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携帯電話向けマルチアプリケーション実行環境

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Academic year: 2021

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(1)社団法人 情報処理学会 研究報告 IPSJ SIG Technical Report. 2003−OS−93  (19) 2003/5/9. 携帯電話向けマルチアプリケーション実行環境 朝倉 義晴†. 奥山 玄†. 中山 義孝†. 臼井 和敏†. 中本 幸一†. 現在の携帯電話はブラウザや Java 実行環境,GPS,カメラなどを備え,従来の携帯電話と比較し て多様な使われ方がなされている.本稿では,複数のアプリケーションの並行動作を可能とする携 帯電話向けマルチアプリケーションプラットフォームを提案する.このアーキテクチャは,OS に Linux,ウィンドウシステムに X Window System を用い,アプリケーションの実行制御,ウィンド ウ操作の監視,リソースアクセスの管理,アプリケーションの属性の管理,アプリケーション間通 信手段を提供する.この環境上において,アプリケーションは並行動作が可能となり,複数のアプ リケーションによる連携動作が可能になる.. Multi-Application Platform for Mobile Phones YOSHIHARU ASAKURA†. ,. GEN OKUYAMA†. KAZUTOSHI USUI. †. and. ,. YOSHITAKA NAKAYAMA†. YUKIKAZU NAKAMOTO. ,. †. Current mobile phones support various functions such as a web browser and the Java Runtime Environment. These phones have been used for various purposes compared to former phones. We propose a multi-application platform for mobile phones that enables a mobile phone to have run multiple applications concurrently. This architecture, which is based on Linux and X Window System, provides functions that manage application behavior, operations of windows, access of resources. This architecture also provides a means of communication among applications. Applications on this architecture can run concurrently and work cooperatively.. 1. はじめに. 備える複数の機能(アプリケーション)を切替え. 現在の携帯電話はブラウザや Java1実行環境. ながら同時に利用できると便利な場合がある.. を備え,これらを利用した様々なサービスが提. このようなことができない携帯電話の場合,例. 供されている.特に近年の携帯電話は,カメラ,. えば,ブラウザによるブラウジング中にメーラ. GPS,赤外線インターフェース,Bluetooth2な. に切替えてメールの読み書きを行うことはでき. どのデバイスを備えた携帯電話も存在する.ソ. ない.メールを読み書きするためにメーラに切. フトウェア面では上述のデバイスを活用するた. 替えると,ブラウザは終了してしまう.再度ブ. めのソフトウェアに加え,予定表,ToDo リスト. ラウザを起動した場合,ブラウザの初期メ. など,PDA としての機能を備えるようになって. ニューが表示され,メーラ起動前にブラウジン. きている.ユーザは機能の増加にともない,以. グしていた WEB ページは表示されない. 一方,. 前と比較してより多様な用途に携帯電話を利用. 複数のアプリケーションを切替えながら同時に. するようになっている.そのため,携帯電話が. 利用できる携帯電話の場合,メーラに切替えた 後もブラウザは動作可能であり,ブラウジング. Java は Sun Microsystems, Inc.の商標または登録 商標である. 2 Bluetooth は Bluetooth SIG, Inc.の商標である. †日本電気(株) ネットワーク開発研究本部 Network Development Laboratories, NEC Corporation 1. 中の WEB ページは保持されたままである. 今 後このような,複数のアプリケーションを切替 えながら同時に利用する使われ方がますます望 まれるようになると考えられる.. −135− -1-.

(2) また携帯電話のアプリケーションプラット. リケーションの識別方法,振る舞い,画面への. フォームという観点から見ると,単純に複数の. 表示方法,アプリケーション間通信手段を決め. アプリケーションを同時に利用可能とするだけ. る必要がある.(2)を解決するためには,アプリ. では不十分である.例えば,携帯電話が持つ排. ケーションのリソースアクセスを管理する必要. 他的に利用するリソース(ネットワークやサウ. がある.. ンドデバイス)へのアクセスを許可するアプリ ケーションを決めたり,優先的に画面に表示さ. これらの問題点を解決するために,CMAP で は以下の四点をモデル化している.. せるアプリケーションを決めたりする必要があ. アプリケーション. る.そのため,これらの制御を行う仕組みも必. アプリケーション表示. 要である.. アプリケーション間通信 リソースアクセス. 本稿では複数のアプリケーションを切替えな がら同時に利用可能とする携帯電話向けマルチ. アプリケーションモデルは,CMAP 上で動作す. ア プ リ ケ ー シ ョ ン プ ラ ッ ト フ ォ ー ム CMAP. るアプリケーションの構成,識別子,状態をモ. (Configurable Multi-Application Platform) の. デル化する.CMAP において,アプリケーショ. 提案を行う.2章では本稿で提案するプラット. ンは他のアプリケーションと協調して動作する.. フォームのモデルを述べ,3章ではアーキテク. そのため,他のアプリケーションを指定するた. チャの構成を述べる.4章ではこのプラット. めの識別子やアプリケーションの状態制御が必. フォームを複数 Java アプリケーションプラッ. 要となる.アプリケーションのモデル化により,. トフォームに適用した事例を述べ,5章でまと. CMAP のアプリケーションの振る舞いを統一し,. めを述べる.. 協調動作を可能とする.以後,CMAP 上で動作 するアプリケーションを CMAP アプリケー. 2. CMAP モデル. ションと呼ぶ.. 本章では複数のアプリケーションを切替えな. アプリケーション表示モデルは,PC と比較し. がら同時に利用可能とする携帯電話向けアプリ. て小型な携帯電話の画面に適したアプリケー. ケーションプラットフォーム CMAP のモデル. ションの表示方法をモデル化する.CMAP アプ. を述べる.CMAP を実現するうえで,携帯電話. リケーションはアプリケーション表示モデルに. のアプリケーションプラットフォームという観. 従い,画面に表示される.アプリケーション表. 点から,以下の問題がある.. 示のモデル化により,ユーザからのアプリケー. (1) アプリケーションに対し,フォーカス割 り当てや画面への表示を優先的に行う仕 組みが必要. ションの見え方を統一する. アプリケーション間通信モデルは,アプリ ケーション間の通信方法をモデル化する.複数. (2) アプリケーションに対し,排他的に利用. のアプリケーションが連携して動作するため,. されるリソースへのアクセスを制御する. アプリケーション間の通信が必要となる.アプ. 仕組みが必要. リケーション間通信のモデル化により,CMAP. (1)を解決するためには,実行中のアプリケー. アプリケーションが利用する通信手段を統一す. ションを制御し,複数のアプリケーションを協. る.. リソースアクセスモデルはアプリケーション 調して動作させる必要がある.そのため,アプ -2−136−.

(3) のリソースの利用方法をモデル化する.リソー. がある.CMAP アプリケーションは CMAP に. スアクセスのモデル化により,CMAP アプリ. おいて一意なアプリケーション名を持つ.アプ. ケーションのリソースアクセス方法を統一する.. リケーション名はアプリケーション作成者が割. これにより,CMAP で個々のアプリケーション. り当て,アプリケーション間通信の通信先アプ. が利用するリソースの管理を可能とする.. リケーションの指定に利用される.アプリケー ション名は静的に割り当てられるため,アプリ ケーション作成時に通信先アプリケーションの. 2.1. OS,ウィンドウシステム ,ウィンドウシステム CMAP では,OS として Linux3を,ウィンド. 指定が可能となる.そのため,携帯電話出荷後. ウシステムとして Linux で広く使われている X. にユーザがダウンロードするアプリケーション. Window System 4 を 前 提 と し て い る . OS に. と携帯電話にプレインストールされているアプ. Linux を用いる利点を以下に挙げる.. リケーションとの間でアプリケーション間通信. (1) アプリケーション単位のメモリ保護. が可能となる. CMAP アプリケーションは実行状態と停止状. (2) 動的なプロセスの生成と削除 (3) 豊富なミドルウェア,開発環境. 態の二つの状態を取りうる.実行状態はアプリ. (1)により,他のアプリケーションのバグによる. ケーションの通常の動作状態である.停止状態. メモリ破壊からアプリケーションのメモリを保. のアプリケーションは,ネットワークやサウン. 護できる.(2)により,アプリケーションを必要. ドデバイスなどのアプリケーション間で排他的. なときのみ実行させることで,メモリの使用効. なリソースの利用に制限がある.また,フォー. 率を改善できる.また,携帯電話出荷後に新規. カスを持つアプリケーションをアクティブアプ. インストールしたアプリケーションの実行が可. リケーション,フォーカスを持たないアプリ. 能になる.(3)により,Linux 上の豊富なミドル. ケーションをインアクティブアプリケーション. ウェア,開発環境を利用することで開発効率の. と呼ぶ.アクティブアプリケーションは同時に. 向上が図れる.. 最大一つしか存在しない.携帯電話のキー入力 はアクティブアプリケーションに対して通知さ れる.アクティブアプリケーションの変更を,. 2.2. アプリケーションモデル アプリケーションモデル CMAP のアプリケーションモデルを図 1 に. アプリケーションの切替えと呼ぶ.. 示す.CMAP アプリケーションは1つのプロセ スから構成される.そして他のアプリケーショ ン, ミドルウェア, ライブラリと通信や API コー. アプリケ ーション. 通信. アプリケ ーション. ルを介して協調動作する.個々のアプリケー ションは個別のメモリ空間を持つため,アプリ ケーション間のデータの共有,交換は 2.4 節で 述べるアプリケーション間通信を利用する必要. Linux は Linus Torvalds の商標または登録商標で ある. 4 X Window System は X Consortium Inc.の登録商 標である. 3. 通信/ 通信/ APIコール APIコール. ミドルウェア/ライブラリ. 図 1 CMAP アプリケーションモデル. -3−137−.

(4) 2.3. アプリケーション表示モデル. 2.4. アプリケーション間通信モデル. CMAP では画面を一つ以上の矩形(表示領域). アプリケーション間通信は,CMAP アプリ. に分割し,図 2 に示すように一つの表示領域に. ケーション間のデータ共有,通信を実現する.. 一つのアプリケーションを割り当て,表示する.. アプリケーション間通信は複数のアプリケー. 表示領域に割り当てられていないアプリケー. ションが協調動作をするために用いられる.ア. ションは表示されない.アプリケーションが表. プリケーション間通信を実現する手段は複数存. 示領域に割り当てられている状態をフォアグラ. 在する.個々のアプリケーションが独自の方法. ウンド,割り当てられていない状態をバックグ. によりアプリケーション間通信を行うと,任意. ラウンドと呼ぶ.また,フォアグラウンドのア. のアプリケーション間の通信が不可能になる.. プリケーションをフォアグラウンドアプリケー. そのため,アプリケーション間通信方法を統一. ション,バックグラウンドのアプリケーション. する必要がある.また,個々のアプリケーショ. をバックグラウンドアプリケーションと呼ぶ.. ンが OS の提供するアプリケーション間通信手. 表示領域の数はアプリケーション実行中も変. 段を直接利用した場合,CMAP はアプリケー. 更可能である.表示領域の数が増加した場合,. ション間通信で利用するリソースを管理できな. 新たに増加した表示領域の数と同数のバックグ. い.携帯電話は PC や PDA と比較してリソース. ラウンドアプリケーションをフォアグラウンド. が少ないため,個々のアプリケーションが利用. 状態に遷移させる.逆に表示領域の数が減少し. するリソースを制限しなければならない.その. た場合,新たに減少した表示領域の数と同数の. ため,CMAP アプリケーションが利用するアプ. フォアグラウンドアプリケーションをバックグ. リケーション間通信の実現手法を統一する. CMAP では,以下に述べる三種類のアプリ. ラウンド状態に遷移させる. アプリケーションがユーザに情報提示やユー. ケーション間通信モデルを定義している.. ザインタラクションの目的でウィンドウを画面. バス型. に表示する場合がある.このような目的で利用. 直接接続型. するウィンドウをダイアログと呼ぶ.ダイアロ. 領域共有型. グは例外的にバックグラウンドアプリケーショ. バス型は CMAP アプリケーションに接続され. ンが画面に表示可能なウィンドウである.. ているアプリケーション通信バスを介して,指 定したアプリケーションにデータを送信するモ デルである.直接接続型は二つのアプリケー. メール. メール. 受信メール一覧. 受信メール一覧 新規メール作成. 送信メール一覧 保存メール一覧 新規メール作成. Bookmark 天気予報 渋滞案内. ション間を通信路で直接接続し,データの送受 信を行うモデルである.領域共有型は複数のア プリケーションが共有領域を介してデータの共 有を行うモデルである.CMAP アプリケーショ ンは用途に応じて,通信モデルの使い分けが可. 表示領域が一つの場合. 表示領域が二つの場合. 能である.. 図 2 表示モデル 2.5. リソースアクセスモデル CMAP アプリケーションは CMAP が提供する -4−138−.

(5) リソースアクセス手段を用いてリソースアクセ. アプ リケーショ ン 1. …. スを行う.これにより,CMAP は全ての CMAP. アプ リケーショ ンN. アプ リケーショ ン通信バス. アプリケーションのリソースアクセスを管理す ることが可能となる.空きのないリソースに対. ウィン ドウ マネージャ. アプ リケーショ ン マネージャ. リソース マネージャ. してアプリケーションのリソースアクセスが発. アプ リケーショ ン 属性 データベース. X Window System. 生した場合,CMAP によりリソースアクセスの 競合解決がはかられる.その結果,リソースア. Linux. クセスが許可されたアプリケーションがリソー …CMAP構成モジュール. スを利用できる.この時,新しくリソースアク セスをしたアプリケーションのリソースアクセ. 図 3 CMAP アーキテクチャ全体構成図. スが許可された場合,競合解決以前にリソース を利用していたアプリケーションのアクセスは. ダイアログ表示が抑止される場合が挙げられる.. 強制切断される.また,新しくリソースアクセ. (3)の具体例として,着信時にゲームアプリケー. スをしたアプリケーションのリソースアクセス. ションがサウンドデバイスを利用しているとき,. が許可されなかった場合,競合解決以前にリ. ゲームアプリケーションによるサウンドデバイ. ソースを利用していたアプリケーションが引き. スへのアクセスが切断され,代わりに着信アプ. 続きリソースを利用できる.. リケーションがサウンドデバイスを利用する場 合が挙げられる.. 3. CMAP アーキテクチャ 本章では 2 章で述べたモデルを実現するアー. 3.1. CMAP アーキテクチャ全体構成. キテクチャを述べる.CMAP は携帯電話向けの. CMAP アーキテクチャの全体構成を図 3 に示. マルチアプリケーションプラットフォームとし. す.CMAP は四つのモジュールとアプリケー. て,以下の点を考慮しなければならない.. ション通信バスから構成されている.四つのモ. (1) システムにより強制的に別のアプリケー. ジュールと CMAP アプリケーションは,アプリ ケーション通信バスにより接続されている.. ションに切替えられる場合がある. (2) アプリケーションがダイアログを表示す るときに,表示が抑止される場合がある.. 3.2. CMAP 構成モジュール. (3) アプリケーションが携帯電話の排他的な. 図 3 に挙げた CMAP を構成する四つのモ. リソースにアクセスしているときに,リ. ジュールとアプリケーション通信バスについて. ソースアクセスが強制的に切断される場. 述べる. ウィンドウマネージャ. 合がある. (1)の具体例として,着信時にユーザが利用して. ウィンドウマネージャはアプリケーション. いるアプリケーションから着信処理アプリケー. のウィンドウ操作(ウィンドウの表示,表示順. ションに切替え,着信処理をする場合が挙げら. 序の変更,移動,リサイズ,フォーカス取得,. れる.(2)の具体例として,着信処理をするアプ. ダイアログの表示)を監視し,アプリケーショ. リケーションがフォアグラウンドのとき,バッ. ンの不正なウィンドウ操作の無効化や適正. クグラウンドアプリケーションによる. な操作への変換を行う.またアプリケーショ -5−139−.

(6) ンマネージャの指示に従い,表示領域へのア. ションによるリソースアクセスの競合解決. プリケーションの割り当てを行う.ウィンド. が可能となる.また,アプリケーションに対. ウマネージャがアプリケーションのウィン. するリソースアクセスの禁止,リソースアク. ドウ操作を監視することにより,CMAP とし. セスの強制切断,アプリケーション終了時の. て適切なアプリケーション表示状態を保つ.. 未解放リソースの解放も可能となる. アプリケーション属性データベース. アプリケーションマネージャ アプリケーションマネージャは CMAP とし. アプリケーション属性データベースは. て適切な実行環境を保つため,アプリケー. CMAP アプリケーションの属性値を保存し,. ションの実行制御を行う.アプリケーション. 属性値の登録や問い合わせ手段をアプリ. マネージャは以下の実行制御を行う.. ケーションに提供する.アプリケーションの. ・ アプリケーションの起動,終了. 属性として,アプリケーション名などが定義. ・ アプリケーションの状態制御(実行状態,. されている.個々の CMAP アプリケーショ. 停止状態の遷移,アプリケーション切替. ンは,アプリケーションの属性値をアプリ. え). ケーション属性データベースに登録する.ア. ・ ウィンドウマネージャへのアプリケー. プリケーション属性データベースの利用に より,個々のアプリケーションによる属性値. ションの割り当て要求 CMAP アプリケーションはアプリケーショ. の保存や他のアプリケーションからの属性. ンマネージャの制御下で動作し,個々のアプ. 値の問い合わせ対応が不要になる. アプリケーション通信バス. リケーションの判断による状態遷移はでき ない.アプリケーションマネージャは,ユー. アプリケーション通信バスはアプリケー. ザからのアプリケーション切替え指示や着. ション間通信時にデータの通信路として用. 信などのアプリケーションマネージャ外部. いられる.全ての CMAP アプリケーション. からのイベントに応じて,上述の実行制御を. はアプリケーション通信バスに接続されて. 行う.これらの実行制御により,携帯電話と. おり,任意のアプリケーション間でアプリ. しての実行環境を実現し,状況に応じて適切. ケーション間通信が可能である.. なアプリケーションへの切替え,表示領域へ の割り当て指示を行う. リソースマネージャ. 3.3. アプリケーション間連携 CMAP アプリケーションは,アプリケーショ. リソースマネージャは CMAP アプリケー. ン間通信のバス型モデルを利用した同期処理,. ションによる排他的に利用されるリソース. 直接接続型モデルを利用した任意データの送受. へのアクセスを管理し,CMAP アプリケー. 信,領域共有型モデルを利用した任意データの. ションに対しリソースアクセス手段を提供. アプリケーション間共有が可能である.これら. する.CMAP アプリケーションは,リソース. の同期処理,データ送受信,データ共有を利用. マネージャが提供するリソースアクセス手. することにより,複数アプリケーションの連携. 段を用いてリソースを利用する.リソースマ. 動作が可能となる.. ネージャがアプリケーションのリソース利 用を管理することにより,複数のアプリケー -6−140−.

(7) 4. 適用事例 本章では CMAP の適用事例として,複数 Java. CMAPアプリケーション. アプリケーションプラットフォームを示す. Javaアプリケーション. 4.1. 携帯電話向け Java 実行環境 代表的な携帯電話向けの Java 実行環境には DoJa5([1])と. Java実行環境. MIDP(Mobile Information Device. Profile)([2])が存在する.Java アプリケーション. Java実行制御モジュール. はこれらの Java 実行環境上で動作する.Java 実行環境は,Java アプリケーションを実行する 仮想マシンと Java アプリケーションが利用す. 図 4 CMAP の Java アプリケーション. るクラスライブラリから構成される.また,Java アプリケーションは状態を持ち,Java 実行環境. しての状態との対応付けを行う.Java 実行制御. が状態を管理する.Java アプリケーションが取. モジュールは,CMAP アプリケーションとして. りうる状態は DoJa と MIDP とで異なる.それ. の状態遷移に対応して, Java アプリケーショ. ぞれの実行環境が取りうる状態を表 1 に示す.. ンの状態を遷移させる.Java 実行制御モジュー. 表 1 Java アプリケーションの取りうる状態 Java. ルにより,アプリケーションマネージャは Java アプリケーションを CMAP アプリケーション として認識する.つまりアプリケーションマ. 取りうる状態. ネージャは,Java アプリケーションを CMAP. 実行環境 DoJa. 実行,サスペンド6. MIDP. Paused,Active,Destroyed. アプリケーションとして実行制御する.. 4.3. Java アプリケーションの管理 Java アプリケーションは携帯電話の外部から. 4.2. Java アプリケーションと CMAP アプリ. 取得され,携帯電話にインストールされる.携. ケーションの対応付け 一 つ の Java ア プ リ ケ ー シ ョ ン を 一 つ の. 帯電話にインストールされた Java アプリケー. CMAP アプリケーションとして対応付ける.. ションは,Java 実行環境上で実行される.そし. Java アプリケーションの実行には Java 実行環. て不要になった Java アプリケーションは携帯. 境が必要となるため,Java アプリケーションの. 電話からアンインストールされる.CMAP には. CMAP アプリケーションとしての構成は図 4. このような Java アプリケーションの管理を行. のようになる.Java 実行制御モジュールは,. う機能が存在しないため,Java アプリケーショ. CMAP アプリケーションとしての状態(実行,停. ンを管理するモジュールが新たに必要となる.. 止状態)と表 1 に示す Java アプリケーションと. そこで JAM(Java Application Manager)を新規 モジュールとして CMAP に追加する.JAM は Java アプリケーションのインストール,実行,. DoJa は NTT ドコモの商標または登録商標である. 6 DoJa-2.x プロファイルで定義されている待ち受け アプリケーションの取りうる状態は除いている. 5. 終了,アンインストール機能をユーザに提供す. る. 7 −141−.

(8) ションを,Java アプリケーションとして実現可 4.4. Java アプリケーション間連携. 能である.これらのアプリケーションを Java. Java アプリケーション間や Java アプリケー. アプリケーションとして実現することにより,. ションと非 Java アプリケーション間において,. 携帯電話出荷後のアプリケーションの入れ換え. アプリケーション間通信を利用した連係動作が. が可能となる.そのため,携帯電話出荷後のア. 可能である.Java アプリケーションからアプリ. プリケーションの機能拡張や新たに発見された. ケーション間通信を利用するために,Java 実行. バグは,アプリケーションの入れ替えにより対. 環境が Java アプリケーションにアプリケー. 処可能である.Java アプリケーションの入れ替. ション間通信の機能(クラスライブラリ)を提供. えには,JAM が持つ Java アプリケーションの. する必要がある.このアプリケーション間通信. インストール,アンインストール機能を利用で. の機能を実現するクラスライブラリは,CMAP. き,入れ替えのために新たな仕組みを必要とし. 独自のクラスライブラリとして定義される.. ない.. Java アプリケーションがアプリケーション間 通信を利用することにより,個々の Java アプリ. 5. まとめ. ケーションが単独で動作するだけではなく,複. 本稿では携帯電話向けのマルチアプリケー. 数の Java アプリケーションによる連携動作も. ションプラットフォーム CMAP について述べ. 可能となる.. た.CMAP では複数のアプリケーションを切替 えながら同時に利用可能であり,アプリケー. 4.5. 主要アプリケーションの Java アプリケー ション化 従来の携帯電話のブラウザやメーラは,一部の 携帯電話を除いて,携帯電話搭載 OS のネイティ. ション間連係動作も可能である.また適用事例 として,複数 Java アプリケーションプラット フォームを示した. 現在 PC 上の Linux 環境において試作を行い,. ブアプリケーションとして実現されていた.そ. 操作性や機能を検証中である.今後の予定とし. の理由は,従来の携帯電話では複数の Java アプ. て,検証結果を反映させた操作性,機能の追加,. リケーションを切替えながら同時に利用するこ. 改良を行う.また携帯電話実機,もしくは,性. とができず,また,Java アプリケーション間の. 能や使い勝手の近いデバイス上に CMAP を移. 連係動作を実現する機能が存在しないためであ. 植し,性能評価を行うことも必要である.. った.そのためブラウザやメーラなど,他のア プリケーションとの連携動作が必要なアプリ ケーションを Java アプリケーションで実現す ることはできなかった. CMAP では今まで述べてきたように,複数の Java アプリケーションを切替えながら同時に 利用可能であり,また,Java アプリケーション 間で連係動作が可能である.従って CMAP では, 従来の携帯電話の環境では難しかったブラウザ やメーラなどの携帯電話の主要なアプリケー - 8 -E −142−. 参考文献 [1] 株式会社 NTT ドコモ, “i “i アプリコンテンツ開 発ガイド for 504i(詳細編 504i(詳細編) 詳細編) 第 2.0 版” ,株式 会社 NTT ドコモ (2003). (2003). [2] Sun Microsystems, “Mobile Microsystems, “Mobile Information D evice Profile(JSR,Java Java Community Profile(JSR-37)” 37)”, Process, Process,Java2 Platform, Platform,Micro Edition, Edition, 1.0 (2000). (2000)..

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図 図     1111 CMAP  CMAP  CMAP  CMAP アプリケーションモデル アプリケーションモデル アプリケーションモデル アプリケーションモデル
図     3333 CMAP  CMAP  CMAP  CMAP アーキテクチャ全体構成図 アーキテクチャ全体構成図 アーキテクチャ全体構成図 アーキテクチャ全体構成図
表 表     1111 Java  Java  Java  Java アプリケーションの取りうる状態 アプリケーションの取りうる状態 アプリケーションの取りうる状態 アプリケーションの取りうる状態

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