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第3回岐阜マザーズコレクション

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Academic year: 2021

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第 3 回岐阜マザーズコレクション

―産学協働による産地再創造をめざして―

A Report of the 3

rd

Gifu Mothers Collection

An Approach to Reinvent the Apparel Production Center by Academic-Industrial Collaboration

平川 すみ子

Sumiko HIRAKAWA

Abstract

In Gifu, various plans have been recommended from B to B to B to C, aiming at industrial revival while a domestic production center became impoverished. However, for reality, the apparel company is exposed to cost competition intensification by the increase of SPA (Specialty store retailer of Private label Apparel) as new business model, and the continuation of the small and medium size apparel company is critical.

Following last year, "the third Gifu Mothers collection" tried new business model construction through Academic-industry collaboration. I analyze what was achieved in this project or what was short. Then I consider the route toward the reinvention of fashion industry in Gifu.

Keywords : 産地再生、産地活性化、スローファッション、産学協働、ファッション教育、産地再創造 1. はじめに 国内産地が疲弊するなか、岐阜では産業復興をめざし、 岐阜ファッション産業連合会を主体として、岐阜市・岐阜 県の支援の下、合同展示発売会「アミューズ岐阜」、消費 者によるコーディネートコンテスト、「せんい祭り」での 小売セールなど B to B から B to C まで様々な企画が進めら れてきた。 しかし現実としては、SPA 業態の増加によるコスト競争 激化にさらされ、市内アパレル企業の存続は危機的である。 「売上げがピークであった 1991 年と比較して、アパレル 関連事業所数、従業員数、年間販売額いずれも半減を超え る落ち込みであり、岐阜産地の特徴である地方問屋への卸 売りを主体とする「問屋街」は 1960 年代のピーク時に比 べ、現在は 85%減である。」(平川、2012:99-100) 本論文では、昨年の考察「産学協働による産地再生の試 み―第 2 回岐阜マザーズコレクションの報告―」(平川、 2012:99-104)でみえてきた課題をふまえ、ビジネスモデ ルが変化した今日、もはや過去のままの「産地」の再生は ありえないという前提から、産学協働を通して新しいビジ ネスモデル構築への試みをめざした「第 3 回岐阜マザーズ コレクション」において、何が達成され、何が不足してい たのかを分析する。そこから、かつて日本有数のアパレル 産地であった岐阜における、これからのファッション産業 の再創造へむけての道筋を考察する。 2. アパレル産業の現状と岐阜産地の可能性 国内アパレル企業の危機的状況が指摘されるようにな って久しいが、まずその現状を確認しておきたい。 表 1.は、この 10 年間における衣料消費市場規模は 7.3% 減、平均単価は 23.8%低下にもかかわらず、市場供給量は 21.8%増という、この間の低価格競争のすさまじさを示し ている。 表 1.衣料消費市場規模と平均単価の 10 年間の推移 2011 年実績 2002 年実績 増減率 消費規模 8 兆 7,000 億円 9 兆 4,000 億円 ▼.7.3% 平均単価 2,136 円 2,805 円 ▼23.8% 市場供給量 40 億点 33 億点 21.8% 消費規模:日本百貨店協会、日本チェーンストア協会、 日本通信販売協会と繊研新聞社の専門店売 上高調査のデータを基に算出 市場供給量:財務省「通関統計」と経済産業省「繊維統 計」をもとに算出 出所:繊研新聞社 2012.10.26

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また、図 1.も、この間の輸入量(枚数ベース)の増加と 反比例する輸入金額の低下を示している。衣料輸入浸透率 は 2000 年に 80%を超えて以来右肩上がりの上昇を続け、 2011 年は 96.4%に達している。2007 年以降でみれば、衣 料輸入枚数 5.9%の増加に対し、衣料輸入金額は 7.7%の減 少となっている。これはチャイナリスクがクローズアップ され、チャイナプラスワンが進行したためである。 0 500,000 1,000,000 1,500,000 2,000,000 2,500,000 3,000,000 3,500,000 4,000,000 4,500,000 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 78.0 80.0 82.0 84.0 86.0 88.0 90.0 92.0 94.0 96.0 98.0 輸入量(千PC) 輸入金額(百万円) 輸入浸透率(%) 輸入浸透率=輸入量÷(生産量+輸入量-輸出量)×100 出所:経済産業省「繊維・ファッション産業のあり方に関する 研究会」資料 2011.5.241) 衣料輸入量=布帛衣料+ニット衣料 出所:日本繊維輸入組合(財務省貿易統計から)2) 図 1. 衣料輸入量・輸入金額・輸入浸透率の推移 依然として国別衣料輸入金額では中国は不動の 1 位では あるが、2007 年をピークに減少している。 表 2.衣料輸入国 TOP10(金額ベース) 順位 国 2007 年 2011 年 1 中国 84.7% 81.4% 2 イタリア 3.9% 5.9% 3 ベトナム 3.0% 2.2% 4 韓国 0.9% 1.3% 5 タイ 0.9% 1.2% 6 米国 0.7% 1.2% 7 インド 0.7% 0.9% 8 フランス 0.7% 0.8% 9 インドネシア 0.5% 0.6% 10 英国 0.4% 0.5% 番外 ミャンマー 番外 バングラディ シュ 出所:日本繊維輸入組合(財務省貿易統計から) 表 2.のように 10 年前にはアジアでは中国に次ぐ輸入先 であった韓国も工賃の上昇にともない現在は 9 位 0.6%と 激減し、一方インドネシアは韓国と入れ替わるように 2007 年 9 位から 2011 年 4 位に浮上している。またミャンマー (2008 年 Top10 入り)やバングラディシュ(2009 年 Top10 入り)が新たに台頭してきた。いずれも、低賃金によるコ スト競争力で注目されている生産国である。またベトナム も価格+クオリティを付加価値にしてセレクトショップ向 けを伸ばして倍増し、高級品のイタリアと入れ替わってい る。 低価格においても、中高価格においても、アジアへの生 産シフトは止められない。その中で岐阜の中小企業はどの ようなビジネスモデルを選択するべきか。バブル崩壊以降、 台頭したのは、①価格破壊をもたらした SPA、②ブランド ミックスによるコーディネート表現を競うセレクトショ ップの 2 つのビジネスモデルだが、前者はグローバルな企 業規模、後者はファッション先進都市の情報発信・編集力 が必要とされるが、岐阜はそのどちらも持たない。 しかし、中国を除くアパレル生産数量を見ると、2 位の ベトナムの次は日本で、輸入浸透率から逆算すれば 3.6%、 金額にして 3,400 億円の国内生産品市場があるといえる。 岐阜の強みを活かすとすれば、過去からの産地の生産基盤 が完全に消失する前に、この国内生産品市場に踏みとどま り、地理的不利を有利に変える発想の転換で商品の企画開 発に取り組むことではないか。地方都市だからこそ、東京 発信型でない地に足のついた地方都市発想での商品開発 が可能であり、素材生産、縫製加工の距離的近さを強みに、 大量生産や流行の押し付けでない、消費者に寄り添う商品 開発をめざせるのではないか。 3. 第 2 回岐阜マザーズコレクションの課題 「岐阜マザーズコレクション」は 2010 年に、問屋町を 主体とする岐阜ファッション産業連合会青年部が、衰退傾 向を打破すべく産学協働プロジェクトとして立ち上げた。 「東西の狭間で、東京ガールズコレクションとも神戸エレ ガンスコレクションとも差別化し、ミセス層をターゲット としたコレクションを立ち上げ、岐阜アパレルの特徴をア ピールするのがその狙いである。学生の母親から祖母世代 に当たる 45 歳から 65 歳の女性たちをモデルに、学生たち が母親世代に贈るファッションを発表する」(平川、2012: 101)という趣旨で「地に足のついた地方都市発想」から 生まれた「消費者に寄り添う商品開発」をめざす。 第 2 回の 2011 年は ・参加校を地元のファッション専門学校を含む 3 校に拡大 ・岐阜県毛織工業協同組合の協力により岐阜産地の素材

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の打ち出しを強化 ・学生によるポスター制作を行い、製作からプロモーショ ンまでの戦略の一貫性をはかった。 その結果は、市民及びメディアの反響、学生への教育効 果など一定程度の成果は達成したものの、産地活性化につ ながるビジネス展開にはつながらなかった。今後の課題と して、図 2.に示すような 3 つの必要性が見えてきた。 図 2.第 2 回岐阜マザーズコレクションの課題 4. 第 3 回岐阜マザーズコレクションの目的と仕組み 第 3 回は青年部の解散により連合会を主体として開催さ れることとなった。第 2 回の課題を受けて、商品化への仕 組みつくりに取り組むことを最大の目標にした。しかし、 現物生産へと進めるためにはリードタイムが不足すると いう時間的制限のもとで、今回はルートつくりに重点を置 き、小回りを利かすため 3 校に広げた参加校を再び本学単 独に戻すことになった。また連合会メンバーのテキスタイ ル商社・附属商社が参加し、より現物生産に近づけた素材 及び附属供給ルートが設定された(図 3)。 図 3.第 3 回岐阜マザーズコレクション組織図 会場としては、市民へのより広いアピールという見地か ら昨年の「じゅうろくプラザ」大会議室というクローズ空 間から「シティ・タワー43 1F アトリウム」というオー プンスペースへと会場を移した。同じ岐阜駅周辺で「岐阜 市中心市街地活性化基本計画」区域であるが、2012 年に岐 阜スカイウイング 37 がオープンしてスカイデッキが延長 され、岐阜駅からの人の流れができ人通りの増加が見込め ると判断した。 図 4.岐阜市中心市街地活性化基本計画区域図 出所:2 期岐阜市中心市街地活性化基本計画より3) 5. 第 3 回岐阜マザーズコレクション実習内容 第 2 回に続きにビジネス実習を重視して、ポスター制作 (図 5.)から、トレンド分析、企画立案、パターン製作、 サンプル制作までグループ演習における役割分担を決め、 ファッションビジネスの流れを体験できるようにした。 図 5. 第 3 回岐阜マザーズコレクションポスター

商品化への アプローチ

ターゲットへの アプローチ

街つくりへの アプローチ ・街つくり事業との連動 ・都心回遊性UPによる 人とモノの流れの創出 ・ターゲット層への認知度UP ・ターゲット層のニーズ調査 ・ターゲット層へのデプス調査 ・テストマーケティングの 仕組みつくり ・アンテナショップの開設 社団法人 岐阜ファッション 産業連合会 岐阜市 素材・附属協力 岐阜県毛織工 業協同組合 テキスタイル商社 附属商社 主催 補助金 テーマ設定 デザイン・制作 ポスター制作 岐阜市立 女子短期大学 生活デザイン 会員メーカー 現物生産・販売 内覧会/ショー・展示 岐阜市民 Made in 岐阜のアピール 問屋街

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図 6. の中で太字の部分が第 3 回での初の試みである。 図 6. 第 3 回岐阜マザーズコレクション実習の流れ (1)内覧会・原価計算 今回初の試みとして、ショー発表の 1 ヶ月前に内覧会を 開催し、連合会会員のアパレルメーカーにプレゼンテーシ ョンを行った。これはいち早く企画内容を提案して、現物 生産へのリードタイムを確保すると同時に、学生にアパレ ルメーカーにおける展示会の段取りを体験させる目的で あった。また原価計算も導入し学生に原価意識を持たせた。 (2)展示・消費者アンケート 同じく今回初の試みとなったショー後の展示会では、コ ストや上代も提示して、デザインだけでなく価格面も含め て消費者へのアンケートを行った。 5. 第 3 回岐阜マザーズコレクションの成果と今後の課題 開催は 2012 年9月 30 日(日)で、ちょうど岐阜国体の 開会式の翌日で、10 月 1 日から始まる岐阜コレクションの 前夜祭イベントとして位置づけられた。シティ・タワー43 からスカイウィング 37 への人の流れは、多くが 2 階にあ たるスカイデッキを利用するため、1F アトリウムにはさ ほど感じられなかった。しかし、台風によるあいにくの悪 天候にもかかわらず昨年同様の 100 名を越える入場者があ った。内訳は 招待(業界関係者) 20 名 一般 28 名 学生 61 名 合計 109 名 一般の大多数が学生の父兄ということを考えると、まだま だ学内イベントにとどまっている感はまぬがれない。 各賞に関しては、第 3 回は産地を代表する団体が前売り を意識した視点で選んだ作品が受賞した。グランプリであ る市長賞を受賞したのは Glow of Baroque グループで、そ のなかのケープ・コートはファッション産業連合会理事長 賞をダブル受賞し、会員メーカー1 社によって現物化され た。内覧会で 3 社から合計 5 点の現物生産の引き合い・検 討があり、今回初めてその 1 点が商品化されることになっ たのは、大きな前進であった。 図 7.岐阜市市長賞(最優秀グループ)Glow of Baroque ファッション産業連合会理事長賞 (問屋町向き最優秀作品) Glow of Baroque 作品⑮ 図 8.岐阜県繊維協会会長賞 図 9. 岐阜婦人子供服 (最優秀素材使い) 工業組合理事長賞 Elegant Military 作品⑦ (専門店向き最優秀作品) Sensual Madam 作品⑪ 全体としてはエレガント復活の流れを反映した 2012 秋 シーズンの人気商品が受賞作品に並び、オーソドックスで 岐阜らしさが出たが、ショー後の展示会における消費者ア ンケートの人気投票とは違いが出たのが興味深い。 学生からの声としては、実施してよかった点として、 ・商品としてのものづくりを体験できた ・デザインと素材、シルエット、パターン、縫製の関係 を理解できた ・自分とは異なる年齢域を扱うことで多様な志向性を理 解することができた など、昨年に続きファッションビジネスの実務の流れを演 ポスター制作 グループテーマMAP・素材構成 デザイン・制作・フィッティング プレゼンテーション/ショー 内覧会・原価計算 展示・消費者アンケート トレンド分析・グループテーマ設定

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習に取り入れることで、科目横断的な視点や専門科目の相 互関連性への理解が深められた点は収穫といえる。しかし、 岐阜産地のアパレルへの理解という点であまり進展がな かったのは、来年度に向けた課題であろう。4) また、新聞メディアでも昨年同様に、岐阜新聞(2012.10.1 朝刊)に紹介された。 消費者アンケートとしては、第 2 回は事前に学生の母親 を対象に行ったが、今回は展示会場で、作品を見てもらい ながら来場者アンケートをとった。したがって両者の年齢 分布は図 10.のように、第 2 回が 40 代中心であったのに対 し、第 3 回は 50-60 代が中心となった。第 2 回(2011 年) は有効回答数 76、第 3 回(2012 年)は女性のみ抽出した ため有効回答数 25 とデータ数に差があるが、年齢分布と しては、実ターゲットに近づいたのではないかと考える。 0 1 2 3 4 5 6 25~ 29歳 30~ 34歳 35~ 39歳 40~ 44歳 45~ 49歳 50~ 54歳 55~ 59歳 60~ 64歳 65~ 69歳 70~ 74歳 75~ 79歳 80~ 84歳 人 0 5 10 15 20 25 30 35 40人 2012年 2011年 図 10.消費者アンケート年齢分布 職業としては、「専業主婦」「臨時雇用・パート・アルバ イト」が 6 割を超え、特に専業主婦の多さがこの年代の特 徴といえる(図 11)。しかし「ファッションに関心がある」 「どちらかといえば関心がある」の合計で 9 割弱と、両世 代ともファッションへの関心は高い(図 12)。おしゃれに 気を使うとき誰の目を意識するかも、両世代共通で「同姓 の友人」「自分」と圧倒的に女性目線である(図 13)。 臨時雇用、パート、 アルバイト 臨時雇用、パート、 アルバイト 専業主婦 専業主婦 派遣社員ほか 正規雇用社員 自営業 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2011年 2012年 専業主婦 臨時雇用、パート、アルバイト 派遣社員、契約社員、請負・委託業務 正規雇用されている一般社員・一般職員 自営業主または家族従業者 経営者、会社・団体役員 学生(アルバイトをしている方を含む) 無職(専業主婦以外の方) 無回答 図 11.消費者アンケート職業分布 関心がある 関心がある どちらかといえば関 心がある どちらかといえば関 心がある 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2011年 2012年 関心がある どちらかといえば関心がある どちらかといえば関心がない 関心がない 図 12.ファッションへの関心度 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 同姓の友人 自分 恋人、 配偶者 会社の同僚・後輩会社の先輩・上司 異性の友人 家族 その他 人 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50人 2012年 2011年 図 13.おしゃれに気を使うとき誰の目を意識して 洋服を選ぶか(複数選択) ファッションを通じて表現したいイメージでは「シンプ ル」「清潔な」ナチュラル」の上位 3 位は両世代共通であ るが、50-60 代の 4 位以下では 40 代には関心がなかった「上 品な」「シック」「若々しい」が登場する(図 14)。40 代ま では特に気にしていなかった若者との差が、50-60 代では 実感されるようになり、若々しく見せたり、若さに替わる 上品さやシックさに関心が移るということか。 0 2 4 6 8 10 12 14 シン プル 清潔な ナチ ュラ ル 上品な 落ち 着き のあ る 知的な シッ ク スタ イリ ッシ ュ 若々し い ベー シッ ク カジ ュアルの他 人 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45人 2012年 2011年 図 14. ファッションを通じて、表現したいイメージ (複数選択) 現在の衣料品に対する不満は世代間で大きな差が出た。

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132 第 3 回岐阜マザーズコレクション 40 代では「年齢にふさわしいおしゃれな服がない」が不満 第 1 位であったのに対し、50-60 代では「着こなしがわか らない」が最大の不満である(図 15)。 0 2 4 6 8 10 12 着こ なし がわから ない 自分のサイ ズがな い 価格が高い不満はな い 年齢に ふさ わし い服がな い 素材が安っ ぽい 色が地味す ぎる その他 人 0 5 10 15 20 25 30 35 40人 2012年 2011年 図 15.現在の衣料品に感じている不満 (複数選択) この傾向は、作品の人気投票ではっきりと提示されている。 市長賞の Glow of Baroque は着てみたいテーマとして得票 4 位(図 16)、着てみたいコーディネートとしては受賞作 品のうち作品⑪と作品⑮は得票ゼロである(図 17)。逆に 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 無回答 どれも着たくない ジェントル・ウーマン グロー・オブ・バロック センシュアル・マダム ロマンティック・スポーツ エレガント・ミリタリー 図 16.一番着てみたいテーマ(1 つ選択) 0 1 2 3 4 5 6 無回答 GB15 GB14 GB13 SM12 SM11 SM10 EM9 EM8 EM7 GW6 GW5 GW4 RS3 RS2 RS1 図 17.一番着てみたいコーディネート(1 つ選択) 人気が高い 2 点はニットとボトムという非常にシンプルな コーディネートで、まず着こなしに迷うことはない。 業界と消費者のこのギャップをどう埋めていくか、量的 に拡大したアンケートを再度実施して、この問題を掘り下 げていくことが次回の課題である。その上でリアルターゲ ットに寄り添う企画の提案が求められる。着こなしの判り やすさをどう提案するか、あるいは着装の場をどう提供す るか。コンサルティングセールスのように販売提案で付加 価値をつける方法など、柔軟な発想が必要となるだろう。 また引き続き、いかに成果をビジネスの数字に結び付け ていくのか、具体的な事業成果が求められる。商品化・販 売から着用シーンまで、生産・販促・街づくりなど多面的 な取り組みが重要となる。今後、これらを連動しつつ進め ることで、マーケティングの本質である「市場の創造」を 土台にし、ローカルな人のつながりによる“産地再創造” へと進展する契機となることを期待したい。 ■謝辞 第 3 回岐阜マザーズコレクション実施に際し、関係各位 ならびに本学生活デザイン学科の教員各位に多大なご助 力を頂いた。奥村専任講師と小川専任講師にはポスター制 作において大変お世話になった。あらためて謝意を表する。 また本稿をまとめるにあたり、消費者アンケート集計にお いて今井助教にご助力頂いた。重ねて謝意を表する。 ■注 1)経済産業省ホームページより 2013 年 1 月 4 日取得。 http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004638/004_03_0 0.pdf 2)日本繊維輸入組合ホームページより 2013 年 1 月 4 日取 得。 http://www.jtia.or.jp/toukei/toukei.htm 3)岐阜市ホームページより 2012 年 11 月 9 日取得。 http://www.city.gifu.lg.jp/c/Files/1/40121127/attach/chukatsu-al l.pdf 4)学生アンケートの詳細分析は、村上眞知子『岐阜マザ ーズコレクションの作品制作に対する学生の意識』『岐阜 市立女子短期大学研究紀要第 62 輯』pp107~112 参照。 ■参考文献 岐阜市、2012 年、『2 期岐阜市中心市街地活性化基本計画』、 岐阜市街づくり推進部 中心市街活性化推進部 経済産業省 繊維・ファッション産業のあり方に関する 研究会、2012 年、『繊維・ファッション産業の最新の傾向』、 経済産業省 製造産業局繊維課 平川すみ子、2011 年、「産学協働による産地再生の試み― 第 2 回岐阜マザーズコレクションの報告―」『岐阜市立女 子短期大学研究紀要第 61 輯』pp99~104 (提出日 平成 25 年 1 月 11 日) ←岐阜婦人子供服工業組合理事長賞 ←ファッション産業連合会理事長賞 ←岐阜県繊維協会会長賞 RS=ロマンティック・スポーツ GW=ジェントル・ウーマン EM=エレガント・ミリタリー SM=センシュアル・マダム GB=グロウ・オブ・バロック ←岐阜市市長賞

図 6.  の中で太字の部分が第 3 回での初の試みである。  図 6. 第 3 回岐阜マザーズコレクション実習の流れ  (1)内覧会・原価計算  今回初の試みとして、ショー発表の 1 ヶ月前に内覧会を 開催し、連合会会員のアパレルメーカーにプレゼンテーシ ョンを行った。これはいち早く企画内容を提案して、現物 生産へのリードタイムを確保すると同時に、学生にアパレ ルメーカーにおける展示会の段取りを体験させる目的で あった。また原価計算も導入し学生に原価意識を持たせた。 (2)展示・消費者アンケート  同じく

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