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物理視聴覚教材の製作・活用

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Academic year: 2021

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

物理視聴覚教材の製作・活用

著者 松村 佳子

雑誌名 奈良教育大学教育工学センター研究報告

巻 10

ページ 27‑31

発行年 1987‑03‑16

その他のタイトル Manufacture and Use of Audio‑Visual Aids of Science Education

URL http://hdl.handle.net/10105/4576

(2)

松 村 佳 子 (物 理 教 室)

Manufacture and Use of Audio‑Visual Aids of Science Education

Keiko MATUMURA (Department of physics)

We produced a VTR film of Science matensls on light successing that on bright‑

ness of a miniture bulb. We intend to use this film with a Science class of 6'th

grade of the elementary school and to obtaine information concerning the interest of the children on light through a questionaire. We hope that this film produces a good re‑

suit for study.

Key words : VTR film, light, Science class

I はじめに

最近学生と共に理科教材研究などで光に関する簡単な実験を行うと、意外にもレンズやプリ ズムについて幾何光学の基礎を知らないのに気がついた。大学に入学するまでに虫メガネや顧 微鏡、カメラなど、いろいろな器具や道具を使ってきている。自分の目も又構造的には光学機 器に相等するものであるが、そのはたらきの原理など知らずに祖覚を使っている。栗田‑良氏 の表現を借りれば、目や諸々の実験器具を、構造や原理をぬきにしたブラックボックスとして 使ってきているといえる1.)又、レンズやプリズムなどに関する法則を知らずにいても、カメラ や朗微鏡は上手に使えるし、それらを使用する実験観察には支障はないo そのせいか、光は我 々の生活にとって無くてはならないものであるにもかかわらず、学生たちの光教材に関する興 味・関心は高いとは云い難い。

なぜこのような現象がみられるのであろうか。その1つに、小中学校における光教材の変遷 をみると、指導要領が改訂されるたびに光に関する内容が減らされてきており、中学では光を

̲2)

ェネルギーとしてしか扱っていないといえる。表1に光教材の推移の概況を示す。.そして、高 校では光は波動として扱われ、学習者にとってはなじみにくいものになってきていることがあ げられるだろう。又、小学校の教科書にみられる内容はt理科の時間の勉強であって、日常生 活の中にある様々のこととのつながりに欠ける点があることもあげられる。

‑ 27 ‑

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松 村 佳 子

表1学習指導要領における主な光教材の推移の概況

小     学     校       l 中  学 

第 1 学 年 】 と 聖 二  第 3 学 年  一  第 4 学 年 第 5 学 年   第 6 学 年 i

影のでき方   1 3) 鏡の組み合わせ  −【3け l

直進・反射・屈折       光の直進▼反射・屈折・色

・鏡の傾きと物の位置  j       −(5)

・水や空気中を直進

j 。 

[.禁 冨よ誓 珊 緬 続 ̄(イー

イj

匹l

日光による影のでき方         佃 で日光を反射 −B (6)虫めかね    −B(7)光の進み方       光とレンズ     一第】分野(4)

i ・青写真の色    −ウ

】.虫めかねの日光集め

・集めた日光の明るさ や暖かさ    −イ

・虫めかねの大きさと 集められる日光の嵐

光のエネルギー一丁 ヨ 光による仕事−(孔 面の照度一

l

j i  ̄ウ[ i 大きさ ̄(イ)、像の明るさ ̄r{ウー

i

物の影      −(6)

i l l

巨 富芸雲芸の中霊 豊】 i光による仕事 

これらのことを考えると、光に関する身近な現象を見なおし、小学校で扱う内容の延長とし て、光の性質についての認識を深められる補助教材としてのビデオフイルムを製作することは 有意義であると考える。昨年度豆電球の明かるさについてのビデオフイルムを製作して、小学 校のクラスで実践を試行し、その結果を教育工学センター研究報告第9号に報告したのに引き 続き、今年度は光に関するビデオフイルムを製作した。これらのVTRフイルムの製作活動は、

学生にとっては小・中学校理科の教材を研究する上で非常に役立った。光に関するものは、学 校現場での実践はまだ行っていないが、前回と同様の効果があることを期待している。

Ⅱビデオフイルムの製作

リ票完誓誓‡完警誓禁笠志盈芸孟霊慧譲芸孟孟禁監乏誓‡孟霊

て興味深いものになるよう努力した。シナリオの流れを次に示す。

ひ か り

① 光が全くないところでは、目を開いていても何も見えない。

ー 28 −

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⑧ 小窓から光がさすと、救われた思いがする。物が見えるためには光が必要なのだというこ とに気がつく。

㊥ 光がさしている部屋の中には何が見えるだろうか。

a.コップや花ぴんやきれいな色のおもちゃなどが見える。

b.1つ1つをみると光のさす方向と反対側に影ができている。

C.コップの中に入っているスプーンが折れ曲がって見える。

d.ガラスを通ってきた光が壁に当たって、虹のように色がついている。

e.壁にかけてある鏡に部屋の中のものが写っているのカミみえる。

④ bから発展して、光が直進することを気づく様々の現象をみせる。

⑤ eから発展して、鏡はものを写すはたらきがあり、光の反射により、ものの像がみえるこ と、及び反射についての様々な現象に気づかせる。

⑥ Cから発展して、光は密度のちがう物体の境目で屈折して進むことを学ぶ。そしてレンズ のはたらきをみていき、レンズを使った身のまわりの道具を探してみる。

⑦ さらに、dと㊥とを結びっけ、光と色との関係についてみていく。

色がみえるのはなぜだろう。

滅色によって色を作る実験をみる。

加色によって色を作る実験をみる。

@ 色と私たちの生活について考察してみる。さらには、子供たちが光と私たちとの関わりに ついて考えてみようとする気持ちが余韻として残るような結びにする。

以上のような流れに沿って絵コンテ作りをした。次にその例を示す。

時 間 画        効 果 立       El      Plゴ 備 考 紗)

20

12

′   Z

A B

C

あれ、どうしたの。

目をあいているのに何 も見えな いよ。

暗 くて何だかこわいよ。

A B C

あ、光が さしてきた。

ほんと,はっとしたわ。

もっと戸を開けてみよう。

7′ ・ / / / /

ー 29 −

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松 村 佳 子

図1−絵コンテの例

これらの絵コンテに従って、カットやシーンをとるためにいくつかの教具を試作した。例え ば、一辺が30cmのアクリル製の液体プリズム、加色・減色法による実験のための色セロファン を使った光源装置およびアニメ、色ごまなどのおもちゃ、そして身のまわりにあるものを組み 合わせた様々の装置などである。加色による色づくりのためのアニメの一コマを図2に示す。

撮影には教育工学センターのビデオカメラ(ベータームービー)を使い、編集には教育工学セ ンターの編集用デッキ(SL0−383)及び自動編集コントローラー(RM−440)を使用し た。

図−2 アニメの1こま

雑多の色の 車の集まり

− 30 −

赤い車の列 オレンジの車の列 責の車の列 みどりの卓の列 青い車の列

むらさきの車の列

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今回の製作にあたり、このビデオは教材として用いるのではあるが、視聴する子供にとって は勉強しているというよりも遊びの要素を多くとり入れた。手製の装置やアニメなど、少しで も身近に感じ親しみをもってもらえるように工夫した。そして、とりあげた題材も教科書にあ るようなものよりも、日常体験することを中心にしてそれから発展させていくことを考えた。

しかしながら、でき上がったものが果して子供たちに受け入れられ易いものであるかどうかに ついては、心細い限りである。

今後の課題として、実際に小学生(5年生か6年生)にこのビデオを見てもらい、理解でき る内容であるかどうか調べる必要がある。そのための1つの方法として、このビデオ視聴前と 後とにSD法を用いて光に関するいくつかの項目に関してアンケート形式の調査をする。その 調査結果をもとにして、日常経験することがらと光の性質との関連について、どの程度理解が 得られているか、また、このビデオを視聴することにより、学習効果があるかどうかをみてい

きたいと考えている。

60、61年度にわたり、教材用フイルムを製作してきたが、できるまでには、多くの下準備が 必要であった。小・中学校の理科の教材配列のみ直し、教科書の内容の検討、子供たちの興味 関心についての考察、手作り教具の製作、予備実験、等々を通し、1本のフイルムができ上が る。そして実践を行う。これらの製作活動を通して体験したことは、学生にとっては将来教育 現場で大いに役立っものと考える。また、製作したフイルムは、学校現場で活用できるもので

あるし、これも理科教育をよくする上で役立てたいと考えている。

参考文献

1)栗田一良;理科の教育 Vol.33、Nal、(1984) P9 2)大塚誠造;理科の教育 Vol.33、Nal、(1984) P14

3)松村佳子・川西賢侍;教育工学センター研究報告 第9号(1986) P15 4)小学校学習指導要領 文部省(1977)

5) 改訂理科、啓林館(1983)

6)Barlex and Carre; Visual Communicationin Science Camb−

rldge University Press(1985)

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参照

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