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第1章 緒論

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Academic year: 2021

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全文

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永久磁石可変界磁モータの研究

著者

野中 剛

ファイル(説明)

博士論文要旨

博士論文全文

最終試験結果の要旨

論文審査の要旨

学位授与番号

17701乙理工論第77号

URL

http://hdl.handle.net/10232/00030214

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永久磁石可変界磁モータ

の研究

2018 年 3 月

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i 目 次 第 1 章 緒論 ・・・ 1 1 . 1 ま え が き ・ ・ ・ 1 1 . 2 背 景 ・ ・ ・ 2 1 . 3 目 的 ・ ・ ・10 1 .4 本 論 の 概 要 ・・・12 第 2 章 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み ・ ・ ・15 2 . 1 可 変 機 構 付 可 変 界 磁 モ ー タ ・ ・ ・15 2 . 2 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ ・ ・ ・16 2 . 3 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ 構 造 の 研 究 経 緯 ・ ・ ・18 2 . 4 ま と め ・ ・ ・22 第 3 章 付 随 す る 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 技 術 ・ ・ ・23 3 . 1 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 の 要 望 ・ ・ ・23 3 . 2 磁 束 集 中 IPM ロー タ ・ ・ ・25 3 . 3 加 圧 成 形 コ イ ル ・ ・ ・32 3 . 4 高 強 度 鋼 板 ロ ー タ コ ア ・ ・ ・40 3 . 5 ま と め ・ ・ ・47 第 4 章 可 変 界 磁 モ ー タ 要 素 試 作 :10kW ・ ・ ・48 4 . 1 目 的 ・ ・ ・48 4 . 2 最 大 出 力 制 御 と 最 大 効 率 制 御 に 関 す る 検 討 ・ ・ ・49 4 . 3 検 討 結 果 の 試 作 モ ー タ に よ る 検 証 ・ ・ ・56 4 . 4 ま と め ・ ・ ・59 第 5 章 可 変 機 構 付 可 変 界 磁 モ ー タ :52kW ・ ・ ・60 5 .1 目 的 ・・・60 5 .2 提 案 す る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 構 成 と 諸 元 ・・・61 5 . 3 特 性 評 価 結 果 ・ ・ ・64 5 . 4 提 案 す る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 制 御 方 法 ・ ・ ・67 5 . 5 駆 動 シ ス テ ム の 評 価 方 法 ・ ・ ・69 5 . 6 制 御 評 価 結 果 ・ ・ ・71 5 . 7 ま と め ・ ・ ・73 第 6 章 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ 要 素 試 作 :24kW ・ ・ ・74 6 . 1 目 的 ・ ・ ・74

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ii 6 . 2 試 作 モ ー タ の 概 要 ・ ・ ・75 6 . 3 試 作 モ ー タ の 評 価 ・ ・ ・77 6 . 4 ま と め ・ ・ ・83 第 7 章 結 論 ・ ・ ・84 謝 辞 ・ ・ ・86 文 献 ・ ・ ・87

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1 第 1 章 緒 論 1 . 1 ま え が き 筆 者 は ,人 類 の 歴 史 は ア ク チ ュ エ ー タ の 歴 史 で あ る と 思 う 。ア ク チ ュ エ ー タ 容 量 の 拡 大 と 共 に , 我 々 の 生 活 圏 は 拡 大 し た 。 今 , そ の 主 役 に あ る の が モ ー タ で あ る と 思 う 。 モ ー タ の 小 形 高 出 力 化 ,広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 は 永 遠 の 課 題 で あ る 。そ の 課 題 克 服 の 最 先 端 が 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ で あ る 。 同 期 モ ー タ は か つ て 巻 線 界 磁 式 の 可 変 界 磁 モ ー タ が 主 流 で ,未 だ に 多 く の 者 が「V 曲線」を学ん でいる 。しかしな がら, 希 土 類 永 久 磁 石 の 威 力 の 大 き さ に , 界 磁 調 整 機 能 を 捨 て て も 小 形 高 出 力 化 が 優 先 さ れ て い る 現 状 で あ る 。 つ ま り , 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ は , 広 範 囲 高 効 率 駆 動 よ り 小 形 高 出 力 化 を 優 先 し た 進 歩 を 遂 げ て き た 。 な ら ば ,希 土 類 永 久 磁 石 を 用 い て 可 変 界 磁 機 能 を も た せ る こ と が で き れ ば ,上 記 課 題 に 対 し 最 高 の モ ー タ が で き る で あ ろ う 。 本 論 文 で は , 次 世 代 を 担 う 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 技 術 と し て , 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ に つ い て 論 じ る 。 加 え て , 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 研 究 に 付 随 し て 開 発 し た 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 に 貢 献 す る 個 々 の 技 術 に つ い て も 報 告 す る 。

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2 1 . 2 背 景 1 . 2 . 1 小 形 高 出 力 化 と 広 範 囲 高 効 率 駆 動 の 要 求 今 日 , 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ は , あ ら ゆ る 産 業 機 器 に 小 形 高 出 力 高 効 率 モ ー タ と し て 受 け 入 れ ら れ て い る 。 そ の 大 き な 要 因 と し て 強 力 な 永 久 磁 石 の 採 用 が あ る 。 1980 年頃の希 土類永久磁 石の発達に よること が知られるとこ ろである。 図 1.1 は産業用モータの アプリケー ション例 である。例えば ,産業用ロ ボット の 各 関 節 部 に は サ ー ボ モ ー タ が 配 置 さ れ , 駆 動 源 と し て 機 能 し て い る 。 こ れ ら の サ ー ボ モ ー タ の 特 性 向 上 は , ロ ボ ッ ト の 性 能 向 上 と 密 接 に 関 係 し て い る 。 サ ー ボ モ ー タ の 性 能 を 表 す 指 標 と し て , パ ワ ー レ ー ト 密 度 ( モ ー タ の 加 減 速 性 能 を 表 す 指 標 ) が あ る 。 質 量 ( モ ー タ 質 量 ) が 小 さ く , パ ワ ー レ ー ト 密 度 の 大 き い サ ー ボ モ ー タ は , 高 い サ ー ボ 性 能 を 有 し , ロ ボ ッ ト の 動 作 時 間 の 短 縮 な ど に 大 き く 貢 献 す る 。 図 1.2 (a)は,製品化さ れた時期が 異なる4台 の同一出力のサ ーボモータ である 。 ➀ は 1959 年の製品で,ア ルミニウム -コバ ルト系永久磁石 が使用され ている。 ➁ は 1984 年のもので,サ マリウム- コバル ト系永久磁石が 使われてい る。 ➂と ➃ は そ れ ぞ れ 1992 年と 2002 年の製 品で, ネオジム -鉄- ボロン系永 久磁石が 使 わ れ て い る 。 図 1.2 (b)は,これら3 種類の永久 磁石材料の 最大エネルギー 積が向上 し てきた 経 緯( 日 立 金 属 の 資 料 を 基 に 作 成 )で あ る 。図 1.2 (a)に示した製 品の登場 時期と 照 ら し 合 わ せ る と , サ ー ボ モ ー タ の 小 形 高 出 力 化 , す な わ ち , 高 パ ワ ー レ ー ト 密 図 1.1 産業用モー タのアプリ ケーション 例

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3 図 1.2 磁石の 最大エネル ギー積とモ ータの外 形状の推移 度 化 と 軽 量 化 は , よ り 大 き な 最 大 エ ネ ル ギ ー 積 を 持 つ 永 久 磁 石 材 料 の 登 場 に 歩 調 を 合 わ せ て 進 展 し て き た こ と が わ か る 。 こ れ は , 最 大 エ ネ ル ギ ー 積 が 大 き い 永 久 磁 石 を 用 い る と , モ ー タ 内 部 の 磁 束 密 度 が 高 く な り , モ ー タ の 主 要 な 損 失 で あ る 銅 損 の 低 減 が 可 能 と な る た め で あ る(1)。 以 上 よ り , サ ー ボ モ ー タ の さ ら な る 小 形 高 出 力 化 の た め に は , よ り 強 力 な 永 久 磁 石 材 料 や 界 磁 構 造 の 登 場 が 望 ま れ る 。 現 代 社 会 の た め に モ ー タ は 不 可 欠 な も の で あ る 。 現 在 , 日 本 の 電 力 使 用 料 の 半 分 以 上 が モ ー タ で 消 費 さ れ て お り(2) (3), 省 エ ネ ,CO2削 減 技 術 と し て 今 も 盛 ん に モ ー タ の 高 効 率 化 の た め の 研 究 開 発 が 行 わ れ て い る(2)。 近 年 , ハ イ ブ リ ッ ド カ ー (HEV),電気自動車(EV)等これまで内燃 エンジンが用い られてきた 自動車 の 駆 動 用 途 に ま で 応 用 が 広 が っ て お り , そ こ で は 小 形 高 出 力 化 に 加 え て 広 範 囲 な 駆 動 領 域 と 高 効 率 化 が 要 求 さ れ て い る( 4) ま た , 低 炭 素 社 会 を 実 現 す る た め の 日 本 が 誇 る 省 エ ネ 法 の 制 度 と し て , ト ッ プ ラ ン ナ ー 制 度 が あ る 。 ト ッ プ ラ ン ナ ー 制 度 と は , 法 令 で 指 定 す る 特 定 機 器 に お い て , 最 も 優 れ て い る 機 器 を 標 準 性 能 と 位 置 づ け し , そ の 機 器 以 上 の 性 能 に 更 新 し て い く こ と を 義 務 付 け た 制 度 で あ る( 5)。2011 年 8 月,欧州委 員会 は自 動車業界に 対 し て ,CO2排 出 量 削 減 を 評 価 す る 法 案 を 採 択 し た(5)。2017 年 8 月,中国当局 は EV や HEV の普及拡大の一環と して ,自動車 メーカに対して ゼロエミッ ション車 ま た は 低 排 出 ガ ス 車 の 売 上 げ の ノ ル マ を 設 定 す る 計 画 を 発 表 し た(6)。 こ れ ら の 法 案 は 内 燃 エ ン ジ ン か ら モ ー タ へ の シ フ ト を 加 速 し , モ ー タ の 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 を 推 進 す べ き 背 景 を 示 す 一 例 で あ る 。 1 . 2 . 2 モ ー タ 開 発 の 歴 史 と 近 況 本 研 究 の 背 景 を 理 解 す る た め , 小 形 高 出 力 化 と 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 の 観 点 か ら モ ー タ 開 発 の 歴 史 を 振 り 返 っ て み よ う 。 モ ー タ の 最 初 は , 電 磁 石 に よ り 鉄 片 が 強 力 に 引 き 付 け ら れ る 現 象 , い わ ゆ る 磁 気 吸 引 力 を 利 用 し て ロ ー タ 鉄 片 を 一 定 角 度 の ス テ ッ プ ず つ 回 転 さ せ る と い う 単 純 な 考 え 方 か ら ス タ ー ト し て い る 。 こ の 励 磁 (a) (b) N Ndd--FFee--BB S Smm--CCo o A All--NNii--CCo o F Feerrrriittiic c 512kJ/m3(Theoretical limit) Ma x im u m e n e rg y p ro d u c t [k J/ m 3 ] Year

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4 コ イ ル の 切 替 え を 順 次 に 行 う こ と か ら 自 動 的 に 行 う 発 明 が な さ れ ( 整 流 子 装 置 ), 現 在 の ブ ラ シ 付 き 直 流 モ ー タ の 原 型 と な っ た 。 ま た , 整 流 子 装 置 を 半 導 体 ス イ ッ チ に 置 き 換 え て イ ン バ ー タ 駆 動 装 置 が 誕 生 し た(7) 現 在 の 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ に 至 る 歴 史 に つ い て は ,文 献(8)が詳しく,その一部 を 引 用 す る 。 巻 線 界 磁 同 期 機 は 1870 年頃に出 現する。外 側 からスリップリ ングを介し て 直 流 給 電 さ れ る 電 磁 石 か ら な る ロ ー タ が , 三 相 交 流 が 給 電 さ れ る ス テ ー タ の 三 相 巻 線 に 発 生 す る 回 転 磁 界 に 同 期 し て 回 転 す る 構 造 が 確 立 さ れ た 。 ロ ー タ の 電 磁 石 を 永 久 磁 石 に 替 え る 試 み は ,1930 年 代のアルニコ磁 石の発明に 遡る。 そ の 後 , フ ェ ラ イ ト 磁 石 , 希 土 類 磁 石 な ど の 開 発 と 共 に , 電 磁 石 に 替 え て ロ ー タ に 永 久 磁 石 を 用 い る 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ が 広 く 普 及 す る よ う に な っ た 。 以 下 , 小 形 高 出 力 モ ー タ , 特 に 小 形 高 出 力 同 期 モ ー タ の 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 に 関 す る 技 術 に つ い て 復 習 す る 。 同 期 モ ー タ の 回 転 速 度 制 御 は , 極 数 変 換 法 と 周 波 数 制 御 法 の 2 種類に限 られる(2)。 極 数 変 換 法 は ス テ ー タ コ イ ル の 接 続 を 替 え る こ と で 極 数 を 変 化 さ せ る 。 モ ー タ 自 体 や 切 替 機 構 に コ ス ト が か か る 上 , 段 階 的 な 回 転 速 度 制 御 し か で き な い た め , 大 形 機 以 外 で は ほ と ん ど 採 用 さ れ な い 。 周 波 数 制 御 法 は イ ン バ ー タ な ど の 可 変 周 波 数 電 源 に よ っ て 行 わ れ る 。 同 期 モ ー タ の 電 源 周 波 数 を 調 整 す る こ と で 回 転 磁 界 の 速 度 を 変 化 さ せ る 。 現 在 で は こ の 方 法 が 一 般 的 で あ る 。 巻 線 界 磁 式 同 期 モ ー タ に お い て , 横 軸 を 界 磁 電 流 , 縦 軸 を 電 機 子 電 流 に し て 一 定 の 負 荷 ト ル ク で グ ラ フ を 描 く と V 曲線とな る (1.2.3 節で詳述 )。電圧 と 駆 動 周 波 数 を 一 定 と し た 場 合 , 界 磁 電 流 を 調 整 す る こ と で 遅 れ 力 率 運 転 か ら 進 み 力 率 運 転 ま で 自 由 に 調 整 で き , 力 率 1 で 運 転 す る こ と も で き る 。 負 荷 ト ル ク が 変 化 し て も 最 適 な 界 磁 電 流 に す れ ば , 力 率 1 で 運 転 す る こ と も 効 率 最 大 状 態 で 運 転 す る こ と も 容 易 で あ る 。 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ は 界 磁 起 磁 力 が 一 定 の た め , 回 転 数 の 上 昇 と 共 に 増 大 す る 電 源 電 圧 が 必 要 と な る (V/ f 制 御 )。 そ れ を 実 現 す る 方 法 と し て チ ョ ッ パ 制 御 が 実 用 化 さ れ た 。 降 圧 チ ョ ッ パ 制 御 に 昇 圧 チ ョ ッ パ 制 御 が 加 わ り , よ り 広 範 囲 の 電 源 電 圧 を 得 る こ と が 可 能 と な っ た 。 半 導 体 ス イ ッ チ ン グ 素 子 の 発 達 と と も に パ ル ス 幅 変 調(PWM)制御が発達 し ,サイ リスタ 位相角制御等に よる連続的 な電源電 圧 制 御 や ,パ ル ス 振 幅 変 調(PAM)制御も発 達した。より大電 力高電圧 までの要 求 に 対 し て は , 多 数 の タ ッ プ を 備 え た 変 圧 器 の 先 に 整 流 回 路 を 設 け た タ ッ プ 制 御 を 基 に , 半 導 体 ス イ ッ チ ン グ 素 子 を 用 い た 静 止 レ オ ナ ー ド 方 式 に よ っ て , 直 流 可 変 電 圧 電 源 が 達 成 さ れ た 。 個 々 の 技 術 の 詳 細 内 容 に つ い て は , 文 献(9)が 詳 し い 。 交 流 モ ー タ の 駆 動 に は イ ン バ ー タ の 利 用 が 一 般 的 で あ る 。 イ ン バ ー タ は 周 波 数 制 御 機 能 を 備 え て お り , そ の 登 場 以 降 回 転 数 の 上 昇 に 応 じ て 電 圧 を 増 加 さ せ る 可 変 電 圧 可 変 周 波 数(VVVF)が一般的となった 。擬似正弦波出力 インバー タでは , 一 般 に PWM 制御でデュー ティ比を連 続的に 変化させること で擬似的に 正弦波を つ く り 出 す 。 ス イ ッ チ ン グ 周 波 数 を 高 く す る ほ ど 滑 ら か な 正 弦 波 に 近 づ け る こ と

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5 が で き る(2)。 周 波 数 を 変 え る こ と で モ ー タ の 可 変 速 運 転 を 達 成 し , デ ュ ー テ ィ 比 を 変 化 さ せ 出 力 電 圧 を 変 化 さ せ る こ と で , 高 効 率 と な る 位 相 角 に 近 づ け る こ と が で き る 。 モ ー タ の 回 転 速 度 が 上 昇 し て い く と , や が て 擬 似 正 弦 波 駆 動 の 出 力 電 圧 が 準 備 さ れ た 電 源 電 圧 の 最 大 値 に 達 す る 。 そ の 回 転 速 度 を 基 底 回 転 速 度 と 呼 び , 永 久 磁 石 ト ル ク が 最 大 と な る 電 流 位 相 角 に よ る 駆 動 (q 軸駆動)で は ,これ以 上の回転 速 度 で は 最 大 出 力 を 発 揮 で き な く な る 。 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ が 理 想 的 な ベ ク ト ル 制 御 の 下 に 駆 動 さ れ る と 仮 定 し た 場 合 , リ ラ ク タ ン ス ト ル ク も 考 慮 し た 最 大 ト ル ク 制 御 で 駆 動 で き る 最 大 回 転 速 度 が 基 底 回 転 速 度 と な る 。 過 変 調 PWM 駆動や矩 形 波 駆 動 は , 擬 似 正 弦 波 電 圧 を 矩 形 波 に 近 づ け る こ と で 基 本 波 電 圧 を 1 , 2 割 増 大 さ せ , 基 底 回 転 速 度 を 高 め る 技 術 で あ る 。 こ れ ら は , 広 範 囲 駆 動 化 を 図 る 技 術 と し て ,EV モータに用いられ ている(10) 最 大 回 転 速 度 の 広 範 囲 駆 動 化 を 図 る 技 術 と し て , よ り 一 般 的 に は , 基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 に は 弱 め 磁 束 制 御 が 用 い ら れ る(11)。 ベ ク ト ル 制 御 は 1968 年頃 Hasse 氏および Blaschke 氏によって提 案され た(12) (13)が ,パ ワ ー ト ラ ン ジ ス タ な ど に よ る 理 想 的 な 半 導 体 電 力 変 換 装 置 が 出 現 し , マ イ ク ロ エ レ ク ト ロ ニ ク ス の 進 歩 で , 安 価 に 大 量 の 高 速 演 算 処 理 が で き る よ う に な っ た 1980 年代に入 って ,初 め て 本 格 的 な 実 用 期 を 迎 え た 。 そ の 技 術 が イ ン バ ー タ に 用 い ら れ 現 在 に 至 っ て い る(12) 同 期 モ ー タ の ベ ク ト ル 制 御 に 関 す る 歴 史 に つ い て は , 文 献(13)が詳 しく ,その 概 要 を 引 用 す る 。 1979 年元吉氏らによ って,界磁 電流と電機 子 電流から主磁束 を演算 する ベ ク ト ル 制 御 法 の 適 用 例 が 報 告 さ れ て い る 。1983 年赤木氏ら は,ダンパ巻 線を 持 た な い 同 期 モ ー タ に 対 し , フ ィ ー ド フ ォ ワ ー ド 制 御 に よ り , 過 渡 時 に も 常 に ベ ク ト ル 制 御 を 成 立 さ せ る 方 式 を 提 案 し て い る 。 ま た 1987 年大沢氏 らは , ベ ク ト ル 制 御 の 2500kW 大容量同期モ ータへ の適用および無 整流子 モー タへ の 応 用 法 に つ い て 報 告 し て い る 。さ ら に 1990 年,杉本氏らは励 磁成分電流 と ト ル ク 成 分 電 流 に 対 し ,非 干 渉 制 御 法 を 適 用 し そ の 制 御 性 を 向 上 さ せ て い る 。 弱 め 磁 束 制 御 に 限 ら ず 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ の ベ ク ト ル 制 御 で は , ロ ー タ の 永 久 磁 石 の N 極の向き に d 軸を 定め ,これよりπ/2 進んだ方向 に q 軸 をとる 。この d 軸 方 向 を 基 準 に 電 流 位 相 角 を 操 作 す る こ と が ベ ク ト ル 制 御 の 肝 要 で あ る 。 前 述 の 過 変 調 PWM 駆動や矩形波 駆動が ,最 大出力 発生可能回転速 度を2割程 度増大さ せ る 効 果 が あ る の に 対 し , 弱 め 磁 束 制 御 は 最 大 出 力 発 生 可 能 回 転 速 度 を 基 底 回 転 速 度 の 数 倍 に も 増 大 で き る 。 そ の た め に ロ ー タ の 位 置 (d 軸 位置)を把 握するた め の セ ン サ 機 能 が 必 要 と な り , そ の 達 成 手 段 と し て , セ ン サ 付 き ベ ク ト ル 制 御 と セ ン サ レ ス ベ ク ト ル 制 御 の 2 つ の 方 式 が あ る 。 ロ ー タ の 位 置 を 把 握 す る 精 度 に 関 し て は セ ン サ 付 き ベ ク ト ル 制 御 が 優 れ て お り , 基 底 回 転 速 度 以 上 の 最 大 出 力 可 変 速 範 囲 を よ り 広 く す る た め に は , セ ン サ 付 き ベ ク ト ル 制 御 の 適 用 が 望 ま し い 。 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ で は 基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 で の モ ー タ 誘 起 電 圧 を 打

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6 ち 消 す た め に , 弱 め 磁 束 電 流 を 流 す 弱 め 磁 束 制 御 が 一 般 的 に 用 い ら れ て い る 。 し か し , こ の 方 法 は , 駆 動 ト ル ク に 寄 与 し な い 電 流 を 流 す た め に , モ ー タ の 効 率 が 低 下 す る 問 題 が あ る 。 現 在 の HEV や EV は,モ ータの弱め 磁束領域 を少なくするこ とを目的と して , 車 載 バ ッ テ リ モ ジ ュ ー ル を 多 数 直 列 接 続 す る こ と や 昇 圧 回 路 を 設 け る こ と に よ っ て , モ ー タ 電 圧 を 高 め る こ と が 一 般 に 行 わ れ て い る(14) 一 方 ,2010 年 頃現在まで から ,従来 永久磁石 モータの損失が 大き かった 電気的 弱 め 磁 束 制 御 の 代 わ り に , 広 範 囲 高 効 率 駆 動 の 観 点 か ら , 有 効 磁 束 を 可 変 す る こ と が で き る 可 変 界 磁 技 術 が 注 目 さ れ て い る(15)。文 献(3),(15)に定数可変モー タや 可 変 界 磁 モ ー タ と し て 詳 し く 説 明 さ れ て い る が ,文 献(3)によれば,それ らは以下 の よ う に 分 類 さ れ て い る 。 図 1.3 は それら報 告例を列挙した ものである 。 1 ) 電 機 子 巻 線 の 巻 線 数 を 可 変 す る も の 「 巻 線 切 替 モ ー タ 」(16) 2 ) ロ ー タ に 装 着 し た 永 久 磁 石 の 磁 化 を 可 変 す る も の 「 可 変 磁 力 メ モ リ モ ー タ 」(17) 3 ) 分 割 永 久 磁 石 ロ ー タ の 相 対 位 置 を ず ら し て 総 合 磁 束 を 可 変 す る も の 「 可 変 磁 束 モ ー タ 」(18),「 可 変 界 磁 モ ー タ 」(19) (20) 4 ) 漏 れ 磁 束 を 受 動 的 に 変 化 さ せ て ス テ ー タ 鎖 交 磁 束 を 可 変 す る も の 「 漏 れ 磁 束 制 御 型 可 変 特 性 モ ー タ 」(21) 5 ) 永 久 磁 石 界 磁 と 巻 線 界 磁 の ハ イ ブ リ ッ ド 励 磁 「 巻 線 界 磁 式 ク ロ ー ポ ー ル モ ー タ 」(22)「 半 波 整 流 ブ ラ シ な し 同 期 モ ー タ 」(23) 「 ハ イ ブ リ ッ ド 界 磁 モ ー タ 」(24) 著 者 ら が 提 案 す る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ は ,上 記 分 類 の 3 )に 相 当 す る 。研 究 の 目 的 と す る 小 形 高 出 力 化 に , 前 節 で 説 明 し た よ う な 強 力 な 永 久 磁 石 材 料 の 使 用 は 欠 か せ な い 。 そ の た め , 著 者 ら は , 界 磁 電 流 を 利 用 す る も の や 永 久 磁 石 自 体 の 磁 力 を 弱 め る も の を 除 外 し て , 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 新 構 造 に つ い て 検 討 を 始 め た 。 希 土 類 永 久 磁 石 を 用 い た 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 歴 史 は 浅 い 。 試 作 検 討 を 開 始 し た 2004 年当 時,実用化 された 製品はもちろん 皆無で,試 作評価を 報 告 し た 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 先 駆 と し て も 文 献(18)等を見 るの みで あっ た。 そ れ 等 に し て も 研 究 の た め の 頑 丈 で 重 い 形 態 で あ り , 実 用 的 な 小 形 高 出 力 な も の で は な か っ た 。 現 在 こ の 方 面 の 開 発 に は 多 く の 機 関 が 携 わ っ て い る 。し か し な が ら ,小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 の 観 点 の 優 位 性 か ら ,2011 年より一貫 して提案し てきた本研 究 の 構 造(37)に つ い て , 未 だ 参 考 に で き る も の は 少 な い と 考 え て い る 。

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7 (27 ) ) (2 9 ) (3 1 ) (2 4 ) ) (2 5 ) (2 2 ) ) (9 ) 図 1 .3 可変界磁モータの 事例 (3 2 ) (1 7 ) (3 0 ) (3 5 ,3 6 ) (3 4 ) (2 6 ) (2 8 ) (3 3 )

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8 1 . 2 . 3 同 期 モ ー タ の V 曲線 今 日 , 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ は , あ ら ゆ る 産 業 機 器 に 小 形 高 出 力 高 効 率 モ ー タ と し て 受 け 入 れ ら れ て い る 。 本 項 で は , そ れ 以 前 の 同 期 モ ー タ の 状 況 に つ い て 説 明 す る 。 図1.4 は巻線界磁式 同期モータ(株式 会社精工 社製作所製 2.2kW)の例 である。 回 転 界 磁 形 の た め ロ ー タ の 外 側 に 電 機 子 巻 線 が 配 置 さ れ , ロ ー タ は ス リ ッ プ リ ン グ を 介 し て 界 磁 電 流 が 通 電 さ れ る 電 磁 石 と な っ て い る 。 可 変 抵 抗 器 ( Rf) を 調 整 す る こ と で , 電 磁 石 の 磁 力 を 自 由 に 調 整 で き る 「 可 変 界 磁 モ ー タ 」 で あ る 。 巻 線 界 磁 式 同 期 モ ー タ で よ く 知 ら れ て い る 特 性 と し て 図 1.5 に示す V 曲線があ る 。 一 定 の 出 力 状 態 に お い て , 効 率 が 最 大 と な る 最 適 な 界 磁 の 強 さ が あ り , 効 率 は 力 率 に 大 き く 影 響 を 受 け る(38)。つ ま り ,力 率 1 に調整 すること は効率を最 大に す る こ と と 同 等 に 考 え ら れ て い た 。 図 1.6 に界磁の強さに対 するベクト ル図を 示す。一定回転 速度で回転 するモー タ に と っ て ,界 磁 電 流 を 調 整 す る こ と は 誘 起 電 圧 E0を 調 整 す る こ と で あ る 。同 図 (a)に示すよう に,巻線 界磁式同期 モータは 印加された電源 電圧 V に 対 し , 界 磁 電 流 を 調 整 す る こ と で 誘 起 電 圧 E0を 調 整 し , 電 源 電 圧 の 大 小 に 係 わ ら ず V 曲 線 の 最 大 効 率 状 態 を 実 現 で き る 利 点 が あ っ た 。 つ ま り , 世 界 各 国 や 使 用 者 の 電 源 事 情 に 対 し 融 通 性 に 優 れ て い た 。 ま た , 同 図 (b)や(c)に示すように ,誘起電 圧 が 電 源 電 圧 に 不 足 し た り 過 剰 な 状 態 で は , 遅 れ 電 流 や 進 み 電 流 が 自 動 的 に 生 じ て 界 磁 を 増 減 す る こ と で , モ ー タ 端 子 電 圧 を 電 源 電 圧 に 一 致 さ せ る 機 能 を 有 し て い た 。 図 1.4 巻線界 磁 式同期モ ータ ・ ・ ・

Rotor (Electromagnet)

Slip ring

I

f

R

f

N

S

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9

図 1.5 同期モ ータの V 曲線(野中 作太郎著 ,「電気機 器Ⅰ」,p.286, 森北出 版社)

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10 1 . 3 目 的 1 . 3 . 1 現 状 の 問 題 点 図 1.7 は,図 1.4 で紹介した巻線界 磁式同期 モータとネオジ ム -鉄-ボ ロン系 永 久 磁 石 が 使 わ れ て い る 最 新 の 永 久 磁 石 サ ー ボ モ ー タ の サ イ ズ 比 較 の 例 で あ る 。 モ ー タ の ト ル ク の 大 き さ は 概 略 モ ー タ の 体 格 に 拠 る も の で あ る が , 永 久 磁 石 サ ー ボ モ ー タ の 定 格 ト ル ク が 約 1.5 倍大き いにも 係わらず,体格 (容積)は 1/6 程度 に 小 形 化 さ れ て い る 。 小 形 で 高 出 力 な 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ を 高 速 回 転 で 駆 動 す る 場 合 ,前 述 の よ う に , 基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 の モ ー タ 誘 起 電 圧 を 打 ち 消 す た め に , 弱 め 磁 束 電 流 を 流 す 弱 め 磁 束 制 御 が 一 般 的 に 用 い ら れ る 。 し か し , こ の 方 法 は , 駆 動 ト ル ク に 寄 与 し な い 電 流 を 流 す た め に , モ ー タ の 効 率 が 低 下 す る 問 題 が あ る 。 ま た , 弱 め 磁 束 領 域 を 少 な く す る こ と を 目 的 と し て , 車 載 バ ッ テ リ モ ジ ュ ー ル を 多 数 直 列 接 続 す る こ と や 昇 圧 回 路 で モ ー タ 電 圧 を 高 め る こ と は , モ ー タ の 耐 圧 を 見 直 す こ と も 含 め コ ス ト 増 大 を 避 け ら れ な い 。 し か も , モ ー タ 電 圧 を 高 め 得 る 範 囲 は 限 定 的 で あ る 。 1 . 3 . 2 研 究 の 目 的 と 課 題 EV モータを想定し, 強力な永久 磁石同期モ ータであって, 効率が最大 となる 最 適 な 界 磁 の 強 さ に 調 整 可 能 な 可 変 界 磁 機 能 を も つ 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 提 案 し , モ ー タ の 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 を 実 現 す る こ と を 本 研 究 の 目 的 と し た 。 そ の た め の 課 題 と し て は , 以 下 を 設 定 し た 。 ( 1 ) 可 変 界 磁 モ ー タ は 界 磁 の 大 き さ を 可 変 で き る モ ー タ で あ る た め , 界 磁 を 従 来 の 鉄 損 量 の 制 限 な く 装 荷 す る こ と が 可 能 と な る 。 よ り 大 き な 磁 気 装 荷 に よ り モ ー タ は よ り 高 出 力 化 が 可 能 と な る 。 可 変 界 磁 化 は 小 形 高 出 力 化 に 反 す る も の で は な い 。 両 立 で も な く , 促 進 で き る こ と を 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 試 作 と 評 価 を も っ て 実 証 す る こ と を 目 指 し た 。 図 1.7 巻線界 磁同期モー タと永久磁 石同期モ ータ のサイズ比 較

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11 ( 2 ) イ ン バ ー タ の 容 量 制 限 の 下 で 最 適 な モ ー タ を 選 ぶ と い う 話 を 聞 く 機 会 が あ る が , 本 筋 で は な い と 考 え る 。 モ ー タ の ポ テ ン シ ャ ル に 合 っ た イ ン バ ー タ を 準 備 す る こ と が 本 筋 で あ る 。 よ っ て , モ ー タ の ポ テ ン シ ャ ル を フ ル に 発 揮 で き る イ ン バ ー タ を 準 備 し た 上 で , モ ー タ が 発 生 で き る 最 大 出 力 と 最 大 回 転 速 度 の 確 認 , そ し て 理 論 と 実 測 の 一 致 を 目 指 し た 。 ( 3 )可 変 界 磁 モ ー タ に 関 す る 従 来 の 文 献 の 中 に は ,「 低 速 大 ト ル ク 駆 動 時 に 高 磁 力 化 し ,高 速 駆 動 時 に は 低 磁 力 化 す る 」等 の 記 述 が 見 ら れ る(39) (40) (41)が ,誤 解 を 招 き 易 い た め , 訂 正 さ れ る べ き 文 言 で あ る 。 つ ま り , 電 圧 飽 和 を 避 け る た め に 回 転 速 度 の 上 昇 と 共 に 界 磁 を 弱 め る の で は な い 。 弱 め れ ば 最 大 出 力 は 低 下 す る 。 電 圧 飽 和 を し た 回 転 速 度 以 上 の 範 囲 で 最 大 出 力 を 得 る た め に は , 最 大 界 磁 の ま ま 電 流 位 相 角 を 進 め ,弱 め 磁 束 制 御 に よ っ て 鎖 交 磁 束 を 減 じ る 必 要 が あ る(42)。基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 で か つ 最 大 出 力 以 下 の 中 間 出 力 状 態 に お い て , 低 出 力 で あ る ほ ど 界 磁 を 弱 め る こ と で , よ り 高 効 率 の 駆 動 状 態 が 得 ら れ る の で あ る 。 ま た , 表 面 磁 石 同 期 モ ー タ(SPM モータ)が基底回 転速度以上の高 速回転駆動 に不適で あ る と の 説 が あ る(11) (8)が ,正 確 な ベ ク ト ル 制 御 特 に 弱 め 磁 束 制 御 を な し 得 る イ ン バ ー タ を 用 い る 前 提 を 考 慮 す れ ば ,訂 正 さ れ る べ き 文 言 で あ る 。同 条 件 に お い て , モ ー タ の 最 大 回 転 速 度 を 制 限 す る も の は 電 磁 的 に は な く , ロ ー タ の 耐 遠 心 力 破 壊 強 度 で 決 定 さ れ る 。 こ れ ら の 理 論 と 検 証 を 目 指 し た 。 ( 4 ) イ ン バ ー タ 開 発 は 絶 大 な 成 果 を 上 げ て き た が , モ ー タ 開 発 に お い て , 電 磁 機 械 の 設 計 は な い が し ろ に さ れ た 感 が あ る 。 永 久 磁 石 と い う 強 力 な 磁 気 装 荷 部 品 を 用 い て , 可 変 界 磁 機 能 を 達 成 す る た め に は , 新 し い 機 構 を 生 み 出 す 機 械 設 計 的 試 み が 要 求 さ れ る 。 そ の 実 現 を 目 指 し た 。 ( 5 ) 界 磁 の 強 さ を 正 確 に 調 整 す る ア ク チ ュ エ ー タ は , 広 範 囲 高 効 率 駆 動 を 実 現 す る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ に は 必 要 な も の で あ っ た が , ア ク チ ュ エ ー タ に か か る 費 用 と 搭 載 ス ペ ー ス が 増 大 す る 欠 点 も あ っ た 。 こ の た め モ ー タ の 駆 動 状 態 に 応 じ て , 界 磁 の 強 さ が お の ず か ら 変 化 す る よ う な 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ が 望 ま れ て い る 。 そ の 実 現 を 目 指 し た 。

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12 1 . 4 本 論 の 概 要 本 論 文 は ,次 世 代 を 担 う 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 技 術 と し て ,永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ に つ い て 論 じ る 。 加 え て , 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 研 究 に 付 随 し 開 発 し た 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 に 貢 献 す る 個 々 の 技 術 に つ い て も 説 明 す る 。 図 1.8 に,本論各 章の構成を 示す。 第 1 章 で は ,研 究 の 目 的 を 述 べ ,本 論 文 の 概 要 の 説 明 と と も に 本 研 究 の 位 置 付 け に つ い て 言 及 し た 。 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ に 至 る モ ー タ 開 発 の 背 景 と 現 在 の 問 題 点 を 示 し , 本 論 文 の 目 的 と 各 章 の 概 要 を 示 し た 。 第 2 章 で は ,小 形 で 効 率 が 良 い 埋 込 磁 石 同 期 モ ー タ(IPM モータ)をベ ースに, 様 々 な 構 造 の 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 検 討 し た 。 特 に , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て 鉄 損 が よ り 減 少 す る 構 造 を 模 索 し , 方 向 性 と し て は , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る よ う な 構 造 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 よ り , 提 案 す る 2 種 類 の 新 構 造 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み を 考 案 し , 本 構 造 に 至 る 研 究 の 経 緯 を 説 明 し た 。 第 3 章 で は ,永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 研 究 に 付 随 し て 生 ま れ ,次 章 で 説 明 す る 具 体 的 な 設 計 や 試 作 に 用 い ら れ た 新 技 術 と し て ,「 磁 束 集 中 IPM モータ」,「加 圧 成 形 コ イ ル 」 と 「 高 強 度 鋼 板 ロ ー タ コ ア 」 に つ い て 論 じ た 。 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ は 界 磁 を 自 由 に 調 整 す る こ と が 可 能 で あ る こ と か ら , 従 来 よ り も 大 き な 界 磁 を 設 定 す る こ と が 可 能 と な る 。 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 広 範 囲 高 効 率 化 の み な ら ず よ り 小 形 高 出 力 化 す る 技 術 と し て「 磁 束 集 中 IPM モータ」を 開 発した 。従 来 の 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ を よ り 高 出 力 化 す る こ と は , 各 回 転 速 度 に お い て よ り 高 ト ル ク 化 す る と い う こ と で あ る 。 従 来 と 同 じ 電 磁 部 サ イ ズ で 高 ト ル ク 化 す る に は 磁 気 回 路 の 磁 路 強 化 が 必 要 と な り ,ス テ ー タ コ イ ル の 占 有 ス ペ ー ス が 圧 迫 さ れ る 。 コ イ ル の 占 有 ス ペ ー ス を 縮 小 し た に も 係 わ ら ず , コ イ ル の 導 体 断 面 積 を 拡 大 す る 技 術 と し て 「 加 圧 成 形 コ イ ル 」 を 開 発 し た 。 さ ら に , 従 来 の 電 磁 鋼 鈑 を 用 い た ロ ー タ の 耐 遠 心 力 を 強 化 し , 約 2 倍の高速 回転 化をなし得る技 術として ,「高強 度 鋼 板 ロ ー タ コ ア 」 を 開 発 し た 。 第 4 章 で は ,永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 広 範 囲 高 効 率 駆 動 に つ い て 検 討 し た 結 果 を 述 べ た 。 広 い 可 変 速 範 囲 の そ れ ぞ れ の 回 転 速 度 に お い て , 界 磁 の 強 さ や 電 流 位 相 角 を ど の よ う な 値 に す れ ば 最 大 出 力 制 御 が 達 成 で き る の か , ま た , そ れ ぞ れ の 出 力 状 態 に お い て , 界 磁 の 強 さ や 電 流 位 相 角 を ど の よ う な 値 に す れ ば 最 大 効 率 制 御 が 達 成 で き る の か を 明 ら か に し た 。 さ ら に , 検 討 結 果 を 確 認 す る た め , 試 験 用 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 試 作 し , 広 範 囲 駆 動 に 対 す る 効 率 評 価 を 行 っ た 。 効 率 評 価 は , 最 大 回 転 速 度 22000 min-1, 最 大 出 力 10kW の範囲内で 行われ,固 定 界 磁 に 対 し て 最 大 20%以 上の効率向 上を確認 し,検討結果を 実証できた 。 第 5 章 で は ,EV 用 52kW 永久磁石可変界磁 モータとして, 可変機構付 永久磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 設 計 と 試 作 を 行 い ,そ の 基 本 特 性 に つ い て 評 価 し た 。さ ら に , ベ ク ト ル 制 御 に お け る 電 流 位 相 角 を よ り 広 範 囲 に 制 御 し , 同 時 に 界 磁 を 調 整 す る 方 法 と し て マ ッ プ 制 御 を 行 い , そ の 動 作 結 果 を 検 証 し た 。 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー

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13 タ は 界 磁 が 変 化 す る と 誘 起 電 圧 定 数 や ト ル ク 定 数 な ど の モ ー タ 定 数 が 変 化 す る た め , 固 定 界 磁 モ ー タ を 駆 動 す る た め の 従 来 イ ン バ ー タ で は ベ ク ト ル 制 御 の 位 相 角 を 広 範 囲 に 制 御 で き ず , モ ー タ を 駆 動 す る こ と が で き な い 。 ま た , イ ン バ ー タ に は 界 磁 を 調 整 す る 機 能 が な い 。 そ の た め , モ ー タ の 駆 動 状 態 に 合 わ せ て 界 磁 と イ ン バ ー タ の 指 令 が 適 切 に 制 御 さ れ る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ 駆 動 シ ス テ ム を 開 発 し た 。 第 6 章 で は ,界 磁 の 強 さ が お の ず か ら 変 化 す る よ う な 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ に つ い て 論 じ た 。 界 磁 の 強 さ を 正 確 に 調 整 す る 可 変 機 構 は , 広 範 囲 高 効 率 駆 動 を 実 現 す る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ に は 必 要 な も の で あ っ た が , 可 変 機 構 に か か る 費 用 と 搭 載 ス ペ ー ス が 増 大 す る 欠 点 も あ っ た 。 モ ー タ の 駆 動 状 態 に 応 じ て , 界 磁 の 強 さ が お の ず か ら 変 化 す る よ う な 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ と し て , 筆 者 等 は 可 変 機 構 を 有 し な い 小 形 で 低 コ ス ト な 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ を 考 案 し た 。 こ の モ ー タ で は , 負 荷 ト ル ク に 応 じ て 界 磁 の 強 さ が , お の ず か ら 変 化 す る 。 こ の 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ は , 外 部 か ら の 機 械 的 な 可 変 機 構 を 有 し な い だ け で な く , 電 気 的 な 操 作 も 必 要 と し な い た め , 従 来 の 永 久 磁 石 モ ー タ 用 イ ン バ ー タ の み で 駆 動 で き る 。 従 来 モ ー タ と 同 サ イ ズ で 製 作 し た 試 作 機 の 構 造 と 効 率 評 価 に つ い て 説 明 し た 。 第 7 章 で は , 以 上 得 ら れ た 知 見 よ り 結 論 を 総 括 し た 。

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14 図 1.8 本論各 章の構成 第1章 緒論 研 究 の 目 的 と 課 題 の 提 示 第2章 研究の 第 5 章 可 変 機 構 付 可 変 界 磁 モ ー タ :52kW EV 用 52kW 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モー タ 試 作 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 駆 動 シ ス テ ム を 開 発 第 6 章 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ 要 素 試 作 :24kW 可 変 機 構 を 有 し な い 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 試 作 従 来 イ ン バ ー タ で 駆 動 第 2 章 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み 2 種 類 の 新 構 造 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み 本 構 造 に 至 る 研 究 の 経 緯 を 説 明 第 7 章 結 論 知 見 よ り 結 論 を 総 括 提 案 モ ー タ ( 1 ) モ ー タ ( 1 ) 提 案 モ ー タ ( 2 ) モ ー タ ( 1 ) 第 4 章 可 変 界 磁 モ ー タ 要 素 試 作 :10kW 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 広 範 囲 高 効 率 駆 動 に つ い て 検 討 試 作 モ ー タ で 検 討 結 果 を 実 証 第 3 章 付 随 す る 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 要 素 技 術 磁 束 集 中 IPM モ ー タ ( 小 形 化 ) 加 圧 成 形 コ イ ル ( 高 効 率 化 ) 高 強 度 鋼 板 ロ ー タ コ ア( 高 速 回 転 化 )

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15 第 2 章 永 久磁石可 変界磁モー タのしくみ 小 形 で 効 率 が 良 い IPM モータをベースに ,様 々な構造の永久 磁石可変界 磁モ ー タ を 検 討 し た 。 特 に , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て 鉄 損 が よ り 減 少 す る 構 造 を 模 索 し , 方 向 性 と し て は , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る よ う な 構 造 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 よ り , 提 案 す る 2 種 類 の 新 構 造 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 考 案 し た 。 本 章 で は , そ の 2 種 類 の 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み を 説 明 し , そ の 構 造 に 至 る 研 究 の 経 緯 を 説 明 す る 。 2 . 1 可 変 機 構 付 可 変 界 磁 モ ー タ 永 久 磁 石 を V 字に 配置したロ ータの磁極 を軸 方向に 3 分 割し,両 側の磁極は シ ャ フ ト に 固 定 し , 中 央 の 磁 極 が 両 側 の 磁 極 に 対 し シ ャ フ ト 上 を 回 転 す る 構 造 を 考 案 し た(37)(43) 中 央 の 磁 極 と 両 側 の 磁 極 の 回 転 方 向 に 対 す る 相 対 的 な 電 気 角 を 相 対 角 と 呼 ぶ こ と に す れ ば ,相 対 角 が 0°のとき中央の 磁極 と両側の磁極 の N 極や S 極が軸 方 向 に 一 直 線 上 に 並 び , 界 磁 の 強 さ が 最 大 と な る 。 図 2.1(a)は,相対 角 0°状態におけ る磁束の説 明図である 。また 同図(b)は,相 対 角 180°状態におけ る磁束の説 明図である。(a)に示すように,ロータ から出入 り す る N 極 と S 極 の 磁 束 の 多 く は , ス テ ー タ コ ア を 通 過 し ス テ ー タ コ イ ル に 鎖 交 す る 。(a)の最大界磁状態 より 相対 角が大きく なるに従い,ステ ータコイル に鎖交 す る N 極 と S 極 の 磁 束 が 相 殺 し 合 っ て 誘 起 電 圧 は 減 少 す る 。(b) に 示 す 相 対 角 180°状態においては,N 極とS極 の磁束が相 殺し合って誘起 電圧は 0 となる 。 図 2.1 軸方向 分割構造

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16 永 久 磁 石 を V 字に配置 した IPM モータでは ,ロータ内にお いて異なる 磁極が 軸 方 向 に 揃 う こ と で , 永 久 磁 石 か ら 発 し た 磁 束 が ロ ー タ 内 で 軸 方 向 に 短 絡 し , そ の 分 ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る 。 ス テ ー タ コ ア を 通 過 す る 磁 束 が 減 少 す る た め , ス テ ー タ コ ア に 発 生 す る 鉄 損 を 低 減 す る こ と が で き る 。 界 磁 を 可 変 す る た め に 高 速 で 回 転 し て い る ロ ー タ は ,中 央 の 磁 極 を 相 対 的 に 回 転 さ せ る 必 要 が あ る 。 そ の た め , そ れ を 実 現 す る 可 変 界 磁 機 構 と ア ク チ ュ エ ー タ が 必 要 と な る 。 そ の 詳 細 は 5 章 で説明する 。 2 . 2 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ 界 磁 の 強 さ を 正 確 に 調 整 す る ア ク チ ュ エ ー タ は ,広 範 囲 高 効 率 駆 動 を 実 現 す る 可 変 界 磁 モ ー タ に は 必 要 な も の で あ っ た が , ア ク チ ュ エ ー タ に か か る 費 用 と 搭 載 ス ペ ー ス が 増 大 す る 欠 点 も あ っ た 。 そ の た め , 筆 者 等 は ア ク チ ュ エ ー タ を 有 し な い 小 形 で 低 コ ス ト な 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ を 考 案 し た(44)。モ ー タ に か か る 負 荷 ト ル ク に 応 じ て 界 磁 の 強 さ は , お の ず か ら 変 化 す る 。 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ は ,負 荷 ト ル ク を 利 用 し て 界 磁 が 変 化 す る た め ,負 荷 ト ル ク が 界 磁 可 変 構 造 の 移 動 部 に 作 用 し や す い 構 造 を 検 討 し た 。 そ の 上 で , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て 鉄 損 が よ り 減 少 す る 構 造 を 模 索 し , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て ロ ー タ か ら 出 て い く 磁 束 自 体 が 減 少 す る よ う な 構 造 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 と し て ,図 2.2 に示 すように,ロー タを径方向に2 分割しそれ ぞれに 永 久 磁 石 を 配 置 し て , 外 側 の 磁 極 部 が 内 側 の シ ャ フ ト に 対 し 相 対 的 に 回 転 す る 構 造 と し た 。 シ ャ フ ト の 外 側 に は 磁 極 と 同 じ 10 極の永久磁石 が磁極を径 方向に向 け て リ ン グ 状 に 装 着 さ れ て い る 。 外 側 の 磁 極 部 に は 磁 極 と 同 じ 数 の 永 久 磁 石 が 磁 極 を 周 方 向 に 向 け て 放 射 状 に 装 着 さ れ て い る 。 外 側 の 磁 極 部 が 内 側 の シ ャ フ ト に 対 し 相 対 的 に 回 転 す る 電 気 角 を 相 対 角 と 呼 ぶ こ と に す れ ば , 図 に 示 し た 負 荷 ト ル ク が な い 状 態 で は , 相 対 角 が 0°となり最 小 界 磁 状 態 と な る 。 永 久 磁 石 同 士 が 吸 引 し た 位 置 と な り 永 久 磁 石 か ら 発 し た 磁 束 が ロ ー タ 内 で 径 方 向 に 短 絡 し , そ の 分 ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る 。 こ の 状 態 で は ス テ ー タ コ ア を 通 過 す る 磁 束 が 減 少 し , ス テ ー タ コ ア に 発 生 す る 鉄 損 を 低 減 す る こ と が で き る 。 負 荷 ト ル ク が 増 大 す る と ,図2.3 に示すよう に 永久磁石同士 の吸引によ る戻し ト ル ク と 負 荷 ト ル ク が 釣 り 合 う ま で 相 対 角 は 増 大 し , つ い に は 図 2.4 に示すよう に , 相 対 角 が 180°となり最大界 磁状態とな る。 相 対 角 は 負 荷 ト ル ク に 応 じ て ,増 大 す る よ う に 設 計 す る 。負 荷 ト ル ク に 最 低 限 必 要 な 界 磁 の 強 さ に 調 整 す れ ば , 鉄 損 は 最 小 限 に 留 め ら れ て 効 率 を 向 上 で き る 。 実 際 の 製 作 で は , 相 対 角 が 無 制 限 に 増 大 し な い よ う に , 相 対 的 に 回 転 は 機 械 的 に 制 限 さ れ る 必 要 が あ る 。 理 想 的 に は , 電 磁 的 な 永 久 磁 石 の 戻 し ト ル ク の 調 整 に 加 え , 戻 し ば ね 等 の 機 械 的 な 戻 し ト ル ク の 調 整 を 加 え て 検 討 す れ ば , 負 荷 ト ル ク に 応 じ た 最 適 な 界 磁 の 強 さ が 実 現 で き , 効 率 の 良 い 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ が 実 現 で き る と 考 え る 。

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モ ー タ に か か る 負 荷 ト ル ク に 応 じ て ,お の ず か ら 界 磁 の 強 さ を 変 化 す る 永 久 磁 石 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ の 詳 細 は 6 章で説明 す る。

Fig. 3. Rotor condition at partial load Fig. 2. Rotor condition at no load

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Fig. 4. Rotor condition at full load

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図 2.2 無負荷 状態のロー タ( 相対 角 0°) 図 2.3 負荷が 増大する状 態のロータ 図 2.4 最大負 荷状態のロ ー タ(相対 角 180°)

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18 2 . 3 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ 構 造 の 研 究 経 緯 2 . 3 . 1 目 的 同 期 モ ー タ は か つ て 巻 線 界 磁 式 の 可 変 界 磁 モ ー タ が 主 流 で ,そ の 後 ,小 形 高 出 力 化 の た め に 永 久 磁 石 式 に 代 替 さ れ て き た 。 次 世 代 を 担 う 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 技 術 と し て , 界 磁 の 強 さ を 変 化 で き る 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 開 発 し て き た 。 特 に , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る よ う な 構 造 を 検 討 し た 。 多 く の モ ー タ は 基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 に も 最 大 出 力 を 発 生 可 能 で あ る こ と を 要 求 さ れ る 。 最 大 出 力 は 界 磁 の 大 き さ で 決 定 さ れ る た め , 基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 に お い て も 界 磁 を 最 大 に 保 つ 必 要 が あ る 。 特 に 基 底 回 転 速 度 以 上 の 回 転 速 度 に お い て , 界 磁 は 出 力 の 低 下 に 応 じ て 減 じ ら れ る べ き で あ り , 回 転 速 度 の 増 大 に 応 じ て 減 じ ら れ る 方 式 は 検 討 か ら 除 外 し た 。 本 節 で は ,2 .1 節 で 説 明 し た 軸 方 向 分 割 構 造 の 可 変 界 磁 モ ー タ 構 造 に 至 っ た 検 討 の 経 緯 と 評 価 結 果 に つ い て 説 明 す る 。 2 . 3 . 2 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 構 造 検 討 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る よ う な 様 々 な 構 造 の 可 変 界 磁 モ ー タ の ア イ デ ア を 検 討 し , 図 2.5 から 図 2.7 に示 す 3 つ の 構 造 に 絞 り 込 ん だ 。 図 2.5 の構 造 1 はギャ ップ長を変化さ せることで ,ステー タ コ ア を 通 る 磁 束 を 変 化 さ せ る 。 図 中 の 制 御 シ ャ フ ト を 回 す こ と で 12 個に分割 さ れ た ス テ ー タ コ ア が 半 径 方 向 に 同 時 に 移 動 す る 仕 組 み を 示 し て い る 。 こ の 構 造 は , 可 変 機 構 を 固 定 側 に 設 け 得 る 利 点 が あ る(45)。 図 2.6 の構造 2 は IPM モータ の 磁 極 を 軸 方 向 に 3 分割し,中央の磁 極を両 側に対し相対的 に回転させ て界磁を 変 化 さ せ る 。図 は 界 磁 の 最 大 状 態 と 最 小 状 態 を 示 し て い る 。図 2.7 の構造 3 は SPM モ ー タ の 磁 石 を 半 径 方 向 に 2 層に分割 し,シャ フトに固定する 外側の磁石 に対し , 内 側 の 磁 石 を 相 対 的 に 回 転 さ せ て 界 磁 を 変 化 さ せ る 。 図 は 内 側 と 外 側 の リ ン グ 磁 石 を 並 べ て 示 し て い る 。 構 造 2 と構造 3 は界 磁の強さを 0%近くまで 小さくでき る 利 点 が あ る が ,回 転 す る 磁 極 を 相 対 的 に 変 化 さ せ な け れ ば な ら な い 課 題 が あ る 。 構 造2 と構造 3 の違いは磁極を半 径方向に分 割するか軸方向 に分割する かであ る 。 両 者 の 優 劣 を 判 断 す る た め , ロータ のサ イズ,極数,誘起電圧を合 わせ, 2 組 の 磁 極 を 相 対 的 に 回 転 さ せ る た め に 必 要 な ト ル ク を 磁 界 解 析 に よ り 調 べ た 。 図 2.8 はその結果で あり, 2 組の 磁極の相対 的な電気的回転 角において 発生す る ト ル ク を 比 較 し て い る 。0°は最大 界磁とな る同じ磁極が揃 った状態を,180° は 最 小 界 磁 と な る 異 な る 磁 極 が 揃 っ た 状 態 を 電 気 角 で 示 し て い る 。 磁 極 を ず ら そ う と す る ト ル ク を 正 ト ル ク と す れ ば ,構 造 2 は磁極をずらそ うとするト ルクが発 生 し , 構 造 3 は磁極 を揃えよう とするト ルク が発生すること がわかる。 そして , 構 造 2 がよ り小さな トルクで界 磁を変化で き ることが確認で きたため ,構造 2 を 選 択 し , 構 造 1 とと もに試作評 価を行った 。

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19 図 2.5 構造 1 図 2.6 構造 2 図 2.7 構造 3

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Control shaft Stator cores

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20 2 . 3 . 3 試 作 モ ー タ と 損 失 評 価 結 果 試 作 モ ー タ の 損 失 評 価 は 図 2.9 に示す構造 1 の試作ステータ と,図 2.10 に示 す 構 造 2 の 試作ロー タを組み合 わせて行っ た 。試作ステータは制 御シャフト を回 す こ と に よ り ,ギ ャ ッ プ 長 を 0.8 か ら 7.2mm まで変化できる。ギャップを 大きく す れ ば 損 失 は 低 減 す る と 予 想 し た 。 試 作 ロ ー タ は 中 央 の 磁 極 を 0 から 180°まで 回 転 で き る 。 角 度 を 大 き く す れ ば 損 失 は 低 減 す る と 予 想 し た 。 評 価 は 外 部 か ら の 駆 動 に よ る 損 失 比 較 に よ り 行 っ た 。 図 2.11 は評 価システム を 示 し て い る 。ト ル ク メ ー タ を 介 し て ,試 作 モ ー タ を 直 流 サ ー ボ モ ー タ で 駆 動 し , 駆 動 に 要 す る 回 転 速 度 毎 の ト ル ク を ト ル ク メ ー タ で 測 定 し た 。 直 流 サ ー ボ モ ー タ の 回 転 速 度 は , 電 圧 を 調 整 す る こ と で 正 確 に 調 整 し 得 る 。 こ の ト ル ク メ ー タ は , 回 転 速 度 を 表 示 す る 機 能 を 有 す る た め , 測 定 し た ト ル ク と 回 転 速 度 か ら 損 失 を 計 算 し た 。 損 失 は 鉄 損 と 機 械 損 の 合 計 で あ る が 機 械 損 は 変 化 し な い の で , 界 磁 の 強 さ を 変 化 さ せ た 場 合 の 損 失 の 違 い は , 鉄 損 の 違 い を 示 す 結 果 と な る 。 図2.12 はロータを 最大界磁 状態に保っ たまま ギャップ長を 0.8 から 7.2mm ま で 変 化 さ せ た 場 合 (0.8~7.2mm,0°)と,ギ ャップ長を 0.8mm に保ったま まロ ー タ の 中 央 の 磁 極 を 0 から 120°まで回 転さ せた場合( 0.8mm,0~120°)の損失 図 2.8 回転 させるため に必要なト ルク (解 析値) 図 2.9 構造 1 の試作 ステータ 図 2.10 構造 2 の 試作ロー タ

Axi al division ( Structure 2)

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21 の 測 定 結 果 で あ る 。ギ ャ ッ プ 長 が 0.8mm でロ ータの相対的な 回転角 を 0°とした 最 大 界 磁 状 態 に 対 し , ロ ー タ を 変 化 さ せ て 界 磁 を 弱 め た 場 合 に は 予 想 し た よ う に 損 失 は 減 少 し た 。 し か し , ス テ ー タ を 変 化 さ せ て 界 磁 を 弱 め た 場 合 に は 予 想 に 反 し て 損 失 は 増 大 し た 。こ の 結 果 よ り ,構 造 2 の可変界磁モー タが最も優 れた構造 で あ る と 判 断 し た 。 図 2.11 評価システ ム 図 2.12 損失の 測定結果 7.2mm, 0° 5.0mm, 0° 2.9mm, 0° 0.8mm, 0° 0.8mm, 60° 0.8mm, 120°

DC servo motor Torque meter TM308 (MAGTROL, Inc ) Prototype motor

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22 2 . 4 ま と め 小 形 で 効 率 が 良 い IPM モータをベースに ,様 々な構造の永久 磁石可変界 磁モ ー タ を 検 討 し た 。 特 に , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て 鉄 損 が よ り 減 少 す る 構 造 を 模 索 し , 方 向 性 と し て は , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て ロ ー タ か ら 出 て ゆ く 磁 束 自 体 が 減 少 す る よ う な 構 造 を 検 討 し た 。 そ の 結 果 よ り , 提 案 す る 2 種 類 の 新 構 造 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 考 案 し た 。 2 . 1 節 で は , 可 変 機 構 付 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み を 説 明 し た 。 2 . 2 節 で は , 簡 易 可 変 界 磁 モ ー タ の し く み を 説 明 し た 。 2 . 3 節 で は , 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ 構 造 の 研 究 経 緯 を 説 明 し ,IPM ロータの磁 極を 3 分割 し,中央の磁 極を両側に 対 し 相 対 的 に 回 転 さ せ て 界 磁 を 変 化 さ せ る 構 造 が , 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て 鉄 損 を よ り 減 少 で き る 最 も 優 れ た 構 造 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 そ の た め ,こ の ロ ー タ 構 造 を 適 用 す る E V 用 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 開 発 に と り か っ た 。 そ の 内 容 は 4 章で 説明する。

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23 第 3 章 付 随 す る 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 技 術 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 研 究 に 付 随 し て 生 ま れ ,次 章 で 説 明 す る 具 体 的 な 設 計 や 試 作 に 用 い ら れ た 新 技 術 と し て ,「 磁 束 集 中 IPM モータ 」,「加 圧成形コイ ル」 と 「 高 強 度 鋼 板 ロ ー タ コ ア 」 に つ い て 論 じ る 。 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ を 広 範 囲 高 効 率 化 の み な ら ず よ り 小 形 高 出 力 化 す る 技 術 と し て「 磁 束 集 中 IPM モータ」を 開 発 し た 。 コ イ ル の 占 有 ス ペ ー ス を 縮 小 し た に も 係 わ ら ず , コ イ ル の 導 体 断 面 積 を 拡 大 す る 技 術 と し て 「 加 圧 成 形 コ イ ル 」 を 開 発 し た 。 従 来 の 電 磁 鋼 鈑 を 用 い た ロ ー タ の 耐 遠 心 力 を 強 化 し , 約 2 倍の高 速回 転化をなし得る 技術として ,「高 強 度 鋼 板 ロ ー タ コ ア 」 を 開 発 し た 。 以 下 , こ れ ら の 技 術 に つ い て 説 明 す る 。 3 . 1 小 形 高 出 力 広 範 囲 高 効 率 駆 動 化 の 要 望 EV モータを変速機なし で用いたい という要望 がある。 図 3.1 に,平 均的な 2 リ ッ タ ー ク ラ ス 乗 用 車 用 5 速変 速機付エン ジ ンの,車軸上におけ るトルク- 回転 速 度(T-N)特性を示 す。1 速と 5 速の変 速比 は 5:1 である。この 変速機付エ ン ジ ン の 特 性 を モ ー タ 単 体 で 置 き 換 え た 場 合 , モ ー タ の 特 性 は 図 示 の よ う に な り , 1 速 に お け る 大 ト ル ク と 5 速 に よ る 高 回 転 速 度 を 両 立 し な け れ ば な ら な い 。 こ の よ う に ,EV モータが 変速機 付エン ジン車 同 等の特性 を得 るには ,定出 力範囲 の 広 い 特 性 が 要 求 さ れ , 結 果 と し て 高 速 回 転 化 が 求 め ら れ る 。 具 体 的 に は , ク ラ ン ク 軸 上 に お い て 最 大 ト ル ク 200N・m(at 4000min-1), 最大回転速度 8000min-1 の エ ン ジ ン 特 性 に 対 し , 例 え ば , 約 2000min-1 で エ ン ジ ン の 2 倍の 最大トルク 400N・m を発生し ,2.5 倍の最大回転 速度 20000min-1の モ ー タ 特 性 が 必 要 と な る 。 図 3.1 車軸上 での T-N 特性 1st. Motor 2nd. 3rd. 4th. 5th.

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24 EV モータには,埋込 磁石形モー タ( IPM モー タ)が多用されて いる。IPM モ ー タ を 前 記 の よ う な 広 い 可 変 速 範 囲 全 域 で 高 効 率 運 転 す る こ と は 困 難 で あ る 。 高 速 回 転 で 駆 動 す る 場 合 , 鉄 損 が 増 大 し , ま た , モ ー タ の 誘 起 電 圧 を 打 ち 消 す た め の 大 き な 弱 め 磁 束 電 流 が 必 要 と な り , 銅 損 が 増 大 す る た め で あ る 。 鉄 損 や 銅 損 の 増 大 を 防 ぎ ,広 範 囲 高 効 率 駆 動 を 実 現 す る 方 法 の 1 つ が ,可 変 界 磁 モ ー タ で あ る 。 可 変 界 磁 モ ー タ は , 界 磁 の 強 さ を 変 化 さ せ , 誘 起 電 圧 を 調 整 す る こ と が で き る モ ー タ で あ る 。 低 出 力 状 態 で 界 磁 を 弱 め た 状 態 に お い て は 鉄 損 を 減 少 で き , 高 速 回 転 状 態 に お い て は 弱 め 磁 束 電 流 を 減 少 で き る た め 銅 損 を 減 少 で き る 。 低 出 力 状 態 や 高 速 回 転 状 態 で 効 率 が 向 上 す る こ と が 可 変 界 磁 モ ー タ の 利 点 で あ る 。 自 動 車 は 低 出 力 状 態 で の 走 行 頻 度 が 高 い た め , 可 変 界 磁 モ ー タ の 適 用 に よ り 電 力 消 費 が 軽 減 さ れ る こ と が 期 待 さ れ る 。 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ 化 に よ り 広 範 囲 高 効 率 駆 動 を 実 現 し た も の の ,モ ー タ サ イ ズ が 増 大 し た り 最 大 出 力 が 低 下 し た り す る こ と を 良 と し な い 。 一 面 を 改 良 し 一 面 を 低 下 さ せ た と 報 告 す る こ と は ,そ の 技 術 の 欠 点 を 晒 し 出 し た 結 果 と 考 え る 。 例 え ば , 既 存 の モ ー タ に そ の ま ま 可 変 界 磁 機 構 を 適 用 す る 場 合 な ど が そ う な り 易 い 。 可 変 界 磁 モ ー タ は 界 磁 を 自 由 に 調 整 す る こ と が 可 能 で あ る こ と か ら , 従 来 よ り も 大 き な 界 磁 を 設 定 す る こ と が 可 能 と な る 。 可 変 界 磁 モ ー タ は 広 範 囲 高 効 率 化 の み な ら ず 小 形 高 出 力 化 に も 貢 献 す る 技 術 で あ る 。 本 章 で は , 永 久 磁 石 可 変 界 磁 モ ー タ の 研 究 に 付 随 し て 生 ま れ , 次 章 で 説 明 す る 具 体 的 な 設 計 や 試 作 に 用 い ら れ た 新 技 術 に つ い て 論 じ る 。 こ れ ら の 新 技 術 に は ,小 形 高 出 力 化 の た め の 磁 気 装 荷 あ る い は 電 気 装 荷 の 増 大 , さ ら に 広 範 囲 駆 動 の た め の モ ー タ の 機 械 的 強 度 , 特 に ロ ー タ の 耐 遠 心 力 強 化 が 含 ま れ て い る 。 ま ず , 磁 気 装 荷 の 増 大 方 法 と し て は , 既 に 述 べ た レ ア ア ー ス 永 久 磁 石 の 採 用 が あ る が ,そ の 先 の 技 術 と し て 開 発 し た「 磁 束 集 中 IPM モータ」(46) を, 3 . 2 節 で 論 じ る 。 次 に , 電 気 装 荷 の 増 大 方 法 と し て は , よ り 大 き な 通 電 を 可 能 と す る た め コ イ ル の 占 積 率 を 90%以 上として 開発した「加圧成形 コイル」(47) を, 3 . 3 節 で 論 じ る 。 こ の 2 つ の 技 術 は 小 形 高 出 力 化 に 貢 献 す る ば か り で な く , モ ー タ の 高 効 率 化 に も 貢 献 す る 。 さ ら に , ロ ー タ の 耐 遠 心 力 強 化 に つ い て は , 従 来 の 電 磁 鋼 板 の 3 倍以 上の降伏点 を有する高 強 度鋼板 を適用し て開発した「高 強度 鋼 板 ロ ー タ コ ア 」(48) を,3.4節で 論じる。

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25 3 . 2 磁 束 集 中 IPM ロータ 3 . 2 . 1 磁 束 集 中 IPM ロータの目的 従 来 の 永 久 磁 石 同 期 モ ー タ を よ り 高 出 力 化 す る こ と は ,各 回 転 速 度 に お い て よ り 高 ト ル ク 化 す る と い う こ と で あ る 。 例 え ば , IPM モータの高 トルク化 の1つ の 方 策 と し て リ ラ ク タ ン ス ト ル ク の 併 用 が あ る も の の , 本 技 術 開 発 で は 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す る 方 策 に 注 目 す る 。 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す る 方 策 と し て は 磁 束 集 中 IPM モータが多数報告 され て き た(1)(49)(50)。例 え ば ,文 献(1)では,3 つの 永久磁石から発 生する磁束 をギャッ プ に 集 中 す る こ と に よ り , 従 来 機 の 約 1.4 倍 の定格トルクお よび出力を 確認した 例 が 報 告 さ れ て い る 。 ま た , 文 献(49)では , 永久磁 石 を 放射 状に 配置 した ロー タ 構 造 に よ り , 出 力 密 度 を 向 上 し た 例 が 報 告 さ れ て い る 。 ま た , 文 献(50)では, 立 体 的 に 配 置 さ れ た 4 つ の 永 久 磁 石 か ら 発 生 す る 磁 束 を ギ ャ ッ プ に 集 中 す る 例 が 報 告 さ れ て い る 。 こ れ ら の 報 告 は , 各 々 永 久 磁 石 ト ル ク の 増 大 を 達 成 し て い る が , 永 久 磁 石 の 使 用 量 や 耐 遠 心 力 等 の 総 合 的 な 観 点 か ら , 提 案 構 造 の 優 位 性 が 述 べ ら れ て い な い 。 そ の た め , 様 々 な モ ー タ に 対 す る 様 々 な 提 案 構 造 の 適 用 性 を 述 べ る こ と が 望 ま し い 。 本 節 は , 磁 束 集 中 IPM モータの技術 開発にお いて得られた 3 種 類の磁束 集中 IPM モータのロータ構 造に関する 適用性を論 じる。サーボモータ 用に試作 した磁 束 集 中 IPM モータの,高トル ク化に対す る 課 題と方策を述べ る 。 3 . 2 . 2 永 久 磁 石 ト ル ク 増 大 の 利 点 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す る 理 由 を 明 確 に す る た め に ,リ ラ ク タ ン ス ト ル ク を 併 用 す る 利 点 を 確 認 し , 次 い で , 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す る 利 点 を 明 確 に し た い 。 文 献(51)では,ロータ 断面に V 字に配 置され た 永久磁石の狭 角とトルク 特性の関 係 に つ い て 報 告 さ れ て い る 。 文 献(52)では , 様々な 永久 磁石 配置 とト ルク 特性 の 関 係 に つ い て 報 告 さ れ て い る 。 こ れ ら は 限 ら れ た 永 久 磁 石 使 用 量 の も と で , リ ラ ク タ ン ス ト ル ク を 併 用 し , 高 ト ル ク 化 が 達 成 で き る こ と が 利 点 と し て 述 べ ら れ て い る 。 ま た , 文 献(12)には,IPM モータの特 性がベクトル制 御を交えよ く説明さ れ て い る 。 文 献 に は , リ ラ ク タ ン ス ト ル ク を 併 用 す る 利 点 と し て , 高 ト ル ク 化 の 他 に , 永 久 磁 石 コ ス ト の 低 減 や 広 範 囲 駆 動 化 に 有 利 な こ と が 述 べ ら れ て い る 。 し か し な が ら 筆 者 は ,こ れ ら の 利 点 に つ い て や や 異 な る 意 見 を 持 っ て い る 。モ ー タ の 高 ト ル ク 化 に は , リ ラ ク タ ン ス ト ル ク で は な く 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 さ せ る 方 が 良 い と 考 え る 。永 久 磁 石 の 量 を 2 倍に しても 2 倍 の出力を 達成すれば,コ ス ト の 増 大 に は な ら な い と 考 え る 。 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す る 利 点 を , 具 体 的 に 説 明 す る 。 図 3.2 は SPM モータ( A)とリラクタ ンスト ルクを併用し た IPM モータ(B) の ト ル ク 特 性 を 比 較 し た 図 で あ る 。同 じ 体 格 の SPM モータと IPM モータを比較 す る と 永 久 磁 石 ト ル ク (B’) にリラクタ ンス トルクを併用した IPM モータの最

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26 大 ト ル ク が 勝 る こ と を 示 し て い る 。 永 久 磁 石 使 用 量 を 制 限 さ れ た 比 較 で は こ の よ う な 結 果 に な り 易 い 。 永 久 磁 石 使 用 量 を 制 限 し な い 比 較 で は , 例 え ば 永 久 磁 石 使 用 量 を 2 倍 に し て 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す れ ば ,IPM モータを上回るこ とができ る と 考 え る 。 達 成 で き れ ば , リ ラ ク タ ン ス ト ル ク を 併 用 し な く て も , 高 ト ル ク 化 は な し 得 る こ と に な る 。 モ ー タ の 容 量 や ト ル ク を 2 倍 に す る に は 鉄 心 の 積 厚 を 2 倍 に す る こ と が 一 般 的 で あ る た め , モ ー タ の 単 位 出 力 当 た り の コ ス ト は , そ の ま ま の サ イ ズ で 2 倍のト ルクが得ら れれば, 2 倍の永久磁石を 使用しても コストの 増 大 は な く , 小 形 化 が 達 成 さ れ た こ と に な る 。 図 3.3 は SPM モータ( A)とリラクタ ンスト ルクを併用し た IPM モータ(B) の ,横 軸 を 回 転 速 度 と し た 最 大 出 力 特 性 を 比 較 し た 説 明 図 で あ る 。IPM モータの 永 久 磁 石 磁 束 量 は SPM モータに対し 7 割程 度であるが, 永 久磁石 トル クと同等 の リ ラ ク タ ン ス ト ル ク を 併 用 し て 約 1.4 倍の トルク定数を有 する特性で あること を 想 定 し て い る 。EV モータ のよう に電圧 飽 和領域に 及ぶ 広範囲 駆動で は,電 圧 飽 和 と な る 基 底 回 転 速 度( Nb)以 下 の 領 域 で は ト ル ク 定 数 の 大 き な IPM モータの 特 性 が 勝 る 。 逆 に , 高 速 に な れ ば 最 大 出 力 は 永 久 磁 石 磁 束 量 の 大 き な SPM モー タ が 勝 る よ う に な る 。 高 速 で の 最 大 出 力 は 永 久 磁 石 磁 束 量 の 大 き さ で 決 ま る こ と は 文 献(42)で報告した。ま た,SPM モータに 限らず,永久磁石ト ルクを増大 した 磁 束 集 中 IPM モータでも,高速での最 大出力 は 永久磁石磁束 量の大きさ で決ま り

(A)のような特性になる 。基底回転速 度 であ る 2000min-1か ら 22000min-1の 広 い 可 変 速 範 囲 に お け る 最 大 出 力 10kW の達 成 と,界磁の増大に伴 い出力が増 大す る こ と は 文 献(37)で報告 した 。 つ まり ,基 底 回転速 度以 上の 回転 速度 では 定出 力 特 性 に 対 し リ ラ ク タ ン ス ト ル ク は 無 効 と な り ,永 久 磁 石 ト ル ク の み が 有 効 と な る 。 結 局 ,永 久 磁 石 使 用 量 を 増 大 し 永 久 磁 石 ト ル ク を 増 大 す る こ と は ,高 ト ル ク 化 だ け で な く 「 コ ス ト / 出 力 」 の 増 加 な し に 小 形 化 が で き , 弱 め 磁 束 制 御 を 駆 使 す る こ と に よ り 広 い 可 変 速 範 囲 も 狭 ま る こ と は な い 。 3 . 2 . 3 ロ ー タ 構 造 の 選 定 磁 束 集 中 IPM モータのロータ構 造と 永久磁 石 配置について 検討する。 高トル ク 化 に 直 結 す る 指 標 と し て , ギ ャ ッ プ 磁 束 密 度 を 比 較 す る 。 永 久 磁 石 使 用 量 を 増 図 3.2 トルク 特性比較 図3.3 最大出力特性 比較 Nb

図 1.5  同期モ ータの V 曲線(野中 作太郎著 ,「電気機 器Ⅰ」 , p . 286,  森北出 版社)
Fig. 3.  Rotor condition at partial load Fig. 2.  Rotor condition at no load
Table 1.  Design target specification of prototype motor
図 5.9  無負荷 トルク
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参照

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