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携帯電話による車両トータル運行管理システムの開発

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Academic year: 2022

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携帯電話による車両トータル運行管理システムの開発

(株)大林組 正会員 ○岡本 寿春 正会員 古屋 弘

(株)大林組 正会員 疋田 喜彦 正会員 関目 季亮

(株)大林組 中津トンネル工事事務所 正会員 金本 裕治

1.はじめに

近年、土木工事において生産性向上、品質確保、安全性向上の観点から情報化施工の導入が急速に進んでおり、

これによる作業の効率化、省力化が期待されている。当社では、これまで、運搬材料の土種別管理、および運搬 中の車両に対して危険箇所で注意喚起を行う「PDA による車両トータル運行管理システム」を開発し現場へ導入 してきた 1)。今回、リアルタイム管理や広範囲エリアでの運用ニーズに対応するために、携帯電話を利用したシ ステム(以下、本システム)を開発し、現場へ導入した。

本稿ではシステムの概要と運用状況について報告する。

2.システムの概要

本システムは、材料運搬における材料別の運土量を管理するシステム(運土管 理システム)と、運搬車両に対する注意喚起を実施するシステム(注意喚起シス テム)からなり、2つのシステムを、写真-1に示すGPS搭載型携帯電話(以下、

GPS携帯)で同時に実行する。GPS携帯の通信網を利用することで、運搬車両の 位置情報や注意喚起の実施状況を、リアルタイムに確認し管理することができる。

本システムの概要図を図-1に示す。本システムの機器構成は、各ダンプトラ ックにGPS携帯を 1 台搭載し、現場事務所にはネット接続環境下にありモニタ リングソフトを内蔵した管理PC1台を設置する。各システムの概要を次に示す。

(1)運土管理システム

従来の運土管理は、ダンプトラックの運転手による 運搬回数のカウントによって行われていた。しかし、

①人為的なカウントミス、②運搬作業中に材料が変わ ることによるミスの発生を回避できず、材料種類別の 正確な運搬台数の把握が困難であった。一方、本シス テムでは、ダンプトラックに搭載したGPS携帯に、材 料種類別の運搬情報を記録し、携帯電話の通信網を介 してサーバーに送信し、データを一括管理することで 確実な運土管理が可能になる。

(2)注意喚起システム

材料運搬経路上の安全確保のために、一般には危険 箇所に誘導員や看板を配置してダンプトラックの運転 手への注意喚起を行っているが、看板の見落としなど、

全ての箇所で確実な注意喚起は困難であった。しかし、

今回のシステムでは、注意喚起を促したい箇所を事前 に設定しておくことで、音声アナウンスにて繰返し注 意喚起が行われる。

キーワード 運土管理、注意喚起、GPS携帯

連絡先 〒108-8502 東京都港区港南2-15-2 B棟 (株)大林組土木本部生産技術本部土工技術部TEL03-5769-1302 積込場所~走行中

積込場所 走行ルート

GPS携帯 位置情報 (定期送信)

現場周辺

・車両ID

・材料種別

+積込場所

+積込時間

工事現場進入路です。

注意してください。

図-1 GPS携帯による車両トータル運行システム概要 写真-1 GPS搭載型携帯電話

荷卸場所・現場事務所

荷卸場所

GPS携帯

・車両ID

・材料種別

・積込場所

・積込時間

+荷卸場所

+荷卸時間

現場事務所 本社 サーバー

GPS携帯

データ閲覧・帳票作成

実績データ

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑639‑

Ⅵ‑320

(2)

3.システムの特徴

以下に本システムの特徴を示す。このうち、(1)、(2)、(3)は携帯電話を使用することによる特徴である。

(1)車両情報のリアルタイム管理;GPS 携帯から運搬情報を定期的にサーバーに送信することにより、管理 PCの

モニタリング画面で車両の位置情報や注意喚起の実行状況をリアルタイムに管理することができる(図-2)。

(2) 2種類の通信方法による広い適用範囲;携帯電話の通信網の他、携帯電話がつながりにくい現場に対しては、

無線LANのアクセスポイントを設置することで無線LAN通信にてデータ通信が可能である。また、両者とも 通信圏外の際は、GPS携帯内にデータを一時保存し、通信圏に入った際にデータを一括送信する。

(3)注意喚起システムの確実な実行;携帯圏外で利用する場合も考慮し、単独測位の状態で注意喚起を確実に実行 するため、アルゴリズムにより注意喚起漏れを防止する手法を開発した。

(4)運搬経路の安全性向上;任意の場所に注意喚起箇所を設定することができ、音声による注意喚起を繰返し実行 することで、運搬経路の安全性を向上することができる。

(5)正確な運搬台数管理とトレーサビリティの確保;GPS携帯にて材料種類別の正確な運搬履歴、位置情報(積込、

荷卸場所)を定期的にサーバーに送信する。定期的なデータ通信により、作業中の運土状況がリアルタイムに 確認でき、材料種類別の概算運土量や運搬のサイクルタイムを管理することができる。

(6)操作、管理の省力化;作業中のダンプトラックの運転手の操作は簡単な操作であり、作業の妨げにならない。

また、事前に作成したテンプレートにより日報及び月報を出力できるため、日々の帳票を短時間で処理できる。

4.運用概要

本システムを土工現場に適用を図った。その際の運 用フローを図-3に示し、以下にその運用概要を示す。

 事前に管理PCで運土情報(車両ID、積込材料、荷 卸場所、注意喚起箇所など)を作成し、サーバーに 登録する。

 当日作業開始前にダンプトラックの運転手は、GPS 携帯内蔵アプリケーションを起動する。起動すると、

自動的にサーバーから運土指示情報を受信する 。

 積込み時には「積込」ボタンを操作する。

 運搬中、運転手は音声による注意喚起に従い、荷卸 場まで安全に走行する。

 荷卸場にて荷卸しが完了したら「荷卸」ボタンを操 作して 1 サイクルの運搬工程を完了する。以後、積 込~運搬~荷卸しのサイクルを繰返す。

 作業終了後は管理用 PC にて、サーバーから受信し たデータを元に日報および月報を作成する。

5.まとめ

本システム導入により得られた結果を以下に示す。

(1)携帯電話の通信網と無線LAN通信を利用することで、車両の位置情報や走行ルートを確実にリアルタイムに管

理できた。

(2)設定した注意喚起箇所で、確実に注意喚起を実行でき、安全意識の向上と安全要員の省力化が実現できた。

今後は現場条件とニーズに対応した通信方法を選定し、現場への導入・展開を図りたいと考える。

参考文献

1)関目ほか:トータル運行管理システムの開発と現場適用、土木学会第 65回年次学術講演会講演概要集、p701-702

運行中車両の情報 MAP画面

車両の種類は変更可能 車両の向きは進行方向に従う

図-3 運用フロー 図-2 モニタリング画面

運土指示情報を作成

積込ボタンを操作 運搬中:注意喚起を実行

荷卸ボタンを操作

(1サイクル完了)

管理PC

繰返し

帳票管理 アプリ起動

管理PC サーバ 位置情報を定期送信

運搬実績を送信 運土指示情報を取得

運土指示情報を登録

リアルタイム管理 GPS携帯

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑640‑

Ⅵ‑320

参照

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