暗 号 の 理 論
教科領域教育専攻 自然系コース(数学) 近 回 大 輔
1 はじめに
暗号には、様々な方式が存在し、今現在も多 くの通信システムなどに利用されている。そし て、暗号システムには、様々な数学的要素が利 用されている。本論文では、その中でも公開鍵 暗号系の方式である RSA暗号と楕円曲線暗号 につして取り上げ、数勃句要素キ暗号システム の中身を紹介する。
2 研究の目的
まず、RSA暗号キ楕円曲線暗号における数学 的な要素を研究することで、これらの暗号系に 必要な数学的な要素を理解する。次に、本鱒句 な部分を研究することで、これらの暗号系に対 する理解を深める。
3 研究の内容 (1) 数論
1.楕円曲線 (楕円曲線)
Kを標数*2,3の体として、x3+ax+b
丸
b EK)を蚤援を持たない 3次の多項式とする。ここでK上の楕円曲線とは、鮮民童点と呼ば れるOと書かれる1つの要素を含む方程式
予弓 3
均 x+bを満たすx,yEKである点,(x,y) の集合を表す二(楕円曲線
t
での性質)楕円曲線をEとし、P,
Q
をE上の点とする。① Pが無関室点Oであるとすると、一手=0 とし子時国Qと定義する。つまり、 Oがこ こで考えている点の群における加法の単
4 4
﹁DQU
指 導 教 員 平 野 康 之
位元であるゼ、口元に相当すると考える。
② E令 1,x2}とすると、
‑p
咲‑Xl,x2}となり E上の点となる。③ 直 線PQとEのP,
Q
以外の交点をR'と する。 R'とx軸について対称な点をRと すると、P
刊さ= R
④手喝のとき、すなわち直線PQがEの 接線となるとき、
P
刊さ= P +
手当P=R
⑤Q= ‑P
のとき、P
刊さ= p + (
ー防=0⑥ P刊住Q+P
⑦ E上の3点P,Q,Rにおいて、
( p + Q ) + R = P + (
Q+R)。これらの性質から、単位元・逆元が存在し、
交 換 瀕
u
、結合槻リのそれぞれが成り立つこ とがわかる。この条件から、楕円曲線上の点 集合はア~ノL併をなす。(2) 暗号理論
1.公開鍵暗号系
送信者から受信者に対してメッセージ(平 刃を送る際、第三者に知られることなくメ
ッセージを送る必要があるo そこで、用いら れる方法として、送信者はメッセージを変換 して送り、受信者がそれを逆変換して元のメ ッセージに戻す方法である。送信者の変換を 暗号化といい、受信者の逆変換を復号化とい う。この暗号化・復号化を行う際には、鍵と いう一種のパスワードのようなものを用いて、
暗号化・復号化のパターンを広げている。昔 から使われているシステムは同じ鍵て暗号
化・復号イじする方法で、この暗号系を対税鍵 暗号(または秘密場暫時)という。最近の暗 号システムには異なる鍵を用いる方法が多用
され、この暗号系を手除問暗号系という。
非対税者音号系の例として、受信者は2つの 異なる鍵を用意する。そのうちの1つを公開 し、他方を秘密にしておく。送信者は公開さ れた方の鍵
0
音別協l)を用いて、メッセー ジを暗号イじする。受信者は暗号化されたメッ セージを、秘密にしておいた方の鍵復号化 鍵)を用いて、復号化して元のメッセージiこ 戻す。このシステムを公開鱒暗号系という。この方式の特徴は、公開鍵から復号化鍵を知 ることが困難となっている。
2. RSA暗号
RSA暗号とは、世界初の公開鍵暗号系で、
大きい数の素因数分解の困難さを手法とする。
( R S A
暗号での鍵生成)自然数n,e,dを以下の条件を満たすように とる。
(1)素数 p,q(p=T
ψ
により n二pqとなるn (2) (φ(n),θ=1となるe,φ(n)=(P‑I)(q‑1) (3) ed三1(mod φ(n))となるdD,eを公開鍵とし、 dを秘密鍵とする。
(郎A暗号での暗号化・復号イり 平文xに対して、暗号化とは、
y
三 x . e
(modn),(0壬yくがなるyを求める。暗号文yに対して、復号化とは、
Z三yd(modn),(O<zくがなるzを求める。
そして、X=Zとなる。
侭
SA
暗号の理論)RSA暗号では、 n弓>qにおいて2つの素因 数p,qからnを得るのは簡単であるが、 nか らp,qを得るのカ》宇常に困難であるという一 方向
f
生がポイントとなっている。3.楕円曲線婿号
楕円曲締音号とは、公開鍵暗号系の方式で、
楕円曲線上の離散対数問題を利用している。
ここで、は、ElGamal暗号の類似の方法を紹介 する。
(楕円曲線音号での鍵生劇
(1)有限体Fq上の楕円曲線EとE上のαを 選ぶ。
(2) 乱数aを発生させ、 s=aαを計算する。
Fq,E,a,
s
を公開鍵とし、aを秘密鍵とする。(楕円曲線暗号での暗号化・復号イり (1) 平文mをE上の点xに対応させる。
(2)乱数kを発生させる。
( 3 ) Y l = k a
,戸=x+ks
を計算する。(心{yl,y~ を暗号文として受信者に送る。
(5) {yl,y~を用いて、 Dkl
∞守
:2-aYl を計算する。
(6) xをmに対応させる。
(楕円曲線暗号の理論)
楕円曲線暗号では、 s=aαにおいて、 aと αから
H
を求めるのは簡単だが、 αと8
から aを求めるのが困難であるというところがポ イントである。楕円曲線暗号は、速度が遅かった公開鑓培 号の暗号化守護号化の計算を高速化できるの ではないかと期待されている。
4 おわりに
暗号システムは、現在もより厳重に、より効 率的に、より速く、より簡単になるようますま す発展してきている。それらのシステムの根底 にあるものが数学的な要素であり、数学の発展 も大きな役割を担っていると思えつれる。本研究 だけに終わることなく、暗号理論における数学 の理論や暗号のシステムについて、これからも 研究していこうと思う。
FO
Fh υ
円δ