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公共地下施設の維持管理システム構築に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)

図 1 公共地下施設の維持管理システムの概念図

図2 電子リスクマップ例

守口共同溝

大日共同溝

城東共同溝 梅田共同溝

福島共同溝 淀川共同溝

【地盤・地震リスク】

・既往の想定地震動(直下型地震,海溝型地震)

・共同溝周辺の液状化危険度(程度,影響内容)

・断層変位の可能性を有する共同溝位置

【劣化リスク】

・点検情報(損傷地点・ランク)

・劣化リスク(注視を要する箇所)

電子マップに 編集

①液状化

②断層変位

【解説】

○○○地震により液状化の可能性あり。

(御堂筋共同溝)

守口共同溝

大日共同溝

城東共同溝 梅田共同溝

福島共同溝 淀川共同溝

【地盤・地震リスク】

・既往の想定地震動(直下型地震,海溝型地震)

・共同溝周辺の液状化危険度(程度,影響内容)

・断層変位の可能性を有する共同溝位置

【劣化リスク】

・点検情報(損傷地点・ランク)

・劣化リスク(注視を要する箇所)

電子マップに 編集

①液状化

②断層変位

【解説】

○○○地震により液状化の可能性あり。

守口共同溝

大日共同溝

城東共同溝 梅田共同溝

福島共同溝 淀川共同溝

【地盤・地震リスク】

・既往の想定地震動(直下型地震,海溝型地震)

・共同溝周辺の液状化危険度(程度,影響内容)

・断層変位の可能性を有する共同溝位置

【劣化リスク】

・点検情報(損傷地点・ランク)

・劣化リスク(注視を要する箇所)

電子マップに 編集

①液状化

②断層変位

【解説】

○○○地震により液状化の可能性あり。

(御堂筋共同溝)

①公共地下施設の空間的情報管理技術(施設・点検・地盤情報の重ね合わせとシステム化)

②公共地下施設の効率的・効果的な維持管理技術(現況の要因分析,健全度評価)

③公共地下施設の安全性確保のためのリスク評価技術(地震対応等)

【公共地下施設の維持管理に向けた提言】

リスク・マネジメント,アセット・マネジメント 施設老朽化

地盤条件 地下水条件

不具合内容

地震・断層 施設構造(ひび割れ・

漏水・予防措置 等) 健全度

予防措置 危険度

対応策 優先順位 要因

公共地下施設の維持管理システム構築に関する研究

国土交通省 近畿地方整備局 野中砂男 京都大学 正会員 小山幸則 大阪工業大学 正会員 井上 晋

近畿建設協会 林 正一

地域 地盤 環境 研究所 正会員 山本浩司,○譽田孝宏

1.はじめに 公共地下施設は,人々の生活を維持するための重要なライフラインの一つである.近年,都市 機能が高度化する中で,公共地下施設が果たす役割は益々大きくなっている.その機能を健全に保つためには,

①施設の劣化リスクへの対処と,②地盤・地震災害リスクへの対処が挙げられる.本研究は,これらの課題に 対して,種々の公共施設(電気,通信,上下水道,ガス 他)を集約している共同溝を対象として,施設情報や 点検情報および地盤情報から現在の損傷状況と地震災害による潜在的な危険要因を抽出し,維持管理用の基礎 情報を集約する.これにより,最適な維持管理に向けた提言と,維持管理システムの構築を目指すものである.

2.研究内容 研究活動は,平成20年度~

24年度の5年間を予定しており,2年間の研 究を完了した.

「施設の劣化リスクに関する検討」では,損 傷進展の経年変化の把握,補修や補強を必要 とする損傷箇所や重点的に調査を実施すべ き箇所のリストアップを中心に実施してい る.また,「地盤・地震災害リスクに関する検 討」では,共同溝周辺の地盤環境の検討,液 状化危険度の評価,共同溝区間の断層変形位 置の抽出に取り組んでいる.

公共地下施設の維持管理システムの概念 図を図 1に示すが,本研究の最終目標は,公 共地下施設の維持管理に向けた提言により,

公共地下施設の保生・再生に向けた維持管理 の最適化へ寄与することにある.具体的には,

種々の情報を盛り込んだ電子リスクマップ (図 2参照)の作成や,詳細点検技術を含む躯 体点検マニュアルの見直しを計画している.

3.研究成果の一例 リスク・マネージメン トやアセット・マネージメントを活用した最 適な公共地下施設の維持管理を目指す上で,

対象構造物の健全度に関する現況と経年変 化が基礎情報となる.これまでの2年間は,

GIS・DB 技術を駆使して諸条件を集約することにより,現状の概観につとめた.ここでは,その一例として,

大阪市内中央に施設されている梅田共同溝について,施設・点検情報と地盤情報を重ね合わせた結果を示す.

キーワード 共同溝,施設劣化リスク,地盤環境・地震災害リスク,維持管理,施設地盤情報空間システム 連絡先 550-0012 大阪府大阪市西区立売堀4-3-2 (財)地域 地盤 環境 研究所 TEL 06-6539-2972

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑125‑

Ⅲ‑063

(2)

:円形トンネル区間の漏水(流水)箇所

:BOX構造区間のひび割れ幅0.6mm以上の箇所  

東天満立坑

 

  大阪天満宮

駅舎東立坑 大阪天満宮

駅舎西立坑 梅田分岐立坑

E1WT E2

梅新立坑

東天満東シールド 大阪天満宮駅舎 東天満西シールド

梅田シールド

東野田立坑 E1

E2

WT φ6800mm

標高 OP(m)

E :電気とう道 T :通信とう道

W :上水とう道 図3 梅田共同溝沿いの土質縦断図および施設位置図

図4 梅田共同溝における H18年度躯体点検結果例 上町断層変形部

旧河川(堀)

東天満東シ-ルド 東天満西

大阪天満宮駅 シ-ルド 梅田シ-ルド

梅新立坑 梅田分岐立坑

大阪天満宮 駅舎西立坑

大阪天満宮 駅舎東立坑

東天満 立坑

東野田 立坑 大川

梅田共同溝は,平成12年構築の延長約2.4kmの共同溝であり,3本の円形トンネル構造(シールド工法で施 工,土被り厚10~30m)とJR東西線大阪天満宮駅舎部内に属するBOX構造(開削工法で施工)で構成している.

図3に本共同溝沿いの土質縦断図および施設位置を示す.本共同溝は,上町台地北端の沖積平野に属してお り,大川以東では主として沖積粘性土層(東大阪特有の鋭敏粘土層)に,大川以西では主として砂・礫層(天満砂 堆)に円形トンネルが位置している.さらに大きな特徴として,駅舎部直下に上町断層変形部が存在している ことと,駅舎西部に旧河川(現在は地下河川となって埋め戻されている)が位置することが挙げられる.

図4に躯体点検結果の一例を示す.円形トンネル区間は,全体的に損傷箇所が少なく,二次覆工に乾燥収縮 によると思われるひび割れ(最大ひび割れ幅1mm程度)がある程度である.また,構造的に弱部となる立坑部 との接合部を中心に遊離石灰や錆汁を有する漏水が発生していることが特徴的である.一方,駅舎部に属して いる BOX 構造区間には,施工時の乾燥収縮が原因と考えられる横断方向のひび割れ(最大ひび割れ幅 3mm) が数多く発生している.これらは,外側の防水効果が発揮されて漏水を伴わないひび割れがほとんどであるが,

一部,側壁から遊離石灰や錆汁を有する漏水が発生している箇所もある.また,深い立坑部(特殊部)は,1~

2mm程度のひび割れ,構造変化部,各施設の引込部およびシ-ルド接続部を中心に漏水が点在している.

平成14~18年度の点検情報から劇的な損傷進展は見られないが,経年的な漏水量の増減によりコンクリー

ト部の中性化や鉄筋腐食が徐々に進行していると推測されるため,適切な時期に共同溝の保生・再生に向けた 補修や補強が必要となる.また,地震発生時において弱部になる可能性が高い上町断層変形部や旧河川位置が 既存文献調査結果1)~3)より判定できたことから,この点についても補修の優先順位付けに反映できる.

4.おわりに 2年間の研究により,施設情報と点検情報(経年変化)および地盤情報を重ね合わせて一元的に 眺めることによって現況を把握し,課題を抽出することができた.各共同溝の膨大な施設・点検情報を収集で きたので,今後,これらを利用して不具合発生メカニズムや災害危険要因の分析などをおこない,電子リスク マップの作成や詳細点検技術を含む躯体点検マニュアルの見直しを計画している.なお,地盤情報については,

関西圏地盤情報データベース(KG-NET・関西圏地盤情報協議会)を利用させていただいた.

参考文献 1)畔取良典,長瀧元紀,泉谷透,北田奈緒子:鉄道シ-ルドトンネルに対する断層変位対策の一事 例,土木学会第61回年次学術講演会,3-096,pp.187-188,2006.2)西田允俊,大西誠:片福連絡線南森町工 区における地下水対策,地下水地盤環境に関するシンポジウム,pp.19-34,1993.3)近畿名勝遊覧最新大阪市 街地図實測,林金礼堂,1920.

② ①

① ②

ひび割れ幅 :3.0mm ひび割れ延長:3.4m

シ-ルド接続部 錆汁含む漏水流れる

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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