは,観察順序からいっても離れており,縁の遠い関係にあるので当 然といえよう。

つぎに各比較観察得点と知能との相関についてみてみると,C一知能間の相関が最高で,

B一知能間の相関がこれにつぎ,A一知能間の相関は最低であり, その差は非常に大き い。この相関の高さの順位は,前報の虫めがねによる像の変化の観察における相関の順位

と全く一致する。

ここに,つざのような意味が含まれているものと考えられる。すなわち,観察力評価法

(10)

156      茨城大学教育学部紀要 第十二号

がA→B→Cと変化するにしたがって,観察方法の指示や再観察といった・他から与えら れる刺激が多くなるわけであるが,それと同時に各得点と知能との相関も高くなるという ことは,知能検査で評価される「知能」は,観察においては他からの刺激の補助を十分受 けた場合の観察力に対応すると考えられる。したがって観察においてはたらく「知能」は,

自由な観察におけるよりも,補助を受けた,いいかえれば「指導された観察」において,

その役割を果しているといえよう。

ところが,「観察方法の指示」などの指導助言は,観察力養成の過程においてその右効 性を発揮するものであって,各人のもつ「観察力」の理想としては,何も指導の手を加え ない自由な観察,すなわち3種の観察力評価法ではAの状態で十分に働らく観察力に至る ことであるといわなければならない。そうすると,観察において必要な頭のはたらきは,

知能検査による「知能」とは別の要因を多分に含むことが考えられるのであり,また自由 なAの状態での観察力はむしろ理科成績との相関において高い値を示すことがこれまであ・

つかってきた各種の観察において認められたことを考えると,理科成績に含まれる因子が かなり観察において寄与しているともいえるであろう。

そして「知能」は「観察方法の指示」を効果的に吸収するという場面で,大きな役割を 果していることと考えられるのである。

つぎに各比較観察得点と理科成績との相関については,B一理科成績間の相関が最も高 いが,知能との相関におけるような大きな差をもっていないので,特に問題にはしないこ

とにする。

§4.結   論

以上は,3種の観察力評価法の吟味を,サクラとクリの葉の比較観察について,被検者 の観察記録をもとに行ったものであるが,大約つぎのようなことが認められた。

(1)観察力評価法A(指示なし)→B(実物なし,指示あり)の段階における比較観察得 点の上昇率が,B→C(実物,指示共にあり)の段階における得点上昇率より,相当高い 事実から,観察対象(実物)を取り去られても「観察方法の指示効果」が意外に大きいこ

とが,明らかになった。

(2)サクラとクリの葉の比較観察の場合,A→Bの段階における「観察方法の指示効果」

は,「ことばにならない観察」→「ことばになった観察」の過程と共に,「単独観察」→

「比較観察」の過程を促進するという,両面効果となってあらわれることが認められた。

に著しい観察率の上昇を示すことがわかった。

(11)

高野:理科教育における観察の機能に関する実験的研究(第16報)        157

{4)各比較観察得点と知能との相関は,C一知能間の相関が最大で, B一知能がこれにつ ぎ,A一知能は最低であり,虫めがねによる像の変化の観察における相関の順位と一致す る。したがって,観察において働らく「知能」は,自由観察におけるよりも,「観察方法 の指示」などの刺激を受けた「指導された観察」において,その役割を果しているといえ

る。       」

終りにのぞみ,本研究の調査に便宜をはかられた茨城県西茨:城郡岩間町立岩間第一小学 校の職員の方々に,心から感謝の意を表する。

文    献

〔1)高野恒雄:本研究(第8報)一サクラとクリの葉の比較観察について一一,本紀要,8号,

133頁,1959年.

Abstract

Experirnental Studies on the Function of Observation in Science Education. X VI

一Experimental comparison for the methods of evaluation of the power of observation.

(2) In the case of the comparative observation of a cherry leaf and a chestnut leaf.一      、

(Faculty of Education, Ibaraki University)

In the present work, the experimental comparison for the three methods of evaluation of the power of observation in the comparative observation of a cherry(Prunus yedoensis)leaf and

achestnut leaf is done.

By the quantitative evaluation for the progress of the observation among the observation stage A→B→C・the great progress in the stage A−・B is confirmed especialy.

Then, the acceleration of the process from observation unexpressed by the words, to 盾b唐?窒魔≠狽奄盾氏@expressed by the wordsηand the process from single observation to・・comparative observation by indication of observational method are clarified.

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