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実測応力をもとにしたラジアルゲートの構造計算モデル

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Academic year: 2022

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(1)

実測応力をもとにしたラジアルゲートの構造計算モデル

○(財)電力中央研究所 正会員 塩竈 裕三

1.はじめに

ラジアルゲートは,ダムに設置される洪水吐ゲー トの主要な構造形式である.その構造の一例を写真1 に示す.写真1は,本研究で対象としたラジアルゲ ートを下流側より見たものである.

主要な耐荷力部材である上段・下段の主桁および 脚柱に,縦補助桁やスキンプレート,扉体背面トラ スなどが接合され,全体で3次元構造をなしている.

主桁,脚柱の断面形状は,上段,あるいは下段の 主桁-脚柱で構成される平面内が強軸まわりとなる I型断面である.

脚柱は,上流側から下流側へウェブ幅が漸縮して いる.なお,フランジ幅は一様である.

主桁の上流側には,縦補助桁を介して止水面とな るスキンプレートが接合されている.さらに,鉛直 面内の剛性を高めるため,扉体背面トラスが設けら れている.

設計計算,維持管理時の健全性評価における構造 計算では,一般に,図1に示すように,主桁,脚柱 で構成される上段そして下段の平面構造を取り出し,

張り出し部を有するラーメン構造として扱う1). 部材の断面力の計算においては,1)主桁とその上 流側にある,縦補助桁,スキンプレートの協働効果,

2)変断面脚柱の等価剛性の設定方法,3)支持条件の影

響が無視できない.

そこで,本研究ではラーメン構造計算に用いる支 持条件と部材間の剛比について,応力の実測結果を 元に設定することとした.

2.応力測定

本研究で対象としたゲートにおける応力測定断面 を図2に示す.左右岸の上下4本の脚柱について,

主桁側および支点側の各2断面で応力測定を実施し た.

応力測定断面内における応力測定位置を図3に示 す.図は,上段脚柱の断面であり,下段脚柱では上 下が反転したものとなる.

上段脚柱

下段脚柱 上段主桁

下段主桁 スキンプレート

縦補助桁

扉体背面トラス

写真1 ラジアルゲートの構造

スキンプレート 水圧荷重

主桁

右岸側脚柱 左岸側脚柱

支点 支点

縦補助桁

上流側

下流側

左岸側 右岸側 ラーメン構造計算の

部材軸

図1 ラジアルゲートの平面構造

キーワード 維持管理,ラーメン構造,健全性評価,支持条件,剛比

連絡先 〒270-1194千葉県我孫子市我孫子1646 (財)電力中央研究所 地球工学研究所 構造工学領域 Tel:070-6568-9672,Fax:04-7183-2962,E-mail:[email protected]

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑1061‑

Ⅰ‑531

(2)

対象ゲートの脚柱は平板のウェブに等辺山型鋼の フランジをリベットで接合したI型の断面をしてい る.

ウェブの上面には補強板が溶接で接合されており

(上段脚柱のみ),また脚柱間連結トラスをつなぐた めの平板がフランジの山形鋼にリベットで接合され ている.応力測定は,この断面の4隅で行った.

応力測定時の荷重条件は静水圧荷重とし,図4に 示すように,ゲートへの作用水深を0mmから

5,000mmへ増加させる過程で測定を行った.

3.構造解析モデルへの反映

応力測定結果を,測定断面ごとに軸力成分,平面 内曲げ成分(図2の面内),鉛直面内曲げ成分(図4 の面内)に分解した.このうち,水平面内曲げ応力 成分を活用し,ラーメン構造計算モデルに反映する 下記の条件を設定した.

(1)支持条件

図2のように,支点側の応力測定断面における曲 げモーメントは,支持条件により方向が反転する.

実測された主桁側,支点側の応力測定断面での曲げ モーメントは,ともに方向が同じであり,支点側で その大きさが小さくなる傾向にあった.

このため,対象ゲートにおいては,支持条件はピ ン支持が適切と判断した.

(2)主桁の脚柱に対する剛比

作用水深5,000mmにおいて,主桁の脚柱に対する 剛比を変化させながら,上記ピン支持条件のもとで 主桁側の応力測定断面での曲げモーメントを計算し,

これを実測で得た曲げモーメントと比較した.

結果,上段,下段における主桁の脚柱に対する剛 比をそれぞれ1.75,2.41と推定した.

対象ゲートの設計時の構造計算では,上段,下段 でそれぞれ2.02,1.27が剛比として用いられている.

本研究で推定した値はこれらと若干異なっており,

補強部材や,補助部材との協働効果が影響を与えた ものと考える.

4.まとめ

実測応力をもとに,主桁-脚柱のラーメン構造計 算に用いる支持条件と部材間の剛比を推定した.本 研究で用いた方法により,既設ラジアルゲートの健 全性評価において,より実態に即した評価が可能に なると考える.

参考文献

1) 水門鉄管協会:水門扉設計参考例,水門鉄管協会,

1986.

10,908mm

6,515mm 1,000mm

応力測定断面

4,057mm ピン合の曲げモメント分布

固定支持の場曲げモーメント分布

図2 脚柱の応力測定断面

ゲージ貼り付け位置 ピア側 流路側 リベット位置

図3 脚柱断面内の応力測定位置

6,225mm

応力測定断面

作用水深の変化範囲~(0mm 5,000mm)

図4 応力測定時の作用水位の変化範囲

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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