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能登半島地震前後の環境放射能の変動 (<特集>2007 年能登半島地震 その2)

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(1)

年能登半島地震 その2)

著者 小村 和久, 稲垣 美幸, 西川 方敏, 中西 孝, 早川

和一, 唐 寧, 楊 小陽, 飯田 孝夫, 森泉 純 著者別表示 Komura Kazuhisa, Inagaki Miyuki, Nishikawa

Katatoshi, Hayakawa Kazuichi, Tang Ning, Yang Xiaoyang, Iida Takao, Moriizumi Jyun

雑誌名 地球科学

巻 61

号 5

ページ 335‑342

発行年 2007‑09‑25

URL http://doi.org/10.24517/00063583

doi: 10.15080/agcjchikyukagaku.61.5_335

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止

(2)

能登半島地 震 前後

の

環 境放射能 の 変動

小村和 久

’

一 稲 垣 美幸

 

西 川 方 敏

*

一 中 西   孝

*

一 早 川 和 一

 “ *

・ 唐   寧

**

          ・ 楊   小 陽 * * ・ 飯 田 孝 夫 * * * ・ 森泉  純 ’ * ’ *

Variations

 

ofradiation

 

levels

 

before

 

and

 

after

 

the

 

Noto

 

Hanto

 

Earthquake

 

in

 

2007

                                                 

,

*

                          *

                                                                                      * *

KOMURA

 

Kazuhisa

,

】 rNAGAKI

 

Miyuki ’

, 

NISHIKAWA

 

Katatoshi

,                              

 

¥ *

                                                             

.

ネ  

                                                                                     

  NAKANISHI

 

Taka 喚 1

,

HAYAK 蟹 yA

 

Kazuichl

,

TANG

 

N 鵯 夢

,

    YANG

 

Xiaoyang

,

       IIDA

 

Takao

        and

 

MORIIZUMI

 

Jyun

Abstract Variations of radiation 

levels

 

before

 and after 

the

 Note Hanto Earthquake 

in

 

2007

 

have

 

been

 analyred  

from

the point ofview  ofenviro 皿 lental radioac 廿vit¥]the 2ioPb

 activities in the airbome  particles are collected 丘om  Nishi

−

Futamata血 岡 i 

,

訂e analyzed

.

 The Radon actiVity at Hegura lsland【ocated  5e km No血 of Wajima

,

 and  the

spa圃

g

  a ray8 at 

Nishi −

Futamata are measured  since Apri1 21

,

2007

.

Abnormal increase of 2ioPb  actiVity started

3 weeks  

before

 the ea 曲quake are found, suggesting the maximum  value  

just

 before the ea 曲 quake, because it

decrease

ω no  aUevel  a仕α

2weeks,

 increase of radon  

level

 was not observed  at Hegura lsla ld

,

 

however ,

 

increase

of radiation level at Nishi

−

Futamata area con 血 ued  for 6 weeks  after 血 e eadhquake

,

 and se廿led to nomlal  level血

middle  ofMay  2007

,

磯

7

陶 5 :the Noto Hanto Earthquake in 2007

,

 radiation  level

,

2LoPb

,

 monitoring

,

 

gamma

 ray

,

 carbome  measurement

,

      radon

,

 airborne  particle

,

 radionuclide

,

 radioactivity

は じめ に

  地 震に関 連した放 射 能 異 常につ い ては古 くから研 究が行 な われて お り

,

井 戸水や 大気中の ラドン (22コRn 半 減 期

3, 825

日の放射性気体 )の濃度 が 地 震の際に異常 な増加を示 したこ

とを論 じたものが 多い (岡部 1990

,

Radon and  Thoron in the 

Human

 Environrnent l 

997

)

,

最近の もの と し て

1995

年

1

月の兵 庫県南 部 地震 (阪神

・

淡路 大 震 災)の約

5

ヶ月 前 か ら

の空 間 放射線レベ ルの増 加を明ら か に し た研 究 (

Yasuoka

and 

Shinogi

 

1997

)が注 目されてい る

.

筆者は辰口町 (現能 美 市)和 気 地 内にある金沢 大 学低 レベル放 射 能実 験 施 設 (Low Level Radioactivity Laboratory:LLRL )で観測 してい たラド ン濃 度 が

,43km

の至 近 距 離で

1996

年

9

月

10

日 に発 生 した

マ グニ チュ

ー

ド3

.

2の地 震の約 10 日前か ら異 常に増 加し

,

地 震

2

日後に は通 常値に戻っ たこと を観 測し ている (Komura

etal

. 1998

)

.

 本報告で は環境 放射 能の観点か ら

2007

年

3

月

25

日に発生 した 「平 成

19

年 能 登 半 島 地 震 」前 後の変 動の存 否につ い て

,

大 気 浮 遊 塵T ラ ドンお よ び 空間ン線の観 測 結 果につ い て解 析 し た結果を紹介する

.

  大 気 浮 遊 塵の放 射 能測 定 を従 来 よ り

1

桁 高い時 間分解 能で

測 定 し

,

環 境 変 動 観 測の指 標に利 用 しようとする研 究は

. 2002

年 度採択の金沢大学

21

世紀 COE プロ グ ラム 「環日本 海 域の環 境 計 測と短 期

・

長 期 変 動 予 測 」の

一

環として 2003 年か ら実施し てい る

.

本報告は

,

震 源に近い輪 島市西二又で 地 震 発 生 前 後の約

1

ヶ月 間に採取した 大気 浮遊 塵 試 料の放 射 能 測 定により

,

222Rn の壌 変で生成 する半 減 期22

.

3 年の放 射 性核

ldi

 2i°Pbの濃度と 地震との相関につ い て解析 するこ とを 目的 と した もの で

,

同 時期に辰口及 び鶴 来 町 (現 白 山市 )の

獅 子 吼高原で採取し た大気浮 遊塵試料との比較に より

,

地震 との関 連 を明 らかにする ことを試みた

,

大気 中の ラドン観 測 も大 気 浮 遊 塵と同 じ くCOE プログラム の

一

環で あ り

,

辰口

,

獅子 吼高原

,

輪 島沖

50km

に位 置する舳倉 島の

3

地点で

2003

年に同 時 観 測 を開 始 した が

,

人手 不足のた めに継 続 してい る のは舳倉島で の名古屋 大学との共 同観測定のみである

.

ラ ド

ンにつ い て は

,2007

年

1

月か ら

4

月 分の測 定 結 果につ い て 地 震 との関連 を検 討 した

.

その他

,

地震 発 生約

1

ヶ月 後の

4

月

21

日か ら輪 島市西二又で実施し てい る空間ン線の連続観 測 及 び

,

能 登 半 島の で の 「カ

ー

ボ

ー

ン測 定 」につ い ても紹 介

する

.

 2007年

6

月

8

日受付

.

2007年

6

月11日受理

.

*金沢大学環日本海域環境研究センタ

ー

 〒920

−

1192

* *金 沢 大 学 大 学 院自然 科 学研 究 科

***名古屋大学大学院工学研究科

石川県金沢市角 間町

(3)

336

小村和久他

観 測対 象 検  出 器 測定 試料 試料採 取ま たは観 測地点 試料採 取方法 等

2唯゜Pb

,

7Be 尾小屋地下測 定施 大気浮 遊 塵 輪 島市 西二又町 旧西二又小 ハ イボリュ

ー

ム サ ンプラ

ー

を用

設の極 低バッ クグ 学校 定点観測拠 点 い

、

毎分700

−

900Lの空気を シ リ カ

ラ ウ ン ド

Ge

半 導体 ファイバ

ー

フィ ル タ

ー

で ろ過

検 出器 能 美 市 和

気

町 金 沢 大

LLRL

屋上

白山 市 獅 子 吼 高 原 (海抜

640m

)

222Rn 静 電捕集 型 ラド ン 空 気 舳 倉島診 療 所 屋 上 五酸化リンで除湿 した空気を

カ ウンタ

1L

/min の流速で容量17L の チェ ン

バ

ー

に通す

空間 γ線

7. 6cm

φx 

7. 6

 cm 周 辺 環 境 輪島市 西二 又町 旧西二又小発 砲スチロ

ー

ル箱 に 入 れ 観 測 拠 点

Nal

(

T

【)γ線検 出器 学校 定点観 測拠点 のベ ラ ンダ上で

30

分 間隔で測 定 輪 島

一

門 前

一

穴 水を経て辰 自動 車に搭 載し

10

秒 間隔で道 路沿

口まで の道 路 上 い に測 定 第1表  能登半島地震発生前後の環境放射能

・

放射線関連の観測項目 と測定手法

測

定地点 ,

測

定項

目及

び測定 法

 能登半 島地震発生前後の環境放射能の変動に関する測定項 目と測 定 法 を第

1

表に

,

調 査 およ びサンプリング地 点 を第 1 図 に示 す

.

      大 気 浮 遊 塵の放 射 能 測 定

 大気 浮遊 塵 試料は

,

ハ イ ボ リュ

ー

ムサンプラ

ー

(SIBATA HV

−

F1000)を用いて シリカ ファ イバ

ー

ろ紙 (ADVANTEC

・

QR −100

:

254mm

 x 

203mm

)に流 量

700− 900L

!min で空 気 を通 すことに より採取した

.

今回測定したのは

,

第

1

図に示す輪 島 市の旧西二 又小 学 校に設 置 してある元 「国 設輪 島酸 性 雨 観 測 地点」 (

2002

年度に自然計 測応用研究センタ

ー

に移管

,

現 在は環日本海域環境 研 究センタ

ー

が 管 理)で

PHA

測定用に

1

週 間 問 隔で採 取 したもの である

.

採取 した試 料の

1t20

を 用いて γ線 測 定を行っ た

.

比較 試料と し て金沢大学 LLRL 屋 上及び海 抜640m の獅 子 吼高原で採 取 した大 気 浮 遊 塵 試 料の

213

を用いて測定した

,

これ らの試料は尾 小 屋地下 測定施設

の極 低バ ック グ ラ ウン ドGe 検 出器 を用いて半日か ら

2

日間 ずつ 測定を行っ た

.

      ラドン観 測

 ラドン観測は輪 島市の北方

50km

に位置 する舳倉 島の舳倉 島診療 所の屋上 に 設置し た静電捕 集 型ラ ドンカ ウンタ

ー

に よ

り

,

1時 間 間 隔で行っ た

.

前 述の ように本 研 究は名 古 屋 大 学 との共 同で実 施 してい るもので

,2007

年

1

月か ら

4

月の観 測デ

ー

タ につ い て解析 した

.

第1図 サ ン プ リ ン グ及び観測地点

(

4

)

(4)

1 . 4 _

1 . 2 _

   

01

σ

B

α

6

』

螽

靼

芸 療

Φ 凶

」

\

差

゜

FN0

. 4 _

0 . 2 _

0 _

・ 150 ・ 100 ・ 50

     

02007

. 3 . 25

地 震発 生 日 を起 点 とす る 日 数

50 日

   第2図 大 気 浮 遊 塵の測 定で得 た 能 登 半 島 地 震 前 後の大 気 中の2L°Pb!7Be 放 射 能 比の変 動       左上図 :1996年9月10日発生の地 震の際の ラドン異 常 (Komura et al

.

1998)

右上図:2007能登半島地震の本震及び余震の時系列 (横軸は 下 と

一

致) (気象庁公表デ

ー

タより作 成 )

         空 間y線の連 続 観 測

 空間γ線の連続観測は

,

輪 島市西二又の観測施設の床 (地 上 約

2m

)に

7. 6cmq

 x 

7. 6cm

のNaI (TI)シンチレ

ー

ショ ン

カウンタ

ー

設 置 して行

っ た

, Nal

(

Tl

)検 出 器 は 温 度 に よ る ゲ イン (増 幅率)変動が起る の で

,

発泡ス チロ

ー

ル箱に温度

コ ン トロ

ー

ル用の ヒ

ー

タ

ー

と

一

緒 入 れて定 温で測 定 出 来 る よ うに配慮し た

,

検出器か らの γ線 信 号 (カウン ト数)は

,

30 分 間 隔でマ ル チ ス ケ

ー

ラ

ー

モ

ー

ド設 定の波 高 分 析 器

(Canberra 

Series

 

35

)で記 録 した

,

記 録 され るのは周 辺の土 壌

・

岩石中のウラ ン

,

ト リ ウム

,

カ リ ウム等の天然放射能及び大 気 中の ラドンに由 来するy線であ り

,

地震の影 響 を見る に は

,

計数の起源とな る岩 石

・

土壌 由来の γ線 (本研 究 で はバ ック

グ ラ ウン ド計数を与える)の影響が少ない条件で測定する こ

とが 望 ま しい

.

幸い

,

この地域の岩 石 土 壌 中の ウ ラン

,

トリ

ウム

,

カ リ ウム濃度は 比較 的低い こと に加え

,

観 測 施 設の外 壁 材の遮 蔽効 果でバ ック グ ラ ウン ドγ線計数は低く

,

大気 中

放 射 線レベ ル のわず か な 変 動 を鋭 敏 に測 定 するには好都 合で あっ た

.

      空 間

y

線レ ベ ルの カ

ー

ボ

ー

ン測 定

 測 定車に放射線検出器を搭載し

,

道沿いに放射線レベ ルを 連続 測 定 す るい わ ゆ る 「カ

ー

ボ

ー

ン測 定 」(Carbome は「車(カ

ー

)」と 「乗せ る」を意 味するbearの過去分 詞borneボ

ー

ン

からな る合成語)は短 時間で広い範囲の放射線レベ ルを把握 す る有効 な方 法である

.

現 地 調査に行 く際に

,

測定草後方座 席に7

. 6cmQ

 x 7

、 6cm

の井戸 型NaI (Tl)検出 器 をセ ッ ト し

てカ

ー

ボ

ー

ン測 定 を行っ た

.

西二又で の空 間γ線の定 点 測 定 と同様 にマルチスケ

ー

ラ

ー

モ

ー

ドで

10

秒間 隔で カウン ト数 を波高分析器に記録した

,

         気象デ

ー

タ 取得

空 間ン線レベ ルは降雨の影 響 を鋭 敏に反 映するた め

,

測 定

(5)

338

小村和久他 30

        20 風速

(m !s)  10 0NESW

 

向  

風

10

8

ラ ドン濃 度 6

(

Bq

!m3 ) 4 2

02007

. 3 . 1 5 10 15 20 25

第3図 舳倉 島における2007年3月の ラ ドン濃度 と気象条件 (気象デ

ー

タは第九管区海上保安本部提供)

30

日

10 一 1

時間当た り の

  

降雨量

    5 −

  (mm )

       

0 _

(x104 )  

40 一

30

分 間当り の

γ線力 ウン ト数

35

 

一 一 30 一 25 一 20 一

5

余震の規 模(

M

)

            

4

 と発生時 刻

3

雨 量

 

通常の空間γ線レ ベ ル

     

丶       丶  

則

丶  欠

、 、

, 丶  

丶  

丶

空

間

γ

線

レベ ル

( 艘対置)

余

震 規 模 と発 生 時

2007 . 4. 21

  

25 5 . 1 5 10 15 20

第4図 西二又 に お ける空 間y線レベル の変動と降雨 (上図)および余震 (下図)

    網かけ部分は地 震に関 連したラドンの放 出に よ る線 量 増 加 と考 えら れ る

25 30

  日

(

6

)

(6)

地点の気象状況 中でも降雨 デ

ー

タを考慮した解析が 必 要で

ある

.

西二又 地 区にお ける気象状 況 は

,

気象庁 公開の輪 島に お ける気象デ

ー

タを解析に用いた

.

舳倉 島の気 象 は第 九管区 海上保 安 本 部か ら提 供いただいた デ

ー

タを解析に 用い た

.

測 定 結果

      地震 前 後の大 気 中の2且゜

Pb

の変 動

 

大 気 中の 21°Pb の放 射 能レベ ルはきわ めて低 く

,

 Zl°Pbの濃 度を支配し ているのは近傍のラドン濃 度よりも遠方か ら輸送 さ れ た 大 気であ り

,一

般には

,

2T°

Pb

の濃 度 とラ ドン濃 度 と

の相関は小さい ことが知られて いる

,

しか し

,

多量の ラドン が大 気 中に放 出さ れ た場 合に は

,

21°Pb濃 度の局 地的な増 加

が 起こ り得 るので

,

地 震 由来の ラドン の放 出が 観 測でき る可 能性がある

.

本研 究で は!1°Pb 濃度その もの よりも

,

21°Pb〆7Be

放 射 能 比で他 地域 と比 較 すること と した が

,

これ は大 気 中の

窒 素 や 酸 素 等との核 反応に より大 気上空で生 成 する宇 宙 線生

成核種7Be が地震活動と関係し ない の で

,

地 震に伴 う222Rn

の異 常 な放 出 を鋭 敏 と らえ ること が 可 能 と考え た か らであ

る

.

  輪 島市 西二又 地 区で採 取し た大気 浮遊 塵 試 料とLLRL お よ び獅 子 吼 高 原で採 取 した 試 料の 2i°

Pb17Be

放 射 能 比 を第

2

図 に示し た

.

縦軸に2TOPbt7Be 放射能比を

,

横軸に は 地震発生

の

3

月

25

日か ら数 え た 日数 を 取っ た

.

図 か ら明 らか な よう

に

,

西二又で採 取し た大 気 浮 遊 塵の 2L°Pb17Be 比の変 動は

,

辰口 お よび獅子吼高原 とは明ら か に異なり

,

地震発生の約

3

週 間前 か ら異 常 に増 加 し

,

多 量の ラドンが大 気 中 に放 出 され

ていた こと を示唆して いる

.

2i°Pb17Be比 は 地震派生の直前の

3

月

16

日か ら

23

日 に かけて採 取した 大気 浮 遊塵 試 料で極 大 値 を示 し

,

その直後 か ら低 下 に転 じ

,

約

2

週 間後には通 常の

レベ ル に戻っ たことが分か る

.

こ の事実は 地震発生の約

3

週 間 も前 か ら地 震の前 兆現 象として多量の ラドンが 大 気 中 に放 出さ れ た こ と を示唆して いる

.

図右上 に本震 及び余震の発生 状 況 を示 した が

,

地 震後

2

週間観測さ れた高い 2i°Pb1’Be比は

,

地 震 後の ラドン放 出 と考 え ることも出 来 るが

,

余震の 「前 兆 」 現象を示し ている こと も考え られ る

.

この ようなラ ドン放出

の経 過は

,

図左 上に示 した 1996年に至 近 距 離で発 生 した 地 震の際 に観測 された ラ ドン の変 動パ タ

ー

ンと極 めて近い こ と

が分か る

,

  小 村 が

2

回経 験 したラドン異 常と地 震 との相 関 は

,

ラ ドン 濃度の異常な増 加が 地震の前兆 現 象と して起っ てい る と考え

てよい ことを示 してい る

.

ラドン の観測網が高い密度で設置 さ れ れば

,

ラ ドン の異 常 放 出 を地震の前兆 現 象として的 確 に 検 知できる可 能性が高い と考え られる

.

片瀬は

,

過 去の地 震

デ

ー

タ を整理 して ラドン の異 常 放 出等の前 兆 現 象の発 現 期 間

と地 震 規模に は相 関 が あ り

,

地 震 規模が大 きい程

,

前 兆 現 象 の発現時 期 が早い こ と を示し た (Katase and Matumoto l997 )

,

マ グニ チュ

ー

ド

7. 2

の神戸 地震で約

5

ヶ月前

,

筆者 が経 験し た

1996

年のマ グニチュ

ー

ド

3, 2

の地震は

10

日

,

今

第5図 能登 半 島に おける空 間y線レベ ル のカ

ー

ボ

ー

ン測 定 (太 線

は通過経路)

回のマグニチュ

ー

ド

6, 9

の能登 半島地 震の

3

週 間は矛盾しな

い

,

今 回 は

,

地震の原 因 となっ た断 層 帯のす ぐ近 くで採取し

た大気浮 遊塵試料の 2]°Pbを測定すること に よっ て

,

間接 的 で はある が地 震の前 兆現象と し て ラ ドンの大量 放 出 をと らえ

るこ とが 出来 た ものであ る

.

ラドン濃 度の リ アル タイム監 視 システ ム があれ ば

,

地震発生のかな り前に ラ ド ン の異常 放 出 を前 兆 現象と して検 知 出 来る に違いない

.

しか し

,

これ は地

震 発生地 点

,

発生時お よ び規 模の 3要 素を的確に捉 える地 震 の予知で は ない

.

ラ ドン異常が発生する メ カニズム の解明が 必 要であ り

,

更 なる観 測 と と もに

,

今 後の研 究の方 向 性 を示 す もの と して意義があるもの と確信する

.

        舳 倉 島にお け る大 気 中ラドン濃 度の変 動  

2007

年

1

月から

4

月まで舳倉

r

島で観測し た ラ ドン濃 度の 測 定 結 果 を気 象 状 況 を考 慮 して検 討 した

,

第

3

図 に

2007

年

3

月 分の ラ ドンと風 向風速 を プロ ッ ト し た

.

大 気 浮 遊 塵の測 定から示唆さ れた地震発生

3

週 間前から地震発生後ユ週 間に 注 目 してもラドン濃 度の変 化 と地 震 との明 瞭 な相 関 は見 られ ない

.

図に はラ ドン濃度の増加時期とその際の風向が分か る

ように網 か け を してある

,3

月

5

日か ら

6

日 にか けて の増 加 及び

3

月

24

日の短 時 間の鋭い増 加 に 地震との相 関 を 考 え た 場合

,3

月

5 〜6

日 は北 西の風であ り輪 島

・

門前 方向か ら風

が な かっ たの で

,

ラドン の増 加 は朝 鮮 半 島で数 日前に発 生 し たラ ドンが到達 し た もの と推 察さ れ る

.一

方

,3

月

24

日の

(7)

340

小村和久他

; iii : 轗驪 鰯 羇驟 1

1000 −

     

0

       

100

       

200 5000

4000

3000

2000 1000

5000 4000

3000

2000

300

       

400

       

500

500

1000

    1000

600 700 800 900

1100 1200 1300 1400

1000

第6図 カ

ー

ボ

ー

ン測定による輪島か ら能美まで の空間

γ線の測定結 果       網 か け領域 が 能 登 半 島部 分

増加は最も高い 2iOPb17Be 比が観測さ れ た期 間にあたり

,

輪 島か ら舳 倉島に向かう南 風 が 吹いていたので

,

地 震に関連 し

た増 加の可 能性 は否 定 出来 ない

. 50km

もの距 離 が あ り

,

そ の間の希釈に よりラ ドン濃度の明瞭な増加が観測出来なかっ たかも知 れ ない

,

舳 倉 島がもっ と近 くに位 置し て お ればラド

ンの異 常な増 加が観 測さ れ た 可能性がある

.

     輪 島 市 西二又に おける空 間

Y

線の変 動

 

2007

年

4

月

21

日 から

5

月

30

日 にかけて旧西二又地区で 観 測 した空間 y 線レベル の測 定 結 果 を第

4

図に示す

,

こ こ で

の空 間γ線の変 動は

,

原 子力発 電 所 周 辺 監視で見 慣 れてい る ものとよりも複雑なこ とが分かっ た

,

図に見られる空間γ線

の ピ

ー

ク と降 雨の時 間との

一

致 か ら

,

こ の増加は降雨に よる

変動で説 明 する こ と が 出来る

,

し か し

,

ニ タ リング で は

,

降 雨による空間γ線の増 加(あるいは積 雪時の遮蔽による低 下)

を除 くと空 間γ線レベルは

一

定値で変 動 が 見 られ ないが

,

西

二又のおける空間γ線は大 きくうねる ような変動幅

30

% に も及ぶ奇 妙 な変動が 観 測 さ れた

.

当 初は

4

月22

−

26 日及び4 月

27−30

日の

3−4

日の比較 的 長い周期を持つ変 動

,4

月

30

日

(

8

)

か ら

5

月

2

日にか けて及び

5

月

7

日の急 激 な低下が

,

何 を示 し てい る か不 明であっ た が

,5

月

30

日 に 回収し た

5

月

16

日 以降のデ

ー

タ及び図に示す観測 期 間 中の余 震 発 生 時期と比 較

する こ とによっ て奇妙な 変動 がラドン放 出に伴 う空間y 線の 変動で説明出来るこ とが分かっ た

,

残念 な が ら

,5

月

12−16

日の期 間 は計 器の セ ッティ ングミ ス でデ

ー

タ の取 得に失 敗 し

たので

,

異常値か ら 正常値に戻る過程を観測出来たなかっ た が

,

こ の間に正 常 値に戻っ た と推 定できの で

,

本 震 発 生 後

6 −7

週 間 もの長 期に わ たり地 震に関連 するラドン の放 出が続

い てい たものと考えら れ る

.

こ の期間に 西二又 で採取し た大 気 浮 浮 遊 塵 試 料の 210Pb はまだ測 定 して い ないが

,

これ を測 定 す れば裏付けら れ るもの と考えら れ る

.

  第

2

図左 上の プロ ッ トデ

ー

タ から分か る ように

1996

年の

小 規 模 地 震の場 合には2 日後に平 常 値に戻っ てお り

,

6

−

7週

間とい う長期間の ラドン濃度異常は

,

地震後の放出とい うよ りも余 震の前 兆 現象と考 えること もできる

.

空 間ン線レベル

の推 移を見る と とも に 西二又で採取し た未測定の大気浮遊 塵の放射能 を測定すること が 必要である

,

参照

関連したドキュメント

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[r]

7 0 x 1018Nm 、25.8MPaとなった。アスペリティの位置は、堀川 (2007)

まとめ

[r]

In this research, an earthquake motion is estimated by using the earthquake record and microtremors observation of the ground to presure an earthquake motion in the area of

地震発生から約 2 ヵ月後の 2007 年 5 月から 8 月にかけて「能登半島地震における要援護 者対応